(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】印刷装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/46 20060101AFI20240509BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240509BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B41J29/46 Z
B41J29/38 202
H04N1/00 Z
(21)【出願番号】P 2020109026
(22)【出願日】2020-06-24
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】川野 葉
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169775(JP,A)
【文献】特開2016-206827(JP,A)
【文献】特開2010-066819(JP,A)
【文献】特開2008-152674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/46
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷設定についてユーザーの指示を受け付けて印刷の制御を行う印刷装置であって、
前記ユーザーの指示を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けた指示に基づいて前記印刷設定を設定し、前記印刷設定の設定にしたがって前記印刷の制御を行う制御部と、
表示を行う表示部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部により、1以上であるn個の禁則関係にある前記印刷設定について前記印刷設定の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある前記印刷設定について前記印刷設定の表示の近傍に前記個別エラー表示を行わ
ず、
前記制御部は、前記表示部により、前記m個の禁則関係にある前記印刷設定について、前記印刷設定の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行い、
前記制御部は、前記表示部により、
表示中の第1画面表示部に含まれる前記印刷設定について第1閾値よりも多い前記印刷設定に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行い、
表示中の前記第1画面表示部に含まれる前記印刷設定について前記第1閾値よりも少ない前記印刷設定に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる前記印刷設定に禁則関係がある場合、禁則関係にある前記印刷設定の数によらずに、前記第2画面表示部の第2タブの近傍に前記一括エラー表示を行う、
印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部により、複数の前記印刷設定の表示を含む画面表示部を、タブを用いて切り替え可能に、表示し、前記タブの近傍に前記一括エラー表示を行う、
請求項
1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部により、
最少の前記印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる前記印刷設定の表示の近傍に前記個別エラー表示を行い、
非最少の前記印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる前記印刷設定の近傍に前記個別エラー表示を行わない、
請求項1
または請求項
2に記載の印刷装置。
【請求項4】
複数の設定項目についてユーザーの指示を受け付けて制御対象の制御をコンピューターに実行させるプログラムであって、
前記ユーザーの指示を受け付ける受付機能と、
前記受付機能によって受け付けた指示に基づいて前記設定項目を設定し、前記設定項目の設定にしたがって前記制御対象の制御を行う制御機能と、
1以上であるn個の禁則関係にある前記設定項目について前記設定項目の表示の近傍に個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある前記設定項目について前記設定項目の表示の近傍に前記個別エラー表示を行わない表示機能と、
前記m個の禁則関係にある前記設定項目について、前記設定項目の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行う機能と、
表示中の第1画面表示部に含まれる前記設定項目について第1閾値よりも多い前記設定項目に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行う機能と、
表示中の前記第1画面表示部に含まれる前記設定項目について前記第1閾値よりも少ない前記設定項目に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる前記設定項目に禁則関係がある場合、禁則関係にある前記設定項目の数によらずに、前記第2画面表示部の第2タブの近傍に前記一括エラー表示を行う機能と、
を前記コンピューターに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、各種設定がユーザーによって行われる。以下では、説明の便宜上、印刷に関する設定である印刷設定がユーザーによって行われる印刷装置を例に説明する。また、印刷はコピーも含むものとする。
印刷設定としては、用紙、倍率、原稿サイズ、片面/両面、ページ集約、あるいは、仕上げ、などの設定がある。
【0003】
印刷装置では、複数の印刷設定の組み合わせによって、正しく印刷が行われない場合が発生し得る。つまり、複数の印刷設定のなかで互いに共存することが禁じられた印刷設定の組み合わせがあると、これら複数の印刷設定は同時に実現が不可能である。このように互いに共存することが禁じられた印刷設定の組み合わせの関係は、印刷設定の禁則関係などとも呼ばれる。
印刷装置において、印刷設定の禁則関係である設定不整合が発生すると、正しく印刷が行われず、ミスプリントが発生する。このため、印刷装置において、印刷設定の禁則関係を回避して、正しい印刷設定が行われるようにすることが必要である。
【0004】
なお、印刷装置において、用紙の設定に関する設定不整合が発生する場合がある。このような設定不整合を用紙ミスマッチとも呼んで説明する。すなわち、用紙ミスマッチは設定不整合の一種であり、設定不整合はエラーの一種である。
【0005】
例えば、特許文献1に記載された印刷制御装置では、印刷可能な用紙サイズとマージン量の組み合わせを設定することが図られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、複数の設定不整合が同時に発生した際に、容易にすべての設定不整合を解決することができない場合があった。
【0008】
なお、特許文献1に記載された印刷制御装置では、制御対象が用紙サイズとマージン量の設定に限定されている。また、当該印刷制御装置では、印刷設定の禁則関係の解決方法は、最終的に、ユーザーによる選択に委ねられている。また、当該印刷制御装置では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生する場合については考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために一態様は、複数の印刷設定についてユーザーの指示を受け付けて印刷の制御を行う印刷装置であって、前記ユーザーの指示を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けた指示に基づいて前記印刷設定を設定し、前記印刷設定の設定にしたがって前記印刷の制御を行う制御部と、表示を行う表示部と、を備え、前記制御部は、前記表示部により、1以上であるn個の禁則関係にある前記印刷設定について前記印刷設定の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある前記印刷設定について前記印刷設定の表示の近傍に前記個別エラー表示を行わず、前記制御部は、前記表示部により、前記m個の禁則関係にある前記印刷設定について、前記印刷設定の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行い、前記制御部は、前記表示部により、表示中の第1画面表示部に含まれる前記印刷設定について第1閾値よりも多い前記印刷設定に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行い、表示中の前記第1画面表示部に含まれる前記印刷設定について前記第1閾値よりも少ない前記印刷設定に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる前記印刷設定に禁則関係がある場合、禁則関係にある前記印刷設定の数によらずに、前記第2画面表示部の第2タブの近傍に前記一括エラー表示を行う、印刷装置である。
【0010】
上記課題を解決するために一態様は、複数の設定項目についてユーザーの指示を受け付けて制御対象の制御をコンピューターに実行させるプログラムであって、前記ユーザーの指示を受け付ける受付機能と、前記受付機能によって受け付けた指示に基づいて前記設定項目を設定し、前記設定項目の設定にしたがって前記制御対象の制御を行う制御機能と、1以上であるn個の禁則関係にある前記設定項目について前記設定項目の表示の近傍に個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある前記設定項目について前記設定項目の表示の近傍に前記個別エラー表示を行わない表示機能と、前記m個の禁則関係にある前記設定項目について、前記設定項目の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行う機能と、表示中の第1画面表示部に含まれる前記設定項目について第1閾値よりも多い前記設定項目に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行う機能と、表示中の前記第1画面表示部に含まれる前記設定項目について前記第1閾値よりも少ない前記設定項目に禁則関係がある場合、前記第1画面表示部の第1タブの近傍に前記一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる前記設定項目に禁則関係がある場合、禁則関係にある前記設定項目の数によらずに、前記第2画面表示部の第2タブの近傍に前記一括エラー表示を行う機能と、を前記コンピューターに実現させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る印刷装置の概略的な外観を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る印刷装置の概略的な機能ブロックを示す図である。
【
図3】実施形態に係る印刷装置の基本画面表示の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る印刷装置の第1画面表示の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る印刷装置の第2画面表示の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る印刷装置の第3画面表示の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る印刷装置の第4画面表示の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る印刷装置の第5画面表示の一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る印刷装置の第6画面表示の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る印刷装置の第7画面表示の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る印刷装置の第8画面表示の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る印刷装置の第9画面表示の一例を示す図である。
【
図13】実施形態に係る印刷装置の第10画面表示の一例を示す図である。
【
図14】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図15】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図16】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図17】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図18】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図19】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図20】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図21】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【
図22】実施形態の変形例に係る印刷システムの概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る印刷装置1の概略的な外観を示す斜視図である。
印刷装置1は、ディスプレイ31と、複数のトレイ51~54と、を備える。
図1の例では、トレイ51~54の数は4個であるが、他の数であってもよい。
なお、
図1の例では、印刷装置1の他の部分の詳細な図示を省略しているが、印刷装置1は他の各種の部分を備える。
【0014】
本実施形態では、印刷装置1は、インクを使用して、印刷媒体に印刷を行う。本実施形態では、印刷媒体として用紙が使用される場合を示すが、他の印刷媒体が用いられてもよい。
なお、印刷装置1としては、例えば、インク以外の印字手法を使用する印刷装置が用いられてもよい。
【0015】
ディスプレイ31は、画面を有する。
それぞれのトレイ51~54は、用紙を収容する。
また、印刷装置1の内部には、インクを収容するインク収容部が設置される。例えば、複数の色のインクがある場合には、それぞれのインクごとにインク収容部がある。
【0016】
図2は、実施形態に係る印刷装置1の概略的な機能ブロックを示す図である。
本実施形態に係る印刷装置1は、複数の印刷設定についてユーザーの指示を受け付けて印刷の制御を行う。
【0017】
印刷装置1は、受付部111と、表示部112と、印刷部113と、スキャナー部114と、検出部115と、通信部116と、制御部117と、を備える。
検出部115は、用紙量検出部131と、用紙サイズ検出部132と、用紙種類検出部133と、インク量検出部134と、機構状態検出部135と、電源検出部136と、を備える。
制御部117は、プロセッサーの一例としてのCPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153と、を備える。
【0018】
受付部111は、ユーザーによって操作される操作部を有しており、ユーザーによって当該操作部に対して行われる操作の内容を受け付けることで、ユーザーの指示を受け付ける。受付部111は、例えば、各種の機械式キーなどであってもよい。
表示部112は、表示を行う。本実施形態では、表示部112は、画面を有しており、当該画面に各種の情報を表示する。
ここで、受付部111および表示部112は、例えば、タッチパネルとして構成されてもよい。本実施形態では、
図1の例におけるディスプレイ31の画面がタッチパネルの画面として用いられる。なお、当該タッチパネルは、例えば、制御パネルなどと呼ばれてもよい。
【0019】
印刷部113は、印刷対象の用紙に画像の印刷を行う。当該画像は、例えば、文字および図形などを含んでもよい。
スキャナー部114は、読取対象の画像の読み取りを行う。
【0020】
検出部115は、印刷装置1に関する各種の状態を検出する。検出部115は、例えば、各種のセンサーを用いて構成されてもよい。
【0021】
用紙量検出部131は、それぞれのトレイ51~54に収容される用紙の量に関する情報を検出する。当該情報は、例えば、当該用紙の量が所定の閾値以下であるか否かを表す情報であってもよい。
用紙サイズ検出部132は、それぞれのトレイ51~54に収容される用紙のサイズに関する情報を検出する。当該情報は、例えば、A5、A4、あるいは、A3などの情報であってもよい。
用紙種類検出部133は、それぞれのトレイ51~54に収容される用紙の種類に関する情報を検出する。当該情報は、例えば、普通紙、専用紙、あるいは、厚紙などの情報であってもよい。
【0022】
