(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】水流発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/10 20060101AFI20240509BHJP
F03B 13/26 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
F03B13/10
F03B13/26
(21)【出願番号】P 2020156328
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】末福 久義
(72)【発明者】
【氏名】藤田 穣
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/00-13/26;17/00-17/06
F03B 1/00-11/08
B63B 1/00-85/00
B63J 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中を浮遊する基体と、
前記基体に搭載された第1発電機に連結され、水流を受けて回転する第1タービンと、
前記基体に搭載された第2発電機に連結され、水流を受けて回転する第2タービンと、
前記第1タービン及び前記第2タービンの回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1タービンの回転に伴う第1反トルクと前記第2タービンの回転に伴う第2反トルクとのバランスが崩れたアンバランス状態において、前記基体に作用する回転力を調整する調整処理を実行し、
前記調整処
理は、
前記第1タービン及び前記第2タービンのうち、前記基体の回転方向と逆向きの回転方向にて回転しているものを、回転数を調整する調整対象タービンとして特定することと、
前記第1反トルクと、前記第2反トルクと、前記第1反トルクと前記第2反トルクとのアンバランスに起因する前記基体の姿勢の変化に応じた復原力と、が釣り合うように、前記
調整対象タービ
ンの回転数を調整
することと、
前記基体のロール方向まわりの傾斜角度の単位時間当たりの変化量である角速度に基づいて、前記アンバランス状態が解消されたか否かを判断した結果、前記アンバランス状態が解消されたと判断された場合には前記回転数を調整することを終了することと、を含む、水流発電装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記基体のロール方向まわりの傾斜角度が経時的に変化している状態を前記アンバランス状態として、前記調整処理を実行する、
請求項1に記載の水流発電装置。
【請求項3】
前記基体の姿勢に関する情報を取得するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記センサによって取得された情報に基づいて、前記基体のロール方向まわりの傾斜角度が閾値以上であると判断したときに、前記調整処理を開始する、
請求項1
又は請求項2に記載の水流発電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1タービンのブレードのピッチ角度を調整することにより、前記第1タービンの回転数を調整し、又は、前記第2タービンのブレードのピッチ角度を調整することにより、前記第2タービンの回転数を調整する、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の水流発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水流発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中で浮遊可能な耐圧容器(基体)内に発電機を備えた発電装置がある。例えば特許文献1には、水流を受けて回転する一対のタービンブレード(タービン)を備え、タービンブレードの回転駆動力を受けて、耐圧容器内の発電機によって発電する双発式の発電装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
双発式の発電装置においては、一対のタービンが互いに逆方向に回転することで、一方のタービンの回転に伴う反トルクと他方のタービンの回転に伴う反トルクとが互いに打ち消し合う。これにより、基体に偏った回転力が作用することが抑制され、基体の姿勢が一定の状態に維持される。このため、例えば、一方のタービンの動作不良等によって、一対のタービンの反トルクのバランスが崩れた場合、基体に偏った回転力が作用し、基体の姿勢が乱れることが考えられる。基体の姿勢の乱れは、発電装置の運用上問題となることがあり得る。
【0005】
