(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】更新管理サーバ、更新管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240509BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2020160353
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】大野 博樹
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大佑
(72)【発明者】
【氏名】森野 昌
(72)【発明者】
【氏名】菊地 淳史
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167673(JP,A)
【文献】特開2007-265042(JP,A)
【文献】特開2012-003449(JP,A)
【文献】再公表特許第2003/079250(JP,A1)
【文献】特開2012-103881(JP,A)
【文献】田畑 太,外2名,進化するアウトバウンド・テレマーケティング 顧客満足の向上を図る,I.M.Press Vol.51 ,日本,株式会社インプレス,2000年07月25日,第51巻,10-11頁
【文献】Q.カードの有効期限が切れそうですが。,[online],株式会社OCS,2013年07月25日,[令和6年3月26日検索],インターネット<URL:https://www.ocsnet.co.jp/question/2812>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード管理サーバと通信し、前記カード管理サーバからカード更新の対象者に関する更新対象者情報を受信する通信部と、
カード会員の端末装置に通知するメッセージの宛先情報を含む会員通知情報を記憶する記憶部と、
前記更新対象者情報を用いて前記記憶部から読み出した前記対象者の前記会員通知情報に基づいて、前記対象者の端末装置へのメッセージを通知するメッセージ通知部と、
を備え、
前記メッセージ通知部は、前記対象者の端末装置に、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知し、カードを更新する意思がある旨の応答をした前記対象者の端末装置に、前記対象者の現住所を確認するメッセージを通知し、
前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者におけるカードを更新する意思の有無、及び前記対象者の現住所を確認した結果を前記カード管理サーバに送信し、前記カード管理サーバから前記対象者に発送する更新カードの発送予定日を含む発送情報を受信し、
前記メッセージ通知部は、前記発送情報に基づいて、前記更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の前記対象者の端末装置に前記更新カードの受取を確認するメッセージを通知する、
更新管理サーバ。
【請求項2】
前記更新カードは、利用可能に設定された状態で前記対象者に発送され、
前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者による更新カードの受取を確認した確認結果を前記カード管理サーバに送信し、
前記対象者に更新カードが発送されてから予め定められた応答期間が経過するまでに、前記対象者から更新カードを受取った旨の応答がない場合、前記更新カードは前記確認結果に応じて無効とされる、
請求項1に記載の更新管理サーバ。
【請求項3】
更新カードの発送に対応して作成されたコード番号が示された発送物が、前記更新カードと共に前記対象者に発送され、
前記メッセージ通知部は、発送先の前記対象者の端末装置に対し、前記更新カードの受取を確認するメッセージの応答に前記更新カードと共に発送された配送物に示されている前記コード番号の入力を要求するメッセージを通知する、
請求項1又は請求項2に記載の更新管理サーバ。
【請求項4】
カード会員の端末装置に通知するメッセージの宛先情報を含む会員通知情報を記憶する記憶部を備える更新管理サーバが実行する更新管理方法であって、
通信部が、カード管理サーバと通信し、前記カード管理サーバからカード更新の対象者に関する更新対象者情報を受信し、
メッセージ通知部が、前記更新対象者情報を用いて前記記憶部から読み出した前記対象者の前記会員通知情報に基づいて、前記対象者の端末装置へのメッセージを通知する、
更新管理方法であって、
前記メッセージ通知部は、前記対象者の端末装置に、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知し、カードを更新する意思がある旨の応答をした前記対象者の端末装置に、前記対象者の現住所を確認するメッセージを通知し、
前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者におけるカードを更新する意思の有無、及び前記対象者の現住所を確認した結果を前記カード管理サーバに送信し、前記カード管理サーバから前記対象者に発送する更新カードの発送予定日を含む発送情報を受信し、
前記メッセージ通知部は、前記発送情報に基づいて、前記更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の前記対象者の端末装置に前記更新カードの受取を確認するメッセージを通知する、
