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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/325 20200101AFI20240509BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 45/34 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 45/38 20200101ALI20240509BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
H05B45/325
H05B45/10
H05B45/345
H05B47/105
H05B47/20
H05B45/34
H05B45/375
H05B45/38
H05B47/17
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020115173
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2021111609
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2020002793
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄也
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216194(JP,A)
【文献】特開2016-096101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/325
H05B 45/10
H05B 45/345
H05B 47/105
H05B 47/20
H05B 45/34
H05B 45/375
H05B 45/38
H05B 47/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出値に応じて、前記出力電力が予め定められた目標値と一致するように前記スイッチング素子のオン幅を制御し、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記検出値に関わらず前記オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記オン幅を前記固定値に固定した状態で前記点灯回路の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、前記出力電力が前記目標値と一致するように前記オン幅を制御することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記目標値は、外部から前記制御部に入力される調光指令値で決まり、
前記制御部は、前記オン幅を前記固定値に固定した状態で前記調光指令値が変更されると、再び前記出力電力が前記目標値と一致するように前記オン幅を制御することを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出値に応じて、前記出力電力が予め定められた目標値と一致するように前記スイッチング素子のオン幅を制御し、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記検出値に関わらず前記オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記点灯回路の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、前記出力電力と前記目標値とが一致し、かつ、前記電圧異常が解消された後に、前記オン幅を前記固定値に固定することを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出値に応じて、前記出力電力が予め定められた目標値と一致するように前記スイッチング素子のオン幅を制御し、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記検出値に関わらず前記オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記オン幅を前記固定値に固定した状態で前記光源に供給する電力の異常を検出すると、前記出力電力が前記目標値と一致するように前記オン幅を制御することを特徴とする点灯装置。
【請求項5】
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出値に応じて、前記出力電力が予め定められた目標値と一致するように前記スイッチング素子のオン幅を制御し、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記検出値に関わらず前記オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記光源に供給する電力の異常を検出すると、前記出力電力と前記目標値とが一致し、かつ、前記電力の異常が解消された後に、前記オン幅を前記固定値に固定することを特徴とする点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記目標値が予め定められた規定値よりも小さい場合に、前記オン幅を前記固定値に固定することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、
前記点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、
