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特許7484592パーテーション用ブランクシートおよびパーテーション用ブランクシートの製造方法
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  • 特許-パーテーション用ブランクシートおよびパーテーション用ブランクシートの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】パーテーション用ブランクシートおよびパーテーション用ブランクシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020147958
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042544
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2023-01-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年5月18日に長野森紙業株式会社が、TSネットワーク株式会社に発明に係るブランクシートを販売。
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】家永 博幸
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235192(JP,A)
【文献】特開平05-318625(JP,A)
【文献】特開2017-178340(JP,A)
【文献】特開2000-083781(JP,A)
【文献】特開2013-185313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
A47G 5/00
A47B 96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーテーションを形成するための段ボール製のパーテーション用ブランクシートであって、
横方向に連設された三枚の第一壁板と、
前記第一壁板の縦方向の一方の縁部に連設された第二壁板と、
前記第一壁板の縦方向の他方の縁部に連設されたフラップと、を備え、
隣り合う前記第一壁板同士は、縦方向に延びている縦罫線を介して連設されており、
前記第一壁板と前記第二壁板とは、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線を介して連設され、
前記第一壁板と前記フラップとは、横方向に延びている第二横罫線を介して連設されており、
前記第一壁板に対して前記第二壁板を折り返して、前記第一壁板に前記第二壁板を重ねた二重壁を形成可能であることを特徴とするパーテーション用ブランクシート。
【請求項2】
横方向に連設された三枚の第一壁板と、
前記第一壁板の縦方向の一方の縁部に連設された第二壁板と、
前記第一壁板の縦方向の他方の縁部に連設されたフラップと、を備え
前記第一壁板に対して前記第二壁板を折り返して、前記第一壁板に前記第二壁板を重ねた二重壁を形成可能であるパーテーシ用ブランクシートの製造方法であって、
横方向に延びている平行な二本の第一横罫線と、横方向に延びている第二横罫線とが縦方向に間隔を空けて形成された段ボール製の基材シートを用意する段階と、
縦方向に移動する前記基材シートに対して、横方向の軸回りに回転するクリーザによって、中央の前記第一壁板の両側縁部となる二本の縦罫線を形成する段階と、
横方向の軸回りに回転するスロッタの外周部に取り付けられた切断刃によって、隣り合う前記第二壁板同士の境界および隣り合う前記フラップ同士の境界となるスリットを前記縦罫線の延長線上に形成する段階と、
を備えていることを特徴とするパーテーション用ブランクシートの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のパーテーション用ブランクシートの製造方法であって、
前記基材シートを縦方向に移動させる搬送路に、前記クリーザおよび前記スロッタが設けられており、
横方向に並べられた四つの前記クリーザのうち二つの前記クリーザによって、前記基材シートに前記縦罫線を形成するとともに、
横方向に並べられた四つの前記スロッタのうち二つの前記スロッタによって、前記基材シートに前記スリットを形成することを特徴とするパーテーション用ブランクシートの製造方法。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のパーテーション用ブランクシートの製造方法であって、
コルゲータの第一スコアラと第二スコアラとを横方向に並べて配置するとともに、
前記第一スコアラの罫線ローラと、前記第二スコアラの罫線ローラとを縦方向にずらして配置し、
