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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20240509BHJP
   G02B 7/182 20210101ALI20240509BHJP
【FI】
G02B27/01
G02B7/182
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020166046
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057668
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金子 文吉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】林 岳
(72)【発明者】
【氏名】恩田 貴
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144369(JP,A)
【文献】特開2005-055663(JP,A)
【文献】特開2008-185753(JP,A)
【文献】特開2013-125193(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017126384(DE,A1)
【文献】米国特許第09726886(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/00ー30/60
G02B 7/00- 7/24
B60K 35/00-37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示光を出射するディスプレイと、
反射面が形成された平面鏡と、前記反射面の縁を覆うカバーと、を有し、前記表示光を反射する平面鏡ユニットと、
前記表示光を透過反射部材へ向けて反射する凹面鏡と、
前記表示光の光路を区切る遮蔽部と、を備え、
前記カバーまたは前記遮蔽部の一方は、前記反射面の中央を境に両側へ設けられた突起を有し、前記突起は他方の前記カバーまたは前記遮蔽部を押圧し、
前記平面鏡ユニットを保持し、前記平面鏡ユニットの位置を定める支持ピンを有するケース
を更に備え、
前記平面鏡ユニットは、
前記平面鏡と前記カバーを保持するホルダを更に有し、
前記ホルダは、
前記反射面と略平行な同一直線上に延在する、1組の横長穴と、
前記直線のうち、前記平面鏡ユニットの中央部分に対して延在する縦長穴と、
を有し、
前記横長穴と前記縦長穴は、
互いに上下方向に異なる高さに位置し、それぞれに前記支持ピンが挿入されることで、前記平面鏡ユニットの位置が定まる
ヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項2】
前記ホルダは、
挿通された状態の前記支持ピンを覆う覆い部を有する
請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【請求項3】
車両に搭載され、
前記ディスプレイは、
前記車両の左右方向のうち一方へ向けて前記表示光を出射し、
前記平面鏡ユニットは、
前記ディスプレイが出射した前記表示光を前記車両の前方へ出射し、
前記凹面鏡は、
前記平面鏡ユニットが反射した前記表示光を前記車両の上方に位置する前記透過反射部材へ向けて反射する
請求項1または2のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヘッドアップディスプレイ装置としては、特許文献1に示される構成が知られている。特許文献1に示されるヘッドアップディスプレイ装置は、表示装置(21)、反射鏡ユニット(22)、反射鏡(32)等がケース(25)に収容されることで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開2018-197074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本願発明者は、ヘッドアップディスプレイの開発の中で、従来のヘッドアップディスプレイ装置には未だ虚像の表示品位の改善の余地があることを見出した。
具体的には、特許文献1に示されるような反射鏡ユニット(平面鏡)は、支持ピン(82b)の作用により、空間座標のいずれか一方へ向かうズレを低減している。しかし、それ以外(例えば軸を中心とした回転方向)に対するズレに対しては、位置決めに改善の余地があった。
【0005】
そこで本開示は、反射鏡の回転方向に対するズレを低減ヘッドアップディスプレイ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を達成するために、本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、
表示光を出射するディスプレイと、
