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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】弾性クローラ
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/253 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
B62D55/253 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020144384
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039389
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 優希
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-097274(JP,A)
【文献】特開2019-089457(JP,A)
【文献】特開2010-120550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0061212(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101472785(CN,A)
【文献】国際公開第90/000488(WO,A1)
【文献】特開2006-315628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/253
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料から形成されておりかつエンドレスベルト形状を有する主部
及び
所定のピッチPにて周方向に沿って並ぶ複数の芯金
を備えており、
それぞれの芯金が、上記主部に埋設されており、
上記芯金の周方向サイズSの、上記芯金とこれに隣接する芯金との間隔(P-S)に対する比(S/(P-S))が、0.40以下であり、
上記芯金の幅Wcの、上記主部の幅Wmに対する比(Wc/Wm)が、0.40以上0.60以下である弾性クローラ。
【請求項2】
上記芯金における、上記周方向サイズSの幅Wcに対する比(S/Wc)が、0.10以上0.20以下である、請求項1に記載の弾性クローラ。
【請求項3】
上記比(S/(P-S))が0.30以下である請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
【請求項4】
上記比(Wc/Wm)が0.40以上0.50以下である請求項1から3のいずれかに記載の弾性クローラ。
【請求項5】
上記芯金が中央部とこの中央部から幅方向外側に向かって延在するウイングとを有しており、
上記芯金の周方向サイズSに対する、上記中央部と上記ウイングとの境界における上記ウイングの厚さTの比(T/S)が、0.20以上0.40以下である請求項1から4のいずれかに記載の弾性クローラ。
【請求項6】
上記主部の材質が架橋ゴムであり、
上記主部のJIS-A硬度が65以上80以下である請求項1から5のいずれかに記載の弾性クローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行装置の弾性クローラに関する。詳細には、本発明は、エンドレスベルト形状を有する主部と、この主部に埋設された芯金とを有するクローラに関する。
【背景技術】
【0002】
走行装置の弾性クローラは、ゴム等からなりエンドレスベルト形状を有する主部と、この主部に埋設された複数の芯金とを有している。芯金を有する弾性クローラが、特開2006-315628公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-315628公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
走行装置は、駆動輪及び従動輪を有する。弾性クローラは、この駆動輪及び従動輪に架け渡される。クローラは駆動輪に巻かれ、かつ従動輪にも巻かれる。このクローラは、駆動輪及び従動輪において、屈曲する。この屈曲により、クローラに応力が生じる。この応力に抗して、クローラは屈曲する。屈曲は、エネルギーロスを招来する。屈曲は、走行装置の低燃費性能を阻害する。
【0005】
前述の通り、弾性クローラは芯金を有する。芯金の密度は、概して大きい。芯金を有するクローラの質量は、大きい。大きな質量は、走行装置の低燃費性能を阻害する。
【0006】
本発明の目的は、走行装置の低燃費性能に寄与しうる弾性クローラの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る弾性クローラは、
(1)弾性材料から形成されておりかつエンドレスベルト形状を有する主部
及び
(2)所定のピッチPにて周方向に沿って並ぶ複数の芯金
を有する。それぞれの芯金は、主部に埋設されている。この芯金の周方向サイズSの、芯金とこれに隣接する芯金との間隔(P-S)に対する比(S/(P-S))は、0.40以下である。この芯金の幅Wcの、主部の幅Wmに対する比(Wc/Wm)は、0.40以上0.60以下である。
【0008】
好ましくは、芯金における、周方向サイズSの幅Wcに対する比(S/Wc)は、0.10以上0.20以下である。
【0009】