前記基材シートを横方向に移動させて、前記第一スコアラおよび前記第二スコアラに前記基材シートを通過させることで、前記両罫線ローラによって、前記基材シートに二本の前記第一横罫線を形成することを特徴とするパーテーション用ブランクシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーテーション用ブランクシートおよびパーテーション用ブランクシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
卓上に設置するパーテーションとしては、プラスチック製の三枚の壁板が横方向に連設されており、中央の壁板に対して左右の壁板が手前側に折り曲げられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6209750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来のパーテーションでは、使用条件に応じて壁の高さを変えることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、使用条件に応じて壁の高さを変えることができる段ボール製のパーテーション用ブランクシートおよびパーテーション用ブランクシートの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第一の発明は、パーテーションを形成するための段ボール製のパーテーション用ブランクシートである。前記ブランクシートは、横方向に連設された三枚の第一壁板と、前記第一壁板の縦方向の一方の縁部に連設された第二壁板と、前記第一壁板の縦方向の他方の縁部に連設されたフラップと、を備えている。隣り合う前記第一壁板同士は、縦方向に延びている縦罫線を介して連設されている。前記第一壁板と前記第二壁板とは、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線を介して連設されている。前記第一壁板と前記フラップとは、横方向に延びている第二横罫線を介して連設されている。 前記第一壁板に対して前記第二壁板を折り返して、前記第一壁板に前記第二壁板を重ねた二重壁を形成可能である。
【0007】
本発明のパーテーション用ブランクシートからパーテーションを形成するときには、中央の第一壁板に対して左右の第一壁板を手前側に折り曲げる。また、第一壁板に対してフラップを第一壁板の内面側に折り曲げて、第一壁板に対してフラップを垂直に配置する。さらに、第一壁板の内面側に第二壁板を折り返すことで、パーテーションを形成できる。
【0008】
本発明のパーテーション用ブランクシートでは、正面および左右に二重壁が配置されたパーテーションを形成できるため、パーテーションの防音効果を高めることができる。
また、本発明のブランクシートでは、第一壁板に対して第二壁板を折り返すことなく、第一壁板と第二壁板とを上下に連続させることで、パーテーションの壁を高くすることができる。
【0009】
本発明のパーテーション用ブランクシートからパーテーションを形成するときには、第一壁板に対して第二壁板を平行な二本の第一横罫線において折り曲げるため、折り曲げ部を安定して形成することができ、角部の形状を安定させることができる。
【0010】
本発明のパーテーション用ブランクシートは、中央の第一壁板に左右の第一壁板を重ねて折り畳むことで保管や搬送し易くなる。
本発明のパーテーション用ブランクシートは、段ボール製であるため、簡単に破棄してリサイクルすることができる。
【0011】
本発明のパーテーション用ブランクシートから形成したパーテーションを、フラップ側を下側にして設置した場合には、フラップの下面が設置面に面接触するため、パーテーションの安定性を高めるとともに、設置面に対して傷が付き難くなる。
本発明のパーテーション用ブランクシートから形成したパーテーションを、フラップ側を上側にして設置した場合には、壁の上縁部からフラップが内側に張り出すため、外側からの視線を効果的に遮ることできる。
【0012】
なお、プラスチック板の表面に付着したウィルスの残存期間よりも、段ボール製の板の表面に付着したウィルスの残存期間の方が大幅に短くなる。したがって、本発明の段ボール製のパーテーション用ブランクシートから形成されたパーテーションでは、プラスチック製のパーテーションに比べて表面に付着したウィルスの残存期間が短くなるため、ウィルスの蔓延防止に有効である。
【0013】
前記課題を解決するため、第二の発明は、横方向に連設された三枚の第一壁板と、前記第一壁板の縦方向の一方の縁部に連設された第二壁板と、前記第一壁板の縦方向の他方の縁部に連設されたフラップと、を備え、前記第一壁板に対して前記第二壁板を折り返して、前記第一壁板に前記第二壁板を重ねた二重壁を形成可能であるパーテーション用ブランクシートの製造方法である。まず、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線と、横方向に延びている第二横罫線とが縦方向に間隔を空けて形成された段ボール製の基材シートを用意する。次に、縦方向に移動する前記基材シートに対して、横方向の軸回りに回転するクリーザによって、中央の前記第一壁板の両側縁部となる二本の縦罫線を形成する。さらに、横方向の軸回りに回転するスロッタの外周部に取り付けられた切断刃によって、隣り合う前記第二壁板同士の境界および隣り合う前記フラップ同士の境界となるスリットを前記縦罫線の延長線上に形成する。
