(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】表示制御装置および表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240509BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/34 20060101ALI20240509BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G06F3/0481
H04N1/00 350
G09G5/00 510H
G09G5/00 530M
G09G5/37 600
G09G5/373
G09G5/377
G09G5/34 C
G09G5/38
G09G5/00 550D
(21)【出願番号】P 2020158894
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】徳永 博幸
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130776(JP,A)
【文献】特開2020-044024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0200759(US,A1)
【文献】特開2013-131018(JP,A)
【文献】特表2019-504427(JP,A)
【文献】特開2008-293495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0246762(US,A1)
【文献】特開2008-062508(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0322678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01- 3/153
H04N 1/00
G09G 5/00- 5/42
B41J 5/00- 5/52
B41J 21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00ー15/36
G03G 21/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの機能を設定するためのボタンを表示部に表示させる表示制御装置であって、
前記ボタンが操作されたことに応じて、操作された前記ボタンに対応する前記機能が設定されたことの通知を前記表示部に表示させる表示制御部と、
操作された前記ボタンに対応する前記機能を前記デバイスに実行させる実行制御部と、を備え、
前記表示制御部は、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が前記第1距離より短い第2距離であるときよりも、前記通知を目立つ態様で表示させる、ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、所定の操作に応じて前記ボタン毎の表示位置と前記通知の表示位置との距離を変化させ、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離に応じて前記通知の表示態様を異ならせる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示部における複数の前記ボタンを並べて表示する領域に対するスクロール操作に応じて、前記ボタン毎の表示位置と前記通知の表示位置との距離を変化させる、ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示部に一度に表示する前記ボタンの数を変更する表示モード変更操作に応じて、前記ボタン毎の表示位置と前記通知の表示位置との距離を変化させる、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記表示部に表示する前記ボタンを選別するカスタマイズ操作に応じて、前記ボタン毎の表示位置と前記通知の表示位置との距離を変化させる、ことを特徴とする請求項2~請求項4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示部における画面サイズの変更操作に応じて、前記ボタン毎の表示位置と前記通知の表示位置との距離を変化させる、ことを特徴とする請求項2~請求項5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、3つ以上の前記ボタンを前記表示部に表示させ、前記通知の表示位置との距離が遠いボタンほど、操作されたときに前記通知を目立つ態様で表示させる、ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、第1ボタンおよび第2ボタンを含む複数の前記ボタンを前記表示部に表示させ、
前記第1ボタンは、前記第2ボタンと同一の機能について設定をするためのボタンであって前記第2ボタンよりも大きい設定値を適用するためのボタンであり、前記第2ボタンよりも前記通知の表示位置からの距離が遠い位置に表示される、ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、第1ボタンおよび第2ボタンを含む複数の前記ボタンを前記表示部に表示させ、
前記第1ボタンと前記第2ボタンと前記通知とは第1方向へ順に並び、
前記第1方向における前記第1ボタンの表示位置と前記第2ボタンの表示位置との距離は、前記第1方向における前記第2ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離よりも短い、ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、第1ボタンおよび第2ボタンを含む複数の前記ボタンを前記表示部に表示させ、
前記第1ボタン又は前記第2ボタンは前記通知と第1方向に並び、
前記第1ボタンと前記第2ボタンとは前記第1方向に直交する第2方向に並ぶ、ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項11】
デバイスの機能を設定するためのボタンを表示部に表示する処理をプロセッサーに実行させる表示制御プログラムであって、
前記ボタンが操作されたことに応じて、操作された前記ボタンに対応する前記機能が設定されたことの通知を前記表示部に表示させる表示制御機能と、
