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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】動物用飼料組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/16 20160101AFI20240509BHJP
   A23K 50/20 20160101ALI20240509BHJP
   A23K 50/30 20160101ALI20240509BHJP
   A23K 50/70 20160101ALI20240509BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20240509BHJP
   C12N 9/36 20060101ALI20240509BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
A23K10/16
A23K50/20
A23K50/30
A23K50/70
A23K50/40
C12N9/36 ZNA
C12N15/31
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021507060
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019074219
(87)【国際公開番号】W WO2020053271
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】18193726.9
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(73)【特許権者】
【識別番号】508357419
【氏名又は名称】ノボザイムズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】カルドーソ ビッテンコート, レティシア
(72)【発明者】
【氏名】ロペス-ウリバリ, ルアール
(72)【発明者】
【氏名】ペレツ カルヴォ, エステファニア
(72)【発明者】
【氏名】ルビオ ガルシア, マリア, エレーナ
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-506667(JP,A)
【文献】特表2018-510133(JP,A)
【文献】特開2010-148500(JP,A)
【文献】特開2009-219482(JP,A)
【文献】特表2005-539070(JP,A)
【文献】国際公開第2004/026334(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/001701(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/000922(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00-50/90
C12N 9/36
C12N 15/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む、敷料品質改及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低飼料組成物であって、
前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される、敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項2】
前記微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)又はチャワンタケ亜門(subphylum Pezizomycotina)から得られる又は入手可能である、請求項1に記載の敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項3】
前記微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む、請求項1に記載の敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項4】
前記微生物ムラミダーゼは:
(a)配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチド;
(b)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号1の変異体;
(c)少なくとも170のアミノ酸を含む、ムラミダーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片;
(d)配列番号4に対して少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチド;
(e)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号4の変異体;並びに
(f)少なくとも210のアミノ酸を含む、ムラミダーゼ活性を有する(d)又は(e)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、請求項1に記載の敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項5】
前記微生物ムラミダーゼは、配列番号1のアミノ酸1~213、配列番号4のアミノ酸1~245、及び配列番号10のアミノ酸1~213からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項6】
1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む、敷料品質改及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低飼料組成物であって、
(a)前記微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む微生物ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加され;
(b)前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択され;
(c)任意選択で、前記微生物ムラミダーゼは、前記動物の生存期間の間、少なくとも10日間、毎日、前記動物に供給される、敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【請求項7】
1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む、敷料品質改及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低飼料組成物であって、
(a)前記微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)から得られる又は入手可能なGH24又はGH25ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加され;
(b)前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択され;そして
(c)前記趾蹠皮膚炎は、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも1%低下する、敷料品質改善用及び/又は単胃動物趾蹠皮膚炎低下用飼料組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[配列表の参照]
本出願は、コンピュータ可読形態をした配列表を含有し、これは、本明細書において援用される。
【0002】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、1つ以上の微生物ムラミダーゼを使用して、敷料の品質を改善する及び/又は動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法に関する。
【0003】
[関連技術の説明]
ムラミダーゼは、リゾチームとも称されるが、多くの生物によって、細菌に対する防御メカニズムとして産生されるO-グリコシルヒドロラーゼである。酵素は、細菌の重要な構造分子であるペプチドグリカンのグリコシド結合を切断することによって、細菌細胞壁の加水分解を引き起こす。細菌の細胞壁がムラミダーゼの作用によって弱められた後、細菌の細胞は、浸透圧不均衡の結果として溶解する。
【0004】
ムラミダーゼは、ウイルス、植物、昆虫、鳥、爬虫類動物、及び哺乳動物などのような多くの生物において天然に存在する。ムラミダーゼは、5つの異なるグリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリーに分類された(CAZy、www.cazy.org):ニワトリ卵白ムラミダーゼ(GH22)、ガチョウ卵白ムラミダーゼ(GH23)、バクテリオファージT4ムラミダーゼ(GH24)、スフィンゴモナスべん毛タンパク質(GH73)、及びキャラロプシス(Chalaropsis)ムラミダーゼ(GH25)。GH23及びGH24ファミリー由来のムラミダーゼは、主としてバクテリオファージで知られており、菌類では最近同定されたばかりである。ムラミダーゼファミリーGH25は、他のムラミダーゼファミリーと構造的に関係しないことがわかった。
【0005】
ムラミダーゼは、従来、それが天然に豊富に存在することから、ニワトリ卵白から抽出されており、かなり最近になるまで、ニワトリ卵白ムラミダーゼは、動物用飼料における使用について検討される唯一のムラミダーゼであった。ニワトリ卵白から抽出されるムラミダーゼは、市場で入手できる一次産品であるが、たとえば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の細胞壁におけるN,6-O-ジアセチルムラミン酸を切断せず、したがって、とりわけこの重要なヒト病原体を溶解することができない(Masschalck B,Deckers D,Michiels CW(2002),“Lytic and nonlytic mechanism of inactivation of gram-positive bacteria by muramidase under atmospheric and high hydrostatic pressure”,J Food Prot.65(12):1916-23)。
【0006】
国際公開第2000/21381号パンフレットは、少なくとも2つの殺菌酵素及び多価不飽和脂肪酸を含む組成物を開示し、殺菌酵素の1つは、鶏卵白由来のGH22ムラミダーゼであった。英国特許第2379166号明細書は、細菌のペプチドグリカン層を破壊する化合物及び細菌のリン脂質層を破壊する化合物を含む組成物を開示し、ペプチドグリカンを破壊する化合物は、鶏卵白由来のGH22ムラミダーゼであった。
【0007】
国際公開第2004/026334号パンフレットは、(a)細胞壁溶解物質又はその塩、(b)殺菌物質、(c)金属イオン遮閉剤、及び(d)ランチビオティック(lantibiotic)を含む、家畜の消化管中の腸内病原体の成長を抑制するための殺菌組成物を開示し、細胞壁溶解物質又はその塩は、ニワトリ卵白由来のGH22ムラミダーゼである。
【0008】
驚くべきことに、本発明の発明者らは、ムラミダーゼが、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるために飼料中に使用することができることを発見した。動物性タンパク質に対する需要が大きくなりつつあり、動物福祉を改善するそのような解決策は、常に農業者の関心の的となっている。
【0009】
[発明の概要]
したがって、本発明は、敷料の品質を改善し且つ単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0010】
[配列表の概要]
配列番号1は、国際公開第2013/076253号パンフレットにおいて記載される、N末端SPIRRを有するアクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)由来の野生型GH25ムラミダーゼの成熟アミノ酸配列である。
【0011】
配列番号2は、トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)から単離されるGH24ムラミダーゼの遺伝子配列である。
【0012】
配列番号3は、配列番号2から推定されるアミノ酸配列である。
【0013】
配列番号4は、トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)由来の野生型GH24ムラミダーゼの成熟アミノ酸配列である。
【0014】
配列番号5は、ニワトリ(Gallus gallus)(ニワトリ卵白ムラミダーゼ)由来の野生型GH22ムラミダーゼの成熟アミノ酸配列である。
【0015】
配列番号6は、プライマーF-80470である。
【0016】
配列番号7は、プライマーR-80470である。
【0017】
配列番号8は、プライマー8643である。
【0018】
配列番号9は、プライマー8654である。
【0019】
配列番号10は、国際公開第2013/076253号パンフレットにおいて記載される、アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)由来の野生型GH25ムラミダーゼの成熟アミノ酸配列である。
【0020】
[定義]
微生物ムラミダーゼ:「微生物ムラミダーゼ」という用語は、微生物源から得られる又は入手可能である、ムラミダーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。微生物源の例は、菌類である;すなわち、ムラミダーゼは、菌界から得られ又は入手可能であり、ここで、界という用語は、分類階級のことである。特に、微生物ムラミダーゼは、チャワンタケ亜門(sub-phylum Pezizomycotina)などのような子嚢菌門(phylum Ascomycota)から得られ又は入手可能であり、ここで、門及び亜門という用語は、分類階級のことである。
【0021】
ポリペプチドの分類階級が知られていない場合、それは、ポリペプチドのBLASTP検索を実行し(たとえばNational Center for Biotechnology Information(NCIB)ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/を使用して)、それを最も近いホモログと比較することによって、当業者によって容易に決定することができる。知られているポリペプチドの断片である未知のポリペプチドは、同じ分類上の種のものであるとみなされる。置換、欠失、及び/又は挿入を10以下の位置に含む未知の天然ポリペプチド又は人工変異体は、知られているポリペプチドと同じ分類上の種に由来するとみなされる。
【0022】
ムラミダーゼ活性:「ムラミダーゼ活性」という用語は、浸透圧による溶菌をもたらす、ペプチドグリカンにおけるN-アセチルムラミン酸残基及びN-アセチル-D-グルコサミン残基の間の又はキトデキストリン(chitodextrin)におけるN-アセチル-D-グルコサミン残基同士の間の1,4-ベータ-結合の酵素加水分解を意味する。ムラミダーゼは、酵素分類EC 3.2.1.17に属する。ムラミダーゼ活性は、通常、比濁法によって測定される。この方法は、ムラミダーゼの溶解作用によって誘発される、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)ATCC 4698の懸濁液の濁り度の変化に基づく。適切な実験条件では、これらの変化は、培地のムラミダーゼの量と比例する(INS 1105 of the Combined Compendium of Food Additive Specifications of the Food and Agriculture Organisation of the UN(www.fao.org)を参照)。本発明の目的上、ムラミダーゼ活性は、実施例5(「ムラミダーゼ活性の決定」)において記載される濁り度アッセイに従って決定される。一態様では、本発明のポリペプチドは、配列番号1のムラミダーゼ活性の少なくとも20%、たとえば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%を有する。一態様では、本発明のポリペプチドは、配列番号4のムラミダーゼ活性の少なくとも20%、たとえば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%を有する。一態様では、本発明のポリペプチドは、配列番号10のムラミダーゼ活性の少なくとも20%、たとえば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%を有する。