前記検出回路の検出値に応じて、前記出力電力が予め定められた目標値と一致するように、補正値を用いて前記スイッチング素子のオン幅を補正する制御部と、
を備え、
前記補正値は、前記出力電力と前記目標値との差分に係数を乗じた値を含み、
前記制御部は、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記出力電力と前記目標値とが一致する前よりも前記係数を小さくすることを特徴とする点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記出力電力と前記目標値とが一致すると、前記係数をゼロに設定することで、前記検出値に関わらず前記オン幅を直前の値である固定値に固定することを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項9】
請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンバータ回路と、抵抗と、駆動回路と、制御回路とを備える点灯装置が開示されている。コンバータ回路は、制御端子を有するスイッチング素子を含む。抵抗は、一端が制御端子に接続する。駆動回路は、抵抗の他端に駆動信号を供給する。制御回路は、駆動回路にコンバータ回路の出力を制御するためのパルス信号を供給する。制御回路は、予め定めたダミーオン幅をスイッチング素子の目標オン幅に加算することで、パルス信号のオン幅を決定する。これにより、駆動回路が確実に駆動信号を生成できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6292018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1では、LED電流を検出する検出抵抗からの検出電圧に基づいて、LEDモジュールに流れる電流が一定電流になるようにコンバータ回路のスイッチング素子を制御している。このとき、スイッチング素子のオンオフ時に発生するノイズが、パターン間の浮遊容量を通して検出電圧に重畳する可能性がある。このため、スイッチング素子のオンオフにばらつきが生じるおそれがある。従って、LED電流にばらつきが生じ、特に低調光時において光源のちらつきが発生する可能性がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、光源のちらつきを抑制できる点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、該点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、該検出回路の検出値に応じて、該出力電力が予め定められた目標値と一致するように該スイッチング素子のオン幅を制御し、該出力電力と該目標値とが一致すると、該検出値に関わらず該オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、を備え、該制御部は、該オン幅を該固定値に固定した状態で該点灯回路の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、該出力電力が該目標値と一致するように該オン幅を制御する。
第2の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、該点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、該検出回路の検出値に応じて、該出力電力が予め定められた目標値と一致するように該スイッチング素子のオン幅を制御し、該出力電力と該目標値とが一致すると、該検出値に関わらず該オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、を備え、該制御部は、該点灯回路の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、該出力電力と該目標値とが一致し、かつ、該電圧異常が解消された後に、該オン幅を該固定値に固定する。
第3の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、該点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、該検出回路の検出値に応じて、該出力電力が予め定められた目標値と一致するように該スイッチング素子のオン幅を制御し、該出力電力と該目標値とが一致すると、該検出値に関わらず該オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、を備え、該制御部は、該オン幅を該固定値に固定した状態で該光源に供給する電力の異常を検出すると、該出力電力が該目標値と一致するように該オン幅を制御する。
第4の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、該点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、該検出回路の検出値に応じて、該出力電力が予め定められた目標値と一致するように該スイッチング素子のオン幅を制御し、該出力電力と該目標値とが一致すると、該検出値に関わらず該オン幅を直前の値である固定値に固定する制御部と、を備え、該制御部は、該光源に供給する電力の異常を検出すると、該出力電力と該目標値とが一致し、かつ、該電力の異常が解消された後に、該オン幅を該固定値に固定する。
