(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 10/26 20060101AFI20240509BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20240509BHJP
B60K 6/54 20071001ALI20240509BHJP
B60W 20/13 20160101ALI20240509BHJP
B60W 20/20 20160101ALI20240509BHJP
B60W 20/50 20160101ALI20240509BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20240509BHJP
B60L 50/61 20190101ALI20240509BHJP
B60L 58/16 20190101ALI20240509BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240509BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20240509BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B60W10/26 900
B60K6/48 ZHV
B60K6/54
B60W20/13
B60W20/20
B60W20/50
B60L50/16
B60L50/61
B60L58/16
B60L58/12
H01M10/42 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2020138859
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯野 隼人
(72)【発明者】
【氏名】山本 航
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-130983(JP,A)
【文献】特開2012-006416(JP,A)
【文献】特開2016-215836(JP,A)
【文献】特開2005-348565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0349162(US,A1)
【文献】国際公開第2012/124070(WO,A1)
【文献】特開2017-159741(JP,A)
【文献】特開2013-106481(JP,A)
【文献】特開2005-127202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 20/50
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪に動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータと、
前記エンジンの動力を用いて発電を行う発電機と、
前記発電機により発電された電力によって充電されるバッテリと、
を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記バッテリのSOCが目標SOCとなるよう前記発電機により前記バッテリ
を充電する充電制御部と、
前記バッテリに流れる充電電流に基づき前記バッテリの劣化判定を行う劣化判定部と、
前記劣化判定中、前記エンジンを停止して前記モータを前記駆動源として走行するEV走行を禁止する制御部と、を備え、
前記劣化判定部は、
前記劣化判定が完了すると、劣化判定フラグを、前記劣化判定の完了を示す情報にセットし、前記劣化判定フラグが前記劣化判定の完了を示す情報にセットされている間は前記目標SOCを第1の値に設定し、
前記劣化判定フラグがリセットされた場合、前記目標SOCを前記第1の値よりも大きい第2の値に設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記ハイブリッド車両は、
前記劣化判定部により制御され、前記バッテリと前記発電機とを電気的に接続又は遮断するスイッチと、
を備え、
前記劣化判定部は、
前記バッテリのSOCが前記目標SOC以上である場合、前記バッテリと前記発電機とを電気的に遮断するよう前記スイッチを制御し、
前記劣化判定が完了していない場合、前記バッテリと前記発電機とを電気的に接続するよう前記スイッチを制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記バッテリのSOCを前記第1の値から前記第2の値にするのに必要な前記充電電流の量が少なくとも前記劣化判定を完了するまでに必要な前記充電電流の量以上となるように、前記第1の値と前記第2の値との差が設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オルタネータによる発電開始前におけるバッテリの端子電圧と、オルタネータによる発電開始後におけるバッテリの充電電流とを検出し、検出した端子電圧が所定の値以下であり、かつ検出した充電電流が所定の値以下であるときに、バッテリの劣化度合いが所定のレベルに達していると判定する、バッテリの劣化診断装置が開示されている。
