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特許7484644クリーニング装置、ドラムユニット及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】クリーニング装置、ドラムユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
G03G21/00 312
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020171873
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063552
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村川 淳二
(72)【発明者】
【氏名】木下 健
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-134369(JP,A)
【文献】特開2019-128393(JP,A)
【文献】特開2015-040874(JP,A)
【文献】特開2014-074776(JP,A)
【文献】特開2011-123384(JP,A)
【文献】特開平02-309384(JP,A)
【文献】特開平08-115028(JP,A)
【文献】特開平11-143324(JP,A)
【文献】特開2002-149027(JP,A)
【文献】特開2010-217537(JP,A)
【文献】特開2010-217460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に付着した残留トナーを前記感光体から回収するとともに保持するブラシ状回転体と、
前記ブラシ状回転体に接するように配置されており、前記ブラシ状回転体に保持された前記残留トナーを前記ブラシ状回転体から回収する回収部材と、
前記回収部材に回収された前記残留トナーを前記回収部材から掻き落とすブレード部材と、
前記ブレード部材を支持する支持部材と、
前記回収部材の下方に配置されており、前記ブレード部材によって前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを搬送する搬送部材と、
前記ブラシ状回転体、前記回収部材、前記ブレード部材、前記支持部材及び前記搬送部材を収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、
前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーの排出経路の一部を構成する内側面と、
前記ブラシ状回転体の回転軸と平行な軸方向に間隔を置いて配置されており、前記支持部材を固定するための複数の固定部と、を有し、
前記複数の固定部の各固定部は、前記内側面から隆起する形状を有し、
互いに隣接する前記固定部間は、前記排出経路を構成しており、
前記支持部材は、前記複数の固定部に固定されている、クリーニング装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、各固定部の上部に設けられたリブをさらに有し、
前記リブの上端部は、下方に向かうにしたがって次第に前記軸方向における寸法が大きくなる形状を有する、請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、
前記搬送部材を挿通させるとともに、前記排出経路の一部を構成する排出口と、
前記内側面と前記排出口との間に設けられており、前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを前記排出口に向けて案内する案内面と、をさらに有する、請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記ブレード部材を補助する補助板をさらに備え、
前記補助板は、前記固定部と前記ブレード部材との間に配置されている、請求項1から3のいずれかに記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記補助板は、
前記軸方向における中央部に形成された高剛性部と、
前記軸方向における端部に形成されており、前記高剛性部よりも低い剛性を有する低剛性部と、を有する、請求項4に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
前記複数の固定部は、
前記軸方向における前記ハウジングの中央部に配置された中央固定部と、
前記軸方向における前記中央固定部の外側に配置されており、前記内側面からの隆起量が前記中央固定部と異なる外側固定部と、を有する、請求項1から5のいずれかに記載のクリーニング装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のクリーニング装置と、
前記感光体と、を備え、
