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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】寸法測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20240509BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240509BHJP
   G01G 19/414 20060101ALI20240509BHJP
   G01V 8/10 20060101ALI20240509BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240509BHJP
【FI】
G01B11/02 H
G07G1/12 361Z
G01G19/414 Z
G01V8/10 S
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020159204
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022052782
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正興
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/054118(WO,A1)
【文献】特表2017-520442(JP,A)
【文献】特開2020-8309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G06Q 10/08
G06Q 50/28
G07G 1/12
G06Q 50/10
G01G 19/414
G01V 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の載置面を撮像範囲に含む撮像部と、
前記載置面に物体が載置されたか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記載置面に物体が載置されたと判定されたことに基づき、前記撮像部により得られた画像に基づいて前記物体の外形寸法の測定を開始する測定部と、
を備え、
前記判定部は、前記撮像部により得られた画像に基づいて所定エリア内に人が入ったか否かをさらに判定し、
前記測定部は、前記判定部により前記載置面に物体が載置されたと判定され、かつ、前記判定部により前記所定エリア内に人が入ったと判定されたことに基づき、前記物体の外形寸法の測定を開始する、寸法測定システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記撮像部により得られた前記画像に基づいて前記載置面に物体が載置されたか否かを判定する、請求項1に記載の寸法測定システム。
【請求項3】
前記載置面に置かれた前記物体の重量を測定する計量器をさらに備え、
前記判定部は、前記計量器によって測定された重量に基づいて前記載置面に物体が載置されたか否かを判定する、請求項1または2に記載の寸法測定システム。
【請求項4】
前記寸法測定システムは、前記判定部により前記所定エリア内に人が入ったと判定された場合に前記載置面への前記物体の載置を誘導する誘導画面を表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の寸法測定システム。
【請求項5】
前記寸法測定システムは、前記測定部による測定結果に基づいて前記物体の宅配に要する料金を算出する料金算出部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の寸法測定システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記測定部により前記物体の外形寸法が測定された後に前記撮像部により得られる画像に基づいて、前記載置面から前記物体が無くなったか否かをさらに判定し、
前記寸法測定システムは、前記判定部により前記載置面から前記物体が無くなったと判定されたことに基づき、前記載置面に前記物体が無い時点における前記計量器の測定重量を0とする0Kg補正を行う重量補正部をさらに備える、請求項3に記載の寸法測定システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記測定部により前記物体の外形寸法が測定された後に前記撮像部により得られる画像に基づいて、所定エリアに人がいなくなったか否かをさらに判定し、
前記重量補正部は、前記判定部により前記載置面から前記物体が無くなったと判定され、かつ、前記判定部により前記所定エリアに人がいなくなったと判定されたことに基づき前記0Kg補正を行う、請求項6に記載の寸法測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宅配業者の営業店舗やコンビニエンスストア等においては、以下のような手順で荷物の宅配の受付が行われる。依頼主が、宛名ラベルに依頼主の氏名および住所等の依頼主に関する情報と、送付先の氏名および住所等の送付先に関する情報とを記入する。そして、コンビニエンスストア等の店員が、これらの情報が記入された宛名ラベルと、送付したい荷物とを依頼主から受け取ると、メジャーや秤を用いて荷物の外形寸法及び重量を測定し、測定した結果と送り先の住所とに基づき、宅配サイズおよび宅配料金を決定し、宅配料金を精算することで、宅配受付を完了する。