操作された前記ボタンに対応する前記機能を前記デバイスに実行させる実行制御機能と、を備え、
前記表示制御機能は、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が前記第1距離より短い第2距離であるときよりも、前記通知を目立つ態様で表示させる、ことを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスの機能を設定するための複数のボタンがディスプレイに表示されることにより、操作可能なユーザーインターフェイス(以下、UI)画面がユーザーに提供される。例えば、タッチパネル式のディスプレイと、印刷に関する設定項目と、設定項目において設定された設定内容に応じた態様の印刷開始指示ボタンと、をディスプレイに表示させる制御部と、を備える印刷装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなUI画面において、ユーザーが何らかのボタンをタッチやクリックにより操作したとき、操作に応じて特定のアイコンやイラストやアニメーション等の視覚情報を一時的に変化させて、当該操作の結果をユーザーに分かり易く伝えることがなされている。このような、視覚情報を一時的に変化させてユーザーに分かり易く伝える処理を、マイクロインタラクションとも言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UI画面に表示されたボタンを操作するユーザーは、自身が操作するボタンやその近辺を見る。そのため、操作したボタンと、マイクロインタラクションやそれに類する通知を表示する位置との距離が遠い場合、ユーザーは、この通知に気付き難く、自身の操作によりどのような設定がなされたのかを理解し辛いことがある。また逆に、操作したボタンと、マイクロインタラクションやそれに類する通知を表示する位置との距離が近い場合、通知の態様が大袈裟だと、却ってユーザーに不快感を与える虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
デバイスの機能を設定するためのボタンを表示部に表示させる表示制御装置は、前記ボタンが操作されたことに応じて、操作された前記ボタンに対応する前記機能が設定されたことの通知を前記表示部に表示させる表示制御部と、操作された前記ボタンに対応する前記機能を前記デバイスに実行させる実行制御部と、を備え、前記表示制御部は、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が前記第1距離より短い第2距離であるときよりも、前記通知を目立つ態様で表示させる。
【0007】
デバイスの機能を設定するためのボタンを表示部に表示する処理をプロセッサーに実行させる表示制御プログラムは、前記ボタンが操作されたことに応じて、操作された前記ボタンに対応する前記機能が設定されたことの通知を前記表示部に表示させる表示制御機能と、操作された前記ボタンに対応する前記機能を前記デバイスに実行させる実行制御機能と、を備え、前記表示制御機能は、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された前記ボタンの表示位置と前記通知の表示位置との距離が前記第1距離より短い第2距離であるときよりも、前記通知を目立つ態様で表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2AはUI画面の一例を示す図、
図2Bはスクロール操作後のUI画面の一例を示す図。
【
図3】第1実施形態にかかる表示制御処理を示すフローチャート。
【
図4】
図4Aは設定イメージの一例を示す図、
図4Bは設定イメージの他の例を示す図。
【
図5】
図5Aは簡単表示モードのUI画面の一例を示す図、
図5Bはカスタマイズ操作後のUI画面の一例を示す図。
【
図7】第2実施形態にかかる表示制御処理を示すフローチャート。
【
図8】
図8Aは表示部とカメラとの位置関係の一例を示す図、
図8Bは誘導表示がされたUI画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
【0010】
1.装置構成の概略:
図1は、本実施形態にかかるシステム10の構成をブロック図により簡易的に示している。システム10は、互いに通信可能に接続した表示制御装置20や、表示部30や、動作部40を含んでいる。表示制御装置20は、CPU等からなるプロセッサー21を有する。プロセッサー21は、所定のメモリーに記憶されたプログラム22やデータに従って、表示制御部23や実行制御部24や検出部25等として機能する。プログラム22の少なくとも一部は、表示制御プログラムに該当する。なお、検出部25は、後述の第1実施形態および第2実施形態のうち、第2実施形態に必要な構成である。
【0011】
表示制御装置20は、デバイスの機能を設定するためのボタン(以下、設定ボタン)を表示部30に表示させる。表示部30は、例えば液晶パネルを使用して構成され、タッチやクリック等のユーザーの操作を受け付ける。表示部30は、表示制御装置20の一部の構成と解してもよいし、表示制御装置20の周辺機器と解してもよい。また、表示制御装置20と表示部30とを含む構成を、表示装置50と呼んでもよい。表示制御装置20あるいは表示装置50は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピューター(PC)、プロジェクター等である。
【0012】
動作部40は、プロセッサー21による制御下で所定の動作を実行する。動作部40は、例えば、印刷部41を有し、印刷部41により印刷媒体への印刷を行う。また、動作部40は、例えば、読取部42を有し、読取部42により原稿の読取を行う。このような動作部40は、上述のデバイスに該当し、
図1の例ではプリンター及びスキャナーとして働く複合機である。むろん、動作部40は、印刷部41と読取部42とのいずれか一方のみを有するデバイスであってもよい。また、動作部40には、プリンターやスキャナーに限らず、プロジェクターやファクシミリ等、様々なデバイスが該当し得る。
【0013】
システム10全体を、一台のデバイス10と解してもよい。つまり、デバイス10は、その動作部40が印刷や読取を実行し、その表示部30が、ユーザーからの操作を受けるための操作パネルである、と解してもよい。
【0014】
2.第1実施形態:
図2Aは、表示制御部23が表示部30に表示させたUI画面60の一例を示している。UI画面60は、例えば、読取部42の機能を設定するための画面である。UI画面60には、複数の設定ボタン61,62,63,64,65…が画面の横方向Daおよび縦方向Dbに並んで表示されている。
