(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20240509BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240509BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240509BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
G08G1/16 F
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G08G1/0968
G08G1/16 D
(21)【出願番号】P 2022067146
(22)【出願日】2022-04-14
【審査請求日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2021075155
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】野尻 祥太
(72)【発明者】
【氏名】間根山 しおり
(72)【発明者】
【氏名】和泉 一輝
(72)【発明者】
【氏名】久米 拓弥
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-59389(JP,A)
【文献】特開2019-156266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08G 1/09
G08G 1/0968
B60Q 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの上昇について、その上昇が可能になるよりも前に前記車両の運転者からの承認である事前承認がされているか否かを少なくとも特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルの上昇が可能になる場合に、前記事前承認がされているか否かに応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、エリアを限定して前記運転者の監視義務がない自動運転が許可されるエリア限定自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記事前承認がされている場合には、前記エリア外から前記エリアに前記車両が進入する場合に、前記エリアに前記車両が進入するよりも前に、前記運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記エリアに前記車両が進入し、前記エリア限定自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知に切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項4】
請求項
1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、特定の周辺状況である特定状況に限定して前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される特定状況限定自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記事前承認がされている場合には、前記特定状況の条件の一部が揃った場合に、前記運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記特定状況の条件の全てが揃い、前記特定状況限定自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知に切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項6】
請求項
1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記監視義務なし自動運転についての前記事前承認がされていない場合には、前記監視義務なし自動運転が可能となった状態において前記車両の運転者からの承認がされ、前記監視義務なし自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項7】
請求項
1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記監視義務なし自動運転についての前記事前承認がされていない場合には、前記監視義務なし自動運転が可能となった状態において前記車両の運転者からの承認がされた後、前記監視義務なし自動運転が開始されるよりも前に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項8】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者による操作介入であるオーバーライドによって前記自動化レベルが下降する場合に、下降後の自動化レベルよりも多くの走行支援を前記車両のシステムが行う補助期間を経て前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が前記オーバーライドによるものである場合には、前記補助期間を経て前記自動化レベルが下降してから、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項10】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両のシステムの判断による運転交代によって前記自動化レベルが下降する場合に、前記車両の運転者に前記運転交代を要求する運転交代要求を行ってから前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる前に、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項11】
請求項1
0に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる前に、前記自動化レベルが下降することを事前に知らせる前記車外報知を行わせ、前記自動化レベルが下降した場合に、前記車外報知をその下降後に応じた態様に切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項12】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両のシステムの判断による運転交代によって前記自動化レベルが下降する場合に、前記車両の運転者に前記運転交代を要求する運転交代要求を行ってから前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が非計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる場合、若しくは前記運転交代要求が行われた後に、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
【請求項13】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者によるブレーキ操作によって前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が、瞬時に前記自動化レベルを下降させる種類の要因である場合には、その要因が生じたタイミングで前記車外報知を行わせ、その車外報知を所定時間以上継続させる車両用報知制御装置。
【請求項14】
請求項1
3に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記自動化レベルの下降が生じる要因が、瞬時に前記自動化レベルを下降させる種類の要因である場合には、前記自動化レベルの下降が生じる要因が、前記車両の運転者への計画的な運転交代によるものである場合よりも、前記車外報知を長い時間継続させる車両用報知制御装置。
【請求項15】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定部(104a)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105a)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記状態特定部で特定する前記監視義務なし自動運転での走行継続時間が、前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を超える場合に、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御装置。