【0003】
バッテリの充電電流に基づきバッテリの劣化度合いを判定する劣化診断装置では、バッテリの劣化度合いを判定するにあたり、ある程度の大きさの充電電流を安定して流すことが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばメンテナンス等でバッテリを取り外した場合等、劣化診断装置とバッテリとを切り離した場合、バッテリの劣化度合いの判定結果がリセットされてしまう。その後、劣化診断装置とバッテリとが接続されると、再度、バッテリの充電電流に基づきバッテリの劣化度合いを判定することとなる。
【0006】
しかしながら、劣化診断装置から切り離す前のバッテリが十分に充電されていた場合、上述のように再度バッテリの充電電流に基づきバッテリの劣化度合いの判定を行おうとしても、バッテリに十分な充電電流を流すことができない。この結果、バッテリの劣化度合いの判定を完了することができない。
【0007】
バッテリの劣化度合いの判定が完了していない間は、自動停止したエンジンが再始動できなくなることを回避するため、エンジンの自動停止が禁止される。このため、バッテリの劣化度合いの判定が完了しないと、エンジンを自動停止することができず、燃費が悪化してしまう。
【0008】
特許文献1に記載のバッテリの劣化診断装置にあっては、バッテリの劣化度合いの判定結果がリセットされた場合の措置について何ら考慮されていないため、改善の余地があった。
【0009】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、バッテリの劣化判定の結果がリセットされた場合であっても、バッテリの劣化判定を行うことができ、燃費が悪化してしまうことを防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、駆動輪に動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータと、前記エンジンの動力を用いて発電を行う発電機と、前記発電機により発電された電力によって充電されるバッテリと、を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、前記バッテリのSOCが目標SOCとなるよう前記発電機により前記バッテリを充電する充電制御部と、前記バッテリに流れる充電電流に基づき前記バッテリの劣化判定を行う劣化判定部と、前記劣化判定中、前記エンジンを停止して前記モータを前記駆動源として走行するEV走行を禁止する制御部と、を備え、前記劣化判定部は、前記劣化判定が完了すると、劣化判定フラグを、前記劣化判定の完了を示す情報にセットし、前記劣化判定フラグが前記劣化判定の完了を示す情報にセットされている間は前記目標SOCを第1の値に設定し、前記劣化判定フラグがリセットされた場合、前記目標SOCを前記第1の値よりも大きい第2の値に設定する構成を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッテリの劣化判定の結果がリセットされた場合であっても、バッテリの劣化判定を行うことができ、燃費が悪化してしまうことを防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の低電圧パワーパックに関する電源経路を示す回路図であり、(a)はエンジンの駆動時、(b)はエンジンの自動停止時、(c)は第2蓄電装置が目標SOC以上である場合、の回路図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の低電圧BMSによって実行されるスイッチ切替処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第2蓄電装置の劣化判定の完了有無に応じて目標SOCを変更しない構成の比較例において、第2蓄電装置の劣化判定の結果がリセットされた場合のタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両において第2蓄電装置の劣化判定の結果がリセットされた場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、駆動輪に動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータと、エンジンの動力を用いて発電を行う発電機と、発電機により発電された電力によって充電されるバッテリと、を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、バッテリのSOCが目標SOCとなるよう発電機によりバッテリが充電されている間に、バッテリに流れる充電電流に基づきバッテリの劣化判定を行う劣化判定部と、劣化判定中、エンジンを停止してモータを駆動源として走行するEV走行を禁止する制御部と、を備え、劣化判定部は、劣化判定が完了している場合、目標SOCを第1の値に設定し、劣化判定が完了していない場合、目標SOCを第1の値よりも大きい第2の値に設定することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、バッテリの劣化判定の結果がリセットされた場合であっても、バッテリの劣化判定を行うことができ、燃費が悪化してしまうことを防止することができる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、エンジン2と、トランスミッション3と、モータとしてのモータジェネレータ4と、駆動輪5と、ハイブリッド車両1を総合的に制御するHCU(Hybrid