更新管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の更新管理サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記更新管理サーバが備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更新管理サーバ、更新管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード(以下、単にカードとも称する)の更新においては、更新されたカードを郵送する際に、本人確認が必要な本人限定受取郵便や、それに準じた発送状況が把握でき、且つ受取サイン等が必要な簡易書留などが利用される。カードを本人ではない他者に誤って渡したり、不正が行われたりしないようにするためである。特許文献1には、クレジットカードを店頭でも、郵送でも受け取れるようにするとともに、店頭でのクレジットカードの受け渡しの際、不正が行われないようにすることのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カードを更新する場合、カードの有効期限の満了が近付いたタイミングでカード会社から更新カードは発送される。しかしながら、更新カードの発送に用いられる本人限定受取郵便や簡易書留などの特殊郵便は普通郵便と比較して郵送コストが高い。特にカードの更新時においては、カードを新規に発行した時点から月日が経過している場合がほとんどであるため、カード会員の住所が変更されている場合がある。このようなカード会員に更新カードを郵送しても戻ってきてしまい、再度郵送するための郵送コストや手間がかかってしまう。また、普段カードを利用しなくなった休眠会員にも更新カードを郵送するため、休眠会員から受取りを拒否されれば、郵送費が無駄になってしまう。特許文献1の技術は、クレジットカードの新規発行の際に郵送または店頭での受け取りを指定するものである。このため、特許文献1の技術は、カード更新時の構成について何ら開示するものではない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、カードの更新に係るコストを低減させることができる更新管理サーバ、更新管理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上述した課題を解決するために、本発明は、カード管理サーバと通信し、前記カード管理サーバからカード更新の対象者に関する更新対象者情報を受信する通信部と、カード会員の端末装置に通知するメッセージの宛先情報を含む会員通知情報を記憶する記憶部と、前記更新対象者情報を用いて前記記憶部から読み出した前記対象者の前記会員通知情報に基づいて、前記対象者の端末装置へのメッセージを通知するメッセージ通知部と、を備え、前記メッセージ通知部は、前記対象者の端末装置に、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知し、カードを更新する意思がある旨の応答をした前記対象者の端末装置に、前記対象者の現住所を確認するメッセージを通知し、前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者におけるカードを更新する意思の有無、及び前記対象者の現住所を確認した結果を前記カード管理サーバに送信し、前記カード管理サーバから前記対象者に発送する更新カードの発送予定日を含む発送情報を受信し、前記メッセージ通知部は、前記発送情報に基づいて、前記更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の前記対象者の端末装置に前記更新カードの受取を確認するメッセージを通知する更新管理サーバである。
【0007】
また、本発明は、上述の更新管理サーバにおいて、前記更新カードは、利用可能に設定された状態で前記対象者に発送され、前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者による更新カードの受取を確認した確認結果を前記カード管理サーバに送信し、前記対象者に更新カードが発送されてから予め定められた応答期間が経過するまでに、前記対象者から更新カードを受取った旨の応答がない場合、前記更新カードは前記確認結果に応じて無効とされる。
【0008】
また、本発明は、上述の更新管理サーバにおいて、更新カードの発送に対応して作成されたコード番号が示された発送物が、更新カードと共に前記対象者に発送され、前記メッセージ通知部は、発送先の前記対象者の端末装置に対し、前記更新カードの受取を確認するメッセージの応答に前記更新カードと共に発送された配送物に示されている前記コード番号の入力を要求するメッセージを通知する。
【0009】
また、本発明は、カード会員の端末装置に通知するメッセージの宛先情報を含む会員通知情報を記憶する記憶部を備える更新管理サーバが実行する更新管理方法であって、通信部が、カード管理サーバと通信し、前記カード管理サーバからカード更新の対象者に関する更新対象者情報を受信し、メッセージ通知部が、前記更新対象者情報を用いて前記記憶部から読み出した前記対象者の前記会員通知情報に基づいて、前記対象者の端末装置へのメッセージを通知する、更新管理方法であって、前記メッセージ通知部は、前記対象者の端末装置に、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知し、カードを更新する意思がある旨の応答をした前記対象者の端末装置に、前記対象者の現住所を確認するメッセージを通知し、前記通信部は、前記メッセージ通知部により通知されたメッセージに対する前記対象者の端末装置からの応答に基づいて、前記対象者におけるカードを更新する意思の有無、及び前記対象者の現住所を確認した結果を前記カード管理サーバに送信し、前記カード管理サーバから前記対象者に発送する更新カードの発送予定日を含む発送情報を受信し、前記メッセージ通知部は、前記発送情報に基づいて、前記更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の前記対象者の端末装置に前記更新カードの受取を確認するメッセージを通知する、更新管理方法である。
【0010】