【0023】
断片:「断片」という用語は、成熟ポリペプチド又はドメインのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端が欠けている、1つ以上の(たとえばいくつかの)アミノ酸を有するポリペプチド又は触媒ドメインを意味し;断片は、ムラミダーゼ活性を有する。一態様では、断片は、配列番号1の少なくとも170のアミノ酸、たとえば少なくとも175のアミノ酸、少なくとも177のアミノ酸、少なくとも180のアミノ酸、少なくとも185のアミノ酸、少なくとも190のアミノ酸、少なくとも195のアミノ酸、又は少なくとも200のアミノ酸などを含み、ムラミダーゼ活性を有する。
【0024】
別の態様では、断片は、配列番号4の少なくとも210のアミノ酸、たとえば少なくとも215のアミノ酸、少なくとも220のアミノ酸、少なくとも225のアミノ酸、少なくとも230のアミノ酸、少なくとも235のアミノ酸、又は少なくとも240のアミノ酸などを含み、ムラミダーゼ活性を有する。
【0025】
一態様では、断片は、配列番号10の少なくとも170のアミノ酸、たとえば少なくとも175のアミノ酸、少なくとも177のアミノ酸、少なくとも180のアミノ酸、少なくとも185のアミノ酸、少なくとも190のアミノ酸、少なくとも195のアミノ酸、又は少なくとも200のアミノ酸などを含み、ムラミダーゼ活性を有する。
【0026】
単離された:「単離された」という用語は、環境が自然界において生み出すことのない形態をした物質を意味する。単離された物質の非限定的な例は、(1)任意の天然に存在しない物質、(2)自然界において関連する天然に存在する構成要素の1つ以上又はすべてから少なくとも部分的に取り出された任意の酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチド、又は補助因子を含むがこれらに限定されない任意の物質;(3)自然界において見つけられる物質と比較して、人の手によって修飾された任意の物質;又は(4)自然に関連している他の構成成分と比較して、物質の量を増加させることによって修飾された任意の物質(たとえば、物質をコードする遺伝子の多数のコピー;物質をコードする遺伝子と自然に関連しているプロモーターよりも強力なプロモーターの使用)を含む。単離された物質は、発酵ブロスサンプル中に存在してもよい。
【0027】
成熟ポリペプチド:「成熟ポリペプチド」という用語は、翻訳及びN末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化などのような任意の翻訳後修飾後のその最終形態をしたポリペプチドを意味する。
【0028】
配列同一性:2つのアミノ酸配列の間の又は2つのヌクレオチド配列の間の関係性は、パラメーターである「配列同一性」によって説明される。
【0029】
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列の間の配列同一性は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al,2000,Trends Genet.16:276-277)、好ましくは5.0.0又はそれ以降のバージョンのNeedleプログラムに実装されているNeedleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)を使用して決定される。使用されるパラメーターは、10のギャップオープンペナルティー、0.5のギャップエクステンションペナルティー、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needleが表示する「最長の同一性(longest identity)」(-nobriefオプションを使用して得られる)の出力は、同一性パーセントとして使用され、以下のように算出される:
(同一残基×100)/(アライメントの長さ-アライメント中のギャップの総数)
【0030】
変異体:「変異体」という用語は、1つ以上の(たとえばいくつかの)位置に、1つ以上の(いくつかの)アミノ酸残基の改変、すなわち置換、挿入、及び/又は欠失を含む、ムラミダーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。置換は、ある位置を占めているアミノ酸を異なるアミノ酸と置き換えることを意味する;欠失は、ある位置を占めているアミノ酸の除去を意味する;挿入は、その位置を占めているアミノ酸のすぐ後に隣接させて1、2、又は3つのアミノ酸を追加することを意味する。
【0031】
一態様では、本発明によるムラミダーゼ変異体は、1~5の;1~10の;1~15の;1~20の;1~25の;1~30の;1~35の;1~40の;1~45の;又は1~50の、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の改変を含んでいてもよく、親ムラミダーゼ、たとえば配列番号1、配列番号4、又は配列番号10などのムラミダーゼ活性の少なくとも20%、たとえば少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%を有する。
【0032】
単胃動物:「単胃動物」という用語は、ヒトを除く、単純な一室の胃を有する任意の動物を指す。単胃動物の例は、豚又はブタ(子ブタ、育成ブタ、及び雌ブタを含むがこれらに限定されない);シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト(ひなバトを含む)、及び鶏(ブロイラー鶏(本明細書においてブロイル(broile)と呼ばれる)、ヒヨコ、産卵鶏、雌鶏(本明細書において産卵鶏と呼ばれる)を含むが、これらに限定されない)などのような家禽;ネコ及びイヌなどのような愛玩動物;ウマ(サラブレッド種、冷血種、及び温血種を含むが、これらに限定されない)、甲殻類の動物(小エビ及び中エビを含むが、これらに限定されない)、並びに魚(アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、アミキリ、ボカチコ、ブリーム、カジカ、コロソマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー(chanos)、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、へダイ、ニベ科の魚、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グラミー、ハタ、グァポテ、ハリバット、ジャワ、ラベオ(labeo)、ライ(lai)、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、サギ、ボウフィン、ボラ、パコ(paco)、パールスポット(pearlspot)、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、サンパ(sampa)、ソーガー、ハタ科の魚、タイ、シャイナー、カワアナゴ科の魚、タイワンドジョウ、フエダイ、アカメ、シタビラメ、スパインフット(spinefoot)、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー(terror)、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ、及びホワイトフィッシュを含むが、これらに限定されない)を含む。
【0033】
動物用飼料:「動物用飼料」という用語は、動物による摂取に適した又はそれが意図される任意の化合物、調製物、又は混合物を指す。単胃動物のための動物用飼料は、通常、濃縮物並びにビタミン、ミネラル、酵素、直接給与生菌(direct fed microbial)、アミノ酸、及び/又は他の飼料成分(プレミックス中になど)を含むのに対して、反芻動物のための動物用飼料は、一般に、まぐさ(粗飼料及びサイレージを含む)を含み、濃縮物並びにビタミン、ミネラル、酵素、直接給与生菌、アミノ酸、及び/又は他の飼料成分(プレミックス中になど)をさらに含んでいてもよい。
【0034】
濃縮物:「濃縮物」という用語は、タンパク質及びエネルギーの濃度が高い飼料、たとえば魚粉、糖蜜、オリゴ糖、ソルガム、種子、及び穀粒(全部又はたとえばトウモロコシ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、コムギから粉砕、製粉などによって調製された)、油料種子の油かす(たとえば綿実、ベニバナ、ヒマワリ、ダイズ(ダイズ粉など)、菜種/キャノーラ、ピーナッツ、又は落花生由来の)、パーム核粕、酵母由来の原材料、並びにジスチラーズグレイン(distillers grains)(ウェットジスチラーズグレイン(wet distillers grains)(WDS)及びドライドジスチラーズグレインソリュブル(dried distillers grains with solubles)(DDGS)など)などを意味する。
【0035】
まぐさ:本明細書において定義される「まぐさ」という用語はまた、粗飼料をも含む。まぐさは、飼料植物、牧草、及び他の飼料植物由来の干し草及びサイレージ、海草、発芽させた穀粒及びマメ科植物、又はその任意の組み合わせなどのような新鮮な植物原材料である。飼料植物の例は、アルファルファ(ムラサキウマゴヤシ)、ミヤコグサ、アブラナ(たとえばケール、菜種(キャノーラ)、カブハボタン(スウェーデンカブ)、カブラ)、クローバー(たとえばタチクローバー、アカツメクサ、サブタレニアンクローバー、シロツメクサ)、牧草(たとえばバミューダグラス、スズメノチャヒキ、偽エンバク(false oat grass)、ウシノケグサ、ヒースグラス(heath grass)、イチゴツナギ、カモガヤ、ドクムギ、オオアワガエリ)、トウモロコシ(メイズ)、キビ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、ソルガム、ダイズ、及びコムギ、並びにビートなどのような野菜である。まぐさは、子実生産由来の作物残渣(トウモロコシのわら;コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、及び他の穀粒由来の麦わらなど);ビートトップのような野菜由来の残渣;大豆、菜種、及び他のマメ科植物由来の茎及び葉のような油料種子生産由来の残渣;並びに動物若しくはヒトの消費のための穀粒の精製由来の又は燃料生産若しくは他の産業由来の画分をさらに含む。
【0036】
粗飼料:「粗飼料」という用語は、繊維、ふすま、種及び穀粒由来の殻、並びに作物残渣(わら、コプラ、麦わら、もみ殻、テンサイの廃棄物など)などのような、繊維のレベルが高い乾燥植物原材料を意味する。
【0037】
敷料の品質:「敷料の品質」という用語は、動物が排出する敷料の状態を意味する。敷料は、寝わらの原材料、排出物、羽毛、無駄になった飼料、及び無駄になった水の混合物である。品質は、水分、pH値、アンモニア態窒素含有量などによって特徴付けることができる。
【0038】
[発明の詳細な説明]
[敷料の品質を改善する及び/又は趾蹠皮膚炎を低下させるための方法]
驚くべきことに、微生物ムラミダーゼを有する動物用飼料を補足することが、微生物ムラミダーゼを有していない動物用飼料と比較して、単胃動物の敷料の品質を改善するといったかなりの利益をもたらすことがわかった。インビボにおけるブロイラー試験において、驚くべきことに、次のことが発見された:
(a)ムラミダーゼによる処置は、より低い敷料の水分に結びつく;
(b)ムラミダーゼによる処置は、より低い敷料アンモニア態窒素に結びつく;及び/又は
(d)ムラミダーゼによる処置は、より低い敷料pH値に結びつく。
【0039】
さらに驚くべきことに、微生物ムラミダーゼを有する動物用飼料を補足することが、微生物ムラミダーゼを有していない動物用飼料と比較して、単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させることがわかった。インビボにおけるブロイラー試験において、驚くべきことに、次のことが発見された:
(a)ムラミダーゼによる処置は、趾蹠皮膚炎スコアの低下に結びつく。
【0040】
したがって、本発明は、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含む方法に関する。
【0041】
本発明において、改善は、微生物ムラミダーゼが存在しない(本明細書においてネガティブコントロールと呼ばれる)動物用飼料又は動物用飼料添加剤と比較される。
【0042】
好ましくは、敷料の水分は、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも1%、たとえば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、又は少なくとも5%低い。
【0043】
好ましくは、敷料のアンモニア態窒素は、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも10%、たとえば少なくとも15%、少なくとも25%、又は少なくとも30%低い。
【0044】
好ましくは、敷料のpH値は、ネガティブコントロールと比較して、0.05~0.2、たとえば0.075~0.175、0.1~0.15低い。
【0045】
好ましくは、趾蹠皮膚炎は、ネガティブコントロールと比較して、5%~30%、たとえば10%~25%、15%~20%低下する。
【0046】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物用飼料1kg当たり100~1000mgの酵素タンパク質、たとえば動物用飼料1kg当たり200~900mg、300~800mg、400~700mg、500~600mgの酵素タンパク質などのレベル又はこれらの区間の任意の組み合わせで添加されてもよい。
【0047】
本発明において、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコ、ネコ、イヌ、ウマ、甲殻類の動物、小エビ、中エビ、魚、アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、アミキリ、ボカチコ、ブリーム、カジカ、コロソマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、へダイ、ニベ科の魚、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グラミー、ハタ、グァポテ、ハリバット、ジャワ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、サギ、ボウフィン、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、サンパ、ソーガー、ハタ科の魚、タイ、シャイナー、カワアナゴ科の魚、タイワンドジョウ、フエダイ、アカメ、シタビラメ、スパインフット、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ、並びにホワイトフィッシュからなる群から選択されてもよい。好ましくは、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される。より好ましくは、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、及びヒヨコからなる群から選択される。
