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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/26 20060101AFI20240509BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240509BHJP
【FI】
G01D11/26 D
B60K35/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020138586
(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公開番号】P2022034743
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小湊 一弘
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-016342(JP,A)
【文献】特開2002-267504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/00-13/28
B60K 35/00,37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部材と嵌合する度当たり部を有する前面部材と、
前記前面部材の背後に配置される見返し部材と、
前記見返し部材の背後に配置されるケース部材と、を備え、
前記前面部材は凹形状または凸形状の第1の被当接部を有し、
前記見返し部材は前記第1の被当接部と当接する第1の当接部と、前記第1の被当接部と対応する位置に前記ケース部材と当接する第2の当接部と、前記第1の被当接部に対向する位置に凹形状または凸形状の第2の被当接部を有し、前記第2の被当接部は、前記第1の当接部又は前記第2の当接部を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
取付部材と嵌合する度当たり部を有する前面部材と、
前記前面部材の背後に配置される見返し部材と、
前記見返し部材の背後に配置されるケース部材と、を備え、
前記前面部材は凹形状または凸形状の第1の被当接部を有し、
前記見返し部材は、前記第1の被当接部と当接する第1の当接部と、前記第1の被当接部と対応する位置に前記ケース部材と当接する第2の当接部と、を有し、
前記第1の当接部又は前記第2の当接部は、前記見返し部材から突出形成されることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1の被当接部は、前記度当たり部に連なり形成される、又は、前記度当たり部を含んで形成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の表示装置。
【請求項4】
前記度当たり部は前記前面部材から突出し、更に緩衝部材が被さることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、車両のダッシュボードに取り付ける表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。斯かる表示装置は、表示装置の前面のレンズから突出するリブにゴムキャップを被せ、この箇所にダッシュボード(インパネ部品)が嵌合することで、車両に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平02-045778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両の振動などによりダッシュボードを介してリブに負荷が掛かるとレンズ面が歪み、表示装置の表示の見栄えが悪化するといった問題点があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両に取り付ける表示装置において、良好な外観を有する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、取付部材9と嵌合する度当たり部11を有する前面部材1と、前記前面部材1の背後に配置される見返し部材2と、前記見返し部材2の背後に配置されるケース部材5と、を備え、前記前面部材1は凹形状または凸形状の第1の被当接部12を有し、前記見返し部材2は前記第1の被当接部12と当接する第1の当接部22と、前記第1の被当接部12と対応する位置に前記ケース部材5と当接する第2の当接部23と、前記第1の被当接部12に対向する位置に凹形状または凸形状の第2の被当接部21を有し、前記第2の被当接部21は、前記第1の当接部22又は前記第2の当接部23を有することを特徴とする。
また、取付部材9と嵌合する度当たり部11を有する前面部材1と、前記前面部材1の背後に配置される見返し部材2と、前記見返し部材2の背後に配置されるケース部材5と、を備え、前記前面部材1は凹形状または凸形状の第1の被当接部12を有し、前記見返し部材2は前記第1の被当接部12と当接する第1の当接部22と、前記第1の被当接部12と対応する位置に前記ケース部材5と当接する第2の当接部23と、を有し、前記第1の当接部22又は前記第2の当接部23は、前記見返し部材2から突出形成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態を示す表示装置の正面図。
図2図1中のA-A線に沿った断面図。
図3図1中のB-B線に沿った断面図。
図4】本開示の変形例における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、表示装置に関し、例えば、自動車やオートバイ、あるいは農業機械や建設機械を備えた移動体に搭載される車両用の表示装置に適用することができる。
【0009】
本開示の実施形態に係る表示装置を、車両用計器100を用いて、添付の図1乃至3に基づいて以下に説明する。
【0010】
以下の説明において、「前面側」は、車両用計器100から車両運転席に着座した運転者を見る方向及び図1における手前側、及び図2における上側(ゴムキャップ6側)である。「背(後)面側」は、図1における奥側、及び図2における下側(ケース5側)を意味する。
【0011】
図1に示すように、車両用計器100は、乗員の前方に配置され、乗員に車速等の情報を表示する装置である。車両用計器100は、車速を表示するスピードメータ101やエンジン回転数を表示するタコメータ102が配置されている。