図2Aでは、ごく簡単に示しているが、例えば“C”と書かれた設定ボタン63は、読取部42の両面スキャン機能を設定するためのボタンである。他にも、設定ボタン61,62,64,65…は、例えば、モノクロスキャン、カラースキャン、片面スキャン、スキャン画質、スキャンデータの保存方法…といったような、読取部42の様々な機能を設定するための各ボタンである。むろん、UI画面60は、印刷部41の機能を設定するためのUI画面であってもよい。
【0015】
各設定ボタンは、
図2Aに破線の枠で示すように、UI画面60内のボタン表示領域70内に配置されている。ボタン表示領域70や後述の通知表示位置71を示す破線は、UI画面60内に実際には表示されなくてもよい。UI画面60内の、ボタン表示領域70とは別に確保された所定の通知表示位置71には、ユーザーに操作された設定ボタンに対応する機能が設定されたことの「通知」が表示される。このような通知を、以下では「設定イメージ72」と呼ぶ。設定の変更に応じて設定イメージ72を変更して表示することは、マイクロインタラクションの一種と解してよい。
【0016】
なお、通知表示位置71は、
図2Aから解るように、ある程度の面積を有する領域である。さらに、UI画面60内には、ユーザーが動作部40に読取や印刷といった動作を実行させるための、動作開始ボタン73が表示されている。
【0017】
図3は、第1実施形態にかかる表示制御処理をフローチャートにより示している。
プロセッサー21は、UI画面60を表示部30に表示させている状況で、このフローチャートを実行する。表示制御部23は、UI画面60内のいずれかの設定ボタンが操作されたか否かを継続的に判定する(ステップS100)。そして、UI画面60内のいずれかの設定ボタンが操作されたことを検知した場合に、表示制御部23は、ステップS100で“Yes”と判定し、ステップS110へ進む。
【0018】
ステップS110では、実行制御部24は、ステップS100で操作されたと判定された設定ボタンに応じて、動作部40に関する設定を変更する。一例として、
図2Aに示すUI画面60において、ユーザーが、“C”と書かれた設定ボタン63をタッチしたとする。上述したように、設定ボタン63は、読取部42の両面スキャン機能を設定するボタンである。そのため、実行制御部24は、ステップS110では、読取部42に関して記憶している現在の設定の一部を、両面スキャンに変更する。より具体的には、片面スキャンの設定を両面スキャンの設定に変更する。
【0019】
ステップS110に続いて、ステップS120では、表示制御部23は、UI画面60内における操作された設定ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離を計測する。表示制御部23は、例えば、操作された設定ボタンの中心と通知表示位置71の中心との距離を計測すればよい。プロセッサー21は、ステップS110とステップS120とを、並行実施してもよい。
【0020】
ステップS130では、表示制御部23は、ステップS120で計測した距離に応じて、設定イメージ72の表示態様を決定する。基本的には、表示制御部23は、計測した距離が長いほど、設定イメージ72の表示態様を、より目立つ態様に決定する。
【0021】
ステップS140では、表示制御部23は、ステップS130で決定した表示態様にて、操作された設定ボタンに対応する設定イメージ72をUI画面60の通知表示位置71に表示させる。
プロセッサー21は、UI画面60を表示部30に表示させている状況で、動作開始ボタン73が操作されるまで、
図3のフローチャートを繰り返し実行すればよい。
【0022】
図4Aは、ステップS140において通知表示位置71に表示される設定イメージ72の一例を示している。
図4Aに示す設定イメージ72は、設定ボタン63が操作されたことに応じて通知表示位置71に表示される設定イメージであり、読取部42に関して片面スキャンの設定が両面スキャンの設定に変更された旨をユーザーに通知する。
図4Aに示すように、原稿を簡易的に表現したイラストである画像72a,72b,72cが、この順で通知表示位置71に表示される。
【0023】
画像72aは、片面スキャンを表現するイラストであり、原稿の一部がめくれた様子の画像72b,72cは、両面スキャンを表現するイラストである。つまり、表示制御部23は、所定の期間内、例えば1秒以内に、通知表示位置71内の表示を画像72a→画像72b→画像72cと遷移させることにより、片面スキャンから両面スキャンへ設定が変更された旨をユーザーに認識させる。
【0024】
図4Aから解るように、画像72aと画像72cとの間のタイミングで表示される画像72bは、前後の画像72a,72cよりもサイズが大きい。表示制御部23は、このような遷移途中の画像72bのサイズを大きくすることで、設定イメージ72に対するユーザーの注意を惹き、ユーザーが任意に行った操作の結果を理解し易いようにしている。
【0025】
上述したように、表示制御部23は、ステップS120で計測した距離が長いほど、ステップS140では、設定イメージ72の表示態様を、より目立つ態様とする。これは、操作された設定ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離が第1距離である場合、操作された設定ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離が第1距離より短い第2距離であるときよりも、設定イメージ72を目立つ態様で表示させる、と言える。設定イメージ72は、表示期間中に何らかの変化を伴う。
図4Aの例で言えば、設定イメージ72の表示は、一時的にサイズが大きくなる。従って、“設定イメージ72の表示態様を、より目立つ態様とする”とは、
図4Aを参考にすると、画像72a,72cに対する画像72bのサイズ比を、より大きくすることである。
【0026】
設定ボタン63を
図2Aに示す位置に表示している場合と、同じ設定ボタン63を仮に
図2Aにおける設定ボタン61の位置に表示している場合と、を比較する。表示制御部23は、設定ボタン63がタッチされたことに応じて通知表示位置71に設定イメージ72を表示する際、設定ボタン63を
図2Aにおける設定ボタン61の位置に表示しているときの方が、画像72bをより大きいサイズで表示する。つまり、
図2Aに示す位置の設定ボタン63をタッチしたときの、設定ボタン63と通知表示位置71との距離が、第2距離の一例であり、