【0048】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、誕生から屠殺まで動物に供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から屠殺まで、毎日、動物に供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、少なくとも10日、たとえば少なくとも15日又は少なくとも20日(日は連続的又は非連続的とすることができる)間、毎日、動物に供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、10~20日間、動物に供給され、その後、5~10日の非処置期間が続き、このサイクルは、動物の生存期間の間、繰り返される。
【0049】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、ふ化後最初の49日間、ブロイラーに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化後最初の36日間、ブロイラーに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化後22~36日目にブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(1~7日目)期の間、ブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、スターター(8~22日目)期の間、ブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(1~7日目)及びスターター(8~22日目)期の間、ブロイラーに供給される。
【0050】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、産卵鶏に供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から76週間、産卵鶏に供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、産卵期の間(およそ18週目から)、産卵鶏に供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、産卵期の間、産卵鶏に供給されるが、強制換羽期の間は与えられない。
【0051】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、シチメンチョウに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から24週間、シチメンチョウに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から最初の16週間(雌鶏について)及びふ化の最初の20週間(雄シチメンチョウについて)、シチメンチョウに供給される。
【0052】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、ブタに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から27週間、ブタに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から離乳(4週間で)まで、子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から最初の6週間(4週間の授乳期及び離乳後の2週間)、子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(離乳後1~14日目)の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、スターター(離乳後15~42日目)期の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(離乳後1~14日目)及びスターター(離乳後15~42日目)期の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、育成/肥育期(誕生後10週目~およそ27週目)の間、ブタに供給される。
【0053】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、菌類起源のものであってもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)、たとえばチャワンタケ亜門(sub-phylum Pezizomycotina)などから得られる又は入手可能である。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む。
【0054】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、配列番号1、4、又は10に対して、少なくとも50%、たとえば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有していてもよい。
【0055】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、配列番号1のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含んでいてもよく若しくはそれからなってもよく;又はムラミダーゼ活性を有する断片であり、断片は、少なくとも170のアミノ酸、たとえば少なくとも175のアミノ酸、少なくとも177のアミノ酸、少なくとも180のアミノ酸、少なくとも185のアミノ酸、少なくとも190のアミノ酸、少なくとも195のアミノ酸、又は少なくとも200のアミノ酸などを含む。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、配列番号1のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体並びにN末端及び/又はC末端His-タグ及び/又はHQ-タグを含む又はそれからなる。より好ましくは、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸1~213を含む又はそれからなる。
【0056】
その代わりに、微生物ムラミダーゼは、配列番号4のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含んでいてもよく若しくはそれからなってもよく;又はムラミダーゼ活性を有するその断片であり、断片は、少なくとも210のアミノ酸、たとえば少なくとも215のアミノ酸、少なくとも220のアミノ酸、少なくとも225のアミノ酸、少なくとも230のアミノ酸、少なくとも235のアミノ酸、又は少なくとも240のアミノ酸などを含む。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、配列番号4のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体並びにN末端及び/又はC末端His-タグ及び/又はHQ-タグを含む又はそれからなる。より好ましくは、ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸1~245を含む又はそれからなる。
【0057】
さらにその代わりに、微生物ムラミダーゼは、配列番号10のアミノ酸配列若しくはその対立遺伝子変異体を含んでいてもよく若しくはそれからなってもよく;又はムラミダーゼ活性を有するその断片であり、断片は、少なくとも210のアミノ酸、たとえば少なくとも215のアミノ酸、少なくとも220のアミノ酸、少なくとも225のアミノ酸、少なくとも230のアミノ酸、少なくとも235のアミノ酸、又は少なくとも240のアミノ酸などを含む。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、配列番号10のアミノ酸配列又はその対立遺伝子変異体並びにN末端及び/又はC末端His-タグ及び/又はHQ-タグを含む又はそれからなる。より好ましくは、ポリペプチドは、配列番号10のアミノ酸1~208を含む又はそれからなる。
【0058】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、配列番号1、4、又は10の変異体であってもよく、変異体は、ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上の置換及び/又は1つ以上の欠失及び/又は1つ以上の挿入又はその任意の組み合わせを有する。好ましくは、配列番号1、4、又は10における1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを含む位置の数は、1~45、たとえば1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、又は1~5の位置などである。より好ましくは、配列番号1、4、又は10における1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを含む位置の数は、10以下、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。さらに好ましくは、配列番号1、4、又は10における置換、欠失、及び/又は挿入の数は、10以下、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。さらに好ましくは、配列番号1、4、又は10における置換、好ましくは保存的置換の数は、10以下、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。さらに好ましくは、配列番号1、4、又は10における保存的置換の数は、10以下、たとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。
【0059】
当業者は誰でも、微生物ムラミダーゼのポリペプチドが、アミノ酸の変化を有していてもよいことを理解することができる。アミノ酸の変化は、小さなもの、すなわち、タンパク質のフォールディング及び/若しくは活性に著しく影響を与えない保存的アミノ酸置換若しくは挿入;通常1~30のアミノ酸のわずかな欠失;アミノ末端メチオニン残基などのようなわずかなアミノ若しくはカルボキシ末端の伸張;20~25残基以下の小さなリンカーペプチド;又はポリヒスチジン域、抗原エピトープ、若しくは結合ドメインなどのように、実効電荷若しくは別の機能を変化させることによって精製を容易にするわずかな伸張であってもよい。
【0060】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン、及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシン)、並びに小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、及びメチオニン)の群内のものである。一般に比活性を改変しないアミノ酸置換は、当技術分野において知られており、たとえばH.Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkによって記載される。一般によくある置換は、Ala/Ser、Val/lle、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/lle、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Glyである。
【0061】
ポリペプチドにおける必須のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング変異導入法(alanine-scanning mutagenesis)などのような、当技術分野において知られている手順に従って同定することができる(Cunningham and Wells,1989,Science 244:1081-1085)。後者の技術では、単一のアラニン突然変異が、分子のすべての残基に導入され、結果として生じる突然変異分子は、分子の活性に不可欠であるアミノ酸残基を同定するために、ムラミダーゼ活性についてテストされる。Hilton et al.,1996,J.Biol.Chem.271:4699-4708もまた、参照されたい。酵素又は他の生物学的相互作用の活性部位はまた、推定上のアミノ酸接触位置の突然変異と併せて、核磁気共鳴、結晶構造解析、電子回折、又は光アフィニティー標識法のような技術によって決定されるように、構造の物理的解析によって決定することもできる。たとえばde Vos et al.,1992,Science 255:306-312;Smith et al.,1992,J.Mol.Biol.224:899-904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59-64を参照されたい。必須のアミノ酸の同一性はまた、関係するポリペプチドとのアライメントから推測することもできる。
【0062】
アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)CBS114.92ムラミダーゼの結晶構造は、国際公開第2013/076253号パンフレットにおいて開示されるように、1.3Åの分解能で解析された。これらの原子座標は、アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)CBS114.92ムラミダーゼの構造又は相同な構造(本発明の変異体など)を描く3次元モデルを生成するために使用することができる。x線構造を使用して、アミノ酸残基D95及びE97(番号付けについては配列番号1を使用)は、触媒残基として同定された。
【0063】
一実施形態では、本発明は、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含み、
(a)微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む微生物ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加される;
(b)動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される;
(c)任意選択で、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、少なくとも10日間、毎日、動物に供給される、方法に関する。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含み、
(a)微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)から得られる又は入手可能なGH24又はGH25ムラミダーゼであり、動物1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加される;
(b)動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される;並びに
(c)敷料の品質のパラメーターの1つは、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも1%改善される、方法に関する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含み、
(a)微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)から得られる又は入手可能なGH24又はGH25ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加される;
(b)動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される;並びに
(c)趾蹠皮膚炎は、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも10%低下する、方法に関する。