本開示は、基体の姿勢を安定化し得る水流発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である水流発電装置は、水中を浮遊する基体と、基体に搭載された第1発電機に連結され、水流を受けて回転する第1タービンと、基体に搭載された第2発電機に連結され、水流を受けて回転する第2タービンと、第1タービン及び第2タービンの回転を制御する制御部と、を備え、制御部は、第1タービンの回転に伴う第1反トルクと第2タービンの回転に伴う第2反トルクとのバランスが崩れたアンバランス状態において、基体に作用する回転力を調整する調整処理を実行し、調整処理では、第1反トルクと、第2反トルクと、第1反トルクと第2反トルクとのアンバランスに起因する基体の姿勢の変化に応じた復原力と、が釣り合うように、第1タービン及び第2タービンのいずれか一方の回転数を調整する。
【0007】
この水流発電装置では、アンバランス状態において、制御部が調整処理を実行することで基体に作用する回転力が調整される。この調整処理では、第1反トルクと第2反トルクと復原力とが釣り合うように、第1タービン及び第2タービンのいずれか一方の回転数が調整される。これにより、基体に作用する回転力が互いに打ち消し合うように、第1反トルク又は第2反トルクが調整されるので、基体に偏った回転力が作用し続けることが回避される。したがって、基体の姿勢の乱れが大きくなることを抑制できるので、基体の姿勢を安定化することができる。
【0008】
制御部は、基体のロール方向まわりの傾斜角度が経時的に変化している状態をアンバランス状態として、調整処理を実行してもよい。第1反トルクと第2反トルクとのバランスが崩れた場合には、ロール方向まわりの傾斜角度の経時的な変化が特に大きくなりやすい。したがって、この状態をアンバランス状態として調整処理を行うことで、基体の姿勢の乱れが大きくなることを効果的に抑制できる。
【0009】
調整処理は、第1タービン及び第2タービンのうち回転数を調整する対象を特定する特定処理を含み、特定処理では、基体の回転方向と逆向きの回転方向にて回転している第1タービン又は第2タービンを対象と特定してもよい。アンバランス状態においては、第1反トルクと第2反トルクとの差分トルク(回転力)が、基体に作用する。その結果、基体は、回転軸線に対して平行な軸線まわりの傾斜角度が経時的に変化する。例えば、第1タービンの回転に伴って生じる第1反トルクは、第1タービンの回転方向と逆向きの回転力である。第1反トルクは、第1タービンの回転方向と逆向きに基体を回転させる。一方、第2タービンの回転に伴って生じる第2反トルクは、第2タービンの回転方向と逆向きの回転力である。第2反トルクは、第2タービンの回転方向と逆向きに基体を回転させる。つまり、基体の回転方向によれば、第1反トルクと第2反トルクのいずれがアンバランスの要因となっているかを知ることができる。したがって、基体の回転方向と逆向きの回転方向にて回転している第1タービン又は第2タービンの回転数の調整により、第1反トルク及び第2反トルクのうちの大きい方が調整されるので、第1反トルクと第2反トルクと復原力とを釣り合わせやすい。
【0010】
基体の姿勢に関する情報を取得するセンサをさらに備え、制御部は、センサによって取得された情報に基づいて、基体のロール方向まわりの傾斜角度が閾値以上であると判断したときに、調整処理を開始してもよい。この構成では、アンバランス状態であっても基体のロール方向まわりの傾斜角度が閾値より小さい場合に、調整処理を省略できる。したがって、基体の姿勢の乱れが大きくなることを効率よく抑制できる。
【0011】
制御部は、第1タービンのブレードのピッチ角度を調整することにより、第1タービンの回転数を調整し、又は、第2タービンのブレードのピッチ角度を調整することにより、第2タービンの回転数を調整してもよい。この場合、第1タービンの回転数又は第2タービンの回転数を調整しやすい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、基体の姿勢を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る水流発電装置の概略構成を示す図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、
図1に示す発電用ポッドに設けられた機器類の概略構成を示す図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、基体の姿勢を説明するための図である。
【
図4】
図4は、コントローラの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、制御中の基体の姿勢を説明するための図である。
【
図6】
図6は、姿勢制御処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、回転力調整処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、制御後の基体の姿勢を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。以下では、水の流れを基準として「上流」及び「下流」を用いる。また、「前」というときは水の流れの上流側を意味し、「後」というときは水の流れの下流側を意味する。