【請求項16】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定部(104b)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105b)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御装置。
【請求項17】
請求項1
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転中の車線変更後の前記車両の周辺状況も特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したこと、及びその車線変更完了後の前記車両の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定した場合には、前記車外報知を再度行わせる一方、前記状態特定部で、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを特定したが、その車線変更完了後の前記車両の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定しなかった場合には、再度の前記車外報知を行わせない車両用報知制御装置。
【請求項18】
請求項1
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、前記状態特定部で特定した場合に、その車線変更の実施中から再度の前記車外報知を開始させ、その車線変更の完了時にその車外報知を終了させるか、若しくはその車線変更の完了時から一定時間経過してからその車外報知を終了させる車両用報知制御装置。
【請求項19】
請求項1
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、前記状態特定部で特定した場合に、その車線変更の開始前から再度の前記車外報知を開始させる車両用報知制御装置。
【請求項20】
請求項1
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者が周辺監視を実施しているか否かを特定する監視特定部(106)を備え、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、前記状態特定部で特定した場合において、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していると特定したか前記運転者が周辺監視を実施していないと特定したかに応じて、前記車外報知の態様を異ならせる車両用報知制御装置。
【請求項21】
請求項2
0に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、前記状態特定部で特定した場合において、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していると特定した場合には前記車外報知を行わせない一方、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していないと特定した場合には、前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項22】
請求項1
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置(191b)は、前記車両の側部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって前記車外報知を行うものであり、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している途中においてその車線変更を中断して待機している待機状態であることを、前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の側部に設けられる前記車外報知装置から、前記待機状態であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項23】
請求項2
2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置は、前記車両の左右両方の側部に少なくとも設けられるものであり、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している途中においてその車線変更を中断して待機している待機状態であることを、前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の左右両方の側部に設けられる前記車外報知装置のうちの、前記車線変更を行わせる側に設けられる前記車外報知装置のみから、前記待機状態であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項24】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定部(104c)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の周辺状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105c)は、前記自動運転中の前記車両と前記車両の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項25】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記車外報知装置(191d)は、前記車両の前部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって前記車外報知を行うものであり、
前記状態特定部(104d)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の追従状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105d)は、前記自動運転中の前記車両が先行車両への追従を開始した状況を前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の前部に設けられる前記車外報知装置から前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項26】
請求項2
5に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置は、少なくとも発光によって前記車外報知を行うものであり、
前記車外報知制御部は、前記車両の車速の調整中は、点滅によって前記車外報知を行わせる一方、前記車両が定速で走行中は、点灯によって前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項27】
請求項1~2
6のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備える車両用報知制御装置。
【請求項28】
請求項2
7に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記状態特定部(104b)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105b)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせ、
前記車内報知制御部(102b)は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車両の自動化レベルを示す前記車内報知は行わせずに、前記車線変更の実施状況を示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項29】
請求項2
7に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって前記車外報知を行うものであり、
前記車内報知装置(181)は、少なくとも前記車両を示す画像を表示するものであり、
前記車内報知制御部は、前記車内報知装置で表示する前記車両を示す画像のうちの、前記車外報知装置で前記車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項30】
請求項2
7に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部(104e)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部(102e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項31】