【0066】
[配合物]
本発明の微生物ムラミダーゼは、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための組成物として配合されてもよく、本発明は、これもまた包含することを意図する。本発明の微生物ムラミダーゼは、液体又は固体として配合されてもよい。
【0067】
液体配合物については、配合剤は、ポリオール(たとえばグリセロール、エチレングリコール、若しくはプロピレングリコールなど)、塩(たとえば塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなど)、又は糖若しくは糖誘導体(たとえばデキストリン、グルコース、スクロース、及びソルビトールなど)を含んでいてもよい。したがって、本発明の組成物は、本発明の微生物ムラミダーゼ並びにグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、及びソルビトールからなるリストから選択される1つ以上の配合剤を含む液体組成物であってもよい。液体配合物は、飼料をペレットにした後で、飼料に噴霧されてもよい又は動物に与えられる飲料水に追加されてもよい。
【0068】
固体配合物については、本発明の組成物は、たとえば顆粒、噴霧乾燥粉末、又は凝集体であってもよい。配合剤は、塩(有機又は無機亜鉛、ナトリウム、カリウム、又はカルシウム塩、たとえば酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ソルビン酸亜鉛、硫酸亜鉛など)、デンプン又は糖又は糖誘導体(たとえばスクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)を含んでいてもよい。
【0069】
たとえば、固体組成物は、粒状の形態をしている。顆粒は、構成成分が均一に混合されたマトリックス構造を有していてもよい。しかしながら、顆粒は、通常、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含み、コーティングは、通常、塩及び/又はワックスコーティングである。ワックスの例は、ポリエチレングリコール;ポリプロピレン;カルナウバろう;カンデリラろう;蜜ろう;硬化ウシ獣脂、硬化パーム油、硬化綿実油、及び/又は硬化大豆油などのような硬化植物油又は動物獣脂;脂肪酸アルコール;ステアリン酸はステアリン酸及びパルミチン酸の混合物であるステアリン酸グリセリルなどのようなモノグリセリド及び/又はジグリセリド;微晶ろう;パラフィン;並びに硬化直鎖長鎖脂肪酸などのような脂肪酸及びその誘導体である。好ましいワックスは、パーム油又は硬化パーム油である。コア粒子は、任意選択で1つ以上の塩と一緒に任意選択で1つ以上の追加の酵素と組み合わせた本発明のムラミダーゼの均一のブレンド又は1つ以上の追加の酵素と任意選択で組み合わせた本発明のムラミダーゼを塗布した不活性粒子とすることができる。
【0070】
上記の顆粒において、コア粒子の原材料は、無機塩(たとえば酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ソルビン酸亜鉛、硫酸亜鉛など)、デンプン又は糖又は糖誘導体(たとえばスクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)、糖又は糖誘導体(たとえばスクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)、小有機分子、デンプン、フラワー、セルロース、及びミネラル並びに粘土鉱物(含水アルミニウム層状ケイ酸塩(hydrous aluminium phyllosilicate)としても知られている)からなる群から選択されてもよい。好ましくは、コアは、カオリナイト又はカオリンなどのような粘土鉱物を含む。
【0071】
塩コーティングは、通常、厚さが少なくとも1μmであり、NaSO、KSO、MgSO、及び/又はクエン酸ナトリウムなどのような、1つの特定の塩又は塩の混合物とすることができる。他の例は、たとえば国際公開第2008/017659号パンフレット、国際公開第2006/034710号パンフレット、国際公開第1997/05245号パンフレット、国際公開第1998/54980号パンフレット、国際公開第1998/55599号パンフレット、国際公開第2000/70034号パンフレットにおいて記載されるもの又は国際公開第2001/00042号パンフレットにおいて記載されるなどのポリマーコーティングである。
【0072】
好ましくは、本発明の組成物は、本発明のムラミダーゼ並びに塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン、及びセルロースからなるリストから選択される1つ以上の配合剤を含む固体組成物である。より好ましくは、配合剤は、1つ以上の以下の化合物から選択される:硫酸ナトリウム、デキストリン、セルロース、チオ硫酸ナトリウム、及び炭酸カルシウム。さらに好ましくは、固体組成物は、粒状の形態をしている。よりさらに好ましくは、固体組成物は、粒状の形態をしており、コア粒子、本発明のムラミダーゼを含む酵素層、及び塩コーティングを含む。
【0073】
好ましくは、配合剤は、1つ以上の以下の化合物から選択される:グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール又は1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン、カオリン、及びセルロース。より好ましくは、配合剤は、1つ以上の以下の化合物から選択される:1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、硫酸ナトリウム、デキストリン、セルロース、チオ硫酸ナトリウム、カオリン、及び炭酸カルシウム。
【0074】
[動物用飼料及び動物用飼料添加剤]
本発明の微生物ムラミダーゼは、敷料の品質を改善する及び/又は動物の趾蹠皮膚炎を低下させるために動物用飼料又は動物用飼料添加剤として配合されてもよく、本発明は、これもまた包含することを意図する。
【0075】
動物用飼料組成物又は動物用の餌は、タンパク質の含有量が比較的高い。家禽及びブタの餌は、国際公開第2001/058275号パンフレットの表B、2~3列目に示されるような特徴をなすことができる。魚の餌は、この表Bの4列目に示されるような特徴をなすことができる。さらに、そのような魚の餌は、普通、200~310g/kgの粗脂肪含有量を有する。
【0076】
本発明による動物用飼料組成物は、50~800g/kgの粗タンパク質含有量を有していてもよく、本明細書において記載される1つ以上の微生物ムラミダーゼをさらに含む。
【0077】
さらに又は代わりに(上記に示される粗タンパク質含有量の)、本発明の動物用飼料組成物は、10~30MJ/kgの代謝エネルギー含有量;及び/又は0.1~200g/kgのカルシウム含有量;及び/又は0.1~200g/kgの有効リン含有量;及び/又は0.1~100g/kgのメチオニン含有量;及び/又は0.1~150g/kgのメチオニンプラスシステインの含有量;及び/又は0.5~50g/kgのリシン含有量を有していてもよい。
【0078】
特に、代謝エネルギー、粗タンパク質、カルシウム、リン、メチオニン、メチオニンプラスシステイン、及び/又はリシンの含有量は、国際公開第2001/058275号パンフレットの表Bの範囲2、3、4、又は5(R.2~5)のいずれか1つの範囲内にあってもよい。
【0079】
窒素含有量は、ケルダール法によって決定され(A.O.A.C.,1984,Official Methods of Analysis 14th ed.,Association of Official Analytical Chemists,Washington DC)、粗タンパク質は、窒素(N)に係数6.25を掛けて算出される(すなわち粗タンパク質(g/kg)=N(g/kg)×6.25)。
【0080】
代謝エネルギーは、NRC publication Nutrient requirements in swine,ninth revised edition 1988,subcommittee on swine nutrition,committee on animal nutrition,board of agriculture,national research council.National Academy Press,Washington,D.C.,pp.2-6及びthe European Table of Energy Values for Poultry Feed-stuffs,Spelderholt centre for poultry research and extension,7361 DA Beekbergen,The Netherlands.Grafisch bedrijf Ponsen&looijen bv,Wageningen.ISBN 90-71463-12-5に基づいて算出することができる。
【0081】
バランスの取れた動物用の餌のカルシウム、有効リン、及びアミノ酸の食事含有量は、Veevoedertabel 1997,gegevens over chemische samenstelling,verteerbaarheid en voederwaarde van voedermiddelen,Central Veevoederbureau,Runderweg 6,8219 pk Lelystad.ISBN 90-72839-13-7などのような飼料表に基づいて算出される。
【0082】
本発明の動物用飼料組成物は、上記に定義される少なくとも1つの植物性タンパク質を含有してもよい。
【0083】
本発明の動物用飼料組成物は、通常0~25%の量で、肉骨粉、羽毛粉、及び/又は魚粉などのような動物性タンパク質を含有してもよい。本発明の動物用飼料組成物は、通常0~30%の量で、ドライドジスチラーズグレインソリュブル(DDGS)を含んでいてもよい。
【0084】
好ましくは、本発明の動物用飼料組成物は、0~80%のメイズ;及び/又は0~80%のソルガム;及び/又は0~70%のコムギ;及び/又は0~70%のオオムギ;及び/又は0~30%のカラスムギ;及び/又は0~40%のダイズ粉;及び/又は0~25%の魚粉;及び/又は0~25%の肉骨粉;及び/又は0~20%のホエーを含有する。
【0085】
好ましくは、本発明の動物用飼料は、植物性タンパク質を含む。植物性タンパク質のタンパク質含有量は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%(w/w)である。
【0086】
本発明において、植物性タンパク質は、植物性タンパク質源、たとえばマメ科植物及び穀物など、たとえばマメ科(レグミノサエ)(Fabaceae(Leguminosae))、アブラナ科(Cruciferaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、及びイネ科(Poaceae)の植物由来の原材料、たとえば大豆粕、ハウチワマメ粕、菜種粕、及びその組み合わせなどに由来してもよい。
【0087】
植物性タンパク質源は、マメ科(Fabaceae)の1つ以上の植物、たとえばダイズ、ハウチワマメ、エンドウマメ、又はインゲン由来の原材料であってもよい。植物性タンパク質源はまた、アカザ科(Chenopodiaceae)の1つ以上の植物、たとえばビート、テンサイ、ホウレンソウ、又はキノア由来の原材料であってもよい。植物性タンパク質源の他の例は、菜種及びキャベツである。ダイズは、好ましい植物性タンパク質源である。植物性タンパク質源の他の例は、オオムギ、コムギ、ライムギ、カラスムギ、メイズ(トウモロコシ)、イネ、及びソルガムなどのような穀物である。
【0088】
動物用の餌は、たとえば、マッシュされた飼料(ペレットにされない)又はペレットにされた飼料として製造することができる。通常、製粉された飼料原料は、混合され、十分な量の必須のビタミン及びミネラルは、当該の種についての規格に従って追加される。酵素は、固体又は液体酵素配合物として追加することができる。たとえば、マッシュ飼料については、固体又は液体酵素配合物は、成分混合ステップの前又はその間に追加されてもよい。ペレットにされた飼料については、(液体又は固体)ムラミダーゼ/酵素調製物は、飼料成分ステップの前又はその間に追加されてもよい。通常、液体酵素調製物は、任意選択でグリセロール、エチレングリコール、又はプロピレングリコールなどのようなポリオールと共に、本発明の微生物ムラミダーゼを含み、ペレットに液体配合物を噴霧することによってなどのように、ペレット成形ステップの後に追加される。ムラミダーゼはまた、飼料添加剤又はプレミックス中に組み込まれてもよい。
【0089】
その代わりに、本発明の微生物ムラミダーゼは、挽いたダイズ粉などのような増量剤と液体酵素溶液の混合物を凍結させ、次いで、混合物を凍結乾燥することによって、調製されてもよい。
【0090】
本発明において、動物用飼料組成物は、1つ以上の追加の酵素、微生物、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、及び/又は他の飼料成分をさらに含んでいてもよい。
【0091】
好ましくは、組成物は、本発明の1つ以上の微生物ムラミダーゼ、1つ以上の配合剤、並びに次のものからなるリストから選択される1つ以上の構成成分を含む:1つ以上の追加の酵素;1つ以上の微生物;1つ以上のビタミン;1つ以上のミネラル;1つ以上のアミノ酸;及び1つ以上の他の飼料成分。
【0092】
本発明の動物用飼料組成物の最終的なムラミダーゼ濃度は、動物用飼料1kg当たり0.01~200mgの酵素タンパク質、たとえば動物用飼料1kg当たり0.1~150mg、0.5~100mg、1~75mg、2~50mg、3~25mg、2~80mg、5~60mg、8~40mg、若しくは10~30mgの酵素タンパク質又はこれらの区間の任意の組み合わせなどの範囲内にあってもよい。
【0093】
微生物ムラミダーゼは、1つ以上の以下の量(投薬範囲)で投与されることが、今のところ想定される:0.01~200;0.01~100;0.5~100;1~50;5~100;5~50;10~100;0.05~50;5~25;又は0.10~10-これらの範囲はすべて、飼料1kg当たりのムラミダーゼをmgで表している(ppm)。
【0094】
飼料1kg当たりのムラミダーゼタンパク質のmgを決定するために、ムラミダーゼは、飼料組成物から精製され、精製されたムラミダーゼの比活性は、適切なアッセイ(下記のムラミダーゼ活性を参照)を使用して決定される。飼料組成物のムラミダーゼ活性それ自体もまた、同じアッセイを使用して決定され、これら2つの決定に基づいて、飼料1kg当たりのムラミダーゼタンパク質mgの投薬量が、算出される。
【0095】
本発明の動物用飼料添加剤は、0.01~10.0%;より詳細には0.05~5.0%;又は0.2~1.0%(%は飼料100g当たりの添加剤のgを意味する)のレベルで動物用の餌又は飼料に含まれる(又は含まれなければならないように定められる)ことが意図される。これは、特にプレミックスについてそうである。
【0096】
同じ原則が、飼料添加剤中のムラミダーゼタンパク質のmgの決定にも適用される。当然、サンプルが、飼料添加剤又は飼料を調製するために使用されるムラミダーゼから入手できる場合、比活性は、このサンプルから決定される(飼料組成物又は添加剤からムラミダーゼを精製する必要はない)。
【0097】
[追加の酵素]
本発明において、本明細書において記載される組成物又は動物用飼料又は動物用飼料添加剤は、1つ以上の酵素を任意選択で含む。酵素は、ハンドブックEnzyme Nomenclature from NC-IUBMB,1992)に基づいて分類することができ、インターネットのENZYMEのサイト:http://www.expasy.ch/enzyme/もまた参照されたい。ENZYMEは、酵素の命名法に関する情報の宝庫である。ENZYMEは、主として、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUB-MB),Academic Press,Inc.、1992の提言に基づくものであり、ENZYMEは、EC(Enzyme Commission)番号が提供された、特徴付けられた酵素のそれぞれのタイプについて説明している(Bairoch A.The ENZYME database,2000,Nucleic Acids Res 28:304-305)。このIUB-MB Enzyme命名法は、それらの基質特異性及び場合によってはそれらの分子機構に基づき;そのような分類は、これらの酵素の構造的な特徴を反映するものではない。