【0015】
[水流発電装置]
図1を参照し、本実施形態に係る水流発電装置について説明する。
図1に示される水流発電装置1は、水流FWを利用して発電を行う水中浮遊式の発電装置である。以下、「水流発電装置1」を「発電装置1」と記す。発電装置1は、例えば、海洋に設置され、海流によって発電する場合に用いられる。発電装置1は、基体2と、タービン3A,3Bと、発電機4A,4Bと、タービン3A,3Bの回転を制御するコントローラ10(制御部)と、を備える。
【0016】
基体2は、一対のポッドとしての発電用ポッド21A,21Bと、ビーム22と、を有する。発電用ポッド21A,21Bは、水中を浮遊可能な浮体である。発電用ポッド21A,21Bの形状は、例えば、円筒形状である。発電用ポッド21Aの内部には、発電機4A(第1発電機)が搭載されている。発電用ポッド21Bの内部には、発電機4B(第2発電機)が搭載されている。発電用ポッド21A,21Bは、例えば左右に離間して配置されている。発電用ポッド21A,21Bは、ビーム22によって連結されている。ビーム22は、例えば水平に配置された矩形の板状体である。
【0017】
発電用ポッド21A,21Bは、水底に配置されたシンカ5に係留索6を介して接続されている。シンカ5は、例えば摩擦式のシンカでもよく、その他のシンカでもよい。なお、シンカ5に代えて水底に固定されたアンカに係留索6が接続されてもよい。アンカは、パイル式のアンカでもよく、サクション式のアンカでもよく、その他のアンカでもよい。係留索6の下端はシンカ5に接続され、係留索6の上端は発電用ポッド21A,21Bに接続されている。係留索6の上端は、例えば発電用ポッド21A,21Bにそれぞれ接続されている。係留索6の上端は、発電用ポッド21A,21Bに代えて、ビーム22に接続されていてもよい。
【0018】
発電用ポッド21A,21Bには、それぞれケーブル7が接続されている。ケーブル7は、発電機4A,4Bによって生成された電力を伝送するための送電ケーブルと、陸上設備(不図示)と通信するための通信ケーブルと、を含む。ケーブル7は、係留索6に沿って発電機4A,4Bからシンカ5に向けて延びるとともに、水底に沿って係留索6から陸上設備に向けて延びている。
【0019】
タービン3A,3Bは、発電用のタービンである。タービン3A,3Bは、水流を受けて回転するように構成されている。タービン3A(第1タービン)は、発電用ポッド21Aの後部に設けられている。タービン3B(第2タービン)は、発電用ポッド21Bの後部に設けられている。本実施形態において、タービン3A,3Bは、いわゆるダウンウィンド型のタービンである。なお、タービン3A,3Bは、アップウィンド型のタービンであってもよい。以下、
図2を併せて参照する。
図2(a)及び
図2(b)は、
図1に示す発電用ポッドに設けられた機器類の概略構成を示す図である。
【0020】
タービン3Aは、発電機4Aに連結されている。タービン3Aは、ハブ31Aと複数のブレード32Aとを有する。ハブ31Aは、発電用ポッド21Aの前後方向に沿う軸線まわりに回転可能に設けられている。具体的には、発電機4Aの回転軸41にハブ31Aが取り付けられている。ハブ31Aは、回転軸41と一体に回転する。ブレード32Aは、水流FWを受けて回転力を発生させる翼部材である。ブレード32Aは、ハブ31Aの外周に径方向へ向けて設けられている。
図2(a)では、2つのブレード32Aがハブ31Aに設けられているが、3つ以上のブレード32Aがハブ31Aに設けられていてもよい。
【0021】
タービン3Bは、発電機4Bに連結されている。タービン3Bは、ハブ31Bと複数のブレード32Bとを有する。ハブ31Bは、発電用ポッド21Bの前後方向に沿う軸線まわりに回転可能に設けられている。具体的には、発電機4Bの回転軸41にハブ31Bが取り付けられている。ハブ31Bは、回転軸41と一体に回転する。ブレード32Bは、水流FWを受けて回転力を発生させる翼部材である。ブレード32Bは、ハブ31Bの外周に径方向へ向けて設けられている。
図2(b)では、2つのブレード32Bがハブ31Bに設けられているが、3つ以上のブレード32Bがハブ31Bに設けられていてもよい。
【0022】
発電機4Aは、タービン3Aの回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する機器であり、タービン3Aの回転力を受けて発電する。発電機4Bは、タービン3Bの回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する機器であり、タービン3Bの回転力を受けて発電する。発電機4A,4Bにはパワーコンディショナが接続されていてもよい。発電機4A,4Bは、パワーコンディショナに対し発電電力を出力する。パワーコンディショナは、発電機4A,4Bの発電電力の調整及び発電運転制御を行うことができる。発電電力の調整は、交流電力である発電電力を直流電力に変換し、所望の周波数となるように直流電力を交流電力に変換して行われる。パワーコンディショナには、高圧受電部が接続されていてもよい。高圧受電部は、パワーコンディショナから出力される交流電力を変圧する。
