(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/506 20060101AFI20240509BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20240509BHJP
H01R 13/42 20060101ALI20240509BHJP
H01R 43/18 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
H01R13/506
H01R13/46 B
H01R13/42 F
H01R13/42 B
H01R43/18
(21)【出願番号】P 2021027097
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮村 哲矢
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-162925(JP,A)
【文献】特開2019-091560(JP,A)
【文献】特開2020-017544(JP,A)
【文献】特開2001-068198(JP,A)
【文献】特開平08-315896(JP,A)
【文献】特開平09-057787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/506
H01R 13/46
H01R 13/42
H01R 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次樹脂材からなる一次成形部と、二次樹脂材からなる二次成形部と、を備え、
前記二次成形部は、前記一次成形部に対して相対的に移動可能に設けられ
、
前記一次樹脂材と前記二次樹脂材は、一体成形された前記一次成形部と前記二次成形部を分割可能な、互いに異なる非接合性の樹脂材であり、
前記一次成形部は、係止部を有し、前記二次成形部は、前記係止部と係止して前記二次成形部の相対的な移動を規制する係止受部を有し、前記係止部および前記係止受部は、前記二次成形部の移動方向と交差する方向に、互いに平行に対面して接触し、
前記一次成形部は、コネクタハウジングであり、前記二次成形部は、リテーナであり、前記コネクタハウジングは、端子金具を一次的に係止する弾性変形可能なランスを有し、前記リテーナは、前記端子金具を二次的に係止する抜止部を有し、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナが収容されるリテーナ収容凹部を有し、前記リテーナ収容凹部は、前記リテーナの移動方向で前記リテーナと対向する面側から前記端子金具の挿入方向で前記端子金具と対向する面側にかけて開口しており、
前記リテーナと対向する面側を前記コネクタハウジングの下面側とし、前記端子金具と対向する面側を前記コネクタハウジングの後面側とした場合に、前記コネクタハウジングは、前記リテーナ収容凹部において、前記コネクタハウジングの後下部の全体が切り欠かれた形状になっており、
前記コネクタハウジングは、ハウジング側キャビティを有し、前記リテーナは、リテーナ側キャビティを有し、前記リテーナ側キャビティと前記ハウジング側キャビティは、前後方向に連通して前記端子金具の挿入路を形成しており、前記リテーナが前記コネクタハウジングに対して仮係止位置に組み付けられた状態で、前記挿入路を形成する壁面は、前記リテーナ側キャビティから前記ハウジング側キャビティにかけて段差なく連続している、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたコネクタは、コネクタハウジング、リテーナおよびフロントホルダを備えている。リテーナおよびフロントホルダは、それぞれコネクタハウジングに対して移動可能に組み付けられる。コネクタハウジング内には端子金具が挿入される。端子金具は、リテーナによってコネクタハウジングからの抜け出しが規制され、フロントホルダによって前止めされる。コネクタハウジング、リテーナおよびフロントホルダは、いずれも合成樹脂製である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタハウジング、リテーナおよびフロントホルダは、それぞれに対応する金型を用いて個別に成形され、組み立て設備で組み立てられる。このため、専用の組み立て設備が必要となり、コスト高になるおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、専用の組み立て設備を必要としないコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、一次樹脂材からなる一次成形部と、二次樹脂材からなる二次成形部と、を備え、前記二次成形部は、前記一次成形部に対して相対的に移動可能に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、専用の組み立て設備を必要としないコネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態にかかるコネクタの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、ハウジングに対してリテーナが仮係止位置に配置された状態を示す側断面図である。