Control Unit)10と、エンジン2を制御するECM(Engine Control Module)11と、トランスミッション3を制御するTCM(Transmission Control Module)12と、ISGCM(Integrated Starter Generator Control Module)13と、INVCM(Invertor Control Module)14と、低電圧BMS(Battery Management System)15と、高電圧BMS16とを含んで構成される。エンジン2及びモータジェネレータ4は、駆動輪5に動力を伝達する駆動源を構成する。
【0016】
エンジン2には、複数の気筒が形成されている。本実施例において、エンジン2は、各気筒に対して、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行うように構成されている。
【0017】
エンジン2には、ISG(Integrated Starter Generator)20と、スタータ21とが連結されている。ISG20は、ベルトやチェーンなどの動力伝達部材22を介してエンジン2のクランクシャフト18に連結されている。ISG20は、電力が供給されることにより回転することでエンジン2を回転駆動させる電動機の機能と、クランクシャフト18から入力された回転力を電力に変換する、すなわちエンジン2の動力を用いて発電を行う発電機の機能とを有する。
【0018】
本実施例では、ISG20は、ISGCM13の制御により、電動機として機能することで、エンジン2をアイドリングストップ機能による停止状態から再始動させるようになっている。ISG20は、電動機として機能することで、ハイブリッド車両1の走行をアシストすることもできる。
【0019】
スタータ21は、図示しないモータとピニオンギヤとを含んで構成されている。スタータ21は、モータを回転させることにより、クランクシャフト18を回転させて、エンジン2に始動時の回転力を与えるようになっている。このように、エンジン2は、スタータ21によって始動され、アイドリングストップ機能による停止状態からISG20によって再始動される。
【0020】
トランスミッション3は、エンジン2から出力された回転を変速してドライブシャフト23を介して駆動輪5に伝達し、当該駆動輪5を駆動するようになっている。トランスミッション3は、平行軸歯車機構からなる常時噛合式の変速機構25と、ノーマルクローズタイプの乾式クラッチによって構成されるクラッチ26と、減速機としてのディファレンシャル機構27と、アクチュエータ51、52とを備えている。
【0021】
クラッチ26は、変速機構25とエンジン2との間に設けられ、締結または非締結が切り換えられることにより、駆動輪5とエンジン2との間の動力伝達経路を遮断または接続するものである。
【0022】
トランスミッション3は、いわゆるAMT(Automated Manual Transmission)として構成されており、前進用の複数の変速段及び後進用の変速段を含む複数の変速段を成立可能に構成されている。トランスミッション3は、TCM12により制御されたアクチュエータ52により変速機構25における変速段の切換えが行われ、アクチュエータ51によりクラッチ26の締結及び非締結が行われるようになっている。ディファレンシャル機構27は、変速機構25によって出力された動力をドライブシャフト23に伝達するようになっている。
【0023】
モータジェネレータ4は、ディファレンシャル機構27に対して、チェーン等の動力伝達部材28を介して連結されている。モータジェネレータ4は、ディファレンシャル機構27を介してドライブシャフト23に接続されている。モータジェネレータ4は、電動機として機能する。
【0024】
このように、ハイブリッド車両1は、エンジン2とモータジェネレータ4の両方の動力を車両の駆動に用いることが可能なパラレルハイブリッドシステムを構成しており、エンジン2及びモータジェネレータ4の少なくとも一方が出力する動力により走行するようになっている。
【0025】
ハイブリッド車両1の走行モードとしては、少なくとも、エンジン2とモータジェネレータ4の駆動力をドライブシャフト23に伝達してハイブリッド車両1を走行させるHEV走行モードと、モータジェネレータ4のみの駆動力をドライブシャフト23に伝達してハイブリッド車両1を走行させるEV走行モードとがある。EV走行モードでは、エンジン2を停止してモータジェネレータ4を駆動源として走行するEV走行が行われる。
【0026】
モータジェネレータ4は、駆動輪5の回転を利用して発電を行う発電機としても機能し、ハイブリッド車両1の走行によって発電を行うようになっている。なお、モータジェネレータ4は、エンジン2から駆動輪5までの動力伝達経路の何れかの箇所に動力伝達可能に連結されていればよく、必ずしもディファレンシャル機構27に連結される必要はない。
