(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240509BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B41J29/38 301
G03G21/00 386
G03G21/00 388
G03G21/00 510
(21)【出願番号】P 2020115258
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷上 進也
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-283635(JP,A)
【文献】特開2020-090020(JP,A)
【文献】特開2009-134092(JP,A)
【文献】特開2018-001424(JP,A)
【文献】特開2009-206850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内に配置され当該装置内の状態又は測定値を取得する複数のセンサーにより取得された状態又は測定値に対応する検知情報を含む参照情報を取得する参照情報取得部と、
前記装置において発生した改善を要する事象を示す事象情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた事象情報及び前記参照情報取得部により取得された参照情報に基づいて、前記事象に対する対策情報を出力する対策情報出力部と、
前記対策情報出力部により出力された対策情報に対する評価を取得する評価取得部と、
前記評価取得部により取得された評価に基づいて、前記対策情報を出力する際に参照する参照情報を決定する参照情報決定部と、
を備え
、
前記対策情報出力部は、前記受付部により受け付けられた事象情報と関連付けられた参照情報を選択することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記事象情報は、前記装置において発生したトラブル情報又は不都合情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記事象情報は、前記装置における用紙のジャムに関する情報又は生産性に関する情報であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記受付部は、前記装置において発生した事象情報の取得、操作パネルに表示された事象候補からの指定、前記操作パネルにおける文字入力による指定及び音声入力による指定のいずれか一つにより、前記事象情報を受け付けることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記参照情報は、前記検知情報と、機械及びジョブの設定情報と、を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記設定情報は、サイズ、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの用紙情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記複数のセンサーは、用紙特性情報を検知するメディア検知センサーを含み、
前記検知情報は、前記メディア検知センサーにより検知された用紙特性情報を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記用紙特性情報は、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの物性値を含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記複数のセンサーは、前記装置内の温度又は湿度を検知する環境検知センサーを含み、
前記検知情報は、前記環境検知センサーにより検知された環境測定値を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記対策情報出力部は、複数の前記対策情報を、前記評価取得部により取得された評価が高い順に出力させることを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記対策情報出力部は、使用者であるユーザーとメンテナンスを実施するサービスマンとで異なる内容を出力させることを特徴とする請求項1~
10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
ユーザー又はサービスマンが実施した対策を取得する対策取得部を備えることを特徴とする請求項1~
11のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記対策取得部は、前記ユーザー又は前記サービスマンの行動及び動作を、操作パネルに表示された対策候補からの指定、前記操作パネルにおける文字入力による指定、音声入力による指定、若しくは、前記ユーザー又は前記サービスマンを撮影した画像又は動画により特定し、当該特定した行動及び動作を前記対策として取得することを特徴とする請求項
12に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記対策情報により前記事象が解消したか否かを判定する判定部を備え、
前記評価取得部は、前記判定部による判定結果に基づいて、前記対策情報に対する評価を取得することを特徴とする請求項1~
13のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記判定部は、ジャムの発生率が低下したこと、生産性が向上したこと、画質不良が改善されたこと、ユーザーによる対策完了の入力、改善判定入力、所定枚数印刷が実行されたこと、印刷ジョブが完了したこと、異なる印刷ジョブが開始されたこと、及び、メンテナンスモードからユーザーモードへのモード変化のいずれか一つを検知した場合に、前記事象が解消したと判定することを特徴とする請求項
14に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記判定部は、画像改善レベル、生産性向上レベル、ダウンタイム削減量、並びに、ユーザーにより入力された改善レベル、満足度、対策完了までの時間及び作業数のいずれか一つに基づいて、前記対策情報の効果のレベルを判定し、当該判定したレベルに基づいて前記事象が解消したか否かを判定することを特徴とする請求項
14又は
15に記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記対策情報出力部は、前記受付部により受け付けられた事象情報及び前記参照情報取得部により取得された参照情報を入力、前記事象に対する対策情報を出力、前記対策情報に対する評価を報酬として機械学習を実行し、学習モデルを生成することを特徴とする請求項1~
16のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置に異常やユーザーから改善が要求されるようなトラブル(事象)が生じた場合に、個々のトラブルに対して対策となるヘルプ情報を提供するシステムが知られている。
例えば、MFPなどの画像形成装置では、装置内部に複数のセンサーを設けるようにし、そのセンサーにより装置各部の状態、形成される画像、シートの状態などを検知し、発生したトラブルに対して適切な解決策をヘルプ情報として表示することができる。
例えば、機器の状態を示す機器状態情報を取得することで、ユーザーが表示を希望する可能性の高いヘルプコンテンツを取得し、表示可能とする構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、印刷項目の設定内容に基づいたヘルプ情報を表示可能とする構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-164718号公報