【0023】
図2(a)及び
図2(b)に示されるように、発電装置1は、センサ23と、回転調整部24と、をさらに備えている。センサ23は、基体2の姿勢に関する情報を取得する。基体の姿勢に関する情報は、例えば、基体2の姿勢の傾斜角度の単位時間あたりの変化量、すなわち角速度である。センサ23は、例えば、ジャイロセンサである。センサ23は、基体2のロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向の角速度を検出する。センサ23は、検出した各方向の角速度をコントローラ10に随時出力する。発電用ポッド21A,21Bのうちのいずれか一方の内部にセンサ23が設けられていてもよいし、発電用ポッド21A,21Bの両方の内部にセンサ23がそれぞれ設けられていてもよい。
【0024】
回転調整部24は、タービン3A,3Bの回転数を調整する。回転調整部24は、ピッチ調整機構25A,25Bを有する。ピッチ調整機構25Aは、ブレード32Aのピッチ角度を調整することにより、タービン3Aの回転数を調整する。ピッチ調整機構25Bは、ブレード32Bのピッチ角度を調整することにより、タービン3Bの回転数を調整する。つまり、発電装置1において、ブレード32A,32Bのピッチ角度は可変になっている。
【0025】
ピッチ調整機構25Aは、発電用ポッド21Aの内部に設けられている。ピッチ調整機構25Bは、発電用ポッド21Bの内部に設けられている。ピッチ調整機構25A,25Bは、例えば油圧式の駆動装置26とブレード軸27とをそれぞれ備える。より詳細には、ブレード32A,32Bのそれぞれの基端部には、ブレード軸27が設けられている。このブレード軸27に、駆動装置26が連結されている。駆動装置26は、例えばハブ31A,31B内に搭載される。駆動装置26は、例えば、歯車機構を含んでいる。駆動装置26としては、公知の機構を用いることができる。駆動装置26は、コントローラ10によって制御されて、ブレード軸27を回転させて、ブレード32A,32Bのピッチ角度を任意の角度に調整可能である。ブレード軸27の駆動法は、油圧でなくともよく、電動モータ等を用いる電動式の駆動方法でもよい。
【0026】
次に、基体2の姿勢について説明する。
図3は、基体の姿勢を説明するための図である。
図3(a)は、上述したタービン3A,3Bの両方が正常に動作している状態における基体2の姿勢を示す図である。なお、理解の容易化のため、
図3においては、基体2の浮心BC及び重心GCを基体2の外に図示しているが、浮心BCは基体2に作用する浮力Bの中心であり、重心GCは基体2の重心である。タービン3A,3Bの両方が正常に動作している状態において、ブレード32Aのピッチとブレード32Bのピッチとは互いに逆向きである。これにより、タービン3Aとタービン3Bとは、水流FWを受けて互いに逆向きに回転する。
図3(a)に示されるように、タービン3Aは、上流から見て反時計回りの回転方向RAに回転し、タービン3Bは、上流から見て反時計回りの回転方向RBに回転する。
【0027】
このとき、タービン3A,3Bの回転に伴って、基体2には、反トルクMA,MBが作用する。タービン3Aの回転に伴う反トルクMA(第1反トルク)は、回転方向RAと逆向きの回転力であり、タービン3Bの回転に伴う反トルクMB(第2反トルク)は、回転方向RBと逆向きの回転力である。ブレード32A,32Bのピッチ角度は、反トルクMA,MBが互いに同じ大きさになるように制御される。これにより、反トルクMA,MBが相殺され、基体2の姿勢が安定する。具体的には、タービン3Aの回転軸線とタービン3Bの回転軸線とを通る直線L1が水平方向に沿うとともに基体2の浮心BCと重心GCとを通る直線L2が鉛直方向に沿った姿勢で安定する。基体2は、このように略水平な姿勢にて水中を浮遊する。なお、タービン3Aが、上流側から見て時計回りに回転し、タービン3Bが、上流側から見て反時計回りに回転してもよい。
【0028】
ここで、機器類の故障、又は何らかの外力等により、タービン3A,3Bの一方が正常に動作しなくなり、反トルクMA,MBのバランスが崩れる場合がある。反トルクMA,MBのバランスが崩れると、基体2の姿勢が変化する。反トルクMA,MBのバランスが崩れる状態としては、タービン3A,3Bの一方の回転にロックが掛かった場合、ブレード32A,32Bの一方のピッチ角度を制御できなくなった場合等が挙げられる。ブレード32A,32Bのピッチ角度を制御できなくなった場合の例には、ブレード32A,32Bのピッチ角度を変更できなくなった場合、及びブレード32A,32Bがフリーラン状態となった場合等が挙げられる。
図3(b)は、反トルクMA,MBのバランスが崩れた状態の基体2の姿勢を示す図である。
図3(b)の例では、ブレード32Aがフリーラン状態となり、ブレード32Bが正常な状態である。
【0029】