反射面が形成された平面鏡と、前記反射面の縁を覆うカバーと、を有し、前記表示光を反射する平面鏡ユニットと、
前記表示光を透過反射部材へ向けて反射する凹面鏡と、
前記ディスプレイ及び前記平面鏡及び前記凹面鏡を保持するケースと、を備え、
前記カバーまたは前記ケースの一方は、前記反射面の中央を境に両側へ設けられた突起を有し、前記突起は他方の前記カバーまたは前記ケースを押圧すし、
前記平面鏡ユニットを保持し、前記平面鏡ユニットの位置を定める支持ピンを有するケース
を更に備え、
前記平面鏡ユニットは、
前記平面鏡と前記カバーを保持するホルダを更に有し、
前記ホルダは、
前記反射面と略平行な同一直線上に延在する、1組の横長穴と、
前記直線のうち、前記平面鏡ユニットの中央部分に対して延在する縦長穴と、
を有し、
前記横長穴と前記縦長穴は、
互いに上下方向に異なる高さに位置し、それぞれに前記支持ピンが挿入されることで、前記平面鏡ユニットの位置が定まる
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のヘッドアップディスプレイ1(HUD1)が車両Cに搭載された態様の一例を示す図。
図2】HUD1の外観を示す図。
図3】Y軸上方からの視点で、平面鏡ユニット10を示す図。
図4】突起42を示す図。
図5】突起43を示す図。
図6】Y軸上方からの視点で、平面鏡ホルダ14を示す図。
図7】座面17,18,19の外観を示す図。
図8】X軸上方からの視点で、支持ピン45を含むYZ平面を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示のヘッドアップディスプレイ装置を、ヘッドアップディスプレイ1(HUD1)が車両Cに搭載された実施形態及び変形例として例にあげ、添付図面を用いて次の順序で説明する。
【0009】
[第一実施形態]
<0.構成の説明>
<1.平面鏡カバーに設けられた突起>
<2,平面鏡ホルダに設けられた長穴>
<3.支持ピンを覆う覆い部>
<4.効果的な構成>
[変形例]
【0010】
[第一実施形態]
<0.構成の説明>
図1は、本開示のヘッドアップディスプレイ1が車両Cに搭載された態様の一例を示す図である。 図1に示す通り、本開示のHUD1は車両Cに設けられたウインドシールドWSの下方に組み付けることができる。車両Cは自動車であるが、自動二輪、作業用車両等の他の形態の車両へも適用できる。車両Cは、透過反射部材の一例であるウインドシールドWSと、HUD1を備える。
【0011】
HUD1は、ウインドシールドWSへ表示光Liを投影する。ウインドシールドWSは、表示光Liの一部を反射する。車両Cのユーザは、アイポイントEPから表示光を目で視認することで、あたかも虚像VがウインドシールドWS前方に浮かんで見えるように知覚することができる。HUD1は、凹面鏡30を回転軸Aを中心に回転することで、表示光Liの投影方向を変えてもよい。この構成によれば、HUD1は車両Cのユーザの体格等に応じて表示光Liの光路を調節することができる。すなわち、表示光Liは、標準光路Lc、ショーター光路Ls、トーラー光路LTをたどることができる。
【0012】
図2は、HUD1の外観を示す図である。HUD1は、ディスプレイ20と、平面鏡ユニット10と、凹面鏡30と、ケース40と、を備える。
【0013】
ディスプレイ20は、表示光Liを平面鏡ユニット10へ出射する。ディスプレイ20は、表示光Liを出射する構成として、液晶や有機ELなどの電子ディスプレイを用いた構成、DMD(Digital Micro mirror Device)やLCOS(Liquid Crystal on Silicon)やTFT(Thin Film Transistor)を用いたプロジェクターとスクリーンを用いた構成が適用されうる。
【0014】
平面鏡ユニット10は、ディスプレイ20が出射した表示光Liを凹面鏡30へ反射する。平面鏡ユニット10は、適切な位置に固定された状態で光を反射できる構成であれば良い。例えば本開示の平面鏡ユニット10は、図2から図8に示される通り、主に平面鏡カバー11、平面鏡13、平面鏡ホルダ14を有する。
【0015】
平面鏡13は、光を反射する平板状の鏡である。平面鏡13は、ガラスなどの基材に対して、アルミなどを蒸着することで構成できる。平面鏡13は、アルミなどの蒸着により形成された反射面を有し、この反射面で、種々の光を反射することができる。本開示では、平面鏡13は、ガラス基材の面のうち、表示光Liが入射する面に反射面を有する。
【0016】
平面鏡カバー11は、平面鏡13が有する反射面のうち、HUD1の表示に用いる箇所のみを露呈するために、反射面を区画するように反射面の縁を覆う遮光部材である。平面鏡カバー11は、ポリプロピレンやABSなどを主成分とした合成樹脂等を基材として、暗色系の塗装やシボを施したもので構成できる。本開示では、平面鏡カバー11の区画形状は、左右の短辺が並行となり、上下の長辺が斜辺となるような平行四辺形状を為している。平面鏡カバーの遮光部分は、それぞれ短辺カバー11aと長辺カバー11b(下辺カバー11b)に分類できる。
