(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】軸受装置の冷却構造
(51)【国際特許分類】
F16C 37/00 20060101AFI20240509BHJP
F16C 32/06 20060101ALI20240509BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20240509BHJP
H02K 7/08 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
F16C37/00 Z
F16C37/00 B
F16C32/06 Z
F16C19/06
H02K7/08 A
(21)【出願番号】P 2020204042
(22)【出願日】2020-12-09
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】神尾 佳希
【審査官】中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-029319(JP,U)
【文献】実開昭50-106576(JP,U)
【文献】特表2002-515963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 37/00
F16C 32/06
F16C 19/06
H02K 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備える軸受装置に適用され、当該軸受装置を冷却する構造であって、
前記シャフトは、
前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記シャフトの内部に空気を導入する導入路と、
前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記軸受に向けて前記空気を排出する排出路と、
前記シャフトの軸線方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記軸受に対向する複数の対向部と、を有し、
前記シャフトには、前記対向部の外周面よりも内周側に窪んだ窪み部が設けられており、
前記シャフトの回転方向の前方及び後方をそれぞれ単に前方及び後方とするとき、
前記シャフトの外周面に取り付けられ、前記空気を前記導入路に向けて案内する案内部材を備え、
前記案内部材は、
前記シャフトの外周面に取り付けられる筒状部と、
前記筒状部の外周面を貫通するとともに前記導入路に連通する貫通孔と、
前記貫通孔の後方の縁から前記シャフトの外周側に突出するとともに、前記空気を前記導入路に向けて案内する案内突起と、を有し、
前記案内部材の全体は、前記窪み部に設けられている、
軸受装置の冷却構造。
【請求項2】
シャフトと、前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備える軸受装置に適用され、当該軸受装置を冷却する構造であって、
前記シャフトは、
前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記シャフトの内部に空気を導入する導入路と、
前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記軸受に向けて前記空気を排出する排出路と、
前記軸受に対向する対向部と、を有し、
前記シャフトの回転方向の前方及び後方をそれぞれ単に前方及び後方とするとき、
前記シャフトには、前記導入路の開口の後方において前記シャフトの外周側に向かって突出するとともに、前記空気を前記導入路に向けて案内する案内突起が設けられて
おり、
前記軸受は、前記対向部の外周面に接触した状態で前記シャフトを回転可能に支持する転がり軸受であり、
前記排出路は、前記シャフトにおける前記対向部に隣り合う部分の外周面に開口するとともに前記軸受を指向している、
軸受装置の冷却構造。
【請求項3】
前記対向部の外周面及び前記軸受の内周面のどちらか一方には、前記対向部の外周面と前記軸受の内周面との間に動圧を発生させる複数の動圧発生溝が形成されており、
前記排出路は、前記対向部の外周面に開口するとともに前記軸受の内周面を指向している、
請求項
1に記載の軸受装置の冷却構造。
【請求項4】
前記動圧発生溝は、前記対向部の外周面に形成されており、
前記動圧発生溝は、前方ほど互いに離間するように前記回転方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜溝と、前記2つの傾斜溝が合流する合流部と、を有し、
前記排出路は、前記対向部の外周面における前記合流部を含む部分に開口している、
請求項
3に記載の軸受装置の冷却構造。
【請求項5】
前記シャフトの外周面に取り付けられ、前記空気を前記導入路に向けて案内する案内部材を備え、
前記案内部材は、
前記シャフトの外周面に取り付けられる筒状部と、
前記筒状部の外周面を貫通するとともに前記導入路に連通する貫通孔と、
前記貫通孔の後方の縁から外周側に突出する前記案内突起と、を有している、
請求項
2に記載の軸受装置の冷却構造。
【請求項6】
前記シャフトは、前記シャフトの軸線方向に互いに間隔をおいて設けられ