【0014】
本発明のパーテーション用ブランクシートの製造方法では、第一横罫線および第二横罫線が形成された基材シートを、縦方向に移動させてクリーザおよびスロッタを通過させることで、基材シートに第一壁板、第二壁板およびフラップを形成できる。このように、本発明のパーテーション用ブランクシートの製造方法では、基材シートを加工する際に、基材シートを停止させる必要がないため、パーテーション用ブランクシートを高速に連続して製造できる。
【0015】
前記したパーテーション用ブランクシートの製造方法において、前記基材シートを縦方向に移動させる搬送路に、前記クリーザおよび前記スロッタを設け、横方向に並べられた四つの前記クリーザのうち二つの前記クリーザによって、前記基材シートに前記縦罫線を形成する。さらに、横方向に並べられた四つの前記スロッタのうち二つの前記スロッタによって、前記基材シートに前記スリットを形成する。
【0016】
この構成では、A式の包装箱を製造可能な一般的なフレキソフォルダーグルア(FFG)からクリーザおよびスロッタを取り外すことなく、パーテーション用ブランクシートを製造できるため、パーテーション用ブランクシートの製造コストを低減できる。
【0017】
前記したパーテーション用ブランクシートの製造方法において、コルゲータの第一スコアラと第二スコアラとを横方向に並べて配置するとともに、前記第一スコアラの罫線ローラと、前記第二スコアラの罫線ローラとを縦方向にずらして配置する。そして、前記基材シートを横方向に移動させて、前記第一スコアラおよび前記第二スコアラに前記基材シートを通過させることで、前記両罫線ローラによって、前記基材シートに二本の前記第一横罫線を形成する。
【0018】
この構成では、二つのスコアラをシートの移動方向に並べて配置することで、両スコアラの罫線ローラがシートの移動方向に交差する横方向において干渉するのを防ぐことができる。これにより、両罫線ローラの横方向の間隔を狭くすることができ、二本の第一横罫線の間隔を狭くすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のパーテーション用ブランクシートでは、防音効果の高いとともに、使用条件に応じて壁の高さを変えことができるパーテーションを形成できる。また、本発明のパーテーション用ブランクシートは、段ボール製であるため、簡単に破棄してリサイクルすることができるとともに、表面に付着したウィルスの残存期間が短くなり、ウィルスの蔓延防止に有効である。
本発明のパーテーション用ブランクシートの製造方法では、基材シートを加工する際に、基材シートを停止させる必要がないため、パーテーション用ブランクシートを高速に連続して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るブランクシートを示した図である。
図2】本発明の実施形態に係るブランクシートを折り畳んだ状態を示した斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るパーテーションを組み立てる段階において、中央の第一壁板に対して左右の第一壁板を立ち上げた状態の斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るパーテーションを組み立てる段階を示した図で、左右の第一壁板に対して左右の第二壁板を折り返す段階を示した斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るパーテーションを、フラップを下側にして設置した状態の斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係るパーテーションを、フラップを上側にして設置した状態の斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係るパーテーションを、第一壁板と第二壁板とを上下に連続させて設置した状態の斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係るブランクシートの製造方法において、第一横罫線および第二横罫線を形成する段階を示した説明図である。
図9】本発明の実施形態に係るブランクシートの製造方法において、基材シートがクリーザおよびスロッタを通過する段階を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、上下左右方向とは、本実施形態のブランクシートおよびパーテーションを説明する上で便宜上設定したものであり、ブランクシートおよびパーテーションの構成や使用状態を限定するものではない。
【0022】