インク量検出部134は、インクの量に関する情報を検出する。当該情報は、例えば、当該インクの量が所定の閾値以下であるか否かを表す情報であってもよい。なお、インクの量に関する情報は、例えば、複数の色のインクがある場合には、それぞれのインクごとの情報であってもよい。
【0023】
機構状態検出部135は、印刷装置1における所定の機構の状態に関する情報を検出する。当該機構は、例えば、機械式切替機構であって自動的な切り替えができない機構であってもよい。このような機械式切替機構としては、例えば、二段トレイの切り替え機構、あるいは、開閉状態の切り替え機構などのように、ユーザーの手動によって切り替えが行われる機構であってもよい。
【0024】
電源検出部136は、電源に関する情報を検出する。当該情報は、例えば、電源のオン状態を表す情報であってもよい。
本実施形態では、印刷装置1は、設置型の印刷装置であるが、他の例として、モバイルの印刷装置であってもよい。モバイルの印刷装置では、例えば、電池が用いられてもよい。この場合、電源検出部136は、電池の残量が所定の閾値以下であるか否かを表す情報であってもよい。
【0025】
通信部116は、外部の装置と通信を行う。
通信は、例えば、有線の通信であってもよく、あるいは、無線の通信であってもよい。
なお、通信部116は、通信回路、通信ポート、あるいは、通信インターフェイスなどと呼ばれてもよい。
【0026】
制御部117は、各種の制御を行う。
ROM152およびRAM153は、各種の情報を記憶する。当該情報には、禁則関係を示す情報である禁則情報が含まれる。また、当該情報は、例えば、プログラム、および、当該プログラムによって使用されるパラメーターを含んでもよい。
なお、ROM152とRAM153は、任意に使い分けられてもよい。
CPU151は、RAM153の記憶領域を使用して、プログラムを実行することで、各種の制御を行う。
制御部117は、例えば、受付部111によって受け付けた指示に基づいて、印刷設定を設定し、印刷設定の設定にしたがって印刷の制御を行う。また、制御部117は、表示部112により、各種の情報の表示を行う。
【0027】
図3は、実施形態に係る印刷装置1の基本画面表示201の一例を示す図である。
基本画面表示201は、本実施形態に係る印刷装置1における基本的な画面の表示を表す。なお、画面の表示の態様としては、本実施形態の例に限定されず、任意の態様が用いられてもよい。
【0028】
基本画面表示201は、設定画面表示部211と、部数設定部212と、リセットボタン213と、実行ボタン214と、を含む。
部数設定部212は、印刷などについて設定された部数を示す部分である。
リセットボタン213は、各種の設定内容をリセットする指示を受け付ける表示枠のボタンである。
実行ボタン214は、印刷などを実行する指示を受け付ける表示枠のボタンである。
【0029】
設定画面表示部211は、第1タブ251を含む第1タブ設定画面表示部231と、第2タブ252と、を含む。
本実施形態では、第1タブ251は基本設定に対応するタブであり、第2タブ252は応用設定に対応するタブである。
【0030】
図3の例では、第1タブ251が選択されている状態であり、第1タブ251に対応する第1タブ設定画面表示部231が表示されている。
なお、第2タブ252が選択された状態では、第2タブ252に対応する
図3では図示を省略する第2タブ設定画面表示部が表示される。
【0031】
本実施形態では、2つのタブを示したが、他の構成例として、タブの数は、1つであってもよく、あるいは、3つ以上であってもよい。
本実施形態では、1つのタブの画面表示部にすべての印刷設定の項目が表示されると、それぞれの印刷設定の項目が小さくなるため、複数のタブの画面表示部に複数の印刷設定の項目が分散されている。
【0032】
第1タブ設定画面表示部231は、自動ボタン271、カラーボタン272、モノクロボタン273、濃度ボタン274、数値ボタン291を含む。
自動ボタン271は、カラー/モノクロを自動的に設定する処理の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
カラーボタン272は、カラーの指示を受け付ける表示枠のボタンである。
モノクロボタン273は、モノクロの指示を受け付ける表示枠のボタンである。
本実施形態では、自動ボタン271、カラーボタン272、モノクロボタン273のうちでいずれか1つが有効となる。
【0033】
濃度ボタン274は、濃度の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
数値ボタン291は、印刷部数を指定するための0~9のそれぞれの数値の指示を受け付ける「0」~「9」の表示枠のボタン、および、数値をクリアする指示を受け付ける「C」の表示枠のボタンを含む。
【0034】
第1タブ設定画面表示部231は、第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286を含む。
第1印刷設定表示枠281は、用紙設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。本実施形態では、用紙設定は、給紙に使用されるトレイ51~54の設定、用紙サイズの設定、および、用紙の縦/横の方向の設定を含む。また、本実施形態では、第1印刷設定表示枠281には、給紙に使用されるトレイ51~54の用紙量を表す情報が表示される。
【0035】
第2印刷設定表示枠282は、倍率の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第3印刷設定表示枠283は、原稿サイズの設定の指示と、原稿の縦/横の方向の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第4印刷設定表示枠284は、片面/両面の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第5印刷設定表示枠285は、ページ集約の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第6印刷設定表示枠286は、ステープルに関する設定を含む仕上げの設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
【0036】
本実施形態では、第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286について、この順に優先順位が高いとする。
つまり、本実施形態では、第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286について、ユーザーから画面を見た視線において、上の方が下の方よりも優先され、かつ、左の方が右の方よりも優先される。
【0037】
本実施形態では、それぞれのタブには、それぞれのタブに対応する情報が表示される。
また、本実施形態では、それぞれの表示枠には、それぞれの表示枠に対応する情報が表示される。たとえば、第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286のそれぞれには、それぞれに対応する印刷設定について、現在設定されている内容が表示される。
また、本実施形態では、それぞれのタブおよびそれぞれの表示枠のボタンは、ユーザーの指によってタッチされると、それぞれに対応する指示を受け付ける。
【0038】
なお、本実施形態に係る印刷装置1では、ユーザーの指によってタブがタッチされることで、タッチされたタブに対応する画面表示部の表示状態に遷移する構成例を示すが、他の構成例として、タブの代わりに、他の所定のマークが用いられてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、第2タブ252によって選択される第2タブ設定画面表示部に含まれる複数の印刷設定表示枠では、原稿種類、とじしろ、IDカードコピー、ページ番号印刷、原稿サイズ混載、影消し、といった印刷設定の印刷設定表示枠が含まれる。
【0040】
ここで、本実施形態に係る印刷装置1における印刷設定について説明しておく。
用紙に関する設定として、用紙のサイズ、および、用紙の種類などがある。
本実施形態では、ユーザーによって、直接、用紙のサイズ、および、用紙の種類の選択が行われないとする。
【0041】
本実施形態では、印刷装置1では、制御部117は、用紙のトレイ51~54が選択されることで、選択されたトレイ51~54に収容されている用紙に適合したサイズおよび種類を選択する。
ここで、本実施形態では、印刷装置1では、それぞれのトレイ51~54に、用紙サイズ検出部132および用紙種類検出部133を備える。そして、印刷装置1では、自動的に、それぞれのトレイ51~54に収容された用紙のサイズおよび種類を検出する。
他の構成例として、印刷装置1では、予めユーザーの手動により、それぞれのトレイ51~54に収容された用紙のサイズおよび種類が設定されて、記憶していてもよい。この場合、印刷装置1では、用紙サイズ検出部132および用紙種類検出部133を備えていなくてもよい。
【0042】
なお、本実施形態に係る印刷装置1では、制御部117は、原稿サイズおよび倍率に基づいて、自動的に、用紙の給紙を行うトレイ51~54を選択する自動選択機能を有している。
また、本実施形態に係る印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによる操作によって、用紙の給紙を行うトレイ51~54を変更する機能を有している。このため、印刷装置1では、ユーザーによって選択されたトレイ51~54に収容されている用紙が、現在の印刷設定と整合しないことが発生し得る。また、自動選択機能を使用している場合でも、いずれのトレイ51~54に収容されている用紙であっても、現在の印刷設定と整合しないことが発生し得る。
【0043】
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、このような印刷設定の不整合が発生し、用紙に関する禁則関係が発生していることを用紙ミスマッチと呼んで説明する。本実施形態では、説明の便宜上、それぞれの用紙ミスマッチがそれぞれ解決可能な禁則関係に対応するとして、それぞれの用紙ミスマッチの総数を用紙ミスマッチの個数として決める場合を示す。
具体例として、用紙ミスマッチの事例1~用紙ミスマッチの事例4を示す。
【0044】
用紙ミスマッチの事例1は、「用紙の短辺の2箇所にステープルを打つ」が選択された場合に関する。この場合、ステープルを打つ機構の制約から用紙サイズがA4以上である必要がある。この場合、ユーザーによってA5の用紙が収容されているトレイ51~54が選択されると、用紙ミスマッチが発生する。
この場合、用紙ミスマッチとしては、例えば、「用紙設定」の用紙ミスマッチ、および、「仕上げ」の用紙ミスマッチが発生する。
【0045】
用紙ミスマッチの事例2は、ユーザーによってA5の用紙が収容されているトレイ51~54が選択され、かつ、「A4の原稿サイズを4UPで印刷する」が選択された場合に関する。この場合、A4の原稿サイズの4UP印刷はA4以上の用紙サイズの用紙にしかできないため、用紙ミスマッチが発生する。4UP印刷の印刷設定は、ページ集約において、1枚の用紙に4枚の原稿の画像を印刷する印刷設定である。なお、4UP印刷は、例えば、4in1印刷などと呼ばれてもよい。
この場合、用紙ミスマッチとしては、例えば、「用紙設定」の用紙ミスマッチ、および、「ページ集約」の用紙ミスマッチが発生する。
【0046】
用紙ミスマッチの事例3は、選択されたトレイ51~54に収容されているA5の用紙サイズの用紙が厚紙である場合に関する。この場合、「両面印刷」が選択されると、給紙機構の制約から厚紙の両面印刷ができないため、用紙ミスマッチが発生する。
この場合、用紙ミスマッチとしては、例えば、「用紙設定」の用紙ミスマッチ、および、「片面/両面」の用紙ミスマッチが発生する。
【0047】
用紙ミスマッチの事例4は、本実施形態に係る印刷装置1のように、複数のトレイ51~54がある場合に関する。この場合、各トレイ間の主従関係を設定すると、従トレイの用紙が主トレイの用紙との条件を満たす必要があり、当該条件を満たさないと用紙ミスマッチが発生する。
この場合、用紙ミスマッチとしては、例えば、「用紙設定」の用紙ミスマッチが発生する。
ここで、本実施形態では、主となるトレイを主トレイと呼んでおり、従となるトレイを従トレイと呼んでいる。
例えば、製本に関し、本文に使用される用紙を給紙するトレイが主トレイとなり、表紙に使用される用紙を給紙するトレイが従トレイとなるように設定される。この例では、表紙用の従トレイに収容されている用紙のサイズは、本文用の主トレイに収容されている用紙のサイズと一致する必要がある。
【0048】
本実施形態に係る印刷装置1における印刷設定の禁則関係に関する表示について説明する。
印刷装置1において、制御部117が、用紙ミスマッチを通知するか否かを判定する手法について説明する。
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、エラーを表す所定のマークを画面の所定部に表示することにより、用紙ミスマッチをユーザーに対して通知する。
【0049】
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、1つの画面表示に含まれる複数の印刷設定に関する禁則関係が発生した場合に、所定の条件に基づいて、これら複数の印刷設定のすべてについて用紙ミスマッチを通知する処理、または、これら複数の印刷設定のうちの一部のみについて用紙ミスマッチを通知する処理を行う。
【0050】
具体例を示す。
制御部117は、1箇所の用紙ミスマッチのみが発生している場合、用紙ミスマッチの対象となるすべての印刷設定の項目について用紙ミスマッチを通知する。
1箇所の用紙ミスマッチのみが発生している場合は、例えば、用紙ミスマッチの事例1~用紙ミスマッチの事例4のうちの1つが発生している場合である。
【0051】
一例として、用紙ミスマッチの事例1のみが発生した場合、制御部117は、用紙ミスマッチの対象となるすべての印刷設定の項目として、「用紙設定」および「仕上げ」の両方について用紙ミスマッチを通知する。
【0052】
制御部117は、2箇所以上の用紙ミスマッチが同時に発生している場合、所定の規則に従って選択された一部の用紙ミスマッチのみを通知する。
【0053】
一例として、用紙ミスマッチの事例1および用紙ミスマッチの事例4が発生した場合、制御部117は、主トレイの「用紙設定」と、「仕上げ」のみについて用紙ミスマッチを通知する。
【0054】
制御部117は、1つの画面表示に表示される複数の設定項目について、1箇所の用紙ミスマッチのみが発生している場合、用紙ミスマッチの対象となるすべての印刷設定の項目について用紙ミスマッチを通知する。
一方、制御部117は、1つの画面表示に表示される複数の設定項目について、2箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合、例えば「用紙設定」のみについて用紙ミスマッチを通知し、「仕上げ」については用紙ミスマッチの対象であっても通知しないようにする。
【0055】
図4~
図10を参照して、印刷装置1における画面表示の例を示す。
ここで、
図4~
図10の例では、
図3に示される基本画面表示201を基本とした画面表示の例を示す。このため、
図4~
図10の例では、説明の便宜上、
図3に示される基本画面表示201と同様な部分には同一の符号を付して説明する。
なお、印刷装置1では、
図4~
図10のそれぞれに示される画面表示について、例えば、任意の1つ以上の画面表示が用いられてもよく、また、2つ以上の画面表示が組み合わされて用いられてもよい。
【0056】
図4は、A4の原稿サイズを4UPでA5の用紙に印刷し、用紙の短辺の2箇所にステープルを打つという設定が行われた場合の実施形態に係る印刷装置1の第1画面表示301の一例を示す図である。
第1画面表示301では、第1タブ251が選択されている。
第1画面表示301では、「用紙設定」である第1印刷設定表示枠281のみについて、第1個別エラーマーク411を表示する。また、第1画面表示301では、「ページ集約」及び「仕上げ」については、用紙ミスマッチを通知していない。
第1個別エラーマーク411は、個別の印刷設定ごとに用紙ミスマッチを通知するマークである個別エラーマークの一例である。個別エラーマークは、禁則が発生している旨を表す。個別エラーマークの表示は、個別エラー表示の一例である。なお、個別エラーマークの図柄あるいは模様などとしては、任意のものであってもよい。
【0057】
印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、個別の印刷設定ごとに、印刷設定の表示の近傍に、個別エラーマークを表示する。印刷設定の表示の近傍の位置は、例えば、当該印刷設定の表示と重なり部分を有する位置であってもよく、あるいは、当該印刷設定の表示とは重なり部分を有していない位置であってもよい。
本実施形態では、印刷装置1では、制御部117は、個別の印刷設定ごとに、印刷設定の枠のなかの右の方に、個別エラーマークを配置する。なお、当該個別エラーマークは、例えば、当該個別エラーマークに対応する印刷設定が視覚的に把握可能な任意の位置に配置されてもよい。
【0058】