【0003】
しかし、上述したような宅配受付においては、荷物の外形寸法及び重量の測定等に時間がかかることから、店員の負担を減らすために、依頼主自身が荷物の寸法及び重量の測定を行うようにすることが好ましい。さらに、店員の負担を減らすことができれば、店舗のレジカウンタにおいて、来店客を長い時間待たせことを避けることができ、来店客へのサービスの向上にもつながる。そこで、近年では、店員の手を煩わすことなく荷物の寸法や重量を自動的に測定する測定装置が開発されている。例えば、特許文献1には、このような測定装置の一例が開示されている。特許文献1に記載の測定装置は、依頼主からの指示に基づいて荷物の撮影と計測を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-194369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の測定装置では、依頼主が測定装置に表示されている文言を理解し、操作ボタンの位置を把握して、操作ボタンを押すことにより、撮影および計測の開始が指示される。このように依頼主が文言を理解し、操作ボタンの位置を把握して、操作ボタンを押すことは、依頼主にとって手間であり、また、相応の時間を要する。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、円滑に物体の外形寸法の測定を開始することが可能な、新規かつ改良された寸法測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、物体の載置面を撮像範囲に含む撮像部と、前記載置面に物体が載置されたか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記載置面に物体が載置されたと判定されたことに基づき、前記撮像部により得られた画像に基づいて前記物体の外形寸法の測定を開始する測定部と、を備え、前記判定部は、前記撮像部により得られた画像に基づいて所定エリア内に人が入ったか否かをさらに判定し、前記測定部は、前記判定部により前記載置面に物体が載置されたと判定され、かつ、前記判定部により前記所定エリア内に人が入ったと判定されたことに基づき、前記物体の外形寸法の測定を開始する、寸法測定システムが提供される。

【0008】
前記判定部は、前記撮像部により得られた前記画像に基づいて前記載置面に物体が載置されたか否かを判定する、請求項1に記載の寸法測定システム。
【0009】
前記載置面に置かれた前記物体の重量を測定する計量器をさらに備え、前記判定部は、前記計量器によって測定された重量に基づいて前記載置面に物体が載置されたか否かを判定してもよい。
【0011】
前記寸法測定システムは、前記測定部による測定結果に基づいて前記物体の宅配に要する料金を算出する料金算出部をさらに備えてもよい。
【0012】
前記判定部は、前記測定部により前記物体の外形寸法が測定された後に前記撮像部により得られる画像に基づいて、前記載置面から前記物体が無くなったか否かをさらに判定し、前記寸法測定システムは、前記判定部により前記載置面から前記物体が無くなったと判定されたことに基づき、前記載置面に前記物体が無い時点における前記計量器の測定重量を0とする0Kg補正を行う重量補正部をさらに備えてもよい。
【0013】
前記判定部は、前記測定部により前記物体の外形寸法が測定された後に前記撮像部により得られる画像に基づいて、所定エリアに人がいなくなったか否かをさらに判定し、前記重量補正部は、前記判定部により前記載置面から前記物体が無くなったと判定され、かつ、前記判定部により前記所定エリアに人がいなくなったと判定されたことに基づき前記0Kg補正を行ってもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明した本発明によれば、円滑に物体の外形寸法の測定を開始することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による宅配受付システム10の外観図である。
図2】本発明の一実施形態による宅配受付システム10の機能構成図である。
図3】本発明の一実施形態による宅配受付システム10の概略動作を示すフローチャートである。
図4】測定結果画面40の具体例を示す説明図である。
図5】測定部194が自動的に荷物の測定を開始する流れを示すフローチャートである。
図6】人検出エリア302を示す説明図である。
図7】人検出エリア302に人が入ったか否かを判定する方法を示す説明図である。
図8】測定部194が自動的に荷物の測定を開始する流れの変形例を示すフローチャートである。
図9】0Kg補正が行われる流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0018】
以下に説明する本発明の実施形態は、コンビニエンスストア等における宅配受付に適用され得る。しかしながら、本発明の実施形態は、コンビニエンスストア等で用いられることに限定されるものではなく、宅配業者の営業店舗や小売店やスーパーマーケット、交通機関の駅等の公共施設において用いられてもよく、特に限定されるものではない。
【0019】
また、以下の説明において、依頼主とは、コンビニエンスストア等に宅配を依頼する荷物を持参した者のことをいい、以下の実施形態においては、実際に宅配を依頼する者と荷物を持参した者が同一であるものとして説明する。しかしながら、実際に宅配を依頼する者と荷物を持参した者が同一でなくてもよい。
【0020】
<1.宅配受付システムの概要>