本実施形態のパーテーション用ブランクシートSは(以下、単に「ブランクシートS」という)、図1に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたものである。図1に示すブランクシートSは、内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSを各罫線において山折りまたは谷折りすることで、正面および左右に壁が配置されるパーテーション1(図5から図7参照)を形成できる。本実施形態では、職場などの机の卓上に設置されるパーテーション1を形成するためのブランクシートSを例として説明する。
【0023】
ブランクシートSの罫線は、ブランクシートSの表面を線状に押し込んで形成された押罫である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
【0024】
ブランクシートSは、横方向(左右方向)に連設された三枚の第一壁板10,11を備えている。また、ブランクシートSは、第一壁板10,11の縦方向の一方の縁部(図1における上側の縁部)に連設された第二壁板20,21と、第一壁板10,11の縦方向の他方の縁部(図1における下側の縁部)に連設されたフラップ30,31と、を備えている。
【0025】
三枚の第一壁板10,11は、四角形に形成されている。本実施形態では、三枚の第一壁板10,11のうち、中央の第一壁板10の横方向の幅は、左右の第一壁板11,11の横方向の幅よりも大きく形成されている。左右の第一壁板11,11は、同じ形状である。
【0026】
中央の第一壁板10と左側の第一壁板11とは、横方向に直交する縦方向に延びている縦罫線L1を介して連設されている。また、中央の壁板10と右側の第一壁板11とは、縦方向に延びている縦罫線L1を介して連設されている。このように、二本の縦罫線L1,L1は中央の第一壁板10の左右の側縁部を形成している。
【0027】
中央の第一壁板10の横方向の中間部には、縦方向に延びている罫線L5が形成されている。この罫線L5は、本実施形態のブランクシートSの製造方法において形成されてしまうものであるが、ブランクシートSからパーテーション1を形成するときに使用することはない。
【0028】
中央の第一壁板10の縦方向の一方の縁部には、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線L2,L2を介して、中央の第二壁板20が連設されている。中央の第二壁板20は、中央の第一壁板10と同じ形状である。
【0029】
左側の第一壁板11の縦方向の一方の縁部には、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線L2,L2を介して、左側の第二壁板21が連設されている。左側の第二壁板21は、左側の第一壁板11と同じ形状である。
【0030】
右側の第一壁板11の縦方向の一方の縁部には、横方向に延びている平行な二本の第一横罫線L2,L2を介して、右側の第二壁板21が連設されている。右側の第二壁板21は、右側の第一壁板11と同じ形状である。
【0031】
二本の第一横罫線L2,L2は縦方向に間隔を空けて平行している。本実施形態の両第一横罫線L2,L2は、ブランクシートSの基材シートS1(図8参照)を製造するコルゲータ100(図8参照)によって形成された線状の溝であるコルゲータ罫線である。
【0032】
中央の第二壁板20と左側の第二壁板21とは、縦方向に延びている第一スリットL11によって切り離されている。また、中央の第二壁板20と右側の第二壁板21とは、縦方向に延びている第一スリットL11によって切り離されている。
【0033】
中央の第一壁板10の縦方向の他方の縁部には、横方向に延びている第二横罫線L3を介して、中央のフラップ30が連設されている。
左側の第一壁板11の縦方向の他方の縁部には、横方向に延びている第二横罫線L3を介して、左側のフラップ31が連設されている。
右側の第一壁板11の縦方向の他方の縁部には、横方向に延びている第二横罫線L3を介して、右側のフラップ31が連設されている。
各フラップ30,31は、横方向に延びている帯状の部位である。
【0034】
本実施形態の第二横罫線L3は、ブランクシートSの基材シートS1(図8参照)を製造するコルゲータ100(図8参照)によって形成された線状の溝であるコルゲータ罫線である。
中央のフラップ30と左側のフラップ31とは、縦方向に延びている第二スリットL12によって切り離されている。また、中央のフラップ30と右側のフラップ31とは、縦方向に延びている第二スリットL12によって切り離されている。
【0035】
本実施形態のブランクシートSを搬送および保管するときには、図2に示すように、中央の第一壁板10に対して左右の第一壁板11,11を折り返して、中央の第一壁板10の内面に左右の第一壁板11,11を重ねる。このとき、中央の第二壁板20の内面に左右の第二壁板21,21が重なるとともに、中央のフラップ30の内面に、左右のフラップ31,31が重なる。このようにして、ブランクシートSを折り畳んだ状態で搬送および保管することができる。