前記感光体は、前記ハウジングに保持されている、ドラムユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のドラムユニットと、
前記感光体の表面に接するように配置されており、前記感光体の前記表面を帯電させる帯電ローラと、
前記感光体の前記表面のうち前記感光体の回転方向における前記帯電ローラの下流側に位置する露光部を露光させることによって潜像を形成する露光装置と、
前記感光体の前記回転方向における前記帯電ローラの下流側に設けられており、前記潜像にトナーを供給することによってトナー像を形成する現像装置と、を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、クリーニング装置、ドラムユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置が知られている。例えば、特開2019-128393号公報には、感光体に付着した残留トナーを回収する回転ブラシと、回転ブラシから残留トナーを回収する回収ローラーと、回収ローラーから残留トナーを掻き落とすスクレーパーと、スクレーパーを支持する支持部材と、回収ローラーから掻き落とされた残留トナーを搬送する搬送スクリューと、ハウジングと、を備えるクリーニング装置が開示されている。支持部材は、回収ローラーの軸体に対して回転自在に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-128393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2019-128393号公報に記載されるクリーニング装置では、支持部材の剛性の確保が困難になる場合があり、この場合、支持部材が変形することによってスクレーパーの回収ローラーへの当接圧力が不均一になる懸念がある。
【0005】
本開示の目的は、ブレード部材の回収部材への当接圧力が不均一になることを抑制可能なクリーニング装置、ドラムユニット及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一局面に従ったクリーニング装置は、感光体に付着した残留トナーを前記感光体から回収するとともに保持するブラシ状回転体と、前記ブラシ状回転体に接するように配置されており、前記ブラシ状回転体に保持された前記残留トナーを前記ブラシ状回転体から回収する回収部材と、前記回収部材に回収された前記残留トナーを前記回収部材から掻き落とすブレード部材と、前記ブレード部材を支持する支持部材と、前記回収部材の下方に配置されており、前記ブレード部材によって前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを搬送する搬送部材と、前記ブラシ状回転体、前記回収部材、前記ブレード部材、前記支持部材及び前記搬送部材を収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーの排出経路の一部を構成する内側面と、前記ブラシ状回転体の回転軸と平行な軸方向に間隔を置いて配置されており、前記支持部材を固定するための複数の固定部と、を有し、前記複数の固定部の各固定部は、前記内側面から隆起する形状を有し、互いに隣接する前記固定部間は、前記排出経路を構成しており、前記支持部材は、前記複数の固定部に固定されている。
【0007】
また、この開示の一局面に従ったドラムユニットは、前記クリーニング装置と、前記感光体と、を備え、前記感光体は、前記ハウジングに保持されている。
【0008】
また、この開示の一局面に従った画像形成装置は、前記ドラムユニットと、前記感光体の表面に接するように配置されており、前記感光体の前記表面を帯電させる帯電ローラと、前記感光体の前記表面のうち前記感光体の回転方向における前記帯電ローラの下流側に位置する露光部を露光させることによって潜像を形成する露光装置と、前記感光体の前記回転方向における前記帯電ローラの下流側に設けられており、前記潜像にトナーを供給することによってトナー像を形成する現像装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
この開示によれば、ブレード部材の回収部材への当接圧力が不均一になることを抑制可能なクリーニング装置、ドラムユニット及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態の画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
図2】ドラムユニットの斜視図である。
図3】ドラムユニットの断面図である。
図4】ブレード部材の近傍の断面図である。
図5】ドラムユニットの一部の断面斜視図である。
図6】ドラムユニットの一部の断面斜視図である。
図7】ブレード部材及び支持部材の斜視図である。
図8】ブレード部材及び支持部材の分解斜視図である。
図9】補助板の正面図である。
図10】ハウジングの斜視図である。
