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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】真贋判別用情報表示媒体
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/378 20140101AFI20240509BHJP
   B41M 5/26 20060101ALI20240509BHJP
   B42D 25/41 20140101ALI20240509BHJP
【FI】
B42D25/378
B41M5/26
B42D25/41
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020108898
(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公開番号】P2022006589
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】杉本 隼一
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-087679(JP,A)
【文献】特開平09-183288(JP,A)
【文献】特開2014-008746(JP,A)
【文献】特開平05-043523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/378
B41M 5/26
B42D 25/435
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、
基材と、
前記基材上に形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、
前記基材上の前記固有情報と異なる位置に形成され、熱印加により発色すると共に、熱印加することなく特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、
を有することを特徴とする真贋判別用情報表示媒体。
【請求項2】
真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、
基材と、
前記基材上の全面に形成された保護層と、
前記保護層上に形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、
前記基材と前記保護層との間に形成され、前記固有情報と異なる位置に、熱印加により発色すると共に、熱印加することなく特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、
を有することを特徴とする真贋判別用情報表示媒体。
【請求項3】
真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、
基材と、
前記基材上の全面に形成されたレーザ発色剤を含有する情報形成保護層と、
前記情報形成保護層にレーザ光照射により形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、
前記基材と前記情報形成保護層との間に形成され、前記固有情報と異なる位置に、熱印加により発色すると共に、熱印加することなく特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、
を有することを特徴とする真贋判別用情報表示媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目視確認により真贋判別させる真贋判別用情報表示媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、真贋判定が可能な種々のカード類の媒体が知られている。このような媒体は所有者固有の情報等が形成されることから真贋判定用の情報等の形成にあたって媒体の構造的製造後にパーソナライズする必要があると共に、簡易に真贋判定させることが望まれる。
【0003】
従来、例えば偽造防止媒体について特許文献1等で知られている。特許文献1には、TiやAl等の反射材料が任意の角度で形成された反射層上にエンボス構造の回析構造層が形成され、当該回析構造層上に白色光で励起され、可視光を発光する燐光発光体層が形成されたものを基材上に接着層を介して形成されたものが記載されている。この偽造防止媒体は、白色光照射部、角度センサー、撮像部を備える携帯情報端末等の識別装置を用いて、認識者に角度センサーで反射層との角度が合致するように指示し、角度が合致したら白色光を照射し、燐光が反射層に反射して、撮像部にて識別されることで真正であるか否かを識別させるものである。
【0004】
一方、不可視の情報を備えて当該情報を識別する情報媒体が、例えば特許文献2で知られている。特許文献2には、支持体上に可逆性記録層と識別情報担体とを備え、最表面に保護層が設けられた記録媒体であり、当該識別情報担体が、例えばバーコード、記号、絵、文字等のパターンが赤外光を吸収し発光するNd、Yb等の材料で形成され、ステルス・バーコード用ハンディスキャナ等で赤外光を照射して発光させることで当該パターンを不可視の状態から読み取ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-101662号公報