また、本発明は、コンピュータを、上記に記載の更新管理サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記更新管理サーバが備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カードの更新に係るコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る更新管理システム1の構成の例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る更新管理サーバ20の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る会員情報120の構成の例を説明する図である。
【
図4】実施形態に係る会員通知情報220の構成の例を説明する図である。
【
図5】実施形態に係る更新情報221の構成の例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る端末装置40に表示される画面の例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る端末装置40に表示される画面の例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る端末装置40に表示される画面の例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る端末装置40に表示される画面の例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る更新管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図11】実施形態に係る更新管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
まず、更新管理システム1について説明する。更新管理システム1は、カードの更新に係る各種の連絡や確認等にメッセージングサービスを利用するシステムである。ここでのメッセージングサービスは、顧客の携帯電話にメッセージを通知するサービスであって、例えば、RCS(Rich Communication Services)、SMS(Short Message Service)、及びMMS(Multimedia Messaging Service)など、携帯電話の電話番号あてにメッセージを通知するサービスである。
【0015】
また、以下では、メッセージングサービスを利用してカードの更新係るやり取りを行う場合を例に説明するが、これに限定されることはない。本実施形態の更新管理システム1は、受取り確認を行う各種の発送物を発送する仕組みに広く適用することが可能である。
【0016】
図1は、実施形態に係る更新管理システム1の構成の例を示すブロック図である。更新管理システム1は、例えば、業者サーバ10と、更新管理サーバ20と、携帯キャリアサーバ30と、複数の端末装置40(端末装置40-1、40-2、…、40-M)とを備える(Mは任意の自然数)。更新管理システム1の構成要素(業者サーバ10、更新管理サーバ20、携帯キャリアサーバ30、及び複数の端末装置40)は、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。業者サーバ10は「カード管理サーバ」の一例である。
【0017】
なお、更新管理システム1の構成要素における接続関係は、
図1に示す接続例に限定されることはない。更新管理システム1では、少なくとも更新管理サーバ20と、他の構成要素(業者サーバ10、携帯キャリアサーバ30、及び複数の端末装置40)とが相互に通信可能であればよい。また、更新管理サーバ20と、他の構成要素とは、単一のネットワークによって通信可能に接続されていなくともよい。例えば、更新管理サーバ20と業者サーバ10との通信と、更新管理サーバ20と携帯キャリアサーバ30との通信が、互いに異なるネットワークにより接続されていてもよい。
【0018】
業者サーバ10は、カードの発行及び管理等を行うカード業者のコンピュータ装置である。業者サーバ10は、カードを更新する対象となる会員(対象者)に対しカードを更新する業務を、更新管理サーバ20を介して行う。
【0019】
業者サーバ10には、各種のPC(personal computer)、サーバ装置などが適用される。業者サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、更新管理サーバ20と通信ネットワークNWを介して通信する。記憶部12は、業者サーバ10の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部12は、例えば、会員情報120を記憶する。会員情報120は、カード業者によってカードが発行された会員(カード会員)に関する情報である。会員情報120は、例えば、カード会員の氏名等の属性情報、及びカード会員に発行したカードに関する情報(発行日や有効期限など)を記憶する(
図3参照)。
【0020】
制御部13は、記憶部12に予め記憶されたプログラムを実行することにより、業者サーバ10の各機能部の処理を実行する。制御部13は、会員情報120に基づいて、カード会員に発行したカードの更新を管理する。例えば、制御部13は、カードを更新する対象となるカード会員(対象者)を抽出し、抽出した対象者の会員情報120を、通信部11を介して更新管理サーバ20に通知する。ここで、対象者の会員情報120は、「更新対象者情報」の一例である。
【0021】
更新管理サーバ20は、カード会員へのカード更新等の通知サービスを展開するコンピュータ装置である。具体的に、更新管理サーバ20は、携帯キャリアが提供し、ユーザーの端末装置40にインストールされるメッセージアプリ等のアプリケーションプログラムに、通知サービスのアカウントを作成する。更新管理サーバ20は、通知サービスのアカウントをフォローし、通知サービスの利用登録を行ったカード会員の端末装置40に対し、通知サービスを提供する。
【0022】