た複数の
前記対向部を有し、
前記シャフトには、前記対向部の外周面よりも内周側に窪んだ窪み部が設けられており、
前記案内部材の全体は、前記窪み部に設けられている、
請求項
5に記載の軸受装置の冷却構造。
【請求項7】
前記案内突起は、前方に向かって開口して前記空気を取り込む取込口を有し、前記導入路の開口の縁を取り囲むとともに当該開口を前記シャフトの外周側から覆うように構成されている、
請求項
1~請求項6のいずれか一項に記載の軸受装置の冷却構造。
【請求項8】
前記シャフトは、
複数の前記導入路と、
複数の前記排出路と、
複数の前記導入路と複数の前記排出路とを連通する単一の連通路と、を有している、
請求項1~請求項
7のいずれか一項に記載の軸受装置の冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受装置の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シャフトと、シャフトを回転可能に支持する軸受とを備える軸受装置が開示されている。シャフトには、シャフトの内部に空気などの流体を導入する導入路と、当該流体をシャフトと軸受との隙間に排出する排出路とが設けられている。シャフトの回転に伴って排出路から流体が排出されることで、上記隙間には流体膜が形成される。この流体膜によって、シャフトが軸受に非接触状態で回転可能に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした軸受装置においては、流体膜における摩擦熱や圧力上昇によって流体膜の温度が上昇する。この流体膜によって加熱されることでシャフトと軸受とが熱膨張する。これにより、シャフトと軸受との隙間が変化することで、シャフトの円滑な回転が阻害されるおそれがある。このため、軸受装置を冷却することが望まれている。
【0005】
なお、シャフトと軸受との温度上昇に伴ってシャフトの円滑な回転が阻害されるといった課題は、流体膜を形成する流体軸受に限定されるものではない。こうした課題は、シャフトの外周面に接触した状態で当該シャフトを回転可能に支持する転がり軸受を備える軸受装置においても同様にして生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための軸受装置の冷却構造は、シャフトと、前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、を備える軸受装置に適用され、当該軸受装置を冷却する構造であって、前記シャフトは、前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記シャフトの内部に空気を導入する導入路と、前記シャフトの外周面に開口するとともに、前記軸受に向けて前記空気を排出する排出路と、を有し、前記シャフトの回転方向の前方及び後方をそれぞれ単に前方及び後方とするとき、前記シャフトには、前記導入路の開口の後方において前記シャフトの外周側に向かって突出するとともに、前記空気を前記導入路に向けて案内する案内突起が設けられている。
【0007】
同構成によれば、シャフトの回転に伴ってシャフトの周りの空気が案内突起に衝突することにより、導入路に向けて空気が案内される。このため、導入路に空気が導入されやすくなる。そして、同空気は、排出路から軸受に向けて排出される。これにより、排出路から排出された空気によって軸受が冷却される。したがって、軸受装置を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】軸受装置の冷却構造の一実施形態について、同構造が適用されたモータを示す断面図。
【
図2】同実施形態の第1カバー、ハウジング本体、及び第2カバーを互いに離間して示す分解斜視図。
【
図3】同実施形態の第1固定部を中心とした拡大断面図。
【
図4】同実施形態のシャフト本体、第1固定部、及び案内部材を互いに離間して示す分解斜視図。
【
図7】同実施形態のハウジングの内部における空気の流れを示す断面図。
【
図8】変更例の軸受装置の冷却構造が適用されたモータを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図7を参照して、軸受装置の冷却構造を、モータの軸受装置の冷却構造として具体化した一実施形態について説明する。
(モータ1の構成)
図1に示すように、モータ1は、ハウジング10と、ハウジング10の内部に収容されるステータ50と、ステータ50の内周側に配置されるロータ60とを備えている。ロータ60は、回転軸としてのシャフト70を備えている。ハウジング10の内部には、シャフト70を回転可能に支持する空気軸受としての2つのラジアル軸受120と、2つのスラスト軸受130とが設けられている。本実施形態の軸受装置2は、シャフト70と、2つのラジアル軸受120とを備えている。ラジアル軸受120は、軸受の一例である。
【0010】
以降において、シャフト70の軸線方向を単に軸線方向と称する。また、軸線方向に直交するシャフト70の径方向の外周側及び内周側をそれぞれ単に外周側及び内周側と称する。また、シャフト70の回転方向の前方及び後方をそれぞれ単に前方及び後方と称する。
【0011】