また、第1画面表示301では、第1個別エラー説明情報412を表示する。
第1個別エラー説明情報412は、個別エラーマークに関する説明を表す情報である個別エラー説明情報の一例である。本実施形態では、個別エラー説明情報は「個別エラーマークを押して正しい設定を確認してください。」という趣旨の情報である。
【0059】
本実施形態では、印刷装置1では、制御部117は、1以上の個別エラーマークに共通に、画面表示における左上方に、個別エラー説明情報を配置する。なお、当該個別エラー説明情報は、任意の位置に配置されてもよい。
【0060】
図4に示される第1画面表示301は、3以上の設定項目について個別エラーマークを表示したとすれば、ユーザーはどこから操作をしていけばエラーを解消できるのかわかりにくいので、一部の設定項目には個別エラーマークを表示していない。
【0061】
ここで、どの設定項目について個別エラーマークを表示し、どの設定項目について個別エラーマークを表示しないか、については様々に決められてもよい。例えば、印刷装置1において、制御部117は、用紙ミスマッチを解決するまでの印刷設定の変更の手順が少ない印刷設定について、より手順が多い印刷設定よりも優先的に、個別エラー表示を行ってもよい。用紙ミスマッチを解決するまでの印刷設定の変更の手順が少ない印刷設定としては、例えば、当該手順が最少となる印刷設定が用いられることが好ましい。具体的には、A4の原稿サイズを4UPでA5の用紙に印刷し、用紙の短辺の2箇所にステープルを打つという設定が行われており、「用紙設定」でA4以上の大きさの用紙が設定されれば全ての用紙ミスマッチが解決するという場合には、制御部117は、印刷設定の変更の手順が最小の1となる「用紙設定」についてのみ個別エラーマークを表示する。そして、制御部117は、個別エラー表示を行う印刷設定以外の印刷設定については、個別エラー表示を行わない。
【0062】
図5は、厚紙に両面印刷を行う設定が行われた実施形態に係る印刷装置1の第2画面表示311の一例を示す図である。
第2画面表示311では、第1タブ251が選択されている。
第2画面表示311では、「用紙設定」である第1印刷設定表示枠281について、第2-1個別エラーマーク421を表示する。また、第2画面表示311では、「両面設定」である第4印刷設定表示枠284について、第2-2個別エラーマーク422を表示する。
第2-1個別エラーマーク421および第2-2個別エラーマーク422は、それぞれ、個別エラーマークの一例である。
また、第2画面表示311では、第2個別エラー説明情報423を表示する。
第2個別エラー説明情報423は、個別エラー説明情報の一例である。
【0063】
図5に示される第2画面表示311は、例えば、1箇所の用紙ミスマッチのみが発生している場合に表示される。この場合、
図5の例では、1箇所の用紙ミスマッチの対象となるすべての印刷設定の項目が「用紙設定」と「両面設定」である。
【0064】
図6は、実施形態に係る印刷装置1の第3画面表示321の一例を示す図である。
第3画面表示321では、第2タブ252が選択されている。
図6の例では、第2タブ252が選択されている状態であり、第2タブ252に対応する第2タブ設定画面表示部232が表示されている。
第2タブ設定画面表示部232は、第2タブ252と、第7印刷設定表示枠2281~第12印刷設定表示枠2286と、を含む。なお、第7印刷設定表示枠2281~第12印刷設定表示枠2286は、それぞれ、各種の印刷設定の項目に対応しており、第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286とは異なる項目に対応している。
【0065】
第7印刷設定表示枠2281は、原稿種類の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第8印刷設定表示枠2282は、とじしろの設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第9印刷設定表示枠2283は、IDカードコピーの設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第10印刷設定表示枠2284は、ページ番号印刷の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第11印刷設定表示枠2285は、原稿サイズ混載の設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
第12印刷設定表示枠2286は、影消しの設定の指示を受け付ける表示枠のボタンである。
【0066】
第3画面表示321では、第10印刷設定表示枠2284について、第3個別エラーマーク431を表示する。
第3個別エラーマーク431は、個別エラーマークの一例である。
また、第3画面表示321では、第3個別エラー説明情報432を表示する。
第3個別エラー説明情報432は、個別エラー説明情報の一例である。
【0067】
図6に示される第3画面表示321は、例えば、2箇所以上の用紙ミスマッチが同時に発生しており、トレイ51~54の主従関係がなく、1つの第3画面表示321に表示される複数の設定項目について、1箇所の用紙ミスマッチのみが発生している場合に表示される。この場合、
図6の例では、このような1箇所の用紙ミスマッチの対象となるすべての印刷設定の項目が第10印刷設定表示枠2284の項目のみである。
【0068】
図7は、実施形態に係る印刷装置1の第4画面表示331の一例を示す図である。
第4画面表示331では、第1タブ251が選択されている。
第4画面表示331では、第1印刷設定表示枠281について、第4個別エラーマーク441を表示する。
第4個別エラーマーク441は、個別エラーマークの一例である。
また、第4画面表示331では、第4個別エラー説明情報443を表示する。
第4個別エラー説明情報443は、個別エラー説明情報の一例である。
【0069】
また、第4画面表示331では、第1タブ251について、第1一括エラーマーク442を表示する。
第1一括エラーマーク442は、それぞれのタブの画面表示部に含まれる印刷設定のいずれかにおける用紙ミスマッチを通知するマークである一括エラーマークの一例である。一括エラーマークは、禁則が発生している旨を表す。一括エラーマークの表示は、一括エラー表示の一例である。なお、一括エラーマークの図柄あるいは模様などとしては、任意のものであってもよい。
本実施形態では、個別エラーマークと一括エラーマークとで、異なるマークが用いられているが、他の構成例として、同一のマークが用いられてもよい。
【0070】
印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、印刷設定の表示から離れた位置に一括エラーマークを表示する。
本実施形態では、印刷装置1では、制御部117は、それぞれのタブの近傍に、一括エラーマークを表示する。タブの近傍の位置は、例えば、当該タブと重なり部分を有する位置であってもよく、あるいは、当該タブとは重なり部分を有していない位置であってもよい。
具体例として、印刷装置1では、制御部117は、それぞれのタブごとに、タブの枠のなかの右の方に、一括エラーマークを配置する。なお、当該一括エラーマークは、例えば、当該一括エラーマークに対応するタブが視覚的に把握可能な任意の位置に配置されてもよい。
【0071】
また、第4画面表示331では、第1一括エラー説明情報444を表示する。
第1一括エラー説明情報444は、一括エラーマークに関する説明を表す情報である一括エラー説明情報の一例である。本実施形態では、一括エラー説明情報は「一括エラーマークを押して正しい設定を確認してください。」という趣旨の情報である。
【0072】
本実施形態では、印刷装置1では、制御部117は、1以上の一括エラーマークに共通に、画面表示における右上方に、一括エラー説明情報を配置する。なお、当該一括エラー説明情報は、任意の位置に配置されてもよい。
【0073】
ここで、本実施形態では、一括エラーマークは、当該一括エラーマークが表示されているタブの画面表示部に含まれる印刷設定のなかに、個別エラーマークが表示されていないが用紙ミスマッチが発生している印刷設定が存在することを表す。
【0074】
図7の例では、第1タブ設定画面表示部231に含まれる第1印刷設定表示枠281~第6印刷設定表示枠286に対応する複数の印刷設定のなかで、「用紙設定」の第1印刷設定表示枠281のみに第4個別エラーマーク441が表示されているが、他の1つ以上の印刷設定についても用紙ミスマッチが発生している。この場合に、
図7の例では、第1タブ251に第1一括エラーマーク442が表示されている。
【0075】
ユーザーが第4個別エラーマーク441を触ると、「用紙設定」の設定をどのように変更すれば、エラーが解決するかを表示し、ユーザーが第1一括エラーマーク442を触ると、どの設定をどのように変更すれば、エラーが解決するかを全て表示する。ユーザーが第1一括エラーマーク442を触ると、第4個別エラーマーク441が表示されている「用紙設定」を除く設定についてどのように変更すれば、エラーが解決するかを全て表示してもよい。
【0076】
図8は、実施形態に係る印刷装置1の第5画面表示341の一例を示す図である。
第5画面表示341では、第1タブ251が選択されている。
第5画面表示341では、第1タブ251について、第2一括エラーマーク451を表示する。
第2一括エラーマーク451は、一括エラーマークの一例である。
また、第4画面表示331では、第2一括エラー説明情報452を表示する。
第2一括エラー説明情報452は、一括エラー説明情報の一例である。
【0077】
図8に示される第5画面表示341は、例えば、1つの第5画面表示341に表示される複数の設定項目について、2箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合などに表示されてもよい。
【0078】
図9は、実施形態に係る印刷装置1の第6画面表示351の一例を示す図である。
第6画面表示351では、第1タブ251が選択されている。
第6画面表示351では、第2タブ252について、第3一括エラーマーク461を表示する。
第3一括エラーマーク461は、一括エラーマークの一例である。
また、第6画面表示351では、第3一括エラー説明情報462を表示する。
第3一括エラー説明情報462は、一括エラー説明情報の一例である。
【0079】
図9に示される第6画面表示351は、例えば、1つの第6画面表示351に表示されていない複数の設定項目について、1箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合などに表示されてもよい。具体的には、第2タブ252が選択されたときに表示される画面に含まれる複数の設定項目について、1箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合に、第2タブ252について、第3一括エラーマーク461を表示する。
【0080】
図10は、実施形態に係る印刷装置1の第7画面表示361の一例を示す図である。
第7画面表示361では、第1タブ251が選択されている。
第7画面表示361では、第1タブ251について、第4-1一括エラーマーク471を表示する。
第4-1一括エラーマーク471は、一括エラーマークの一例である。
また、第7画面表示361では、第2タブ252について、第4-2一括エラーマーク472を表示する。
第4-2一括エラーマーク472は、一括エラーマークの一例である。
また、第7画面表示361では、第4一括エラー説明情報473を表示する。
第4一括エラー説明情報473は、一括エラー説明情報の一例である。
【0081】
図10に示される第7画面表示361は、例えば、第1タブ251の画面表示に含まれる複数の設定項目について2箇所以上の用紙ミスマッチが発生しており、かつ、第2タブ252の画面表示に含まれる複数の設定項目について2箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合などに表示されてもよい。
【0082】
ここで、
図4~
図10に示される画面表示は、様々な場合に用いられてもよい。
例えば、制御部117は、一部の禁則関係にある印刷設定について印刷設定の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、他の一部の禁則関係にある印刷設定について印刷設定の表示の近傍に個別エラー表示を行わない場合に、
図4~
図7のいずれかに示される画面表示などを行ってもよい。具体例として、当該一部の禁則関係にある印刷設定は、1以上であるn個の禁則関係にある印刷設定であり、また、当該他の一部の禁則関係にある印刷設定は、1以上であるm個の禁則関係にある印刷設定である。これらのnとmとは適宜決定されてもよい。
例えば、制御部117は、当該他の一部の禁則関係にある印刷設定について、印刷設定の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行う場合に、
図7~
図10のいずれかに示される画面表示などを行ってもよい。
【0083】
例えば、制御部117は、複数の印刷設定の表示を含む画面表示部を、タブを用いて切り替え可能に、表示し、タブの近傍に一括エラー表示を行う場合に、
図7~
図10のいずれかに示される画面表示などを行ってもよい。
ここで、本実施形態では、第1タブ251および第2タブ252がそれぞれタブの一例である。また、本実施形態では、第1タブ設定画面表示部231および第2タブ設定画面表示232部がそれぞれ画面表示部の一例である。
【0084】
例えば、制御部117は、現在において表示中の第1画面表示部に含まれる印刷設定について第1閾値よりも多い印刷設定に禁則関係がある場合、第1画面表示部の第1タブの近傍に一括エラー表示を行う場合に、
図7、
図8、または、
図10のいずれかに示される画面表示などを行ってもよい。
例えば、制御部117は、現在において表示中の第1画面表示部に含まれる印刷設定について第1閾値よりも少ない印刷設定に禁則関係がある場合、第1画面表示部の第1タブの近傍に一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる印刷設定に禁則関係がある場合、禁則関係にある印刷設定の数によらずに、第2画面表示部の第2タブの近傍に一括エラー表示を行う場合に、
図9に示される画面表示などを行ってもよい。
ここで、本実施形態では、第1タブ251を有する第1タブ設定画面表示部231が第1画面表示部の一例であり、第2タブ252を有する第2タブ設定画面表示部232が第2画面表示部の一例である。
【0085】
例えば、制御部117は、最少の印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる印刷設定の表示の近傍に個別エラー表示を行い、他の印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる印刷設定の近傍に個別エラー表示を行わない場合に、
図4~
図7のいずれかに示される画面表示などを行ってもよい。
ここで、当該他の印刷設定の変更は、非最少の印刷設定の変更である。本実施形態では、非最少は、最少ではないことを表す。なお、制御部117が、判定対象となる印刷設定の変更が最少の印刷設定の変更であるか否かを判定する手法としては、任意の手法が用いられてもよい。
【0086】
図11および
図12を参照して、印刷装置1において個別エラーマークを表示する態様の一例を示す。
図11は、実施形態に係る印刷装置1の第8画面表示501の一例を示す図である。
図12は、実施形態に係る印刷装置1の第9画面表示502の一例を示す図である。
【0087】
ここで、
図11~
図12の例では、
図3に示される基本画面表示201を基本とした画面表示の例を示す。このため、
図11~
図12の例では、説明の便宜上、
図3に示される基本画面表示201と同様な部分には同一の符号を付して説明する。ただし、
図11および
図12の例では、説明の便宜上、選択されているタブの画面表示における複数の印刷設定表示枠を印刷設定A表示枠581、印刷設定B表示枠582、印刷設定C表示枠583、印刷設定D表示枠584、印刷設定E表示枠585、印刷設定F表示枠586とし、印刷設定A表示枠581~印刷設定F表示枠586に対応する印刷設定を印刷設定A~印刷設定Fとして説明する。
【0088】
印刷装置1では、制御部117は、受付部111によって受け付けた指示に基づいて、印刷設定A、印刷設定Bおよび印刷設定Cを含む印刷設定を設定し、印刷設定の設定にしたがって印刷の制御を行う。そしてユーザーから禁則関係の自動解決を指示された場合に、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Cに応じた解決手法で禁則関係を解決する。つまり、制御部117は、印刷設定A、印刷設定Bおよび印刷設定Cが選択されているときに、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にある場合、印刷設定Cに関する禁則関係に基づいて、個別エラーマークを表示する印刷設定を決定する。なお、ユーザーは例えば一括エラー表示を選択することで表示される画面を介して、禁則関係の自動解決を指示できる。