【
図6】
図6は、ハウジングに対してリテーナが仮係止位置に配置された状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
(1)一次樹脂材からなる一次成形部と、二次樹脂材からなる二次成形部と、を備え、前記二次成形部は、前記一次成形部に対して相対的に移動可能に設けられている。
上記構成によれば、一次成形部と二次成形部を二色成形で成形することができるので、専用の組み立て設備を必要としない。
【0010】
(2)前記一次成形部は、係止部を有し、前記二次成形部は、前記係止部と係止して前記二次成形部の相対的な移動を規制する係止受部を有し、前記係止部および前記係止受部は、前記二次成形部の移動方向と交差する方向に、互いに平行に対面して接触するのが好ましい。
上記構成によれば、係止部と係止受部との係止を強固にすることができるため、一次成形部と二次成形部との保持力を向上させることができる。
【0011】
なお、従来のように、コネクタハウジングとリテーナを組み立て設備で組み立てる場合には、組み立て後の外れにくさと組み立てのし易さを考慮しなければならないため、コネクタハウジングとリテーナとの保持力を確保するのが難しいという事情がある。これに対し、本開示のコネクタの場合は、一次成形部と二次成形部を二色成形で成形することができるので、組み立て性を考慮する必要がなく、上記構成を良好に実現することができる。
【0012】
(3)前記一次樹脂材と前記二次樹脂材は異なる樹脂材であり、前記一次成形部は、コネクタハウジングであり、前記二次成形部は、リテーナであり、前記コネクタハウジングは、端子金具を一次的に係止する弾性変形可能なランスを有し、前記リテーナは、前記端子金具を二次的に係止する抜止部を有していると良い。
上記構成によれば、弾性変形可能なランスを有するコネクタハウジングと、抜止部を有するリテーナを、それぞれの機能と費用を勘案し、それぞれに適した樹脂材で成形することができる。
【0013】
(4)前記コネクタハウジングは、前記リテーナが収容されるリテーナ収容凹部を有し、前記リテーナ収容凹部は、前記リテーナの移動方向で前記リテーナと対向する面側から前記端子金具の挿入方向で前記端子金具と対向する面側にかけて開口していると良い。
上記構成によれば、リテーナ収容凹部が二面にわたって開口しているため、樹脂充填性および離型性が良好となり、二色成形を容易に行うことができる。
【0014】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかるコネクタ10の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0015】
コネクタ10は、コネクタハウジング20、リテーナ50および端子金具80を備える。コネクタハウジング20およびリテーナ50は、いずれも合成樹脂製であり、互いに異なる樹脂材によって構成される。コネクタハウジング20は、二色成形において、一次成形される一次側の部材であって、一次成形部20Aとして構成される。リテーナ50は、二色成形において、二次成形される二次側の部材であって、二次成形部50Aとして構成される。
【0016】
コネクタハウジング20およびリテーナ50は、二色成形でメインの共通する金型から成形される。具体的には、一次樹脂材によって一次成形部20Aとしてのコネクタハウジング20が成形された後、コネクタハウジング20内の後述するリテーナ収容凹部23および凹溝27に二次樹脂材が充填され、二次成形部50Aとしてのリテーナ50が成形される。本実施形態の場合、コネクタハウジング20を構成する一次樹脂材は、PBT(Polybutylene terephthalate)であり、リテーナ50を構成する二次樹脂材は、PP(Polypropylene)である。
【0017】
コネクタハウジング20は図示しない相手コネクタハウジングと嵌合される。なお、以下の説明において、前後方向は、コネクタハウジング20が相手コネクタハウジングと対向する面側を前側とする。
図3を除く各図の左側が前側になる。上下方向は、
図7および
図8を除く各図の上下方向を基準とする。
【0018】
コネクタハウジング20は、
図1に示すように、ハウジング本体21と、ハウジング本体21の上面の前端から後方に延びるロックアーム22と、を有している。ハウジング本体21は、後部に、リテーナ50を収容可能なリテーナ収容凹部23を有している。リテーナ収容凹部23は、ハウジング本体21の下面から後面にわたって開口している。ハウジング本体21の下面は、コネクタハウジング20の底面視において
図7の手前側に配置される面であり、後述するように、リテーナ50がコネクタハウジング20に対して相対的に移動する際にその移動方向で対向する面である。ハウジング本体21の後面は、コネクタハウジング20の背面視において
図3の手前側に配置される面であり、後述するように、端子金具80がコネクタハウジング20内に挿入される際にその挿入方向で対向する面である。ハウジング本体21の後下部は、リテーナ収容凹部23によって側面視L字形に切り欠かれた形状となり、後方および下方に開放される。
【0019】
ハウジング本体21は、複数のハウジング側キャビティ24を有している。各ハウジング側キャビティ24は、前後方向に延び、上下二段でかつ幅方向に複数並んで配置されている。