の開示に係る点灯装置は、スイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路と、該点灯回路の出力電力を検出する検出回路と、該検出回路の検出値に応じて、該出力電力が予め定められた目標値と一致するように、補正値を用いて該スイッチング素子のオン幅を補正する制御部と、を備え、該補正値は、該出力電力と該目標値との差分に係数を乗じた値を含み、該制御部は、該出力電力と該目標値とが一致すると、該出力電力と該目標値とが一致する前よりも該係数を小さくする。
【発明の効果】
【0007】
第1の開示に係る点灯装置では、点灯回路の出力電力と目標値とが一致すると、スイッチング素子のオン幅を固定する。このため、光源のちらつきを抑制できる。
第2の開示に係る点灯装置では、出力電力が目標値と一致するように、補正値を用いてスイッチング素子のオン幅が補正される。補正値は、出力電力と目標値との差分に係数を乗じた値を含む。出力電力と目標値とが一致すると、出力電力と目標値とが一致する前よりも係数は小さく設定される。このため、光源のちらつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具の動作を説明するフローチャートである。
図3】実施の形態1で調光指令値に変更があった場合の照明器具の動作を説明するフローチャートである。
図4】実施の形態2に係る照明器具の動作を説明するフローチャートである。
図5】実施の形態3に係る照明器具の動作を説明するフローチャートである。
図6】実施の形態4でフィードバック制御が無効な状態での照明器具の動作を説明するフローチャートである。
図7】実施の形態4でフィードバック制御が有効な状態での照明器具の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の回路ブロック図である。照明器具100は、LEDモジュール31および点灯装置1を備える。
【0011】
点灯装置1の入力側には、外部電源22が接続されている。外部電源22は、例えば商用電源等の交流電源である。点灯装置1は、外部電源22から電力を供給され、LEDモジュール31を点灯させる。
【0012】
点灯装置1の出力側には、LEDモジュール31が接続される。LEDモジュール31は複数の光源30を有する。光源30は、例えばLED等の発光素子である。LEDモジュール31において、複数の光源30は直列に接続されている。これに限らず、複数の光源30は、並列または直並列に接続されても良い。また、LEDモジュール31は光源30を1つ以上有すれば良い。
【0013】
また、点灯装置1に調光ユニット41を接続することで、LEDモジュール31の調光制御を行うことができる。
【0014】
点灯装置1は、整流回路6、昇圧回路2、点灯回路3および制御装置5を備える。整流回路6は、外部電源22の交流電力を整流する。整流回路6の出力と並列にコンデンサ7が接続される。また、整流回路6の出力と並列に抵抗8、9の直列回路が接続される。抵抗8、9の接続点は、制御装置5に接続される。
【0015】
制御装置5は、例えばマイコンである。制御装置5は昇圧回路2および点灯回路3を制御する。抵抗8、9は、昇圧回路2への入力電圧を分圧する分圧回路を形成する。昇圧回路2への入力電圧は、抵抗8、9で分圧され、制御装置5に入力される。これにより、制御装置5は昇圧回路2への入力電圧を検出する。
【0016】
昇圧回路2は、PFC(Power Factor Correction)回路である。昇圧回路2は力率改善回路とも呼ばれる。昇圧回路2は整流回路6の出力に接続される。昇圧回路2は、整流回路6で整流された脈流電圧を昇圧し、コンデンサ15に予め定められた直流高電圧を充電する。コンデンサ15は例えば電解コンデンサである。昇圧回路2は、例えば昇圧チョッパ回路である。昇圧回路2は、スイッチング素子12のオンオフによりコンデンサ15の両端に電圧を発生させるスイッチング電源回路である。
【0017】
昇圧回路2はインダクタ10を備える。インダクタ10の一端は、整流回路6の出力の高電位側と接続される。インダクタ10の他端には、スイッチング素子12の第1端子およびダイオード11のアノードが接続される。
【0018】
スイッチング素子12は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子12は第1端子、第2端子および第1端子第2端子間をスイッチングするための制御端子を有する。スイッチング素子12がMOSFETの場合、第1端子はドレイン端子、第2端子はソース端子、制御端子はゲート端子である。
【0019】
スイッチング素子12の第2端子は、抵抗16の一端に接続される。抵抗16の他端はコンデンサ15の負極に接続される。スイッチング素子12の制御端子は駆動回路24に接続される。ダイオード11のカソードは、コンデンサ15の正極に接続される。コンデンサ15の負極は、整流回路6の出力の低電位側に接続される。コンデンサ15と並列に、抵抗13、14の直列回路が接続される。抵抗13、14の接続点は、制御装置5に接続される。
【0020】
昇圧回路2の出力電圧は、コンデンサ15に充電される。抵抗13、14は、昇圧回路2の出力電圧を分圧する分圧回路を形成する。コンデンサ15の両端電圧は、抵抗13、14で分圧され、抵抗14からの検出電圧として制御装置5に入力される。制御装置5は記憶装置を有する。記憶装置には予め定められた電圧目標値が記憶されている。制御装置5は、検出電圧と電圧目標値とが一致するように、スイッチング素子12をオンオフするスイッチング信号を出力する。スイッチング信号は例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号である。これにより、昇圧回路2の出力電圧は定電圧制御される。
【0021】
ここで、一般にマイコンの出力電圧はMOSFETの駆動電圧よりも小さい。このため、制御装置5からのスイッチング信号は駆動回路24に入力される。駆動回路24はスイッチング信号に応じて、スイッチング素子12をオンオフする。これにより、安定なスイッチングを実現できる。
