(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】物品保管設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240509BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/00 501Z
(21)【出願番号】P 2020190879
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-159340(JP,A)
【文献】特開2016-166078(JP,A)
【文献】特開2013-170079(JP,A)
【文献】特開2014-114120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段の第1棚を有し、各段の前記第1棚が水平面に沿う第1方向に沿って配置されている第1積層ラックと、
複数段の第2棚を有し、各段の前記第2棚が前記第1方向に沿って配置され、前記第1積層ラックよりも前記第1方向の一方側に配置されている第2積層ラックと、
前記第1方向における、前記第2棚に対して前記第1棚が配置された側を第1方向第1側とし、前記第1棚に対して前記第2棚が配置された側を第1方向第2側として、
前記第1積層ラックの前記第1方向第2側の端部に隣接して配置され、前記第1積層ラックの前記第1棚と同じ段数の第1待機コンベヤを備える第1待機ステーションと、
前記第1待機ステーションよりも前記第1方向第2側において、前記第2積層ラックの前記第1方向第1側の端部に隣接して配置され、前記第2積層ラックの前記第2棚と同じ段数の第2待機コンベヤを備える第2待機ステーションと、
前記第1待機コンベヤ及び前記第2待機コンベヤの各段毎に又は複数段毎に配置され、前記第1方向に沿って走行し、前記第1棚と前記第2棚と前記第1待機コンベヤと前記第2待機コンベヤとの間での
物品の受け渡しを行う複数の移載シャトルと、
前記第1方向における前記第1待機ステーションと前記第2待機ステーションとの間に配置されている昇降装置とを備えた物品保管設備であって、
前記昇降装置は、前記第1待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第1昇降コンベヤと、前記第1昇降コンベヤを支持する第1昇降台と、前記第1昇降台を前記第1待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第1昇降機構とを有する第1昇降ユニット、及び、前記第2待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第2昇降コンベヤと、前記第2昇降コンベヤを支持する第2昇降台と、前記第2昇降台を前記第2待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第2昇降機構とを有する第2昇降ユニットを有し、
前記第1昇降台と前記第2昇降台とが、上下方向に沿う上下方向視で重複しないように、前記第2昇降台が前記第1昇降台に対して前記第1方向第2側に配置され、
前記第1昇降ユニットと前記第2昇降ユニットとが、互いに独立して昇降動作を行うことができる、物品保管設備。
【請求項2】
前記第1昇降ユニットは、更に、前記第1昇降コンベヤを前記第1昇降台に対して前記第1方向に移動させる第1スライド機構を備え、
前記第2昇降ユニットは、更に、前記第2昇降コンベヤを前記第2昇降台に対して前記第1方向に移動させる第2スライド機構を備え、
前記第1スライド機構は、前記第1昇降コンベヤを第1基準位置に配置した状態で前記第1昇降コンベヤを前記第1待機コンベヤに隣接させる動作、及び、前記第1昇降コンベヤを前記第1基準位置よりも前記第1方向第2側に設定された第1シフト位置に配置した状態で前記第1昇降コンベヤを前記第2待機コンベヤに隣接させる動作を実行でき、
前記第2スライド機構は、前記第2昇降コンベヤを第2基準位置に配置した状態で前記第2昇降コンベヤを前記第2待機コンベヤに隣接させる動作、及び、前記第2昇降コンベヤを前記第2基準位置よりも前記第1方向第1側に設定された第2シフト位置に配置した状態で前記第2昇降コンベヤを前記第1待機コンベヤに隣接させる動作を実行できる、請求項1に記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記昇降装置の動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
前記第1昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、前記第2昇降ユニットの前記第2昇降コンベヤが前記第2基準位置にない場合、前記第1昇降コンベヤが前記第2昇降コンベヤと交差しない方の行先を優先して前記第1昇降コンベヤの行先を決定し、
前記第2昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、前記第1昇降ユニットの前記第1昇降コンベヤが前記第1基準位置にない場合、前記第2昇降コンベヤが前記第1昇降コンベヤと交差しない方の行先を優先して前記第2昇降コンベヤの行先を決定する、請求項2に記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記第1積層ラックにおける複数の前記第1棚の間隔と、前記第2積層ラックにおける複数の前記第2棚の間隔とが異なる、請求項1~3の何れか一項に記載の物品保管設備。
【請求項5】
上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
前記第1積層ラック、前記第2積層ラック、前記第1待機ステーション、前記第2待機ステーション、及び、前記昇降装置のそれぞれは、前記移載シャトルの走行経路を挟んで前記第2方向に対向する状態で一対設置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の物品保管設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を保管する物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、背景技術について説明する。以下の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。
特開2011-178549号公報(特許文献1)には物品保管設備が記載されている。例えば、特開2011-178549号公報の
図1には、複数段の棚(22)を有し、各段の棚(22)が水平面に沿う第1方向に沿って配置されている第1の積層ラック(12L
1)と、複数段の棚(22)を有し、各段の棚(22)が第1方向に沿って配置され、第1の積層ラック(12L