【0098】
あるグリコシドヒドロラーゼ酵素、たとえばエンドグルカナーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼ(galactanase)、マンナナーゼ、デキストラナーゼ、ムラミダーゼ、及びガラクトシダーゼなどの別の分類は、Henrissat et al,“The carbohydrate-active enzymes database(CAZy)in 2013”,Nucl.Acids Res.(1 January 2014)42(D1):D490-D495において記載される;www.cazy.orgもまた、参照されたい。
【0099】
したがって、本発明の組成物又は動物用飼料又は動物用飼料添加剤はまた、フィターゼ(EC3.1.3.8若しくは3.1.3.26)、キシラナーゼ(EC3.2.1.8);ガラクタナーゼ(EC3.2.1.89);アルファ-ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.22);プロテアーゼ(EC3.4);ホスホリパーゼA1(EC3.1.1.32);ホスホリパーゼA2(EC3.1.1.4);リゾホスホリパーゼ(EC3.1.1.5);ホスホリパーゼC(3.1.4.3);ホスホリパーゼD(EC3.1.4.4);たとえばアルファ-アミラーゼ(EC3.2.1.1)などのようなアミラーゼ;アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55);ベータ-キシロシダーゼ(EC3.2.1.37);アセチルキシランエステラーゼ(EC3.1.1.72);フェルロイルエステラーゼ(EC3.1.1.73);セルラーゼ(EC3.2.1.4);セロビオヒドロラーゼ(EC3.2.1.91);ベータ-グルコシダーゼ(EC3.2.1.21);プルラナーゼ(EC3.2.1.41)、アルファ-マンノシダーゼ(EC3.2.1.24)、マンナナーゼ(EC3.2.1.25)、及びベータ-グルカナーゼ(EC3.2.1.4若しくはEC3.2.1.6)又はその任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの他の酵素を含んでいてもよい。
【0100】
市販で入手可能なフィターゼの例は、Bio-Feed(商標)フィターゼ(Novozymes)、Ronozyme(登録商標)P、Ronozyme(登録商標)NP、及びRonozyme(登録商標)HiPhos(DSM Nutritional Products)、Natuphos(商標)(BASF)、Finase(登録商標)、及びQuantum(登録商標)Blue(AB Enzymes)、OptiPhos(登録商標)(Huvepharma)、Phyzyme(登録商標)XP(Verenium/DuPont)、及びAxtra(登録商標)PHY(DuPont)を含む。他の好ましいフィターゼは、たとえば国際公開第98/28408号パンフレット、国際公開第00/43503号パンフレット、及び国際公開第03/066847号パンフレットにおいて記載されるものを含む。
【0101】
市販で入手可能なキシラナーゼの例は、Ronozyme(登録商標)WX及びRonozyme(登録商標)G2(DSM Nutritional Products)、Econase(登録商標)XT及びBarley(AB Vista)、Xylathin(登録商標)(Verenium)、Hostazym(登録商標)X(Huvepharma)、並びにAxtra(登録商標)XB(キシラナーゼ/ベータ-グルカナーゼ、DuPont)を含む。
【0102】
市販で入手可能なプロテアーゼの例は、Ronozyme(登録商標)ProAct(DSM Nutritional Products)を含む。
【0103】
[微生物]
本発明において、組成物又は動物用飼料又は動物用飼料添加剤は、1つ以上の追加の微生物をさらに含んでいてもよい。たとえば、組成物又は動物用飼料は、1つ以上の以下の属由来の細菌をさらに含む:乳酸桿菌(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、連鎖球菌(Streptococcus)、桿菌(Bacillus)、ペジオコックス(Pediococcus)、腸球菌(Enterococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、カルノバクテリウム(Carnobacterium)、プロピオン酸菌(Propionibacterium)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、クロストリジウム(Clostridium)、及びメガスファエラ(Megasphaera)又はその任意の組み合わせ。
【0104】
好ましくは、本発明の組成物又は動物用飼料又は動物用飼料添加剤は、1つ以上の以下の株由来の細菌をさらに含む:バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミキサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、腸球菌種(Enterococcus spp)、及びペジオコックス種(Pediococcus spp)、乳酸桿菌種(Lactobacillus spp)、ビフィドバクテリウム種(Bifidobacterium spp)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ペジオコックス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノサス(lactobacillus rhamnosus)、クロストリジウム・ブチリクム(Clostridium butyricum)、ビフィドバクテリウム・アニマーリス(Bifidobacterium animalis)亜種アニマーリス(animalis)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus saiivarius)亜種サリバリウス(saiivarius)、メガスフェラ・エルスデニイ.(Megasphaera elsdenii)、プロピオン酸菌種(Propionibacteria sp)。
【0105】
より好ましくは、本発明の組成物又は動物用飼料又は動物用飼料添加剤は、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)の1つ以上の以下の株由来の細菌をさらに含む:3A-P4(PTA-6506)、15A-P4(PTA-6507)、22C-P1(PTA-6508)、2084(NRRL B-500130)、LSSA01(NRRL-B-50104)、BS27(NRRL B-501 05)、BS 18(NRRL B-50633)、BS 278(NRRL B-50634)、DSM 29870、DSM 29871、NRRL B-50136、NRRL B-50605、NRRL B-50606、NRRL B-50622、及びPTA-7547。
【0106】
より好ましくは、本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の1つ以上の以下の株由来の細菌をさらに含む:NRRL B-50016、ATCC 700385、NRRL B-50885、又はNRRL B-50886。
【0107】
より好ましくは、組成物、動物用飼料添加剤、又は動物用飼料は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)の1つ以上の以下の株由来の細菌をさらに含む:NRRL B 50015、NRRL B-50621、又はNRRL B-50623。
【0108】
より好ましくは、本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の1つ以上の以下の株由来の細菌をさらに含む:DSM 29869、DSM 29872、NRRL B 50607、PTA-7543、PTA-7549、NRRL B-50349、NRRL B-50606、NRRL B-50013、NRRL B-50151、NRRL B-50141、NRRL B-50147、又はNRRL B-50888。
【0109】
本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤中の細菌株のそれぞれの細菌数は、1×10~1×1014CFU/乾燥材料kg、好ましくは1×10~1×1012CFU/乾燥材料kg、より好ましくは1×10~1×1011、最も好ましくは1×10~1×1010CFU/乾燥材料kgである。
【0110】
本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤中の細菌株のそれぞれの細菌数は、1×10~1×1015CFU/動物/日、好ましくは1×10~1×1013CFU/動物/日、より好ましくは1×10~1×1012CFU/動物/日、最も好ましくは1×10~1×1011CFU/動物/日である。
【0111】
本発明において、1つ以上の菌株は、安定した胞子の形態で存在してもよい。
【0112】
[プレミックス]
本発明において、組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、たとえば、混合して動物用飼料にされるビタミン、ミネラル、酵素、アミノ酸、防腐剤、抗生物質、他の飼料成分、又はその任意の組み合わせを含むプレミックスを含んでいてもよい。
【0113】
[アミノ酸]
本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、1つ以上のアミノ酸をさらに含んでいてもよい。アミノ酸の例は、リシン、アラニン、ベータ-アラニン、スレオニン、メチオニン、及びトリプトファンを含むが、これらに限定されない。
【0114】
[ビタミン及びミネラル]
本発明において、組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、1つ以上のビタミン、たとえば1つ以上の脂溶性ビタミン及び/又は1つ以上の水溶性ビタミンなどを含んでいてもよい。任意選択で、本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、1つ以上のミネラル、たとえば1つ以上の微量ミネラル及び/又は1つ以上のマクロミネラルなどを含んでいてもよい。
【0115】
通常、脂溶性及び水溶性ビタミン並びに微量ミネラルは、飼料への追加が意図されるいわゆるプレミックスの一部を形成するのに対して、マクロミネラルは、普通、別々に飼料に追加される。
【0116】
脂溶性ビタミンの非限定的な例は、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、及びビタミンK、たとえばビタミンK3を含む。
【0117】
水溶性ビタミンの非限定的な例は、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、並びにパントテン酸塩、たとえばD-パントテン酸Caを含む。
【0118】
微量ミネラルの非限定的な例は、ホウ素、コバルト、塩化物、クロム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マンガン、モリブデン、セレン、及び亜鉛を含む。
【0119】
マクロミネラルの非限定的な例は、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムを含む。
【0120】
これらの構成成分の栄養必要量(家禽及び子ブタ/ブタにより例示される)は、国際公開第2001/058275号パンフレットの表Aに掲載される。栄養必要量は、これらの構成成分が、餌において、示される濃度で提供されなければならないことを意味する。
【0121】
代わりに、本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、国際公開第01/58275号パンフレットの表Aにおいて指定される個々の構成成分の少なくとも1つを含む。少なくとも1つは、いずれか、1つ以上、1つ若しくは2つ若しくは3つ若しくは4つなど、最大13すべて、又は最大15すべての個々の構成成分を意味する。より詳細には、この少なくとも1つの個々の構成成分は、表Aの4列目又は5列目又は6列目に示される範囲内の投入濃度(in-feed-concentration)を提供するような量で、本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤中に含まれる。
【0122】
好ましくは、本発明の動物用飼料添加剤は、下記表1において指定される範囲内の投入濃度を提供するように、下記のビタミンの少なくとも1つを含む(それぞれ、子ブタ及びブロイラーの餌について)。
【0123】
【表1】
【0124】
[他の飼料成分]
本発明の組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、着色剤、安定剤、成長を改善する添加剤、及び芳香化合物/香味料、多価不飽和脂肪酸(PUFA);活性酸素生成種、殺菌性ペプチド、及び抗菌性ポリペプチドをさらに含んでいてもよい。
【0125】
着色剤の例は、ベータ-カロテン、アスタキサンチン、及びルテインなどのようなカロテノイドである。
【0126】
安定化剤(たとえば酸性化するもの)の例は、有機酸である。これらの例は、安息香酸(VevoVitall(登録商標)、DSM Nutritional Products)、蟻酸、酪酸、フマル酸、及びプロピオン酸である。
【0127】
芳香化合物/香味料の例は、クレオゾール、アネトール、デカ-、ウンデカ-、及び/又はドデカ-ラクトン、イオノン、イロン、ギンゲロール、ピペリジン、プロピリデンファタリド(phatalide)、ブチリデンファタリド、カプサイシン、及びタンニンである。
【0128】
多価不飽和脂肪酸の例は、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、及びガンマ-リノール酸などのようなC18、C20、及びC22多価不飽和脂肪酸である。
【0129】
活性酸素生成種の例は、過ホウ酸塩、過硫酸塩、又は過炭酸塩などのような化学物質;及びオキシダーゼ、オキシゲナーゼ、又はシンテターゼなどのような酵素である。
【0130】
殺菌ペプチド(AMP)の例は、国際公開第03/044049号パンフレット及び国際公開第03/048148号パンフレットにおいて開示される化合物及びポリペプチドを含め、CAP18、ロイコシンA(Leucocin A)、トリトルプチシン、プロテグリン-1、タナチン、デフェンシン、ラクトフェリン、ラクトフェリシン、及びノビスピリン(Robert Lehrer,2000)などのようなオビスピリン、プレクタシン、並びにスタチン並びに殺菌活性を保持する上記の変異体又は断片である。
【0131】
抗菌性ポリペプチド(AFP)の例は、国際公開第94/01459号パンフレット及び国際公開第02/090384号パンフレットにおいて開示されるように、アスペルギルス・ギガンテウス(Aspergillus giganteus)及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)ペプチド並びに抗菌性の活性を保持するその変異体及び断片である。
【0132】
[微生物リゾチームの使用]
別の態様では、本発明は、敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤の使用であって、組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤は、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む、使用に関する。