ここで、印刷装置1において、印刷設定Aは、印刷設定Bよりも優先度が高いことが設定されているとする。
【0089】
また、印刷設定Cは、例えば、ユーザーがUI(User Interface)以外のメカ機構を操作することを伴う必要がある印刷設定であってもよく、あるいは、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がない印刷設定であってもよい。
ここで、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がある印刷設定としては、例えば、ユーザーの手動により、トレイ51~54に収容される用紙を入れ替えることで当該用紙を変更することが必要な印刷設定、あるいは、ユーザーの手動により、印刷装置1における所定の機構の状態を切り替えることが必要な印刷設定などであってもよい。
なお、本実施形態では、UIは、受付部111および表示部112などのユーザーインターフェイスである。
【0090】
例えば、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Aが印刷設定Cと禁則関係にない場合、印刷設定Bを変更することで禁則関係を解消してもよい。
例えば、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bおよび印刷設定Cの両方と禁則関係にある場合、印刷設定Aを変更することで禁則関係を解消してもよい。
【0091】
例えば、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Bを変更しても印刷設定Cと禁則関係に陥らない場合、印刷設定Bを変更することで禁則関係を解消してもよい。
例えば、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Bを変更すると印刷設定Cと禁則関係に陥る場合、印刷設定Aを変更することで禁則関係を解消してもよい。
【0092】
なお、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Cに応じて印刷設定Aと印刷設定Bとの一方の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、他方の表示の近傍には個別エラー表示を行わなくてもよい。
また、制御部117は、ユーザーの指示に応じて印刷設定の変更を行うことで禁則関係を解決してもよい。
【0093】
ここで、制御部117は、例えば、用紙ミスマッチを解決するまでの手順が少ない解決手法を優先して、禁則関係の解決手法を決定することが好ましい。
例えば、制御部117は、1以上であるp個の印刷設定の変更で禁則関係を解決する第1禁則解決手法と、p個よりも多いq個の印刷設定の変更で禁則関係を解決する第2禁則解決方法と、があるときに、第1禁則解決手法で禁則関係を解決することを選択してもよい。
【0094】
個別エラー表示の具体例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Aと印刷設定Cとが禁則関係にある場合、印刷設定Aに個別エラーマークを表示し、印刷設定Bには個別エラーマークを表示しない。
図11の例では、第8画面表示501において、印刷設定Aに対応する印刷設定A表示枠581に第5個別エラーマーク611が表示されており、また、第5個別エラー説明情報612が表示されている。
第5個別エラーマーク611は、個別エラーマークの一例である。
第5個別エラー説明情報612は、個別エラー説明情報の一例である。
【0095】
他の例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Aと印刷設定Cとが禁則関係にあり、かつ、印刷設定Bと印刷設定Cとが禁則関係にない場合、印刷設定Aに個別エラーマークを表示し、印刷設定Bには個別エラーマークを表示しなくてもよい。
他の例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Bと印刷設定Cとが禁則関係にない場合、印刷設定Aに個別エラーマークを表示し、印刷設定Bには個別エラーマークを表示しなくてもよい。
【0096】
個別エラー表示の具体例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Aと印刷設定Cとが禁則関係にない場合、印刷設定Bに個別エラーマークを表示し、印刷設定Aには個別エラーマークを表示しない。
図12の例では、第9画面表示502において、印刷設定Bに対応する印刷設定B表示枠582に第6個別エラーマーク621が表示されており、また、第6個別エラー説明情報622が表示されている。
第6個別エラーマーク621は、個別エラーマークの一例である。
第6個別エラー説明情報622は、個別エラー説明情報の一例である。
【0097】
他の例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Bと印刷設定Cとが禁則関係にあり、かつ、印刷設定Aと印刷設定Cとが禁則関係にない場合、印刷設定Bに個別エラーマークを表示し、印刷設定Aには個別エラーマークを表示しなくてもよい。
他の例として、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあり、印刷設定Bと印刷設定Cとが禁則関係にある場合、印刷設定Bに個別エラーマークを表示し、印刷設定Aには個別エラーマークを表示しなくてもよい。
【0098】
図13を参照して、印刷装置1において案内メッセージを表示する態様の一例を示す。
図13の例では、
図3に示される基本画面表示201を基本とした画面表示の例を示す。このため、
図13の例では、説明の便宜上、
図3に示される基本画面表示201と同様な部分には同一の符号を付して説明する。
【0099】
印刷装置1において、制御部117は、個別エラーマークが選択された場合に、選択された個別エラーマークに対応する案内メッセージを画面に表示する。
ここで、本実施形態では、制御部117は、ユーザーによって行われる操作に応じて、個別エラーマークがクリック等されたときに、当該個別エラーマークが選択されたと判定する。
案内メッセージは、選択された個別エラーマークに関する用紙ミスマッチを解決することが可能な解決手法に関する情報を含む。
【0100】
図13は、実施形態に係る印刷装置1の第10画面表示701の一例を示す図である。
第10画面表示701には、案内メッセージ枠721がポップアップで表示されている。
案内メッセージ枠721のなかには、案内メッセージの情報が表示されている。
案内メッセージの情報としては、例えば、1つ以上の解決手法についての説明を含む。
図13の例では、解決手法1、解決手法2、解決手法3についての説明の情報が表示されている。
【0101】
なお、
図13の例では、選択された個別エラーマークは、案内メッセージ枠721によって隠されている。
また、
図13の例では、第7個別エラー説明情報722が表示されている。
第7個別エラー説明情報722は、個別エラー説明情報の一例である。
【0102】
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、案内メッセージ情報として表示される解決手法のなかで、1つの解決手法が選択された場合に、当該解決手法に対応する処理を実行する。
ここで、本実施形態では、制御部117は、ユーザーによって行われる操作に応じて、解決手法に対応する部分がクリック等されたときに、当該解決手法が選択されたと判定する。
【0103】
なお、ここでは、個別エラーマークが選択された場合に表示される案内メッセージについて説明したが、印刷装置1では、制御部117は、一括エラーマークについても同様に、案内メッセージの表示などを行ってもよい。
【0104】
印刷装置1において、制御部117が、用紙ミスマッチを解決する解決手法を決定する手法について説明する。
印刷装置1において、制御部117は、例えば、案内メッセージに含める1つ以上の解決手法を決定する処理、あるいは、自動的に実行する1つの解決手法を決定する処理を行う。
【0105】
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、用紙ミスマッチを解決するまでの手順が少ない解決手法を、より手順が多い解決手法よりも優先的に、決定する。用紙ミスマッチを解決するまでの手順が少ない解決手法としては、例えば、当該手順が最少となる解決手法が好ましい。
【0106】
具体例を示す。
印刷装置1では、制御部117は、トレイ51~54の主従関係、および、印刷設定の優先順位に基づいて、解決手法を決定する。
すなわち、制御部117は、トレイ51~54の主従関係を判定する。
ここで、用紙ミスマッチの事例4に関し、例えば、トレイ51~54の主従関係は、機能仕様にしたがって事前に設定されていてもよく、あるいは、制御部117がトレイ51~54の主従関係を判定してもよい。
【0107】
トレイ51~54の主従関係を判定する手法としては、例えば、それぞれのトレイ51~54に収容される用紙の使用頻度に基づいてトレイ51~54の主従関係を判定する手法が用いられてもよい。
例えば、制御部117は、トレイ51~54のうちで複数のトレイに同じサイズで同じ種類の用紙が収容されている場合、これらのトレイの配置によって、最も上段にあるトレイを主トレイとし、それよりも下段にあるトレイを従トレイとする。なお、制御部117は、2つ以上の従トレイを設定してもよく、あるいは、従トレイの候補が2つ以上ある場合に、主トレイに最も近いトレイを従トレイとすることなどにより、1つの従トレイを設定してもよい。
【0108】
制御部117は、用紙ミスマッチが発生しており、当該用紙ミスマッチに関してトレイ51~54の主従関係がある場合、主トレイの用紙ミスマッチを解決する解決手法を優先的に決定する。この際、制御部117は、主トレイの用紙ミスマッチとともに従トレイの用紙ミスマッチを同時に解決することができるか否かを判定し、主トレイの用紙ミスマッチとともに従トレイの用紙ミスマッチを同時に解決することができる解決手法を優先的に決定する。これにより、印刷装置1では、用紙ミスマッチを解決するために行われる印刷装置1による処理、あるいは、ユーザーによる操作の手間を減らすことができる。
【0109】
制御部117は、用紙ミスマッチが発生しており、当該用紙ミスマッチに関してトレイ51~54の主従関係がない場合、用紙設定以外の印刷設定については、所定の優先順位の条件にしたがって、優先順位が高い項目に関する用紙ミスマッチを解決する解決手法を優先的に決定する。この際、制御部117は、用紙ミスマッチが発生している複数の印刷設定について同時に解決することができる解決手法を優先的に決定する。
【0110】
ここで、制御部117によって禁則関係を解決する処理としては、種々な処理が用いられてもよい。
例えば、ユーザーから自動で禁則関係を解消することを指示された場合、当該指示に応じて、以下の処理1~処理3を実行すればよい。
処理1は、消耗品の状況に基づいて印刷設定の優先順位を判定し、優先順位が低い印刷設定を変更することで禁則関係を解決する処理である。当該処理は、例えば、用紙あるいはインクなどの消耗品が少ない場合に、両面の印刷設定、あるいは、4UP印刷の印刷設定などのように、消耗品を節約する印刷設定を優先する処理である。
【0111】
処理2は、契約状況に基づいて印刷設定の優先順位を判定し、優先順位が低い印刷設定を変更することで禁則関係を解決する処理である。当該処理は、例えば、印刷可能な用紙の枚数が契約した上限の枚数に対して余裕がない場合に、両面の印刷設定、あるいは、4UP印刷の印刷設定などのように、用紙の枚数を節約する印刷設定を優先する処理である。
契約状況としては、例えば、印刷装置1のリース契約やサポート契約によって定められている使用に関する契約条件の状況であってもよい。
【0112】
処理3は、禁則関係を解決するために必要となる印刷設定の変更の数に応じて優先順位を判定し、優先順位が低い印刷設定を変更することで禁則関係を解決する処理である。当該処理では、例えば、一の印刷設定が変更されると禁則関係を解決するために必要となる印刷設定の変更の数が最少となる場合に、当該印刷設定が最も優先順位が低くなり、そして、禁則関係を解決するために必要となる印刷設定の変更の数が最少となる変更を行うことで、禁則関係を解決する。
【0113】
また、印刷装置1において、採用される処理は、例えば、あらかじめ設定された1つに固定されていてもよく、あるいは、制御部117によって、印刷装置の状態により、決定されてもよい。
【0114】
具体例として、ユーザーが自動で禁則関係を解消することを指示せずに、禁則関係を解決する処理4~処理7を示す。
【0115】
処理4は、ユーザーによって行われる操作によって印刷設定が選択される場合に、ユーザーによって行われる操作の順番に基づいて、最後に選択された印刷設定を基準とする処理である。当該処理は、最後に選択された印刷設定が優先的に採用される処理であり、いわゆる、後勝ちの条件の処理となる。なお、印刷設定の選択は、例えば、新規に選択される場合と、すでに選択された内容が変更される選択が行われる場合を含んでもよい。
具体的には、処理4では、例えば、後から受け付けられた指示と組み合わせることが禁止された先の指示を取り消すことが行われる。
【0116】
処理5は、ユーザーによって行われる操作によって印刷設定が選択される場合に、ユーザーによって行われる操作の順番に基づいて、最初に選択された印刷設定を基準とする処理である。当該処理は、最初に選択された印刷設定が優先的に採用される処理であり、いわゆる、先勝ちの条件の処理となる。なお、例えば、ユーザーによって行われる一連の操作に区切りがある場合には、当該区切りごとに、次の操作が最初の操作とみなされてもよい。
具体的には、処理5では、例えば、先に受け付けた指示と組み合わせることが禁止された後の指示を受け付けないことが行われる。
【0117】
処理6は、すべての印刷設定の優先順位があらかじめ定められており、当該優先順位にしたがって、優先順位が高い印刷設定を優先する処理である。当該処理は、規定された優先順位の条件の処理となる。優先順位は、適宜決めることができるが、例えば処理1~処理3の優先順位とすることができる。或いは画面の表示順を優先順位とすることもできる。
具体的には、処理6では、受け付けられた指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示がすでに受け付けられている場合に当該指示を取り消し、受け付けられた指示よりも後に当該指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示の受け付けを禁止することが行われる。
【0118】
処理7は、印刷設定の候補をユーザーに提示して、ユーザーにより選択された候補を採用する処理である。当該処理は、ユーザー判断の条件の処理となる。ここで、ユーザーに提示される候補は、例えば、使用可能なすべての候補であってもよく、あるいは、使用可能な候補のうちの一部の候補であって上述のいずれかの条件によって自動選択したものであってもよい。
処理7では、例えば、禁止された指示の組み合わせを解除する指示の組み合わせについて複数の候補を提示してユーザーにより当該候補を選択させることが行われてもよい。
【0119】
なお、処理7は、例えば、印刷設定の候補の提示により案内が行われた後における処理で用いられてもよい。
処理7は、例えば、印刷装置1によって行われる印刷設定の自動補正に対してユーザーの許否が繰り返された場合に使用されてもよい。
【0120】
ここで、印刷装置1では、制御部117は、例えば、2つ以上の印刷設定の組み合わせが禁則関係になる場合に、これらの印刷設定のなかで採用する印刷設定を決定する際に、所定の優先順位の条件を用いてもよい。例えば、制御部117は、所定の優先順位の条件として、印刷設定の優先順位の条件の処理4~処理7のいずれかを用いてもよい。
さらに、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の優先順位の条件の処理4~処理7のいずれかに基づく処理、または、禁則関係にある印刷設定を識別可能に表示する解決手法の処理のいずれかを用いてもよい。ここで、禁則関係にある印刷設定を識別可能に表示する態様としては、例えば、個別エラー表示と一括エラー表示との一方または両方を行う態様が用いられてもよい。
【0121】
具体例を示す。
印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。例えば、制御部117は、印刷装置1における所定の状態に応じて、印刷設定の優先順位の条件を切り替えて、自動的に、印刷設定の禁則関係を解決してもよい。
【0122】
例えば、印刷装置1では、制御部117は、後から受け付けた指示と組み合わせることが禁止された先の指示を取り消す処理と、先に受け付けた指示と組み合わせることが禁止された後の指示を受け付けない処理と、受け付けた指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示がすでに受け付けられている場合に当該指示を取り消し、受け付けた指示よりも後に当該指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示の受け付けを禁止する処理と、禁止された指示の組み合わせを解除する指示の組み合わせについて複数の候補を提示してユーザーにより当該候補を選択させる処理と、禁則関係にある印刷設定を識別可能に表示する処理と、を含む複数の処理のいずれか1つの処理から、印刷装置1における状態に応じて、いずれか別の1つの処理に切り替えてもよい。上述の処理のうち任意の2つの処理から印刷装置1における状態に応じて、相互に処理を切り替えるようにしてもよい。