【文献】特開2019-164445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、常に同じ検知情報を用いるため、トラブルに対して提供される解決策が一律なものとなり、適切なヘルプ情報(対策)が得られないことがあった。
例えば、市場で発生する問題の原因を製品開発中に想定していなかった場合(ユーザーが独自の用紙を用いる、ユーザー環境に依存した装置状態の変化など)、トラブルの解析に必要な検知情報も想定と異なることがある。一方で、全ての検知情報を用いると、ノイズが多くなるため、適切なヘルプが得られないことになる。
【0005】
本発明は、予め対策が規定されていないトラブルや動作改善要望に対して、適切な対策方法を提案することが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
画像形成システムにおいて、
装置内に配置され当該装置内の状態又は測定値を取得する複数のセンサーにより取得された状態又は測定値に対応する検知情報を含む参照情報を取得する参照情報取得部と、
前記装置において発生した改善を要する事象を示す事象情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた事象情報及び前記参照情報取得部により取得された参照情報に基づいて、前記事象に対する対策情報を出力する対策情報出力部と、
前記対策情報出力部により出力された対策情報に対する評価を取得する評価取得部と、
前記評価取得部により取得された評価に基づいて、前記対策情報を出力する際に参照する参照情報を決定する参照情報決定部と、
を備え、
前記対策情報出力部は、前記受付部により受け付けられた事象情報と関連付けられた参照情報を選択することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記事象情報は、前記装置において発生したトラブル情報又は不都合情報であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記事象情報は、前記装置における用紙のジャムに関する情報又は生産性に関する情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記受付部は、前記装置において発生した事象情報の取得、操作パネルに表示された事象候補からの指定、前記操作パネルにおける文字入力による指定及び音声入力による指定のいずれか一つにより、前記事象情報を受け付けることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記参照情報は、前記検知情報と、機械及びジョブの設定情報と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成システムにおいて、
前記設定情報は、サイズ、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの用紙情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記複数のセンサーは、用紙特性情報を検知するメディア検知センサーを含み、
前記検知情報は、前記メディア検知センサーにより検知された用紙特性情報を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記用紙特性情報は、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの物性値を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記複数のセンサーは、前記装置内の温度又は湿度を検知する環境検知センサーを含み、
前記検知情報は、前記環境検知センサーにより検知された環境測定値を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記対策情報出力部は、複数の前記対策情報を、前記評価取得部により取得された評価が高い順に出力させることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記対策情報出力部は、使用者であるユーザーとメンテナンスを実施するサービスマンとで異なる内容を出力させることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1~11のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
ユーザー又はサービスマンが実施した対策を取得する対策取得部を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成システムにおいて、
前記対策取得部は、前記ユーザー又は前記サービスマンの行動及び動作を、操作パネルに表示された対策候補からの指定、前記操作パネルにおける文字入力による指定、音声入力による指定、若しくは、前記ユーザー又は前記サービスマンを撮影した画像又は動画により特定し、当該特定した行動及び動作を前記対策として取得することを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項1~13のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記対策情報により前記事象が解消したか否かを判定する判定部を備え、
前記評価取得部は、前記判定部による判定結果に基づいて、前記対策情報に対する評価を取得することを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像形成システムにおいて、
前記判定部は、ジャムの発生率が低下したこと、生産性が向上したこと、画質不良が改善されたこと、ユーザーによる対策完了の入力、改善判定入力、所定枚数印刷が実行されたこと、印刷ジョブが完了したこと、異なる印刷ジョブが開始されたこと、及び、メンテナンスモードからユーザーモードへのモード変化のいずれか一つを検知した場合に、前記事象が解消したと判定することを特徴とする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の画像形成システムにおいて、
前記判定部は、画像改善レベル、生産性向上レベル、ダウンタイム削減量、並びに、ユーザーにより入力された改善レベル、満足度、対策完了までの時間及び作業数のいずれか一つに基づいて、前記対策情報の効果のレベルを判定し、当該判定したレベルに基づいて前記事象が解消したか否かを判定することを特徴とする。
【0023】
請求項17に記載の発明は、請求項1~16のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、
前記対策情報出力部は、前記受付部により受け付けられた事象情報及び前記参照情報取得部により取得された参照情報を入力、前記事象に対する対策情報を出力、前記対策情報に対する評価を報酬として機械学習を実行し、学習モデルを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、予め対策が規定されていないトラブルや動作改善要望に対して、適切な対策方法を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成システムの制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る画像形成システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】給紙トレイによる給紙動作を説明する図である。