【0027】
ハイブリッド車両1は、第1蓄電装置30と、バッテリとしての第2蓄電装置31を含む低電圧パワーパック32と、第3蓄電装置33を含む高電圧パワーパック34と、高電圧ケーブル35と、低電圧ケーブル36とを備えている。
【0028】
第1蓄電装置30、第2蓄電装置31及び第3蓄電装置33は、充電可能な二次電池から構成されている。第1蓄電装置30は鉛電池からなる。第2蓄電装置31は、第1蓄電装置30よりも高出力かつ高エネルギー密度な蓄電装置である。
【0029】
第2蓄電装置31は、ISG20により発電された電力によって充電されるよう構成されており、第1蓄電装置30と比較して短い時間で充電が可能である。本実施例では、第2蓄電装置31はリチウムイオン電池からなる。第2蓄電装置31の残容量(以下、「SOC」という)などの状態は、低電圧BMS15によって管理される。なお、第2蓄電装置31はニッケル水素蓄電池であってもよい。
【0030】
第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31は、約12Vの出力電圧を発生するようにセルの個数等が設定された低電圧バッテリである。第3蓄電装置33は、例えば、リチウムイオン電池からなる。
【0031】
第3蓄電装置33は、第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31より高電圧を発生するようにセルの個数等が設定された高電圧バッテリであり、例えば、100Vの出力電圧を発生させる。第3蓄電装置33のSOCなどの状態は、高電圧BMS16によって管理される。
【0032】
ハイブリッド車両1には、電気的な負荷として一般負荷37及び被保護負荷38が設けられている。一般負荷37及び被保護負荷38は、スタータ21及びISG20以外の電気的な負荷である。本実施例において、被保護負荷38は電気負荷を構成する。
【0033】
被保護負荷38は、常に安定した電力供給が要求される電気的な負荷である。この被保護負荷38は、ハイブリッド車両1の横滑りを防止するスタビリティ制御装置、操舵輪の操作力を電気的にアシストする電動パワーステアリング制御装置、及びヘッドライトを含んでいる。なお、被保護負荷38は、図示しないインストルメントパネルのランプ類及びメータ類並びにカーナビゲーションシステムも含んでいる。
【0034】
一般負荷37は、被保護負荷38と比較して安定した電力供給が要求されず、一時的に使用される電気的な負荷である。一般負荷37には、例えば、図示しないワイパー、及び、エンジン2に冷却風を送風する電動クーリングファンが含まれる。
【0035】
低電圧パワーパック32は、第2蓄電装置31に加えて、第1スイッチ40及び第2スイッチ41と、低電圧BMS15とを有している。第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31は、低電圧ケーブル36を介して、スタータ21と、ISG20と、一般負荷37及び被保護負荷38とに電力を供給可能に接続されている。被保護負荷38に対しては、第1蓄電装置30と第2蓄電装置31とが並列に電気的に接続されている。
【0036】
第1スイッチ40は、第2蓄電装置31と被保護負荷38との間の低電圧ケーブル36に設けられている。第1スイッチ40は、低電圧BMS15によって開閉が制御され、第2蓄電装置31と被保護負荷38とを電気的に接続又は遮断するようになっている。第1スイッチ40が閉じられると、第2蓄電装置31と被保護負荷38とが電気的に接続される。第1スイッチ40が開かれると、第2蓄電装置31と被保護負荷38とが電気的に遮断される。
【0037】
第2スイッチ41は、第1蓄電装置30と被保護負荷38との間の低電圧ケーブル36に設けられている。第2スイッチ41は、低電圧BMS15によって開閉が制御される。第2スイッチ41が閉じられると、第1蓄電装置30と被保護負荷38とが電気的に接続される。第2スイッチ41が開かれると、第1蓄電装置30と被保護負荷38とが電気的に遮断される。
【0038】
低電圧BMS15は、第1スイッチ40及び第2スイッチ41の開閉を制御することで、第2蓄電装置31の充放電及び被保護負荷38への電力供給を制御している。
【0039】
図2(a)に示すように、エンジン2が駆動しているときは、低電圧BMS15は、第1スイッチ40及び第2スイッチ41の両方を閉じることで、ISG20で発電した電力を第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31のそれぞれに供給して第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31を充電する。このとき、ISG20で発電した電力は、一般負荷37及び被保護負荷38にも供給される。本実施例において、第1スイッチ40及び第2スイッチ41はスイッチを構成する。
【0040】
図2(b)に示すように、アイドリングストップによりエンジン2が停止しているときは、低電圧BMS15は、第1スイッチ40を閉じて第2スイッチ41を開くことで、高出力かつ高エネルギー密度な第2蓄電装置31から被保護負荷38に電力を供給する。このとき、一般負荷37には、第1蓄電装置30から電力が供給される。