【0123】
ここで、印刷装置1における所定の状態としては、任意の状態が用いられてもよく、例えば、インクの量、用紙の量、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙以外の印刷媒体に関する状態、電源の状態、ユーザーの指示に関する状態、契約条件に関する状態、あるいは、所定の機構の状態などのうちの1つ以上の状態が用いられてもよい。
電源の状態としては、例えば、電源のオン/オフの状態が用いられてもよく、また、電源が電池である場合に、当該電池の残量が用いられてもよい。
契約条件としては、例えば、印刷装置1の今月の印刷可能な用紙の残り枚数、などの印刷装置1の使用に関する契約条件が用いられてもよい。このような契約条件の情報は、例えば、印刷装置1において、ROM152に記憶されてもよいし、契約管理サーバーからネットワークを経由して取得してもよい。
所定の機構としては、例えば、印刷装置1が有する機械式切替機構であって自動的な切り替えができない機構が用いられてもよい。
【0124】
例えば、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1が使用するインクまたは印刷媒体の少なくとも一方に関する状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。具体的には、制御部117は、印刷装置1が使用するインク及び印刷媒体が十分にあれば、処理7に従いユーザーにより選択された候補を採用し、印刷装置1が使用するインク又は印刷媒体が不足していれば、処理6に従いインクや印刷媒体の使用量が少なくなる印刷設定を優先順位が高い印刷設定として採用する。これによって、制御部117は、禁則関係を解消する。
例えば、印刷装置1では、電池を備える場合、制御部117は、印刷装置1が備える電池の残量に関する状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。
【0125】
例えば、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーの指示について、同じ指示が繰り返された回数に関する状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。一例として、制御部117は、ユーザーによって行われる操作に応じて印刷設定が変更された回数に応じて、印刷設定の優先順位の条件を切り替えてもよい。
【0126】
例えば、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1の使用に関する契約条件に関する状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。
例えば、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1が有する機械式切替機構であって自動的な切り替えができない機構の状態に応じて、異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決してもよい。
【0127】
禁則関係の一例として、印刷装置1において、ページ集約の印刷設定として2UP印刷が行われる場合には、倍率の印刷設定が自動計算である必要がある。2UP印刷の印刷設定は、ページ集約において、1枚の用紙に2枚の原稿の画像を印刷する印刷設定である。仮に、2UP印刷が行われるときに、ユーザーによる操作によって100%の倍率が選択された場合には、原稿のサイズによって、印字結果に欠落が発生する可能性がある。
制御部117は、このような禁則関係を自動的に解決してもよい。
【0128】
印刷設定の優先順位の処理4が用いられる場合、制御部117は、ユーザーによる操作によって、最初に2UP印刷のページ集約の印刷設定が選択され、次に100%の倍率の印刷設定が選択されたときには、最後に選択された印刷設定である100%の倍率の印刷設定を採用する。そして、制御部117は、採用された印刷設定を基準として、他の印刷設定を変更するために、ページ集約の印刷設定を1UP印刷に変更する。1UP印刷の印刷設定は、1枚の用紙に1枚の原稿の画像を印刷する印刷設定である。
【0129】
印刷設定の優先順位の処理5が用いられる場合、制御部117は、ユーザーによる操作によって、最初に2UP印刷のページ集約の印刷設定が選択され、次に100%の倍率の印刷設定が選択されたときには、最初に選択された印刷設定である2UP印刷のページ集約の印刷設定を採用する。そして、制御部117は、採用された印刷設定を基準として、他の印刷設定を変更するために、倍率の印刷設定を自動計算に変更する。
【0130】
印刷設定の優先順位の処理6が用いられる場合、制御部117は、ユーザーによる操作によって、最初に2UP印刷のページ集約の印刷設定が選択され、次に100%の倍率の印刷設定が選択されたときには、所定の優先順位にしたがって、優先順位が高い方の印刷設定を採用する。この場合、制御部117は、ユーザーによる操作の順番によらずに、所定の優先順位にしたがう。
【0131】
印刷設定の優先順位の処理7が用いられる場合、制御部117は、2UP印刷のページ集約の印刷設定と100%の倍率の印刷設定との禁則関係が発生したとき、2UP印刷のページ集約の印刷設定と自動計算の倍率の印刷設定との組み合わせと、1UP印刷のページ集約の印刷設定と100%の倍率の印刷設定との組み合わせを、2つの選択肢として、画面に表示する。そして、制御部117は、2つの選択肢のうちで、ユーザーによる操作に応じて選択された選択肢を採用する。
【0132】
ここで、制御部117は、印刷設定の優先順位の条件として使用可能な複数の条件がある場合に、印刷装置1における所定の状態に基づいて、1つの条件を選択して適用してもよい。印刷装置1における状態としては、種々な状態が用いられてもよい。
【0133】
具体例として、印刷装置1における状態に基づく判定条件1~印刷装置1における状態に基づく判定条件3を示す。
印刷装置1における状態に基づく判定条件1は、所定の用紙の残量が少ない場合に、印刷設定の優先順位の条件として、用紙の節約が考慮された所定の条件を用いることを判定する判定条件である。印刷装置1において、当該所定の条件は、例えば、あらかじめ設定されている。ここで、所定の用紙の残量が少ないか否かを判定する手法としては、例えば、所定の用紙の残量が所定の閾値以下である場合に当該用紙の残量が少ないと判定する手法が用いられてもよい。当該閾値としては、例えば、トレイ51~54に当該用紙が収容可能な最大量に対して1/5の値などが用いられてもよい。
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、それぞれのトレイ51~54ごとに、用紙量検出部131により検出された用紙量の情報を取得する。
【0134】
印刷装置1における状態に基づく判定条件2は、所定の専用紙しかない場合に、用紙による制限が多いことから、用紙設定の印刷設定を優先するように判定する判定条件である。
本実施形態では、印刷装置1において、制御部117は、それぞれのトレイ51~54ごとに、用紙種類検出部133により検出された用紙の種類の情報を取得する。
【0135】
印刷装置1における状態に基づく判定条件3は、印刷装置1によって自動的に印刷設定を変更する補正を行ったときにユーザーによる操作によって手直しされたことが、所定回数以上発生した場合に、ユーザーの意図を推測しにくいことから、それ以降は、ユーザーによる操作に応じた印刷設定を使用することを判定する判定条件である。当該所定回数は、例えば、3回などであってもよい。
【0136】
一例として、制御部117は、基本的には、印刷設定の優先順位の処理4である後勝ちの条件の処理、または、印刷設定の優先順位の処理5である先勝ちの条件の処理のいずれかの条件の処理を使用する。ここで、印刷装置1において、いずれの条件が使用されるかについては、例えば、あらかじめ定められていてもよく、あるいは、所定の情報に基づいて制御部117によって切り替えられてもよい。
【0137】
また、制御部117は、印刷装置1における状態に基づく判定条件1に関して所定の用紙の残量が少ないと判定した場合、または、印刷装置1における状態に基づく判定条件2に関して所定の専用紙しかないと判定した場合には、印刷設定の優先順位の処理6である規定された優先順位の条件の処理を使用する。
【0138】
また、制御部117は、印刷装置1における状態に基づく判定条件3に関して、印刷装置1によって自動的に印刷設定を変更する補正を行ったときにユーザーによる操作によって手直しされたことが、所定回数以上発生したと判定した場合には、印刷設定の優先順位の処理7であるユーザー判断の条件の処理を使用する。
【0139】
図14~
図15を参照して、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の例として、印刷設定の禁則関係に関するエラー表示を行う処理の例を示す。
【0140】
図14は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。本フローは、ユーザーが印刷装置1のホーム画面において、コピー機能を使用することを選択することによって呼び出される。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS1~ステップS6と呼んで説明する。
【0141】
ステップS1において、印刷装置1では、制御部117は、1つ以上の印刷設定を受け付ける。そして、印刷装置1では、ステップS2へ移行する。
ここで、制御部117は、当該印刷設定を、例えば、ユーザーによって行われる操作に応じて受け付けてもよく、あるいは、事前の設定に応じて受け付けてもよい。
【0142】
ステップS2において、印刷装置1では、制御部117は、設定された複数の印刷設定について、禁則関係が発生しているか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係が発生していると判定した場合、ステップS2のYESとなり、ステップS3へ移行する。
一方、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係が発生していないと判定した場合、ステップS2のNOとなり、ステップS6へ移行する。
ここで、制御部117は、例えば、あらかじめROM152またはRAM153に記憶されている禁則の条件を定める情報に基づいて、禁則関係を判定する。
【0143】
ステップS3において、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係の判定結果に基づいて、禁則関係の内容に応じて、エラー表示の態様を決定する。そして、印刷装置1では、ステップS4へ移行する。
ここで、エラー表示の態様は、例えば、個別エラーマークを表示する態様と、一括エラーマークを表示する態様との一方または両方を含む。本実施形態では、複数の用紙ミスマッチが発生している場合に、制御部117は、個別エラーマークの表示と、一括エラーマークの表示との両方を行うが、他の構成例として、いずれか一方の表示を行ってもよい。
【0144】
ステップS4において、印刷装置1では、制御部117は、決定された態様で、画面表示を行う。そして、印刷装置1では、ステップS5へ移行する。
【0145】
ステップS5において、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係が解決されたか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係が解決されたと判定した場合、ステップS5のYESとなり、ステップS6へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係が解決されていないと判定した場合、ステップS5のNOとなり、ステップS1へ移行する。
【0146】
ここで、例えば、ユーザーが手動で印刷設定の変更を行うことで禁則関係が解決され、制御部117は、禁則関係が解決したことを判定する。なお、制御部117は、禁則関係を解決する手法を自動的に決定して、ユーザーに対して解決手法を案内することなどを行ってもよい。
【0147】
ステップS6において、印刷装置1では、制御部117は、禁則関係がない状態で、印刷設定にしたがって印刷を行う。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。この場合、例えば、印刷装置1は、ホーム画面の状態に戻る。
なお、
図14に示される本フローにおいて、禁則関係が解決されない状態が所定時間継続した場合に、制御部117は、タイムアウトとして、本フローの処理を終了する構成としてもよい。
【0148】
図15は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図15に示されるフローは、例えば、
図14に示されるステップS3の処理において用いられてもよい。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS21~ステップS27と呼んで説明する。
本例では、印刷装置1において、1箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合について示す。
【0149】
ステップS21において、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が1箇所であると判定した場合、ステップS21のNOとなり、ステップS22へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であると判定した場合、ステップS21のYESとなり、ステップS23へ移行する。
【0150】
ステップS22において、印刷装置1では、制御部117は、発生している1箇所の用紙ミスマッチに関するすべての関連項目を通知することを決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0151】
ステップS23において、印刷装置1では、制御部117は、トレイ51~54について、用紙設定の主従関係があるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主従関係があると判定した場合、ステップS23のYESとなり、ステップS24へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主従関係がないと判定した場合、ステップS23のNOとなり、ステップS25へ移行する。
【0152】
ステップS24において、印刷装置1では、制御部117は、主トレイに関する用紙ミスマッチのみを通知することを決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0153】
ステップS25において、印刷装置1では、制御部117は、1つの画面表示における用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、1つの画面表示における用紙ミスマッチの発生箇所が1箇所であると判定した場合、ステップS25のNOとなり、ステップS26へ移行する。
一方、印刷装置1では、制御部117は、1つの画面表示における用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であると判定した場合、ステップS25のYESとなり、ステップS27へ移行する。
【0154】
ステップS26において、印刷装置1では、制御部117は、1つの画面表示における用紙ミスマッチの発生箇所が1箇所であるとき、当該用紙ミスマッチに関するすべての関連項目を通知することを決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0155】
ステップS27において、印刷装置1では、制御部117は、1つの画面表示における用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であるとき、用紙設定のみについて通知することを決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0156】
図16~
図21を参照して、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の例として、印刷設定の禁則関係を解決する解決手法の決定を行う処理、および、決定された解決手法で印刷設定の禁則関係を解決する処理の例を示す。
なお、例えば、それぞれのトレイ51~54に収容される用紙の変更、あるいは、印刷装置1における所定の機構の状態の変更などのように、ユーザーによって行われる必要がある作業が行われる手順へ進む場合には、ユーザーによって当該作業が行われるとして説明する。
【0157】
図16は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図16に示されるフローは、例えば、