【0036】
次に、ブランクシートSからパーテーション1を形成するときには、まず、図3に示すように、中央の第一壁板10の内面を上側にした状態で、ブランクシートSを作業面に載置する。そして、中央の第一壁板10に対して左右の第一壁板11,11を縦罫線L1,L1において上向きに折り曲げて、中央の第一壁板10に対して左右の第一壁板11,11を垂直に立ち上げる。
このとき、左右の第一壁板11,11とともに、左右の第二壁板21,21も中央の第二壁板20に対して垂直に立ち上がる。同様に、左右の第一壁板11,11とともに、左右のフラップ31,31も中央のフラップ30に対して垂直に立ち上がる。
【0037】
続いて、左側の第二壁板21に対して、左側のフラップ31を第二横罫線L3において左側の第二壁板21の内面側に折り曲げて、左側の第二壁板21に対して左側のフラップ31を垂直に配置する。同様に、右側の第二壁板21に対して右側のフラップ31を折り曲げて、右側の第二壁板21に対して右側のフラップ31を垂直に配置する。
【0038】
さらに、中央の第二壁板20に対して、中央のフラップ30を第二横罫線L3において中央の第二壁板20の内面側に折り曲げて、中央の第二壁板20に対して中央のフラップ30を垂直に配置する。そして、中央のフラップ30の左右の端部を左右のフラップ31,31の外面に重ねて粘着テープや接着剤によって接合する。
【0039】
その後、図4に示すように、各フラップ30,31を下側にしてブランクシートSを作業面に設置する。そして、左側の第一壁板11に対して左側の第二壁板21を二本の第一横罫線L2,L2において左側の第一壁板11の内面側に折り返す。同様に、右側の第一壁板11に対して右側の第二壁板21を二本の第一横罫線L2,L2において右側の第一壁板11の内面側に折り返す。このように、第一壁板11の内面に第二壁板21を重ねて二重壁を形成する。
【0040】
さらに、図5に示すように、中央の第一壁板10に対して中央の第二壁板21を二本の第一横罫線L2,L2において中央の第一壁板10の内面側に折り返す。このように、第一壁板10の内面に第二壁板20を重ねて二重壁を形成する。
中央の第一壁板10に対して中央の第二壁板20を折り返したときに、中央の第二壁板20は、左右の第二壁板21,21の間に押し込まれる。これにより、中央の第二壁板20の左右の縁部が、左右の第二壁板21,21に押し付けられるため、各第二壁板20,21が上方に向けて戻り難くなる。
【0041】
以上のようにして、正面に中央の第一壁板10および第二壁板20が配置され、中央の第一壁板10および第二壁板20に対して左右の第一壁板11,11および第二壁板21,21が手前側に折り曲げられたパーテーション1をブランクシートS(図1参照)から形成できる。
【0042】
なお、本実施形態のパーテーション1は、図6に示すように、各フラップ30,31を上側にして卓上に設置することもできる。
また、本実施形態のパーテーション1は、図7に示すように、第一壁板10,11に対して第二壁板20,21を折り返すことなく、第一壁板10,11と第二壁板20,21とを上下に連続させることで、壁を高くすることもできる。
【0043】
以上のようなブランクシートSでは、図5に示すように、第一壁板10,11の内面側に第二壁板20,21を折り返して二重壁を形成することで、パーテーション1の防音効果を高めることができる。
【0044】
本実施形態のブランクシートSでは、図7に示すように、第一壁板10,11に対して第二壁板20,21を折り返すことなく、第一壁板10,11と第二壁板20,21とを上下に連続させることで、パーテーション1の壁を高くすることができる。
【0045】
プラスチック板の表面に付着したウィルスの残存期間よりも、段ボール製の板の表面に付着したウィルスの残存期間の方が大幅に短くなる。したがって、本実施形態の段ボール製のブランクシートS(図1参照)から形成された図5に示すパーテーション1では、プラスチック製のパーテーションに比べて表面に付着したウィルスの残存期間が短くなる。そのため、本実施形態のブランクシートS(図1参照)から形成されたパーテーション1は、ウィルスの蔓延防止に有効である。
【0046】
本実施形態のブランクシートS(図1参照)では、第一壁板10,11に対して第二壁板20,21を平行な二本の第一横罫線L2,L2において折り曲げるため、折り曲げ部を安定して形成することができる。これにより、パーテーション1の上縁部の角部の形状を安定させることができる。
【0047】
また、フラップ30,31側を下側にしてパーテーション1を設置した場合には、フラップ30,31の下面が設置面に面接触するため、パーテーション1の安定性を高めるとともに、設置面に対して傷が付き難くなる。
【0048】
また、図6に示すように、フラップ側を上側にしてパーテーション1を設置した場合には、フラップ30,31が壁の上縁部から内側に張り出すため、外側からの視線を効果的に遮ることできる。
【0049】