1)よりも第1方向の一方側に配置されている第2の積層ラック(12L
2)とを備える。また、第1の積層ラック(12L
1)における第2の積層ラック(12L
2)側の端部に隣接して第1の待機ステーション(24L
1)が設けられ、第2の積層ラック(12L
2)における第1の積層ラック(12L
1)側の端部に隣接して第2の待機ステーション(24L
2)が設けられている。加えて、第1の待機ステーション(24L
1)と第2の待機ステーション(24L
2)との第1方向の間に昇降装置(16)が設けられている。つまり、第1の積層ラック(12L
1)と昇降装置(16)との間に第1の待機ステーション(24L
1)が設けられ、第2の積層ラック(12L
2)と昇降装置(16)との間に第2の待機ステーション24L
2)が設けられている。そして、1つの昇降装置(16)が、第1の積層ラック(12L
1)及び第2の積層ラック(12L
2)への物品の入出庫のために稼働している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2011-178549号公報に記載の物品保管設備では、1つの昇降装置(16)が、第1の積層ラック(12L1)及び第2の積層ラック(12L2)への物品の入出庫のために稼働して、第1の待機ステーション(24L1)と第2の待機ステーション(24L2)との間で物品の受け渡しを行う。しかし、所定時間内に1つの昇降装置(16)で受け渡しできる物品の数には限りがある。そのため、第1の積層ラック(12L1)及び第2の積層ラック(12L2)の棚(22)の段数が多い場合や入出庫対象の物品の数が多い場合などに、物品の入出庫を効率的に行うことは困難であった。
【0005】
上記実状に鑑みて、複数の積層ラックへの物品の入出庫を効率的に行うことができる物品保管設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、物品保管設備の特徴構成は、
複数段の第1棚を有し、各段の前記第1棚が水平面に沿う第1方向に沿って配置されている第1積層ラックと、
複数段の第2棚を有し、各段の前記第2棚が前記第1方向に沿って配置され、前記第1積層ラックよりも前記第1方向の一方側に配置されている第2積層ラックと、
前記第1方向における、前記第2棚に対して前記第1棚が配置された側を第1方向第1側とし、前記第1棚に対して前記第2棚が配置された側を第1方向第2側として、
前記第1積層ラックの前記第1方向第2側の端部に隣接して配置され、前記第1積層ラックの前記第1棚と同じ段数の第1待機コンベヤを備える第1待機ステーションと、
前記第1待機ステーションよりも前記第1方向第2側において、前記第2積層ラックの前記第1方向第1側の端部に隣接して配置され、前記第2積層ラックの前記第2棚と同じ段数の第2待機コンベヤを備える第2待機ステーションと、
前記第1待機コンベヤ及び前記第2待機コンベヤの各段毎に又は複数段毎に配置され、前記第1方向に沿って走行し、前記第1棚と前記第2棚と前記第1待機コンベヤと前記第2待機コンベヤとの間での物品の受け渡しを行う複数の移載シャトルと、
前記第1方向における前記第1待機ステーションと前記第2待機ステーションとの間に配置される昇降装置とを備える物品保管設備であって、
前記昇降装置は、前記第1待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第1昇降コンベヤと、前記第1昇降コンベヤを支持する第1昇降台と、前記第1昇降台を前記第1待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第1昇降機構とを有する第1昇降ユニット、及び、前記第2待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第2昇降コンベヤと、前記第2昇降コンベヤを支持する第2昇降台と、前記第2昇降台を前記第2待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第2昇降機構とを有する第2昇降ユニットを有し、前記第1昇降台と前記第2昇降台とが、上下方向に沿う上下方向視で重複しないように、前記第2昇降台が前記第1昇降台に対して前記第1方向第2側に配置され、前記第1昇降ユニットと前記第2昇降ユニットとが、互いに独立して昇降動作を行うことができる点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤは、第1積層ラックに隣接して配置される第1待機ステーションとの間で物品の受け渡しを行うことができ、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤは、第2積層ラックに隣接して配置される第2待機ステーションとの間で物品の受け渡しを行うことができる。つまり、第1昇降ユニット及び第2昇降ユニットを有する昇降装置において、第1昇降ユニット及び第2昇降ユニットのそれぞれが独立して物品の昇降搬送を行い、これら2つの昇降ユニットのそれぞれが独立して待機ステーション(第1待機ステーション、第2待機ステーション)の各段の待機コンベヤとの間で物品の受け渡しを行うことができる。また、必要に応じて、第1昇降コンベヤと第2昇降コンベヤとの高さを合せた状態とすることで、これら2つの昇降ユニットの間での物品の受け渡しも行うこともできる。そのため、物品の昇降搬送の効率を高めることができる。従って、複数の積層ラックへの物品の入出庫を効率的に行うことができる物品保管設備が実現される。
【0008】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1の実施形態の物品保管設備の入庫コンベヤ及び出庫コンベヤの配置を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施形態
物品保管設備1の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1~
図4に示すように、物品保管設備1は、第1積層ラック2(2A,2B)と、第2積層ラック3(3A,3B)と、第1待機ステーション4(4A,4B)と、第2待機ステーション5(5A,5B)と、移載シャトル9と、昇降装置6(6A,6B)とを備える。また、第1の実施形態の物品保管設備1は、入庫コンベヤ10(10A,10B)と、出庫コンベヤ11(11A,11B)とを更に備える。以下の説明では、図中に示す第1方向Xの一方側を第1方向第1側X1と称し、その反対側を第1方向第2側X2と称する。また、上下方向Zに沿う上下方向視で第1方向Xに対して直交する方向を第2方向Yとし、第2方向Yの一方側を第2方向第1側Y1と称し、その反対側を第2方向第2側Y2と称する。移載シャトル9の走行方向でもある搬送方向は、第1方向Xに沿う。第2方向Yは第1積層ラック2及び第2積層ラック3の棚の奥行方向でもある。