(ハウジング10の構成)
図1及び
図2に示すように、ハウジング10は、ステータ50が収容される筒状のハウジング本体20と、ハウジング本体20の軸線方向における一端に固定される第1カバー30と、ハウジング本体20の軸線方向における他端に固定される第2カバー40とを備えている。ハウジング本体20、第1カバー30、及び第2カバー40は、例えば、金属材料により形成されている。
【0012】
(ハウジング本体20の構成)
ハウジング本体20は、軸線方向における一端及び他端からそれぞれ外周側に突出する第1フランジ21及び第2フランジ22を有している。第1フランジ21及び第2フランジ22は、ハウジング本体20の全周にわたって設けられている。
【0013】
ハウジング本体20は、ステータ50が収容されるステータ収容部23と、2つのラジアル軸受120の一方が収容されるラジアル軸受収容部28とを有している。ステータ収容部23及びラジアル軸受収容部28には、円柱状の内部空間がそれぞれ形成されている。ラジアル軸受収容部28の内径は、ステータ収容部23の内径よりも小さい。
【0014】
ステータ収容部23には、その他の部分よりも内径が縮径された縮径部24が設けられている。縮径部24は、ラジアル軸受収容部28に連なって設けられている。縮径部24の内径は、ラジアル軸受収容部28の内径よりも大きい。
【0015】
縮径部24の軸線方向における一方の端部には、後述するステータコア52の一端面52aが接触する接触面25が設けられている。接触面25は、軸線方向に直交している。接触面25は、一部に切り欠きを有する不連続な環状をなしている。
【0016】
ハウジング本体20の内部には、軸線方向において第1フランジ21から第2フランジ22に向かう方向に窪む環状の第1溝26と、第1溝26から内周側に向かって延びる複数の第2溝27とが設けられている。ハウジング本体20の内部には、例えば、4つの第2溝27がハウジング本体20の周方向に等間隔にて設けられている。
【0017】
第1溝26は、接触面25の外周縁に全周にわたって設けられた段差と、ステータ収容部23の内壁とによって形成されている。第2溝27は、接触面25の一部を切り欠くことにより形成されている。第2溝27は、第1溝26から接触面25の内周縁まで延びている。
【0018】
ハウジング本体20における第2カバー40と対向する端部には、2つのスラスト軸受130の一方を収容するスラスト軸受収容部29が設けられている。スラスト軸受収容部29の軸線方向に直交する断面形状は、円形状をなしている。スラスト軸受収容部29の内径は、ラジアル軸受収容部28の内径よりも大きい。スラスト軸受収容部29は、ラジアル軸受収容部28に連なって設けられている。
【0019】
(第1カバー30の構成)
第1カバー30は、2つのラジアル軸受120の他方を収容する円筒状のラジアル軸受収容部31と、ラジアル軸受収容部31から外周側に突出するフランジ35とを有している。フランジ35は、ラジアル軸受収容部31の軸線方向における途中の部分から突出している。フランジ35は、ハウジング本体20の第1フランジ21に固定されている。
【0020】
ラジアル軸受収容部31には、円柱状の内部空間が形成されている。第1カバー30のラジアル軸受収容部31の内径と、ハウジング本体20のラジアル軸受収容部28の内径とは同一である。
【0021】
ラジアル軸受収容部31には、後述するシャフト70の出力軸97が挿入される円形状の挿入孔32が設けられている。挿入孔32は、ラジアル軸受収容部31を軸線方向に貫通している。挿入孔32の軸線とシャフト70の軸線とは一致している。挿入孔32の直径は、出力軸97の直径よりも大きい。したがって、挿入孔32の内周面と、出力軸97の外周面との間には、隙間が設けられている。
【0022】
挿入孔32は、ラジアル軸受収容部31の内部空間に連なる第1部分33と、第1部分33よりも縮径された第2部分34とを有している。第1部分33の直径は、ラジアル軸受収容部31の内径よりも小さく、ラジアル軸受120の内径よりも大きい。したがって、第1部分33の直径は、後述するシャフト70の対向部94の外径よりも大きい。
【0023】
フランジ35には、ハウジング10の内部に空気を導入する複数の導入口36が周方向に等間隔にて設けられている。導入口36は、フランジ35を軸線方向に貫通している。フランジ35には、例えば、8つの導入口36が設けられている。導入口36は、ハウジング10の内外を連通している。導入口36には、図示しないフィルタが設けられている。
【0024】
(第2カバー40の構成)
第2カバー40は、シャフト70における出力軸97とは反対側の端部を収容する円筒状の収容部41と、収容部41から外周側に突出するフランジ43とを有している。フランジ43は、ハウジング本体20の第2フランジ22に固定されている。
【0025】
収容部41には、円柱状の内部空間が形成されている。収容部41の内径と、ハウジング本体20のラジアル軸受収容部28の内径とは同一である。
収容部41には、ハウジング10の外部に空気を排出する排出口42が設けられている。排出口42は、収容部41を軸線方向に貫通している。排出口42の軸線とシャフト70の軸線とは一致している。すなわち、第1カバー30の挿入孔32の軸線と、第2カバー40の排出口42の軸線とは一致している。