好ましくは、比(S/(P-S))は、0.30以下である。好ましくは、比(Wc/Wm)は、0.40以上0.50以下である。
【0010】
芯金は、中央部とこの中央部から幅方向外側に向かって延在するウイングとを有しうる。好ましくは、芯金の周方向サイズSに対する、中央部とウイングとの境界におけるウイングの厚さTの比(T/S)は、0.20以上0.40以下である。
【0011】
主部の材質が架橋ゴムであってよい。好ましくは、この主部のJIS-A硬度は、65以上80以下である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る弾性クローラを有する走行装置が示された概略図である。
図2図2は、図1のクローラの外周面が示された拡大図である。
図3図3は、図1のクローラの内周面が示された拡大図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図2のV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、図4の弾性クローラの芯金の一部が示された拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1に、走行装置2が示されている。この走行装置2は、駆動輪4、従動輪6、複数の転輪8及び弾性クローラ10を有している。駆動輪4及び従動輪6は、主車輪12である。この走行装置2は、図示されない駆動手段(エンジン等)を有している。この駆動手段により、駆動輪4が回転させられる。典型的な駆動輪4は、スプロケットである。クローラ10は駆動輪4と従動輪6とに架け渡されている。クローラ10は駆動輪4に巻かれており、従動輪6にも巻かれている。駆動輪4の回転により、クローラ10が回転する。クローラ10が回転するとき、転輪8はクローラ10を案内する。この案内により、クローラ10の蛇行が阻止される。クローラ10の回転により、装置2が走行する。典型的な走行装置2として、土木機器、建設機器及び農業用機器が挙げられる。走行装置2が、複数の従動輪6を有してもよい。走行装置2が、従動輪6と他の従動輪6との間に位置する転輪8を有してもよい。
【0015】
図2-5に弾性クローラ10が示されている。図2にはクローラ10の外周面が示されており、図3にはクローラ10の内周面が示されている。図4図2のIV-IV線に沿った断面図であり、図5図2のV-V線に沿った断面図である。各図面において、矢印Xは幅方向を表し、矢印Yは周方向を表し、矢印Zは厚み方向を表す。この弾性クローラ10は、主部14、複数のラグ16、複数の芯金18、複数の転輪ガイド20及び一対の抗帳体22を有している。
【0016】
主部14は、エンドレスベルト形状を有する。この主部14は、外周面24及び内周面26を有している。主部14はさらに、一対の外縁28を有している。図2において矢印Wmで示されているのは、主部14の幅である。幅Wmは、一方の外縁28から他方の外縁28までの距離である。主部14の幅Wmは、クローラ10の幅でもある。一般的な弾性クローラ10の幅Wmは、100mm以上600mm以下である。主部14は、複数の係合孔30を有している。クローラ10が走行するとき、この係合孔30に駆動輪4の爪32(図1参照)が入り込む。この爪32により、駆動輪4からクローラ10へと、駆動力が伝達される。主部14が、係合孔30に代えて凹みを有してもよい。この主部14では、爪32が凹みを押圧する。爪30が、芯金18の突出を直接に押圧してもよい。
【0017】
主部14は、弾性材料から形成されている。ゴム、合成樹脂、エラストマー等が、主部14に用いられ得る。典型的な主部14の材質は、架橋されたゴム組成物である。典型的な主部14の密度は、0.8g/cmから2.0g/cmである。
【0018】
図2に示されるように、複数のラグ16が、周方向に沿って並んでいる。これらのラグ16は、等ピッチで並んでいる。本実施形態では、弾性クローラ10は、複数の左ラグ16a及び複数の右ラグ16bを有している。左ラグ16a及び右ラグ16bは、周方向に沿って交互に並んでいる。それぞれの左ラグ16aの左端は、左側の外縁28と一致している。それぞれの右ラグ16bの右端は、右側の外縁28と一致している。右ラグ16bは、左ラグ16aの形状がミラー反転された形状を有する。
【0019】
図4及び5に示されるように、それぞれのラグ16は、主部14の外周面24から突出している。このラグ16の材質は、主部14の材質とは異なっている。ラグ16の材質が、主部14の材質と同じであってもよい。
【0020】
図2及び3に示されるように、複数の芯金18が周方向に沿って並んでいる。これらの芯金18は、等ピッチで並んでいる。それぞれの芯金18は、幅方向中心に位置している。本実施形態では、この芯金18は、左右対称な形状を有している。芯金18が、左右非対称な形状を有してもよい。図4に示されるように、この芯金18は、中央部34、一対のウイング36及び一対の突起38を有している。それぞれのウイング36は、中央部34から幅方向外側に向かって延在している。それぞれの突起38は、中央部34から内向きに突出している。中央部34、ウイング36及び突起38は、一体で形成されている。
【0021】
芯金18は、硬質材料からなる。芯金18の典型的な材質は、スチール、ステンレススチール等の金属である。典型的な芯金18の密度は、3.0g/cmから10.0g/cmである。
【0022】
