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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】アクチュエータの摩擦補償制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 11/36 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
G05B11/36 505A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021085172
(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公開番号】P2022178399
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】安部 義隆
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌克
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-178281(JP,A)
【文献】特開平6-131050(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110557070(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 11/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータに発生する力を制御する装置において、
アクチュエータの力指令とアクチュエータの速度を入力とし、外乱を推定する外乱オブザーバと、
前記アクチュエータを、使用速度範囲内で無負荷状態で加減速を繰り返し行ったときの前記外乱オブザーバの推定外乱がゼロとなるように作成した、アクチュエータ速度に対する摩擦補償量の関係を表す摩擦補償テーブルと、を備え、
前記摩擦補償テーブルから読み出した、アクチュエータ速度に対する摩擦補償量を、前記アクチュエータの力指令に加算して、前記アクチュエータに発生する力の指令値とすることを特徴とするアクチュエータの摩擦補償制御装置。
【請求項2】
前記摩擦補償テーブルには、前記アクチュエータの速度を低域通過フィルタに通した速度vと前記外乱オブザーバの推定外乱FDに基づいて式(6)~式(9)を演算することによって
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
(ただしfloorはフロア関数、Δvは速度データのサンプル間隔、λは波長)、
テーブル要素番号nの決定と、n番目の摩擦補償要素fcに対する修正量Δfc(vn)、n+1番目の摩擦補償要素fcに対する修正量Δfc(vn+1)の算出を行い、前回の摩擦補償量fc(vn)、fc(vn+1)に、前記修正量Δfc(vn)、Δfc(vn+1)を各々加算して摩擦補償量の更新を行うテーブル修正部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置。
【請求項3】
前記摩擦補償テーブルには、前記アクチュエータの速度を低域通過フィルタに通した速度vに基づいて式(6)、式(9)および式(12)を演算することによって
【数6】
【数9】
【数12】
(ただしfloorはフロア関数、Δvは速度データのサンプル間隔、λは波長、nはテーブル要素番号、fcは摩擦補償要素)、
アクチュエータ速度に対する摩擦補償量を読み出すテーブル読出し部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは移動可能な走行体に搭載され、アクチュエータ駆動用のモータと、前記モータによって駆動されるアクチュエータ出力軸とを有し、
前記アクチュエータ出力軸には被制御体が接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータの摩擦推定・補償に関する。ボールネジの様に機械装置に力を印加する装置において、駆動部の摩擦が問題となることがある。本発明は、摩擦を打消す力を機械装置に加えることにより、この問題を解決する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボールネジなどの機械装置に力を印加する装置において、例えば特許文献1に記載のように、外乱オブザーバによる推定外乱と制御入力信号の差により機械特性を同定し補償することが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-15550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、慣性を含めた機械特性の同定を数式モデルに基づいて行っており、演算が煩雑になり、実装する上で課題となる場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、無負荷の状態で外乱オブザーバの出力から、容易に補償テーブルを作成し、簡単な構成によりアクチュエータの摩擦を補償することができるアクチュエータの摩擦補償制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置は、