図11】固定部及びリブの斜視図である。
図12】ハウジング、ブレード部材及び支持部材を示す斜視図である。
図13】ハウジング、ブレード部材、支持部材及び搬送部材を示す斜視図である。
図14】ブレード部材の支持態様の変形例を示す断面図である。
図15】固定部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態の画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。この画像形成装置1は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能およびスキャナ機能などの複数の機能を備えたMFP(Multifunctional Peripherals)である。
【0013】
図1に示されるように、画像形成装置1は、画像形成部10(10Y,10M,10C,10K)と、転写装置20と、給紙トレイ31と、定着装置32と、排紙トレイ33と、トナー補給装置35と、を備えている。
【0014】
画像形成部10は、転写装置20に転写するトナー像(画像)を形成する。画像形成部10Y、画像形成部10M、画像形成部10C及び画像形成部10Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色を有するトナー像を転写装置20に形成する。
【0015】
転写装置20は、1次転写ローラ21と、中間転写ベルト22と、2次転写ローラ23と、を有している。画像形成部10により形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト22の表面上で重ね合わされる。その後、中間転写ベルト22は、中間転写ベルト22と2次転写ローラ23との間に形成される2次転写部にカラートナー像を搬送する。
【0016】
給紙トレイ31は、記録媒体としての用紙Sを格納する格納部として設けられている。給紙トレイ31には、複数枚の用紙Sが格納されている。本実施形態では、給紙トレイ31は、上下方向に2段に渡って設けられている。ただし、上下方向に1段又は3段以上の給紙トレイ31が設けられてもよい。
【0017】
給紙トレイ31に収容された用紙Sは、各種の回転ローラにより、中間転写ベルト22と2次転写ローラ23との間の2次転写部に搬送される。中間転写ベルト22に担持されているカラートナー像は、2次転写部において用紙Sの表面に転写される。カラートナー像は、定着装置32によって用紙Sの表面に定着される。以上の工程によって画像が形成された用紙Sは、排紙トレイ33に排出される。
【0018】
トナー補給装置35は、画像形成部10の現像装置300にトナー(現像剤)を供給する。このトナーには、感光体110の長寿命化のために、処理剤(潤滑剤や研磨剤等)が含まれている。トナー補給装置35は、鉛直方向において、中間転写ベルト22及び排紙トレイ33間に設けられている。ただし、画像形成装置1におけるトナー補給装置35の配置は、特に限定されない。
【0019】
ここで、画像形成部10の詳細について説明する。図1図4に示されるように、画像形成部10は、ドラムユニット100と、露光装置200と、現像装置300と、を有している。
【0020】
ドラムユニット100は、感光体110と、クリーニング装置120と、帯電ローラ130と、クリーニングローラ140と、を有している。
【0021】
感光体110は、回転軸112(図3を参照)まわりに回転可能である。感光体110の表面110S(図3を参照)は、回転軸112の回転に応じて回転する感光層を構成している。
【0022】
クリーニング装置120は、感光体110の表面110Sに付着した残留トナーを除去する。クリーニング装置120の詳細については、後述する。
【0023】
帯電ローラ130は、感光体110の表面110Sを所定の電位に帯電させる。帯電ローラ130は、感光体110の表面110Sに接するように配置されている。
【0024】
クリーニングローラ140は、帯電ローラ130を清掃する。クリーニングローラ140は、帯電ローラ130の表面に接するように配置されている。
【0025】
露光装置200は、感光体110の表面110Sのうち感光体110の回転方向における帯電ローラ130の下流側に位置する露光部110S1(図1及び図3を参照)を露光させること(レーザ等を照射すること)によって潜像を形成する。本実施形態では、露光装置200は、感光体110の下方に配置されている。
【0026】
現像装置300は、感光体110の回転方向における帯電ローラ130の下流側に設けられている。現像装置300は、潜像にトナーを供給することによってトナー像を形成する。このトナー像は、感光体110の表面110Sのうち感光体110の回転方向における現像装置300の下流側に位置する転写部110S2(図1及び図3を参照)において転写装置20に転写される。本実施形態では、現像装置300として、現像ローラが用いられている。
【0027】