図14に示されるステップS5の処理において用いられてもよい。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS41~ステップS42と呼んで説明する。
本例では、印刷設定A、印刷設定Bおよび印刷設定Cを例として説明する。例えば、印刷設定Aと印刷設定Bとには主従関係があってもよい。
【0158】
ステップS41において、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にないと判定した場合、ステップS41のNOとなり、本フローの処理を終了する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aと印刷設定Bとが禁則関係にあると判定した場合、ステップS41のYESとなり、ステップS42の処理へ移行する。
【0159】
ステップS41において、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aおよび印刷設定Bについて、印刷設定Cに応じて、禁則関係の解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0160】
図17は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図17に示されるフローは、例えば、
図16に示されるフローの具体例として用いられてもよい。この場合、
図16の例における印刷設定Aと印刷設定Bとは用紙設定の主従関係が発生する可能性があり、当該主従関係が発生したときには、主トレイの用紙ミスマッチを優先的に解決する処理として、他の印刷設定Cを考慮する処理が行われる。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS61~ステップS65と呼んで説明する。
本例では、印刷装置1において、1箇所以上の用紙ミスマッチが発生している場合について示す。
【0161】
ステップS61において、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が1箇所であると判定した場合、ステップS61のNOとなり、ステップS62へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が2箇所以上であると判定した場合、ステップS61のYESとなり、ステップS63へ移行する。
【0162】
ステップS62において、印刷装置1では、制御部117は、用紙ミスマッチの発生箇所が1箇所であるとき、当該用紙ミスマッチの該当箇所を解決する解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
ここで、当該解決手法は、例えば、禁則関係を発生させない用紙へ変更する解決手法であってもよい。
【0163】
ステップS63において、印刷装置1では、制御部117は、トレイ51~54について、用紙設定の主従関係があるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主従関係があると判定した場合、ステップS63のYESとなり、ステップS64へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主従関係がないと判定した場合、ステップS63のNOとなり、ステップS65へ移行する。
【0164】
ステップS64において、印刷装置1では、制御部117は、主トレイの用紙ミスマッチを優先的に解決する解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0165】
ステップS65において、印刷装置1では、制御部117は、設定された優先順位にしたがって、解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0166】
図18は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図18に示されるフローは、例えば、
図17に示されるステップS64の処理において用いられてもよい。
図18の例では、印刷装置1において製本の印刷を行うことが可能であり、ユーザーが製本の印刷を行う場合を示す。本実施形態では、製本の印刷では、本文の印刷については主トレイの普通紙等を用いて行われ、表紙の印刷については従トレイの色付き紙等を用いて行われる。そして、主トレイの用紙サイズと従トレイの用紙サイズとは同じサイズに設定される必要がある。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS81~ステップS91と呼んで説明する。
本例では、印刷装置1において、トレイ51~54のうちで、用紙ミスマッチに関する用紙を収容する2つのトレイに主従関係がある場合について示す。
【0167】
ステップS81において、印刷装置1では、制御部117は、トレイ51~54の主従関係を判定する。そして、印刷装置1では、ステップS82へ移行する。
【0168】
ステップS82において、印刷装置1では、制御部117は、主トレイに用紙ミスマッチがあるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主トレイに用紙ミスマッチがあると判定した場合、ステップS82のYESとなり、ステップS83へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、主トレイに用紙ミスマッチがないと判定した場合、ステップS82のNOとなり、ステップS91へ移行する。
【0169】
ステップS83において、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがあるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがあると判定した場合、ステップS83のYESとなり、ステップS84へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがないと判定した場合、ステップS83のNOとなり、ステップS89へ移行する。
【0170】
ステップS84において、印刷装置1では、制御部117は、主トレイの用紙ミスマッチを解決する解決手法を決定し、決定した解決手法をユーザーに案内する。そして、印刷装置1では、ステップS85へ移行する。
【0171】
ステップS85において、ユーザーは、案内を参考にして、解決手法を決定するための指示を印刷装置1に与える操作を行う。これにより、印刷装置1では、制御部117は、決定された解決手法で主トレイの用紙ミスマッチを解決する当該指示を受け付け、主トレイの用紙ミスマッチを解決する。そして、印刷装置1では、ステップS86へ移行する。
【0172】
ステップS86において、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチが残っているか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチが残っていると判定した場合、ステップS86のYESとなり、ステップS87へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチが残っていないと判定した場合、ステップS86のNOとなり、本フローの処理を終了する。
【0173】
ステップS87において、印刷装置1では、制御部117は、従トレイの用紙ミスマッチを解決する解決手法を決定し、決定した解決手法をユーザーに案内する。そして、印刷装置1では、ステップS88へ移行する。
【0174】
ステップS88において、ユーザーは、案内を参考にして、解決手法を決定するための指示を印刷装置1に与える操作を行う。これにより、印刷装置1では、制御部117は、決定された解決手法で従トレイの用紙ミスマッチを解決する当該指示を受け付け、従トレイの用紙ミスマッチを解決する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0175】
ステップS89において、印刷装置1では、制御部117は、主トレイの用紙ミスマッチを解決する解決手法を決定し、決定した解決手法をユーザーに案内する。そして、印刷装置1では、ステップS90へ移行する。
【0176】
ステップS90において、ユーザーは、案内を参考にして、解決手法を決定するための指示を印刷装置1に与える操作を行う。これにより、印刷装置1では、制御部117は、決定された解決手法で主トレイの用紙ミスマッチを解決する当該指示を受け付け、主トレイの用紙ミスマッチを解決する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0177】
ステップS91において、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがあるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがあると判定した場合、ステップS91のYESとなり、ステップS87へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、従トレイに用紙ミスマッチがないと判定した場合、ステップS91のNOとなり、本フローの処理を終了する。
【0178】
ここで、
図18に示されるフローについて、具体的な一例として、複数箇所の用紙ミスマッチを同時に解決することができない場合を示す。
本例では、トレイ51が従トレイであり、A6の普通紙を収容している。
また、本例では、トレイ52が主トレイであり、A4の写真用紙を収容している。また、主トレイでは、A4の用紙の使用頻度が高いとする。
また、印刷装置1において、最初の印刷設定として、使用トレイの自動設定、両面の印刷設定、および、4UP印刷の印刷設定が選択されているとする。
この場合、印刷装置1では、主トレイに関して写真用紙に両面印刷を行うことができないという禁則関係が発生し、従トレイに関してA6の用紙に4UP印刷を行うことができないという禁則関係が発生する。
【0179】
ステップS84~ステップS85では、印刷装置1において、主トレイに関して、例えば、写真用紙を普通紙へ変更すること、または、両面印刷を片面印刷へ変更することの一方または両方が行われるようにユーザーに求める。
また、ステップS87~ステップS88では、印刷装置1において、従トレイに関して、A6の用紙をA4の用紙へ変更すること、または、4UP印刷を1UP印刷へ変更することの一方または両方が行われるようにユーザーに求める。
本例では、印刷装置1において、ステップS81~ステップS88の処理が行われる。
ここで、主トレイと従トレイとの少なくとも一方に関して、最終的には、禁則関係がなくなるように、印刷設定の変更が行われる。
【0180】
また、
図18に示されるフローについて、具体的な他の一例として、複数箇所の用紙ミスマッチを同時に解決することが可能である場合を示す。
本例では、トレイ51が従トレイであり、A6の普通紙を収容している。
また、本例では、トレイ52が主トレイであり、A5の普通紙を収容している。また、主トレイでは、A5の用紙の使用頻度が高いとする。
また、印刷装置1において、最初の印刷設定として、4UP印刷の印刷設定が選択されているとする。
この場合、印刷装置1では、主トレイに関してA5の用紙に4UP印刷を行うことができないという禁則関係が発生し、従トレイに関してA6の用紙に4UP印刷を行うことができないという禁則関係が発生する。
【0181】
ステップS84~ステップS85では、印刷装置1において、主トレイに関して、A5の用紙をA4の用紙へ変更すること、または、4UP印刷を1UP印刷へ変更することの一方または両方が行われる。
例えば、少なくとも4UP印刷を1UP印刷へ変更することが行われると、主トレイに関する禁則関係と従トレイに関する禁則関係との両方が解決される。そのため、印刷装置1は主トレイに関して、ユーザーに用紙ミスマッチの解消を行うように案内を行うにあたり、A5の用紙をA4の用紙へ変更すること、よりも、4UP印刷を1UP印刷へ変更すること、を優先して案内を行う。本例では、印刷装置1において、ステップS81~ステップS86の処理が行われる。
ここで、主トレイと従トレイに関して、最終的には、禁則関係がなくなるように、印刷設定の変更が行われる。
【0182】
図19は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図19に示されるフローは、例えば、
図14に示されるフローのステップS1の前段に挿入されて行われてもよい。この場合、印刷装置1では、
図19に示されるフローが終了した後に、
図14に示されるフローのステップS1へ移行する。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS111~ステップS114と呼んで説明する。
【0183】
ステップS111において、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態に基づいて解決手法を決定することを行うか否かを判定する。ここで、本例では、印刷装置1において、印刷設定の禁則関係のエラーが発生しているとする。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態に基づいて解決手法を決定することを行うと判定した場合、ステップS111のYESとなり、ステップS112へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態に基づいて解決手法を決定することを行わないと判定した場合、ステップS111のNOとなり、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0184】
ステップS112において、印刷装置1では、制御部117は、所定の状態の情報を取得する。そして、印刷装置1では、ステップS113へ移行する。
【0185】
ステップS113において、印刷装置1では、制御部117は、取得された所定の状態の情報に基づいて、解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
ここで、制御部117は、例えば、印刷装置1の現在における所定の状態に応じて、それぞれの状態ごとに、異なる解決手法に切り替えて、切り替えた解決手法の処理を行うことで、禁則関係を解決してもよい。
【0186】
図20は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図20に示されるフローは、例えば、
図14に示されるステップS5の処理において用いられてもよい。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS131~ステップS136と呼んで説明する。
【0187】
ステップS131において、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係があるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係があると判定した場合、ステップS131のYESとなり、ステップS132へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係がないと判定した場合、本フローの処理を終了する。
【0188】
ステップS132において、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態の条件が満たされるか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態の条件が満たされると判定した場合、ステップS132のYESとなり、ステップS133へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態の条件が満たされないと判定した場合、ステップS132のNOとなり、ステップS134へ移行する。
【0189】
ステップS133において、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における所定の状態に応じて解決手法を決定して、決定された解決手法を使用して印刷設定の補正を行う。そして、印刷装置1では、ステップS135へ移行する。
【0190】
ステップS134において、印刷装置1では、制御部117は、所定の解決手法を決定して、決定された解決手法を使用して印刷設定の補正を行う。そして、印刷装置1では、ステップS135へ移行する。
ここで、当該所定の解決手法は、例えば、印刷装置1において、あらかじめ設定されている。
【0191】
ステップS135において、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の補正結果がユーザーによって合意されたか否かを判定する。ここで、制御部117は、例えば、印刷設定の補正結果を画面に表示し、ユーザーによる操作に基づいて、ユーザーによって補正結果が合意されたか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の補正結果がユーザーによって合意されたと判定した場合、ステップS135のYESとなり、本フローの処理を終了する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の補正結果がユーザーによって合意されなかったと判定した場合、ステップS135のNOとなり、ステップS136へ移行する。