ブレード32Aがフリーラン状態となると、ブレード32Aが水流FWを受けても回転力を発生させにくくなり、タービン3Aの回転が弱まったり停止したりする。これにより、反トルクMAが0もしくは極端に小さい値となり、反トルクMA,MBの大きさにずれが生じる。この反トルクMA,MBの大きさのずれに相当する回転力が基体2に作用し、基体2がロール方向まわりに傾斜する。すなわち、基体2の姿勢が乱れる。基体2がロール方向まわりに傾斜すると、基体2のヨー方向まわりの傾斜も生じ得る。
【0030】
[コントローラ]
コントローラ10は、
図3(b)に示されるように基体2の姿勢が乱れた際に、基体2の姿勢を安定させるための制御を実行するように構成されている。
図4は、コントローラの機能的な構成を示すブロック図である。以下、機能的な構成を「機能モジュール」という。
図4に示されるように、コントローラ10は、機能モジュールとして、傾斜角度取得部11と、判断部12と、調整部13と、を有する。調整部13は、特定部14と、ピッチ制御部15と、角速度取得部16とを含む。これらの機能モジュールは、コントローラ10の機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラ10を構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものであってもよく、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0031】
傾斜角度取得部11は、基体2の姿勢に関する情報を取得する。
図5は、コントローラによる制御中の基体2の姿勢を説明するための図である。なお、理解の容易化のため、
図5においても、
図3の場合と同様に、基体2の浮心BC及び重心GCを基体2の外に図示している。傾斜角度取得部11は、センサ23に接続され、センサ23から出力される情報を随時取得する。傾斜角度取得部11は、センサ23から取得した情報に基づいて、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θを取得する。本実施形態において、傾斜角度取得部11は、センサ23から出力された角速度ωの時間についての積分値を傾斜角度θとして取得する。傾斜角度取得部11は、取得した傾斜角度θを判断部12に送信する。
【0032】
判断部12は、傾斜角度取得部11から受信した傾斜角度θに基づいて、調整部13による制御を開始するか否かを判断する。具体的には、判断部12は、傾斜角度θが閾値以上であると判断したときに、調整部13による制御を開始すると判断する。閾値は、例えば予め設定された許容値である。一例として、基体2が一回転しない状態を維持できる臨界値が閾値として設定される。判断部12は、傾斜角度θに基づいて調整部13による制御を開始すると判断したときに、制御を開始する旨の信号と、当該傾斜角度θとを調整部13に送信する。
【0033】
調整部13は、アンバランス状態において、基体2に作用する回転力を調整する調整処理を実行する。アンバランス状態とは、反トルクMA,MBのバランスが崩れた状態である。具体的には、調整処理において、調整部13は、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが経時的に変化している状態をアンバランス状態とする。例えば、後述するように、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが経時的に変化している状態であるか否かに基づいて、アンバランス状態が解消されたか否かの判断を行う。本実施形態において、調整部13は、判断部12によって制御を開始する旨の信号を受信したときに、調整処理を開始する。
【0034】
調整処理では、反トルクMAと、反トルクMBと、復原力MCとが釣り合うように、タービン3A,3Bのいずれか一方の回転数を調整する制御を実行する。復原力MCとは、浮力Bと重力Gとの関係が非平衡状態であるときに、浮力Bと重力Gとの関係が平衡状態に戻るように作用する力である。
図5に示されるように、反トルクMA,MBとのアンバランスに起因して基体2がロール方向まわりに傾斜することにより、基体2の浮心BCと重心GCとを通る直線L2が鉛直方向に対して傾斜する。これにより、浮力Bと重力Gとが偶力となり、直線L2が鉛直方向に近づく向きの復原力MCが発生する。したがって、基体2には、ロール方向の回転力として、反トルクMAと、反トルクMBと、復原力MCと、が作用する。このため、調整部13は、反トルクMAと、反トルクMBと、復原力MCと、が釣り合うように、タービン3A,3Bのいずれか一方の回転数を調整する。調整処理は、特定部14、ピッチ制御部15、及び角速度取得部16によって実行される。
【0035】
特定部14は、タービン3A,3Bのうちの一方を調整する対象として特定する。本実施形態において、特定部14は、ピッチ制御部15による制御の対象を特定する。より具体的には、特定部14は、ピッチ制御部15による制御によってタービン3A,3Bのうちのいずれのピッチ角度を調整するかを特定する。特定部14は、基体2について、判断部12から受信した傾斜角度θと対応する回転方向を取得し、タービン3A,3Bのうち、基体2の回転方向と逆向きの回転方向にて回転しているタービンを対象と特定する。