アクチュエータに発生する力を制御する装置において、
アクチュエータの力指令とアクチュエータの速度を入力とし、外乱を推定する外乱オブザーバと、
前記アクチュエータを、使用速度範囲内で無負荷状態で加減速を繰り返し行ったときの前記外乱オブザーバの推定外乱がゼロとなるように作成した、アクチュエータ速度に対する摩擦補償量の関係を表す摩擦補償テーブルと、を備え、
前記摩擦補償テーブルから読み出した、アクチュエータ速度に対する摩擦補償量を、前記アクチュエータの力指令に加算して、前記アクチュエータに発生する力の指令値とすることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置は、請求項1において、
前記摩擦補償テーブルには、前記アクチュエータの速度を低域通過フィルタに通した速度vと前記外乱オブザーバの推定外乱FDに基づいて式(6)~式(9)を演算することによって
【0008】
【数6】
【0009】
【数7】
【0010】
【数8】
【0011】
【数9】
【0012】
(ただしfloorはフロア関数、Δvは速度データのサンプル間隔、λは波長)、
テーブル要素番号nの決定と、n番目の摩擦補償要素fcに対する修正量Δfc(vn)、n+1番目の摩擦補償要素fcに対する修正量Δfc(vn+1)の算出を行い、前回の摩擦補償量fc(vn)、fc(vn+1)に、前記修正量Δfc(vn)、Δfc(vn+1)を各々加算して摩擦補償量の更新を行うテーブル修正部を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置は、請求項1又は2において、
前記摩擦補償テーブルには、前記アクチュエータの速度を低域通過フィルタに通した速度vに基づいて式(6)、式(9)および式(12)を演算することによって
【0014】
【数6】
【0015】
【数9】
【0016】
【数12】
【0017】
(ただしfloorはフロア関数、Δvは速度データのサンプル間隔、λは波長、nはテーブル要素番号、fcは摩擦補償要素)、
アクチュエータ速度に対する摩擦補償量を読み出すテーブル読出し部を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載のアクチュエータの摩擦補償制御装置は、請求項1から3のいずれか1項において、
前記アクチュエータは移動可能な走行体に搭載され、アクチュエータ駆動用のモータと、前記モータによって駆動されるアクチュエータ出力軸とを有し、
前記アクチュエータ出力軸には被制御体が接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
(1)請求項1~4に記載の発明によれば、摩擦補償テーブルを用いてアクチュエータに発生する力を制御するので、見かけ上摩擦のないアクチュエータが実現できる。
【0020】
(2)請求項2に記載の発明によれば、テーブル修正部を設けたので、外乱オブザーバの推定外乱をゼロにすることができる。
【0021】
(3)請求項3に記載の発明によれば、式(12)の演算によって、補間した摩擦補償量を読み出すことができる。
【0022】
(4)請求項4に記載の発明によれば、被制御体が例えば台車である場合、アクチュエータの摩擦補償制御を組み込んだAGV(Automatic Guided Vehicle;無人搬送車)の台車制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明をAGB(無人搬送車)の台車制御に適用したシステムの構成図。
図2】本発明の実施形態例によるアクチュエータの摩擦制御装置の全体構成図。
図3】本発明の実施形態例における摩擦補償テーブルをグラフ化した説明図。
図4】本発明の実施形態例における摩擦補償テーブル修正のブロック図。
図5】本発明の実施形態例における摩擦補償テーブル読み出しのブロック図。
図6】本発明の実施形態例における摩擦補償テーブル作成のシミュレーションの説明図。
図7】本発明の実施形態例における摩擦補償テーブルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。まず、本発明のアクチュエータの一例を、図1とともに説明する。
【0025】
図1は、本発明をAGVの台車制御に適用したシステムの構成を示し、1は無人搬送車(移動可能な走行体;以下、AGVと称することもある)である。無人搬送車1上には例えば図示省略の基台が設けられ、その基台上の例えば四隅には、サーボモータを備えた4台のアクチュエータ2の各固定子が固定されている。