【0041】
さらに、低電圧BMS15は、エンジン2をスタータ21によって始動するとき、及び、アイドリングストップ制御によって停止しているエンジン2をISG20によって再始動するときに、第1スイッチ40を閉じて第2スイッチ41を開くことで、第1蓄電装置30からスタータ21又はISG20に電力を供給するようになっている。第1スイッチ40を閉じて第2スイッチ41を開いた状態では、第1蓄電装置30から一般負荷37にも電力が供給される。
【0042】
図2(c)に示すように、エンジン2が駆動しているときに第2蓄電装置31のSOCが目標SOC以上である場合には、低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の過充電を回避するため第1スイッチ40を開いて第2スイッチ41を閉じる。これにより、低電圧BMS15は、第2蓄電装置31とISG20及び被保護負荷38とを電気的に遮断し、第2蓄電装置31が充電されないようにする。
【0043】
図1に示すように、第2蓄電装置31は、一般負荷37と被保護負荷38の両方に電力を供給可能に接続されているが、常に安定した電力供給が要求される被保護負荷38に優先的に電力を供給するように第1スイッチ40及び第2スイッチ41が低電圧BMS15により制御される。
【0044】
低電圧BMS15は、第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の充電状態(残容量)、並びに、一般負荷37及び被保護負荷38への作動要求を考慮し、被保護負荷38が安定して作動することを優先して、第1スイッチ40及び第2スイッチ41を上述した例と異なるように制御することがある。
【0045】
高電圧パワーパック34は、第3蓄電装置33に加えて、インバータ45と、INVCM14と、高電圧BMS16とを有している。高電圧パワーパック34は、高電圧ケーブル35を介して、モータジェネレータ4に電力を供給可能に接続されている。
【0046】
インバータ45は、INVCM14の制御により、高電圧ケーブル35にかかる交流電力と、第3蓄電装置33にかかる直流電力とを相互に変換するようになっている。例えば、INVCM14は、モータジェネレータ4を力行させるときには、第3蓄電装置33が放電した直流電力をインバータ45により交流電力に変換させてモータジェネレータ4に供給する。
【0047】
INVCM14は、モータジェネレータ4を回生させるときには、モータジェネレータ4が発電した交流電力をインバータ45により直流電力に変換させて第3蓄電装置33に充電する。
【0048】
HCU10、ECM11、TCM12、ISGCM13、INVCM14、低電圧BMS15及び高電圧BMS16は、それぞれCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0049】
これらのコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをHCU10、ECM11、TCM12、ISGCM13、INVCM14、低電圧BMS15及び高電圧BMS16としてそれぞれ機能させるためのプログラムが格納されている。
【0050】
すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、これらのコンピュータユニットは、本実施例におけるHCU10、ECM11、TCM12、ISGCM13、INVCM14、低電圧BMS15及び高電圧BMS16としてそれぞれ機能する。
【0051】
本実施例において、ECM11は、アイドリングストップ制御を実行するようになっている。このアイドリングストップ制御において、ECM11は、所定の停止条件の成立時にエンジン2を自動停止させ、所定の再始動条件の成立時にISGCM13を介してISG20を駆動してエンジン2を再始動させるようになっている。このため、エンジン2の不要なアイドリングが行われなくなり、ハイブリッド車両1の燃費を向上させることができる。
【0052】
本実施例において、低電圧BMS15は、エンジン2の駆動時に、第2蓄電装置31のSOCが目標SOCとなるようISG20によって第2蓄電装置31を充電するようになっている。目標SOCは、後述する第2蓄電装置31の劣化判定が完了しているか否かに応じてそれぞれ異なる値に設定される。
【0053】
具体的には、低電圧BMS15は、後述する第2蓄電装置31の劣化判定が完了している場合、目標SOCを第1の値としてのX[%]に設定する。低電圧BMS15は、後述する第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合、目標SOCを第2の値としてのY[%]に設定する。ここで、Y[%]は、X[%]よりも大きな値である。
【0054】
本実施例においては、第2蓄電装置31のSOCをX[%]からY[%]にするのに必要な第2蓄電装置31の充電電流の量が少なくとも第2蓄電装置31の劣化判定を完了するまでに必要な充電電流の量以上となるように、X[%]とY[%]との差(例えば、5%)が設定されている。