図5の例では、基体2の回転方向が反時計回りであるので、逆方向である回転方向RBによって回転しているタービン3Bが対象として特定される。特定部14は、タービン3A,3Bのうちの特定した方の制御を開始する旨の信号をピッチ制御部15に送信する。
図5の例では、タービン3Bの制御を開始する旨の信号をピッチ制御部15に送信する。
【0036】
ピッチ制御部15は、タービン3A,3Bのうち、特定部14によって特定されたタービンの回転数を調整する。具体的には、ピッチ制御部15は、特定されたタービンの回転数を減少させる。
図5の例では、ピッチ制御部15は、タービン3Bの回転数を減少させる。本実施形態において、ピッチ制御部15は、ピッチ調整機構25Bを制御して、タービン3Bのブレード32Bのピッチ角度を調整することにより、タービン3Bの回転数を調整する。具体的には、ピッチ制御部15は、ブレード32Bのピッチ角度を経時的に変化させるようにピッチ調整機構25Bを制御する。例えば、ピッチ制御部15は、ブレード32Bのピッチ角度を連続的に変化させる旨の制御信号を、アンバランス状態が解消されるまでピッチ調整機構25Bに送信する。
【0037】
なお、ピッチ制御部15は、特定部14によってタービン3Aが対象として特定された場合には、ピッチ調整機構25Aを制御して、タービン3Aのブレード32Aのピッチ角度を調整することにより、タービン3Aの回転数を調整する。
【0038】
角速度取得部16は、センサ23に接続され、センサ23から出力された基体2のロール方向まわりの角速度ωを随時取得する。また、角速度取得部16は、取得した角速度ωに基づいて、アンバランス状態が解消されたか否かを判断する。具体的には、角速度取得部16は、角速度ωが無視してよい程度に小さい値であると判断したときに、アンバランス状態が解消されたと判断する。このとき、角速度取得部16は、制御を停止する旨の信号をピッチ制御部15に送信する。
【0039】
コントローラ10のハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成される。本実施形態では、発電装置1は、一つのコントローラ10を備えている。コントローラ10が複数のコンピュータで構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータによって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータの組み合わせによって実現されていてもよい。
【0040】
[姿勢制御方法]
次に、姿勢制御方法の一例として、コントローラ10による姿勢制御処理について説明する。
図6は、姿勢制御処理の手順を示すフローチャートである。
図6に示されるように、コントローラ10は、まず、ステップS01を実行する。ステップS01では、傾斜角度取得部11が基体2の姿勢に関する情報を取得する。傾斜角度取得部11は、センサ23から出力される情報を随時取得し、取得した情報に基づいて、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θを取得する。具体的には、傾斜角度取得部11は、センサ23から出力された角速度ωを時間について積分することによって傾斜角度θを取得する。
【0041】
次に、コントローラ10は、ステップS02を実行する。ステップS02では、傾斜角度θが閾値以上であるか否かを判断部12が判断する。傾斜角度θが閾値以上ではないと判断した場合(ステップS02:NO)、コントローラ10は、処理をステップS01に戻す。以後、コントローラ10は、ステップS01,S02を繰り返し実行する。
【0042】
傾斜角度θが閾値以上であると判断した場合(ステップS02:YES)、コントローラ10は、ステップS03を実行する。ステップS03では、調整部13が調整処理を実行する。調整処理は、上述したように、アンバランス状態において、基体2に作用する回転力を調整する処理である。ここでは、アンバランス状態は、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが経時的に変化している状態である。ステップS03において、調整部13は、反トルクMAと、反トルクMBと、復原力MCと、が釣り合うように、タービン3A,3Bのいずれか一方の回転数を調整する。ステップS03についてのより具体的な処理内容については後述する。ステップS03の終了により、姿勢制御処理が終了する。
【0043】
[回転力調整処理]
次に、上記ステップS03について詳細に説明する。
図7は、調整処理の手順を示すフローチャートである。
図7に示されるように、コントローラ10は、まず、ステップS31を実行する。ステップS31では、特定部14が、タービン3A,3Bのうちの一方を調整する対象として特定する。具体的には、特定部14は、タービン3A,3Bのうちのいずれのピッチ角度を調整するかを特定する。特定部14は、タービン3A,3Bのうち、基体2の回転方向と逆向きの回転方向にて回転しているタービンを対象と特定する。