【0022】
抵抗16には、スイッチング素子12を流れる電流に対応する電圧が印加される。抵抗16に印加される電圧は、制御装置5で検出される。これにより、制御装置5はスイッチング素子12を流れる電流を検出する。
【0023】
制御電源回路4は、駆動回路24と制御装置5の駆動に必要な電源電圧を供給する回路である。制御電源回路4は、コンデンサ15の後段に並列接続される。つまり、制御電源回路4は昇圧回路2の出力に接続される。制御電源回路4は外部電源22が投入されると、整流回路6によって整流された電圧により起動する。その後、昇圧回路2が駆動すると昇圧回路2の出力電圧を電源電圧として駆動する。
【0024】
コンデンサ15には点灯回路3が接続される。点灯回路3は、コンデンサ15から電力を供給される。点灯回路3は、スイッチング素子17を有し、スイッチング素子17のオンオフにより光源30を点灯させる。点灯回路3は、例えばバックコンバータ回路等の降圧回路である。
【0025】
点灯回路3において、スイッチング素子17とダイオード18からなる直列回路がコンデンサ15と並列に接続されている。スイッチング素子17は、例えばMOSFETである。コンデンサ15の正極には、スイッチング素子17の第1端子が接続される。スイッチング素子17の第2端子には、ダイオード18のカソードおよびインダクタ19の一端が接続される。スイッチング素子17の制御端子は、駆動回路24に接続される。
【0026】
ダイオード18のアノードには、コンデンサ15の負極および検出抵抗25の一端が接続される。インダクタ19の他端には、コンデンサ23の正極が接続される。コンデンサ23の負極には検出抵抗25の他端が接続される。インダクタ19、コンデンサ23および検出抵抗25がこの順に接続して直列回路を形成する。この直列回路はダイオード18に並列に接続している。また、検出抵抗25の他端は制御装置5に接続される。
【0027】
LEDモジュール31は、コンデンサ23と並列に接続される。点灯回路3の出力電圧は、コンデンサ23で平滑され、LEDモジュール31に供給される。
【0028】
検出抵抗25は、LEDモジュール31に流れるLED電流の検出に用いられる。検出抵抗25は、点灯回路3の出力電力を検出する検出回路である。検出抵抗25に印加される電圧は、LEDモジュール31を流れる電流に対応する。LEDに流れる電流は、検出抵抗25にて電圧に変換され、制御装置5に入力される。制御装置5は、検出抵抗25に印加される電圧を検出値として検出する。
【0029】
制御装置5の記憶装置には予め定められた電流目標値が記憶されている。制御装置5は、検出抵抗25の検出値が電流目標値と一致するように、スイッチング素子17をオンオフするスイッチング信号を出力する。このスイッチング信号は例えばPWM信号である。つまり、制御装置5はフィードバック制御を行っている。フィードバック制御において、制御装置5は検出抵抗25の検出値に応じて、点灯回路3の出力電力が予め定められた目標値と一致するようにスイッチング素子17のオン幅を制御する。ここで、オン幅は、スイッチング素子17がオンしてから次にオフするまでの時間である。
【0030】
制御装置5は駆動回路24を介して、スイッチング素子17をオンオフする。これにより、光源30は定電流制御で点灯する。制御装置5から出力されたPWM信号は、駆動回路24によりスイッチング素子12、17をオンさせる為に必要な電圧まで増幅される。
【0031】
また、コンデンサ23と並列に、抵抗20、21の直列回路が接続される。抵抗20、21の接続点は、制御装置5に接続される。抵抗20、21は、点灯回路3の出力電圧を分圧する分圧回路を形成する。点灯回路3の出力電圧は、抵抗20、21で分圧され、制御装置5に入力される。これにより、制御装置5は点灯回路3の出力電圧を検出する。
【0032】
また、制御装置5は調光ユニット41からの調光信号を受信する。制御装置5は調光信号に応じて調光制御を行う。調光信号は例えばPWM信号である。PWM信号のデューティ比は、調光指令値に対応する。調光指令値は例えば目標とする調光率である。制御装置5は、調光ユニット41から入力されたPWM信号のデューティ比を元に、電流目標値を設定する。電流目標値は例えば全光から低調光の範囲で設定される。
【0033】
図2は実施の形態1に係る照明器具100の動作を説明するフローチャートである。図2を用いて、照明器具100の起動時の動作を説明する。まず、スイッチングが開始する(ステップS1)。ここでいうスイッチング開始とは、外部電源22の投入により昇圧回路2および制御電源回路4が起動し、点灯回路3が動作開始するまでを言う。
【0034】
照明器具100の起動後、制御装置5は、検出抵抗25の検出値から点灯回路3の出力電力が目標値と異なるか否かを判定する(ステップS2)。点灯回路3の出力電力が目標値に到達するまでは、フィードバック制御が有効な状態で動作が継続する(ステップS3)。このため、制御装置5はスイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う(ステップS4)。
【0035】
制御装置5は、LED電流が目標値に一致しているか否かを判定する(ステップS5)。制御装置5は、LED電流が目標値に一致するまでフィードバック制御を継続する。制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、フィードバック制御を無効にする(ステップS6)。このとき、制御装置5はスイッチング素子17を制御するスイッチング信号のデューティ比を最終の状態に固定する。つまり、制御装置5は点灯回路3の出力電力と目標値とが一致すると、その後は検出抵抗25の検出値に関わらずスイッチング素子17のオン幅を直前の値である固定値に固定する。