【0012】
図2に示すように、表示装置100は、前方から、レンズ(前面部材)1と、見返し(見返し部材)2と、指針3と、表示板4と、ケース(ケース部材)5と、回路基板(図示無し)と、ゴムキャップ(緩衝部材)6と、を少なくとも備える。
【0013】
レンズ1は、例えば透光性の合成樹脂(例えば、アクリル)からなる。レンズ1は、フック等で見返し2に固定され、見返し2の前方開口を覆う。レンズ1は、表示板4の前方を覆う被覆部材としての機能を有している。
【0014】
レンズ1は、表示板4の可視部M内に重ならない外周の位置に、断面長方形で前方に突出するリブ(度当たり部)11を有する。このリブ11が、図3に示すように、車両のダッシュボード(取付部材)9と嵌合することで、表示装置100は車両に固定される。レンズ1は、背後に凹形状の第1の凹部(第1の被当接部)12を有する。第1の凹部12は、リブ11に連なり形成される。また、第1の凹部12は、リブ11を含んで形成される。
【0015】
レンズ1の表示板4の可視部Mと重なる部分である透視部13の面は、3次元曲面に形成される。対して、第1の凹部12の見返し2と対向する凹部背面12aは、表示板4の面と平行な面に形成される。つまり、凹部背面12aは、透視部13の面とは接しない異なる面で形成される。
【0016】
見返し2は、不透過性の黒色の合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)からなる。見返し2は、レンズ1の背後且つ表示板4の前方に配置される。見返し2は、表示板4の外周を覆う被覆部材としての機能を有する。見返し2は、ケース5とフック等で係止され固定される。
【0017】
見返し2は、背後に凹形状の第2の凹部(第2の被当接部)21を有する。第2の凹部21は、第1の凹部12に対向する位置に形成される。第2の凹部21は、レンズ1側に第2の凹部21から突出形成し第1の凹部12と当接する第1の当接部22を有する。第2の凹部21は、表示板4側に第2の凹部21から突出形成し表示板4と当接する第2の当接部23を有する。第2の当接部23は、第1の当接部22と対向する位置に形成される。
【0018】
第1の当接部22の先端は、凹部背面12aと平行な面に形成され、凹部背面12aと面接触又は線接触で当接する。第2の当接部23の先端は、表示板4と平行な面に形成され、表示板4と面接触又は線接触で当接する。第1の当接部22と第2の当接部23の先端は、面取りを有する。
【0019】
指針3は、透光性樹脂からなる指示部31と、遮光性樹脂からなる指針キャップ32と、を有する。指針3は、指針キャプ32に対応する位置でステッピングモータからなる指針駆動部に接続され、表示板4の面上を回転する。指針3は、指示部31で後述する表示板4の指標部41を指示することで、車速やエンジン回転数を表示する。
【0020】
表示板4は、例えば透光性の合成樹脂シート(例えば、ポリカーボネートシートなど)からなる薄板状の基材の表裏面に透光性及び遮光性のインキが印刷されたものからなる。表示板4は、地色となる遮光性の黒色のインキが抜き印刷された意匠を有する。意匠は、スピードメータ101やタコメータ102の目盛りや数字からなる指標部41と、デジタル表示部の開口となる開口部42と、ターンランプ等の意匠となるインジケータ部43と、を有する。表示板4は、見返し部材2の背後に配置され、ケース5の前面に載置される。
【0021】
指針3の指示部31や表示板4の指標部41やインジケータ部43は、これらの背後の回路基板上に実装されたチップ型発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)からなる光源により照明されて発光する。
【0022】
ケース5は、遮光性の白色の合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)からなる。ケース5は、見返し2及び表示板4の背後に配置される。ケース5は、表示板4の前面に配置される見返し2を固定する。ケース5は、背後に回路基板を固定する。ケース5は、光源を収納する。ケース5は、複数の取り付けステー51を有する。この取り付けステー51が、ダッシュボード9にネジなどの固定具により固定されることで、表示装置100は車両に固定される。
【0023】
回路基板は、例えばFR-4(Flame Retardant-4)等の平板状のガラスエポキシ系基材に配線パターンを施した硬質配線基板からなる。回路基板は指針駆動部や液晶表示器や各種光源を実装し、これらを駆動・制御するための指令信号を出力する制御手段,抵抗体(抵抗素子),コンデンサ等の各種回路部品が前記配線パターンに導通接続される。
【0024】
ゴムキャップ6は、袋状に形成された黒色のゴムからなり、リブ11に被さる。ゴムキャップ6は、発砲プラスチックや不織布等であってもよい。ゴムキャップ6は、リブ11とダッシュボード間において、車両の振動などにより擦れが発生しても、軋み音や異音などの症状を防止する。
【0025】
このように形成されることにより、ダッシュボード9からリブ11に負荷がかかっても、リブ11の近辺を見返し2を介して最終的に剛性の高いケース5で支持することで、レンズ1の変形を防止し良好な外観を有する表示装置100を提供することができる。
【0026】
また、レンズ1に第1の凹部12を形成しリブ11近辺の剛性を高くすることで、よりレンズ1の変形を防止し、良好な外観を有する表示装置を提供することができる。また、見返し2に第2の凹部21を形成しこの部分の剛性を高くすることで、見返し2の変形も防止しよりレンズ1の変形を防止し、良好な外観を有する表示装置を提供することができる。
【0027】
尚、本開示の表示装置100を上記した実施形態の構成にて例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【0028】
例えば、第1の凹部12及び第2の凹部21は背後に凹形状に形成されていたが、図4に示すように、前面に凸形状に形成されてもよい。第2の当接部23は、表示板4と当接していたが、表示板4を貫通し、ケース5と当接しても良い。
【符号の説明】
【0029】
100 表示器
1 レンズ(前面部材)
11 リブ
12 第1の凹部(第1の被当接部)
12a 凹部背面
13 透視部
2 見返し(見返し部材)
21 第2の凹部(第2の被当接部)
22 第1の当接部
23 第2の当接部
3 指針
31 指示部
32 指針キャプ
4 表示板
5 ケース(ケース部材)
51 取付ステー
6 ゴムキャップ(緩衝部材)
9 ダッシュボード
図1
図2
図3
図4