【0192】
ステップS136において、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによって選択された解決手法を決定する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
ここで、制御部117は、例えば、ユーザーによる操作に基づいて、ユーザーによって選択された解決手法を特定する。
【0193】
図21を参照して、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の例として、印刷設定の禁則関係に関するエラー表示を行う処理、印刷設定の禁則関係を解決する解決手法の決定を行う処理、および、決定された解決手法で印刷設定の禁則関係を解決する処理の例を示す。
【0194】
図21は、実施形態に係る印刷装置1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ここで、
図21に示されるフローは、例えば、
図14に示されるステップS3、ステップS4、ステップS5の処理の部分の具体例として用いられてもよい。
説明の便宜上、本フローにおける処理の手順をステップS211~ステップS219と呼んで説明する。
【0195】
ステップS211において、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係に関して、エラー表示を行うか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係に関して、エラー表示を行うことを判定した場合、ステップS211のYESとなり、ステップS212へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定の禁則関係に関して、エラー表示を行わないことを判定した場合、ステップS211のNOとなり、ステップS219へ移行する。
【0196】
ステップS212において、印刷装置1では、制御部117は、エラー表示を行う。そして、印刷装置1では、ステップS213へ移行する。
【0197】
ステップS213において、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによってエラーマークが選択されたか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによってエラーマークが選択されたと判定した場合、ステップS213のYESとなり、ステップS214へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによってエラーマークが選択されていないと判定した場合、ステップS213のNOとなり、本フローの処理を終了する。
ここで、エラーマークとしては、例えば、個別エラーマークと一括エラーマークとのうちの一方または両方が用いられてもよい。
【0198】
ステップS214において、印刷装置1では、制御部117は、案内メッセージにより案内を表示するか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、案内メッセージにより案内を表示することを判定した場合、ステップS214のYESとなり、ステップS215へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、案内メッセージにより案内を表示しないことを判定した場合、ステップS214のNOとなり、ステップS218へ移行する。
【0199】
ステップS215において、印刷装置1では、制御部117は、案内メッセージにより案内を表示する。そして、印刷装置1では、ステップS216へ移行する。
【0200】
ステップS216において、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによって解決手法が選択されたか否かを判定する。
この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによって解決手法が選択されたことを判定した場合、ステップS216のYESとなり、ステップS217へ移行する。
一方、この判定の結果、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーによって解決手法が選択されなかったことを判定した場合、ステップS216のNOとなり、本フローの処理を終了する。
【0201】
ステップS217において、印刷装置1では、制御部117は、選択された解決手法で、禁則関係を解決する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0202】
ステップS218において、印刷装置1では、制御部117は、案内を行わずに、自動的に、禁則関係を解決する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0203】
ステップS219において、印刷装置1では、制御部117は、エラー表示を行わずに、自動的に、禁則関係を解決する。そして、印刷装置1では、本フローの処理を終了する。
【0204】
本実施形態に係る印刷装置1では、以上の具体例の態様ばかりでなく、他の様々な態様で実施されてもよい。
ここで、本実施形態に係る印刷装置1の構成例を示す。
【0205】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、1以上であるn個の禁則関係にある印刷設定について印刷設定の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある印刷設定について印刷設定の表示の近傍に個別エラー表示を行わない。ここで、例えば、印刷装置1では、計n+m個の禁則関係が発生している。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することができない場合を低減することができる。このように、印刷装置1では、複数の設定不整合が同時に発生した際に、容易にすべての設定不整合を解決することを可能とすることができる。
【0206】
つまり、印刷装置1において、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、すべての用紙ミスマッチを同時にユーザーに通知すると、ユーザーにとって、現在発生している用紙ミスマッチを正しく把握することが難しくなる場合があり、ユーザーからの問い合わせ等が増加する可能性が考えられる。
そこで、本実施形態では、印刷装置1において、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、一部の用紙ミスマッチをユーザーに通知することで、ユーザーにとって、現在発生している用紙ミスマッチを正しく把握することを容易化することができる。これにより、印刷装置1では、ユーザーがスムーズに印刷設定に関する禁則関係を解決する設定変更を行うことを容易化することができ、ユーザービリティを向上させることができる。
【0207】
例えば、印刷装置1では、多数の印刷設定のうちで異なる印刷設定どうしの禁則関係が複数発生した際に、1つの印刷設定のみについて、禁則関係の発生を表す個別エラー表示によりユーザーに通知してもよい。
また、例えば、印刷装置1では、多数の印刷設定のうちで異なる印刷設定どうしの禁則関係が複数発生した際に、「用紙設定」と他の1つの印刷設定について、禁則関係の発生を表す個別エラー表示によりユーザーに通知してもよい。
【0208】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、m個の禁則関係にある印刷設定について、印刷設定の表示から離れた位置に禁則がある旨の一括エラー表示を行う。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、一部の用紙ミスマッチについて個別エラー表示が行われない場合においても、当該一部の用紙ミスマッチの発生を一括エラー表示によりユーザーに通知することができる。
【0209】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、複数の印刷設定の表示を含む画面表示部を、タブを用いて切り替え可能に、表示する。また、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、タブの近傍に一括エラー表示を行う。
したがって、印刷装置1では、ユーザーにとって把握し易い位置に、一括エラー表示を行うことができる。
【0210】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、表示中の第1画面表示部に含まれる印刷設定について第1閾値よりも多い印刷設定に禁則関係がある場合、第1画面表示部の第1タブの近傍に一括エラー表示を行う。
また、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、表示中の第1画面表示部に含まれる印刷設定について第1閾値よりも少ない印刷設定に禁則関係がある場合、第1画面表示部の第1タブの近傍に一括エラー表示を行わず、現在表示していない第2画面表示部に含まれる印刷設定に禁則関係がある場合、禁則関係にある印刷設定の数によらずに、第2画面表示部の第2タブの近傍に一括エラー表示を行う。
ここで、第1閾値は、例えば、1であってもよく、あるいは、2以上であってもよい。
なお、印刷装置1では、表示中の第1画面表示部に含まれる印刷設定について第1閾値と同数の印刷設定に禁則関係がある場合については、第1閾値よりも多い印刷設定に禁則関係がある場合と同様な処理が行われてもよく、あるいは、第1閾値よりも少ない印刷設定に禁則関係がある場合と同様な処理が行われてもよい。
したがって、印刷装置1では、2以上のタブに対応する画面表示部がある場合に、ユーザーにとって把握し易い態様で、一括エラー表示を行うことができる。
【0211】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、表示部112により、最少の印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる印刷設定の表示の近傍に個別エラー表示を行い、非最少の印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる印刷設定の近傍に個別エラー表示を行わない。
ここで、最少の印刷設定の変更の数としては、例えば、1であってもよく、あるいは、2以上であってもよい。
また、最少の印刷設定の変更で禁則関係を解決することができる印刷設定としては、例えば、用紙設定が用いられてもよく、あるいは、他の印刷設定が用いられてもよい。
したがって、印刷装置1では、ユーザーにとって、最短の操作で用紙ミスマッチを解決することを可能とすることができる。
【0212】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、受付部111によって受け付けた指示に基づいて、印刷設定A、印刷設定Bおよび印刷設定Cを含む印刷設定を設定し、印刷設定の設定にしたがって印刷の制御を行う。この場合に、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Cに応じた解決手法で禁則関係を解決する。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。このように、印刷装置1では、複数の設定不整合が同時に発生した際に、容易にすべての設定不整合を解決することを可能とすることができる。
【0213】
つまり、印刷装置1において、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷装置Aおよび印刷設定Bの少なくとも一方と印刷設定Cとの禁則関係に基づいて解決手法を決定することで、ユーザーにとって手間が掛からない解決手法を決定することが可能である。これにより、印刷装置1では、スムーズに印刷設定に関する禁則関係を解決する設定変更を行うことを容易化することができる。
【0214】
一構成例として、印刷装置1では、印刷設定Cは、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がある印刷設定である。
したがって、印刷装置1では、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がある印刷設定Cに基づいて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
他の構成例として、印刷装置1では、印刷設定Cは、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がない印刷設定である。
したがって、印刷装置1では、ユーザーがUI以外のメカ機構を操作することを伴う必要がない印刷設定Cに基づいて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0215】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Aが印刷設定Cと禁則関係にない場合、印刷設定Bを変更することで禁則関係を解消する。
また、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bおよび印刷設定Cの両方と禁則関係にある場合、印刷設定Aを変更することで禁則関係を解消する。
したがって、印刷装置1では、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷装置Aと印刷設定Cとの禁則関係に基づいて解決手法を決定することで、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0216】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Bを変更しても印刷設定Cと禁則関係に陥らない場合、印刷設定Bを変更することで禁則関係を解消する。
また、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にあり、印刷設定Bを変更すると印刷設定Cと禁則関係に陥る場合、印刷設定Aを変更することで禁則関係を解消する。
したがって、印刷装置1では、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Bが変更されると印刷設定Cと禁則関係に陥るか否かに基づいて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0217】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Cに応じて印刷設定Aと印刷設定Bとの一方の表示の近傍に禁則である旨の個別エラー表示を行い、他方の表示の近傍には個別エラー表示を行わない。
したがって、印刷装置1では、印刷設定Aが印刷設定Bと禁則関係にある場合、印刷設定Cに基づいて、印刷設定Aと印刷設定Bとの一方のみについて個別エラー表示を行うことで、ユーザーにとって手間が掛からない解決手法を決定することを容易化することが可能である。
【0218】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、ユーザーの指示に応じて印刷設定の変更を行うことで禁則関係を解決する。
したがって、印刷装置1では、ユーザーの指示に応じて印刷設定の変更を行ってもよく、これにより、禁則関係を解決することができる。
【0219】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、1以上であるp個の印刷設定の変更で禁則関係を解決する第1禁則解決手法と、p個よりも多いq個の印刷設定の変更で禁則関係を解決する第2禁則解決方法と、があるときに、第1禁則解決手法で禁則関係を解決する。つまり、制御部117は、禁則関係を解決するために、印刷設定の変更が少ない方の手法を選択して用いる。
したがって、印刷装置1では、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。好ましくは、印刷装置1では、最短の操作で用紙ミスマッチを解決することを可能とすることができる。
【0220】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態に応じて異なる解決手法で印刷設定の禁則関係を解決する。ここで、印刷装置1における状態としては、例えば、2以上の異なる状態の組み合わせが用いられてもよい。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。このように、印刷装置1では、複数の設定不整合が同時に発生した際に、容易にすべての設定不整合を解決することを可能とすることができる。
【0221】