ここで、クリーニング装置120について説明する。図3に示されるように、クリーニング装置120は、ブラシ状回転体121と、回収部材122と、ブレード部材123と、支持部材124と、補助板125と、搬送部材126と、クリーニングブレード127と、取付部材128と、ハウジング129と、を有している。
【0028】
ハウジング129は、ブラシ状回転体121と、回収部材122と、ブレード部材123と、支持部材124と、補助板125と、搬送部材126と、クリーニングブレード127と、取付部材128と、を収容している。図2及び図3に示されるように、ハウジング129は、感光体110、帯電ローラ130及びクリーニングローラ140を露出させた状態で感光体110、帯電ローラ130及びクリーニングローラ140を保持している。
【0029】
ハウジング129は、内側面129aと、複数の固定部129bと、リブ129cと、取付部129dと、排出口129eと、案内面129fと、位置決め部129gと、を有している。
【0030】
内側面129aは、回収部材122から掻き落とされた残留トナーの排出経路(矢印AR1及びAR2で示される経路)の一部を構成している。
【0031】
複数の固定部129bは、5つの固定部129bを含んでいる。各固定部129bは、支持部材124を固定するための部位である。各固定部129bは、内側面129aから隆起する形状を有している。図12において矢印AR1で示されるように、互いに隣接する固定部129b間は、排出経路を構成している。図10に示されるように、各固定部129bは、ブラシ状回転体121の回転軸121aと平行な軸方向に間隔を置いて配置されている。本実施形態では、複数の固定部129bは、中央固定部129b1と、外側固定部129b2と、を有している。
【0032】
中央固定部129b1は、前記軸方向におけるハウジング129の中央部に配置されている。本実施形態では、5つの固定部129bのうち軸方向における中央に配置された3つの固定部129bが中央固定部129b1を構成している。
【0033】
外側固定部129b2は、前記軸方向における中央固定部129b1の外側に配置されている。外側固定部129b2の内側面129aからの隆起量は、中央固定部129b1の内側面129aからの隆起量と異なる。外側固定部129b2の内側面129aからの隆起量は、内側面129aの反り方向に応じて決定される。本実施形態では、外側固定部129b2の内側面129aからの隆起量は、中央固定部129b1の内側面129aからの隆起量よりも大きい。ただし、外側固定部129b2の内側面129aからの隆起量は、中央固定部129b1の内側面129aからの隆起量よりも小さく設定されてもよい。
【0034】
リブ129cは、各固定部129bの上部に設けられている。図11に示されるように、リブ129cの上端部129c1は、下方に向かうにしたがって次第に前記軸方向における寸法が大きくなる形状を有している。
【0035】
取付部129dは、取付部材128を取り付けるための部位である。取付部129dは、固定部129bの下方に設けられている。取付部129dは、内側面129aから突出する形状を有している。
【0036】
排出口129eは、排出経路の一部を構成している。図12に示されるように、排出口129eは、ブラシ状回転体121及び回収部材122が支持される部位129jの下方に形成されている。図13に示されるように、排出口129eは、搬送部材126を挿通させている。
【0037】
案内面129fは、回収部材122から掻き落とされた残留トナーを排出口129eに向けて案内する。図12に示されるように、案内面129fは、内側面129aと排出口129eとの間に設けられている。案内面129fは、排出経路の下流側に向かうにしたがって次第に内側面129aから離間する形状を有している。
【0038】
位置決め部129gは、支持部材124の位置を決める部位である。位置決め部129gは、内側面129aから隆起している。位置決め部129gは、中央固定部129b1と外側固定部129b2との間に設けられている。位置決め部129gは、内側面129aに対する支持部材124の前記軸方向における位置及び前記軸方向と直交する方向における位置を決める。
【0039】
ブラシ状回転体121は、感光体110の表面110Sに接するように配置されている。具体的に、ブラシ状回転体121は、感光体110の表面110Sのうち感光体110の回転方向における転写部110S2の下流側の部位に接するように配置されている。ブラシ状回転体121は、感光体110に対して相対回転しながら、感光体110の表面110Sに付着した残留トナーを感光体110から回収するとともに保持する。
【0040】
回収部材122は、ブラシ状回転体121に接するように配置されている。回収部材122は、ブラシ状回転体121に保持された残留トナーをブラシ状回転体121から回収する。回収部材122は、ブラシ状回転体121に所定量食い込む状態で配置されている。本実施形態では、回収部材122として、回収ローラが用いられている。回収部材122と内側面129aとの隙間は、トナーが通過可能な大きさに設定される。この隙間は、0.1mm程度でよい。本実施形態では、この隙間は、1mm程度に設定されている。