図2Aにおける設定ボタン61の位置へ表示した設定ボタン63をタッチしたときの、設定ボタン63と通知表示位置71との距離が、第1距離の一例である。なお、本実施形態において「第1距離」、「第2距離」は、それぞれが特定の距離を指す訳ではなく、異なる2つの距離を区別するための呼び名に過ぎない。異なる2つの距離のうち相対的に長い距離を第1距離と呼び、相対的に短い距離を第2距離と呼ぶ。
【0027】
ユーザーの注意を惹くための、設定イメージ72の変化は、サイズの変化に限らず、位置の変化、色の変化、明るさの変化、絵柄の変化等、様々な変化がある。位置の変化とは、通知表示位置71内における設定イメージ72の揺れや、回転等が想定される。従って、“設定イメージ72の表示態様を、より目立つ態様とする”とは、サイズ変化をより大きくする以外にも、位置の変化をより大きくする、色の変化をより派手にする、明るさの変化をより激しくする、絵柄の変化をより大きくする、といった様々な手法がある。他にも、設定イメージ72の変化の回数や時間を、より多くしたりより長くしたりすることも、“設定イメージ72の表示態様を、より目立つ態様とする”ことに該当する。
【0028】
図4Bは、ステップS140において通知表示位置71に表示される設定イメージ72であって、
図4Aとは別の例を示している。
図4Bに示す設定イメージ72は、
図4Aと同様に、設定ボタン63が操作されたことに応じて通知表示位置71に表示される設定イメージである。
図4Bに示すように、画像72dは、片面スキャンを表現するイラストであり、原稿の一部がめくれた様子の画像72e,72f,72gは、両面スキャンを表現するイラストである。表示制御部23は、所定の期間内に、通知表示位置71内の表示を画像72d→画像72e→画像72f→画像72gと遷移させることにより、片面スキャンから両面スキャンへ設定が変更された旨をユーザーに認識させる。
【0029】
図4Bから解るように、画像72e,72f,72gの各イラストは、この順に、原稿のめくれた部分が徐々に大きくなっている。表示制御部23は、このように原稿のめくれた部分が徐々に大きくなっていく設定イメージ72を表示することでユーザーの注意を惹き、ユーザーが任意に行った操作の結果を理解し易いようにしている。
【0030】
設定ボタン63がタッチされたことに応じて通知表示位置71に
図4Bの設定イメージ72を表示することを想定すると、表示制御部23は、ステップS120で計測した距離が長いほど、この設定イメージ72を、より目立つように表示する。例えば、表示制御部23は、前記距離が長いほど、通知表示位置71の表示を画像72d→画像72e→画像72f→画像72gと遷移させる処理を、より多い回数繰り返す。
【0031】
動作開始ボタン73が操作されたことを契機として、実行制御部24は、それまでに操作された設定ボタンに対応する機能を動作部40に実行させる。例えば、読取部42の機能を設定するためのUI画面60に対する操作により、読取部42について、両面スキャンおよびカラースキャンといった設定をした場合、実行制御部24は、動作開始ボタン73が操作されたことを契機として、読取部42に原稿の両面を対象としたカラースキャンを実行させる。また、例えば、印刷部41の機能を設定するためのUI画面60に対する操作により、印刷部41について、拡大率150%およびモノクロ印刷といった設定をした場合、実行制御部24は、動作開始ボタン73が操作されたことを契機として、印刷部41に拡大率150%のモノクロ印刷を実行させる。
【0032】
ここで、UI画面60内の各設定ボタンの配置は必ずしも固定されていない。表示制御部23は、以下の各例に示すように、ユーザーによる所定の操作に応じて、設定ボタン毎の表示位置と通知表示位置71との距離を変化させることができる。そして、表示制御部23は、操作された設定ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離に応じて、設定イメージ72の表示態様を異ならせる。
【0033】
図2Bは、UI画面60であって、
図2Aとは異なる状態のUI画面60の例を示している。
図2Bに関して、
図2Aと共通する事項については説明を省略する。表示制御部23は、ユーザーによるボタン表示領域70に対するスクロール操作に応じて、ボタン表示領域70内の表示をスクロールさせる。
図2Bは、
図2Aのボタン表示領域70に対してユーザーが横方向Daと平行に指をスワイプ等することによりスクロールした後のボタン表示領域70を示している。これにより、設定ボタン毎に通知表示位置71との距離が変化している。
【0034】
図2Bのボタン表示領域70と
図2Aのボタン表示領域70とを比較すると、
図2Bでは、ボタン表示領域70内の各設定ボタンの配置が全体的に左方向に移動しており、
図2Aでは表示されていた一部の設定ボタンがボタン表示領域70から消え、かつ、
図2Aでは表示されていなかった一部の設定ボタンがボタン表示領域70に表示されている。
図2Aと
図2Bとを比較すると、例えば、設定ボタン63は、
図2Bにおける表示位置の方が、
図2Aにおける表示位置よりも、通知表示位置71から遠ざかっている。従って、
図2Bにおける設定ボタン63の表示位置と通知表示位置71との距離、および、
図2Aにおける設定ボタン63の表示位置と通知表示位置71との距離は、一組の第1距離および第2距離に該当する。これまでの説明を踏まえると、表示制御部23は、
図2Bの状態で設定ボタン63が操作されたときは、
図2Aの状態で設定ボタン63が操作されたときよりも、設定ボタン63に対応する設定イメージ72を、目立つ態様で表示させる。
【0035】
図5Aは、UI画面60であって、
図2Aや
図2Bとは異なる状態のUI画面60の例を示している。
図5Aに関して、
図2Aや
図2Bと共通する事項については説明を省略する。表示制御部23は、UI画面60のデザインに関して幾つかの表示モードを有しており、その中には、通常表示モードや簡単表示モードがある。簡単表示モードとは、表示部30に一度に表示する設定ボタンの数を通常表示モードよりも減らし、設定ボタン一つあたりのサイズを大きくすることで、見易さを向上させる表示モードである。
【0036】
ここでは、
図2Aや
図2BのUI画面60は通常表示モードによる表示であり、
図5Aや後述の