【0011】
本実施形態では、第1積層ラック2、第2積層ラック3、第1待機ステーション4、第2待機ステーション5、及び、昇降装置6のそれぞれは、移載シャトル9の走行経路12を挟んで第2方向Yに対向する状態で一対設置されている。本実施形態では、第2方向第1側Y1(
図1における紙面手前側)に、第1積層ラック2A、第2積層ラック3A、第1待機ステーション4A、第2待機ステーション5A、及び、昇降装置6Aが設けられている。そして、第2方向第2側Y2(
図1における紙面奥側)に、第1積層ラック2B、第2積層ラック3B、第1待機ステーション4B、第2待機ステーション5B、及び、昇降装置6Bが設けられている。
【0012】
第1積層ラック2(2A,2B)は、複数段の第1棚13を有し、各段の第1棚13が水平面に沿う第1方向Xに沿って配置されている。第2積層ラック3(3A,3B)は、複数段の第2棚14を有し、各段の第2棚14が第1方向Xに沿って配置され、第1積層ラック2よりも第1方向Xの一方側(第1方向第2側X2)に配置されている。
【0013】
第1待機ステーション4(4A,4B)は、第1方向Xにおける、第2棚14に対して第1棚13が配置された側を第1方向第1側X1とし、第1棚13に対して第2棚14が配置された側を第1方向第2側X2として、第1積層ラック2の第1方向第2側X2の端部に隣接して配置され、第1積層ラック2の第1棚13と同じ段数の第1待機コンベヤ15(15A,15B)を備える。第1待機コンベヤ15は、複数の物品26を第1方向Xに沿って並んだ状態で載置し、載置された物品26を第1方向Xに沿って移動させることができる。例えば、第1待機コンベヤ15は、複数の回転する棒状のローラを並べて構成される。或いは、第1待機コンベヤ15は、ベルトコンベヤを用いて構成される。
【0014】
第2待機ステーション5(5A,5B)は、第1待機ステーション4よりも第1方向第2側X2において、第2積層ラック3の第1方向第1側X1の端部に隣接して配置され、第2積層ラック3の第2棚14と同じ段数の第2待機コンベヤ16(16A,16B)を備える。第2待機コンベヤ16は、複数の物品26を第1方向Xに沿って並んだ状態で載置し、載置された物品26を第1方向Xに沿って移動させることができる。例えば、第2待機コンベヤ16は、複数の回転する棒状のローラを並べて構成される。或いは、第2待機コンベヤ16は、ベルトコンベヤを用いて構成される。
【0015】
移載シャトル9は、第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16の各段毎に又は複数段毎に配置され、第1方向Xに沿って走行する。本実施形態では、移載シャトル9は、第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16の各段毎に配置されている。各移載シャトル9は、第1棚13と第2棚14と第1待機コンベヤ15と第2待機コンベヤ16との間での物品26の受け渡しを行う。移載シャトル9は、第1方向Xに沿った走行経路12を走行する走行体と、その走行体に支持され、第2方向Yに沿って物品26を移載する移載装置とを備えている。
【0016】
本実施形態では、同じ段(即ち、同じ高さ)の走行経路12に2台の移載シャトル9が設けられている。そして、1台の移載シャトル9が、第1方向Xにおける、第1積層ラック2の第1棚13の第1方向第1側X1の端部から第1待機ステーション4までの間を走行し、走行経路12を挟んで対向する位置に配置されている第1積層ラック2A,2Bの同じ段の第1棚13との間で物品26の受け渡しを行う。また、別の1台の移載シャトル9が、第2積層ラック3の第2棚14の第1方向第2側X2の端部から第2待機ステーション5までの間で走行し、走行経路12を挟んで対向する位置に配置されている第2積層ラック3A,3Bの同じ段の第2棚14との間で物品26の受け渡しを行う。
【0017】
移載シャトル9の移載装置は、例えば、第2方向Yに沿って出退移動する一対のアーム等を備えている。そして、移載シャトル9は、走行経路12を走行して、第1積層ラック2の第1棚13又は第1待機コンベヤ15又は第2積層ラック3の第2棚14又は第2待機コンベヤ16の何れかと第2方向Yに沿って隣接した位置に停止し、上述したアーム等を用いて、搬送してきた物品26を第1棚13、第1待機コンベヤ15、第2棚14、及び第2待機コンベヤ16に渡すこと、及び、第1棚13、第1待機コンベヤ15、第2棚14、及び第2待機コンベヤ16のそれぞれに載置されている物品26を受け取ることができる。このようにして、移載シャトル9は、第1棚13、第1待機コンベヤ15、第2棚14、及び第2待機コンベヤ16のそれぞれとの間で物品26の移載、すなわち、受け渡しを行うことができる。
【0018】
昇降装置6(6A,6B)は、第1方向Xにおける第1待機ステーション4と第2待機ステーション5との間に配置されている。昇降装置6(6A,6B)は、第1昇降ユニット7(7A,7B)、及び、第2昇降ユニット8(8A,8B)を有する。
【0019】
第1昇降ユニット7(7A,7B)は、第1待機コンベヤ15(15A,15B)との間で物品26の受け渡しを行う第1昇降コンベヤ17(17A,17B)と、第1昇降コンベヤ17を支持する第1昇降台18(18A,18B)と、第1昇降台18を第1待機コンベヤ15の全ての段に亘って昇降させる第1昇降機構19(19A,19B)とを有する。第1昇降機構19は、第1昇降台18を上下方向Zに案内するマスト25(25A,25B)を備える。尚、このマスト25は、第1昇降機構19及び第2昇降機構23で共用される。そして、第1昇降機構19は、昇降用モータ(図示せず)などを用いて、第1昇降台18及び第1昇降コンベヤ17を、マスト25に沿って上下方向Zに昇降させる。
【0020】
第2昇降ユニット8(8A,8B)は、第2待機コンベヤ16(16A,16B)との間で物品26の受け渡しを行う第2昇降コンベヤ21(21A,21B)と、第2昇降コンベヤ21を支持する第2昇降台22(22A,22B)と、第2昇降台22を第2待機コンベヤ16の全ての段に亘って昇降させる第2昇降機構23(23A,23B)とを有する。第2昇降機構23は、第2昇降台22を上下方向Zに案内するマスト25(25A,25B)を備える。そして、第2昇降機構23は、昇降用モータ(図示せず)などを用いて、第2昇降台22及び第2昇降コンベヤ21を、マスト25に沿って上下方向Zに昇降させる。
【0021】
第1昇降コンベヤ17及び第2昇降コンベヤ21は、例えば複数の回転する棒状のローラを並べて構成され、それらのローラ上に載置された物品26をローラの回転により搬送できる。或いは、第1昇降コンベヤ17及び第2昇降コンベヤ21は、例えばベルトコンベヤを用いて構成され、そのベルトコンベヤの上に載置された物品26をベルトコンベヤの駆動により搬送できる。