【0041】
ブレード部材123は、回収部材122に回収された残留トナーを回収部材122から掻き落とす。図5図8に示されるように、ブレード部材123は、薄板状に形成されている。ブレード部材123は、金属やウレタンゴム等からなる。図3及び図4に示されるように、ブレード部材123は、下方に向かうにしたがって次第に内側面129aから離間する角度で支持されている。ブレード部材123は、当該ブレード部材123の上端部が回収部材122の表面に圧接する角度で支持されている。なお、図3及び図4では、ブレード部材123の上端部が回収部材122に食い込んだ状態が示されているが、実際は、ブレード部材123の上端部は、回収部材122の表面に圧接するように撓んでいる。ブレード部材123の上端部は、回収部材122と内側面129aとの隙間が最も小さくなる位置よりも下方で回収部材122に接している。図8に示されるように、ブレード部材123には、ボルトBを挿通させる挿通孔hbと、位置決め部129gを挿通させる位置決め孔hgと、が設けられている。
【0042】
支持部材124は、ブレード部材123を支持している。支持部材124は、例えば、金属からなる。支持部材124は、ブラシ状回転体121及び回収部材122の下方でかつ上下方向にブラシ状回転体121及び回収部材122と重なる位置に配置されている。図4図8に示されるように、支持部材124は、支持部124aと、規制部124bと、を有している。
【0043】
支持部124aは、ブレード部材123を支持している。図7及び8に示されるように、支持部124aには、ボルトBを挿通させる挿通孔hbと、位置決め部129gを挿通させる位置決め孔hgと、が設けられている。本実施形態では、ブレード部材123及び支持部124aに形成された各挿通孔hbを通じてボルトBが固定部129bに固定されることによって支持部124aがブレード部材123を支持している。支持部124aは、ブレード部材123が当該支持部124aから上方に向かって延びる姿勢となるようにブレード部材123を支持している。支持部124aは、回収部材122の下方に配置されている。
【0044】
規制部124bは、搬送部材126の上方に配置されており、搬送部材126がブラシ状回転体121及び回収部材122に接触するのを規制する。規制部124bは、ブラシ状回転体121及び回収部材122の下方に配置されている。規制部124bは、搬送部材126の頂部を覆う形状を有している。規制部124bは、支持部124aに接続されている。規制部124bは、支持部124aからブレード部材123が延びる方向とは異なる方向に支持部124aから延びている。具体的に、規制部124bは、支持部124aの下端部からハウジング129の内側面129aから離間する方向(図4における左側)に向かって延びる形状を有している。規制部124bは、支持部124aと同一部材で形成されている。本実施形態では、規制部124b及び支持部124aは、金属板の曲げ加工により形成されている。
【0045】
補助板125は、ブレード部材123を補助している。補助板125は、固定部129bとブレード部材123との間に配置されている。換言すれば、ブレード部材123は、支持部材124と補助板125との間に配置されている。図4に示されるように、補助板125の上端面は、支持部124aの上端面と面一に形成されている。補助板125の上端面は、リブ129cよりも下方に位置している。ブレード部材123のうち撓む部位は、補助板125の上端部によって規定される。つまり、補助板125は、ブレード部材123のうち撓む部位の長さ(自由長)を決める機能を有している。補助板125は、ブレード部材123と固定部129b及びリブ129cとの間に隙間を形成する機能をも有している。
【0046】
図9に示されるように、補助板125は、高剛性部125aと、低剛性部125bと、を有している。高剛性部125aは、軸方向における中央部に形成されている。低剛性部125bは、軸方向における端部に形成されており、高剛性部125aよりも低い剛性を有している。低剛性部125bの厚みは、高剛性部125aの厚みよりも小さく設定されている。本実施形態では、補助板125は、互いに長さの異なる2枚の板材が重ね合わされることにより構成されており、2枚の板材の重なった部分が高剛性部125aを構成しており、1枚の板材からなる部分が低剛性部125bを構成している。
【0047】
高剛性部125a及び低剛性部125bの形成位置は、内側面129aの反り方向に応じて決定される。本実施形態では、軸方向における中央部に高剛性部125aが形成され、軸方向における端部に低剛性部125bが形成されている。ただし、内側面129aの反り方向が逆の場合、軸方向における中央部に低剛性部125bが形成され、軸方向における端部に高剛性部125aが形成されてもよい。
【0048】