【文献】特開2000-190640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1,2の媒体では、真贋を判定する際に読み取り機など別途に特別な識別装置を必要とすると共に、事前に真贋を判定する情報等を所有者毎に形成させなければならず、媒体をパーソナライズ化するにあたって製造設備等コスト的に不利であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、元媒体の製造後に個別情報の形成によるパーソナライズ化を可能とし、真贋を簡易に目視確認可能とする真贋判別用情報表示媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、基材と、前記基材上に形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、前記基材上の前記固有情報と異なる位置に形成され、熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、を有する構成とする。
【0009】
請求項2の発明では、真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、基材と、前記基材上の全面に形成された保護層と、前記保護層上に形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、前記基材と前記保護層との間に形成され、前記固有情報と異なる位置に、熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、を有する構成とする。
【0010】
請求項3の発明では、真贋判別させる情報を備える真贋判別用情報表示媒体であって、基材と、前記基材上の全面に形成されたレーザ発色剤を含有する情報形成保護層と、前記情報形成保護層にレーザ光照射により形成された少なくとも媒体所有者に関する固有情報と、前記基材と前記情報形成保護層との間に形成され、前記固有情報と異なる位置に、熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で前記固有情報と紐づけされた識別情報が形成された層であり、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させるための真贋判別識別層と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、基材上に形成された固有情報と異なる位置に形成された真贋判別識別層であり、当該真贋判別識別層が熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で当該固有情報と紐づけされた識別情報が形成され、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させる構成とすることにより、基材上に真贋判別識別層を形成させて元媒体を製造した後に個別情報及び当該個別情報に紐づけされた識別情報を形成させてパーソナライズ化をさせることができると共に、特別な読取装置を必要とせずに紐づけ状態を目視確認させると共に特定光を照射させて真贋判別識別層の蛍光発光を目視確認させて真贋を簡易に判別させることができるものである。
【0012】
請求項2の発明によれば、基材に形成された保護層上に形成された固有情報と異なる位置であって基材と保護層との間に形成された真贋判別識別層であり、当該真贋判別識別層が熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で当該固有情報と紐づけされた識別情報が形成され、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させる構成とすることにより、基材上に真贋判別識別層、保護層を形成させて元媒体を製造した後に個別情報及び当該個別情報に紐づけされた識別情報を形成させてパーソナライズ化をさせることができると共に、特別な読取装置を必要とせずに紐づけ状態を目視確認させると共に特定光を照射させて蛍光発光を目視確認させて真贋を簡易に判別させることができ、加えて保護層によって真贋判別識別層が堅牢となって摩消や故意的な剥離を防止させることができるものである。
【0013】
請求項3の発明によれば、基材に形成されたレーザ発色剤を含有する情報形成保護層にレーザ光で形成された固有情報と異なる位置であって基材と情報形成保護層との間に形成された真贋判別識別層であり、当該真贋判別識別層が熱印加により発色すると共に、特定光の照射で蛍光発光するロイコ色素が含有されて当該熱印加の発色で当該固有情報と紐づけされた識別情報が形成され、当該識別情報の当該固有情報との紐づきを目視確認させ、かつ、特定光の照射によるロイコ色素の蛍光発光を目視確認させて真贋を判別させる構成とすることにより、基材上に真贋判別識別層、情報形成保護層を形成させて元媒体を製造した後に個別情報及び当該個別情報に紐づけされた識別情報を形成させてパーソナライズ化をさせることができると共に、特別な読取装置を必要とせずに紐づけ状態を目視確認させると共に特定光を照射させて蛍光発光を目視確認させて真贋を簡易に判別させることができ、加えて情報形成保護層によって真贋判別識別層が堅牢となって固有情報を含めて摩消や故意的な剥離を防止させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第1実施形態の構成図である。