【0022】
以上のように構成されることで、
図4にも示すように、第1昇降ユニット7と第2昇降ユニット8とは、互いに独立して、例えば第1昇降コンベヤ17と第2昇降コンベヤ21とが互いに異なる高さに位置するように昇降動作を行うことができる。
また、
図3に示すように、第1昇降ユニット7と第2昇降ユニット8とは、第1昇降コンベヤ17と第2昇降コンベヤ21とが互いに同じ高さに位置するように昇降動作を行うこともできる。この場合、第1昇降コンベヤ17と第2昇降コンベヤ21との間で物品26の受け渡しを行うことができる。
【0023】
本実施形態では、第1待機コンベヤ15による物品26の搬送方向と第2待機コンベヤ16による物品26の搬送方向とは、
図3及び
図4に矢印で示すように予め設定されている。第1積層ラック2A,2Bの同じ段の第1棚13に着目した場合、一方の第1棚13に隣接した第1待機コンベヤ15から物品26の搬入が行われ、他方の第1棚13に隣接した第1待機コンベヤ15から物品26の搬出が行われるように構成されている。例えば、
図3に示すように、第1積層ラック2Aの最下段の第1待機コンベヤ15による物品26の搬送方向は、第1方向第2側X2、即ち、物品26を第1待機コンベヤ15から第1昇降コンベヤ17に搬送する方向に設定されている。
図4に示すように、第1積層ラック2Aと走行経路12を挟んで対向する位置に配置されている第1積層ラック2Bの最下段の第1待機コンベヤ15の物品26の搬送方向は、第1方向第1側X1、即ち、物品26を第1昇降コンベヤ17から第1待機コンベヤ15に搬送する方向に設定されている。このように、第1積層ラック2Aの最下段の第1棚13と、第1積層ラック2Bの最下段の第1棚13とをセットで見た場合、第2方向第2側Y2(奥側)の第1待機コンベヤ15Bから第1積層ラック2A,2Bへの物品26の搬入が行われ、第1積層ラック2A,2Bの第1棚13に収納されている物品26の搬出が第2方向第1側Y1(手前側)の第1待機コンベヤ15Aから行われるように構成されている。
【0024】
同様に、本実施形態では、第2待機コンベヤ16による物品26の搬送方向は、
図3及び
図4に矢印で示すように予め設定されている。第2積層ラック3A,3Bの同じ段の第2棚14に着目した場合、一方の第2棚14に隣接した第2待機コンベヤ16から物品26の搬入が行われ、他方の第2棚14に隣接した第2待機コンベヤ16から物品26の搬出が行われるように構成されている。例えば、
図3に示すように、第2積層ラック3Aの最下段の第2待機コンベヤ16による物品26の搬送方向は、第1方向第2側X2、即ち、物品26を第2昇降コンベヤ21から第2待機コンベヤ16に搬送する方向に設定されている。
図4に示すように、第2積層ラック3Aと走行経路12を挟んで対向する位置に配置されている第2積層ラック3Bの最下段の第1待機コンベヤ15の物品26の搬送方向は、第1方向第1側X1、即ち、物品26を第2待機コンベヤ16から第2昇降コンベヤ21に搬送する方向に設定されている。このように、第2積層ラック3Aの最下段の第2棚14と、第2積層ラック3Bの最下段の第2棚14とをセットで見た場合、第2方向第1側Y1(手前側)の第2待機コンベヤ16Aから第2積層ラック3A,3Bへの物品26の搬入が行われ、第2積層ラック3A,3Bの第2棚14に収納されている物品26の搬出が第2方向第2側Y2(奥側側)の第2待機コンベヤ16Bから行われるように構成されている。
【0025】
第1昇降ユニット7の第1昇降機構19は、入庫コンベヤ10から第1昇降コンベヤ17が物品26を受け取る位置にも第1昇降コンベヤ17を移動させることができる。第2昇降ユニット8の第2昇降機構23は、第2昇降コンベヤ21から出庫コンベヤ11へ物品26を渡す位置にも第2昇降コンベヤ21を移動させることができる。
【0026】
図2に示すように、入庫コンベヤ10(10A,10B)は、第1積層ラック2又は第2積層ラック3に入庫される物品26を搬送する。入庫コンベヤ10は、上下方向Zに沿う上下方向視で第1積層ラック2と重複する位置に配置される。本実施形態では、入庫コンベヤ10は、第1積層ラック2の下方の、上下方向視で第1積層ラック2と重複する位置に配置される。
図2~
図4に示すように、入庫コンベヤ10は、第2方向第1側Y1の第1積層ラック2Aと重複する位置、及び、第2方向第2側Y2の第1積層ラック2Bと重複する位置の双方に設けられる。
【0027】
出庫コンベヤ11(11A,11B)は、第1積層ラック2又は第2積層ラック3から出庫される物品26を搬送する。出庫コンベヤ11は、上下方向視で第2積層ラック3と重複する位置に配置されている。本実施形態では、出庫コンベヤ11は、第1積層ラック2の下方の、上下方向視で第2積層ラック3と重複する位置に配置される。
図2~
図4に示すように、出庫コンベヤ11は、第2方向第1側Y1の第2積層ラック3Aと重複する位置、及び、第2方向第2側Y2の第2積層ラック3Bと重複する位置の双方に設けられる。
【0028】
入庫コンベヤ10及び出庫コンベヤ11は、例えば複数の回転する棒状のローラを並べて構成され、それらのローラ上に載置された物品26をローラの回転により搬送できる。或いは、入庫コンベヤ10及び出庫コンベヤ11は、例えばベルトコンベヤを用いて構成され、そのベルトコンベヤの上に載置された物品26をベルトコンベヤの駆動により搬送できる。
【0029】
図5は、第1の実施形態における制御ブロック図である。図示するように、物品保管設備1の制御部27は、入庫コンベヤ10、出庫コンベヤ11、第1待機コンベヤ15、第2待機コンベヤ16、第1昇降コンベヤ17、第1昇降機構19、第2昇降コンベヤ21、第2昇降機構23、及び、移載シャトル9の動作を制御する。
【0030】
次に、物品26が第1積層ラック2及び第2積層ラック3に入庫される工程と、第1積層ラック2及び第2積層ラック3から物品26が出庫される工程とについて説明する。
【0031】
〔物品26の入庫〕
図3に示すように、入庫コンベヤ10によって搬送されてきた物品26の外表面には光学的に読み取り可能な情報が記載されたラベルが設けられている。或いは、入庫コンベヤ10によって搬送されてきた物品26には無線等で読み取り可能な情報が記憶された記憶媒体が設けられている。そして、物品保管設備1の制御部27は、入庫コンベヤ10で搬送途中にそのラベル又は記憶媒体に含まれる情報を読み取ることで、物品26をどの棚に収納するのか(即ち、収納先)を決定する。
【0032】
物品保管設備1の制御部27は、物品26を第1積層ラック2の第1棚13に収納する場合、その収納先の情報を第1昇降ユニット7、第1待機コンベヤ15及び移載シャトル9に伝達する。そして、第1昇降ユニット7は、第1昇降コンベヤ17を下降(昇降)させて入庫コンベヤ10と同じ段(高さ)に止め、第1昇降コンベヤ17によって入庫コンベヤ10から物品26を受け取る。次に、第1昇降ユニット7は、第1昇降コンベヤ17を上昇させて収納先として決定された段(高さ)に止め、隣接する同じ段(高さ)の第1待機コンベヤ15に物品26を渡す。移載シャトル9は、第1待機コンベヤ15に載置された物品26を受け取り、走行経路12を走行して第1積層ラック2の収納先として決定された棚の収納部の前で停止し、搬送してきた物品26をその棚に渡す。