図5BのUI画面60は簡単表示モードによる表示であるとする。各図の例によれば、通常表示モードでは、ボタン表示領域70に12個の設定ボタンが一度に表示される一方で、簡単表示モードでは、ボタン表示領域70に6個の設定ボタンが一度に表示される。ユーザーは、UI画面60を任意に操作することにより、通常表示モードから簡単表示モードへ変更したり、簡単表示モードから通常表示モードへ変更したりすることができる。表示制御部23は、このような表示モードの変更操作に応じて、各設定ボタンについてボタン表示領域70内での表示位置およびサイズを変更する。この結果、
図2Aと
図5Aとの比較からも解るように、設定ボタン毎に通知表示位置71との距離が変更される。
【0037】
図2Aと
図5Aとを比較すると、例えば、“D”と書かれた設定ボタン64は、
図5Aにおける表示位置の方が、
図2Aにおける表示位置よりも、通知表示位置71から遠ざかっている。従って、
図5Aにおける設定ボタン64の表示位置と通知表示位置71との距離、および、
図2Aにおける設定ボタン64の表示位置と通知表示位置71との距離は、一組の第1距離および第2距離に該当する。これまでの説明のとおり、表示制御部23は、
図5Aの状態で設定ボタン64が操作されたときは、
図2Aの状態で設定ボタン64が操作されたときよりも、設定ボタン64に対応する設定イメージ72を、目立つ態様で表示させる。
【0038】
図5Bは、UI画面60であって、
図2Aや
図2Bや
図5Aとは異なる状態のUI画面60の例を示している。
図5Bに関して、
図2Aや
図2Bや
図5Aと共通する事項については説明を省略する。ユーザーは、UI画面60を任意に操作することにより、表示部30に表示する設定ボタンを選別することができる。つまり、ユーザーは、普段の使用頻度や使い易さを考慮して、どの設定ボタンをどの位置に表示するかを自由にカスタマイズすることができる。表示制御部23は、このようなカスタマイズ操作に応じて、各設定ボタンについてボタン表示領域70内での表示位置を変更する。
図5BのUI画面60は、
図5AのUI画面60に対してカスタマイズ操作がされた後の状態を示している。
図5Aと
図5Bとの比較から解るように、カスタマイズ操作により、設定ボタン毎に通知表示位置71との距離が変更されている。また、一部の設定ボタンに入れ替わりが発生している。言うまでもなく、表示制御部23は、通常表示モードのときにもユーザーのカスタマイズ操作を受け付け可能である。
【0039】
図5Aと
図5Bとを比較すると、例えば、設定ボタン63は、
図5Bにおける表示位置の方が、
図5Aにおける表示位置よりも、通知表示位置71から遠ざかっている。従って、
図5Bにおける設定ボタン63の表示位置と通知表示位置71との距離、および、
図5Aにおける設定ボタン63の表示位置と通知表示位置71との距離は、一組の第1距離および第2距離に該当する。これまでの説明を踏まえると、表示制御部23は、
図5Bの状態で設定ボタン63が操作されたときは、
図5Aの状態で設定ボタン63が操作されたときよりも、設定ボタン63に対応する設定イメージ72を、目立つ態様で表示させる。
【0040】
ユーザーは、UI画面60のサイズを任意に変更することができる。本実施形態では、画面サイズの変更には、画面の縦横比の変更も意味として含むものとする。ユーザーは、例えば、表示部30を有するスマートフォンやタブレット型端末の向きを縦向きや横向きに変更することで、UI画面60を縦長サイズにしたり横長サイズにしたりすることができる。また、ユーザーは、PCのディスプレイとしての表示部30に表示するUI画面60のサイズを、表示部30自体の画面のフルサイズ以内で任意に変更することができる。表示制御部23は、このような表示部30におけるUI画面60のサイズの変更操作に応じて、各設定ボタンの表示位置を変更する。
【0041】
図6は、UI画面60であって、
図2Aや
図2Bや
図5Aや
図5Bとは異なる状態のUI画面60の例を示している。
図6に関して、
図2Aや
図2Bや
図5Aや
図5Bと共通する事項については説明を省略する。
図6のUI画面60は、横長サイズである
図2AのUI画面60に対して縦長サイズへの変更操作がされた後の状態を示している。
図2Aと
図6との比較から解るように、サイズの変更操作に併せて、設定ボタン毎の表示位置が変わり、結果として設定ボタン毎に通知表示位置71との距離が変更されている。
【0042】
図2Aと
図6とを比較すると、例えば、設定ボタン64は、
図6における表示位置の方が、
図2Aにおける表示位置よりも、通知表示位置71から遠ざかっている。従って、
図6における設定ボタン64の表示位置と通知表示位置71との距離、および、
図2Aにおける設定ボタン64の表示位置と通知表示位置71との距離は、一組の第1距離および第2距離に該当する。これまでの説明を踏まえると、表示制御部23は、
図6の状態で設定ボタン64が操作されたときは、
図2Aの状態で設定ボタン64が操作されたときよりも、設定ボタン64に対応する設定イメージ72を、目立つ態様で表示させる。
【0043】
これまでの説明から解るように、表示制御部23は、表示部30に、複数の設定ボタンを並べたUI画面60を表示させる。複数の設定ボタンとは、少なくとも設定ボタンとしての第1ボタンおよび第2ボタンを含む。むろん、複数の設定ボタンは、3つ以上であってもよい。
【0044】
第1ボタン、第2ボタンおよび設定イメージ72の関係性について、幾つか具体例を説明する。
第1ボタンは、第2ボタンと同一の機能について設定をするためのボタンであって、第2ボタンよりも大きい設定値を適用するためのボタンである、としてもよい。そして、第1ボタンは、第2ボタンよりも設定イメージ72の表示位置からの距離が遠い位置に表示される、としてもよい。第1ボタンおよび第2ボタンが同一の機能について設定をするためのボタンとは、例えば、いずれも印刷の拡大縮小率(印刷倍率)を設定するためのボタンであったり、いずれも印刷部数を設定するためのボタンであったりする場合が想定される。
【0045】
ここで、
図2AのUI画面60は、印刷部41の機能を設定するためのUI画面であると仮定し、“A”と書かれた設定ボタン61および“B”と書かれた設定ボタン62は、いずれも印刷部41による印刷倍率を設定するためのボタンであるとする。さらに詳細には、設定ボタン61は、印刷倍率の値を150%に設定するためのボタンであり、設定ボタン62は、印刷倍率の値を120%に設定するためのボタンであるとする。つまり、この場合、設定ボタン61は、設定ボタン62よりも印刷倍率として大きい設定値を適用するためのボタンであるため、設定ボタン61は第1ボタンに該当し、設定ボタン62は第2ボタンに該当する。
【0046】
そして、