請求項3
0に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知制御部での前記車外報知を、前記車内報知制御部での前記車内報知よりも後に開始させ、前記車外報知制御部での前記車外報知の終了と前記車内報知制御部での前記車内報知の終了とは同じタイミングとさせる車両用報知制御装置。
【請求項32】
請求項3
0に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車内報知を行わせ、
前記車外報知制御部での一時停止中であることを示す前記車外報知と前記車内報知制御部での一時停止中であることを示す前記車内報知とは同じタイミングで開始させる車両用報知制御装置。
【請求項33】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備える車両用報知制御装置。
【請求項34】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、
前記状態特定部(104b)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105b)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせ、
前記車内報知制御部(102b)は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車両の自動化レベルを示す前記車内報知は行わせずに、前記車線変更の実施状況を示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項35】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、
前記車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって前記車外報知を行うものであり、
前記車内報知装置(181)は、少なくとも前記車両を示す画像を表示するものであり、
前記車内報知制御部は、前記車内報知装置で表示する前記車両を示す画像のうちの、前記車外報知装置で前記車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項36】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、
前記状態特定部(104e)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部(102e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項37】
請求項3
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知制御部での前記車外報知を、前記車内報知制御部での前記車内報知よりも後に開始させ、前記車外報知制御部での前記車外報知の終了と前記車内報知制御部での前記車内報知の終了とは同じタイミングとさせる車両用報知制御装置。
【請求項38】
請求項3
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車内報知を行わせ、
前記車外報知制御部での一時停止中であることを示す前記車外報知と前記車内報知制御部での一時停止中であることを示す前記車内報知とは同じタイミングで開始させる車両用報知制御装置。
【請求項39】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの上昇について、その上昇が可能になるよりも前に前記車両の運転者からの承認である事前承認がされているか否かを少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルの上昇が可能になる場合に、前記事前承認がされているか否かに応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御方法。
【請求項40】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御方法。
【請求項41】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定工程で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記状態特定工程で特定する前記監視義務なし自動運転での走行継続時間が、前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を超える場合に、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御方法。
【請求項42】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定工程で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定工程で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御方法。
【請求項43】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の周辺状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記自動運転中の前記車両と前記車両の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を前記状態特定工程で特定した場合に、前記車外報知を行わせる車両用報知制御方法。
【請求項44】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させ
、
前記車外報知装置(191d)は、前記車両の前部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって前記車外報知を行うものであり、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の追従状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記自動運転中の前記車両が先行車両への追従を開始した状況を前記状態特定工程で特定した場合に、前記車両の前部に設けられる前記車外報知装置から前記車外報知を行わせる車両用報知制御方法。
【請求項45】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含む車両用報知制御方法。
【請求項46】
車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定工程で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定工程で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせ、
前記車内報知制御工程では、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定工程で特定したことをもとに、前記車両の自動化レベルを示す前記車内報知は行わせずに、前記車線変更の実施状況を示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御方法。
【請求項47】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、
前記車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって前記車外報知を行うものであり、
前記車内報知装置(181)は、少なくとも前記車両を示す画像を表示するものであり、
前記車内報知制御工程では、前記車内報知装置で表示する前記車両を示す画像のうちの、前記車外報知装置で前記車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで前記車内報知を行わせる車両用報知制御方法。
【請求項48】
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる
ものであり、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、