【0036】
図3は、実施の形態1で調光指令値に変更があった場合の照明器具100の動作を説明するフローチャートである。点灯回路3の出力電力の目標値は、外部から制御装置5に入力される調光指令値で決まる。図3を用いて、調光指令値が変更された場合の照明器具100の動作を説明する。
【0037】
図3において、スタート時はフィードバック制御が無効な状態である。つまり、スタート時は、点灯回路3の出力電力が目標値と一致した定常状態である。調光指令値に変更がない場合、制御装置5はフィードバック制御が無効な状態を維持する。制御装置5は、調光指令値の変更を検出すると、フィードバック制御を有効にする(ステップS7、S8)。
【0038】
このため制御装置5は、点灯回路3の出力電力が新たな調光指令値に対応する目標値と一致するように、スイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う(ステップS9)。制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、フィードバック制御を無効にする(ステップS10、S11)。
【0039】
このように制御装置5は、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定した状態で調光指令値が変更されると、再び点灯回路3の出力電力が目標値と一致するようにオン幅を制御する。その後、点灯回路3の出力電力と目標値とが一致すると、再びオン幅を直前の値である固定値に固定する。
【0040】
本実施の形態に係る点灯回路3は、検出抵抗25で検出した電圧と電流目標値を比較し、次のオン幅を決定する。昇圧回路2の出力電圧は一定である。このため、点灯回路3への入力電圧は一定となり、定常状態ではスイッチング素子17のデューティ比は変動する必要はない。このように、定常時の制御装置5は、常に同じデューティ比で動作していることが望ましい。
【0041】
ここで、基板上のパターンの浮遊容量等を通して、検出抵抗での検出値にノイズが重畳することがある。このノイズは、例えばスイッチング素子のオン、オフが切り替わる時に発生するスイッチングノイズである。このため、定常時においても検出抵抗での検出値が変動し、フィードバック制御によりスイッチング素子のデューティ比が変動することがある。よって、バックコンバータ回路への入力電圧が一定である場合にも、バックコンバータ回路のスイッチング動作にばらつきが生じる可能性がある。このとき、LED電流に微小な変動が現れる。従って、LEDの光にちらつきが発生するおそれがある。
【0042】
これに対し、本実施の形態では、起動モードまたは調光モードから定常モードに切り替わると、スイッチング素子17のオン幅が固定される。つまり、定常状態においてフィードバック制御を無効とする。このため、検出抵抗25の検出値がスイッチングノイズ等により変動しても、変動を無視できる。従って、定常状態でのLED電流が安定し、光源30のちらつきを抑制できる。
【0043】
本実施の形態の変形例として、調光ユニット41からの調光信号は、PWM信号に限らず他の信号でも良い。調光信号は、シリアル信号などによるコマンドでも良い。
【0044】
また、本実施の形態では、制御装置5はスイッチング信号を出力してスイッチング素子17のデューティ比を制御する。これに限らず、制御装置5はスイッチング素子17のオン幅またはオフ幅を制御すれば良い。制御装置5が出力するスイッチング信号は、スイッチング素子17のオン幅またはオフ幅を制御可能な信号であれば良い。
【0045】
また、点灯回路3は図1に示されるものに限らず、スイッチング素子17のオン幅またはオフ幅により出力電力が決まる回路であれば良い。点灯回路3は、定電流回路に限らず定電圧回路であっても良い。また、点灯回路3のフィードバック制御に用いられる検出回路は検出抵抗25に限らず、点灯回路3の出力電力を検出できる回路であれば良い。例えば点灯回路3が定電圧制御される場合、検出回路は点灯回路3の出力電圧を検出する。
【0046】
また、点灯装置1は、昇圧回路2と点灯回路3を備える2コンバータ方式である。点灯装置1は、昇圧回路2を含まない1コンバータ方式であっても良い。例えば、点灯装置1が直流電源に接続される場合、整流回路6および昇圧回路2は設けられなくても良い。
【0047】
また制御装置5は、フィードバック制御無効での動作中、一定期間毎にフィードバック制御を再開し、再び目標値と一致すると、再度フィードバック制御を無効としても良い。また制御装置5は、一定期間毎に検出値と目標値を比較し、比較結果が規定の範囲内であればオン幅の更新は行わず、範囲外であればオン幅を更新するのが望ましい。これらの変形は、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0048】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る照明器具100の動作を説明するフローチャートである。図4において、スタート時にはフィードバック制御が無効な状態で照明器具100が動作している。制御装置5は、点灯回路3への入力電圧に異常があるかを検出する(ステップS201)。点灯回路3への入力電圧は、抵抗13、14により検出できる。抵抗13、14は異常検出回路を構成する。
【0049】
制御装置5は、異常検出回路の検出電圧が予め定められた正常値の範囲内であるか否かを判定する。検出電圧が正常値の場合、制御装置5はフィードバック制御が無効の状態を維持する。検出電圧が正常値ではない場合、制御装置5はフィードバック制御を有効にする(ステップS202)。このため制御装置5は、点灯回路3の出力電力が目標値と一致するように、スイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う(ステップS203)。