【0026】
第2カバー40におけるハウジング本体20と対向する端部には、2つのスラスト軸受130の他方を収容するスラスト軸受収容部44が設けられている。スラスト軸受収容部44の軸線方向に直交する断面形状は、円形状をなしている。スラスト軸受収容部44の内径は、収容部41の内径よりも大きい。スラスト軸受収容部44の内径と、ハウジング本体20のスラスト軸受収容部29の内径とは同一である。
【0027】
(ステータ50の構成)
図1に示すように、ステータ50は、中心孔51を有する筒状のステータコア52と、ステータコア52に巻回されたコイル54とを備えている。ステータコア52は、図示しない複数の鋼板が積層されることにより構成されている。ステータコア52は、例えば、ハウジング本体20に焼き嵌めされることによりハウジング本体20に対して固定されている。すなわち、ハウジング本体20の外周面は、ステータ収容部23の内周面に接触している。
【0028】
ステータコア52の外周面には、軸線方向の全体にわたって延びる複数の溝53が周方向に等間隔にて設けられている。このため、ハウジング10の内部には、ステータ収容部23の内壁と、溝53の各々とによって区画されて空気が流れる複数の第1流路11が形成されている。
【0029】
ステータコア52の軸線方向における一端面52aは、ハウジング本体20の接触面25に接触している。上述したように、ハウジング本体20の内部には、第1溝26と第2溝27とが設けられている。このため、ハウジング10の内部には、ステータコア52の一端面52aと第1溝26とによって区画されて空気が流れる第2流路12が形成されている。第2流路12は、環状をなしている。第2流路12は、第1流路11の各々と連通している。
【0030】
また、ハウジング10の内部には、ステータコア52の一端面52aと第2溝27とによって区画されて空気が流れる複数の第3流路13が形成されている。第3流路13の各々は、第2流路12と連通している。ハウジング10の内部には、例えば、4つの第3流路13が形成されている。
【0031】
以上のことから、ハウジング10の内部では、第1流路11、第2流路12、及び第3流路13を通じてステータコア52の外周において空気が流れることとなる。
(ロータ60の構成)
ロータ60は、シャフト70と、シャフト70の外周面に配置される筒状の永久磁石61と、永久磁石61を外周側から保持する筒状のスリーブ62とを備えている。
【0032】
シャフト70は、例えば、金属材料により形成されている。スリーブ62は、例えば、炭素繊維樹脂により形成されている。
シャフト70は、ステータコア52の中心孔51に挿入されるシャフト本体80と、シャフト本体80の両端に固定される第1固定部90A及び第2固定部90Bとを有している。第1固定部90A及び第2固定部90Bは、2つのラジアル軸受120の各々によって支持される部分である。
【0033】
(シャフト本体80の構成)
シャフト本体80は、円柱状をなす柱状部81と、柱状部81の軸線方向における両端から突出した2つの雄ねじ部82とを有している。永久磁石61は、柱状部81の外周面に配置されている。
【0034】
(第1固定部90A及び第2固定部90Bの構成)
次に、第1固定部90A及び第2固定部90Bの構造について説明する。第1固定部90A及び第2固定部90Bは、共通の構造を有している。このため、以下では、第2固定部90Bにおける第1固定部90Aと共通の構造を有する部分については、第1固定部90Aと同一の符号を付すことでその説明を省略することがある。
【0035】
図3に示すように、第1固定部90Aにおけるシャフト本体80に対向する端部には、シャフト本体80の軸線方向における一部を収容する収容凹部91が設けられている。収容凹部91の軸線方向に直交する断面形状は、円形状をなしている。
【0036】
収容凹部91は、開口を有する大径部92と、大径部92よりも縮径された小径部93とにより構成されている。
大径部92には、柱状部81の軸線方向における端部が収容されている。
【0037】
小径部93には、雄ねじ部82がねじ込まれる雌ねじ部93aが形成されている。雌ねじ部93aは、小径部93のうち大径部92に連なる部分から軸線方向の途中の部分まで形成されている。このため、雄ねじ部82は、小径部93の軸線方向における途中の部分までねじ込まれている。したがって、第1固定部90Aがシャフト本体80に固定された状態において、第1固定部90Aの内部には、小径部93と雄ねじ部82の先端とによって区画された柱状の内部空間Sが形成されている。内部空間Sは、第2固定部90Bの内部においても同様にして形成されている。
【0038】
第1固定部90A及び第2固定部90Bには、2つのラジアル軸受120の各々の内周面に対向する対向部94が設けられている。したがって、シャフト70は、軸線方向に互いに間隔をおいて設けられた2つの対向部94を有している。対向部94は、ラジアル軸受120によって回転可能に支持される部分である。
【0039】