【0133】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物用飼料1kg当たり100~1000mgの酵素タンパク質、たとえば動物用飼料1kg当たり200~900mg、300~800mg、400~700mg、500~600mgの酵素タンパク質又はこれらの区間の任意の組み合わせなどのレベルで添加されてもよい。
【0134】
本発明において、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコ、ネコ、イヌ、ウマ、甲殻類の動物、小エビ、中エビ、魚、アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、アミキリ、ボカチコ、ブリーム、カジカ、コロソマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、へダイ、ニベ科の魚、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グラミー、ハタ、グァポテ、ハリバット、ジャワ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、サギ、ボウフィン、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、サンパ、ソーガー、ハタ科の魚、タイ、シャイナー、カワアナゴ科の魚、タイワンドジョウ、フエダイ、アカメ、シタビラメ、スパインフット、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ、並びにホワイトフィッシュからなる群から選択されてもよい。好ましくは、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される。より好ましくは、単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、及びヒヨコからなる群から選択される。
【0135】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、誕生から屠殺まで動物に供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から屠殺まで、毎日、動物に供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、少なくとも10日、たとえば、少なくとも15日又は少なくとも20日(日は連続的又は非連続的とすることができる)間、毎日、動物に供給される。一実施形態では、微生物ムラミダーゼは、10~20日間、動物に供給され、その後、5~10日の非処置期間が続き、このサイクルは、動物の生存期間の間、繰り返される。
【0136】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、ふ化後最初の49日間、ブロイラーに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化後最初の36日間、ブロイラーに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化後22~36日目にブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(1~7日目)期の間、ブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、スターター(8~22日目)期の間、ブロイラーに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(1~7日目)及びスターター(8~22日目)期の間、ブロイラーに供給される。
【0137】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、産卵鶏に供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から76週間、産卵鶏に供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、産卵期の間(およそ18週目から)、産卵鶏に供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、産卵期の間、産卵鶏に供給されるが、強制換羽期の間、与えられない。
【0138】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、シチメンチョウに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から24週間、シチメンチョウに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、ふ化から最初の16週間(雌鶏について)及びふ化の最初の20週間(雄シチメンチョウについて)、シチメンチョウに供給される。
【0139】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、動物の生存期間の間、ブタに供給されてもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から27週間、ブタに供給される。より好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から離乳(4週間で)まで、子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、誕生から最初の6週間(4週間の授乳期及び離乳後の2週間)、子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(離乳後1~14日目)の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、スターター(離乳後15~42日目)期の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、プレスターター(離乳後1~14日目)及びスターター(離乳後15~42日目)期の間、離乳した子ブタに供給される。さらに好ましくは、微生物ムラミダーゼは、育成/肥育期(誕生後10週目~およそ27週目)の間、ブタに供給される。
【0140】
本発明において、微生物ムラミダーゼは、菌類起源のものであってもよい。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)、たとえばチャワンタケ亜門(sub-phylum Pezizomycotina)などから得られる又は入手可能である。好ましくは、微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む。
【0141】
[実施例]
[株]
トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)CBS804.70は、Centraalbureau voor Schimmelcultures(Utrecht、Netherlands)から購入した。
Central Bureau vor Schnimmelkultureによれば、トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)CBS804.70は、1968年5月にスタッフォードシャー(Staffordshire)、イングランド(England)の石炭のボタ山の土壌から単離された。Central Bureau vor Schnimmelkultureによれば、アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)CBS 114.92は、津久井湖(Tsukui Lake)、日本(Japan)近くのブタ糞便堆肥の汚泥から、1984年にA.Yonedaによって単離された。
【0142】
[培地及び溶液]
YP+2%グルコース培地は、1%酵母抽出物、2%ペプトン、及び2%グルコースから構成された。
【0143】
YP+2%マルトデキストリン培地は、1%酵母抽出物、2%ペプトン、及び2%マルトデキストリンから構成された。
【0144】
PDA寒天平板は、ポテトエキス(ポテトエキスは、30分間、水で300gのスライスした(洗浄したが、皮はむいてない)ジャガイモをゆで、次いで、チーズクロスを通してブロスを移す又はこすことによって作製した)から構成された。次いで、蒸留水を、懸濁液の総体積が1リットルになるまで追加し、その後、20gのデキストロース及び20gの寒天末を追加した。培地は、15分間、15psiでオートクレーブすることによって滅菌した(Bacteriological Analytical Manual,8th Edition,Revision A,1998)。
【0145】
LBプレートは、10gのBacto-Tryptone、5gの酵母抽出物、10gの塩化ナトリウム、15gのBacto-agar、及び1リットルになるまでの脱イオン水から構成された。
【0146】
LB培地は、10gのBacto-Tryptone、5gの酵母抽出物、10gの塩化ナトリウム、及び1リットルになるまでの脱イオン水から構成された。
【0147】
COVEスクロースプレートは、342gのスクロース、20gの寒天末、20mlのCOVE塩溶液、及び1リットルになるまでの脱イオン水から構成された。培地は、15分間、15psiでオートクレーブすることによって滅菌した(Bacteriological Analytical Manual,8th Edition,Revision A,1998)。培地を60℃まで冷却し、10mMアセトアミド、15mM CsCl、TRITON(登録商標)X-100(50μl/500ml)を追加した。
【0148】
COVE塩溶液は、26gのMgSO4・7H2O、26gのKCL、26gのKH2PO4、50mlのCOVE微量金属溶液、及び1リットルになるまでの脱イオン水から構成された。
【0149】
COVE微量金属溶液は、0.04gのNa2B4O7・10H2O、0.4gのCuSO4・5H2O、1.2gのFeSO4・7H2O、0.7gのMnSO4・H2O、0.8gのNa2MoO4・2H2O、10gのZnSO4・7H2O、及び1リットルになるまでの脱イオン水から構成された。
【0150】
[実施例1:アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)CBS 114.92由来のGH25ムラミダーゼのクローニング、発現、及び精製]
アクレモニウム・アルカロフィラム(Acremonium alcalophilum)CBS 114.92(配列番号1)由来のGH25ムラミダーゼを、国際公開第2013/076253号パンフレットの実施例8において記載されるようにクローニングし、発現させ、実施例5において記載されるように精製した。その代わりに、配列番号10は、国際公開第2013/076253号パンフレットの実施例2において記載されるようにクローニングし、発現させることができる。
【0151】
[実施例2:トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)由来のGH24ムラミダーゼの発現]
菌株を、20℃で5日間、1000ml Erlenmeyer振とうフラスコ中100mlのYP+2%グルコース培地において培養した。菌糸を、MIRACLOTHR(EMD Millipore、Billerica、MA,USA)を敷いたBuchner減圧漏斗を通して培地を濾過することによってフラスコから回収した。菌糸は、液体窒素で凍結させ、さらなる使用まで-80℃で保存した。ゲノムDNAは、メーカーの指示に従ってDNEASY(登録商標)Plant Maxi Kit(QIAGEN GMBH、Hilden Germany)を使用して単離した。
【0152】
ゲノム配列情報は、lllumina MySeq(lllumina Inc.、サンディエゴ(San Diego)、CA)によって生成した。単離されたトリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)ゲノムDNAの5μgを、メーカーの指示に従って、ライブラリーの調製及び解析のために使用した。100bpのペアエンド法(paired end strategy)を用い、ライブラリーインサートサイズは200~500bpとした。HiSeqの2分の1回のランを、合計95,744,298の得られた100bpの未加工のリードに使用した。リードを続いて25%まで分画し、その後、トリミングした(10又はそれ以上のPhredスコアを有する最長のサブ配列(sub-sequence)を抽出)。これらのリードを、Idbaバージョン0.19を使用してアセンブルした。400bpよりも短いコンティグを除き、8,954,791,030bpがもたらされ、N-50は10,035であった。遺伝子は、GeneMark.hmm ESバージョン2.3cを使用してコールし、触媒ドメインの同定は、Pfamによって提供される「Phage muramidase PF00959」Hidden Markov Modelを使用して行った。コード領域全体についてのポリペプチドコード配列は、下記に記載されるプライマーF-80470及びR-80470(それぞれ配列番号6及び配列番号7)を使用し、PCRによってトリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)CBS804.70ゲノムDNAからクローニングした。
【化1】
【0153】
太字は、トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)酵素コード配列を表す。制限部位に下線を引く。制限部位の左側の配列は、pDau109の挿入部位に対して相同である(国際公開第2005/042735号パンフレット)。
【0154】
Extensor HIFI PCR mix,2x concentration(Thermo Scientific cat no AB-0795)を、実験に使用した。
【0155】
増幅反応(25μl)は、以下の最終濃度で、メーカーの指示(Thermo Scientific cat no AB-0795)に従って実行した:
PCRミックス:
0.5μMプライマーF-80470
0.5μMプライマーR-80470
12.5 μM Extensor HIFI PCR mix,2x conc.
11.0μl H2O
10ngのトリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)CBS804.70ゲノムDNA。
【0156】
PCR反応は、30秒間94℃で1サイクル;各30秒間94℃、30秒間52℃、及び60秒間68℃で30サイクル、その後、6分間68℃で1サイクルでプログラムしたDYAD(登録商標)Dual-Block Thermal Cycler(BioRad、USA)でインキュベートした。サンプルは、取り出してさらにプロセシングする前に、10℃まで冷却した。
【0157】
3μlのPCR反応液を、40mM Tris塩基、20mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA二ナトリウム(TAE)バッファーを使用して1%アガロースゲル電気泳動によって分析した。約946bpの大きなバンドが、観察された。残りのPCR反応液を、メーカーの指示に従って、ILLUSTRA(商標)GFX(商標)PCR DNA and Gel Band Purification Kit(GE Flealthcare、Piscataway、NJ、USA)により直接精製した。
【0158】