【0017】
凹面鏡30は、平面鏡ユニット10が反射した表示光Liを、車両Cに搭載される透過反射部材の一例であるウインドシールドWSへ反射する。凹面鏡30の反射面は、ウインドシールドWSの歪みや虚像Vの表示サイズに応じた自由曲面形状であると、虚像Vの表示品位が向上する。凹面鏡は、ポリカーボネートやポリカペットなどの合成樹脂やガラスの基材へ、反射面をアルミなどの蒸着で形成したものを適用できる。
【0018】
ケース40は、HUD1の構成部品の相対位置を固定しつつ、車両Cに固定される剛性が高い部材である。ケース40は、表示光Liの光路を区切る遮蔽部としての機能も有する。ケース40は、遮蔽部の一部である、底部41を有する。ケース40は、ABSなどの剛性の高い剛性樹脂や、マグネシウム合金などが好ましい。
【0019】
図3はY軸上方からの視点で、平面鏡ユニット10を示す図である。平面鏡ユニット10は、ケース40に施された載置部411にY軸上方から差し込まれることで、載置される。平面鏡ユニット10は、平面鏡ホルダ14の突起15へ平面鏡カバー11の係止片12が係止されることで、平面鏡ホルダ14と平面鏡カバー11が平面鏡13を挟持する。平面鏡を保持する平面鏡ホルダ14と平面鏡カバー11は、それぞれが一体となった平面鏡ホルダであってもよく、その場合平面鏡13は差し込みや係止によって固定されても良い。
【0020】
平面鏡ホルダ14は、低座面17、高座面18,19を有する。それぞれの座面は、縦長穴171、横長穴181,191が形成されている。それぞれの長穴は、ケース40の支持ピン44,45,46が挿入されることで、XZ平面上の位置が定まり、各座面がケース40と接することでY方向に位置決めされる。最終的な固定は、ネジによる螺合やフックに因る係止であるとよい。平面鏡ホルダ14は、平面鏡カバー11と同様の素材で形成することができる。
【0021】
<1.平面鏡カバーに設けられた突起>
平面鏡カバー11は、底部41と載置部411との間に設けられた突起42,43に押圧されている。その様子は具体的には図4に示されている。
【0022】
従来、平面鏡ユニット10は、X軸Y軸Z軸それぞれの軸に対する平行方向の位置ずれに起因して、虚像Vの位置もわずかに平行移動してしまうことがあった。しかしながら、発明者はヘッドアップディスプレイを設計する過程で、平面鏡ユニットが回転方向の位置ずれについても、虚像Vの表示品位の低下を招くことを見出した。例えば、回転方向に位置ずれが生じた結果、虚像Vも回転してしまうことを発見した。
【0023】
この事象は、特定のヘッドアップディスプレイの構成であると、なお生じやすい。その構成とは、ディスプレイがおよそ車両左右方向に表示光を出射し、平面鏡ユニットが車両前方向に表示光を反射し、凹面鏡が車両上方に表示光を反射する構成である。この構成では、表示光の折返しが車両前後上下方向を含む縦平面内に収まらないことに起因して、平面鏡の回転方向の位置ずれが虚像Vの回転を大きくしてしまう。
【0024】
そこで、平面鏡ユニット10は、突起42,43で押圧されることが望ましい。特に、突起42,43は、平面鏡13の中央を挟むように離間した2点で平面鏡カバー11をZ方向へ押圧することとなお良い。
【0025】
図5,6は突起42,43を示す図である。突起42,43はそれぞれガイド面421,431と受け面422,432を有し、ケース40や底部41と一体に形成される。ガイド面421,431は、平面鏡ユニット10が差し込まれるときに、その軌道をガイドする。受け面422,432は、差し込まれた平面鏡ユニット10をZ方向へ押圧するように、Y方向下部がせり出た形状になっているとよい。
【0026】
なお、必ずしも突起は遮蔽部に設けられる必要はなく平面鏡カバーに設けられていてもよい。その場合、突起はZ方向へ押圧するべく、Y方向上部がせり出た形状になっているとよい。こうすることで、平面鏡ユニットが差し込まれた際にZ方向の位置が定まる。すなわち、X軸上に離間した2点でZ方向に位置が定まった平面鏡カバーは、結果的にY軸回転方向の位置が定まり、虚像Vの虚像が回転する虞を低減することができる。
【0027】
<2,平面鏡ホルダに設けられた長穴>
図6はY軸上方からの視点で、平面鏡ホルダ14を示す図である。平面鏡ホルダ14は、平面鏡13の反射面と略平行な同一直線上(X軸上)に延在する、1組の横長穴181,191と、その直線のうち、平面鏡ユニット10の中央部分付近に対して延在する縦長穴171と、を有する。それぞれの長穴171,181,191は、互いに上下方向(Y軸方向)に異なる高さに位置し、それぞれにケース40が有する支持ピン44,45,46が挿入されることで、平面鏡ユニット10の位置が定まる。
【0028】
本開示では、横長穴181,191が高座面18,19に存在し、縦長穴171が低座面17に位置する。従来の構成では、反射面に対して一部または全ての長穴が縦または斜めに形成されてことに起因して、この構成では、X軸回転方向に対する位置ずれが生じやすかった。
【0029】