図2Aの例によれば、設定ボタン61は、設定ボタン62よりも通知表示位置71からの距離が遠い位置に表示されている。このように、表示制御部23は、同一の機能について設定するための各設定ボタンを、より大きい設定値を適用するためのボタンが設定イメージ72から遠い位置となるように表示してもよい。
【0047】
また、第1ボタン、第2ボタンおよび設定イメージ72の位置関係の一つとして、第1ボタンと第2ボタンと設定イメージ72とは第1方向へ順に並び、第1方向における第1ボタンの表示位置と第2ボタンの表示位置との距離は、第1方向における第2ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離よりも短い、としてもよい。ここでも
図2Aを参照し、上述の例のように、設定ボタン61を第1ボタンと捉え、設定ボタン62を第2ボタンと捉える。この場合、第1ボタンと第2ボタンと設定イメージ72とが横方向Daへ順に並び、横方向Daにおける第1ボタンの表示位置と第2ボタンの表示位置との距離が、横方向Daにおける第2ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離よりも短い構成例が、開示されていると言える。
【0048】
第1ボタン、第2ボタンおよび設定イメージ72の位置関係の他の例として、第1ボタン又は第2ボタンは設定イメージ72と第1方向に並び、第1ボタンと第2ボタンとは第1方向に直交する第2方向に並ぶ、としてもよい。例えば、
図2Aを参照し、設定ボタン61を第1ボタンと捉え、“E”と書かれた設定ボタン65を第2ボタンと捉える。この場合、第1ボタンと設定イメージ72とは横方向Daへ並ぶ関係にあり、同様に、第2ボタンと設定イメージ72とは横方向Daへ並ぶ関係にあり、第1ボタンと第2ボタンとが横方向Daに直交する縦方向Dbに並ぶ構成例が、開示されていると言える。
【0049】
なお、前記説明のように、横方向Daを第1方向と捉え、縦方向Dbを第2方向と捉えてもよいが、縦方向Dbを第1方向と捉え、横方向Daを第2方向と捉えて、UI画面60に各設定ボタンや設定イメージ72を配置してもよい。
【0050】
3.第2実施形態:
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に関しては、第1実施形態と共通の内容については説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態にかかる表示制御処理をフローチャートにより示している。プロセッサー21は、UI画面60を表示部30に表示させている状況で、このフローチャートを実行する。ステップS200,S210は、
図3のステップS100,S110と同じである。
【0051】
ステップS210に続いて、ステップS220では、表示制御部23は、操作された設定ボタンに対応する機能が設定された旨の通知である設定イメージ72を、UI画面60の通知表示位置71に表示させる。第1実施形態で説明したように、設定イメージ72は、ユーザーの注意を惹くための何らかの変化を伴う表示である。
【0052】
ステップS230では、検出部25が、表示部30におけるユーザーの視認位置を検出する。ステップS230を視線検出処理と呼ぶ。視線検出処理としては、公知技術を含めて種々の技術を採用可能である。本実施形態における検出部25は、カメラ80によって撮像された、表示部30に対して操作を行うユーザーの画像を、カメラ80から取得する。カメラ80は、例えば、スマートフォンやタブレット型端末の表示部30やその近傍に設けられている。また、PCのディスプレイとしての表示部30やその近傍に、カメラ80が設けられている。また、表示部30が、一台のデバイス10の一部分であるとき、この表示部30近傍にカメラ80が設けられているとする。
【0053】
検出部25は、カメラ80から取得した画像を解析し、例えば、ユーザーの目頭、目尻、瞳孔、虹彩等といった、基準点や動点となる各特徴点を検出することで、ユーザーの左右の目の向きを推定する。そして、この推定結果から、ユーザーの視線が向いている表示部30内の位置、すなわち視認位置を検出する。
【0054】
図8Aは、表示部30とカメラ80との位置関係を例示している。これまで説明したように、表示部30にはUI画面60が表示されている。
図8Aの例では、カメラ80は、表示部30または表示部30の近傍であって、各設定ボタンの表示位置よりも通知表示位置71に近い位置に設けられている。また、
図8Aでは、UI画面60内の×印により、ユーザーの視認位置を表している。
図8Aの例では、ユーザーは、設定ボタン65の近傍を視認している。
【0055】
ステップS240では、検出部25は、ステップS230で検出した視認位置が、通知表示位置71に在るか否かを判定する。つまり、ユーザーが設定イメージ72を見ているか否かを判定する。検出部25は、視認位置が通知表示位置71の範囲内に入っていれば、視認位置が通知表示位置71に在る(ステップS240において“Yes”)と判定し、
図7のフローチャートを終える。一方、検出部25は、視認位置が通知表示位置71の範囲内に入っていなければ、視認位置が通知表示位置71に無い(ステップS240において“No”)と判定し、ステップS250へ進む。プロセッサー21は、UI画面60を表示部30に表示させている状況で、動作開始ボタン73が操作されるまで、
図7のフローチャートを繰り返し実行すればよい。
【0056】
なお、UI画面60を操作するユーザーは、顔や視線を頻繁に動かす。従って、検出部25は、ステップS230の検出とステップS240の判定を、例えば数秒間継続して実行し、この数秒間中に、視認位置が通知表示位置71に所定時間(例えば、数百ミリ秒)以上連続して留まった場合に、視認位置が通知表示位置71に在る、と判定すればよい。
【0057】
ステップS250では、表示制御部23は、設定イメージ72の表示態様を、直近のステップS220における表示態様と比較して、より目立つ態様に決定する。
表示制御部23は、ステップS250を経てステップS220以降を再度実行する。ステップS250を経たステップS220では、表示制御部23は、操作された設定ボタンに対応する設定イメージ72を、ステップS250で決定した表示態様にてUI画面60の通知表示位置71に表示させる。
【0058】
表示制御部23は、例えば、1回目のステップS220で、