図4に示すように、対向部94の外周面には、対向部94の外周面とラジアル軸受120の内周面との間に動圧を発生させる複数の動圧発生溝95が全周にわたって形成されている。動圧発生溝95は、所謂ヘリンボーン状をなしている。より詳しくは、動圧発生溝95は、前方ほど互いに離間するようにシャフト70の回転方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜溝95aと、2つの傾斜溝95aが合流する合流部95bとを有している。合流部95bは、対向部94の軸線方向における中央部に設けられている。
【0040】
図3に示すように、第1固定部90Aの軸線方向におけるシャフト本体80とは反対側の端部には、シャフト70の出力軸97が設けられている。出力軸97は、対向部94に連なる円柱状の基端部と、基端部よりも縮径された先端部とからなる段付き形状をなしている。出力軸97は、第1カバー30の挿入孔32からハウジング10の外部に突出している。出力軸97の基端部の外周面と、挿入孔32の内周面との間には、全周にわたって隙間が設けられている。なお、出力軸97の基端部の外周面と、挿入孔32の第1部分33との隙間は、出力軸97の基端部の外周面と、第2部分34との隙間よりも大きい。
【0041】
第1固定部90Aにおけるシャフト本体80に対向する端部には、対向部94の外周面よりも内周側に窪んだ窪み部96が設けられている。窪み部96は、軸線方向において対向部94に隣り合って設けられている。窪み部96は、第1固定部90Aの全周にわたって設けられている。すなわち、窪み部96は、第1固定部90Aのうち対向部94よりも縮径された部分により構成されている。窪み部96の軸線方向における対向部94とは反対側の端部の外周は、スリーブ62により覆われている。
【0042】
シャフト70は、空気を導入する複数の導入路71と、当該空気を排出する複数の排出路72と、複数の導入路71と複数の排出路72とを連通する単一の連通路73とを有している。複数の導入路71、複数の排出路72、及び連通路73は、各固定部90A,90Bに設けられている。
【0043】
図5に示すように、複数の導入路71は、第1固定部90Aの周方向に等間隔にて設けられている。第1固定部90Aには、例えば、8つの導入路71が設けられている。導入路71の各々は、同一の形状を有している。導入路71は、窪み部96の外周面に開口している。
図3に示すように、導入路71は、軸線方向において対向部94に向かうほど内周側に位置するように軸線方向に対して傾斜して延びている。導入路71は、第1固定部90Aの内部空間Sに連通している。
【0044】
図6に示すように、複数の排出路72は、第1固定部90Aの周方向に等間隔にて設けられている。第1固定部90Aには、例えば、4つの排出路72が設けられている。排出路72の各々は、同一の形状を有している。
図4に示すように、排出路72は、対向部94の外周面における合流部95bを含む部分に開口している。
図3に示すように、排出路72は、軸線方向に直交するシャフト70の径方向に延びている。排出路72は、ラジアル軸受120の内周面を指向している。排出路72は、第1固定部90Aの内部空間Sに連通している。なお、排出路72は、軸線方向において導入路71よりもシャフト本体80から離れた位置にて内部空間Sに連通している。
【0045】
以上のことから、導入路71の各々と、排出路72の各々とは、小径部93により構成される内部空間Sに連通している。したがって、本実施形態では、小径部93の一部によって上記連通路73が構成されている。
【0046】
本実施形態では、排出路72の各々における自身の長さ方向に直交する断面積の総和は、導入路71の各々における自身の長さ方向に直交する断面積の総和よりも小さい。このため、排出路72から排出される空気の動圧が高められている。
【0047】
図1に示すように、第2固定部90Bの軸線方向におけるシャフト本体80とは反対側の端部には、軸線方向において突出した突出部98が設けられている。突出部98には、雄ねじが形成されている。
【0048】
突出部98には、スラスト軸受130に回転可能に支持される円盤状の固定子110が挿入されている。突出部98には、ナット140が取り付けられている。固定子110は、ナット140によって第2固定部90Bに対して固定されている。したがって、固定子110は、シャフト70と共に回転する。
【0049】
固定子110には、軸線方向に貫通する複数の貫通孔111が周方向に等間隔にて設けられている。固定子110には、例えば、8つの貫通孔111が設けられている。貫通孔111は、固定子110のうちスラスト軸受130によって支持される部分よりも内周側の部分に設けられている。貫通孔111は、ハウジング本体20の内部と、第2カバー40の内部とを連通している。
【0050】
(案内部材100の構成)
図1及び
図3に示すように、軸受装置2は、空気を導入路71の各々に向けて案内する2つの案内部材100を備えている。2つの案内部材100は、シャフト70の外周面、より詳しくは、第1固定部90A及び第2固定部90Bの窪み部96の各々の外周面に取り付けられている。案内部材100は、例えば、金属材料により形成されている。
【0051】
図4に示すように、案内部材100は、円筒状をなす筒状部101と、筒状部101の外周面を貫通する複数の貫通孔102と、貫通孔102の各々における後方の縁から外周側に突出する複数の案内突起103とを有している。案内部材100は、例えば、8つの貫通孔102と、8つの案内突起103とを有している。