前記状態特定工程では、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御工程では、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定工程で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御工程では、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定工程で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車の自動運転時に、自車のルーフに取り付けられる表示装置によって「自動運転中」を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転は、自動化レベルによっては、システムの制御も運転者の行動も異なっている。これに対して、特許文献1では、自車の自動運転中に、「自動運転中」であることを車外に報知することしか考慮していない。よって、特許文献1に開示の技術では、自動運転に関する車両の状態に応じて、自車の周囲にとって、より好ましい車外報知を行わせることが難しかった。
【0005】
この開示のひとつの目的は、車両が自動運転を行う場合に、自動運転に関する車両の状態に応じて、自動運転に関する情報の車外への報知を、その車両の周囲にとってより好ましい態様で行わせることを可能にする車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定部は、自動運転関連状態として、自動化レベルの上昇について、その上昇が可能になるよりも前に車両の運転者からの承認である事前承認がされているか否かを少なくとも特定し、車外報知制御部は、状態特定部で特定する自動運転関連状態を用いて、自動化レベルの上昇が可能になる場合に、事前承認がされているか否かに応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定部は、自動運転関連状態として、自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因を少なくとも特定し、車外報知制御部は、状態特定部で特定する自動運転関連状態を用いて、自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。
上記目的を達成するために、本開示の第3の車両用報知制御装置は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定部(104a)は、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定し、車外報知制御部(105a)は、監視義務なし自動運転の開始を状態特定部で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、状態特定部で特定する監視義務なし自動運転での走行継続時間が、第1所定時間よりも長い第2所定時間を超える場合に、車外報知を再度行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第4の車両用報知制御装置は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定部(104b)は、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、車外報知制御部(105b)は、監視義務なし自動運転の開始を状態特定部で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部で特定したことをもとに、車外報知を再度行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第5の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定部(104c)は、自動運転関連状態として、自動運転中の車両の周辺状況を少なくとも特定し、車外報知制御部(105c)は、自動運転中の車両と車両の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を状態特定部で特定した場合に、車外報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第6の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、車外報知装置(191d)は、車両の前部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって車外報知を行うものであり、状態特定部(104d)は、自動運転関連状態として、自動運転中の車両の追従状況を少なくとも特定し、車外報知制御部(105d)は、自動運転中の車両が先行車両への追従を開始した状況を状態特定部で特定した場合に、車両の前部に設けられる車外報知装置から車外報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第7の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備える。
上記目的を達成するために、本開示の第8の車両用報知制御装置は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、状態特定部(104b)は、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、車外報知制御部(105b)は、監視義務なし自動運転の開始を状態特定部で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部で特定したことをもとに、車外報知を再度行わせ、車内報知制御部(102b)は、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部で特定したことをもとに、車両の自動化レベルを示す車内報知は行わせずに、車線変更の実施状況を示す車内報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第9の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって車外報知を行うものであり、車内報知装置(181)は、少なくとも車両を示す画像を表示するものであり、車内報知制御部は、車内報知装置で表示する車両を示す画像のうちの、車外報知装置で車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで車内報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第10の車両用報知制御装置は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、車外報知制御部は、状態特定部で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備え、状態特定部(104e)は、自動運転関連状態として、自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、車外報知制御部(105e)は、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す車外報知を行わせ、車内報知制御部(102e)は、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す車内報知を行わせる。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定工程では、自動運転関連状態として、自動化レベルの上昇について、その上昇が可能になるよりも前に車両の運転者からの承認である事前承認がされているか否かを少なくとも特定し、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定する自動運転関連状態を用いて、自動化レベルの上昇が可能になる場合に、事前承認がされているか否かに応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定工程では、自動運転関連状態として、自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定する自動運転関連状態を用いて、自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。