図5の例では、タービン3Bが対象として特定される。
【0044】
次に、コントローラ10は、ステップS32,S33を実行する。ステップS32では、ピッチ制御部15が、タービン3A,3Bのうち、特定部14によって特定されたタービンの回転数を調整する。
図5の例では、ピッチ制御部15は、タービン3Bの回転数を調整する。具体的には、ピッチ制御部15は、タービン3Bのブレード32Bのピッチ角度を調整するようにピッチ調整機構25Bを制御することにより、タービン3Bの回転数を調整する。例えば、ピッチ制御部15は、ブレード32Bのピッチ角度を変更する制御信号をピッチ調整機構25Bに送信する。ステップS33では、角速度取得部16が、基体2のロール方向まわりの角速度ωをセンサ23から取得する。
【0045】
次に、コントローラ10は、ステップS34を実行する。ステップS34では、角速度取得部16が、角速度ωに基づいて、アンバランス状態が解消されたか否かを判断する。角速度取得部16は、角速度ωが無視してよい程度に小さい値であると判断したときに、アンバランス状態が解消されたと判断する。アンバランス状態が解消されていないと判断したとき(ステップS34:NO)、コントローラ10は、処理をステップS32に戻す。以後、アンバランス状態が解消されるまで、コントローラ10は、ステップS32,S33を繰り返し実行する。
【0046】
アンバランス状態が解消されたと判断した場合(ステップS34:YES)、コントローラ10は、調整処理についての制御を終了する。
図8は、制御後の基体2の姿勢を説明するための図である。
図8に示されるように、調整処理によって反トルクMBの大きさが復原力MCの大きさに近づくように調整されるので、反トルクMBと復原力MCとが互いに打ち消し合うことにより基体2の姿勢が安定する。
【0047】
[作用効果]
以上説明した発電装置1の作用効果について説明する。上述したように、発電装置1では、正常時において、一対のタービン3A,3Bが互いに逆方向に回転することで、タービン3Aの回転に伴う反トルクMAとタービン3Bの回転に伴う反トルクMBとが互いに打ち消し合う。これにより、基体2に偏った回転力が作用することが抑制され、基体2の姿勢が一定の状態に維持される。このため、反トルクMA,MBのバランスが崩れた場合、基体に偏った回転力が作用し、基体2の姿勢が乱れることが考えられる。基体2の姿勢の乱れは、発電装置1の運用上問題となることがあり得る。なお、本明細書でいう基体2の姿勢の乱れとは、タービン3Aの回転軸線とタービン3Bの回転軸線とを通る直線L1の水平方向からのずれを意味する。また、本明細書でいう基体2の姿勢の安定化とは、基体2の姿勢を一定の状態とすることを意味し、乱れた姿勢において基体2の姿勢を一定の状態とすることを含む。
【0048】
これに対し、この発電装置1では、アンバランス状態において、コントローラ10が調整処理を実行することで基体2に作用する回転力が調整される。この調整処理では、反トルクMAと反トルクMBと復原力MCとが釣り合うように、タービン3A,3Bのいずれか一方の回転数が調整される。これにより、基体2に作用する回転力が互いに打ち消し合うように、反トルクMA又は反トルクMBが調整されるので、基体2に偏った回転力が作用し続けることが回避される。したがって、基体2の姿勢の乱れが大きくなることを抑制できるので、基体2の姿勢を安定化することができる。以上により、反トルクMA,MBのバランスが崩れ、基体2の姿勢が乱れた場合であっても、発電装置1の運用を継続できる。
【0049】
コントローラ10は、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが経時的に変化している状態をアンバランス状態として、調整処理を実行する。反トルクMA,MBのバランスが崩れた場合には、ロール方向まわりの傾斜角度θの経時的な変化が特に大きくなりやすい。したがって、この状態をアンバランス状態として調整処理を行うことで、基体2の姿勢の乱れが大きくなることを効果的に抑制できる。
【0050】
調整処理は、タービン3A,3Bのうち回転数を調整する対象を特定する特定処理を含み、特定処理では、基体2の回転方向と逆向きの回転方向にて回転しているタービン3A又はタービン3Bを対象と特定する。アンバランス状態においては、反トルクMA,MBの差分トルク(回転力)が、基体2に作用する。その結果、基体2は、回転軸線に対して平行な軸線まわりの傾斜角度θが経時的に変化する。例えば、タービン3Aの回転に伴って生じる反トルクMAは、タービン3Aの回転方向RAと逆向きの回転力である。反トルクMAは、タービン3Aの回転方向RAと逆向きに基体2を回転させる。一方、タービン3Bの回転に伴って生じる反トルクMBは、タービン3Bの回転方向RBと逆向きの回転力である。反トルクMBは、タービン3Bの回転方向RBと逆向きに基体2を回転させる。つまり、基体2の回転方向によれば、反トルクMAと反トルクMBのいずれがアンバランスの要因となっているかを知ることができる。したがって、タービン3A,3Bのうち、基体2の回転方向と逆向きの回転方向にて回転しているタービンの回転数の調整により、反トルクMA,MBのうちの大きい方が調整されるので、反トルクMAと反トルクMBと復原力MCとを釣り合わせやすい。