搬送部材126は、ブラシ状回転体121及び回収部材122の下方に配置されている。搬送部材126は、ブレード部材123によって回収部材122から掻き取られた残留トナーを、矢印AR2で示されるように排出経路の下流側に向けて搬送する。搬送部材126は、規制部124bの下方に配置されている。図4に示されるように、搬送部材126の頂部は、規制部124bの下方により覆われている。図13に示されるように、搬送部材126は、排出口129eに挿通されている。搬送部材126は、ブラシ状回転体121の回転軸121aと平行な方向に延びる形状を有している。本実施形態では、搬送部材126として、搬送スクリュが用いられている。
【0049】
クリーニングブレード127は、感光体110の回転方向におけるブラシ状回転体121と帯電ローラ130との間に設けられている。クリーニングブレード127は、感光体110の表面110Sのうちブラシ状回転体121の下流側の部位に付着した残留トナーを除去する。クリーニングブレード127は、板状に形成されている。クリーニングブレード127は、回転軸112の軸方向に沿って延びる形状を有している。クリーニングブレード127は、例えば、ウレタン等の樹脂材料により形成される。図3に示されるように、クリーニングブレード127は、取付部材128及びボルトBによってハウジング129の取付部129dに取り付けられている。
【0050】
以上に説明したように、本実施形態のクリーニング装置120では、支持部材124がハウジング129の複数の固定部129bに固定されているため、支持部材124の変形が有効に抑制される。これにより、ブレード部材123の変形が抑制されるため、ブレード部材123の回収部材122への当接圧力が不均一になることが抑制される。
【0051】
また、上記クリーニング装置120では、搬送部材126の上方に規制部124bが配置されているため、搬送部材126のブラシ状回転体121及び回収部材122への接触が抑制される。
【0052】
なお、上記実施形態において、例えば、図14に示されるように、ブレード部材123は、ボルトBの頭部と支持部124aとの間に配置されてもよい。この態様では、支持部124aが補助板125の機能を兼ねるため、補助板125は省略される。
【0053】
また、図15に示されるように、リブ129cは、内側面129aから離間するにしたがって次第に下方に向かうように傾斜する形状に形成されてもよい。
【0054】
また、支持部124aは、規制部124bと別体で構成されてもよい。
【0055】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0056】
上記実施形態の一局面に従うクリーニング装置は、感光体に付着した残留トナーを前記感光体から回収するとともに保持するブラシ状回転体と、前記ブラシ状回転体に接するように配置されており、前記ブラシ状回転体に保持された前記残留トナーを前記ブラシ状回転体から回収する回収部材と、前記回収部材に回収された前記残留トナーを前記回収部材から掻き落とすブレード部材と、前記ブレード部材を支持する支持部材と、前記回収部材の下方に配置されており、前記ブレード部材によって前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを搬送する搬送部材と、前記ブラシ状回転体、前記回収部材、前記ブレード部材、前記支持部材及び前記搬送部材を収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーの排出経路の一部を構成する内側面と、前記ブラシ状回転体の回転軸と平行な軸方向に間隔を置いて配置されており、前記支持部材を固定するための複数の固定部と、を有し、前記複数の固定部の各固定部は、前記内側面から隆起する形状を有し、互いに隣接する前記固定部間は、前記排出経路を構成しており、前記支持部材は、前記複数の固定部に固定されている。
【0057】
このクリーニング装置では、支持部材がハウジングの複数の固定部に固定されているため、支持部材の変形が有効に抑制される。これにより、ブレード部材の変形が抑制されるため、ブレード部材の回収部材への当接圧力が不均一になることが抑制される。
【0058】
また、前記ハウジングは、各固定部の上部に設けられたリブをさらに有し、前記リブの上端部は、下方に向かうにしたがって次第に前記軸方向における寸法が大きくなる形状を有することが好ましい。
【0059】
このようにすれば、回収部材から掻き落とされた残留トナーが固定部上に堆積することが抑制される。
【0060】
また、前記ハウジングは、前記搬送部材を挿通させるとともに、前記排出経路の一部を構成する排出口と、前記内側面と前記排出口との間に設けられており、前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを前記排出口に向けて案内する案内面と、をさらに有することが好ましい。
【0061】
このようにすれば、ハウジングの内側面と排出口との間に残留トナーが堆積することが抑制される。
【0062】