まず、本発明の一実施形態による宅配受付システムの概要を説明する。宅配受付システムは、依頼主によって持ち込まれた宅配対象の物体、すなわち荷物の外形寸法を測定する寸法測定システムの一例である。以下に説明する宅配受付システムに含まれるいずれかの機能は、設置場所、想定される依頼主等に応じて省略され得る。一方、宅配受付システムは、以下で説明されない機能を有することも可能である。
【0021】
(宅配受付システムの構成)
図1は、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の外観図である。図2は、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の機能構成図である。図1および図2に示したように、本発明の一実施形態による宅配受付システム10は、操作表示部110、スピーカ120、カメラ130、計量器140、現金処理部150、コードリーダ160、ラベルプリンタ170、レシートプリンタ180および制御部190を備える。
【0022】
操作表示部110は、表示部および操作部としての機能を有するタッチパネルである。操作表示部110は、主に依頼主に対して画面を表示し、依頼主による操作を受け付ける。操作表示部110は、取引の各段階で適宜文章や操作案内のイラストおよび動画などを表示したり、荷物の測定結果を示す測定結果画面などを表示したりする。
【0023】
スピーカ120は、音声を出力する音声出力部である。スピーカ120は、例えば依頼主への音声案内を出力する。
【0024】
カメラ130は、荷物を撮像して荷物の画像を取得する撮像部の一例である。カメラ130は、可視光カメラおよび深度カメラの機能を有する。可視光カメラは荷物のRGB画像を取得し、深度カメラは荷物の距離画像を取得する。カメラ130は、図1に示したように、例えば荷物が載置される載置面16の後側上方に設置される。
【0025】
計量器140は、荷物の重量を測定する。計量器140は、図1に示したように、例えば荷物が載置される載置面16に埋め込まれているため外観上スッキリしている。ただし、計量器140はカウンターの上に置かれていて、計量器140の上が載置面16として用いられてもよい。
【0026】
現金処理部150は、現金の投入および釣銭の出金などの現金処理を行う構成である。現金処理部150は、紙幣が投入されて釣銭として紙幣を出金する紙幣処理部、および硬貨が投入されて釣銭として硬貨を出金する硬貨処理部の機能を有する。
【0027】
コードリーダ160は、依頼主が利用するスマートフォンのような情報処理端末に表示されたコード(例えば、二次元コード)を読み取る。コードリーダ160は、情報処理端末に表示されたコードの読み取りにより、依頼主が情報処理端末に入力した荷物の送付情報、決済情報、または依頼主の会員番号などの情報を得ることが可能である。図1においては、コードリーダ160として固定タイプのリーダを示しているが、コードリーダ160に代えて、またはコードリーダ160に加えて、ハンディタイプのリーダが用いられてもよい。
【0028】
ラベルプリンタ170は、依頼主向けに宛名ラベルを印刷する。ラベルプリンタ170で印刷された宛名ラベルは剥離紙が貼られたシールになっている。依頼主が宛名ラベルから剥離紙を剥がし、宛名ラベルを荷物に貼り付ける。なお、宅配受付システム10は、予め宛名ラベルが貼り付けられた荷物を受け付けることが可能であるが、取引の最中に入力された送付情報に基づいて宛名ラベルを作成して印刷することも可能である。送付情報の入力方法には、例えば操作表示部110に表示される操作画面から送付先や送付元などの情報を入力する方法、スマートフォンのような情報処理端末のアプリケーションへの情報入力に基づいて予め生成された二次元コードをコードリーダ160で読み取る方法、および会員情報としてホストに登録済みの情報をホストから受信して依頼主に選択させる方法などがある。依頼主は、印刷された宛名ラベルを荷物に貼付する。
【0029】
レシートプリンタ180は、依頼主向けに取引の終了前に荷物の宅配に要する料金の受領を示す領収証を印刷する。
【0030】
制御部190は、宅配受付システム10の動作全般を制御する。制御部190の機能は、ソフトウェアと、CPUおよびRAMなどのハードウェアとの協働により実現され得る。特に、本発明の一実施形態による制御部190は、図2に示したように、表示制御部192、測定部194、料金算出部196、判定部198および重量補正部199の機能を有し、寸法測定装置として用いられる。
【0031】
表示制御部192は、多様な表示画面を生成し、生成した表示画面を操作表示部110に表示させる。測定部194は、カメラ130により得られた荷物の画像に基づいて荷物の外形寸法を測定する。荷物の外形寸法としては、荷物の外接六面体の3辺の合計長さが用いられ得る。料金算出部196は、測定部194により得られた荷物の外形寸法、および計量器140により得られた荷物の重量に基づき、荷物の宅配サイズを特定し、荷物の宅配に要する料金、すなわち宅配サイズに対応する宅配料金を算出する。
【0032】
判定部198は、載置面16に荷物が載置されたか否かの判定、載置面16から荷物が無くなったか否かの判定などを行う。重量補正部199は、載置面16に荷物が載置されていない時の計量器140の測定重量を0Kgとする0Kg補正を行う。
【0033】
(宅配受付システムの動作)