図4から明らかなように、芯金18は主部14に埋設されている。芯金18の一部が、主部14から露出してもよい。芯金18の一部が主部14から露出する場合も含め、本発明では、「埋設」と称される。
【0023】
図3に示されるように、複数の転輪ガイド20が周方向に沿って並んでいる。これらの転輪ガイド20は、等ピッチで並んでいる。それぞれの転輪ガイド20は、幅方向中心に位置している。図4及び5に示されるように、この転輪ガイド20は、主部14の内周面26から突出している。この転輪ガイド20は、一対のノブ40を有している。それぞれのノブ40は、芯金18の突起38を含んでいる。このノブ40はさらに、主部14の一部を含んでいる。ノブ40が、主部14を含まなくてもよい。換言すれば、ノブ40において、芯金18が露出してもよい。
【0024】
図5に示されるように、それぞれの抗帳体22は、複数のコード42を有している。それぞれのコード42は、周方向に延在している。このコード42は、主部14の過剰な伸張を抑制しうる。コード42の典型的な材質は、スチール、ステンレススチール等の金属である。コード42が、有機繊維から形成されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、主車輪12に巻かれることで、弾性クローラ10は屈曲している。屈曲したクローラ10では、主部14の内周面26の近傍が収縮しており、この内周面26の近傍において圧縮応力が発生している。屈曲したクローラ10では、主部14の外周面24の近傍が伸張しており、この外周面24の近傍において引張り応力が発生している。
【0026】
弾性クローラ10が主車輪12に巻き付いている状態であっても、芯金18は屈曲し得ない。従って屈曲は、芯金18とこれに隣接する芯金18とに挟まれた部分44(以下「挟まれ部」と称する。図3参照。)において生じている。
【0027】
図3において、矢印Pは芯金18のピッチを表し、矢印Sは芯金18の周方向サイズを表す。サイズSは、ウイング36(図4参照)において測定される。矢印(P-S)は、挟まれ部44の周方向距離である。距離(P-S)は、芯金18とこれに隣接する芯金18との間隔でもある。ピッチP及び距離(P-S)は、クローラ10が屈曲していない状態で、周方向に沿って測定される。
【0028】
前述の通り、屈曲は主として挟まれ部44で生じる。挟まれ部44の距離(P-S)が十分に大きいクローラ10では、屈曲によって生じる応力が小さい。このクローラ10は、容易に屈曲しうる。このクローラ10では、屈曲に起因するエネルギーロスが小さい。このクローラ10は、走行装置2の低燃費に寄与しうる。
【0029】
低燃費性能の観点から、周方向サイズSの、距離(P-S)に対する比(S/(P-S))は、0.40以下が好ましく、0.35以下がより好ましく、0.30以下が特に好ましい。芯金18の耐久性及びクローラ10の剛性の観点から、比(S/(P-S))は0.20以上が好ましい。
【0030】
図4において、矢印Wmは主部14の幅を表し、矢印Wcは芯金18の幅を表す。幅Wmは、弾性クローラ10の幅でもある。幅Wcの幅Wmに対する比(Wc/Wm)は、0.60以下が好ましい。前述の通り、主部14は弾性材料からなり、芯金18は金属からなる。芯金18の密度は、主部14の密度よりも大きい。比(Wc/Wm)が0.60以下であるクローラ10は、軽量である。このクローラ10は、低燃費性能に優れる。この観点から、比(Wc/Wm)は0.55以下がより好ましく、0.50以下が特に好ましい。クローラ10の剛性及び耐久性の観点から、この比(Wc/Wm)は0.40以上が好ましい。
【0031】
芯金18における、周方向サイズSの、幅Wcに対する比(S/Wc)は、0.10以上0.20以下が好ましい。この比(S/Wc)が0.10以上である芯金18は、比(Wc/Wm)が小さいにもかかわらず、強度に優れる。この観点から、この比(S/Wc)は0.12以上がより好ましく、0.13以上が特に好ましい。この比(S/Wc)が0.20以下であるクローラ10は、耐久性に優れかつ軽量である。これらの観点から、この比(S/Wc)は0.18以下がより好ましく、0.17以下が特に好ましい。
【0032】
図6は、図4の弾性クローラ10の芯金18の一部が示された拡大断面図である。図6には、中央部34、ウイング36及び突起38が示されている。図6において符号Pbは、中央部34とウイング36との境界点である。境界点Pbは、ウイング36の上側輪郭線Luの延長線と、突起38の外側輪郭線Loの延長線との、交点である。矢印Tは、境界点Pbにおけるウイング36の厚さを表す。
【0033】
芯金18の周方向サイズSに対する、ウイング36の厚さTの比(T/S)は、0.20以上0.40以下が好ましい。この比(T/S)が0.20以上である芯金18は、比(Wc/Wm)が小さいにもかかわらず、強度に優れる。この観点から、この比(T/S)は0.23以上がより好ましく、0.25以上が特に好ましい。この比(T/S)が0.40以下である芯金18は、軽量である。この観点から、この比(T/S)は0.37以下がより好ましく、0.35以下が特に好ましい。
【0034】
芯金18の幅Wcに対するウイング36の厚さTの比(T/Wc)は、0.03以上 0.08以下が好ましい。この比(T/Wc)が0.03以上である芯金18は、比(Wc/Wm)が小さいにもかかわらず、強度に優れる。この観点から、この比(T/Wc)は0.04以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。この比(T/Wc)が0.08以下である芯金18は、軽量である。この観点から、この比(T/Wc)は0.07以下がより好ましく、0.06以下が特に好ましい。