また、前記ブレード部材を補助する補助板をさらに備え、前記補助板は、前記固定部と前記ブレード部材との間に配置されていることが好ましい。
【0063】
この態様では、ブレード部材と固定部との間に補助板による隙間が形成されるため、ブレード部材が固定部に干渉することが抑制される。
【0064】
また、前記補助板は、前記軸方向における中央部に形成された高剛性部と、前記軸方向における端部に形成されており、前記高剛性部よりも低い剛性を有する低剛性部と、を有することが好ましい。
【0065】
このようにすれば、ハウジングに反りが生じた場合に補助板の低剛性部が主に撓むことによってハウジングの反りが有効に吸収されるため、ブレード部材の回収部材への当接圧力が不均一になることが抑制される。
【0066】
また、前記複数の固定部は、前記軸方向における前記ハウジングの中央部に配置された中央固定部と、前記軸方向における前記中央固定部の外側に配置されており、前記内側面からの隆起量が前記中央固定部と異なる外側固定部と、を有することが好ましい。
【0067】
上記実施形態の他の局面に従うクリーニング装置は、感光体に付着した残留トナーを前記感光体から回収するとともに保持するブラシ状回転体と、前記ブラシ状回転体に接するように配置されており、前記ブラシ状回転体に保持された前記残留トナーを前記ブラシ状回転体から回収する回収部材と、前記回収部材に回収された前記残留トナーを前記回収部材から掻き落とすブレード部材と、前記ブラシ状回転体及び前記回収部材の下方に配置されており、前記ブレード部材によって前記回収部材から掻き落とされた前記残留トナーを搬送する搬送部材と、前記搬送部材の上方に配置されており、前記搬送部材が前記ブラシ状回転体及び前記回収部材に接触するのを規制する規制部と、を備える。
【0068】
このクリーニング装置では、搬送部材の上方に規制部が配置されているため、搬送部材のブラシ状回転体及び回収部材への接触が抑制される。
【0069】
また、前記規制部は、前記搬送部材の頂部を覆う形状を有することが好ましい。
【0070】
このようにすれば、搬送部材のブラシ状回転体及び回収部材への接触がより確実に抑制される。また、搬送部材の上方への離脱が抑制される。
【0071】
また、前記クリーニング装置において、前記規制部に接続されており、前記ブレード部材を支持する支持部をさらに備えることが好ましい。
【0072】
このようにすれば、規制部及び支持部の取り扱いが容易になる。
【0073】
また、前記クリーニング装置において、前記ブラシ状回転体、前記回収部材、前記ブレード部材、前記搬送部材、前記規制部及び前記支持部を収容するハウジングをさらに備え、前記支持部は、前記ハウジングに固定されており、前記規制部は、前記支持部の端部から前記ハウジングから離間する方向に向かって延びる形状を有することが好ましい。
【0074】
この態様では、ブレード部材のハウジングへの固定と、搬送部材のブラシ状回転体及び回収部材への接触の抑制と、が両立される。
【0075】
また、前記規制部及び前記支持部は、金属板の曲げ加工により形成されていることが好ましい。
【0076】
上記実施形態におけるドラムユニットは、前記クリーニング装置と、前記感光体と、を備え、前記感光体は、前記ハウジングに保持されている。
【0077】
上記実施形態における画像形成装置は、前記ドラムユニットと、前記感光体の表面に接するように配置されており、前記感光体の前記表面を帯電させる帯電ローラと、前記感光体の前記表面のうち前記感光体の回転方向における前記帯電ローラの下流側に位置する露光部を露光させることによって潜像を形成する露光装置と、前記感光体の前記回転方向における前記帯電ローラの下流側に設けられており、前記潜像にトナーを供給することによってトナー像を形成する現像装置と、を備える。
【0078】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成装置、10 画像形成部、20 転写装置、21 1次転写ローラ、22 中間転写ベルト、23 2次転写ローラ、31 給紙トレイ、32 定着装置、33 排紙トレイ、35 トナー補給装置、100 ドラムユニット、110 感光体、110S 表面、110S1 露光部、110S2 転写部、112 回転軸、120 クリーニング装置、121 ブラシ状回転体、122 回収部材、123 ブレード部材、124 支持部材、124a 支持部、124b 規制部、125 補助板、125a 高剛性部、125b 低剛性部、126 搬送部材、127 クリーニングブレード、128 取付部材、129 ハウジング、129a 内側面、129b 固定部、129b1 中央固定部、129b2 端部固定部、129c リブ、129c1 上端部、129d 取付部、129e 排出口、129f 案内面、129g 位置決め部、130 帯電ローラ、140 クリーニングローラ、200 露光装置、300 現像装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15