図5に示すように、上段のハウジング側キャビティ24は、後部下端に、下方に開放された開放部25を有している。開放部25は、リテーナ50との間を区画する境界40を形成する。ハウジング側キャビティ24は、開放部25を除いて全周が閉じた孔状をなし、リテーナ収容凹部23に開口している。
【0020】
ハウジング本体21は、各ハウジング側キャビティ24内に突出するランス26を有している。ランス26は、ハウジング側キャビティ24の下面から前方に突出する形状であり、上下方向に弾性変形可能とされている。
【0021】
ハウジング本体21は、
図1および
図2に示すように、左右両側面の上部に、前後方向に延びてハウジング本体21の前面に開口する凹溝27を有している。凹溝27の上下面は、前後方向に沿って平行に配置される。凹溝27の後部は、リテーナ収容凹部23に連通している。
【0022】
ハウジング本体21は、凹溝27の下面のうち、リテーナ収容凹部23の上端を挟んだ前後位置に、第1係止部28を有している。前後の第1係止部28は、凹溝27の下面に段差なく形成されている。また、ハウジング本体21は、凹溝27の後部における上下方向に沿った奥面に、前後方向に延びるリブ状の第2係止部29を有している。第2係止部29の後端は、凹溝27の後端を閉塞する閉塞面31に連結されている。
【0023】
ロックアーム22は、図示しない相手コネクタハウジングと弾性的に係止し、コネクタハウジング20と相手コネクタハウジングを嵌合状態に保持する。コネクタハウジング20は、ハウジング本体21の上面の左右両端部から起立する保護壁32と、左右の保護壁32の後部上端間に架け渡された架設部33と、を有している。保護壁32は、凹溝27の上方に配置されている。架設部33は、ロックアーム22の上方に配置され、ロックアーム22の過度撓みを規制するとともに、ロックアーム22に対する不用意な係止解除操作を規制する。
【0024】
リテーナ50は、二色成形後、コネクタハウジング20から分割される。リテーナ50は、
図1に示すように、リテーナ本体51と、リテーナ本体51の上面の左右両端部から起立する側壁52と、を有している。リテーナ本体51は、リテーナ収容凹部23に適合する形状であり、側壁52は、凹溝27の後部に適合する形状である。
【0025】
リテーナ本体51は、複数のリテーナ側キャビティ53を有している。各リテーナ側キャビティ53は、上下二段でかつ幅方向に並んで配置される。下段のリテーナ側キャビティ53は、全周が閉じた孔形状をなす。上段のリテーナ側キャビティ53は、上方に開放された凹状をなし、コネクタハウジング20へのリテーナ50の組み付け時、上段のハウジング側キャビティ24の開放部25と連なることで、全周が閉じた孔状に形成される。
図5に示すように、各リテーナ側キャビティ53とハウジング側キャビティ24は、前後方向に連通して端子金具80の挿入路60を形成する。リテーナ側キャビティ53の後端は、挿入口61を介してリテーナ本体51の後面に開口する。リテーナ側キャビティ53は、前部に、抜止部54を有している。抜止部54は、前後方向に延びるリブ状をなし、
図4に示すように、前端が端子金具80に係止可能とされている。
【0026】
側壁52は、
図1に示すように、前後方向に長い板状をなし、リテーナ本体51に連なる下端部を支点として幅方向に撓み変形可能とされている。側壁52は、後端に、角凹状に開口する切欠部55を有している。また、
図1および
図8に示すように、側壁52は、上部に、切欠部55の上端を区画しつつ前後方向に延びるリブ状の本体係止受部56を有している。側壁52の内面は、本体係止受部56の下方に凹所57を有し、後端部に、凹所57の後端を区画する矩形台状の突台部58を有している。
【0027】
側壁52は、本体係止受部56に連続しつつ上部前端から前方に突出する矩形板状の前側係止受部59を有している。
図6に示すように、前側係止受部59は、下端が前側の第1係止部28に当接して支持可能とされている。
【0028】
端子金具80は導電金属製であって、
図4に示すように、前部に筒状の接続部81を有し、後部にオープンバレル状のバレル部82を有している。バレル部82は、電線90の端末部に圧着して接続される。接続部81は、内部に挿入される図示しない相手端子金具に接続される。
【0029】
コネクタ10の製造に際し、まず一次樹脂材で一次成形部20Aとしてのコネクタハウジング20が成形される。次いで、成形したコネクタハウジング20が二次側の成形エリアにセットされ、リテーナ収容凹部23等に対応した空洞部分に二次樹脂材が充填され、二次成形部50Aとしてのリテーナ50が成形される。その後、離型されると、コネクタハウジング20とリテーナ50が同時に得られる。ここで、一次樹脂材と二次樹脂材は、互いに異なる材料であって、コネクタハウジング20とリテーナ50とを接合・接着するだけの結合力を有していない。このため、コネクタハウジング20とリテーナ50は、一体的ではあるが、分割可能な状態で得られる。
図3に示すように、コネクタ10には、背面視において、上段のハウジング側キャビティ24と上段のリテーナ側キャビティ53とが連なる高さ位置に、幅方向に沿った境界40が形成される。
【0030】
コネクタハウジング20とリテーナ50が分割された状態から、リテーナ50は、リテーナ収容凹部23に再度嵌められ、コネクタハウジング20に対して仮係止位置に組み付けられる。仮係止位置では、