【0051】
ここで、反トルクMA,MBのバランスが崩れる要因、すなわち、タービン3A,3Bの一方が正常に動作しなくなった要因の一例としては、動作不良が生じている方のタービンの回転を制御する系統の故障が考えられる。この場合、動作不良が生じている方のタービンの回転に伴う反トルクを制御することは困難である。ここで、タービン3A,3Bの一方が正常に動作しなくなった場合において、反トルクMA,MBのうちの大きい方は、正常に動作している方のタービンの回転に伴う反トルクである。したがって、上記の特定処理によれば、一方のタービンの回転を制御する系統の故障によってアンバランス状態が生じている場合において、正常に動作している方のタービンの回転に伴う反トルクを調整することとなるので、調整処理を有効に実行することができる。
【0052】
基体2の姿勢に関する情報を取得するセンサ23をさらに備え、コントローラ10は、センサ23によって取得された情報に基づいて、傾斜角度θが閾値以上であると判断したときに、調整処理を開始する。この構成では、アンバランス状態であっても基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが閾値より小さい場合に、調整処理を省略できる。したがって、基体2の姿勢の乱れが大きくなることを効率よく抑制できる。
【0053】
コントローラ10は、タービン3Aのブレード32Aのピッチ角度を調整することにより、タービン3Aの回転数を調整し、又は、タービン3Bのブレード32Bのピッチ角度を調整することにより、タービン3Bの回転数を調整する。この構成により、タービン3Aの回転数又はタービン3Bの回転数を調整しやすい。
【0054】
上述した姿勢制御方法は、発電装置1の姿勢を制御する姿勢制御方法であって、発電装置1は、水中を浮遊する基体2と、基体2に搭載された発電機4Aに連結され、水流を受けて回転するタービン3Aと、基体2に搭載された発電機4Bに連結され、水流を受けて回転するタービン3Bと、を備えており、タービン3Aの回転に伴う反トルクMAとタービン3Bの回転に伴う反トルクMBとのバランスが崩れたアンバランス状態において、基体2に作用する回転力を調整するステップを含み、上記ステップでは、反トルクMAと、反トルクMBと、反トルクMA,MBのアンバランスに起因する基体2の姿勢の変化に応じた復原力MCと、が釣り合うように、タービン3A,3Bのいずれか一方の回転数を調整する。
【0055】
この姿勢制御方法によれば、上述した理由によって発電装置1の基体2の姿勢の乱れが大きくなることを抑制できる。
【0056】
[変形例]
以上の実施形態は、本開示に係る水流発電装置の一実施形態について説明したものである。本開示に係る水流発電装置は、上述した水流発電装置を任意に変更したものとすることができる。
【0057】
例えば、上記の実施形態においては、センサ23として角速度ωを検出するジャイロセンサを例示して説明したが、その他のセンサであってもよい。センサ23は、傾斜角度θを検出する角度センサであってもよい。この場合、コントローラ10によって傾斜角度θを取得する処理では、センサ23の検出結果を積分することを省略してもよい。また、角度センサの出力を入力として、コントローラ10によって角速度ωを取得する処理では、センサ23の検出結果と取得時間とを対応付けて随時取得することによって角速度ωを算出してもよい。或いは、センサ23として、角速度ωを検出するセンサと、傾斜角度θを検出するセンサと、の両方が備えられていてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態においては、基体2のロール方向まわりの傾斜角度θが閾値以上であると判断したときに、コントローラ10が調整処理を開始したが、調整処理は、基体2のヨー方向まわりの傾斜角度に基づいて開始されてもよい。また、タービン3A,3Bの回転数をそれぞれ検出する2つのセンサを備え、当該2つのセンサによって検出された回転数の差に基づいて調整処理が開始されてもよい。
【0059】
また、例えば、タービン3A,3Bの一方の回転にロックが掛かった場合等、ピッチ角度の制御が可能な状態で反トルクMA,MBのバランスが崩れた場合においては、基体2の回転方向と同じ向きの回転方向にて回転しているタービンのピッチ角度をさらに調整してもよい。これにより、基体2のヨー方向まわりの姿勢の乱れを抑制できる。
【符号の説明】
【0060】
1 発電装置(水流発電装置)
2 基体
3A タービン(第1タービン)
3B タービン(第2タービン)
4A 発電機(第1発電機)
4B 発電機(第2発電機)
10 コントローラ(制御部)
23 センサ
32A,32B ブレード
FW 水流
MA 反トルク(第1反トルク)
MB 反トルク(第2反トルク)
MC 復原力
RA,RB 回転方向
θ 傾斜角度