以上、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の概略動作を説明する。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の概略動作を示すフローチャートである。まず、載置面16に置かれた荷物の外形寸法を測定部194が測定し(S200)、計量器140が荷物の重量を測定する(S216)。
【0035】
続いて、表示制御部192が、外形寸法の測定結果および重量の測定結果を含む測定結果画面を生成し、操作表示部110に測定結果画面を表示させる(S220)。図4は、測定結果画面40の具体例を示す説明図である。図4に示したように、測定結果画面40は、荷物のRGB画像42、測定結果44、やり直しボタン46、および確認ボタン48を含む。測定結果44は、外形寸法の測定結果(大きさ)および重量の測定結果(重さ)の表示に加え、荷物の種類、および、宅配サイズの表示を含む。やり直しボタン46は取引を最初からやり直すためのボタンであり、確認ボタン48は取引を先に進めるためのボタンである。
【0036】
測定結果画面において確認ボタン48が選択されると、図3に示したように、料金算出部196が荷物の宅配に要する料金(宅配料金)を算出する(S224)。その後、表示制御部192が、宅配料金および決済方法の選択項目を含む決済画面を生成し、当該決済画面を操作表示部110に表示させる(S228)。そして、制御部190は、決済画面において依頼主が選択した決済方法に従い決済処理を行う(S232)。その後、ラベルプリンタ170が宛名ラベルを印刷し(S236)、レシートプリンタ180が領収書を印刷し(S240)、一連の処理が終了する。
【0037】
<2.宅配受付システムにおける創意工夫>
以上、本発明の一実施形態による宅配受付システム10の構成および概略動作を説明した。続いて、本発明の一実施形態による宅配受付システム10における多様な創意工夫を順次詳細に説明する。
【0038】
(外形寸法の測定開始)
本発明の一実施形態による測定部194は、依頼主からの明示的な指示無しに、自動的に荷物の測定を開始する。以下、図5を参照して、測定部194が自動的に荷物の測定を開始する流れを説明する。
【0039】
図5は、測定部194が自動的に荷物の測定を開始する流れを示すフローチャートである。まず、宅配受付システム10が起動すると、カメラ130が撮像を開始する(S201)。そして、判定部198が、カメラ130により得られた画像に基づいて、所定エリアである人検出エリア内に人が入ったか否かを判定する(S203)。
【0040】
図6は、人検出エリアの具体例を示す説明図である。図6は、上方からの視点での載置面16を含む領域を示している。図6に示したように、荷物を計測可能な荷物計測エリア301が載置面16上に位置しており、荷物計測エリア301および載置面16の手前側に人検出エリア302が設定されている。人検出エリア302は、依頼主が荷物を載置面16に載置する際に位置していると考えられるエリアである。人検出エリア302内に人が入ったか否かを判定する方法は、カメラ130から得られるRGB画像の差分から得られる情報で判定する方法であってもよいし、距離画像からの情報に基づいて判定する方法であってもよい。図7は側面からの視点で距離画像から人検出エリア302内に人が入ったか否かを判定する方法を示す説明図である。距離画像からはその画像に写っている1画素毎に、対象物までの距離dがわかる。カメラ130からその対象物までの距離dが人検出エリア302に入っているかどうかを判定し、入っている場合は人検出エリア302内に人が入ったという判定をする。
【0041】
当該人検出エリア302に人が入ったと判定部198が判定すると(S203/Yes)、表示制御部192が、載置面16への荷物の載置を誘導する誘導画面を操作表示部110に表示させる(S205)。人検出エリア302に人が入ったと判定部198が判定しない場合、S203の処理が繰り返される(S203/No)。
【0042】
その後、判定部198は、カメラ130により得られた画像に基づいて、載置面16に荷物が載置されたか否かを判定する(S207)。荷物が載置されたか否かを判定する方法は、人検出エリア302内に人が入ったか否かを判定する方法と同様である。載置面16に荷物が載置されたと判定部198が判定しない場合(S207/No)、S207の処理が繰り返される。載置面16に荷物が載置されたと判定部198が判定すると(S207/Yes)、測定部194が荷物の測定を開始する(S209)。そして、処理は図3を参照して説明したS216に進められる。
【0043】
このように、本発明の一実施形態によれば、判定部198の判定結果に基づいて測定部194が自動的に荷物の測定を開始する。従って、依頼主が明示的に測定の開始を指示するための手間および時間が発生せず、円滑に測定を開始することが可能である。
【0044】
なお、測定開始のための条件は上記の例に限られない。例えば、判定部198は、人検出エリア302に人が入ったか否かを判定せず、載置面16に荷物が載置されたか否かを判定し、測定部194は、載置面16に荷物が載置されたと判定部198が判定した場合に荷物の測定を開始してもよい。
【0045】
また、上記では、判定部198は、載置面16に荷物が載置されたか否かをカメラ130により得られた画像に基づいて判定する例を説明したが、載置面16に荷物が載置されたか否かの判定は他の情報に基づいて行われてもよい。例えば、判定部198は、計量器140の測定結果に基づいて載置面16に荷物が載置されたか否かを判定してもよい。以下、図7を参照して具体的に説明する。
【0046】