上記目的を達成するために、本開示の第3の車両用報知制御方法は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定工程では、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、監視義務なし自動運転の開始を状態特定工程で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、状態特定工程で特定する監視義務なし自動運転での走行継続時間が、第1所定時間よりも長い第2所定時間を超える場合に、車外報知を再度行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第4の車両用報知制御方法は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定工程では、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、監視義務なし自動運転の開始を状態特定工程で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定工程で特定したことをもとに、車外報知を再度行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第5の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、状態特定工程では、自動運転関連状態として、自動運転中の車両の周辺状況を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、自動運転中の車両と車両の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を状態特定工程で特定した場合に、車外報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第6の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させ、車外報知装置(191d)は、車両の前部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって車外報知を行うものであり、状態特定工程では、自動運転関連状態として、自動運転中の車両の追従状況を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、自動運転中の車両が先行車両への追従を開始した状況を状態特定工程で特定した場合に、車両の前部に設けられる車外報知装置から車外報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第7の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含む。
上記目的を達成するために、本開示の第8の車両用報知制御方法は、車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、状態特定工程では、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、監視義務なし自動運転の開始を状態特定工程で特定した場合に、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定工程で特定したことをもとに、車外報知を再度行わせ、車内報知制御工程では、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定工程で特定したことをもとに、車両の自動化レベルを示す車内報知は行わせずに、車線変更の実施状況を示す車内報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第9の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって車外報知を行うものであり、車内報知装置(181)は、少なくとも車両を示す画像を表示するものであり、車内報知制御工程では、車内報知装置で表示する車両を示す画像のうちの、車外報知装置で車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで車内報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第10の車両用報知制御方法は、自動運転が可能であるとともに、自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、自動運転に関する車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、車両の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、車外報知制御工程では、状態特定工程で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させるものであり、車両の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御工程を含み、状態特定工程では、自動運転関連状態として、自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、車外報知制御工程では、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定工程で特定した場合に、一時停止予定であることを示す車外報知を行わせ、車内報知制御工程では、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定工程で特定した場合に、一時停止予定であることを示す車内報知を行わせる。
【0009】
これらによれば、自動運転に関する車両の状態に応じて、車両の車外に向けた自動運転に関する情報の報知である車外報知を行わせるタイミングを変化させることが可能になる。よって、自動運転に関する車両の状態に応じた、車両の周囲にとってより好ましいタイミングで車外報知を行わせることが可能になる。その結果、車両が自動運転を行う場合に、自動運転に関する車両の状態に応じて、自動運転に関する情報の車外への報知を、その車両の周囲にとってより好ましい態様で行わせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】車外表示器191の設け方の一例を説明するための図である。
【
図3】車外表示器191の設け方の一例を説明するための図である。
【
図4】HCU10の概略的な構成に一例を示す図である。
【
図5】表示器181に表示される前景画像の一例を説明するための図である。
【
図7】前景画像中において車内報知を行わせる場合の例を示す図である。
【
図8】前景画像中において車内報知を行わせる場合の例を示す図である。
【
図9】エリア限定LV3への上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされている場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図10】渋滞限定LV3への上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされている場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図11】LV3への自動化レベルの上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされない場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図12】LV3への自動化レベルの上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされない場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図13】オーバーライドが要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図14】計画的な運転交代が要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図15】非計画的な運転交代が要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例を説明するための図である。
【
図16】急解除要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図17】自動化レベルの下降が生じる要因に応じて、車外報知の継続時間を異ならせる一例を説明するための図である。
【
図18】HCU10aの概略的な構成に一例を示す図である。
【
図19】車外報知の再報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図20】車両用システム1bの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図21】HCU10bの概略的な構成に一例を示す図である。