このように、更新管理サーバ20は、顧客が日常的に利用している携帯キャリアが提供するメッセージアプリ等をインターフェースとして、ユーザーの端末装置40に対してカードの更新に係る通知等を行う。携帯キャリアでは、厳格な本人確認を条件に、携帯電話を利用する契約を締結している。したがって、本実施形態の更新管理サーバ20による通知サービスにおいては、カード会員の本人確認の確実性が担保され易い仕組みとなっている。なお、親が購入した携帯電話を子供が使用するケースにおいては、携帯契約時のキャリアの本人(親)確認のみでは使用者本人(子供)確認の確実性は担保されない場合もあり得る。更新管理サーバ20が、通知サービスを提供する具体的な方法については後で詳しく説明する。
【0023】
携帯キャリアサーバ30は、携帯キャリアが提供するメッセージアプリ等のサービスを提供するコンピュータ装置である。携帯キャリアサーバ30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。通信部31は、更新管理サーバ20及び端末装置40と通信ネットワークNWを介して通信する。記憶部32は、携帯キャリアサーバ30の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部32は、例えば、契約者情報320を記憶する。契約者情報320は携帯キャリアが提供する携帯電話通信の契約者に関する情報である。契約者情報320は、例えば、契約者の氏名等の属性情報、及び契約した携帯電話の電話番号等を記憶する。
【0024】
制御部33は、記憶部32に予め記憶されたプログラムを実行することにより、携帯キャリアサーバ30の各機能部の処理を実行する。制御部33は、携帯キャリアを介したメッセージアプリ等のサービスを提供する。例えば、制御部33は、端末装置40から通知されたメッセージアプリ等の起動要求に応じて、通知をしてきた電話番号の認証を行う。ここでの、電話番号の認証では、発信者の電話番号(端末装置40に挿入されているSIMカードから読み取られた電話番号)を、携帯電話契約者のデータベースである契約者情報320に格納されている有効な電話番号と照合する処理が行われる。携帯キャリアサーバ30は、発信者の電話番号が、契約者情報320に格納されている有効な電話番号である場合には、契約者からの正当な起動要求を受信したと判定する。携帯キャリアサーバ30は、契約者からの正当な起動要求を受信した場合、端末装置40によるメッセージアプリの起動を許可する。
【0025】
端末装置40は、携帯電話通信を行う携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータ装置である。端末装置40は、例えば、カード会員の端末装置であり、業者サーバ10の会員情報120にその電話番号が登録されている端末装置である。また、端末装置40には、携帯キャリアにより提供されるメッセージアプリ等のアプリケーションプログラムがインストールされている。端末装置40は、メッセージアプリを介して提供される通知サービスの利用登録がなされている。
【0026】
端末装置40は、例えば、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44とを備える。通信部41は、更新管理サーバ20、及び携帯キャリアサーバ30と、通信ネットワークNWを介して通信を行う。記憶部42は、端末装置40の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。制御部43は、記憶部42に予め記憶されたプログラムを実行することにより、端末装置40の各機能部の処理を実行する。制御部43は、携帯キャリアを介したメッセージアプリ等を介したチャットや、通知サービスの利用等を行う。表示部44は、制御部43の制御に応じた画面を表示する。例えば、表示部44は、通知サービスから通知されたメッセージを表示する。
【0027】
なお、上記では、携帯キャリアが提供するメッセージアプリを介して通知サービスが提供される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されることはない。本実施形態では、少なくとも通知サービスがメッセージングサービスを利用して提供されればよい。例えば、RCS、SMS、MMSの他、SNS(Social Networking Service)、電子メール等などの機能を利用した送受信を介して通知サービスが提供されるような構成であってもよい。また、通知サービスが、アプリケーションプログラムによって提供される態様に限定されることはない。例えば、通知サービスが、所定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることにより利用することができるWebサービスとして提供されるものであってもよい。
【0028】
図2は、実施形態に係る更新管理サーバ20の構成の例を示すブロック図である。更新管理サーバ20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して、業者サーバ10、携帯キャリアサーバ30、及び端末装置40と通信する。
【0029】
記憶部22は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部22は、更新管理サーバ20の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0030】
記憶部22は、例えば、会員通知情報220と、更新情報221とを記憶する。会員通知情報220は、通知サービスに登録されたカード会員の通知先に関する情報である。会員通知情報220には、カード会員の端末装置40に通知するメッセージの宛先情報を含む。ここでの宛先情報は、電話番号宛てにメッセージが通知される場合には電話番号である。また、SNSを介してメッセージが通知される場合、宛先情報は、カード会員のSNSのアカウントである。電子メールを介してメッセージが通知される場合、宛先情報は、カード会員の電子メールアドレスである。更新情報221は、通知サービスを介してカード更新のやり取りをしているカード会員の更新の進捗状況を示す情報である。
【0031】