【
図5】ジャムコード表示画面の一例を示す図である。
【
図8】対策リスト決定・表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】取得した参照情報と各対策との関連を説明する図である。
【
図10】各ファンのエア風量の設計値の一例を示す図である。
【
図11】対策候補1が選択された対策候補表示画面の一例を示す図である。
【
図12】対策候補2が選択された対策候補表示画面の一例を示す図である。
【
図13】対策候補3が選択された対策候補表示画面の一例を示す図である。
【
図15】「新規追加」のタブが追加された対策候補表示画面の一例を示す図である。
【
図17】対策候補4が選択された対策候補表示画面の一例を示す図である。
【
図18】トラブル情報、参照情報、対策情報、評価情報をセットで記憶させる一例を示す図である。
【
図19】
図18で示した参照情報と異なる参照情報を記憶させる一例を示す図である。
【
図20】参照情報決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】関連パラメーターを追加して対策条件を更新した一例を示す図である。
【
図22】新たな対策の追加時に、関連パラメーターを追加して対策条件を更新した一例を示す図である。
【
図23】各対策に関連する参照情報の一例を示す図である。
【
図24】対策1の蓄積情報及び分析結果の一例を示す図である。
【
図25】対策2の蓄積情報及び分析結果の一例を示す図である。
【
図26】対策3の蓄積情報及び分析結果の一例を示す図である。
【
図27】対策1に説明変数を追加して再計算した結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
[1.構成の説明]
本実施形態に係る画像形成システム1は、
図1に示すように、給紙装置10と、給紙装置10の後段に接続された画像形成装置20と、画像形成装置20の後段に接続されたインサーター30と、インサーター30の後段に接続された画像検査装置40と、画像検査装置40の後段に接続されたパージユニット50と、パージユニット50の後段に接続された断裁ユニット60と、断裁ユニット60の後段に接続された排紙ユニット70と、を備えて構成されている。
【0028】
給紙装置10は、PFU(Paper Feed Unit)と称されるものであり、複数の給紙トレイや、給紙ローラー、分離ローラー、給紙/分離ゴム、送り出しローラー等からなる給紙手段を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)ごとに用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ画像形成装置20へと用紙が搬送される。
【0029】
画像形成装置20は、無端で環状に掛け渡された中間転写ベルト21と、この中間転写ベルト21に沿って配置されたC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)各色の像形成ユニット22と、を備えて構成され、像形成ユニット22により中間転写ベルト21上にCMYK各色のトナー像を重畳してフルカラーのトナー像を形成する。そして、画像形成装置20は、中間転写ベルト21上に形成したトナー像を、給紙トレイ23から搬送されてきた用紙に転写し、さらに定着器24で用紙に熱定着させた後、当該用紙を後段の装置(ここではインサーター30)に向けて出力する。なお、画像形成装置20は、上記のようなタンデム式の電子写真方式のものに限定されず、用紙に画像を形成する方式は任意であってよい。
【0030】
また、画像形成装置20は、操作パネル25を備えて構成されている。
操作パネル25は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部251と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部252と、を備えて構成されている。
表示部251は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部252は、表示部251の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部251の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。ユーザーは、操作部252を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0031】
インサーター30は、画像形成装置20と画像検査装置40との間の用紙の搬送経路に挿入紙を給紙する。具体的には、インサーター30は、上部に設けられた給紙トレイ31に収納された挿入紙(合い紙、白紙、画像形成済みの用紙などの画像形成が不要な用紙)を、画像形成装置20から搬送されてくる用紙の搬送経路に給紙する。
【0032】
画像検査装置40は、インサーター30から搬送された用紙を光学的に読み取るラインセンサー41を備えて構成されている。画像検査装置40は、基準画像と、基準画像に対応する画像(基準画像と略同一の画像)が形成された用紙をラインセンサー41で読み取って得た検査画像と、を比較して、検査画像を検査する。
【0033】
パージユニット50は、画像検査装置40により印刷画像が正常と判定された用紙を断裁ユニット60に搬送するとともに、画像検査装置40により印刷画像が異常と判定された用紙をパージトレイ51に排出する。
【0034】
断裁ユニット60は、画像検査装置40から搬送されてきた用紙を分割断裁する。断裁ユニット60は、用紙の端部をFD方向(用紙搬送方向)に断裁するFD断裁部61と、用紙の端部をCD方向(用紙幅方向)に断裁するCD断裁部62と、用紙が断裁された際に下方に落下する断裁屑を収容する屑箱63と、名刺/カードのサイズに断裁された用紙を収容するカードトレイ64と、パージする用紙を積載するサブトレイ65と、を備えて構成されている。
【0035】
排紙ユニット70は、画像形成システム1の用紙の搬送方向の最下流に設けられたメイントレイ71と、排紙ユニット70の上部に設けられたサブトレイ72と、を備え、断裁ユニット60から搬送された用紙を排出する。
【0036】
また、画像形成システム1は、
図2に示すように、制御部100と、検知部110と、参照情報取得部120と、受付部130と、対策情報出力部140と、評価取得部150と、参照情報決定部160と、記憶部170と、を備えて構成されている。
【0037】
制御部100は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成され、ROMから各種プログラムを読み出して実行することにより、画像形成システム1の各部を制御する。
【0038】
検知部110は、画像形成システム1を構成する装置(画像形成装置20等)内に配置され当該装置内の状態又は測定値を取得する。検知部110は、例えば、用紙特性情報を検知するメディア検知センサー111、装置内の温度又は湿度を検知する環境検知センサー112などの複数のセンサーを含んで構成されている。
【0039】
参照情報取得部120は、複数のセンサーにより取得された状態又は測定値に対応する検知情報を含む参照情報を取得する。検知情報は、メディア検知センサー111により検知された用紙特性情報(紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの物性値を含む)、環境検知センサー112により検知された環境測定値を含んでいる。また、参照情報は、検知情報の他、機械及びジョブの設定情報を含んでいる。設定情報は、サイズ、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの用紙情報を含んでいる。