2μgのプラスミドpDau109を、Bam HI及びHind IIIにより消化し、消化したプラスミドを、制限プラスミドからスタッファー断片(stuffer fragment)を除去するために、50mM Tris塩基-50mMホウ酸-1mM EDTA二ナトリウム(TBE)バッファーを使用して、1%アガロースゲル上に流した。バンドは、SYBR(登録商標) Safe DNA gel stain(Life Technologies Corporation、Grand Island、NY、USA)の追加及び470nmの波長のトランスイルミネーターの使用によって視覚化した。制限プラスミドに対応するバンドは、ILLUSTRA(商標)GFX(商標)PCR DNA and Gel Band Purification Kitを使用して切り取り、精製した。プラスミドを、10mM Tris pH8.0の中に溶出させ、その濃度を、1μl当たり20ngに調整した。IN-FUSION(登録商標)PCR Cloning Kit(Clontech Laboratories,Inc.、マウンテンビュー(Mountain View)、CA、USA)を、Bam HI及びHind IIIにより消化したpDau109(20ng)の中に983bp PCR断片をクローニングするために使用した。IN-FUSION(登録商標)総反応体積は、10μlであった。IN-FUSION(登録商標)総反応体積は、10μlであった。IN-FUSION(登録商標)反応液を、メーカーのプロトコールに従って、FUSION-BLUE(商標)大腸菌(E.coli)細胞(Clontech Laboratories,Inc.、マウンテンビュー、CA、USA)の中に形質転換し、1ml当たり50μgのアンピシリンを補足したLB寒天プレート上で平板培養した。37℃での一晩のインキュベーションの後、1ml当たり50μgのアンピシリンを補足したLBプレート上での選択下で成長している形質転換体コロニーを、観察した。
【0159】
いくつかのコロニーは、下記に記載されるpDau109ベクタープライマーを使用するコロニーPCRによる解析のために選択した。4つのコロニーを、黄色の接種ピン(Nunc A/S、デンマーク(Denmark))により、1ml当たり50μgのアンピシリンを補足したLBプレートから1ml当たり50μgのアンピシリンを補足した新しいLBプレートに移動させ、37℃で一晩インキュベートした。
プライマー8653:5’-GCAAGGGATGCCATGCTTGG-3’(配列番号8)
プライマー8654:5’-CATATAACCAATTGCCCTC-3’(配列番号9)
【0160】
3つのコロニーのそれぞれを、5μlの2X Extensor HIFI PCR mix(Thermo Fisher Scientific、ロックフォード(Rockford)、IL、USA)、0.5μlのプライマー8653(10pm/μl)、0.5μlのプライマー8654(10pm/μl)、及び4μlの脱イオン水から構成される200μl PCRチューブの中に直接移動させた。それぞれのコロニーPCRは、60秒間94℃で1サイクル;各30秒間95℃、45秒間60℃、60秒間72℃、10分間68℃、及び10分間10℃で30サイクルでプログラムしたDYAD(登録商標)Dual-Block Thermal Cyclerでインキュベートした。
【0161】
3μlのそれぞれの終了したPCR反応液を、TAEバッファーを使用して1%アガロースゲル電気泳動にかけた。4つすべての大腸菌(E.coli)形質転換体が、約980bpのPCRバンドを示した。プラスミドDNAを、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN GMBH、Hilden Germany)を使用して、4つのコロニーのそれぞれから単離した。結果として生じるプラスミドDNAを、バージョン3.1 BIG-DYE(商標)terminator chemistry(Applied Biosystems,Inc.、Foster City、CA,USA)を使用し、Applied Biosystems Model 3730 Automated DNA Sequencerを使用して、プライマー8653及び8654(配列番号8及び9)により配列決定した。pKKSC0312-2と命名された1つのプラスミドを、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)MT3568を形質転換するために選択した。A.オリゼ(A.oryzae)MT3568は、A.オリゼ(A.oryzae)amdS遺伝子を不活性化することによってpyrG栄養要求性を取り戻した、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)JaL355のamdS(アセトアミダーゼ)が破壊された遺伝子誘導体である(国際公開第2002/40694号パンフレット)。A.オリゼ(A.oryzae)MT3568のプロトプラストは、欧州特許第0238023号明細書、14~15頁に記載される方法に従って調製した。
【0162】
pKKSC0312-2を含有する大腸菌(E.coli)3701を、メーカーの指示(Genomed)に従って一晩成長させ、pKKSC0312-2のプラスミドDNAを、メーカーの指示に従って、Plasmid Midi Kit(Genomed JETquick kit、cat.nr.400250、GENOMED GmbH、ドイツ(Germany))を使用して単離した。精製したプラスミドDNAを、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)MT3568の中に形質転換した。A.オリゼ(A.oryzae)MT3568プロトプラストは、Christensen et al.,1988,Bio/Technology 6:1419-1422の方法に従って調製した。選択プレートは、+10mMアセトアミド+15 mM CsCl+TRITON(登録商標)X-100(50μl/500ml)を有するCOVEスクロースからなった。プレートを、37℃でインキュベートした。簡単に述べると、3ugのDNAに相当する8μlのプラスミドDNAを、100μl MT3568プロトプラストに追加した。250μlの60% PEG溶液を追加し、チューブを静かに混合し、30分間37℃でインキュベートした。ミックスを、10mlのあらかじめ融解させたCoveトップアガロースに追加した(プロトプラスト混合物に追加する前に、トップアガロースを融解させ、温度を温かいウォーターバス中で40℃に保った)。組み合わせた混合物を、次いで、10mMアセトアミドを有する2つのCove-スクロース選択ペトリ皿上で平板培養した。プレートを、4日間37℃でインキュベートした。1つのアスペルギルス形質転換コロニーを、炭素源として選択アセチミドを使用してプレート上での成長によって同定した。4つのA.オリゼ(A.oryzae)形質転換体のそれぞれを、96ウェルディーププレート中2%グルコース及びさらに750μlの2%マルトデキストリン及びさらにDAP4Cを補足した750μlのYP培地に接種し、4日間静置させて37℃でインキュベートした。同時に、4つの形質転換体を、COVE-2スクロース寒天培地上にさらに画線した。
【0163】
アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)形質転換体由来の培養ブロスを、次いで、メーカーの推奨に従って、NUPAGE(登録商標)10%Bis-Tris SDSゲル(Invitrogen、カールズバッド(Carlsbad)、CA、USA)を使用し、SDS-PAGEによって、GH24ポリペプチドの産生について分析した。およそ27kDaのタンパク質バンドが、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)形質転換体のそれぞれについて観察された。1つのA.オリゼ(A.oryzae)形質転換体を、85rpmで撹拌しながら、4日間26℃で100mlのDAP4C培地を含有する1000ml Erlenmeyer振とうフラスコ中で培養した。
【0164】
[実施例3:トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)由来のGH24ムラミダーゼの精製]
実施例2のGH24ムラミダーゼを有する発酵上清を、0.22μmのカットオフを有するFast PES Bottleトップフィルターを通して濾過した。結果として生じる溶液を、5mM 酢酸Na、pH4.5によりダイアフィルトレーションし、10kDaカットオフ膜によりUltra Filtration Unit(Sartorius)で濃縮した(体積を10分の1まで低下させた)。
【0165】
前処理の後、275mLのムラミダーゼ含有溶液を、10カラム体積で、バッファーA(50mM酢酸Na pH4.5)及びバッファーB(50mM酢酸Na+1M NaCl pH4.5)の0~100%の勾配により、結合したムラミダーゼを溶出するXK26カラム中のSP Sepharose(およそ60mL)でのクロマトグラフィーによって精製した。カラムからの画分は、クロマトグラム(280及び254nmでの吸収)並びにSDS-PAGE解析に基づいてプールした。
【0166】
分子量は、SDS-PAGEから推測されるように、およそ27kDaで、純度は>90%であった。
【0167】
[実施例4:トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)由来のGH24ムラミダーゼについての他の特徴]
N末端配列は、以下のとおり決定された:YPVKTDL。
【0168】
この成熟配列から算出された分子量は、26205.5Da(M+H)である。
【0169】
インタクト分子量解析(intact molecular weight analysis)によって決定した分子量は、26205.3Da(M+H)であった。
【0170】
成熟配列(EDMAN N末端配列決定データ、インタクト分子量解析、及びプロテオミクス解析から):
【化2】
【0171】
[実施例5:ムラミダーゼ活性の決定]
ムラミダーゼ活性は、540nmで分光光度計において測定される、再懸濁したミクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)ATTC No.4698(Sigma-Aldrich M3770)又はエキシグオバクテリウム・ウンデア(Exiguobacterium undea)(DSM14481)の溶液の吸光度/光学濃度の減少(降下)を測定することによって決定した。
【0172】
[ミクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)ベースの調製]
使用の前に、細胞を、0.5mg細胞/mLの濃度まで、クエン酸-リン酸バッファーpH6.5中で再懸濁し、540nmでの光学濃度(OD)を、測定した。細胞懸濁液は、次いで、細胞濃度がOD540=1.0に等しくなるように調整した。調整した細胞懸濁液は、次いで、使用の前に低温で保存した。再懸濁した細胞は、4時間以内に使用した。
【0173】
[エキシグオバクテリウム・ウンダエ(Exiguobacterium undae)ベースの乾燥細胞の調製]
E.ウンダエ(E.undae)(DSM14481)の培養物を、30℃、250rpmで、一晩、500mL振とうフラスコにおいて、100mL LB培地(Fluka 51208、25g/L)中で成長させた。一晩の培養物を、次いで、10分間、20℃及び5000gで遠心分離し、ペレットは、次いで、滅菌milliQ水により2回洗浄し、Milli-Q水中で再懸濁した。洗浄した細胞を、13000rpmで1分間、遠心分離し、できるだけ多くの上清を移した。洗浄した細胞を、1時間、減圧遠心機で乾燥させた。細胞ペレットを、光学濃度(OD)が540nm=1になるように、クエン酸-リン酸バッファーpH4、5、又は6中で再懸濁した。
【0174】
[濁り度アッセイにおけるムラミダーゼ殺菌活性の測定]
測定されることになるムラミダーゼサンプルを、クエン酸-リン酸バッファーpH4、5、又は6において、100~200mg酵素タンパク質/Lの濃度まで希釈し、使用まで氷上で保った。96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc)において、200μLのベースを各ウェルに追加し、プレートを、VERSAmaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)において5分間37℃でインキュベートした。インキュベーション後、各ウェルの吸光度を、540nm(開始値)で測定した。活性測定を開始するために、20μLの希釈ムラミダーゼサンプルを、各ベース(200μl)に追加し、540nmでの吸光度の反応速度測定を始め、37℃で最低30分間、最大24時間行った。540nmでの吸光度の測定を、各ウェルについてモニターし、ムラミダーゼがムラミダーゼ活性を有する場合、次第に吸光度の降下が見られるようになる。結果を、下記の表2に示す。
【0175】
【表2】
【0176】
データから、ニワトリ(Gallus gallus)由来のGH22ムラミダーゼ、トリコファエア・サッカタ(Trichophaea saccata)由来のGH24ムラミダーゼ、及びA.アルカロフィラム(A.alcalophilum)由来のGH25ムラミダーゼのすべてが、ムラミダーゼ活性を有することが確認される。
【0177】
[実施例6:インビボにおけるブロイラー試験1]
[材料及び方法]
試験は、VICH GL9(GCP,International Cooperation on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Veterinary Medicinal Products,Good Clincal Practice)、2000年6月、2001年7月施行に従って、Poulpharm動物施設(Pontstraat 93、8551 Heestert、ベルギー(Belgium))で実行した。生まれて1日の雄ブロイラー鶏(「ROSS 308」)は、民間ふ化場(Broeierij Vervaeke-Belavi、Oude kapellestraat 65、8700 Tielt Belgim)によって提供された。
【0178】
[動物及び収容場]
到着の日(1日目)に、鶏を、30匹の群に無作為に分けた。各群を、チップが散りばめられた平飼い飼育室に入れ、異なる処置のうちの1つに割り当てた。
【0179】
各処置を、12群で反復した。鶏は、環境制御室に収容した。収容施設は、天井に一定の間隔で置いたTL電球による人工照明によって明るくした。室温及び相対湿度は、鳥の年齢に合わせた。
【0180】
[給餌及び処置]
実験用の餌(スターター及び育成)は、主な成分として、メイズ、コムギ、及びダイズ粉を主成分とした(表3)。餌は、スターター期については209.8g粗タンパク質及び12.2MJ/kg ME並びに育成期については190.9g粗タンパク質及び12.53MJ/kg MEを含有するように配合した。基本の餌は、いかなる抗コクシジウム剤も含有しなかった。
【0181】
【表3】
【0182】
餌は、以下のように補足なしで又はGH25ムラミダーゼ(配列番号1)(活性65,5000LSU(F)/g)を補足して供給した:
【0183】
【表4】
【0184】
[実験パラメーター及び解析]
D1(1日目)からD36(36日目)の研究の終わりまで、健康状態の観察は、少なくとも1日1回、熟練の家畜作業員が行い、記録した。
【0185】
敷料の相対湿度は、D16(16日目)、D23(23日目)、及びD36に水分計を使用して3つの場所で測定した。
【0186】
趾蹠皮膚炎は、the welfare quality assessment protocol for poultry(2009)(http://www.welfarequality.net/network/45848/7/0/40)に基づいて0~2の以下のスコアリングシステムを使用し、すべての鳥について研究の最後の週の間にすべての鳥において決定した。
0:あらゆる小さな表層の病変がない
1:足蹠の実質的な退色、表層の病変、黒みがかった乳頭(papillae)
2:かなりの大きさの潰瘍若しくはひっかき傷(scrab)、出血(haemorraghes)の徴候、又は重度の足蹠の腫脹。
【0187】
足蹠病変の重症度は、飼育室当たりの足蹠スコア(FPS)として表した。このスコアは、以下のとおり算出する:100%*((0.5*スコア1を有する鳥の総数)+(2*スコア2を有する鳥の総数))/スコアをつけた鳥の総数。群れのFPSは、0(すべての鳥が病変を有していない)~200(すべての鳥がスコア2を有する)の範囲にわたる。飼育室のFPSは、線形回帰モデル(Rのコアパッケージの手順lm)を使用して解析した。
【0188】