制御部23は、更新管理サーバ20の各構成を制御する。制御部23は、例えば、更新管理サーバ20のCPU(Central Processing Unit)が記憶部22に予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路として実現されてもよい。
【0032】
制御部23は、例えば、更新対象者情報取得部230と、メッセージ通知部231と、装置制御部232とを備える。更新対象者情報取得部230は、更新対象者情報を取得する。ここでの更新対象者情報は、カードを更新する対象となるカード会員(対象者)に関する情報であり、業者サーバ10から更新管理サーバ20に送信される、対象者の会員情報120である。
【0033】
メッセージ通知部231は、対象者の端末装置40にメッセージを通知する。メッセージ通知部231は、更新対象者情報取得部230によって取得された更新対象者情報に基づいて、記憶部22を参照し、(カード更新の)対象者の会員通知情報220を取得する。メッセージ通知部231は、取得した会員通知情報220に基づいて、対象者に通知するメッセージの宛先を取得し、取得した宛先にメッセージを通知する。これにより、対象者の端末装置40にメッセージが通知される。
【0034】
ここで、業者サーバ10によって抽出された対象者には、カードの更新時においてすでにカードを使用していない等、カード更新する意思がない対象者が一定数含まれていると考えられる。このような更新する意思のない対象者に一方的に更新カードを発送しても、更新カードが利用されない可能性が高く、更新カードを作成する費用や、更新カードを発送する郵送費用が無駄になってしまう可能性がある。
【0035】
また、カードを発行してから更新時期が到来するまでには、数年単位の時間が経過していることが通常である。このため、現住所が、カード発行時から変更されている対象者が一定数含まれていると考えられる。このような場合に、変更前の住所宛てに更新カードを発送してしまうと、郵送費用が無駄になり、変更先の住所に転送する費用がかさんでしまう可能性がある。
【0036】
さらに、更新カードを発送する際には、本人が受取ったことを確認できる態様かそれに準じた態様で発送する。更新カードが本人とは異なる他人が受取ってしまい本人の手に渡らなかったり、悪用されたりすることを防ぐためである。このため、受取確認を必要としない通常の費用と比較して、更新カードを発送するための郵送費用が割高になるという問題があった。
【0037】
この対策として、本実施形態では、更新カードを作成したり発送したりする前に、まず、メッセージ通知部231は、対象者に対して更新の意思を確認するメッセージを通知する。これにより、カード更新する意思がない対象者に更新カードを作成したり発送したりする費用を省くことができる。
【0038】
また、メッセージ通知部231は、カード更新の意思がある旨の応答をした対象者に対し、更新カードを発送する前に、対象者の現住所を確認するメッセージを通知する。これにより、現住所に変更がある対象者に、変更前の住所宛てに更新カードを発送してしまうことによる無駄な費用の発生を低減することができる。
【0039】
さらに、メッセージ通知部231は、更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の対象者の端末装置40にメッセージを通知する。ここでの更新カードの発送予定日に応じたタイミングとは、配送予定日を基準として、更新カードが配送先に到達されることが想定される到達日の数日前(例えば、一日前)の日である。なお、これに限定されることはなく、更新カードの発送予定日に応じたタイミングが、更新カードの到達日と同じ日であってもよいし、数日後の日であってもよい。
【0040】
また、更新カードの発送予定日に応じたタイミングでメッセージ通知部231が通知するメッセージは、更新カードが発送された旨、及び更新カードを受け取ったらその旨の応答を要求するメッセージである。このようなメッセージを通知することにより、対象者が更新カードを受け取ったか否かを、メッセージの応答で確認することができる。したがって、割高な費用がかかる受取確認つきの発送を行う必要がない。
【0041】
この場合において、メッセージ通知部231は、更新カードを受け取った旨の応答がない場合には、更新カードを利用できなくなる旨の警告を行うようにしてもよい。これにより、対象者から更新カードを受け取った旨の応答を得やすくすることが可能である。
【0042】
この場合において、例えば、利用可能な状態の更新カードが、例えば業者サーバ10等により、対象者に発送される。メッセージ通知部231は、更新カードの発送日から所定期間(例えば、3日間など)経過しても、更新カードを受け取った旨の応答が得られない場合、その旨を、通信部21を介して業者サーバ10に送信する。この場合、メッセージ通知部231は、更新カードを受け取っている場合にはその旨の応答を促すメッセージ(リマインド)を通知する。或いは、メッセージ通知部231は、リマインドの通知と併せて、更新カードを受け取った旨の応答がない場合には、更新カードが利用できなくなる旨を警告するメッセージを再度通知するようにしてもよい。あるいは、更新カードの発送日から所定期間(例えば、3日間など)経過しても、更新カードを受け取った旨の応答が得られない場合、カード会社などによって、配送業者に更新カードの発送の確認が行われたり、オペレータによる対象者への電話連絡等によって更新カードの到達の確認が行われたりするようにしてもよい。
【0043】
さらに、メッセージ通知部231は、リマインドの通知から所定期間(例えば、1週間など)経過しても、更新カードを受け取った旨の応答が得られない場合、その旨を、通信部21を介して業者サーバ10に送信する。この場合、例えば、業者サーバ10等によって、更新カードが無効にされる。
【0044】
また、メッセージ通知部231は、更新カードを受け取った旨の応答に、コード番号の入力を要求するようにしてもよい。コード番号は、更新カードの発送ごとに生成されるユニークな番号であり、例えば、更新カードの台紙などに印字され、更新カードと共に発送される番号である。これにより、更新カードが届いていないにもかかわらず、誤って更新カードを受け取った旨の応答をしてしまった場合などに、誤った応答がなされたことを検知することができる。したがって、対象者が確実に更新カードを受け取ったことを確認することが可能となる。