【0040】
受付部130は、装置において発生した改善を要する事象を示す事象情報を受け付ける。事象情報は、装置において発生したトラブル情報又は不都合情報であり、例えば、装置における用紙のジャムに関する情報又は生産性に関する情報である。
受付部130は、装置において発生した事象情報の取得、操作パネル25に表示された事象候補からの指定、操作パネル25における文字入力による指定及び音声入力による指定のいずれか一つにより、事象情報を受け付ける。
【0041】
対策情報出力部140は、受付部130により受け付けられた事象情報及び参照情報取得部120により取得された参照情報に基づいて、事象に対する対策情報を出力する。対策情報出力部140は、受付部130により受け付けられた事象情報と関連付けられた参照情報を選択する。
【0042】
評価取得部150は、対策情報出力部140により出力された対策情報に対する評価(対策がOKかNGか)を取得する。
【0043】
参照情報決定部160は、評価取得部150により取得された評価に基づいて、対策情報を出力する際に参照する参照情報を決定する。なお、参照情報は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。また、参照情報は、検知情報のみの場合や設定情報のみの場合もあれば、検知情報及び設定情報を組み合わせた場合もある。
【0044】
記憶部170は、プログラムや画像データ等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部170には、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部100から読み書き可能に記憶する。
【0045】
[2.動作の説明]
次に、本実施形態に係る画像形成システム1の動作について、
図3のフローチャートを参照して説明する。
なお、
図3に示す例では、トラブルとして、画像形成装置20の給紙トレイ23で給紙ジャムが発生したことを例示して説明する。制御部100は、給紙トレイ23に収容されている用紙を送り出してから所定時間以内に、最初のNFセンサー232(
図4参照)に用紙が到達しない場合に、給紙ジャムが発生したと判断する。
【0046】
まず、前提として、
図4を用いて、給紙トレイ23による給紙動作を説明する。
まず、用紙Pが給紙トレイ23に積載された際、給紙トレイ23の底面に配置された昇降板(図示略)により、給紙トレイ23の上方に配置された給紙ベルト231手前の位置まで用紙Pが持ち上げられる。そして、印刷ジョブが始まると、給紙ベルト231に内蔵された吸着ファン(図示略)と、先端ファン(図示略)及びサイドファン(図示略)と、が動作して、積載された用紙Pの数枚分を浮上させ、最上部の用紙Pが給紙ベルト231に貼り付いた状態となる。なお、図中の矢印A1は吸着ファンによる風の流れを、矢印A2は先端ファンによる風の流れを、矢印A3はサイドファンによる風の流れを、それぞれ示している。次いで、給紙ベルト231が動作することで、最上部の用紙Pが給紙トレイ23の外側に搬送される。給紙トレイ23の外側に搬送された用紙Pは、給紙トレイ23の搬送方向下流側に配置されたNFセンサー232に到達した後、搬送ローラー(図示略)により搬送経路を搬送され、画像が形成される。連続搬送の場合もこの繰り返しであり、前紙がNFセンサー232の次に設けられた出口センサー(図示略)により検知されたときに、給紙ベルト231を動作させて次の用紙Pを給紙する。なお、吸着ファン、先端ファン、サイドファンは、主に用紙Pの坪量に応じて、風量が決められている。
以下、
図3を参照して、画像形成システム1の動作を説明する。
【0047】
まず、制御部100は、給紙ジャム、故障などのトラブルを検知したか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部100は、受付部130により事象情報が受け付けられたか否かを判定する。
例えば、受付部130は、給紙ベルト231が動作してから所定時間以内に用紙がNFセンサー232に到達しない場合に、給紙ジャム(トラブル)の発生を受け付ける。例えば、用紙積載位置から給紙ベルト231が動作して用紙がNFセンサー232に到達するまでの設計値が200msであるとして、500ms経過しても用紙がNFセンサー232に到達しない場合に、給紙不良(給紙ジャム)の発生を受け付ける。制御部100は、受付部130により給紙ジャムが受け付けられた場合に、それに応じたジャムコード(例えばJ-1601)を表示させるためのジャムコード表示画面G1を表示部251に表示させる(
図5参照)。ユーザーは、トラブル発生後に対策を実施したい場合、表示部251に表示された画面(例えばジャムコード表示画面G1)のトラブルシュートボタンB1を押下する。
【0048】
制御部100は、トラブルを検知したと判定した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102へと移行する。
一方、制御部100は、トラブルを検知していないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS103へと移行する。
【0049】
ステップS102において、制御部100は、トラブル発生時のトラブル情報、参照情報(検知情報及び設定情報)を記憶部170に記憶させる。
【0050】
ステップS103において、制御部100は、通常動作時の参照情報(検知情報、設定情報)を記憶部170に記憶させる。制御部100は、検知情報や設定情報が変化したタイミングで、データを記憶しておく。
【0051】
次に、制御部100は、ユーザーによりトラブルシュートボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、例えば、
図5に示したケースのように、直前で給紙ジャムが発生している場合、制御部100も、トラブル(給紙ジャム)が発生していることを認識しており、その状態でトラブルシュートボタンB1が押下されると、給紙ジャムの対策画面に移行する。
【0052】
制御部100は、トラブルシュートボタンが押下されたと判定した場合(ステップS104:YES)、次のステップS105へと移行する。
一方、制御部100は、トラブルシュートボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS104:NO)、トラブルが解消したか否かを判定する(ステップS106)。
制御部100は、トラブルが解消したと判定した場合(ステップS106:YES)、処理を終了する。
一方、制御部100は、トラブルが解消していないと判定した場合(ステップS106:NO)、ステップS104へと移行して、再度ステップS104の処理を繰り返す。
【0053】
ステップS105において、制御部100は、直前でトラブルが発生しているか否かを判定する。
制御部100は、直前でトラブルが発生していると判定した場合(ステップS105:YES)、ステップS107へと移行する。
一方、制御部100は、直前でトラブルが発生していないと判定した場合(ステップS105:NO)、ステップS108へと移行する。
【0054】
ステップS107において、制御部100は、ステップS102で記憶部170に記憶されたトラブル情報を取得する。例えば、J-1601を含む給紙ジャムが発生している場合は、トラブル情報として給紙ジャムの発生を取得する。
【0055】
ステップS108において、制御部100は、トラブル情報特定処理を行う。具体的には、制御部100は、トラブルを識別するためのトラブル選択画面G2(