[結果及び考察]
研究日及び処置ごとの敷料の平均相対湿度を、表5に示す。
【0189】
【表5】
【0190】
D36に、敷料の相対湿度は、ムラミダーゼ処置群において有意に低く、ムラミダーゼlow及びムラミダーゼhighの群において、ネガティブコントロールと比較して、低い傾向があった。結果は、ムラミダーゼが敷料の湿りに対して効果を有することを示す。
【0191】
処置ごとの平均飼育室足蹠病変スコアを表6に示す。
【0192】
【表6】
【0193】
ムラミダーゼ処置群は、ネガティブコントロールと比較して、低いペン足蹠病変スコアを示した。とりわけムラミダーゼhigh群は、最も低い飼育室足蹠病変スコアを示した。
【0194】
[結論]
研究において得られた結果は、微生物ムラミダーゼの含有が、敷料の水分及びブロイラー鶏の趾蹠皮膚炎を低下させるのに有効であることを示した。
【0195】
[実施例7:インビボにおけるブロイラー試験2]
[材料及び方法]
試験は、メキシコシティー(Mexico City)に位置するNational Autonomous University of Mexico(UNAM)のPoultry Research Center(CEIEPAv)で実行した。年間平均温度は、16℃であり、RHは60%である。
【0196】
合計960匹の1日齢雄ブロイラー鶏(Ross 308)を完全無作為化法において使用し、処置は4つ、処置ごとの反復実験8回、及び飼育室ごとの鳥は30匹とした。ブロイラーは、研究の最初から最後まで飼料及び水を自由に摂った。
【0197】
各飼育室に、敷料として新しい消毒した木屑(wood shape)を使用し、ひよこ用の給餌器及び給水器は、初期段階(5日間)で使用し;育成期間の終わりまでは自動給餌器(manual feeder)及びベル型給水器を使用した。初めの暖房は、飼育室ごとに1台の一般的なガス暖房器によって行い、鶏舎の温度及び相対湿度は、デジタルサーモハイドロメーター(thermohydrometer)によって毎日記録した。鶏舎は、石造りで、外側に手動式のカーテンを有する。設備の全般的な管理及び鳥の飼育は、この地域の一貫生産型飼育場(integrated farm)において使用されているものと同じとした。処置は、以下のとおり確立した:
【0198】
【表7】
【0199】
酵素:RONOZYME(登録商標)HiPhos GT a 100ppm(商品名、先買の日に製造されたロット(lot manufactured preemption date))を餌組成物の一部とし、1000FYT/kgで含んだ。実験用の餌のリンレベルは、成分中のフィチン酸塩の濃度に従って調整した。Ca:P比はほぼ1.5:1.0であった。
【0200】
抗コクシジアプログラム:1~21日はナイカルバジン125ppm、22~49日はサリノマイシン60ppmとした。
【0201】
ワクチン接種プログラム:10日齢時に、ニューカッスルワクチン及びニューカッスル/インフルエンザを、点眼及び皮下注入によって同時に投与した。28日齢時の別のニューカッスルワクチンは、水摂取によって投与した。
【0202】
[実験用の餌]
実験用の餌(プレスターター、スターター、育成、及び仕上げ期)は、ソルガム、ダイズ粉、及びDDGSを主成分とした。餌は、下記の表に示される組成に従って調製した:
【0203】
【表8】
【0204】
【表9】
【0205】
【表10】
【0206】
【表11】
【0207】
【表12】
【0208】
飼料貯蔵条件:各フェーズの飼料は、使用の1週間前に仕上げ、室温で保管した。全保存期間の温度をモニターした(摂氏18度)。
【0209】
テスト産物の追加:適切な量のムラミダーゼ(LOW 309g/トン及び433g/トン)を、各処置のプレミックスに追加し、飼料製造を完了した;このプレミックスを表8に従って残りの成分に追加した。
【0210】
[実験の測定及び手順]
趾蹠皮膚炎:判定は、35及び49日齢時に行った(これらの2つの年齢はメキシコ(Mexico)において市場での販売にとって重要である)。各飼育室のすべての鳥は、Welfare Quality(登録商標),2009に基づき、Standard DSM protocolに従って判定した。評価は0~4まで。A-趾蹠皮膚炎の証拠なし(スコア0);B-趾蹠皮膚炎のわずかな証拠(スコア1及び2);C-趾蹠皮膚炎の証拠(スコア3及び4)。
【0211】
排出物の解析:サンプルは、給水及び給餌エリアを避けて、4つの異なる地点で(プールを得るために)、49日の時点で各飼育室から採取した。Animal Nutrition Laboratory FMVZ-UNAMで両方の判定を行った。
1.乾燥材料、全窒素、及び水分-サンプルは、実験室への発送に向けて、それらを収集した直後に凍結させてしまっておいた。
2.アンモニア窒素-サンプルは、実験室への発送に向けて、それらを収集した直後に冷蔵してしまっておいた
【0212】
[結果及び考察]
趾蹠皮膚炎は、ブロイラーの足裏表面に壊死病変を引き起こす状態である(Shepherd and Fairchild,2010)。その上、趾蹠皮膚炎は、足の市場価値を低下させる状態であり、湿った敷料及び高い家畜密度とのその関係により、福祉指標ともみなされる。趾蹠皮膚炎スコアを、表9に示すが、ここで、ネガティブコントロール処置は、35及び49日の判定の時点で有意な(P<0.001)最も高い足蹠スコアを示し、加工処理後、そういうわけで、使用した処置は、趾蹠皮膚炎の発生を低下させるのに有効であった。
【0213】
【表13】
【0214】
さらに、糞便中のアンモニア及び全窒素の解析で得られた結果(表10)は、ムラミダーゼ高レベル処置において、有意な最も低いレベルの全窒素を示した。この研究結果は、同じ処置において観察された最も低い足蹠スコアと関係し、敷料の窒素の低下によって説明することができた(Shepherd and Fairchild,2010)。
【0215】
【表14】
【0216】
[結論]
研究において得られた結果は、微生物ムラミダーゼの含有が、ブロイラー鶏の趾蹠皮膚炎を低下させる並びに敷料のアンモニア態窒素及びpH値を低下させるのに有効であることを示した。
【0217】
本明細書において記載され、主張される本発明は、本明細書において開示される特定の態様によって範囲が限定されることはなく、それは、これらの態様がいくつかの本発明の態様の例証として意図されるからである。任意の等価な態様は、本発明の範囲内にあることが意図される。実際に、本発明の様々な修飾は、本明細書において示され且つ説明されるもの意外にも、前述の説明から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾もまた、添付の請求項の範囲内にあることが意図される。矛盾する場合、定義を含め、本開示に従うものとする。
さらなる実施形態は以下のとおりである。
[実施形態1]
敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含む方法。
[実施形態2]
前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコ、ネコ、イヌ、ウマ、甲殻類の動物、小エビ、中エビ、魚、アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、アミキリ、ボカチコ、ブリーム、カジカ、コロソマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、へダイ、ニベ科の魚、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グラミー、ハタ、グァポテ、ハリバット、ジャワ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、サギ、ボウフィン、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、サンパ、ソーガー、ハタ科の魚、タイ、シャイナー、カワアナゴ科の魚、タイワンドジョウ、フエダイ、アカメ、シタビラメ、スパインフット、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ、並びにホワイトフィッシュからなる群から選択される、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)又はチャワンタケ亜門(subphylum Pezizomycotina)から得られる又は入手可能である、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法。
[実施形態4]
前記微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法。
[実施形態5]
前記微生物ムラミダーゼは:
(a)配列番号1に対して少なくとも50%、たとえば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(b)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号1の変異体;
(c)少なくとも170のアミノ酸、たとえば少なくとも175のアミノ酸、少なくとも177のアミノ酸、少なくとも180のアミノ酸、少なくとも185のアミノ酸、少なくとも190のアミノ酸、少なくとも195のアミノ酸、又は少なくとも200のアミノ酸などを含む、ムラミダーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片;
(d)配列番号4に対して少なくとも50%、たとえば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(e)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号4の変異体;並びに
(f)少なくとも210のアミノ酸、たとえば少なくとも215のアミノ酸、少なくとも220のアミノ酸、少なくとも225のアミノ酸、少なくとも230のアミノ酸、少なくとも235のアミノ酸、又は少なくとも240のアミノ酸などを含む、ムラミダーゼ活性を有する(d)又は(e)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
[実施形態6]
前記微生物ムラミダーゼは、配列番号1のアミノ酸1~213、配列番号4のアミノ酸1~245、及び配列番号10のアミノ酸1~213からなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
[実施形態7]
敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含み、
(a)前記微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む微生物ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加される;
(b)前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される;
(c)任意選択で、前記微生物ムラミダーゼは、前記動物の生存期間の間、少なくとも10日間、毎日、前記動物に供給される、方法。
[実施形態8]
敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための方法であって、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤を動物に投与することを含み、
(a)前記微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)から得られる又は入手可能なGH24又はGH25ムラミダーゼであり、動物用飼料1kg当たり300~500mgの酵素タンパク質のレベルで添加される;
(b)前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコからなる群から選択される;並びに
(c)前記趾蹠皮膚炎は、ネガティブコントロールと比較して、少なくとも1%低下する、方法。
[実施形態9]
敷料の品質を改善する及び/又は単胃動物の趾蹠皮膚炎を低下させるための組成物、動物用飼料、又は動物用飼料添加剤の使用であって、前記組成物、前記動物用飼料、又は前記動物用飼料添加剤は、1つ以上の微生物ムラミダーゼを含む、使用。
[実施形態10]
前記単胃動物は、ブタ、子ブタ、育成ブタ、雌ブタ、家禽、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ホロホロチョウ、ガチョウ、ハト、ひなバト、鶏、ブロイラー、産卵鶏、若めんどり、及びヒヨコ、ネコ、イヌ、ウマ、甲殻類の動物、小エビ、中エビ、魚、アンバージャック、ピラルク、バーブ、バス、アミキリ、ボカチコ、ブリーム、カジカ、コロソマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー、チャー、カワスズメ、スギ、タラ、クラッピー、へダイ、ニベ科の魚、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グラミー、ハタ、グァポテ、ハリバット、ジャワ、ラベオ、ライ、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、サギ、ボウフィン、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、サンパ、ソーガー、ハタ科の魚、タイ、シャイナー、カワアナゴ科の魚、タイワンドジョウ、フエダイ、アカメ、シタビラメ、スパインフット、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ、並びにホワイトフィッシュからなる群から選択される、実施形態9に記載の使用。
[実施形態11]
前記微生物ムラミダーゼは、子嚢菌門(phylum Ascomycota)又はチャワンタケ亜門(subphylum Pezizomycotina)から得られる又は入手可能である、実施形態9~10のいずれか1つに記載の使用。
[実施形態12]
前記微生物ムラミダーゼは、GH24及びGH25からなるリストから選択される1つ以上のドメインを含む、実施形態9~11のいずれか1つに記載の使用。
[実施形態13]
前記微生物ムラミダーゼは:
(a)配列番号1に対して少なくとも50%、たとえば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(b)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号1の変異体;
(c)少なくとも170のアミノ酸、たとえば少なくとも175のアミノ酸、少なくとも177のアミノ酸、少なくとも180のアミノ酸、少なくとも185のアミノ酸、少なくとも190のアミノ酸、少なくとも195のアミノ酸、又は少なくとも200のアミノ酸などを含む、ムラミダーゼ活性を有する(a)又は(b)のポリペプチドの断片;
(d)配列番号4に対して少なくとも50%、たとえば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(e)ムラミダーゼ活性を有し且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50の位置に、1つ以上のアミノ酸置換及び/又は1つ以上のアミノ酸欠失及び/又は1つ以上のアミノ酸挿入又はその任意の組み合わせを有する、配列番号4の変異体;並びに
(f)少なくとも210のアミノ酸、たとえば少なくとも215のアミノ酸、少なくとも220のアミノ酸、少なくとも225のアミノ酸、少なくとも230のアミノ酸、少なくとも235のアミノ酸、又は少なくとも240のアミノ酸などを含む、ムラミダーゼ活性を有する(d)又は(e)のポリペプチドの断片
からなる群から選択される、実施形態9~12のいずれか1つに記載の使用。
[実施形態14]
前記微生物ムラミダーゼは、配列番号1のアミノ酸1~213、配列番号4のアミノ酸1~245、及び配列番号10のアミノ酸1~213からなる群から選択される、実施形態9~13のいずれか1つに記載の使用。
【配列表】
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