【0033】
また、物品保管設備1の制御部27は、物品26を第2積層ラック3の第2棚14に収納する場合、その収納先の情報を第1昇降ユニット7、第2昇降ユニット8、第2待機コンベヤ16及び移載シャトル9に伝達する。そして、第1昇降ユニット7は、第1昇降コンベヤ17を下降(昇降)させて入庫コンベヤ10と同じ段(高さ)に止め、第1昇降コンベヤ17によって入庫コンベヤ10から物品26を受け取る。また、第2昇降ユニット8は、第2昇降コンベヤ21を昇降させて第1昇降コンベヤ17と同じ段(高さ)に止め、第2昇降コンベヤ21によって第1昇降コンベヤ17から物品26を受け取る。次に、第2昇降ユニット8は、第2昇降コンベヤ21を昇降させて収納先として決定された段(高さ)に止め、隣接する同じ段(高さ)の第2待機コンベヤ16に物品26を渡す。移載シャトル9は、第2待機コンベヤ16に載置された物品26を受け取り、走行経路12を走行して第2積層ラック3の収納先として決定された棚の収納部の前で停止し、搬送してきた物品26をその棚に渡す。
【0034】
〔物品26の出庫〕
物品保管設備1の制御部27は、どの棚のどの収納部に収容されている物品26を出庫コンベヤ11から出庫するのか(取出元)を決定する。物品保管設備1の制御部27は、物品26を第1積層ラック2の第1棚13から出庫する場合、その取出元の情報を第1昇降ユニット7、第1待機コンベヤ15、第2昇降ユニット8、及び移載シャトル9に伝達する。そして、移載シャトル9は、第1積層ラック2の取出元として決定された棚の収納部の前で停止し、その収納部に収容されている物品26を受け取る。次に、移載シャトル9は、走行経路12を走行し、第1待機コンベヤ15に隣接して停止し、搬送してきた物品26を第1待機コンベヤ15に渡す。そして、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8が動作して、第1昇降コンベヤ17によって第1待機コンベヤ15から物品26を受け取り、第2昇降コンベヤ21によって第1昇降コンベヤ17から物品26を受け取る。次に、第2昇降ユニット8は、第2昇降コンベヤ21を出庫コンベヤ11と同じ段(即ち、同じ高さ)に止め、第2昇降コンベヤ21から出庫コンベヤ11に物品26を渡す。そして、出庫コンベヤ11はその物品26を出庫する。
【0035】
物品保管設備1の制御部27は、物品26を第2積層ラック3の第2棚14から出庫する場合、その取出元の情報を第2昇降ユニット8、及び移載シャトル9に伝達する。そして、移載シャトル9は、第2積層ラック3の取出元として決定された棚の収納部の前で停止し、その収納部に収容されている物品26を受け取る。次に、移載シャトル9は、走行経路12を走行し、第2待機コンベヤ16に隣接して停止し、搬送してきた物品26を第2待機コンベヤ16に渡す。そして、第2昇降ユニット8が動作して、第2昇降コンベヤ21によって第2待機コンベヤ16から物品26を受け取る。次に、第2昇降ユニット8は、第2昇降コンベヤ21を出庫コンベヤ11と同じ段(即ち、同じ高さ)に止め、第2昇降コンベヤ21から出庫コンベヤ11に物品26を渡す。そして、出庫コンベヤ11はその物品26を出庫する。
【0036】
以上のように、第1昇降ユニット7の第1昇降コンベヤ17は、第1積層ラック2に隣接して配置される第1待機ステーション4との間で物品26の受け渡しを行うことができ、第2昇降ユニット8の第2昇降コンベヤ21は、第2積層ラック3に隣接して配置される第2待機ステーション5との間で物品26の受け渡しを行うことができる。つまり、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8を有する昇降装置6において、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8のそれぞれが独立して物品26の昇降搬送を行い、これら2つの昇降ユニットのそれぞれが独立して待機ステーション(第1待機ステーション4、第2待機ステーション5)の各段の待機コンベヤとの間で物品26の受け渡しを行うことができる。また、必要に応じて、第1昇降コンベヤ17と第2昇降コンベヤ21との高さを合せた状態とすることで、これら2つの昇降ユニットの間での物品26の受け渡しも行うこともできる。そのため、物品26の昇降搬送の効率を高めることができる。従って、複数の積層ラックへの物品26の入出庫を効率的に行うことができる物品保管設備1が実現される。
【0037】
2.第2の実施形態
図6及び
図7は、第2の実施形態の昇降装置6の側面図である。
図8は、第2の実施形態における制御ブロック図である。図示するように、第1昇降ユニット7は、第1昇降コンベヤ17を第1昇降台18に対して第1方向Xに移動させる第1スライド機構20を備える。第1スライド機構20は、第1昇降台18に支持されている。第2昇降ユニット8は、第2昇降コンベヤ21を第2昇降台22に対して第1方向Xに移動させる第2スライド機構24を備える。第2スライド機構24は第2昇降台22に支持されている。
【0038】
第1スライド機構20及び第2スライド機構24は第1方向Xに沿って伸縮可能に構成されている。例えば、第1スライド機構20及び第2スライド機構24は、複数の部材を互いにスライド可能に連結し、その内の一つの部材を第1昇降台18及び第2昇降台22のそれぞれで保持する。そして、第1昇降台18及び第2昇降台22で保持されていない別の部材を、保持されている部材に対して第1方向Xにスライドさせて繰り出すことで、スライドした別の部材が保持している第1昇降コンベヤ17及び第2昇降コンベヤ21が第1方向Xに移動する。
【0039】
物品保管設備1の制御部27は、入庫コンベヤ10、出庫コンベヤ11、第1待機コンベヤ15、第2待機コンベヤ16、第1昇降コンベヤ17、第1昇降機構19、第1スライド機構20、第2昇降コンベヤ21、第2昇降機構23、第2スライド機構24、及び、移載シャトル9の動作を制御する。
【0040】
図6は、第1スライド機構20が第1方向Xに沿った方向で短縮されて、第1昇降コンベヤ17が第1基準位置にある状態を示し、
図7は、第1スライド機構20が第1方向Xに沿った方向で伸長されて、第1昇降コンベヤ17が第1スライド位置にある状態を示している。同様に、
図6は、第2スライド機構24が第1方向Xに沿った方向で短縮されて、第2昇降コンベヤ21が第2基準位置にある状態を示し、
図7は、第2スライド機構24が第1方向Xに沿った方向で伸長されて、第2昇降コンベヤ21が第2スライド位置にある状態を示している。