【0055】
低電圧BMS15は、前述のように第2蓄電装置31を充電している間に、第2蓄電装置31に流れる充電電流に基づき第2蓄電装置31の劣化判定を行うようになっている。
【0056】
具体的には、低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の充電開始から所定期間の間に第2蓄電装置31に流れた充電電流の積算値が所定値以下である場合に、第2蓄電装置31が劣化していると判定することができる。低電圧BMS15が前述のように判定できるのは、第2蓄電装置31の劣化が進行していると、第2蓄電装置31の内部抵抗が増大するからである。
【0057】
低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の充電開始から所定期間の間に第2蓄電装置31に流れた充電電流の積算値が所定値以下でない、すなわち所定値より大きい場合には、第2蓄電装置31が劣化していないと判定することができる。本実施例において、低電圧BMS15は、劣化判定部を構成する。
【0058】
低電圧BMS15は、上述の第2蓄電装置31の劣化判定が完了した場合に劣化判定フラグを例えば「1」に設定し、当該劣化判定が完了していない未完了の場合に劣化判定フラグを例えば「0」に設定する。
【0059】
低電圧BMS15は、第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の少なくとも一方と低電圧BMS15との接続が遮断された場合、例えばメンテナンス等により第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の少なくとも一方がハイブリッド車両1から取り外された場合には、上述の劣化判定フラグをリセットして「0」に設定する。
【0060】
したがって、低電圧BMS15は、例えば第2蓄電装置31の劣化判定が完了している状態(劣化判定フラグ=1)で、第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の少なくとも一方がハイブリッド車両1から取り外されると、劣化判定フラグが「0」に設定される。第1蓄電装置30又は第2蓄電装置31のいずれかが取り外された場合に劣化判定フラグをリセットする構成であってもよい。
【0061】
低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の劣化判定に際し、第2蓄電装置31の充電開始から所定期間の間に第2蓄電装置31に流れた充電電流の平均値を用いてもよい。この場合、低電圧BMS15は、充電電流の平均値が所定の平均値以下である場合に第2蓄電装置31が劣化していると判定することができる。
【0062】
低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合、第2蓄電装置31とISG20とを電気的に接続するよう、第1スイッチ40及び第2スイッチ41を閉じる。本実施例において、前述のように第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合に第1スイッチ40及び第2スイッチ41を閉じるという構成には、第2スイッチ41が閉じられている状態で第1スイッチ40を閉じる構成が含まれる。
【0063】
ハイブリッド車両1には、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内LAN(Local Area Network)を形成するためのCAN通信線48、49が設けられている。
【0064】
HCU10は、INVCM14及び高電圧BMS16にCAN通信線48によって接続されている。HCU10、INVCM14及び高電圧BMS16は、CAN通信線48を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行う。
【0065】
HCU10は、ECM11、TCM12、ISGCM13及び低電圧BMS15にCAN通信線49によって接続されている。HCU10、ECM11、TCM12、ISGCM13及び低電圧BMS15は、CAN通信線49を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行う。
【0066】
HCU10には、駆動輪5を含む各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ10a、図示しないアクセルペダルの操作量をアクセル開度として検出するアクセル開度センサ10b、クラッチ26の係合度を検出するクラッチストロークセンサ10c、クランク角センサ10dが接続されている。HCU10は、クランク角センサ10dからの検出情報に基づきエンジン2の回転速度であるエンジン回転速度を算出する。
【0067】
車輪速センサ10aは、車輪が所定角分回転するごとにパルスを発生させるパルス信号を車速パルスとして出力する。HCU10は、この車速パルスに基づいてハイブリッド車両1の車速を算出する。
【0068】