【0052】
筒状部101は、窪み部96の外周面に取り付けられている。より詳しくは、筒状部101は、窪み部96に対して圧入されている。
筒状部101の軸線方向における両端には、外周側に向けて張り出した2つの張り出し部105が設けられている。張り出し部105は、筒状部101の全周にわたって設けられている。2つの張り出し部105の一方は、軸線方向において対向部94に接触している。2つの張り出し部105の他方は、軸線方向においてスリーブ62に接触している。
【0053】
貫通孔102は、導入路71に連通している。したがって、貫通孔102の各々は、筒状部101のうち導入路71の各々に対応する位置に設けられている。
案内突起103は、前方に向かって開口して空気を取り込む取込口104を有している。案内突起103は、導入路71の開口の縁を取り囲むとともに当該開口を外周側から覆うように構成されている。シャフト70の径方向から視たときに、案内突起103と、導入路71の開口とは重なっている。
【0054】
図5に示すように、案内突起103の後方の壁部は、回転方向の後方から前方に向かうほど導入路71の開口から離れるように延びている。このため、空気が案内突起103に沿って導入路71に円滑に案内されやすくなる。案内突起103の筒状部101からの突出量は、張り出し部105の筒状部101からの突出量よりも小さい。
【0055】
こうした案内部材100は、例えば、金属板をプレス加工することにより形成されている。貫通孔102及び案内突起103は、例えば、筒状部101の一部を切り起こすことにより形成されている。
【0056】
図3に示すように、案内部材100の全体は、窪み部96に設けられている。すなわち、案内部材100の全体は、対向部94の外周面よりも内周側に位置している。
(モータ1の駆動態様)
次に、モータ1の駆動態様について説明する。
【0057】
軸受装置2では、シャフト70の回転に伴って、空気が動圧発生溝95の傾斜溝95aに沿って前方から後方へ流れる。傾斜溝95aの各々を流れる空気は、合流部95bにおいて合流して圧縮されることでその動圧が増大される。これにより、合流部95bの付近においては、周囲よりも高い動圧が発生する。こうした動圧によって対向部94とラジアル軸受120との間に空気膜が形成されることで、シャフト70がラジアル軸受120に対して浮上することとなる。これにより、シャフト70がラジアル軸受120に非接触状態で回転可能に支持される。
【0058】
これに加えて、軸受装置2では、排出路72からラジアル軸受120の内周面に向けて空気が排出される。排出路72は、対向部94の外周面における合流部95bを含む部分に開口している。このため、動圧発生溝95により圧縮される空気に加えて、排出路72から排出される空気によっても対向部94とラジアル軸受120との間における動圧が高められる。
【0059】
図7に矢印にて示すように、第1固定部90Aの排出路72から排出された空気は、第1固定部90Aとラジアル軸受120との隙間を通じて、ステータ収容部23の内部と、第1カバー30の外部とに向かって流れる。
【0060】
ステータ収容部23の内部には、第1カバー30の導入口36の各々を通じて外部から空気が導入される。このため、ステータ収容部23の内部では、導入口36から導入された空気と、第1固定部90Aの排出路72から排出された空気とが混合される。こうした混合空気は、案内部材100によって、第1固定部90Aの導入路71の各々に案内されることとなる。また、混合空気は、上述した第1流路11、第2流路12、及び第3流路13を通じて、ハウジング本体20の縮径部24に向かって流れる。このとき、混合空気がステータコア52の外周を通過するため、ステータコア52が冷却される。
【0061】
第1固定部90Aの排出路72から第1カバー30の外部に向かって流れる空気は、挿入孔32と出力軸97との隙間を通じて第1カバー30の外部に排出される。
同図に矢印にて示すように、第2固定部90Bの排出路72から排出された空気は、第2固定部90Bとラジアル軸受120との隙間を通じて、縮径部24の内部と、第2カバー40の内部とに向かって流れる。
【0062】
縮径部24の内部には、第1流路11~第3流路13を通じて空気が流入する。このため、縮径部24の内部では、第1流路11~第3流路13を通じて流入した空気と、排出路72から排出された空気とが混合される。こうした混合空気は、案内部材100によって第2固定部90Bの導入路71の各々に案内されることとなる。
【0063】
第2固定部90Bの排出路72から第2カバー40の内部に向かって流れる空気は、固定子110の貫通孔111の各々を通じて第2カバー40の内部に流入する。そして、同空気は、第2カバー40の排出口42を通じて外部に排出される。
【0064】
本実施形態の作用について説明する。
シャフト70の回転に伴ってシャフト70の周りの空気が案内突起103に衝突することにより、導入路71に向けて空気が案内される。このため、導入路71に空気が導入されやすくなる。そして、同空気は、排出路72からラジアル軸受120に向けて排出される。
【0065】
本実施形態の効果について説明する。