【0045】
装置制御部232は、更新管理サーバ20を統合的に制御する。例えば、装置制御部232は、通信部21が業者サーバ10から受信した更新対象者情報を更新対象者情報取得部230に出力する。また、装置制御部232は、通信部21が端末装置40から受信した応答を、更新情報221に記憶させる。また、装置制御部232は、端末装置40から更新カードを受け取った旨の応答が得られた場合、その旨を、通信部21を介して業者サーバ10に送信する。
【0046】
図3は、実施形態に係る会員情報120の構成の例を説明する図である。会員情報120は、例えば、会員IDと、属性情報などの項目を備える。会員IDは、カード会員を一意に識別する識別情報である。属性情報は、会員IDで特定されるカード会員の属性を示す情報である。この例では、属性情報として、氏名、住所、生年月日、カード発行日、有効期限などが示されている。この例では、Y1/M1/D1に発行されたカードが、Y2/M2/D2まで有効であることが示されている。
【0047】
図4は、実施形態に係る会員通知情報220の構成の例を説明する図である。会員通知情報220は、例えば、会員IDと、属性情報などの項目を備える。会員IDは、通知サービスを利用しているカード会員の識別情報である。属性情報は、会員IDで特定されるカード会員の属性を示す情報であり、通知サービスの宛先を含む情報である。この例では、通知サービスの宛先として電話番号が利用され、その番号が「09012345678」であることが示されている。
【0048】
図5は、実施形態に係る更新情報221の構成の例を示す図である。更新情報221は、例えば、更新対象者ID、会員ID、更新状況などの項目を備える。更新対象者IDは、対象者を一意に識別する識別情報であり、例えば、メッセージ通知部231によって更新に係る最初のメッセージが通知される際に付与される識別情報である。会員IDは、更新対象者IDで特定される対象者の会員IDである。更新状況には、例えば、意思確認と受取確認の項目がある。
【0049】
意思確認は、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージのやり取りの進捗状況を示すものであり、例えば、通知日、応答日、及び応答内容などの項目を備える。通知日は、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知した日付である。応答日は、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージに対する応答が通知された日付である。応答内容は、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージに対応する応答の内容、すなわち、カードを更新する意思があるか否かを示す情報である。この例では、Y2/M1/D1にメッセージが通知され、その日のうちにカードを更新する意思がある旨の応答が得られたことが示されている。
【0050】
受取確認は、発送された更新カードを受け取ったか否かを確認するメッセージのやりとりの進捗状況を示すものであり、例えば、通知日、応答日、コード番号マッチング結果などの項目を備える、通知日は、カードを発送した旨、及び受け取ったらその旨の応答を要求する旨のメッセージを通知した日付である。応答日は、受取を確認するメッセージに対する応答が通知された日付である。この例では、Y2/M1/D2にメッセージが通知され、Y2/M1/D3に更新カードを受け取った旨の応答が得られたこと、その際に入力されたコード番号が発送した番号に一致したこと(マッチング結果 OK)が示されている。
【0051】
図6~
図9は、実施形態に係る端末装置40に表示される画面の例を示す図である。
図6には、カードを更新する意思を確認する場合に通知されるメッセージの例が示されている。この例では、「更新カード発行のご確認 カード更新時期が近付いてきました 更新が必要なら「はい」 更新不要なら「いいえ」を選択してください」とのメッセージM1が示されている。また、メッセージM1と共に、「はい」が示された操作ボタンB1、及び「いいえ」が示された応答用の操作ボタンB2が示されている。対象者により「はい」を示す操作ボタンB1がタッチ操作された場合、「カードを更新する意思がある」旨の応答が更新管理サーバ20に通知される。一方、対象者により「いいえ」を示す操作ボタンB2がタッチ操作された場合、「カードを更新する意思がない」旨の応答が更新管理サーバ20に通知される。
【0052】
図7には、カードを更新する意思がある旨の応答がなされた場合に通知される、対象者の現住所を確認するメッセージの例が示されている。この例では、「発送先住所について 引っ越しなどにより 住所に変更があった方は 下記アイコンをクリックし 住所変更手続きを行ってください」とのメッセージM2が示されている。また、メッセージM2と共に、「○○カード マイページで住所変更手続き」との文言が示された住所変更用のアイコンB3が示されている。対象者によりアイコンB3がタッチ操作された場合、カード会員のマイページに遷移し、Web上で住所変更の手続きを行う画面が表示される。このカード会員のマイページで必要な項目(変更先の住所等)を入力されることによって、住所変更の手続きが行われる。
【0053】
図8には、更新カードを発送した旨を通知するメッセージの例が示されている。この例では、「更新カード受取のご確認 更新カードを発送しました 届いていたら「はい」 そうでない場合「いいえ」を選択してください」とのメッセージM3が示されている。また、メッセージM3と共に、「はい」が示された操作ボタンB4、及び「いいえ」が示された応答用の操作ボタンB5が示されている。対象者により「はい」を示す操作ボタンB4がタッチ操作された場合、「更新カードを受け取った」旨の応答が更新管理サーバ20に通知される。一方、対象者により「いいえ」を示す操作ボタンB5がタッチ操作された場合、「更新カードを受け取っていない」旨の応答が更新管理サーバ20に通知される。