図4Aの設定イメージ72を通知表示位置71に表示した後、ステップS240の“No”およびステップS250を経て、2回目のステップS220を実行する。この場合、表示制御部23は、2回目のステップS220では、画像72bのサイズを、1回目のステップS220で表示した設定イメージ72における画像72bよりも大きくして、設定イメージ72を表示させればよい。つまり、表示制御部23は、検出部25により通知表示位置71に視認位置が在ると検出されなかった場合、通知表示位置71に視認位置が在ると検出された場合よりも、設定イメージ72を目立つ態様で表示させる。
【0059】
4.まとめ:
このように第1実施形態によれば、デバイスの機能を設定するためのボタン(設定ボタン)を表示部30に表示させる表示制御装置20は、設定ボタンが操作されたことに応じて、操作された設定ボタンに対応する機能が設定されたことの通知を表示部30に表示させる表示制御部23と、操作された設定ボタンに対応する機能をデバイスに実行させる実行制御部24と、を備える。そして、表示制御部23は、操作された設定ボタンの表示位置と、通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された設定ボタンの表示位置と、通知の表示位置との距離が第1距離より短い第2距離であるときよりも、通知を目立つ態様で表示させる。
【0060】
前記構成によれば、ユーザーが操作した設定ボタンと、通知の表示位置との距離が遠い場合は、通知がより目立つ態様で表示されるため、ユーザーは、通知に気付き易くなり、自身の操作による設定を適切に理解することができる。また、ユーザーが操作した設定ボタンと、通知の表示位置との距離が近い場合は、目立たせる度合を比較的抑えて通知が表示されるため、ユーザーに不快感を与えないようにすることができる。
【0061】
また、表示制御部23は、所定の操作に応じて設定ボタン毎の表示位置と通知の表示位置との距離を変化させ、操作された設定ボタンの表示位置と通知の表示位置との距離に応じて、通知の表示態様を異ならせる。
【0062】
具体的には、表示制御部23は、表示部30における複数の設定ボタンを並べて表示する領域に対するスクロール操作に応じて、設定ボタン毎の表示位置と通知の表示位置との距離を変化させる。
さらに、表示制御部23は、表示部30に一度に表示する設定ボタンの数を変更する表示モード変更操作に応じて、設定ボタン毎の表示位置と通知の表示位置との距離を変化させる。
さらに、表示制御部23は、表示部30に表示する設定ボタンを選別するカスタマイズ操作に応じて、設定ボタン毎の表示位置と通知の表示位置との距離を変化させる。
さらに、表示制御部23は、表示部30における画面サイズの変更操作に応じて、設定ボタン毎の表示位置と通知の表示位置との距離を変化させる。
これら構成によれば、表示制御部23は、ユーザーによる所定の操作に応じて各設定ボタンの表示位置を変化させた状況においても、操作された設定ボタンの表示位置と通知の表示位置との距離を測ることにより、その都度、操作された設定ボタンと通知との距離に応じた適切な表示態様で通知を表示することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、3つ以上の設定ボタンを表示部30に表示させることが可能である。そして、表示制御部23は、通知の表示位置との距離が遠い設定ボタンほど、操作されたときに通知を目立つ態様で表示させる。
ただし、表示制御部23は、表示部30における通知との距離がある程度似た関係にある各設定ボタンについて、操作されたときの通知の表示態様を、同程度の目立ち度合としてもよい。つまり、表示制御部23は、複数の設定ボタンを通知表示位置71からの距離に従って、例えば、3つ程度のグループに分ける。そして、表示制御部23は、設定ボタンが操作されたときの通知の表示態様について、異なるグループ間では目立ち度合に差を生じさせる一方で、同一グループ内の設定ボタン間では目立ち度合に差を生じさないとしてもよい。
【0064】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、第1ボタンおよび第2ボタンを含む複数の設定ボタンを表示部30に表示させる。
そして、第1ボタンは、第2ボタンと同一の機能について設定をするための設定ボタンであって第2ボタンよりも大きい設定値を適用するための設定ボタンであり、第2ボタンよりも通知の表示位置からの距離が遠い位置に表示される、としてもよい。
前記構成によれば、第1ボタンと第2ボタンとの機能面での関係性と、第1ボタン、第2ボタンそれぞれの通知との距離感とが、視覚的に一到し、操作し易いUI画面をユーザーに提供することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、第1ボタンと第2ボタンと通知とは第1方向へ順に並び、第1方向における第1ボタンの表示位置と第2ボタンの表示位置との距離を、第1方向における第2ボタンの表示位置と通知の表示位置との距離よりも短くする配置を採用することができる。
また、本実施形態によれば、表示制御部23は、第1ボタン又は第2ボタンは通知と第1方向に並び、第1ボタンと第2ボタンとは第1方向に直交する第2方向に並ぶ配置を採用することができる。
【0066】
また、第2実施形態によれば、デバイスの機能を設定するためのボタン(設定ボタン)を表示部30に表示させる表示制御装置20は、設定ボタンが操作されたことに応じて、操作された設定ボタンに対応する機能が設定されたことの通知を表示部30に表示させる表示制御部23と、表示部30におけるユーザーの視認位置を検出する検出部25と、操作された設定ボタンに対応する機能をデバイスに実行させる実行制御部24と、を備える。そして、表示制御部23は、検出部25により通知の表示位置に視認位置が在ると検出されなかった場合、検出部25により通知の表示位置に視認位置が在ると検出された場合よりも、通知を目立つ態様で表示させる。
【0067】
前記構成によれば、ユーザーが、操作した設定ボタンやその近傍を見ており、通知を見ていない場合は、通知がより目立つ態様で表示されるため、ユーザーは、通知に気付き易くなり、自身の操作による設定を適切に理解することができる。また、ユーザーが通知を見ている場合は、目立たせる度合を比較的抑えて通知が表示されるため、ユーザーに不快感を与えないようにすることができる。
【0068】
また、検出部25は、視認位置が通知の表示位置に所定時間以上連続して留まった場合に、視認位置が通知の表示位置に在ると検出する、としてもよい。
前記構成によれば、ユーザーが通知を見たか否かを正確に検出することができる。
【0069】