【0026】
アクチュエータ2は、ドライバ21、アクチュエータ駆動用のモータ22(サーボモータ)、固定部23、ボールネジ(アクチュエータの出力軸)24を備えている。
【0027】
本発明のアクチュエータの摩擦補償制御装置を備えたコントローラ3は、アクチュエータ2のドライバ21にトルク指令(後述するアクチュエータに発生する力の指令値FA)を与え、ドライバ21はそのトルク指令に応じてモータ22のモータ電流を制御する。モータ22のモータ回転信号はアクチュエータの速度信号vAとしてコントローラ3にフィードバックされる。
【0028】
4台のアクチュエータ2の各出力軸(ボールネジ24)は、それぞれの垂直方向の運動の自由度を有しており、この垂直方向の運動は、モータ22の作用によって行われる。
【0029】
4台のアクチュエータ2の各出力軸(ボールネジ24)の先端部には、該先端部によって支持されるように、例えば図示省略の天板を介して台車4が配設され、台車4には荷5が搭載されている。台車4は、かご台車、車輪付き台車等で構成される。
【0030】
本実施形態例では、前記天板、台車4、荷5を含めて被制御体としている。また、アクチュエータ2の台数は4台に限るものではない。
【0031】
次にコントローラ3内のアクチュエータの摩擦補償制御装置の一例を図2とともに説明する。図2において、31は、設定した力指令FRから後述の外乱オブザーバ32で推定された推定外乱FDを差し引いてアクチュエータの力指令Frを出力する減算器である。
【0032】
32は、アクチュエータ2からフィードバックされたアクチュエータの速度vAと前記アクチュエータの力指令Frを入力とし、外乱を推定する外乱オブザーバである。
【0033】
尚、外乱に対する補償を行わない場合は減算器31は不要であり、その場合はFr=FRとなる。
【0034】
33は、外乱オブザーバ32で推定された推定外乱FDとアクチュエータの速度vAに基づいて、アクチュエータ速度(vA)に対する摩擦補償量(Fc)の関係を表すテーブルが作成された摩擦補償テーブルである。
【0035】
この摩擦補償テーブル33は、テーブル修正部34、テーブル35、テーブル読出し部36から構成されている。
【0036】
37は、アクチュエータの力指令Frにテーブル読出し部36から読み出された摩擦補償量(補償力)Fcを加算する加算部である。
【0037】
加算部37の加算出力はアクチュエータに発生する力の指令値FAとしてアクチュエータ2に入力される。
【0038】
尚、図2のアクチュエータ2のブロック内に表記されている数式の、MAはアクチュエータ質量、gは外乱オブザーバのゲイン、Fdistは外乱成分を示している。
【0039】
図2のアクチュエータの摩擦補償制御装置では、アクチュエータ2の摩擦を補償し、摩擦がないアクチュエータ2に力指令FRが加えられたときと同じ動作をするように摩擦補償量Fcを計算し、力指令Frに摩擦補償量Fcを加えてアクチュエータ2に発生する力の指令値FAとする。
【0040】
摩擦補償量Fcは外乱オブザーバ32による外乱推定結果FDを用いて作成された、アクチュエータ2の速度vAに対する摩擦補償量Fcのテーブルを用いて計算する。以下ラプラス変換された変数は-で表す。x-=L(x)。
【0041】
アクチュエータ単体でアクチュエータ2に、外乱オブザーバ32の応答性に比べ遅い変化の力FAを加える。
【0042】
アクチュエータ2の摩擦を速度の関数として摩擦力Fcc(vA)、摩擦補償量Fc(vA)とすると、
【0043】
【数1】
【0044】
であり、外乱オブザーバ32による推定外乱FDは、
【0045】
【数2】
【0046】
である。MAはアクチュエータ質量、MAmはアクチュエータ質量設定値、gはオブザーバゲインである。
【0047】
ここで、MA=、MAmとすると次式となる。
【0048】
【数3】
【0049】
式(3)において
【0050】
【数4】
【0051】
とする。kは定数である。
【0052】
【数5】
【0053】
従って、式(4)のように摩擦補償量Fcを与えることにより、アクチュエータ単体でFD=0となる。これにより、摩擦の影響を除去できる。
【0054】
図3は、摩擦補償テーブル(テーブル35)をグラフ化して表示したものである。図3において、横軸はアクチュエータの速度(v)、縦軸はテーブルの要素(摩擦補償要素)fcを示しており、速度Δv間隔(速度データのサンプル間隔)の摩擦補償量となっている。
【0055】
テーブル修正部34では、アクチュエータの速度vAと外乱オブザーバ32の推定外乱FDからテーブルの要素(摩擦補償要素)fcの修正を行う。テーブル修正部34では、速度の離散化により修正するテーブルの要素fcの要素番号nの決定と修正量Δfcの算出を行い、テーブルの要素fcを修正する。