図6参照)を表示部251に表示させ、ユーザーによる入力(選択)を受け付けて、困りごとを含むトラブル情報を特定(取得)する。例えば、ユーザーは、ウォームアップ時間が長いことで生産性に不満がある場合は、「生産性」→「ウォームアップが長い」を選択して、OKボタンB2を押下する。
【0056】
次に、制御部100は、ステップS107又はステップS108で取得したトラブル情報に応じた参照情報(検知情報、設定情報)を選定する(ステップS109)。
例えば、検知情報としては、メディア検知センサー111により検知されるメディア検知情報(坪量、表面光沢性、含水量)や、環境検知センサー112により検知される湿度などが挙げられる(
図7参照)。また、設定情報としては、先端ファンやサイドファンのエア風量などが挙げられる(
図7参照)。
【0057】
次に、制御部100は、対策情報出力部140を制御して、事象に対する対策情報を出力する対策リスト決定・表示処理を行わせる(ステップS110)。以下、対策リスト決定・表示処理について、
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
[対策リスト決定・表示処理]
まず、対策情報出力部140は、ステップS107又はステップS108で取得したトラブル情報の種類に応じた複数の対策候補からなる対策リストを取得する(ステップS201)。
【0059】
次に、対策情報出力部140は、対策リスト内の対策ごとに関連する参照情報(検知情報、設定情報)を取得する(ステップS202)。
例えば、J-1601(給紙トレイ23から用紙が出ない給紙ジャム)の場合は、
図9に示すように、予め上記
図7に示した参照情報を用いて対策表示を行うことが設定されている。ここで、用紙の坪量に対する各ファンの理想のエア風量は、設計的に予め決まっている(
図10参照)が、様々な用紙があることから、予め設計値で決められている風量では、給紙ジャムが発生しやすい場合がある。そこで、
図9に示すように、各対策における各ファン(先端ファン、サイドファン)の記載は、検知した坪量に基づいて、対策が必要と思われる風量設定(範囲)を取得するようにしている。
【0060】
次に、対策情報出力部140は、ステップS202で取得した参照情報(パラメーター)をチェックし、対策が有効と判断されるパラメーターの数で得点を付ける(ステップS203)。
例えば、
図9に示す例では、給紙ジャム対策として、予め対策1~3まで登録されており、登録された対策ごとに参照情報(パラメーター)の値が設計値と合致するものをチェックする。例えば、対策1(先端ファン風量UP)の先端ファンについては、風量の値(30%)が設計値(30%:
図10参照)と同じであるため、得点を0とする。また、対策2(サイドファン風量UP)のサイドファンについては、風量の値(40%)が設計値(50%:
図10参照)と異なるため、対策が有効と判断し、得点を1とする。また、対策3(除湿)については、用紙の含水量も湿度も値が低く対策条件(高い)と逆であるため、得点を-1×2=-2とする。
【0061】
次に、対策情報出力部140は、複数の対策を、得点が高い順に表示部251に表示させる(ステップS204)。なお、同じ得点の対策が複数ある場合は、評価が高い(評価OKの割合が大きい)ものから順に表示させる。
例えば、
図9に示す例では、得点に従い、対策2(1点)、対策1(0点)、対策3(-2点)の順に、対策として表示部251に表示させる。
【0062】
図11に対策候補1として対策2(サイドファン風量UP)を表示させる対策候補表示画面G31を、
図12に対策候補2として対策1(先端ファン風量UP)を表示させる対策候補表示画面G32を、
図13に対策候補3として対策3(除湿)を表示させる対策候補表示画面G33を、それぞれ示す。
図11~
図13に示す各画面は、上部のタブT1~T3を選択することで、切り替えることができる。
図11において、ユーザーは、サイドファンの風量を変更することができる。また、
図12において、ユーザーは、先端ファンの風量を変更することができる。また、
図13において、ユーザーは、除湿設定を変更することができる。
また、
図11~
図13において、ユーザーは、プリント継続ボタンB3を押下することで、プリントを継続することができる。
また、
図11~
図13に示す各画面には、評価(対策できたか否か)を入力させるためのボタン(はいボタンB4、いいえボタンB5)を配置するようにし、はいボタンB4又はいいえボタンB5が押下されると、「通常プリント画面に戻りますか」というポップアップが表示され、そこで「はい」が選択されると、通常プリント画面に戻るようになっている。
【0063】
図3のフローチャートに戻り、制御部100は、新規の対策の入力があったか否かを判定する(ステップS111)。
【0064】
ここで、新規の対策を入力(登録)する例を説明する。これまでの説明では、予め登録されている対策1~3の3種類の対策から優先度を決定するようにしていた。しかしながら、実際には、予め登録している対策以外にも、有効な対策を発見するケースがある。例えば、給紙ジャムの対策として、吸着ベルト231a、吸着ファン231b、吸着センサー231cから構成される給紙ベルト231(
図14参照)の清掃に効果があるとわかった場合の例を説明する。
これまで説明してきた例と同様に、給紙ジャムが発生したことを検知した場合、そのときの参照情報(検知情報及び設定情報)に応じて、対策候補を決定する。ユーザーは、対策候補に挙げられた対策のいくつかを実施しても状況が改善しない場合、サービスマンに連絡して対応を依頼することになる。ここで、サービスマンは、給紙トレイ23の状態を確認し、例えば、吸着ベルト231aに形成された用紙吸着のための吸気口の穴に紙粉などの汚れが詰まって吸着ベルト231aの吸引力が落ちていることを確認し、その部分の清掃を実施する。そして、そのサービスマンの対応により、吸着ベルト231aの吸引力が復活し、給紙ジャムが解消されたものとする。
【0065】
本実施形態では、上記のように、対策候補にない新規の対策を実施して効果が得られた場合に、実施した対策を登録できる仕組みを備えている。具体的には、新規の対策の実施後に、対策候補表示画面G4(
図15参照)の「新規追加」のタブT10を選択することで対策登録画面G5(
図16参照)を表示部251に表示させ、対策した内容を選択する。対策登録画面G5では、予め機械のメンテナンスに関わる項目がカテゴリー分け及びリスト化されており、そのメンテナンスリストの中から選択を行う。例えば、大項目として「清掃」「調整」「交換」「トレイ操作」「設定変更」「新規入力」が設けられ、清掃ボタンB61が押下されると、清掃場所(「トレイ」「本体搬送」「ドラム・ベルト」「現像」「定着」「排紙部」「新規入力」)を特定するためのリストが表示される。次に、トレイボタンB62が押下されると、給紙トレイ23内の清掃場所(「給紙ベルト」「出口ローラー」「吸着センサー」「NFセンサー」「新規入力」)を特定するためのリストが表示される。例えば、登録する対策が「吸着ベルト231aの清掃」の場合、清掃ボタンB61→トレイボタンB62→給紙ベルトボタンB63を選択する。対策を選択したら、登録ボタンB7を押下することで、新たな対策候補(ここでは対策候補4)として登録される。ここで、対策候補4のタブT4を選択すると、対策候補4の対策候補表示画面G6(
図17参照)が表示され、新たに登録した対策の内容(トレイの給紙ベルトを清掃してください。)が表示される。
なお、登録したい対策の内容に該当する項目が、予め設定されたメンテナンスリストに存在しない場合、対策登録画面G5(
図16参照)において、該当するリストの新規入力ボタンB81~B83を押下することで、直接文字を入力可能なポップアップ画面を表示させ、そのポップアップ画面に項目を入力することで、該当するリストに項目を追加することができる。
【0066】