(1)軸受装置2の冷却構造は、シャフト70と、シャフト70を回転可能に支持するラジアル軸受120とを備える。シャフト70は、シャフト70の外周面に開口するとともに、シャフト70の内部に空気を導入する導入路71と、シャフト70の外周面に開口するとともに、ラジアル軸受120に向けて空気を排出する排出路72とを有する。シャフト70には、導入路71の開口の後方においてシャフト70の外周側に向かって突出するとともに、空気を導入路71に向けて案内する案内突起103が設けられている。
【0066】
こうした構成によれば、上述した作用を奏することから、排出路72から排出された空気によってラジアル軸受120が冷却される。したがって、軸受装置2を冷却することができる。
【0067】
(2)案内突起103は、前方に向かって開口して空気を取り込む取込口104を有している。案内突起103は、導入路71の開口の縁を取り囲むとともに当該開口をシャフト70の外周側から覆うように構成されている。
【0068】
こうした構成によれば、空気が、前方に向かって開口する案内突起103の取込口104を通じて導入路71に向けて効果的に取り込まれる。これにより、排出路72からラジアル軸受120に向けて排出される空気の流量を増大させることができる。したがって、軸受装置2を効果的に冷却することができる。
【0069】
(3)案内部材100は、シャフト70の外周面に取り付けられる筒状部101と、筒状部101の外周面を貫通するとともに導入路71に連通する貫通孔102と、貫通孔102の後方の縁から外周側に突出する案内突起103とを有している。
【0070】
こうした構成によれば、案内突起103を有する案内部材100をシャフト70の外周面に取り付けることで、シャフト70に対して案内突起103を容易に設けることができる。このため、案内突起103が導入路71の開口の後方に位置するように案内部材100をシャフト70に取り付けるようにすれば、回転方向が異なるシャフト70に対して共通の案内部材100を用いることができる。
【0071】
(4)シャフト70は、シャフト70の軸線方向に互いに間隔をおいて設けられ、2つのラジアル軸受120の各々に対向する2つの対向部94を有する。シャフト70には、対向部94の外周面よりも内周側に窪んだ窪み部96が設けられている。案内部材100の全体は、窪み部96に設けられている。
【0072】
軸受装置2において、シャフト70に設けられた2つの対向部94には、高い真直度が求められる。このため、これら対向部94の外周面を加工する際は、シャフト70と、シャフト70を加工する工具とを、軸線方向に沿って相対移動させることで、2つの対向部94を一括して加工することがある。このとき、例えば、案内部材100が対向部94の外周面よりも外周側に突出している場合には、案内部材100と工具とが干渉するおそれがある。
【0073】
この点、上記構成によれば、案内部材100の全体が対向部94の外周面よりも窪んだ窪み部96に設けられているため、上述した不都合を回避できる。
(5)シャフト70は、複数の導入路71と、複数の排出路72と、複数の導入路71と複数の排出路72とを連通する単一の連通路73とを有している。
【0074】
こうした構成によれば、複数の導入路71と複数の排出路72とが単一の連通路73によって連通される。このため、導入路71の各々から導入された空気が連通路73において合流した後に、排出路72の各々から排出される。これにより、連通路73において空気の圧力が均一化されやすくなるため、排出路72の各々から排出される空気の圧力が均一化されやすくなる。したがって、軸受装置2を均一に冷却しやすくなる。
【0075】
また、上記構成によれば、排出路72の各々から排出される空気の圧力が均一化されやすくなるため、空気膜の厚さのばらつきを抑えることができる。したがって、シャフト70を安定的に支持しやすくなる。
【0076】
(6)対向部94の外周面には、対向部94の外周面とラジアル軸受120の内周面との間に動圧を発生させる複数の動圧発生溝95が形成されている。排出路72は、対向部94の外周面に開口するとともにラジアル軸受120の内周面を指向している。
【0077】
こうした構成によれば、シャフト70がラジアル軸受120に非接触状態で回転可能に支持される空気軸受を構成することができる。
こうした空気軸受においては、空気が圧縮されることで温度上昇しやすい。この点において、上記構成によれば、対向部94の外周面にラジアル軸受120の内周面を指向する排出路72が設けられている。このため、空気軸受において動圧が発生する部分を冷却することができる。
【0078】
(7)動圧発生溝95は、前方ほど互いに離間するように回転方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜溝95aと、2つの傾斜溝95aが合流する合流部95bとを有する。排出路72は、対向部94の外周面における合流部95bを含む部分に開口している。
【0079】
動圧発生溝95においては、傾斜溝95aに流入した空気が合流部95bにおいて合流することで動圧が高められる。しかしながら、動圧が高められることで合流部95bの付近では温度上昇しやすい。
【0080】
この点、上記構成によれば、排出路72が対向部94の外周面のうち合流部95bを含む部分に開口しているため、軸受装置2における合流部95bの付近を冷却することができる。