本実施形態のブランクシートSは、図2に示すように、中央の第一壁板10に左右の第一壁板11,11を重ねるように折り畳むことで保管や搬送し易くなる。
本実施形態のブランクシートSは、段ボール製であるため、簡単に破棄してリサイクルすることができる。
【0050】
次に、本実施形態のブランクシートSの製造方法について説明する。
本実施形態のブランクシートSの製造方法では、まず、図8に示すコルゲータ100によって基材シートS1に第一横罫線L2および第二横罫線L3を形成する。続いて、図9に示す製函機200によって基材シートS1に縦罫線L1、第一スリットL11および第二スリットL12を形成して、ブランクシートSを形成する。
【0051】
図8に示すコルゲータ100には、第一スコアラ110および第二スコアラ120が設けられている。この二つのスコアラ110,120を用いて、基材シートS1に二本の第一横罫線L2,L2および一本の第二横罫線L3を形成している。
【0052】
第一スコアラ110には、上下一組の第一罫線ローラ111,111と、上下一組の第二罫線ローラ112,112と、が設けられている。
上下の第一罫線ローラ111,111の外周面には、周方向に延びている凹凸が全周に亘って形成されている。
基材シートS1が上下の第一罫線ローラ111,111の間を横方向C1に通過すると、両第一罫線ローラ111,111の外周面の凹凸が基材シートS1の外面および内面に押し付けられて、基材シートS1に第一横罫線L2が形成される。
第一横罫線L2は、基材シートS1の外面に形成された二本の溝と、基材シートS1の内面に形成された一本の溝とによって構成されている。外面の二本の溝の間となる位置に内面の溝が形成されている。
【0053】
上下の第二罫線ローラ112,112は、上下の第一罫線ローラ111,111に対して、横方向C1に直交する縦方向C2に間隔を空けて配置されている。
上下の第二罫線ローラ112,112は、上下の第一罫線ローラ111,111と同じ構成である。基材シートS1が上下の第二罫線ローラ112,112の間を横方向C1に通過すると、基材シートS1に第二横罫線L3が形成される。
【0054】
第二スコアラ120は、第一スコアラ110に対して横方向C1の下流側に並べて配置されている。第二スコアラ120には、上下一組の第三罫線ローラ113,113が設けられている。
上下の第三罫線ローラ113,113は、上下の第一罫線ローラ111,111と同じ構成である。基材シートS1が上下の第三罫線ローラ113,113の間を横方向C1に通過すると、基材シートS1に第一横罫線L2が形成される。
【0055】
両第一罫線ローラ111,111によって形成された第一横罫線L2と、両第三罫線ローラ113,113によって形成された第一横罫線L2とは、横方向C1に平行して延びている。両第一横罫線L2,L2の縦方向C2の間隔は狭く形成されている。
【0056】
本実施形態のコルゲータ100では、二つのスコアラ110,120が横方向C1に並べて配置されているため、第一スコアラ110の両第一罫線ローラ111,111と、第二スコアラ120の両第三罫線ローラ113,113とが横方向C1に直交する縦方向C2において干渉しないように構成されている。
これにより、コルゲータ100では、両第一罫線ローラ111,111と、両第三罫線ローラ113,113とを縦方向C2において近接させることができ、二本の第一横罫線L2,L2の間隔を狭くすることができる。
【0057】
本実施形態の製函機200は、図9に示すように、A式の包装箱を製造可能な一般的なフレキソフォルダーグルア(FFG)である。
製函機200のクリーザースロッタ部210は、基材シートS1を縦方向C2に移動させながら、基材シートS1に縦罫線L1、第一スリットL11および第二スリットL12を形成する装置である。
クリーザースロッタ部210は、横方向の軸回りに回転する四つのクリーザ220と、横方向の軸回りに回転する四つのスロッタ230と、を備えている。
【0058】
クリーザ220は、横方向C1(搬送方向に直交する方向)の軸回りに回転する円板状の部材である。四つのクリーザ220が横方向に間隔を空けて一本の回転軸221に取り付けられている。クリーザ220の外周面には、周方向に延びている凸部が形成されている。
基材シートS1が各クリーザ220を通過したときに、各クリーザ220の外周面が基材シートS1の内面に押し付けられて転動することで、基材シートS1の内面に罫線が形成される。図9の右から二つ目および四つ目のクリーザ220によって基材シートS1に二本の縦罫線L1,L1が形成される。また、図9の右から三つ目のクリーザ220によって基材シートS1に罫線L5が形成される。
【0059】
スロッタ230は、横方向の軸回りに回転する円板状の部材である。四つのスロッタ230が横方向に間隔を空けて一本の回転軸231に取り付けられている。各スロッタ230は、各クリーザ220に対して基材シートS1の搬送方向の下流側に並設されている。図9の右から二つ目および四つ目のスロッタ230の外周面には切断刃が取り付けられている。
【0060】