【
図22】監視義務なし自動運転中における車線変更完了後の自車の周辺状況に応じた車外報知の一例について説明するための図である。
【
図23】監視義務なし自動運転中における車線変更時の車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図24】監視義務なし自動運転中における車線変更時の車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図25】監視義務なし自動運転中における車線変更時の車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図26】運転者の周辺監視の有無に応じて車外報知を変化させる一例について説明するための図である。
【
図27】車線変更の状況に応じて車外報知を変化させる一例について説明するための図である。
【
図28】車線変更の実施状況を示す車内報知の一例について説明するための図である。
【
図29】HCU10cの概略的な構成に一例を示す図である。
【
図30】自車の周辺状況に応じた車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図31】車両用システム1dの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図32】HCU10dの概略的な構成に一例を示す図である。
【
図33】自車の追従状況に応じた車外報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図34】先行車への追従時に車外報知を実施している場合に車外報知を変化させる一例について説明するための図である。
【
図35】HCU10eの概略的な構成に一例を示す図である。
【
図36】自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になる場合の、一時停止予定車外報知及び一時停止予定車内報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【
図37】自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止した場合の、一時停止車外報知及び一時停止車内報知のタイミングの一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
【0012】
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。
図1に示す車両用システム1は、自動運転が可能な車両(以下、自動運転車両)で用いることが可能なものである。車両用システム1は、
図1に示すように、HCU(Human Machine Interface Control Unit)10、通信モジュール11、ロケータ12、地図データベース(以下、地
図DB)13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17、車内提示装置18、車外報知装置19、及びユーザ入力装置20を含んでいる。例えば、HCU10、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、及び自動運転ECU17は車内LAN(
図1のLAN参照)と接続される構成とすればよい。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0013】
自動運転車両の自動運転の度合い(以下、自動化レベル)としては、例えばSAEが定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のようにLV0~5に区分される。
【0014】
LV0は、車両側のシステムが介入せずに運転者が全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクは動的運転タスクと言い換えてもよい。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。LV0は、いわゆる手動運転に相当する。LV1は、システムが操舵と加減速とのいずれかを支援するレベルである。LV1は、いわゆる運転支援に相当する。LV2は、システムが操舵と加減速とのいずれをも支援するレベルである。LV2は、いわゆる部分運転自動化に相当する。LV1~2も自動運転の一部であるものとする。
【0015】
例えば、LV1~2の自動運転は、安全運転に係る監視義務(以下、単に監視義務)が運転者にある自動運転とする。監視義務としては、目視による周辺監視がある。LV1~2の自動運転は、セカンドタスクが許可されない自動運転と言い換えることができる。セカンドタスクとは、運転者に対して許可される運転以外の行為であって、予め規定された特定行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ,アザーアクティビティ等と言い換えることもできる。セカンドタスクは、自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。一例として、動画等のコンテンツの視聴,スマートフォン等の操作,読書,食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
【0016】
LV3の自動運転は、特定の条件下ではシステムが全ての運転タスクを実施可能であり、緊急時に運転者が運転操作を行うレベルである。LV3の自動運転では、システムから運転交代の要求があった場合に、運転手が迅速に対応可能であることが求められる。この運転交代は、車両側のシステムから運転者への監視義務の移譲と言い換えることもできる。LV3は、いわゆる条件付運転自動化に相当する。LV3としては、特定エリアに限定されるエリア限定LV3がある。ここで言うところの特定エリアは、自動車専用道路,高速道路とすればよい。特定エリアは、例えば特定の車線であってもよい。LV3としては、特定の周辺状況である特定周辺状況下に限定される特定状況限定LV3がある。特定周辺状況の一例として、渋滞が挙げられる。以下では、特定状況限定LV3として、渋滞時に限定される渋滞限定LV3を例に挙げて説明を行う。渋滞限定LV3は、例えば自動車専用道路,高速道路での渋滞時に限定される構成とすればよい。
【0017】
LV4の自動運転は、対応不可能な道路,極限環境等の一部状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV4は、いわゆる高度運転自動化に相当する。LV5の自動運転は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV5は、いわゆる完全運転自動化に相当する。
【0018】
例えば、LV3~5の自動運転は、監視義務が運転者にない自動運転とする。つまり、監視義務なし自動運転に相当する。LV3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。LV3~5の自動運転のうち、LV4以上の自動運転が、運転者の睡眠が許可される自動運転(以下、睡眠可能自動運転)とする。LV3~5の自動運転のうち、LV3の自動運転が、運転者の睡眠が許可されない自動運転(以下、睡眠不可能自動運転)とする。
【0019】
本施形態の自動運転車両は、自動化レベルが切り替え可能であるものとする。自動化レベルは、LV0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。本実施形態では、自動運転車両が、LV3の自動運転と、LV2以下の自動運転と、LV0の手動運転とを切り替え可能な場合を例に挙げて説明する。
【0020】
通信モジュール11は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、広域通信を行う。通信モジュール11は、センタから自車周辺の渋滞情報等を広域通信で受信する。通信モジュール11は、他車との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、車車間通信を行ってもよい。通信モジュール11は、路側に設置された路側機との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、路車間通信を行ってもよい。路車間通信を行う場合、通信モジュール11は、路側機を介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。また、通信モジュール11は、センタを介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を広域通信で受信してもよい。