HCU10は、低電圧BMS15による第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合、劣化判定中である場合、又は、低電圧BMS15によって第2蓄電装置31が劣化していると判定された場合、EV走行を禁止する。すなわち、HCU10は、ハイブリッド車両1の走行モードをEV走行モードに移行しないようにする。
【0069】
また、HCU10は、第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の少なくとも一方でもSOCが所定のSOCを下回る場合にも、EV走行を禁止する。
【0070】
上述のようにEV走行が禁止される各状況においては、アイドリングストップ制御におけるエンジン2の自動停止も禁止される。
【0071】
次に、
図3を参照して、低電圧BMS15によって実行されるスイッチ切替処理の流れについて説明する。
【0072】
図3に示すスイッチ切替処理は、第2スイッチ41が閉じられている状態において所定の時間間隔で繰り返し実行される。したがって、本実施例においては、
図3に示すスイッチ切替処理を実行するにあたっては第2スイッチ41が閉じられていることが前提となる。
【0073】
図3に示すように、低電圧BMS15は、第2蓄電装置31の劣化判定が完了したか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、低電圧BMS15は、劣化判定フラグが「1」に設定されているか否かを判定する。
【0074】
低電圧BMS15は、ステップS1において第2蓄電装置31の劣化判定が完了していると判定した場合には、第2蓄電装置31の目標SOCをX[%]に設定し(ステップS2)、処理をステップS4に移行する。
【0075】
低電圧BMS15は、ステップS1において第2蓄電装置31の劣化判定が完了していないと判定した場合には、第2蓄電装置31の目標SOCをY[%]に設定し(ステップS3)、処理をステップS4に移行する。
【0076】
ステップS4において、低電圧BMS15は、第2蓄電装置31のSOCが目標SOC以上か否かを判定する。低電圧BMS15は、ステップS4において第2蓄電装置31のSOCが目標SOC以上であると判定した場合には、第1スイッチ40を開いて(ステップS5)、スイッチ切替処理を終了する。これにより、第2蓄電装置31の過充電が防止される。
【0077】
低電圧BMS15は、ステップS4において第2蓄電装置31のSOCが目標SOC以上でない、すなわち目標SOC未満であると判定した場合には、第1スイッチ40を閉じて(ステップS6)、スイッチ切替処理を終了する。これにより、第2蓄電装置31が充電される。第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合には、当該充電時に第2蓄電装置31に流れる充電電流に基づき第2蓄電装置31の劣化判定が行われる。
【0078】
次に、
図5を参照して、第2蓄電装置31の劣化判定の結果がリセットされた場合の第1スイッチ40の状態、第2蓄電装置31のSOC及び充電電流の遷移について、
図4に示す比較例と比較して説明する。
図4に示す比較例は、第2蓄電装置の劣化判定の完了有無に応じて目標SOCを変更しない構成である。
【0079】
図4に示すように、比較例においては、第2蓄電装置の劣化判定が完了しているか否かに関わらず、第2蓄電装置の目標SOCがY[%]に設定されている。したがって、比較例では、劣化判定が完了している状態で時刻t1において第2蓄電装置のSOCがY[%]に達すると、第1スイッチが開かれ、第2蓄電装置に流れる充電電流が0となる。
【0080】
その後、時刻t2において、例えば車両点検等のため第1蓄電装置及び第2蓄電装置の少なくとも一方がハイブリッド車両から取り外されると、劣化判定フラグがリセットされ、第2蓄電装置の劣化判定が未完了の状態となる。このとき、第2蓄電装置の目標SOCは、Y[%]のままである。
【0081】
次いで、時刻t3において、時刻t2において取り外された蓄電装置がハイブリッド車両に装着されると、第2蓄電装置のSOCが目標SOCのY[%]のままであるため、第1スイッチが開かれた状態のままとなる。すなわち、第2蓄電装置の過充電防止のため、第1スイッチを開いて第2蓄電装置への充電を行わない状態としている。
【0082】
このため、比較例にあっては、蓄電装置がハイブリッド車両に装着された後に第2蓄電装置に充電電流を流すことができず、第2蓄電装置の劣化判定を行うことができない。これにより、比較例に係るハイブリッド車両にあっては、エンジンの自動停止が行われず、燃費が悪化するうえに運転者に違和感を与えてしまう。
【0083】
この場合、第2蓄電装置からの放電電流に基づき第2蓄電装置の劣化判定を行うことも考えられるが、エンジンの自動停止の禁止によってEV走行も禁止されるため、ある程度の大きさの放電電流を安定して確保することも困難である。
【0084】
これに対し、本実施例に係るハイブリッド車両1では、
図5に示すように、第2蓄電装置31の劣化判定が完了している場合、第2蓄電装置31の目標SOCがX[%]に設定されている。
【0085】
したがって、本実施例に係るハイブリッド車両1では、劣化判定が完了している状態で時刻t1において第2蓄電装置31のSOCがX[%]に達すると、第1スイッチ40が開かれ、第2蓄電装置31に流れる充電電流が0となる。