制御部100は、新規対策の入力があったと判定した場合(ステップS111:YES)、次のステップS112へと移行する。
一方、制御部100は、新規対策の入力がなかったと判定した場合(ステップS111:NO)、ステップS113へと移行する。
【0067】
ステップS112において、制御部100は、入力された新規の対策を記憶部170に記憶させる。すなわち、制御部100は、ユーザー又はサービスマンが実施した対策を取得する本発明の対策取得部として機能する。具体的には、制御部100は、ユーザー又はサービスマンの行動及び動作を、操作パネル25(表示部251)に表示された対策候補からの指定又は操作パネル25における文字入力による指定により特定し、当該特定した行動及び動作を対策(内容)として取得する。なお、ユーザー又はサービスマンの行動及び動作を、音声入力による指定、若しくは、ユーザー又はサービスマンを撮影した画像又は動画により特定するようにしてもよい。
【0068】
次に、制御部100は、対策に対する評価の入力が完了したか否かを判定する(ステップS113)。例えば、制御部100は、
図11~
図13に示す各画面において、ユーザーからの評価が入力(はいボタンB4又はいいえボタンB5が押下)されると、評価の入力が完了したと判定する。
そして、制御部100は、入力情報を参照して、対策情報によりトラブル(事象)が解消したか否かを判定する。すなわち、制御部100は、本発明の判定部として機能する。そして、評価取得部150は、その判定結果に基づいて、対策情報に対する評価(OK/NG)を取得する。
なお、制御部100は、トラブル(事象)が解消したか否かを判定する際、ユーザーによる対策完了の入力や改善判定入力の他、ジャムの発生率が低下したこと、生産性が向上したこと、画質不良が改善されたこと、所定枚数印刷が実行されたこと、印刷ジョブが完了したこと、異なる印刷ジョブが開始されたこと、及び、メンテナンスモードからユーザーモードへのモード変化のいずれか一つを検知した場合に、事象が解消したと判定するようにしてもよい。
また、制御部100は、トラブル(事象)が解消したか否かを判定する際、画像改善レベル、生産性向上レベル、ダウンタイム削減量、並びに、ユーザーにより入力された改善レベル、満足度、対策完了までの時間及び作業数のいずれか一つに基づいて、対策情報の効果のレベルを判定し、当該判定したレベルに基づいて事象が解消したか否かを判定するようにしてもよい。
【0069】
制御部100は、対策に対する評価の入力が完了したと判定した場合(ステップS113:YES)、次のステップS114へと移行する。
一方、制御部100は、対策に対する評価の入力が完了していないと判定した場合(ステップS113:NO)、対策に対する評価の入力が完了したと判定されるまでステップS113の処理を繰り返す。
【0070】
次に、制御部100は、情報記憶処理を行う(ステップS114)。具体的には、制御部100は、
図18に示すように、入力された評価情報とともに、トラブル情報、参照情報(検知情報及び設定情報)、対策情報をセットで記憶部170に記憶させ、以降も蓄積していく。なお、検知情報、設定情報は、トラブルの種類や対策に関連付けられていないものも含んでいる。
【0071】
次に、制御部100は、参照情報決定部160を制御して、評価取得部150により取得された評価に基づいて、対策情報を出力する際に参照する参照情報を決定する参照情報決定処理を行わせる(ステップS115)。
【0072】
ステップS114までの制御では、トラブル情報に応じて予め決まっている参照情報から対策を提示するようにしている。ただし、これだけでは予め分かっている範囲での情報に応じた対策を提案することしかできないため、市場での使われ方に応じて対策候補の優先度を適正化していくことが難しい。したがって、対策候補の決定に用いていない検知情報を用いることで、優先度を適正化するようにする。
ステップS115において、トラブル情報、参照情報(検知情報及び設定情報)、対策情報、評価情報をセットで記憶部170に記憶させる(
図18参照)ようにしているが、これらの情報とは別に、他の参照情報も紐付けて蓄積しておくようにする。ここで、他の参照情報とは、例えば、用紙幅、用紙長さ、給紙開始から最初センサー(最初のNFセンサー232)までの時間、重送検知結果、用紙ガイド板幅検知などの情報(
図19参照)や、用紙浮上時間、湿度などである。
図19に示した情報は、給紙ジャムの参照情報として記憶させるものであり、トラブル情報により異なる。
以下、参照情報決定処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
[参照情報決定処理]
まず、制御部100は、トラブル発生(入力)時に記憶しているパラメーター(参照情報)に、特異点があるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、特異点とは、設計値に対して所定以上乖離している値、又は、取得した情報の分布の中で上下限に近い値(例えば上限5%又は下限5%に含まれる値)など、通常とは異なる状態であることを示す値のことである。
【0074】
ここで、
図18のNo4(評価NG)のデータとNo5(評価OK)のデータを比較する。予め決まっている参照情報に従って、対策2を対策候補1としている(
図11参照)が、
図18に示す例では、対策2(No4)は評価NGであり、対策1(No5)は評価OKとなっている。そこで、別で記憶した情報(
図19参照)を比較する。給紙開始から最初センサーまでの時間の設計値は予め200msと分かっており、No4及びNo5は設計値の2倍の400msとなっている。仮に、設計値の1.3倍(200×1.3=260ms)以上など、設計値から外れている値のデータを特異点と判断するので、給紙開始から最初センサーまでの時間を特異点として抽出する。すなわち、特異点として抽出したパラメーターで評価OKになった情報(給紙開始から最初センサーまでの時間)を、新たに参照情報として評価OKの対策(対策1)に追加し、対策条件を更新する(
図21参照)。
【0075】
制御部100は、特異点があると判定した場合(ステップS301:YES)、次のステップS302へと移行する。
一方、制御部100は、特異点がないと判定した場合(ステップS301:NO)、処理を終了する。
【0076】
次に、制御部100は、ステップS301で特異点があると判定されたパラメーターが、特定の対策に対して評価結果との相関があるか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、制御部100は、評価結果をOK=1、NG=0としたときの、ステップS301で特異点があると判定されたパラメーターとの相関係数を算出し、所定値以上である場合(例えば相関係数が0.7以上である場合)に評価結果との相関があると判定する。
制御部100は、特定の対策に対して評価結果との相関があると判定した場合(ステップS302:YES)、次のステップS303へと移行する。
一方、制御部100は、特定の対策に対して評価結果との相関がないと判定した場合(ステップS302:NO)、処理を終了する。
【0077】
次に、制御部100は、ステップS301で特異点があると判定され、ステップS302で評価結果との相関があると判定されたパラメーターを、上記の特定の対策に関連するパラメーター(関連パラメーター)として登録する(ステップS303)。次回の処理において、上記の特定の対策の得点を再計算する際に、ステップS303で登録されたパラメーターに特異点があると判定した場合は、特徴が合致すると判断し、得点を加算する。
例えば、
図21に示す例では、対策1及び対策2が1点、対策3が-2点となる。得点が同じ場合は、過去情報の評価結果を確認し、蓄積した情報から今回と同様の条件に当てはまるものが複数ある場合に、評価OKの割合が大きい方を優先して表示させる。例えば、坪量帯、エア風量設定、給紙開始から最初センサーまでの時間条件が同じ場合に、対策1の評価OKの確率が80%、対策2の評価OKの確率が30%の場合は、対策1を優先して表示させる。