表示制御装置20は、表示部30または表示部30の近傍であって、設定ボタンの表示位置よりも通知の表示位置に近い位置にカメラ80を有する。そして、検出部25は、カメラ80が撮像したユーザーの画像に基づいて視認位置を検出する。
前記構成によれば、検出部25は、通知の表示位置に近い位置に設けられたカメラ80からの画像をユーザーの視認位置の検出に使用することにより、通知の表示位置に視認位置が在るか否かを高精度に検出することができる。
ただし、カメラ80の位置は、
図8Aに示す位置に限定されない。スマートフォン、タブレット型端末、PCが一般的に有するカメラを、ユーザー画像の取得手段として利用することができる。また、カメラの数は一つに限られず、複数であってもよい。
【0070】
本実施形態は、表示制御装置20、システム(デバイス)10、表示装置50といった物の発明以外にも、方法やプログラムの発明を開示する。
つまり、第1実施形態によれば、デバイスの機能を設定するための設定ボタンを表示部30に表示する処理をプロセッサー21に実行させる表示制御プログラムは、設定ボタンが操作されたことに応じて、操作された設定ボタンに対応する前記機能が設定されたことの通知を表示部30に表示させる表示制御機能と、操作された設定ボタンに対応する前記機能を前記デバイスに実行させる実行制御機能と、を備え、表示制御機能は、操作された設定ボタンの表示位置と通知の表示位置との距離が第1距離である場合、操作された設定ボタンの表示位置と通知の表示位置との距離が第1距離より短い第2距離であるときよりも、通知を目立つ態様で表示させる。
また、第2実施形態によれば、デバイスの機能を設定するための設定ボタンを表示部30に表示する処理をプロセッサー21に実行させる表示制御プログラムは、表示制御機能と、実行制御機能と、表示部30におけるユーザーの視認位置を検出する検出機能と、を備え、表示制御機能は、検出機能により通知の表示位置に視認位置が在ると検出されなかった場合、検出機能により通知の表示位置に視認位置が在ると検出された場合よりも、通知を目立つ態様で表示させる。
【0071】
5.その他の実施形態:
図8Bは、誘導表示74を含むUI画面60を示している。表示制御部23は、UI画面60において、ユーザーが操作した設定ボタンと、通知表示位置71とを結ぶ経路に、ユーザーの視線を設定イメージ72へ誘導するための誘導表示74を行うとしてもよい。
図8Bの例では、ユーザーが操作した設定ボタン63と通知表示位置71とを結ぶ経路に誘導表示74がなされている。表示制御部23は、ユーザーが設定ボタンを操作したとき、例えば、UI画面60の明るさを全体的に低下させ、ユーザーが操作した設定ボタンと通知表示位置71とを結ぶ経路の明るさを上げることにより、光による誘導表示74を行う。
【0072】
表示制御部23は、第1実施形態においては、ユーザーが操作した設定ボタンと通知表示位置71との距離が遠いほど、誘導表示74の表示態様を、その明るさを向上させる等してより目立つ態様とすればよい。また、表示制御部23は、第2実施形態においては、ユーザーの視認位置が通知表示位置71に無い場合に、誘導表示74の表示態様を、より目立つ態様とすればよい。
図8Bのように、光による誘導表示74を行う場合、表示制御部23は、ユーザーが操作した設定ボタンや、設定イメージ72についても、明るさを上げて目立つようにしてもよい。むろん、誘導表示74の具体的方法は、光による誘導に限らず、例えば、ユーザーが操作した設定ボタンから通知表示位置71に向う矢印を表示してもよい。
【0073】
第1実施形態と第2実施形態との組み合わせも、本実施形態の開示範囲である。
表示制御部23は、第2実施形態の
図7のステップS200で“Yes”と判定し、ステップS210を経て設定イメージ72を表示する場合に、ステップS220の替わりに、第1実施形態と同様にステップS120,S130,S140を実行してもよい。
【0074】
図9は、距離と目立ちレベルとの対応関係を示している。ここで言う距離とは、ユーザーが操作した設定ボタンの表示位置と通知表示位置71との距離である。目立ちレベルは、操作された設定ボタンに対応する設定イメージ72を表示する際の目立たせる度合であり、対応関係F1,F2はいずれも、距離に比例して目立ちレベルを高くしている。対応関係F1,F2は、夫々が関数或いはテーブルである。
【0075】
表示制御部23は、UI画面60を表示した状態において、ユーザーにいずれかの設定ボタンが操作されたことに応じて最初に設定イメージ72を表示する場合、ステップS130で対応関係F1を参照して距離に応じた目立ちレベルを決定し、この決定した目立ちレベルの表示態様にて、ステップS140で設定イメージ72を表示する。このステップS140に続いて、検出部25がステップS230,S240を実行し、ステップS240において“No”であれば、表示制御部23はステップS250を実行する。ステップS250では、表示制御部23は、対応関係F2を参照して距離に応じた目立ちレベルを決定し、この決定した目立ちレベルの表示態様にて、2回目以降のステップS220で設定イメージ72を表示する。
【0076】
図9から解るように、対応関係F2は、距離に応じた目立ちレベルを、対応関係F1より高いレベルに決定する。このような構成によれば、表示制御部23は、設定ボタンが操作されたことを契機として、対応関係F1に基づき距離に応じた目立ちレベルの表示態様にて設定イメージ72を表示したとき、ユーザーが設定イメージ72を見ていなければ、この距離に応じた目立ちレベルを対応関係F2に基づいて更に上げて、設定イメージ72を更に目立たせて表示することができる。
【0077】
本実施形態における“通知”は、イラストやアイコンやアニメーション等による設定イメージ72以外にも、操作した設定ボタンに対応する機能を設定した旨をユーザーに知らせる、文字列によるメッセージであってもよい。表示制御部23は、メッセージについて、大きくしたり、動かしたり、色を変えたり、発光させたり、点滅させたり、何らかの装飾を施したりしてユーザーの注意を惹くことができる。表示制御部23は、操作された設定ボタンと通知表示位置71との距離や、ユーザーの視認位置に応じて、このようなメッセージの表示態様、つまり目立たせる度合を、異ならせればよい。
【符号の説明】
【0078】
10…システム、20…表示制御装置、21…プロセッサー、22…プログラム、23…表示制御部、24…実行制御部、25…検出部、30…表示部、40…動作部、41…印刷部、42…読取部、50…表示装置、60…UI画面、61,62,63,64,65…設定ボタン、70…ボタン表示領域、71…通知表示位置、72…設定イメージ、73…動作開始ボタン、80…カメラ