【0056】
低域通過フィルタによりノイズを除去した速度をvとすると、
【0057】
【数6】
【0058】
により修正する要素番号nを決める。修正はn、n+1の要素に対して行う(速度はvn=nΔv,vn+1=(n+1)Δv)。
【0059】
修正する量Δfcは
【0060】
【数7】
【0061】
【数8】
【0062】
【数9】
【0063】
であり、
【0064】
【数10】
【0065】
【数11】
【0066】
式(10)、式(11)は式(4)の積分に対応した計算であり、ΔTごとに実行する。λ=ΔTk、ただし、fc(0)=0とする(尚、floorはフロア関数、λは波長、Tは周期、kは定数である)。
【0067】
テーブル修正部34が行う前記式(6)~式(11)の演算は、例えば図4のブロックにより実行される。
【0068】
図4において、41はアクチュエータ2の速度vAが入力される低域通過フィルタ、42は低域通過フィルタ41の出力vと速度データのサンプル間隔Δvからfloor(v/Δv)(前記式(6))を演算して修正する要素番号nを求める演算器、43はvをΔvで割る除算器である。44は、前記式(9)のα=(v-vn)/Δvを求める減算器である。
【0069】
45は推定外乱FD(v)と波長λをかける乗算器、46は、乗算器45の乗算出力であるλFD(v)と減算器44の減算出力であるαをかける乗算器、47は乗算器45の乗算出力であるλFD(v)から、乗算器46の乗算出力であるλαFD(v)を減算する減算器である。
【0070】
減算器47の出力は前記式(7)の修正量Δfc(vn)=λ(1-α)FDであり、乗算器46の出力は前記式(8)の修正量Δfc(vn+1)=λαFDである。
【0071】
48は、遅延部49により遅延された前回の摩擦補償量fc(vn)に修正量Δfc(vn)(減算器47の出力)を加算し(前記式(10)を演算し)、摩擦補償量の更新を行う加算器である。
【0072】
50は、遅延部51により遅延された前回の摩擦補償量fc(vn+1)に修正量Δfc(vn+1)(乗算器46の出力)を加算し(前記式(11)を演算し)、摩擦補償量の更新を行う加算器である。
【0073】
尚、図4中のfc(vn)、fc(vn+1)は図2のテーブル35に相当する。
【0074】
図2のテーブル読出し部36では、アクチュエータ2の速度vAから摩擦補償量Fcを計算する。
【0075】
前記式(6)、式(9)同じ計算を行い式(12)によって摩擦補償量Fcが求められる。
【0076】
【数12】
【0077】
テーブル読出し部36が行う前記式(6)、式(9)、式(12)の演算は、例えば図5のブロックにより実行される。図5において図4と同一部分は同一符号をもって示している。
【0078】
図5において、式(6)、式(9)を演算するための低域通過フィルタ41、演算器42、除算器43、減算器44は図4のものと同一である。
【0079】
61は、摩擦補償量fc(vn+1)から摩擦補償量fc(vn)を差し引く減算器である。
【0080】
62は減算器61の減算出力と減算器44の減算出力αを乗算する乗算器、63は乗算器62の乗算出力と摩擦補償量fc(vn)を乗算する乗算器であり、乗算器63の乗算出力が前記式(12)のFc(v)=α{fc(vn+1)-fc(vn)}+fc(vn)となる。
【0081】
摩擦補償テーブル33は、前記アクチュエータを、使用速度範囲内で無負荷状態で加減速を繰り返し行ったときの前記外乱オブザーバの推定外乱がゼロとなるように作成するものであり、図6に摩擦補償テーブル作成シミュレーションを示す。
【0082】
アクチュエータ(2)の速度を[-0.1,0.1]m/sの範囲で繰り返し変化させ摩擦補償テーブルを作成した。図6(a)は速度を示し、図6(b)はアクチュエータの発生する力(実線)と外乱オブザーバ(32)の出力(破線)を示している。
【0083】
図6(b)から、時間とともに外乱オブザーバ出力が0に近づいていることがわかる。
【0084】
図7は、作成された摩擦補償テーブルをグラフで表した図であり、横軸がアクチュエータ速度、縦軸が摩擦補償量である。
【0085】
本実施形態例のアクチュエータの摩擦補償制御装置を図1のコントローラ3に組み込んだ場合、アクチュエータ2の摩擦の影響をなくしたAGVの台車制御が実現できる。
【符号の説明】
【0086】
1…AGV
2…アクチュエータ
3…コントローラ
4…台車
5…荷
21…ドライバ
22…モータ
23…固定部
24…ボールネジ
31,44,47,61…減算器
32…外乱オブザーバ
33…摩擦補償テーブル
34…テーブル修正部
35…テーブル
36…テーブル読出し部
37…加算部
41…低域通過フィルタ
42…演算器
43…除算器
45,46,62…乗算器
48,50,63…加算器
49,51…遅延部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7