【0081】
また、上記構成によれば、動圧発生溝95を流れる空気に加えて、排出路72から排出される空気によっても対向部94とラジアル軸受120との間における動圧を高めることができる。これにより、シャフト70を安定的に支持しやすくなる。
【0082】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0083】
・
図8に示すように、軸受装置2における軸受は、対向部94の外周面に接触した状態でシャフト70を回転可能に支持する転がり軸受150であってもよい。すなわち、軸受装置2は、シャフト70と、転がり軸受150と、案内部材100とを備えるものであってもよい。本変更例における排出路72は、軸線方向においてシャフト本体80から離れるほど外周側に位置するように軸線方向に対して傾斜している。排出路72は、シャフト70における対向部94に隣り合う部分の外周面に開口している。排出路72は、転がり軸受150の軸線方向における一端面を指向している。こうした転がり軸受150においては、転がり軸受150が温度上昇することによって、転がり軸受150の内部応力が増大したり、転がり軸受150内部の潤滑剤が劣化したりするおそれがある。上記構成によれば、排出路72から排出された空気によって、転がり軸受150が冷却される。したがって、転がり軸受150を有する軸受装置2を冷却することができるため、上述した不都合を回避できる。
【0084】
・上記変更例の転がり軸受150と、上記実施形態のラジアル軸受120との双方によってシャフト70を回転可能に支持する軸受装置に対しても、本発明の軸受装置の冷却構造を適用することができる。
【0085】
・動圧発生溝95は、各固定部90A,90Bの軸線方向に間隔をおいて複数設けられていてもよい。この場合、合流部95bに開口する排出路72を軸線方向に間隔をおいて設けることもできる。
【0086】
・動圧発生溝95は、対向部94の外周面に代えて、ラジアル軸受120の内周面に形成されるものであってもよい。この場合、動圧発生溝95は、回転方向の後方ほど互いに離間するように回転方向に対して傾斜して延びる2つの傾斜溝95aを有する。
【0087】
・対向部94から動圧発生溝95を省略することができる。この場合であっても、対向部94の軸線方向における中央部ほど温度上昇しやすいため、排出路72を対向部94の軸線方向における中央部に設けることが好ましい。
【0088】
・シャフト70は、複数の連通路73を有するものであってもよい。こうした複数の連通路73としては、例えば、2つの導入路71と1つの排出路72とを連通するものが挙げられる。要は、連通路73は、少なくとも1つの導入路71と、少なくとも1つの排出路72とを連通するものであればよい。
【0089】
・シャフト70から連通路73を省略することができる。この場合、導入路71と排出路72とが直接接続されていればよい。
・導入路71の数と排出路72の数は、適宜変更できる。なお、排出路72を複数設ける場合には、均一な空気膜を形成する観点から、シャフト70の周方向に等間隔に設けることが好ましい。
【0090】
・案内部材100は、シャフト70の外周面よりも外周側に突出するものであってもよい。
・シャフト70から、窪み部96を省略することができる。この場合、案内部材100の全体がシャフト70の外周面よりも外周側に位置する。
【0091】
・シャフト70は、1つの対向部94を有するものであってもよいし、3つ以上の対向部94を有するものであってもよい。すなわち、軸受装置2は、1つのラジアル軸受120を有するものであってもよいし、3つ以上のラジアル軸受120を有するものであってもよい。なお、軸受装置2が複数のラジアル軸受120を有する場合であっても、本発明の軸受装置の冷却構造は、シャフト70と、少なくとも1つのラジアル軸受120に対して適用することができる。
【0092】
・案内突起103は、筒状部101とは別体であってもよい。例えば、案内突起103は、筒状部101の貫通孔102に圧入されるものであってもよいし、筒状部101に対して溶接などによって固定されるものであってもよい。
【0093】
・案内部材100の材料は特に限定されず、例えば、樹脂材料により形成されるものであってもよい。
・案内突起103は、導入路71の開口の周縁を取り囲むとともに当該開口をシャフト70の外周側から覆うものでなくてもよい。すなわち、案内突起103は、導入路71の開口の後方において外周側に向かって突出するものであってもよい。この場合、シャフト70の径方向から視たときに、案内突起103と、導入路71の開口とは重なっていなくてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…モータ
2…軸受装置
10…ハウジング
20…ハウジング本体
30…第1カバー
40…第2カバー
50…ステータ
52…ステータコア
54…コイル
60…ロータ
61…永久磁石
62…スリーブ
70…シャフト
71…導入路
72…排出路
73…連通路
94…対向部
95…動圧発生溝
95a…傾斜溝
95b…合流部
96…窪み部
100…案内部材
101…筒状部
102…貫通孔
103…案内突起
104…取込口
120…ラジアル軸受(軸受)
150…転がり軸受(軸受)