図2図1の真贋判別用情報表示媒体の製造に関する説明図である。
図3図1の真贋判別用情報表示媒体の真贋判別の説明図である。
図4】本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第2実施形態の構成図である。
図5】本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第3実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第1実施形態の構成図を示す。図1(A)、(B)において、社員証、会員証、保険証やクレジットカードなどの真贋判別用情報表示媒体11は、基材11A上の所定位置に第1表示情報12及び第2表示情報13が形成される。第1表示情報12は、例えば社員証ならば社名、所属、氏名、社員IDなど、保険証ならば、住所、氏名、性別、年齢等の表示として挙げられる。また、第2表示情報としては、例えば、写真等があげられる。第1表示情報12及び第2表示情報13が媒体所有者に関する固有情報となる。
【0016】
上記基材11Aは、全体的に不透明な例えば白色の樹脂を主成分として例えば厚さ560μmのものであり、例えばポリエチレンテレフタレートグリコール(PET-G)が使用されるが、他にポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)などの公知の不透明な樹脂を使用することも可能である。
【0017】
上記基材11A上には、上記第1表示情報12、第2表示情報13と異なる位置に、真贋判別識別層14が形成される。当該真贋判別識別層14は、ロイコ染料、当該ロイコ染料に電子供与する顕色剤、赤外光を熱に変換する光熱変換材料、樹脂基材との密着性を保持するバインダ樹脂で構成された層である。
【0018】
上記真贋判別識別層14を構成するロイコ染料は、熱印加により発色すると共に、特定光(例えば紫外光)の照射で蛍光発光するロイコ色素であり、例えば、6´-(ジエチルアミノ)-1´,3´-ジメチルフルオランが挙げられ、具体的にはORANGE300(福井山田化学社製)が使用可能である。上記真贋判別識別層14を構成する顕色剤としては、例えばビスフェノールS等のフェノール誘導体の成分を有するもので、具体的には日華化学株式会社製BPS/FF-1が使用可能である。
【0019】
上記真贋判別識別層14を構成する光熱変換材料としては酸化インジウムスズ(ITO)、酸化タングステン化合物、六ホウ化物があげられ、例えば住友金属鉱山株式会社製のCWO(セシウム酸化タングステン)が使用可能である。上記真贋判別識別層14を構成するバインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系、ウレタン系、スチレン系、アクリル系などが挙げられる。
【0020】
そして、真贋判別識別層14には、上記固有情報の例えば第2表示情報13と紐づけされた識別情報15が熱印加によるロイコ色素の発色により形成されたものである。例えば図1(A)等に示されるように、第2表示情報13を顔写真とし、当該顔写真と紐づけられた同じ顔面の情報(画像)としている。
【0021】
ここで、図2に、図1の真贋判別用情報表示媒体の製造に関する説明図を示す。まず、図2(A)に示すように、基材11A上であって、予め設定されたレイアウト(後に形成される第1表示情報12及び第2表示情報13の形成位置と異なる位置)に応じた領域に、上記真贋判別識別層14が例えば印刷により例えば厚さ5~10μmで形成される。これが元媒体となり、共通のものとして必要枚数作製される。
【0022】
そこで、図2(A)に示す元媒体から、媒体所有者の固有情報のデータに基づいて、図1(A)、図2(B)に示すように、基材11A上に第1表示情報12及び第2表示情報13が例えば熱転写リボン方式やインクジェット方式により形成される。
【0023】
続いて、図2(C)に示すように、図2(A)で形成された真贋判別識別層14に対し、例えばレーザ加工機21から照射されるレーザ光によって上記光熱変換材料が熱に変換されることによる熱印加により、図2(D)に示すように上記ロイコ色素を発色させて第2表示情報13の固有情報(顔写真)に紐づけされた識別情報(同じ顔面の画像)15が形成される。なお、第1表示情報12及び第2表示情報13の形成と、識別情報15の形成との順番は問わない。また、熱印加の際にはレーザ加工機ではなく、サーマルプリンタを用いてもよい。
【0024】
そこで、図3に、図1の真贋判別用情報表示媒体の真贋判別の説明図を示す。まず、真贋判別者は、図3(A)に示す真贋判別用情報表示媒体11の表示されている第2表示情報13と真贋判別識別層14の識別情報15を目視確認して紐づけ状態が一致しているか否か判別する。
【0025】