なお、ここでは、対策を決定するためのパラメーター(参照情報)として新たに「給紙開始から最初センサーまでの時間」を追加する制御を示した。追加したパラメーターは、その後の対策候補を選定する制御に使用するが、データを蓄積する中で、そのパラメーターと評価に相関がないことが分かった場合は、判断を間違う要因になるため、そのパラメーターを削除するようにしてもよい。
【0078】
なお、新たな対策候補(対策4)が追加されたときに、関連するパラメーター(参照情報)を追加する場合もある。例えば、プリント開始時に、給紙トレイ23に積載された用紙に対し、用紙情報に基づいて吸着ファン、先端ファン、サイドファンを動作させて給紙ベルト231に吸着させるが、例えば、吸着ファンの吸引力不足により用紙の浮上に時間が掛かっている場合は、吸着ファンONから吸着センサーONまでの時間を測定し、その時間が設計値(1000ms)の1.3倍(1000×1.3=1300ms)以上になる場合に、「吸着ファンONから吸着センサーONまでの時間」を特異点として抽出する。そして、特異点として抽出した「ファンONから吸着センサーONまでの時間」を、関連するパラメーター(参照情報)として新たに追加する(
図22参照)。
例えば、
図22に示す例では、関連するパラメーターを参照して得点を付けると、対策1、2が0点、対策3が-2点となり、対策4が1点となる。したがって、この場合は、対策4を優先表示させることとなる。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システム1は、装置内に配置され当該装置内の状態又は測定値を取得する複数のセンサーにより取得された状態又は測定値に対応する検知情報を含む参照情報を取得する参照情報取得部120と、装置において発生した改善を要する事象を示す事象情報を受け付ける受付部130と、受付部130により受け付けられた事象情報及び参照情報取得部120により取得された参照情報に基づいて、事象に対する対策情報を出力する対策情報出力部140と、対策情報出力部140により出力された対策情報に対する評価を取得する評価取得部150と、評価取得部150により取得された評価に基づいて、対策情報を出力する際に参照する参照情報を決定する参照情報決定部160と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、対策に対する評価に基づいて次回以降に参照する情報を更新することができるので、予め対策が規定されていないトラブルや動作改善要望に対して、適切な対策方法を提案することができる。
【0080】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、事象情報は、装置において発生したトラブル情報又は不都合情報である。また、事象情報は、装置における用紙のジャムに関する情報又は生産性に関する情報である。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、装置内で発生した改善を要する事象に対する対策情報を出力することができるので、必要に応じて適切な対策方法を提案することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、受付部130は、装置において発生した事象情報の取得、操作パネル25に表示された事象候補からの指定、操作パネル25における文字入力による指定及び音声入力による指定のいずれか一つにより、事象情報を受け付ける。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、装置内で発生した事象を臨機応変に受け付けることができるので、必要に応じて適切な対策方法を提案することができる。
【0082】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、参照情報は、検知情報と、機械及びジョブの設定情報と、を含む。また、設定情報は、サイズ、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの用紙情報を含む。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、装置内で発生した事象に関連する設定情報を幅広く参照することができるので、必要に応じて適切な対策方法を提案することができる。
【0083】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、複数のセンサーは、用紙特性情報を検知するメディア検知センサー111を含み、検知情報は、メディア検知センサー111により検知された用紙特性情報を含む。また、用紙特性情報は、紙種、坪量、剛度、紙目、表面光沢性、含水量及び電気抵抗の少なくともいずれか一つの物性値を含む。また、複数のセンサーは、装置内の温度又は湿度を検知する環境検知センサー112を含み、検知情報は、環境検知センサー112により検知された環境測定値を含む。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、装置内で発生した事象に関連する検知情報を幅広く参照することができるので、必要に応じて適切な対策方法を提案することができる。
【0084】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、対策情報出力部140は、受付部130により受け付けられた事象情報と関連付けられた参照情報を選択する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、装置内で発生した事象に関連する参照情報を選択して参照することができるので、適切な対策方法を提案することができる。
【0085】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、対策情報出力部140は、複数の対策情報を、評価取得部150により取得された評価が高い順に出力させる。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、有効である可能性の高い対策を容易にユーザーに認識させることができるので、ユーザーが適切な対策を選択し易くすることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ユーザー又はサービスマンが実施した対策を取得する対策取得部(制御部100)を備える。また、対策取得部は、ユーザー又はサービスマンの行動及び動作を、操作パネル25に表示された対策候補からの指定、操作パネル25における文字入力による指定、音声入力による指定、若しくは、ユーザー又はサービスマンを撮影した画像又は動画により特定し、当該特定した行動及び動作を対策として取得する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、新規に実施された対策を取得することができるので、事象に対して有効であった対策を取り入れることが可能となり、以降、より適切な対策方法を提案することができる。