図7は、測定部194が自動的に荷物の測定を開始する流れの変形例を示すフローチャートである。まず、宅配受付システム10が起動すると、カメラ130が撮像を開始する(S201)。そして、判定部198が、カメラ130により得られた画像に基づいて、人検出エリア内に人が入ったか否かを判定する(S203)。当該人検出エリア302に人が入ったと判定部198が判定すると(S203/Yes)、表示制御部192が、載置面16への荷物の載置を誘導する誘導画面を操作表示部110に表示させる(S205)。さらに、制御部190は計量器140を起動する(S206)。人検出エリア302に人が入ったと判定部198が判定しない場合、S203の処理が繰り返される(S203/No)。
【0047】
その後、判定部198は、計量器140の測定結果に基づいて、載置面16に荷物が載置されたか否かを判定する(S208)。例えば、判定部198は、計量器140の測定結果が所定値以上である場合に載置面16に荷物が載置されたと判定してもよい。載置面16に荷物が載置されたと判定部198が判定しない場合(S208/No)、S208の処理が繰り返される。載置面16に荷物が載置されたと判定部198が判定すると(S208/Yes)、測定部194が荷物の測定を開始する(S209)。そして、処理は図3を参照して説明したS216に進められる。
【0048】
このように、判定部198が計量器140の測定結果に基づいて載置面16に荷物が載置されたか否かを判定する方法によっても、測定部194が自動的に荷物の測定を開始することが可能である。
【0049】
(0Kg補正)
上述した宅配受付システム10においては、載置面16に荷物が載置されていない時の計量器140の測定重量は0Kgとなっていることが望ましい。そのために、載置面16に荷物が載置されていない時の計量器140の測定重量が0Kgでない場合には、宅配受付システムの管理者、または宅配受付システムが設置されている店舗の店員が手動で宅配受付システムの全体または一部の電源をOFF/ONすることで、計量器140の測定重量を補正することが考えられる。
【0050】
しかし、宅配受付システム10の全体または一部の電源をOFF/ONすると、宅配受付システムの運用が一時的に停止してしまうし、電源のOFF/ONの手間が生じる。この点に関し、制御部190の重量補正部199は、計量器140の0Kg補正を自動的に実行することが可能である。以下、図8を参照して具体的に説明する。
【0051】
図8は、0Kg補正が行われる流れを示すフローチャートである。図8には、図3に示したS240以降の処理を示している。図8に示したように、判定部198は、カメラ130により得られる画像に基づいて、載置面16から荷物が無くなったか否か、すなわち、載置面16から荷物が降ろされたか否かを判定する(S242)。判定部198が載置面16から荷物が無くなったと判定した場合(S244/Yes)、重量補正部199が計量器140の測定重量を0とする0Kg補正を実行する(S246)。
【0052】
このように、本発明の一実施形態によれば、計量器140の測定結果にズレが生じていた場合に、宅配受付システム10の全体の電源をOFF/ONすることなく、計量器140の0Kg補正を実行することができる。従って、宅配受付システム10の運用が妨げられない。また、管理者または店員が手動で0Kg補正を行うための手間を省くことも可能である。
【0053】
なお、載置面16から荷物が無くなった後、重量補正部199が0Kg補正を行う前に新たな荷物が載置面16に置かれると、新たな荷物が置かれた状態での測定重量を0Kgとする補正が行われ得る。このような補正を回避するために、判定部198は、載置面16から荷物が無くなったか否かの判定に加えて、カメラ130により得られる画像に基づいて、人検出エリア内または画像内から人がいなくなったか否かを判定してもよい。そして、重量補正部199は、載置面16から荷物が無くなったと判定され、かつ、人検出エリア内または画像内から人がいなくなったと判定された場合に、計量器140の測定重量を0とする0Kg補正を実行してもよい。かかる構成によれば、より確実に荷物が載置面16に載置されていない状態における計量器140の測定重量を0とする0Kg補正を実行することが可能である。
【0054】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】
例えば、本発明の一実施形態は、荷物の配送に携わる荷物サイズ測定システムにも適用可能である。
【0056】
また、宅配受付システム10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、宅配受付システム10の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0057】
また、宅配受付システム10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した宅配受付システム10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0058】
10 宅配受付システム
16 載置面
110 操作表示部
120 スピーカ
130 カメラ
140 計量器
150 現金処理部
160 コードリーダ
170 ラベルプリンタ
180 レシートプリンタ
190 制御部
192 表示制御部
194 測定部
196 料金算出部
198 判定部
199 重量補正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9