そして、一致している場合に、真贋判別識別層14に例えばブラックライト等の真贋判別用照射部31を用いて紫外光31Aを照射し、含有されているロイコ色素で蛍光発光14Aが出現するか否かを目視確認する。すなわち、識別情報15の第2表示情報13(固有情報)との紐づきを目視確認させ、かつ、紫外光31Aの照射によるロイコ色素の蛍光発光14Aを目視確認させて真贋を判別するもので、いずれもが確認されれば真正なものと判別され、何れか一方でも確認できなければ贋物として判別されるものである。
【0026】
このように、基材11A上に真贋判別識別層14を形成させて元媒体を製造した後に個別情報(第2表示情報13)及び当該個別情報に紐づけされた識別情報15を形成させてパーソナライズ化をさせることができると共に、特別な読取装置を必要とせずに紐づけ状態を目視確認させると共に紫外光を照射させて真贋判別識別層14のロイコ色素の蛍光発光14Aを目視確認させて真贋を簡易に判別させることができるものである。
【0027】
ところで、基材11A上の第1表示情報12及び第2表示情報13を形成する領域に後述するレーザ発色剤を含有する樹脂層を設け、後にレーザ光により当該第1表示情報12、第2表示情報13及び識別情報15を形成させることとしてもよく、これによって、少なくとも第1表示情報12及び第2表示情報13の部分を堅牢とさせることができる。なお、上記第1表示情報12及び第2表示情報13、真贋判別識別層14上に樹脂フィルム等の保護膜を貼り付けることや、いわゆるパウチラミネートすることもでき、各情報の摩消や故意的な剥離を防止するとができるものである。
【0028】
次に、図4に本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第2実施形態の構成図を示すと共に、図5に本発明に係る真贋判別用情報表示媒体の第3実施形態の構成図を示す。図4に示す真贋判別用情報表示媒体11は、真贋判別識別層14が形成された基材11A上の全面に保護層41Aを例えば厚さ5~50μmで形成される。当該保護層41Aとしては、例えば透明なPVC、PET-G、PCが使用可能である。
【0029】
そして、上記保護層41A上に、図1(A)のような第1表示情報12及び第2表示情報13が例えば熱転写リボン方式やインクジェット方式により形成される。また、保護層41A越しに真贋判別識別層14に対してレーザ加工機により識別情報15を形成したものである。このような真贋判別用情報表示媒体11に対する真贋判別は上記同様である。なお、真贋判別識別層14に識別情報15を形成する際にはサーマルプリンタを用いてもよい。
【0030】
このような真贋判別用情報表示媒体11は、第1実施形態における効果に加えて、保護層41Aの形成によって、真贋判別識別層14が堅牢となって摩消や故意的な剥離を防止させることができるものである。
【0031】
次に、図5に示す真贋判別用情報表示媒体11は、真贋判別識別層14が形成された基材11A上の全面にITOや酸化チタン等のレーザ発色剤を含有する情報形成保護層41Bを例えば厚さ100μmで形成される。当該レーザ発色剤を含有する情報形成保護層41Bとしては、例えばPC(PVC、PET-Gでもよい)が挙げられ、当該レーザ発色剤がレーザ光を吸収し黒化反応と熱発生が起こり、周囲のPCを炭化することで発色するものである。
【0032】
そして、上記情報形成保護層41Bに対して、図1(A)のような第1表示情報12及び第2表示情報13をレーザ光を照射することにより形成される。また、情報形成保護層41B越しに真贋判別識別層14に対してレーザ加工機により識別情報15を形成したものである。すなわち、情報形成保護層41B及び真贋判別識別層14に対して、共にレーザ光の照射により発色が起こさせるものであるが、情報形成保護層41Bと真贋判別識別層14とに照射するレーザ光の照射条件を調整することで、真贋判別識別層14上に位置される情報形成保護層41Bを発色させないものとすることができる。
【0033】
なお、当該識別情報15をサーマルプリンタで形成してもよいが、情報形成保護層41Bおよび真贋判別識別層14のいずれにもレーザ光を照射することで発色させれば、一連でより容易に第1表示情報12、第2表示情報13及び識別情報15を形成させることができるものである。このような真贋判別用情報表示媒体11に対する真贋判別は上記同様である。
【0034】
ところで、基材11Aの裏面に、例えば上記レーザ発色剤を含有する同様の保護層を設けることとしてもよく、この場合に、レーザ光の照射条件で裏面の保護層に影響を与えずに第1表示情報12、第2表示情報13及び識別情報15を形成させることができるものである。
【0035】
このような真贋判別用情報表示媒体11は、第1実施形態における効果に加えて、情報形成保護層41Bによって真贋判別識別層14が堅牢となり、固有情報を含めて摩消や故意的な剥離を防止させることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の真贋判別用情報表示媒体は、真贋判別に用いる情報表示媒体の製造、販売、使用等の産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
11 真贋判別用情報表示媒体
11A 基材
12 第1表示情報
13 第2表示情報
14 真贋判別識別層
14A 蛍光発光
15 識別情報
21 レーザ加工機
31 真贋判別用照射部
31A 紫外光
41A 保護層
41B 情報形成保護層
図1
図2
図3
図4
図5