【0054】
図9には、更新カードの受取認証を行う場合に通知するメッセージの例が示されている。ここでの受取認証は、対象者が確かに更新カードを受け取っていることを確認するものであり、例えば、
図8のメッセージの通知に対して「はい」の応答がなされた場合に通知される。この例では、「更新カード受取認証 更新カードの台紙に記載されている「コード番号」を入力してください」とのメッセージM4が示されている。また、メッセージM4と共に、コード番号「XXX…」が入力されたメッセージM5が示されている。対象者によりコード番号「XXX…」が入力されたメッセージが、送信操作された場合、コード番号が更新管理サーバ20に通知される。更新管理サーバ20は、通知されたコード番号と、更新カードと共に発送されたコード番号の照合(マッチング)を行い、双方が一致した場合に、対象者が確かに更新カードを受け取っていると判定する。一方、更新管理サーバ20は、双方が一致しない場合、対象者は未だ更新カードを受け取っていないと判定する。
【0055】
図10、
図11は、実施形態に係る更新管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0056】
図10には、カード更新の意思を確認するメッセージのやり取りの流れが示されている。業者サーバ10は、カード更新の対象となる対象者を抽出し(ステップS10)、抽出した対象者の会員情報120を更新管理サーバ20に送信するデータ送信を行う(ステップS11)。更新管理サーバ20は、対象者の会員情報120を受信し、受信した対象者の会員情報120に基づいて記憶部22を参照することにより、対象者に通知するメッセージの宛先を特定するデータ処理を行う(ステップS12)。更新管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30により提供されるメッセージアプリを介して、メッセージを通知する(ステップS13)。ここで通知されるメッセージは、カード更新の意思を確認するメッセージである。
【0057】
端末装置40は、携帯キャリアサーバ30を介して、更新管理サーバ20からメッセージを受信する(ステップS14)。端末装置40は、対象者によるボタン操作などに応じて、カード更新の意思があるか否かの応答を示すメッセージ応答を行う(ステップS15)。更新管理サーバ20は、応答メッセージを受信し、受信した応答メッセージの内容に基づき、カード更新の意思があるか否かに応じて区分するログ抽出を行う(ステップS16)。ここで、更新管理サーバ20は、カード更新の意思がある対象者に現住所の確認を行うメッセージを通知する。更新管理サーバ20は、対象者ごとのカード更新の意思があるか否かを示す情報を業者サーバ10に通知する。業者サーバ10は、更新管理サーバ20から受信した対象者ごとのカード更新の意思があるか否かを示す情報を受信する(ステップS17)。業者サーバ10は、例えば、受信した情報に基づいて、カード更新の意思がある対象者に更新カードを作成し、作成した更新カードを発送する準備を行う。ここで、業者サーバ10は、更新カードを発送する対象者ごとに、更新カードを発送する予定日(発送予定日)を更新管理サーバ20に送信する。この場合における発送予定日を示す情報は、「発送情報」の一例である。
【0058】
図11には、更新カードの受取りを確認するメッセージのやり取りの流れが示されている。業者サーバ10は、更新カードを発行し(ステップS20)、更新カードを発送する対象となる対象者(発送対象者)を抽出する(ステップS21)。業者サーバ10は、抽出した発送対象者の会員情報120を更新管理サーバ20に送信するデータ送信を行う(ステップS22)。更新管理サーバ20は、発送対象者の会員情報120を受信し、受信した対象者の会員情報120に基づいて記憶部22を参照することにより、対象者に通知するメッセージの宛先を特定するデータ処理を行う(ステップS23)。更新管理サーバ20は、携帯キャリアサーバ30により提供されるメッセージアプリを介して、メッセージを通知する(ステップS13)。ここで通知されるメッセージは、更新カードの発送を通知すると共に、更新カードの受取りを確認するメッセージである。端末装置40は、携帯キャリアサーバ30を介して、更新管理サーバ20からメッセージを受信する(受取る)(ステップS25)。
【0059】
一方、業者サーバ10は、ステップS21で抽出した発送対象者に、更新カードを発送する(ステップS26)。発送対象者は、更新カードを受領する(受取る)(ステップS27)。
【0060】
端末装置40は、ステップS25で受信したメッセージに応答する(ステップS28)。端末装置40は、対象者がすでに更新カードを受け取っている場合には、更新カードを受領済みである旨の応答をする。一方、端末装置40は、対象者が未だ更新カードを受け取っていない場合には、更新カードを受領済みではない旨の応答をする。
【0061】
更新管理サーバ20は、
応答メッセージを受信し、受信した応答メッセージの内容に基づき、対象者ごとに更新カードを受領済みであるか否かに応じて区分するログ抽出を行う(ステップS29)。業者サーバ10は、ログ抽出の結果として、更新管理サーバ20から、対象者ごとのカード更新の意思があるか否かを示す情報を受信(受領)する(ステップS30)。ここでの更新カードを受領済みであるか否かを示す情報は「確認結果」の一例である。また、この場合において、更新管理サーバ20は、応答が得られた端末装置40に携帯キャリアサーバ30を介してメッセージを通知することにより返答するようにしてもよい(ステップS31~S33)。例えば、更新管理サーバ20は、更新カードを受領済みである旨の応答をしてきた端末装置40に、応答について承知した旨及び応答をして頂いた御礼を伝える返答を行う。また、更新管理サーバ20は、更新カードを受領済みではない旨の応答をしてきた端末装置40に対する返答として、更新カードを受け取っているか否かを確認するリマインドを通知する。また、更新管理サーバ20は、更新カードが発送された後、所定期間(例えば、3日間)応答がない端末装置40に対して、更新カードを受け取っているか否かを確認するリマインドを通知するようにしてもよい。また、更新管理サーバ20は、リマインドを通知した後、所定期間(例えば、1週間)応答がない端末装置40に対して、更新カードの利用が停止される旨のメッセージを通知するようにしてもよい。