【0087】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、対策情報により事象が解消したか否かを判定する判定部(制御部100)を備え、評価取得部150は、判定部による判定結果に基づいて、対策情報に対する評価を取得する。また、判定部は、ジャムの発生率が低下したこと、生産性が向上したこと、画質不良が改善されたこと、ユーザーによる対策完了の入力、改善判定入力、所定枚数印刷が実行されたこと、印刷ジョブが完了したこと、異なる印刷ジョブが開始されたこと、及び、メンテナンスモードからユーザーモードへのモード変化のいずれか一つを検知した場合に、事象が解消したと判定する。また、判定部は、画像改善レベル、生産性向上レベル、ダウンタイム削減量、並びに、ユーザーにより入力された改善レベル、満足度、対策完了までの時間及び作業数のいずれか一つに基づいて、対策情報の効果のレベルを判定し、当該判定したレベルに基づいて事象が解消したか否かを判定する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、対策を実施したことにより事象が解消したか否かを判定することで、対策による効果の有無やレベルを判定することができるので、対策に対する適切な評価を取得することができる。
【0088】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0089】
例えば、
図17に示す例では、対策候補1~4を全て表示させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、対策4(トレイの給紙ベルトの清掃)は、サービスマンにとっては実施可能であるが、安全性の観点からユーザーには対応を促すべきでない場合がある。そのため、対策の登録時に、サービスマンのみに公開するかユーザーにも公開するかを、選択できるようにしてもよい。すなわち、使用者であるユーザーとメンテナンスを実施するサービスマンとで異なる内容(対策情報)を出力させるようにしてもよい。サービスマンのみに公開する対策の場合、ユーザーの使用時には表示させず、サービスマンによる操作であることが入力された場合のみ表示させる。
上記のように、対策情報出力部140は、使用者であるユーザーとメンテナンスを実施するサービスマンとで異なる内容を出力させることで、対策の安全性を考慮した出力を行わせることができるので、ユーザーの安全を確保することができる。
【0090】
また、事象情報(トラブル情報)及び参照情報を入力、事象(トラブル)に対する対策情報を出力、対策情報に対する評価を報酬として機械学習を実行し、学習モデルを生成するようにしてもよい。すなわち、トラブル情報、参照情報(検知情報、設定情報)、対策、評価結果に基づいて、対策の効果を機械学習により算出するようにしてもよい。これは、トラブルに対する対策の効果を算出するものであり、参照情報(検知情報、設定情報)を入力し、対策した効果がある場合(評価がOKになる場合)を出力するものである。
上記のように、対策情報出力部140は、受付部130により受け付けられた事象情報及び参照情報取得部120により取得された参照情報を入力、事象に対する対策情報を出力、対策情報に対する評価を報酬として機械学習を実行し、学習モデルを生成することで、事象に対する対策の効果を自動的に算出して対策OKの確率が高いものを優先的に出力させることができるので、ユーザーに適切な対策を選択させ易くすることができる。
【0091】
例えば、
図23に示すように、各対策において「対象」と設定されているパラメーターが、各対策に関連する参照情報である。ここでは、過去に蓄積した情報に基づいて、ロジスティクス回帰分析を行う。
ここで、目的変数を評価OK=1、評価NG=0とし、説明変数を参照情報(検知情報、設定情報)とする。
給紙ジャムが発生したときに蓄積された情報(参照情報)に基づいて、各対策の効果の有無が算出される。具体的には、ロジスティック回帰手法により、各対策の関連パラメーターに基づいて、対策OKの確率(推定値)をそれぞれ求める。
【0092】
図24に、対策1の蓄積情報及び分析結果の一例を示す。
対策1における対策OKの確率(推定値)R1は、下記式(1)を用いて算出される。
R1=1/(1+e
-(0.0910*坪量-0.3324*エア風量(先端)+1.8530))…(1)
【0093】
図25に、対策2の蓄積情報及び分析結果の一例を示す。
対策2における対策OKの確率(推定値)R2は、下記式(2)を用いて算出される。
R2=1/(1+e
-(-0.0244*坪量+0.0667*エア風量(サイド)-0.5539))…(2)
【0094】
図26に、対策3の蓄積情報及び分析結果の一例を示す。
対策3における対策OKの確率(推定値)R3は、下記式(3)を用いて算出される。
R3=1/(1+e
-(-0.0194*表面光沢性-0.0181*含水量+0.0667*湿度-1.9855))…(3)
【0095】
上記のように、対策OKの確率(推定値)を、対策ごとに算出しておく。そして、次回以降、トラブルが発生したときに、対策OKとなる計算式から対策OKの確率を算出し、確率の高いものから優先して表示させる。また、蓄積した情報を用いて定期的に再計算することで、より精度を向上させることができる。
【0096】
また、例えば、
図21に示す例では、対策1に「給紙開始から最初センサーまでの時間」を追加した構成を説明しているが、ここでも上記の分析に使用するパラメーターを変更することができる。具体的には、対策1に関して、蓄積した情報に基づいて、給紙ジャムに関連する情報の中から評価結果と相関があるパラメーター(参照情報)を検索する。例えば、既に関連参照情報として記憶されている「坪量」「エア風量(先端)」以外の「表面光沢性」「含水量」「湿度」「サイドファン風量」「用紙幅」「用紙長さ」「給紙開始から最初センサーまでの時間」「重送検知結果」「用紙ガイド板幅検知」といった各パラメーターと評価結果との相関関係を算出して、相関が高いものを選択する。ここで、「給紙開始から最初センサーまでの時間」が評価結果との相関が高かった場合、「給紙開始から最初センサーまでの時間」を説明変数に追加して、分析を実施する。
図27に、「給紙開始から最初センサーまでの時間」を説明変数に追加して再計算した結果の一例を示す。
図27に示す例では、「坪量」が150(「給紙開始から最初センサーまでの時間」が350ms)になっている部分(
図27の符号D2)で、確率(推定値)が再計算前(
図24の符号D1参照)の「90%」から「99%」になっており、精度が向上していることが分かる。
【0097】
また、分析の手法として、ロジスティクス回帰の代わりに、ディープラーニング(ニューラルネットワーク)を用いるようにし、蓄積した情報を教師データとするとともに、参照情報(検知情報及び設定情報)を入力、評価を出力として学習させ、トラブル発生時の入力情報に基づいて評価がOKとなる確率を算出し、確率が高いものを優先表示させるようにしてもよい。
パラメーターの変更方法は、予め関連付けられている参照情報があり、まず、他の情報の中で評価と相関が高いパラメーターを関連パラメーターとして仮に追加する。次に、蓄積した情報をトレーニングデータと検証データに分類し、トレーニングデータによる学習の後、検証データでテストしたときのテスト結果が良い場合に、関連パラメーターとして本登録する。
【0098】
その他、画像形成システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成システム
10 給紙装置
20 画像形成装置
21 中間転写ベルト
22 像形成ユニット
23 給紙トレイ
24 定着器
25 操作パネル
251 表示部
252 操作部
30 インサーター
31 給紙トレイ
40 画像検査装置
41 ラインセンサー
50 パージユニット
51 パージトレイ
60 断裁ユニット
61 FD断裁部
62 CD断裁部
63 屑箱
64 カードトレイ
65 サブトレイ
70 排紙ユニット
71 メイントレイ
72 サブトレイ
100 制御部(対策取得部、判定部)
110 検知部
111 メディア検知センサー
112 環境検知センサー
120 参照情報取得部
130 受付部
140 対策情報出力部
150 評価取得部
160 参照情報決定部
170 記憶部