【0050】
制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、入力電圧の異常が解消されたかを確認する(ステップS204、S205)。つまり、制御装置5は、異常検出回路の検出電圧が正常値であるかを判定する。入力電圧の異常が解消されていれば、制御装置5はフィードバック制御を無効に切り替える(ステップS206)。これにより、照明器具100は定常動作に移行する。入力電圧の異常が解消されていない場合は、異常が解消されるまでフィードバック制御を継続する。
【0051】
このように、制御装置5は、点灯回路3よりも前段の電圧の異常を検出した場合に、フィードバック制御を一時的に再開する。
【0052】
本実施の形態に係る制御装置5は、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定した状態で点灯回路3の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、点灯回路3の出力電力が目標値と一致するようにオン幅を制御する。また、制御装置5は、点灯回路3の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すると、点灯回路3の出力電力と目標値とが一致し、かつ、電圧異常が解消された後に、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定する。
【0053】
本実施の形態では、点灯回路3への入力電圧に異常があった場合に、フィードバック制御を再開させることで、点灯回路3の出力電力を目標値に維持できる。
【0054】
本実施の形態では、抵抗13、15によって点灯回路3への入力電圧の異常を検出した。これに限らず、制御装置5は、点灯回路3の入力側に設けられた回路の電圧異常を検出すればよい。例えば、制御装置5は、整流回路6の出力電圧または昇圧回路2のコイル電流に対応する電圧の電圧異常を検出しても良い。整流回路6の出力電圧は外部電源22からの交流電圧の全波整流電圧である。整流回路6の出力電圧の異常を検出する場合、抵抗8、9が異常検出回路を構成する。また、昇圧回路2のコイル電流は、抵抗16で検出できる。昇圧回路2のコイル電流の異常を検出する場合、抵抗16が異常検出回路を構成する。異常状態の検出箇所は限定されない。また、異常状態が検出方法は、抵抗による検出以外でも良い。
【0055】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る照明器具100の動作を説明するフローチャートである。図5において、スタート時にはフィードバック制御が無効の状態で照明器具100が動作している。制御装置5は、点灯回路3の出力電圧に異常があるかを検出する(ステップS301)。点灯回路3の出力電圧は、抵抗20、21により検出できる。抵抗20、21は異常検出回路を構成する。
【0056】
制御装置5は、異常検出回路の検出電圧が予め定められた正常値の範囲内であるか否かを判定する。検出電圧が正常値の範囲の場合、制御装置5はフィードバック制御が無効の状態を維持する。検出電圧が正常値ではない場合、制御装置5はフィードバック制御を有効にする(ステップS302)。このため制御装置5は、点灯回路3の出力電力が目標値と一致するように、スイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う(ステップS303)。
【0057】
制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、出力電圧の異常が解消されたかを確認する(ステップS304、S305)。つまり、制御装置5は、異常検出回路の検出電圧が正常値であるかを判定する。出力電圧の異常が解消されていれば、制御装置5はフィードバック制御を無効に切り替える(ステップS306)。これにより、照明器具100は定常動作に移行する。出力電圧の異常が解消されていない場合は、異常が解消されるまでフィードバック制御を継続する。
【0058】
このように、制御装置5は、LEDモジュール31への供給電力の異常を検出した場合に、フィードバック制御を一時的に再開する。
【0059】
本実施の形態の制御装置5は、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定した状態でLEDモジュール31に供給する電力の異常を検出すると、点灯回路3の出力電力が目標値と一致するようにスイッチング素子17のオン幅を制御する。また、制御装置5は、LEDモジュール31に供給する電力の異常を検出すると、点灯回路3の出力電力と目標値とが一致し、かつ、LEDモジュール31に供給する電力の解消された後に、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定する。
【0060】
本実施の形態では、LEDモジュール31に供給する電力に異常があった場合に、フィードバック制御を再開させることで、点灯回路3の出力電力を目標値に維持できる。
【0061】
本実施の形態では、抵抗20、21によって、点灯回路3の出力電圧の異常を検出した。これに限らず、制御装置5は、LEDモジュール31に供給する電力の異常を検出すればよい。例えば、制御装置5は、検出抵抗25に発生する電圧の異常を検出しても良い。この場合、検出抵抗25が異常検出回路を構成する。異常状態の検出箇所は、限定されない。また、異常状態が検出方法は、抵抗による検出以外でも良い。
【0062】
実施の形態4.