【0041】
このように、第1スライド機構20は、第1昇降コンベヤ17を第1基準位置に配置した状態で第1昇降コンベヤ17を第1待機コンベヤ15に隣接させる動作、及び、第1昇降コンベヤ17を第1基準位置よりも第1方向第2側X2に設定された第1シフト位置に配置した状態で第1昇降コンベヤ17を第2待機コンベヤ16に隣接させる動作を実行できる。
【0042】
また、第2スライド機構24は、第2昇降コンベヤ21を第2基準位置に配置した状態で第2昇降コンベヤ21を第2待機コンベヤ16に隣接させる動作、及び、第2昇降コンベヤ21を第2基準位置よりも第1方向第1側X1に設定された第2シフト位置に配置した状態で第2昇降コンベヤ21を第1待機コンベヤ15に隣接させる動作を実行できる。
【0043】
物品保管設備1がこのような構成の第1スライド機構20を備えることで、第1昇降コンベヤ17を第1待機コンベヤ15に隣接する位置(第1基準位置)に配置する動作、及び、第1昇降コンベヤ17を第2待機コンベヤ16に隣接する位置(第1シフト位置)に配置する動作を実行できる。つまり、第1昇降ユニット7は、第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16の双方との間での物品26の受け渡しを行うことができる。
【0044】
また、物品保管設備1がこのような構成の第2スライド機構24を備えることで、第2昇降コンベヤ21を第2待機コンベヤ16に隣接する位置(第2基準位置)に配置する動作、及び、第2昇降コンベヤ21を第1待機コンベヤ15に隣接する位置(第2シフト位置)に配置する動作を実行できる。つまり、第2昇降ユニット8は、第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16の双方との間での物品26の受け渡しを行うことができる。
【0045】
このように、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8を有する昇降装置6において、これら2つの昇降ユニットのそれぞれが独立して待機ステーション(第1待機ステーション4、第2待機ステーション5)の各段の第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16との間で上述したような物品26の受け渡しを同時並行で行うことができる。その結果、複数の第1積層ラック2及び第2積層ラック3への物品26の入出庫を更に効率的に行うことができる。
【0046】
尚、第1昇降ユニット7が、第1昇降コンベヤ17を第2待機コンベヤ16に隣接する位置に配置でき、第2昇降ユニット8が、第2昇降コンベヤ21を第1待機コンベヤ15に隣接する位置に配置できるということは、第1昇降コンベヤ17と第2昇降コンベヤ21とが昇降動作中に衝突する可能性があることを意味している。但し、制御部27は、第1昇降ユニット7の第1昇降コンベヤ17が第1基準位置にない場合、及び、第2昇降ユニット8の第2昇降コンベヤ21が第2基準位置にない場合の少なくとも何れか一方の場合、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8の少なくとも何れか一方の昇降動作を制限して、両者の衝突を防止する制御を行う。
【0047】
例えば、制御部27は、第1昇降コンベヤ17の行先の候補が複数存在し、且つ、第2昇降ユニット8の第2昇降コンベヤ21が第2基準位置にない場合、第1昇降コンベヤ17が第2昇降コンベヤ21と交差しない方の行先を優先して第1昇降コンベヤ17の行先を決定する。また、第2昇降コンベヤ21の行先の候補が複数存在し、且つ、第1昇降ユニット7の第1昇降コンベヤ17が第1基準位置にない場合、第2昇降コンベヤ21が第1昇降コンベヤ17と交差しない方の行先を優先して第2昇降コンベヤ21の行先を決定する。
【0048】
それに対して、制御部27は、第1昇降ユニット7の第1昇降コンベヤ17が第1基準位置あり、且つ、第2昇降ユニット8の第2昇降コンベヤ21が第2基準位置にある場合、第1昇降コンベヤ17の行先及び第2昇降コンベヤ21の行先を制限しない。
【0049】
3.第3の実施形態
図9は第3の実施形態の物品保管設備1の上面図である。
図10は第3の実施形態の物品保管設備1の側面図である。
図11は第3の実施形態の物品保管設備1の側面図である。
図9~
図11に示すように、第2方向第1側Y1(手前側)の第1積層ラック2A、第1待機ステーション4A、昇降装置6A、第2待機ステーション5A、及び第2積層ラック3Aと、第2方向第2側Y2(奥側)の第1積層ラック2B、第1待機ステーション4B、昇降装置6B、第2待機ステーション5B、及び第2積層ラック3Bとが、走行経路12を挟んで並行して設けられている。
【0050】
第2方向第1側Y1の入庫コンベヤ10Aは、第1積層ラック2又は第2積層ラック3に入庫される物品26を搬送できる。この入庫コンベヤ10Aは、第1積層ラック2Aの上方で、上下方向視で第1積層ラック2Aと重複する位置に配置されている。第2方向第2側Y2の入庫コンベヤ10Bは、第1積層ラック2又は第2積層ラック3に入庫される物品26を搬送できる。この入庫コンベヤ10Bは、第1積層ラック2Bの上方で、上下方向視で第1積層ラック2Bと重複する位置に配置されている。
【0051】
第2方向第1側Y1の出庫コンベヤ11Aは、第1積層ラック2又は第2積層ラック3から出庫される物品26を搬送できる。この出庫コンベヤ11Aは、第2積層ラック3Aの上方で、上下方向視で第2積層ラック3Aと重複する位置に配置されている。第2方向第2側Y2の出庫コンベヤ11Bは、第1積層ラック2又は第2積層ラック3から出庫される物品26を搬送できる。この出庫コンベヤ11Bは、第2積層ラック3Bの上方で、上下方向視で第2積層ラック3Bと重複する位置に配置されている。
【0052】
図10は、
図9に示した第2方向第1側Y1の設備(第1積層ラック2A、第1待機ステーション4A、昇降装置6A、第2待機ステーション5A、及び第2積層ラック3A)の側面図である。
図11は、
図9に示した第2方向第2側Y2の設備(第1積層ラック2B、第1待機ステーション4B、昇降装置6B、第2待機ステーション5B、及び第2積層ラック3B)の側面図である。
【0053】
図10に示す例では、第2方向第1側Y1の設備において、第1積層ラック2Aの第1棚13(13a,13b,13d)の段数は3段であり、第2積層ラック3Aの第2棚14(14a,14b,14c,14d)の段数は4段であり、互いに異なっている。これは、図示するように、第1積層ラック2における複数の第1棚13の間隔と、第2積層ラック3Aにおける複数の第2棚14の間隔とが異なっているからである。具体的には、第1積層ラック2Aの第1棚13bと第1棚13dとの間隔が他の棚同士の間隔よりも広くなっている。本実施形態では、第1積層ラック2Aの第1棚13bには、相対的に高さの高い物品26a(26)を収容できるように設計されている。第1積層ラック2Aの第1棚13a,13dには、相対的に高さの低い物品26b(26)を収容するように設計されている。なお、本例では、第2積層ラック3における複数の第2棚14a,14b,14c,14dの間隔は全て同じになっている。