【0086】
その後、時刻t2において、例えば車両点検等のため第1蓄電装置30及び第2蓄電装置31の少なくとも一方がハイブリッド車両1から取り外されると、劣化判定フラグがリセットされ、第2蓄電装置31の劣化判定が未完了の状態となる。
【0087】
次いで、時刻t3において、時刻t2において取り外された蓄電装置がハイブリッド車両1に装着されると、劣化判定フラグが未完了を示す「0」であるため、第2蓄電装置31の目標SOCがX[%]よりも大きいY[%]に設定される。第2蓄電装置31の目標SOCは、時刻t2において劣化判定フラグがリセットされた時点でY[%]に設定されてもよい。
【0088】
時刻t3においては、さらに第1スイッチ40が閉じられ、第2蓄電装置31への充電が開始される。これにより、第2蓄電装置31には充電電流が流れることになる。このため、時刻t3以降に第2蓄電装置31に流れる充電電流に基づき、第2蓄電装置31の劣化判定が行われる。
【0089】
その後、時刻t4において、第2蓄電装置31のSOCがY[%]に達すると、第2蓄電装置31の過充電防止のため第1スイッチ40が開かれ、第2蓄電装置31の劣化判定が完了する。
【0090】
このように、本実施例に係るハイブリッド車両1では、蓄電装置がハイブリッド車両1に装着された後に第2蓄電装置31に充電電流を流すことができ、第2蓄電装置31の劣化判定を行うことができる。これにより、本実施例に係るハイブリッド車両1では、エンジン2の自動停止が行われることにより、燃費が悪化することが防止され、かつ運転者に違和感を与えてしまうといったことも防止される。
【0091】
以上のように、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合には、当該劣化判定が完了している場合と比較して第2蓄電装置31の目標SOCの値を大きくするよう構成されている。
【0092】
このため、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31が目標SOCに維持された状態で第2蓄電装置31の劣化判定の結果がリセットされ、第2蓄電装置31の劣化判定が未完了状態となると、第2蓄電装置31の目標SOCの値が大きな値に設定される。
【0093】
これにより、第2蓄電装置31が目標SOCに維持された状態で第2蓄電装置31の劣化判定の結果がリセットされた後の劣化判定の未完了状態において第2蓄電装置31に充電電流を流すことができる。
【0094】
したがって、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31が目標SOCに維持された状態で第2蓄電装置31の劣化判定の結果がリセットされた場合であっても、バッテリの劣化判定を行うことができ、燃費が悪化してしまうことを防止することができる。
【0095】
また、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合、第2蓄電装置31とISG20とを電気的に接続するよう第1スイッチ40及び第2スイッチ41を制御するよう構成されている。
【0096】
この構成により、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31の劣化判定が完了していない場合に、ISG20の発電によって生じた電流を充電電流として第2蓄電装置31に流すことができる。
【0097】
また、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31のSOCをX[%]からY[%]にするのに必要な充電電流の量が少なくとも第2蓄電装置31の劣化判定を完了するまでに必要な充電電流の量以上となるように、X[%]とY[%]との差(例えば、5%)を設定している。
【0098】
この構成により、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、第2蓄電装置31のSOCがX[%]の状態からY[%]に達するまでの間に確実に第2蓄電装置31の劣化判定を完了することができる。したがって、第2蓄電装置31のSOCがX[%]に維持された状態で第2蓄電装置31の劣化判定の結果がリセットされた場合であっても、その後、第2蓄電装置31の劣化判定を完了することができる。
【0099】
なお、本実施例においては、発電機としてISG20を用いる例について説明したが、発電機としてオルタネータを用いてもよい。
【0100】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0101】
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
4 モータジェネレータ(モータ)
5 駆動輪
10 HCU(制御部)
15 低電圧BMS(劣化判定部)
20 ISG(発電機)
30 第1蓄電装置
31 第2蓄電装置(バッテリ)
32 低電圧パワーパック
36 低電圧ケーブル
37 一般負荷
38 被保護負荷
40 第1スイッチ(スイッチ)
41 第2スイッチ(スイッチ)