図6図7を用いて、実施の形態4に係る照明器具100の動作を説明する。本実施の形態では、フィードバック制御を無効にできる調光レベルを限定している点が実施の形態1と異なる。
【0063】
図6は、実施の形態4でフィードバック制御が無効な状態での照明器具100の動作を説明するフローチャートである。ここでは、フィードバック制御が無効な状態で調光指令値に変更があったとする。制御装置5は、点灯回路3の出力電力が新たな調光指令値に対応する目標値と一致するように、スイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う。ここまでは、図3で示される動作と同様である(ステップS7~S9)。
【0064】
制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、目標値が規定値未満であるかを確認する(ステップS10、S411)。制御装置5は、目標値が規定値未満の場合、フィードバック制御を無効にする(ステップS413)。また、制御装置5は、目標値が規定値以上の場合、フィードバック制御が有効な状態を維持する(ステップS412)。
【0065】
図7は、実施の形態4でフィードバック制御が有効な状態での照明器具100の動作を説明するフローチャートである。次に、フィードバック制御が有効な状態で調光指令値に変更があった場合について説明する。制御装置5は、点灯回路3の出力電力が新たな調光指令値に対応する目標値と一致するように、スイッチング素子17のオン幅を変更して、フィードバック制御を行う(ステップS507、S508)。
【0066】
制御装置5は、LED電流が目標値に一致すると、目標値が規定値未満であるかを確認する(ステップS509、S510)。制御装置5は、目標値が規定値未満の場合、フィードバック制御を無効にする(ステップS512)。また、制御装置5は、目標値が規定値以上の場合、フィードバック制御が有効な状態を維持する(ステップS511)。
【0067】
本実施の形態の制御装置5は、点灯回路3の出力電力と目標値とが一致すると、目標値が予め定められた規定値よりも小さい場合に、スイッチング素子17のオン幅を固定値に固定する。目標値が規定値以上の場合、制御装置5はスイッチング素子17のオン幅を固定せず、フィードバック制御を維持する。
【0068】
ノイズの影響によるちらつきは、低調光の場合に人間の目で視認され易い。この為、低調光時のみにフィードバック制御を無効としても、ちらつき抑制の効果を十分に得られる。
【0069】
また、電源電圧のサグなどで昇圧回路2の電圧が変動することが考えられる。このとき、フィードバック制御が無効な状態では、有効な状態に比べて電圧変動の影響を受けやすい。このため、フィードバック制御が無効な状態では、復帰時に過剰な電流が点灯回路3及びLEDモジュール31に流れるおそれがある。従って、点灯回路3またはLEDモジュール31が故障する可能性がある。また、低出力時は出力が低いことから、フィードバック制御が無効でも変動発生時に電流値が危険な動作領域に入りにくい。このため、安全性を担保しやすい。本実施の形態では、低出力時にはフィードバック制御を無効とすることでちらつきを抑制しつつ、高出力時にはフィードバック制御を常に有効にするため、サグ等に対する安全性を効果的に確保できる。
【0070】
実施の形態5.