【0054】
図11に示す例では、第2方向第2側Y2の設備において、第1積層ラック2Bの第1棚13(13a,13b,13d)の段数は3段であり、第2積層ラック3Bの第2棚14(14a,14b,14c,14d)の段数は4段であり、互いに異なっている。これは、図示するように、第1積層ラック2における複数の第1棚13の間隔と、第2積層ラック3Bにおける複数の第2棚14の間隔とが異なっているからである。具体的には、第1積層ラック2Bの第1棚13bと第1棚13dとの間隔が他の棚同士の間隔よりも広くなっている。本実施形態では、第1積層ラック2Bの第1棚13bには、相対的に高さの高い物品26a(26)を収容できるように設計されている。第1積層ラック2Bの第1棚13a,13dには、相対的に高さの低い物品26b(26)を収容するように設計されている。なお、本例では、第2積層ラック3Bにおける複数の第2棚14a,14b,14c,14dの間隔は全て同じになっている。
【0055】
4.その他の実施形態
次に、物品保管設備1のその他の実施形態について説明する。
【0056】
(1)上記実施形態では昇降装置6が備えるマスト25が第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8で共用される場合を例示したが、第1昇降ユニット7及び第2昇降ユニット8がマストを各別に備えていてもよい。
【0057】
(2)上記実施形態において、各コンベヤによる物品26の搬送方向は適宜変更してもよい。例えば、入庫コンベヤ10による物品26の搬送方向を上述したのと逆方向にして出庫コンベヤ11として機能させ、出庫コンベヤ11による物品26の搬送方向を上述したのと逆方向にして入庫コンベヤ10として機能させてもよい、また、第1待機コンベヤ15及び第2待機コンベヤ16による物品26の搬送方向も適宜変更してもよい。
【0058】
(3)上記第2の実施形態では第1スライド機構20及び第2スライド機構24の構成例を説明したが、第1スライド機構20及び第2スライド機構24の構成は適宜変更可能である。
【0059】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0060】
5.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品保管設備の概要について説明する。
【0061】
物品保管設備は、複数段の第1棚を有し、各段の前記第1棚が水平面に沿う第1方向に沿って配置されている第1積層ラックと、複数段の第2棚を有し、各段の前記第2棚が前記第1方向に沿って配置され、前記第1積層ラックよりも前記第1方向の一方側に配置されている第2積層ラックと、前記第1方向における、前記第2棚に対して前記第1棚が配置された側を第1方向第1側とし、前記第1棚に対して前記第2棚が配置された側を第1方向第2側として、前記第1積層ラックの前記第1方向第2側の端部に隣接して配置され、前記第1積層ラックの前記第1棚と同じ段数の第1待機コンベヤを備える第1待機ステーションと、前記第1待機ステーションよりも前記第1方向第2側において、前記第2積層ラックの前記第1方向第1側の端部に隣接して配置され、前記第2積層ラックの前記第2棚と同じ段数の第2待機コンベヤを備える第2待機ステーションと、前記第1待機コンベヤ及び前記第2待機コンベヤの各段毎に又は複数段毎に配置され、前記第1方向に沿って走行し、前記第1棚と前記第2棚と前記第1待機コンベヤと前記第2待機コンベヤとの間での前記物品の受け渡しを行う複数の移載シャトルと、前記第1方向における前記第1待機ステーションと前記第2待機ステーションとの間に配置される昇降装置とを備え、前記昇降装置は、前記第1待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第1昇降コンベヤと、前記第1昇降コンベヤを支持する第1昇降台と、前記第1昇降台を前記第1待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第1昇降機構とを有する第1昇降ユニット、及び、前記第2待機コンベヤとの間で前記物品の受け渡しを行う第2昇降コンベヤと、前記第2昇降コンベヤを支持する第2昇降台と、前記第2昇降台を前記第2待機コンベヤの全ての段に亘って昇降させる第2昇降機構とを有する第2昇降ユニットを有し、前記第1昇降ユニットと前記第2昇降ユニットとが、互いに独立して昇降動作を行うことができる。
【0062】
本構成によれば、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤは、第1積層ラックに隣接して配置される第1待機ステーションとの間で物品の受け渡しを行うことができ、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤは、第2積層ラックに隣接して配置される第2待機ステーションとの間で物品の受け渡しを行うことができる。つまり、第1昇降ユニット及び第2昇降ユニットを有する昇降装置において、第1昇降ユニット及び第2昇降ユニットのそれぞれが独立して物品の昇降搬送を行い、これら2つの昇降ユニットのそれぞれが独立して待機ステーション(第1待機ステーション、第2待機ステーション)の各段の待機コンベヤとの間で物品の受け渡しを行うことができる。また、必要に応じて、第1昇降コンベヤと第2昇降コンベヤとの高さを合せた状態とすることで、これら2つの昇降ユニットの間での物品の受け渡しも行うこともできる。そのため、物品の昇降搬送の効率を高めることができる。従って、複数の積層ラックへの物品の入出庫を効率的に行うことができる物品保管設備が実現される。
【0063】
ここで、前記第1昇降ユニットは、更に、前記第1昇降コンベヤを前記第1昇降台に対して前記第1方向に移動させる第1スライド機構を備え、前記第2昇降ユニットは、更に、前記第2昇降コンベヤを前記第2昇降台に対して前記第1方向に移動させる第2スライド機構を備え、前記第1スライド機構は、前記第1昇降コンベヤを第1基準位置に配置した状態で前記第1昇降コンベヤを前記第1待機コンベヤに隣接させる動作、及び、前記第1昇降コンベヤを前記第1基準位置よりも前記第1方向第2側に設定された第1シフト位置に配置した状態で前記第1昇降コンベヤを前記第2待機コンベヤに隣接させる動作を実行でき、前記第2スライド機構は、前記第2昇降コンベヤを第2基準位置に配置した状態で前記第2昇降コンベヤを前記第2待機コンベヤに隣接させる動作、及び、前記第2昇降コンベヤを前記第2基準位置よりも前記第1方向第1側に設定された第2シフト位置に配置した状態で前記第2昇降コンベヤを前記第1待機コンベヤに隣接させる動作を実行できると好適である。