【0062】
以上、説明したとおり、実施形態の更新管理サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、メッセージ通知部231とを備える。通信部21は、業者サーバ10からカード更新の対象者に関する会員情報120(「更新対象者情報」の一例)を受信する。記憶部22は、会員通知情報220を記憶する。会員通知情報220には、カード会員の端末装置40に通知するメッセージの宛先情報が含まれる。メッセージ通知部231は、カード更新の対象者の端末装置40へのメッセージを通知する。メッセージ通知部231は、更新の対象者の会員情報120を用いて、記憶部12から読み出した対象者の220に基づいて、対象者の端末装置40へのメッセージを通知する宛先を取得する。メッセージ通知部231は、取得した宛先に端末装置40へのメッセージを通知する。メッセージ通知部231は、対象者の端末装置40に、カードを更新する意思の有無を確認するメッセージを通知する。メッセージ通知部231は、カードを更新する意思がある旨の応答をした対象者の端末装置40に、その対象者の現住所を確認するメッセージを通知する。通信部21は、メッセージ通知部231により通知されたメッセージに対する対象者の端末装置40からの応答に基づいて、対象者のカードを更新する意思の有無、及び対象者の現住所を確認した結果を業者サーバ10に送信する。また、通信部21は、業者サーバ10から対象者に更新カードを発送する予定日(発送予定日)を含む発送情報を受信する。発送情報は、更新カードの発送予定日を含む情報である。メッセージ通知部231は、発送情報に基づいて、更新カードの発送予定日に応じたタイミングで、発送先の対象者の端末装置40に更新カードの受取りを確認するメッセージを通知する。
【0063】
これにより、実施形態の更新管理サーバ20は、メッセージングサービスを利用してカードを更新する意思、及び更新カードの受取りを確認することができる。したがって、カードを更新する意思のない者に更新カードを作成して発送するような無駄なコストを低減することができる。また、メッセージで更新カードの受領を確認することができるため、料金が割高な受取確認のある発送態様にて更新カードを発送する必要がなくなり、発送に係るコストを低減させることが可能となる。さらに、実施形態の更新管理サーバ20では、対象者の現住所の確認を行うことができるため、カード発行時から引っ越しなどで住所が変更された場合であっても、変更前の住所に発送してしまうよう無駄な発送コストの発生を抑制することができる。したがって、カードの更新に係るコストを低減させることが可能である。
【0064】
また、実施形態の更新管理サーバ20では、利用可能に設定された更新カードが対象者に発送されるようにしてもよい。通信部21は、メッセージ通知部231により通知されたメッセージに対する対象者の端末装置40からの応答に基づいて、対象者による更新カードの受取を確認した確認結果を前記カード管理サーバに送信する。そして、対象者に更新カードが発送されてから予め定められた応答期間が経過するまでに、対象者から更新カードを受取った旨の応答がない場合、業者サーバ10によって対象者に発送された更新カードが無効となるように設定される。これにより、実施形態の更新管理サーバ20では、万が一、本人(更新の対象者)とは異なる相手が更新カードを受け取ってしまった場合、本人の端末装置40から応答がないため、自然にロックがかかり、更新カードが無効になる。したがって、本人とは異なる他人に、更新カードが悪用されてしまうような事態を避けることができる。また、更新カードが最初から利用可能な状態で発送されてくる。このため、更新カードが無効な状態で発送され、受取の応答をしたことでロックが解除されて更新カードが利用できるようになる構成と比較して、更新カードを受け取った後に、ついロック解除を忘れて応答をしないで過ごしてしまい、海外で使えなくて困るというような事態を回避することができる。例えば、本実施形態では、更新カードを発送後、所定期間応答がない場合には、複数回確認メッセージ等のリマインドを行うことが可能である。このため、ロックがかかり、更新カードが利用できなくなるまで猶予期間を持たせつつ、他人による違法使用のリスクを極力減らすことができる。
【0065】
また、実施形態の更新管理サーバ20では、更新カードの発送に対応して作成されたコード番号が示された発送物が、更新カードと共に前記対象者に発送される。メッセージ通知部231は、発送先の対象者の端末装置40に対し、更新カードの受取を確認するメッセージの応答に更新カードと共に発送された配送物に示されている前記コード番号の入力を要求するメッセージを通知する。これにより、実施形態の更新管理サーバ20では、更新カードが届いていないにもかかわらず、誤って更新カードを受け取った旨の応答をしてしまった場合などに、誤った応答がなされたことを検知することができる。したがって、対象者が更新カードを受け取ったことを、より確実に確認することが可能となる。
【0066】
上述した実施形態における更新管理システム1、及び更新管理サーバ20の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0067】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…更新管理システム
10…業者サーバ(カード管理サーバ)
20…更新管理サーバ
21…通信部
22…記憶部
220…会員通知情報
221…更新情報
23…制御部
230…更新対象者情報取得部
231…メッセージ通知部
232…装置制御部
30…携帯キャリアサーバ
40…端末装置