【0035】
主部14の硬度は、65以上80以下が好ましい。硬度が65以上である弾性クローラ10は、比(S/(P-S))及び比(Wc/Wm)が小さい芯金18を有するにもかかわらず、耐久性に優れる。この観点から、硬度は68以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度が80以下である主部14は、屈曲性に優れる。この主部14を有するクローラ10は、低燃費性能に優れる。この観点から、硬度は78以下がより好ましく、76以下が特に好ましい。硬度は、JIS-Aタイプの硬度計が主部14に押しつけられることで、測定される。測定時の温度は、23℃である。
【0036】
図2、4及び5から明らかなように、この弾性クローラ10は、内周面26に溝を有していない。従ってこのクローラ10では、溝に依存する屈曲性改善は、望めない。このクローラ10では、溝に依存する軽量も望めない。しかしこのクローラ10では、芯金18のサイズが適正であることに依存して、適切な屈曲性が発揮され、かつ軽量が達成される。溝を有さないクローラ10では、溝に転輪8が嵌まることに起因する振動が生じない。このクローラ10は、静寂性に優れる。溝を有さないクローラ10では、内周面26への土砂付着が生じにくい。従って、土砂が転輪8で押圧されることに起因する損傷が、生じにくい。このクローラ10は、耐久性に優れる。このクローラ10は、低燃費性能、静寂性及び耐久性のバランスに優れる。内周面26が、溝を有してもよい。
【実施例
【0037】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0038】
[実験1]
[実施例1]
図1-6に示された構造を有する弾性クローラを製作した。このクローラは、以下の仕様を有していた。
主部の幅Wm:250mm
ピッチP:90mm
芯金の幅Wc:120mm
芯金の周方向サイズS:20mm
厚みT:6mm
主部の硬度:75(JIS A)
【0039】
[実施例2-4]
主部の硬度を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-4の弾性クローラを得た。
【0040】
[屈曲性]
弾性クローラを切断して、所定長さの試験片を得た。この試験片の一端と他端とを接触させ、中央近傍を屈曲させた。この中央近傍の屈曲径を測定し、屈曲性の格付けを行った。この結果が、下記の表1に示されている。
【0041】
[軽量性]
弾性クローラの質量を測定し、軽量性の格付けを行った。この結果が、下記の表1に示されている。
【0042】
[剛性]
弾性クローラの幅方向における剛性を官能評価し、格付けを行った。この結果が、下記の表1に示されている。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示される通り、各実施例のクローラでは、全ての評価項目において、「A」又は「B」の格付けが得られている。
【0045】
[実験2]
[実施例5-7]
芯金の厚さTを変更した他は実施例1と同様にして、実施例5-7の弾性クローラを得た。
【0046】
[評価]
弾性クローラの屈曲性、軽量性及び剛性を、実験1と同様の方法で評価した。この結果が、下記の表2に示されている。
【0047】
【表2】
【0048】
表2に示される通り、各実施例のクローラでは、全ての評価項目において、「A」又は「B」の格付けが得られている。
【0049】
[実験3]
[実施例8及び9並びに比較例1及び2]
芯金の幅Wcを変更した他は実施例1と同様にして、実施例8及び9並びに比較例1及び2の弾性クローラを得た。
【0050】
[評価]
弾性クローラの屈曲性、軽量性及び剛性を、実験1と同様の方法で評価した。この結果が、下記の表3に示されている。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示される通り、比較例1のクローラでは、剛性の格付けが「C」である。比較例2のクローラでは、軽量性の格付けが「C」である。一方、各実施例のクローラでは、全ての評価項目において、「A」又は「B」の格付けが得られている。
【0053】
[実験4]
[実施例10-12及び比較例3]
芯金のサイズSを変更した他は実施例1と同様にして、実施例10-12及び比較例3の弾性クローラを得た。
【0054】
[評価]
弾性クローラの屈曲性、軽量性及び剛性を、実験1と同様の方法で評価した。この結果が、下記の表4に示されている。
【0055】
【表4】
【0056】
表4に示される通り、比較例3のクローラでは、屈曲性の格付けが「C」であり、かつ軽量性の格付けが「C」である。一方、各実施例のクローラでは、全ての評価項目において、「A」又は「B」の格付けが得られている。
【0057】
表1-4に示された評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る弾性クローラは、種々の走行装置に適している。
【符号の説明】
【0059】
2・・・走行装置
4・・・駆動輪
6・・・従動輪
10・・・弾性クローラ
14・・・主部
16・・・ラグ
18・・・芯金
20・・・転輪ガイド
22・・・抗帳体
24・・・外周面
26・・・内周面
30・・・係合孔
34・・・中央部
36・・・ウイング
38・・・突起
40・・・ノブ
42・・・コード
図1
図2
図3
図4
図5
図6