しかしながら、本開示のように、縦長穴171に対して異なる高さに位置する横長穴181,191が、反射面に対して平行に位置することで、X軸回転方向(平面鏡倒れ方向)に対して位置が定まりやすくなった。
【0030】
また、横長穴181,191は、縦長穴171より高い位置にあると望ましい。より好ましくは、縦長穴171は、平面鏡13の略最下部、横長穴181,191は平面鏡13の上部に位置することが望ましい。これは、平面鏡ユニット10が、下部を中心として上部が倒れるように位置ずれを生じやすいことに起因する。上方に横長穴181,191が存在することで、穴形状がX軸回転方向にストッパーとして作用する。結果的に、平面鏡ユニット10は、X軸回転方向に位置ずれを生じにくい構成となる。
【0031】
図7は座面17,18,19の外観を示す図である。横長穴181,191が、縦長穴171に対して平面鏡の中央線CLを挟むように上方に位置している。
<3.支持ピンを覆う覆い部>
図8はX軸上方からの視点で、支持ピン45を含むYZ平面を示す断面である。
【0032】
平面鏡ホルダは、長穴に挿通された状態の支持ピンを覆う覆い部を有する。すなわち、長穴171,181,191は、支持ピン44,45,46を覆うように形成されている。例えば、支持ピン45及び横長穴181を例にとって見ると、支持ピン45はY軸方向に延在する円柱形状を為しており、横長穴181は、その円柱形状上部に至るまでを覆うように接している。
【0033】
この構成に拠れば、覆っている方向に対して、平面鏡ユニット10が位置ずれを生じにくくできる。すなわち、図8で言えば、X軸回転方向(平面鏡倒れ方向)に対して、平面鏡ユニット10の位置が変動する余地がなくなるように覆い部が設けれられているので、平面鏡ユニット10は、X軸回転方向に位置ずれを生じにくい構成となった。
【0034】
<4.効果的な構成>
図1図2に示される通り、本開示のHUD1は、車両Cに搭載され、ディスプレイ20は、車両の左右方向のうち一方である右方向へ向けて表示光Liを出射し、平面鏡ユニット10は、ディスプレイ20が出射した表示光Liを車両Cの前方へ出射し、凹面鏡30は、平面鏡ユニット10が反射した表示光Liを車両Cの上方に位置するウインドシールドWSへ向けて反射する。
【0035】
ヘッドアップディスプレイは、一般的な表示光Liの光路パターンとして2つの態様がある。一つは、車両の前後上下方向が収まる縦面内におおよそ表示光が収まるように反射させることで実現する縦折りの光路である。もう一つは、本開示の様に、表示光が一時的に車両Cの左右方向に反射される横折りの光路である。
【0036】
本開示の、ヘッドアップディスプレイに適用される技術は、主に横折りの光路に対して効果的である。というのも、発明者は今回の発明に至る前、縦折り光路を採用したHUDにおいては、反射部材が回転方向に位置ずれが生じても、最終的な虚像Vは主に平行移動でしか位置ずれが生じ無いことを発見した。ヘッドアップディスプレイにとっては、虚像の平行移動の位置ずれは比較的許容できるものである。しかしながら、横折り光路を採用したHUDにおいては、反射部材が回転方向に位置ずれを生じた場合、最終的な虚像Vが回転方向に大きく位置ずれを生じてしまうことを発見した。したがって、本開示の技術は、縦折り光路のHUDよりも横折り光路のHUDへ適用されることで、より格別な効果を奏する。
【0037】
より具体的には、縦折り光路では平面鏡が回転した場合でも平面鏡のディスプレイに対する距離の変位が少ないが、横折り光路ではディスプレイの長手方向に表示光を折り返す事となり、平面鏡のディスプレイに対する距離の変位が大きくなってしまう。このことも、本開示の技術が横折り光路を採用したHUDへ適用することが望ましい一因でもある。
【0038】
[変形例]
ここまでの説明では、本開示のヘッドアップディスプレイ装置を車両に搭載したときの形態の一例が説明された。本開示の説明では、一部の周知技術の説明が省略されている。
【0039】
また、本願発明はこの形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜種々の改良ならびに変更が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
C 車両
A 回転軸
EP アイポイント
Li 表示光
V 虚像
WS ウインドシールド
CL 中央線

1 ヘッドアップディスプレイ(HUD)

10 平面鏡ユニット
11 平面鏡カバー
11a 短辺カバー
11b 下辺カバー
12 係止片
13 平面鏡
14 平面鏡ホルダ
15 突起
17 低座面
171 縦長穴
18 高座面
181 横長穴
19 高座面
191 横長穴

20 ディスプレイ
30 凹面鏡
40 ケース
41 底部
411 載置部

42 突起
421 ガイド面
422 受け面
43 突起
431 ガイド面
432 受け面
44 支持ピン
45 支持ピン
46 支持ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8