【0064】
本構成によれば、第1昇降ユニットは第1スライド機構を有しているので、第1昇降コンベヤを第1待機コンベヤに隣接する位置(第1基準位置)に配置する動作、及び、第1昇降コンベヤを第2待機コンベヤに隣接する位置(第1シフト位置)に配置する動作を実行できる。つまり、第1昇降ユニットは、第1待機コンベヤ及び第2待機コンベヤの双方との間での物品の受け渡しを行うことができる。また、第2昇降ユニットは第2スライド機構を有しているので、第2昇降コンベヤを第2待機コンベヤに隣接する位置(第2基準位置)に配置する動作、及び、第2昇降コンベヤを第1待機コンベヤに隣接する位置(第2シフト位置)に配置する動作を実行できる。つまり、第2昇降ユニットは、第1待機コンベヤ及び第2待機コンベヤの双方との間での物品の受け渡しを行うことができる。このように、第1昇降ユニット及び第2昇降ユニットを有する昇降装置において、これら2つの昇降ユニットのそれぞれが独立して待機ステーション(第1待機ステーション、第2待機ステーション)の各段の待機コンベヤとの間で上述したような物品の受け渡しを同時並行で行うことができる。その結果、複数の積層ラックへの物品の入出庫を更に効率的に行うことができる。
【0065】
また、前記昇降装置の動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記第1昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、前記第2昇降ユニットの前記第2昇降コンベヤが前記第2基準位置にない場合、前記第1昇降コンベヤが前記第2昇降コンベヤと交差しない方の行先を優先して前記第1昇降コンベヤの行先を決定し、前記第2昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、前記第1昇降ユニットの前記第1昇降コンベヤが前記第1基準位置にない場合、前記第2昇降コンベヤが前記第1昇降コンベヤと交差しない方の行先を優先して前記第2昇降コンベヤの行先を決定すると好適である。
【0066】
本構成によれば、第1昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤが第2基準位置にない場合、即ち、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤの昇降が、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤの存在によって遮られる可能性がある場合には、第1昇降コンベヤは、第2昇降コンベヤと交差しない方の行先へ優先して昇降する。その結果、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤの昇降が第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤの存在によって遮られて停止することを、できるだけ回避できる。加えて、第2昇降コンベヤの行先の候補が複数存在し、且つ、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤが第1基準位置にない場合、即ち、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤの昇降が、第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤの存在によって遮られる可能性がある場合には、第2昇降コンベヤは、第1昇降コンベヤと交差しない方の行先へ優先して昇降する。その結果、第2昇降ユニットの第2昇降コンベヤの昇降が第1昇降ユニットの第1昇降コンベヤの存在によって遮られて停止することを、できるだけ回避できる。
【0067】
また、前記第1積層ラックにおける複数の前記第1棚の間隔と、前記第2積層ラックにおける複数の前記第2棚の間隔とが異なると好適である。
【0068】
本構成によれば、第1積層ラックの第1棚と第2積層ラックの第2棚とは棚同士の間隔が異なるので、高さの異なる物品を収容できる。例えば、一方の棚には収容できない高さの物品を他方の棚に収容できる。従って、物品保管設備において高さの異なる複数種の物品を収容できる。ところで、本構成とは異なり、昇降ユニットが1つである場合において、第1積層ラックの第1棚と第2積層ラックの第2棚とで棚同士の間隔が異なると、待機コンベヤとの間での物品の受け渡しのための昇降ユニットの昇降方向の停止位置の数は、これらの棚の各段の高さが同じである場合に比べて倍増することになる。しかし、本構成によれば、第1昇降ユニットと第2昇降ユニットとが互いに独立して昇降動作を行うため、待機コンベヤとの間での物品の受け渡しのための各昇降ユニットの昇降方向の停止位置の数は、第1棚と第2棚との棚同士の間隔に影響を受けない。従って、上記のように第1昇降ユニットと第2昇降ユニットとが互いに独立して昇降動作を行うことができる構成は、複数の第1棚の間隔と複数の第2棚の間隔とが異なる場合にも適している。
【0069】
また、上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、前記第1積層ラック、前記第2積層ラック、前記第1待機ステーション、前記第2待機ステーション、及び、前記昇降装置のそれぞれは、前記移載シャトルの走行経路を挟んで前記第2方向に対向する状態で一対設置されると好適である。
【0070】
本構成によれば、第1積層ラック及び第2積層ラックの規模を大きくして、より多くの物品を保管できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示に係る技術は、複数の積層ラックへの物品の入出庫を効率的に行うことができる物品保管設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 物品保管設備
2(2A,2B) 第1積層ラック
3(3A,3B) 第2積層ラック
4(4A,4B) 第1待機ステーション
5(5A,5B) 第2待機ステーション
6(6A,6B) 昇降装置
7(7A,7B) 第1昇降ユニット
8(8A,8B) 第2昇降ユニット
9 移載シャトル
10(10A,10B) 入庫コンベヤ
11(11A,11B) 出庫コンベヤ
12 走行経路
13 第1棚
14 第2棚
15(15A,15B) 第1待機コンベヤ
16(16A,16B) 第2待機コンベヤ
17 第1昇降コンベヤ
18 第1昇降台
19 第1昇降機構
20 第1スライド機構
21 第2昇降コンベヤ
22 第2昇降台
23 第2昇降機構
24 第2スライド機構
25 マスト
26 物品
27 制御部