図6に示すように、本体係止受部56における切欠部55の上端を区画する部分が後側の第1係止部28に上方から当接するとともに、前側係止受部59が前側の第1係止部28に上方から当接することにより、リテーナ50がコネクタハウジング20から下方に抜け出るのが規制される。また、本体係止受部56が第2係止部29に下方から当接することにより、リテーナ50がコネクタハウジング20に対して本係止位置側である上方に移動するのが規制される。
【0031】
仮係止位置では、
図5に示すように、ハウジング側キャビティ24の下面とリテーナ側キャビティ53の抜止部54の上面が同じ高さで前後方向に連続するとともに、ハウジング側キャビティ24の上面とリテーナ側キャビティ53の上面が同じ高さで前後方向に連続し、端子金具80の挿入路60を形成する。端子金具80の接続部81は、挿入口61からリテーナ側キャビティ53を経てハウジング側キャビティ24に挿入され、ランス26により弾性的に係止される。これにより、端子金具80はコネクタハウジング20およびリテーナ50に対して一次的に抜け止めされる。
【0032】
続いて、リテーナ50は、上方に押し込まれ、本係止位置に至らされる。本係止位置では、本体係止受部56が第2係止部29に上方から当接することにより、リテーナ50が仮係止位置に戻る方向に移動するのが規制される。また、
図2に示すように、本体係止受部56および前側係止受部59を含む側壁52の上端が凹溝27の上面に当接することにより、リテーナ50が本係止位置より上方に移動するのが規制される。さらに、本体係止受部56と突台部58との間に、第2係止部29が挟み込まれて位置決めされる。
【0033】
本係止位置では、
図4に示すように、抜止部54がハウジング側キャビティ24の下面よりも上方に移動させられ、端子金具80の接続部81の後端に係止可能に配置される。これにより、端子金具80はコネクタハウジング20およびリテーナ50に対して二次的に抜け止めされた状態になる。
【0034】
本係止位置において、本体係止受部56と第2係止部29は、リテーナ50の移動方向と直交する方向である前後方向に沿って平行に対面して接触する。また、側壁52の上端と凹溝27の上面も、前後方向に沿って平行に対面して接触する。同様に、仮係止位置において、前側係止受部59、本体係止受部56と第1係止部28も、前後方向に沿って平行に対面して接触する。このため、仮係止位置および本係止位置において、リテーナ50は、コネクタハウジング20に安定して保持される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、一次成形部20Aとしてのコネクタハウジング20と二次成形部50Aとしてのリテーナ50とが二色成形で成形されるので、専用の組み立て設備が不要となり、その分の費用を削減することができる。
【0036】
また、コネクタハウジング20とリテーナ50が二色成形で成形されることにより、組み立て性を考慮する必要がないので、第1係止部28と本体係止受部56とを平行に対面して接触させる形状にすることができ、リテーナ50がコネクタハウジング20に対して安定して保持される。
【0037】
さらに、本実施形態の場合、コネクタハウジング20がリテーナ50を収容するリテーナ収容凹部23を有し、リテーナ収容凹部23がコネクタハウジング20におけるリテーナ50の移動方向でリテーナ50と対向する下面側から端子金具80の挿入方向で端子金具80と対向する後面側にかけて開口している。このため、リテーナ収容凹部23等と対応した空洞部分に二次樹脂材を充填する際の樹脂充填性に優れるとともに、離型性も良好となる。
【0038】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態の場合、一次樹脂材と二次樹脂材は異なる材料で構成されていたが、他の実施形態によれば、一次樹脂材と二次樹脂材は同一材料で構成されていても良い。
上記実施形態の場合、リテーナがコネクタハウジングに対して相対的に移動する構成であったが、他の実施形態によれば、例えば、リテーナに代わってフロントマスクがコネクタハウジングに対して相対的に移動する構成であっても良い。さらに、二次成形部は、リテーナ、フロントマスクに限らず、一次成形部としてのコネクタハウジングに対して相対的に移動可能な部材であれば良い。
上記実施形態の場合、二次成形部が一次成形部に対して移動する構成であったが、他の実施形態によれば、一次成形部が二次成形部に対して移動する構成であっても良い。この場合に、コネクタハウジングを、二次成形部として構成しても良い。
【符号の説明】
【0039】
10…コネクタ
20…コネクタハウジング
20A…一次成形部
21…ハウジング本体
22…ロックアーム
23…リテーナ収容凹部
24…ハウジング側キャビティ
25…開放部
26…ランス
27…凹溝
28…第1係止部(係止部)
29…第2係止部(係止部)
31…閉塞面
32…保護壁
33…架設部
40…境界
50…リテーナ
50A…二次成形部
51…リテーナ本体
52…側壁
53…リテーナ側キャビティ
54…抜止部
55…切欠部
56…本体係止受部(係止受部)
57…凹所
58…突台部
59…前側係止受部(係止受部)
60…挿入路
61…挿入口
80…端子金具
81…接続部
82…バレル部
90…電線