つまり、印刷装置1において、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、印刷装置1における状態に合わせた解決手法を決定することができる。これにより、印刷装置1では、スムーズに印刷設定に関する禁則関係を解決する設定変更を行うことを容易化することができる。
【0222】
例えば、印刷装置1では、給紙に使用されるトレイに収容されている用紙の量の状態が用いられる場合、当該用紙の量が多いときには1枚の用紙に複数枚の原稿を割り付ける優先順位を低くし、逆に、当該用紙の量が少ないときには1枚の用紙に複数枚の原稿を割り付ける優先順位を高くすることが可能である。このように、印刷装置1では、現在における所定の状態に合わせた優先順位に基づく解決手法を決定することが可能である。
【0223】
なお、印刷装置1における状態としては、例えば、印刷装置1において切り替えられることが可能な所定の複数のモードの設定状態を除いた他の状態が用いられてもよい。当該所定の複数のモードは、例えば、操作に慣れたユーザー向けのプロフェッショナルモードと、初心者向けの初心者モードであってもよい。
ただし、印刷装置1における状態として、印刷装置1において切り替えられることが可能な所定の複数のモードの設定状態が用いられてもよく、例えば、当該所定の複数のモードの設定状態と、他の状態との組み合わせが用いられてもよい。
【0224】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、次のような第1解決処理~第5解決処理のいずれか1つの処理から、印刷装置1における状態に応じて、別のいずれか1つの処理に切り替える。
第1解決処理は、後から受け付けた指示と組み合わせることが禁止された先の指示を取り消す解決手法の処理であり、いわゆる後勝ちの解決手法の処理である。
第2解決処理は、先に受け付けた指示と組み合わせることが禁止された後の指示を受け付けない解決手法の処理であり、いわゆる先勝ちの解決手法の処理である。
第3解決処理の処理は、受け付けた指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示がすでに受け付けられている場合に当該指示を取り消し、受け付けた指示よりも後に当該指示と組み合わせることが禁止されかつ優先順位が低い指示の受け付けを禁止する解決手法の処理であり、規定された優先順位に基づく解決手法の処理である。
第4解決処理の処理は、禁止された指示の組み合わせを解除する指示の組み合わせについて複数の候補を提示してユーザーにより当該候補を選択させる解決手法の処理であり、ユーザー判断に基づく解決手法の処理である。
第5解決処理の処理は、禁則関係にある印刷設定を識別可能に表示する解決手法の処理であり、例えば、その後に、ユーザーの指示を受け付けてもよい。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、印刷装置1における状態に応じて、複数の解決処理から適した解決処理に切り替えることで、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0225】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態として、印刷装置1が使用するインクまたは印刷媒体の少なくとも一方に関する状態を用いる。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、インクに関する状態または印刷媒体に関する状態の少なくとも一方に応じて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0226】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態として、印刷装置1が備える電池の残量に関する状態を用いる。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、電池の残量に関する状態に応じて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0227】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態として、ユーザーの指示について、同じ指示が繰り返された回数に関する状態を用いる。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、ユーザーにより同じ指示が繰り返された回数に関する状態に応じて、ユーザーの意思にしたがって複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0228】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態として、印刷装置1の使用に関する契約条件に関する状態を用いる。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、印刷装置1の使用に関する契約条件に関する状態に応じて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0229】
一構成例として、印刷装置1では、制御部117は、印刷装置1における状態として、印刷装置1が有する機械式切替機構であって自動的な切り替えができない機構の状態を用いる。
したがって、印刷装置1では、複数の用紙ミスマッチが同時に発生した際に、自動的な切り替えができない機械式切替機構の状態に応じて、ユーザーの手間を掛けずに複数の用紙ミスマッチを同時に解決することを可能とすることができる。
【0230】
本実施形態の変形例を示す。
図22を参照して、実施形態の変形例に係る印刷システム901について説明する。
図2の例では、印刷装置1における制御部117が各種の制御を行う構成例を示したが、実施形態の変形例として、印刷装置と制御装置とが別々の装置として構成される場合を示す。
【0231】
図22は、実施形態の変形例に係る印刷システム901の概略的な構成を示す図である。
印刷システム901は、第2印刷装置911と、制御装置の一例であるコンピューター912と、回線913と、を備える。
第2印刷装置911とコンピューター912とは、回線913を介して、通信可能に接続されている。
ここで、回線913は、例えば、有線の回線であってもよく、あるいは、無線の回線であってもよい。
【0232】
第2印刷装置911は、第2受付部1111と、第2表示部1112と、第2印刷部1113と、第2スキャナー部1114と、第2検出部1115と、第2通信部1116と、第2制御部1117と、を備える。
第2検出部1115は、第2用紙量検出部1131と、第2用紙サイズ検出部1132と、第2用紙種類検出部1133と、第2インク量検出部1134と、第2機構状態検出部1135と、第2電源検出部1136と、を備える。
第2制御部1117は、第2CPU1151と、第2ROM1152と、第2RAM1153と、を備える。
【0233】
コンピューター912は、第3受付部1211と、第3表示部1212と、第3通信部1213と、第3制御部1214と、を備える。
第3制御部1214は、第3CPU1251と、第3ROM1252と、第3RAM1253と、を備える。
【0234】
ここで、印刷システム901では、コンピューター912が第2印刷装置911を制御することで、例えば、
図1に示される印刷装置1において行われる動作と同様な動作を行う。
つまり、印刷システム901では、コンピューター912と第2印刷装置911とが協働して、各種の動作を行う。
【0235】
コンピューター912の機能ブロックについて説明する。
第3受付部1211は、ユーザーによって操作される操作部を有しており、ユーザーによって当該操作部に対して行われる操作の内容を受け付ける。第3受付部1211は、例えば、キーボード、あるいは、マウスなどであってもよい。
第3表示部1212は、画面を有しており、当該画面に各種の情報を表示する。
【0236】
第3通信部1213は、外部の装置と通信を行う。
通信は、例えば、有線の通信であってもよく、あるいは、無線の通信であってもよい。
図22の例では、第3通信部1213は、第2印刷装置911と通信を行う。
なお、第3通信部1213は、通信回路、通信ポート、あるいは、通信インターフェイスなどと呼ばれてもよい。
【0237】
第3制御部1214は、各種の制御を行う。
第3ROM1252および第3RAM1253は、各種の情報を記憶する。当該情報は、例えば、プログラム、および、当該プログラムによって使用されるパラメーターを含んでもよい。
なお、第3ROM1252と第3RAM1253は、任意に使い分けられてもよい。
第3CPU1251は、第3RAM1253の記憶領域を使用して、プログラムを実行することで、各種の制御を行う。
図22の例では、第3制御部1214は、第2印刷装置911との間で通信を行って、第2印刷装置911との間で各種の情報を通信し、第2印刷装置911に対して各種の制御を行う。
【0238】
第2印刷装置911の機能ブロックについて説明する。
第2印刷装置911の機能ブロックは、コンピューター912によって第2印刷装置911が制御される点を除いて、
図1に示される印刷装置1の機能ブロックと同様である。
図22の例では、第2通信部1116は、コンピューター912と通信を行う。
図22の例では、第2制御部1117は、コンピューター912との間で通信を行って、コンピューター912との間で各種の情報を通信し、コンピューター912によって制御されて、各種の制御を行う。
【0239】
本実施形態に係るプログラムについて説明する。
一構成例として、複数の設定項目についてユーザーの指示を受け付けて制御対象の制御をコンピューターに実行させるプログラムであって、ユーザーの指示を受け付ける受付機能と、受付機能によって受け付けた指示に基づいて設定項目を設定し、設定項目の設定にしたがって制御対象の制御を行う制御機能と、1以上であるn個の禁則関係にある設定項目について設定項目の表示の近傍に個別エラー表示を行い、1以上であるm個の禁則関係にある設定項目について設定項目の表示の近傍に個別エラー表示を行わない表示機能と、をコンピューターに実現させるためのプログラムである。
また、さらなる構成例として、本実施形態に示される様々な態様が用いられてもよい。
【0240】
一構成例として、複数の設定項目についてユーザーの指示を受け付けて制御対象の制御をコンピューターに実行させるプログラムであって、ユーザーの指示を受け付ける受付機能と、受付機能によって受け付けた指示に基づいて、設定項目A、設定項目Bおよび設定項目Cを含む設定項目を設定し、設定項目の設定にしたがって制御対象の制御を行う制御機能と、設定項目Aが設定項目Bと禁則関係にある場合、設定項目Cに応じた解決手法で禁則関係を解決する解決機能と、をコンピューターに実現させるためのプログラムである。
また、さらなる構成例として、本実施形態に示される様々な態様が用いられてもよい。
【0241】
一構成例として、複数の設定項目についてユーザーの指示を受け付けて制御対象の制御をコンピューターに実行させるプログラムであって、ユーザーの指示を受け付ける受付機能と、受付機能によって受け付けた指示に基づいて設定項目を設定し、設定項目の設定にしたがって制御対象の制御を行う制御機能と、制御対象を有する装置における状態に応じて異なる解決手法で設定項目の禁則関係を解決する解決機能と、をコンピューターに実現させるためのプログラムである。
また、さらなる構成例として、本実施形態に示される様々な態様が用いられてもよい。
【0242】
ここで、本実施形態では、以上に示されるそれぞれのプログラムにおいて、制御対象は、例えば、本実施形態に係る印刷装置1における印刷の処理または機構、あるいは、変形例に係る第2印刷装置911における印刷の処理または機構である。また、本実施形態では、当該プログラムにおいて、設定項目は、印刷に関する設定項目である。
また、本実施形態では、以上に示されるそれぞれのプログラムは、例えば、本実施形態に係る印刷装置1におけるファームウェアのプログラム、変形例に係る第2印刷装置911におけるファームウェアのプログラム、本実施形態に係る印刷装置1に備えられる制御パネルなどのUIに関するプログラム、変形例に係る第2印刷装置911に備えられる制御パネルなどのUIに関するプログラム、または、変形例に係る第2印刷装置911を制御するコンピューター912におけるアプリケーションのプログラムなどとして用いられてもよい。コンピューター912におけるアプリケーションのプログラムとしては、例えば、変形例に係る第2印刷装置911を制御するドライバーのプログラムであってもよく、コンピューター912にインストールされてもよい。
他の構成例として、制御対象は、印刷装置以外のスキャナーなどの装置に関する制御対象であってよく、設定項目は当該スキャナーなどの装置における任意の設定項目であってもよい。また、装置あるいはプログラムは、例えば、1個の筐体に収められた構成であってもよく、あるいは、2個または3個以上の筐体に収められた機能部が協働することで実現される構成であってもよい。
【0243】
なお、以上に説明した印刷装置1、第2印刷装置911、コンピューター912などの任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAMであってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0244】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0245】
また、以上に説明した印刷装置1、第2印刷装置911、コンピューター912などの任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0246】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASICによるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0247】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0248】
1…印刷装置、31…ディスプレイ、51~54…トレイ、111…受付部、112…表示部、113…印刷部、114…スキャナー部、115…検出部、116…通信部、117…制御部、131…用紙量検出部、132…用紙サイズ検出部、133…用紙種類検出部、134…インク量検出部、135…機構状態検出部、136…電源検出部、151…CPU、152…ROM、153…RAM、201…基本画面表示、211…設定画面表示部、212…部数設定部、213…リセットボタン、214…実行ボタン、231…第1タブ設定画面表示部、232…第2タブ設定画面表示部、251…第1タブ、252…第2タブ、271…自動ボタン、272…カラーボタン、273…モノクロボタン、274…濃度ボタン、281…第1印刷設定表示枠、282…第2印刷設定表示枠、283…第3印刷設定表示枠、284…第4印刷設定表示枠、285…第5印刷設定表示枠、286…第6印刷設定表示枠、291…数値ボタン、301…第1画面表示、311…第2画面表示、321…第3画面表示、331…第4画面表示、341…第5画面表示、351…第6画面表示、361…第7画面表示、411…第1個別エラーマーク、412…第1個別エラー説明情報、421…第2-1エラーマーク、422…第2-2エラーマーク、423…第2個別エラー説明情報、431…第3個別エラーマーク、432…第3個別エラー説明情報、441…第4個別エラーマーク、442…第1一括エラーマーク、443…第4個別エラー説明情報、444…第1一括エラー説明情報、451…第2一括エラーマーク、452…第2一括エラー説明情報、461…第3一括エラーマーク、462…第3一括エラー説明情報、471…第4-1一括エラーマーク、472…第4-2一括エラー説明情報、473…第4一括エラー説明情報、501…第8画面表示、502…第9画面表示、581…印刷設定A表示枠、582…印刷設定B表示枠、583…印刷設定C表示枠、584…印刷設定D表示枠、585…印刷設定E表示枠、586…印刷設定F表示枠、611…第5個別エラーマーク、612…第5個別エラー説明情報、621…第6個別エラーマーク、622…第6個別エラー説明情報、701…第10画面表示、721…案内メッセージ枠、722…第7個別エラー説明情報、911…第2印刷装置、912…コンピューター、913…回線、1111…第2受付部、1112…第2表示部、1113…第2印刷部、1114…第2スキャナー部、1115…第2検出部、1116…第2通信部、1117…第2制御部、1131…第2用紙量検出部、1132…第2用紙サイズ検出部、1133…第2用紙種類検出部、1134…第2インク量検出部、1135…第2機構状態検出部、1136…第2電源検出部、1151…第2CPU、1152…第2ROM、1153…第2RAM、1211…第3受付部、1212…第3表示部、1213…第3通信部、1214…第3制御部、1251…第3CPU、1252…第3ROM、1253…第3RAM、2281…第7印刷設定表示枠、2282…第8印刷設定表示枠、2283…第9印刷設定表示枠、2284…第10印刷設定表示枠、2285…第11印刷設定表示枠、2286…第12印刷設定表示枠