基材シートS1が各スロッタ230を通過したときに、図9の右から二つ目および四つ目のスロッタ230の切断刃によって、縦罫線L1の延長線上に第一スリットL11および第二スリットL12が形成される。
【0061】
次に、本実施形態におけるパーテーション1の製造方法について説明する。
まず、図8に示すように、コルゲータ100のスリッタスコアラに、段ボール製の基材シートS1を横方向C1に通過させて、第一スコアラ110および第二スコアラ120によって、基材シートS1に二本の第一横罫線L2,L2および一本の第二横罫線L3を形成する。
【0062】
続いて、図9に示すように、第一横罫線L2および第二横罫線L3が形成された基材シートS1を、製函機200の搬送路に供給し、基材シートS1を縦方向C2に移動させて、クリーザースロッタ部210を通過させる。
クリーザースロッタ部210では、三つのクリーザ220によって基材シートS1の内面に二本の縦罫線L1,L1と他の罫線L5が形成される。その後、二つのスロッタ230によって、縦罫線L1の延長線上に第一スリットL11および第二スリットL12が形成される。
【0063】
このように、A式の包装箱を製造可能なコルゲータ100(図8参照)および製函機200(図9参照)を用いて、図1に示すパーテーション用ブランクシートSを形成することができる。
【0064】
以上のような本実施形態のパーテーション用ブランクシートSの製造方法では、図8に示すように、コルゲータ100の二つのスコアラ110,120を基材シートS1の移動方向に並べて配置している。この構成では、両スコアラ110,120の罫線ローラ111,113が基材シートS1の移動方向に交差する横方向において干渉するのを防ぐことができる。これにより、両罫線ローラ111,113の横方向の間隔を狭くすることができ、二本の第一横罫線L2,L2の間隔を狭くすることができる。
【0065】
また、図9に示すように、第一横罫線L2および第二横罫線L3が形成された基材シートS1を、縦方向C2に移動させて製函機200のクリーザ220およびスロッタ230を通過させることで、ブランクシートSを形成できる。このように、基材シートS1を加工する際に、基材シートS1を停止させる必要がないため、ブランクシートSを高速に連続して製造できる。
【0066】
また、A式の包装箱を製造可能な一般的なフレキソフォルダーグルア(FFG)からクリーザ220およびスロッタ230を取り外すことなく、パーテーション用ブランクシートSを製造することができるため、パーテーション用ブランクシートSの製造コストを低減できる。
【0067】
また、本発明のブランクシートの製造方法では、平盤ダイカッタを用いて基材シートS1に罫線を形成する場合に比べて、罫線の深さを調整し易いため、基材シートS1の厚さに応じて折り曲げに適した深さの罫線を形成できる。
【0068】
また、パーテーションの壁の高さ(すなわち、第一壁板および第二壁板の縦方向の長さ)が異なるパーテーション用ブランクシートを製造するときに、平盤ダイカッタを用いた場合には、壁の高さごとに打ち抜き加工用の抜き型を用意する必要があるが、本発明のブランクシートの製造方法によれば、大きさの異なる基材シートを用意し、コルゲータの罫線ローラの位置を調整するだけでよいため、製造コストを低減できる。
【0069】
以上、本発明の実施形態のブランクシートSおよびブランクシートSの製造方法について説明したが、本発明は前記実施形態のブランクシートSおよびブランクシートSの製造方法に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態のパーテーション1では、図1に示すように、中央の第一壁板10の横方向の幅が、左右の第一壁板11,11の横方向の幅よりも大きく形成されている。また、左右の第一壁板11,11が同じ形状に形成されている。しかしながら、第一壁板10,11、第二壁板20,21およびフラップ30,31の形状は限定されるものではなく、使用条件に応じて適宜に形状が設定される。
【0070】
本実施形態のブランクシートSは、A式の包装箱を製造可能なコルゲータ100(図8参照)および製函機200(図9参照)を用いて形成しているが、平盤ダイカッタを用いてブランクシートSを形成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 パーテーション
10 中央の第一壁板
11 左右の第一壁板
20 中央の第二壁板
21 左右の第二壁板
30 中央のフラップ
31 左右のフラップ
100 コルゲータ
110 第一スコアラ
111 第一罫線ローラ
112 第二罫線ローラ
113 第三罫線ローラ
120 第二スコアラ
200 製函機
210 クリーザースロッタ部
220 クリーザ
230 スロッタ
L1 縦罫線
L11 罫線
L2 第一横罫線
L3 第二横罫線
L11 第一スリット
L12 第二スリット
S ブランクシート
S1 基材シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9