実施の形態1では、フィードバック制御を行わないことでちらつきを抑制している。フィードバック制御を無効とする具体的な方法としては、制御装置5においてフィードバック演算自体を停止する方法がある。この他に、フィードバック演算に用いられる演算式のゲイン係数を0にすることでもフィードバック制御を無効にできる。フィードバック演算に用いられる演算式は、例えば式(1)で表される。
【0071】
【数1】
【0072】
ここで、D(n)は最新の操作量、D(n-1)は前回の操作量、E(n)は最新の誤差値、E(n-1)は前回の誤差値、A1、A2はゲイン係数である。操作量は、ここではスイッチング素子17のオン幅に対応する。また、誤差値は、電流目標値と検出抵抗25の検出値の差分である。このように、制御装置5は電流目標値と検出値の差分を小さくするように、スイッチング素子17のオン幅を補正している。
【0073】
最新の検出値にノイズが重畳された場合、E(n)とE(n-1)は式(2)、(3)で表される。
【0074】
【数2】
【0075】
【数3】
【0076】
ここで、Vrefは電流目標値、Aは検出抵抗25の検出値のAD変換値、Bはノイズ量を示す。式(2)、(3)から、式(1)は以下のように変換される。
【0077】
【数4】
【0078】
ここでは、出力電力と目標値とが一致した状態でノイズが重畳された場合を考える。このため、Vref=Aとなる。このとき、オン幅が小さい低出力時は、オン幅が大きい高出力時と比べてノイズ量Bによるオン幅D(n)の変化率が大きくなる。つまり、低出力時ほど、外部ノイズによるちらつきの影響が大きくなる。
【0079】
ここで、ゲイン係数A1、A2を0にすることで、オン幅D(n)は直前の値D(n-1)に固定される。このため、ノイズの影響をなくすことが可能となる。
【0080】
このように本実施の形態では、制御装置5は、点灯回路3の出力電力を検出する検出回路の検出値に応じて、出力電力が予め定められた目標値と一致するように、補正値を用いてスイッチング素子17のオン幅を補正する。補正値は、出力電力と目標値との差分に係数を乗じた値を含む。制御装置5は、出力電力と目標値とが一致すると、係数をゼロに設定することで、検出値に関わらずオン幅を直前の値である固定値に固定する。
【0081】
本実施の形態の変形例として、制御装置5はゲイン係数A1、A2を小さくするものとしても良い。つまり、制御装置5は、出力電力と目標値とが一致すると、出力電力と目標値とが一致する前よりも補正値における係数を小さくしても良い。ゲイン係数A1、A2を小さくすることで、外部ノイズによるオン幅D(n)の変動が小さくなる。このため、外部ノイズによるちらつきへの影響を抑制できる。
【0082】
出力電力と目標値とが一致した際のゲイン係数A1、A2は、例えば調光率に比例するように決定されても良い。例えば調光率が100%の全光状態でのゲイン係数A1、A2が1の場合、調光率が5%でのゲイン係数A1、A2は0.05となる。このとき、低調光時において、同じノイズ量Bによるオン幅D(n)の変化率、すなわちLED電流の変化率を、全光時と同じ割合に抑えることができる。
【0083】
また、低出力時において全光時よりもオン幅D(n)の変化率が小さくなるように、ゲイン係数A1、A2が設定されても良い。一般に、低調光時は全光時と比較して光の変動が視認され易い。このため、低調光時ほどオン幅D(n)の変化率を小さくすることで、ちらつきを効果的に抑制できる。
【0084】
フィードバック演算に用いられる演算式は、式(1)に限定されない。制御装置5は、出力電力と目標値とが一致すると、出力電力と目標値とが一致する前よりも、出力電力と目標値との差分に対するオン幅の変化量が少なくなるように、演算式を変更すれば良い。
【0085】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 点灯装置、2 昇圧回路、3 点灯回路、4 制御電源回路、5 制御装置、6 整流回路、7 コンデンサ、8、9 抵抗、10 インダクタ、11 ダイオード、12 スイッチング素子、13、14 抵抗、15 コンデンサ、16 抵抗、17 スイッチング素子、18 ダイオード、19 インダクタ、20、21 抵抗、22 外部電源、23 コンデンサ、24 駆動回路、25 検出抵抗、30 光源、31 LEDモジュール、41 調光ユニット、100 照明器具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7