【0021】
ロケータ12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ12は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、ロケータ12を搭載した自車の車両位置(以下、自車位置)を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとする。なお、自車位置の測位には、車両に搭載された車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離も用いる構成としてもよい。
【0022】
地
図DB13は、不揮発性メモリであって、高精度地図データを格納している。高精度地図データは、ナビゲーション機能での経路案内に用いられる地図データよりも高精度な地図データである。地
図DB13には、経路案内に用いられる地図データも格納していてもよい。高精度地図データには、例えば道路の三次元形状情報,車線数情報,各車線に許容された進行方向を示す情報等の自動運転に利用可能な情報が含まれている。他にも、高精度地図データには、例えば区画線等の路面標示について、両端の位置を示すノード点の情報が含まれていてもよい。なお、ロケータ12は、道路の三次元形状情報を用いることで、GNSS受信機を用いない構成としてもよい。例えば、ロケータ12は、道路の三次元形状情報と、道路形状及び構造物の特徴点の点群を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)若しくは周辺監視カメラ等の周辺監視センサ15での検出結果とを用いて、自車位置を特定する構成としてもよい。道路の三次元形状情報は、REM(Road Experience Management)によって撮像画像をもとに生成されたものであってもよい。
【0023】
なお、通信モジュール11は、外部サーバから配信される地図データを例えば広域通信で受信し、地
図DB13に格納してもよい。この場合、地
図DB13を揮発性メモリとし、通信モジュール11が自車位置に応じた領域の地図データを逐次取得する構成としてもよい。
【0024】
車両状態センサ14は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ14としては、車速を検出する車速センサ,操舵角を検出する操舵センサ等がある。車両状態センサ14としては、ステアリングトルクセンサ,アクセルセンサ,ブレーキセンサ等がある。ステアリングトルクセンサは、ステアリングホイールに印加される操舵トルクを検出する。アクセルセンサは、アクセルペダルの踏み込みの有無を検出する。アクセルセンサとしては、アクセルペダルに加わる踏力を検出するアクセル踏力センサを用いればよい。アクセルセンサとしては、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサを用いてよい。アクセルセンサとしては、アクセルペダルの踏み込み操作の有無に応じた信号を出力するアクセルスイッチを用いてもよい。ブレーキセンサは、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検出する。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルに加わる踏力を検出するブレーキ踏力センサを用いればよい。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキストロークセンサを用いてよい。ブレーキセンサとしては、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無に応じた信号を出力するブレーキスイッチを用いてもよい。車両状態センサ14は、検出したセンシング情報を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ14で検出したセンシング情報は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
【0025】
周辺監視センサ15は、自車の周辺環境を監視する。一例として、周辺監視センサ15は、歩行者,他車等の移動物体、及び路上の落下物等の静止物体といった自車周辺の障害物を検出する。他にも、自車周辺の走行区画線等の路面標示を検出する。周辺監視センサ15は、例えば、自車周辺の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周辺の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、ソナー、LIDAR等のセンサである。周辺監視カメラは、逐次撮像する撮像画像をセンシング情報として自動運転ECU17へ逐次出力する。ソナー、ミリ波レーダ、LIDAR等の探査波を送信するセンサは、障害物によって反射された反射波を受信した場合に得られる受信信号に基づく走査結果をセンシング情報として自動運転ECU17へ逐次出力する。周辺監視センサ15で検出したセンシング情報は、自動運転ECU17を介して車内LANへ出力される構成とすればよい。
【0026】
車両制御ECU16は、自車の走行制御を行う電子制御装置である。走行制御としては、加減速制御及び/又は操舵制御が挙げられる。車両制御ECU16としては、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等がある。車両制御ECU16は、自車に搭載された電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力することで走行制御を行う。
【0027】
自動運転ECU17は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで自動運転に関する処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。自動運転ECU17は、機能ブロックとして、走行環境認識部、行動判断部、及び制御実行部を備える。
【0028】
走行環境認識部は、周辺監視センサ15から取得するセンシング情報に基づき、自車の周囲の走行環境を認識する。走行環境認識部は、周辺監視センサ15から取得するセンシング情報の他に、ロケータ12から取得する自車位置及び地
図DB13から取得する地図データ等に基づき、自車の周囲の走行環境を認識してもよい。一例として、走行環境認識部は、これらの情報を用いて、実際の走行環境を再現した仮想空間を生成する。
【0029】
走行環境認識部は、自車の走行地域における手動運転エリア(以下、MDエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部は、自車の走行地域における自動運転エリア(以下、ADエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部は、ADエリアにおける後述のST区間と非ST区間との判別も行えばよい。
【0030】
MDエリアは、自動運転が禁止されるエリアである。言い換えると、MDエリアは、自車の縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視の全てを運転者が実行すると規定されたエリアである。縦方向とは、自車の前後方向と一致する方向である。横方向とは、自車の幅方向と一致する方向である。縦方向制御は、自車の加減速制御にあたる。横方向制御は、自車の操舵制御にあたる。例えば、MDエリアは、一般道路とすればよい。
【0031】
ADエリアは、自動運転が許可されるエリアである。言い換えると、ADエリアは、縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視のうちの1つ以上を、自車が代替すること可能と規定されたエリアである。例えば、ADエリアは、高速道路,自動車専用道路とすればよい。渋滞限定LV3の自動運転(以下、渋滞限定自動運転)は、例えばADエリアにおける渋滞時にのみ許可される構成とすればよい。
【0032】
ADエリアは、ST区間と非ST区間とに区分される。ST区間とは、エリア限定LV3の自動運転(以下、エリア限定自動運転)が許可される区間である。エリア限定自動運転は、ST区間のうちの特定の車線でのみ許可される構成としてもよい。非ST区間とは、LV2以下の自動運転が可能な区間である。本実施形態では、LV1の自動運転が許可される非ST区間と、LV2の自動運転が許可される非ST区間とを分けて区分しないものとする。ST区間は、例えば高精度地図データが整備された走行区間とすればよい。非ST区間は、ADエリアのうちのST区間に該当しない区間とすればよい。
【0033】
行動判断部は、運転者と自車のシステムとの間で運転操作の制御主体を切り替える。行動判断部は、運転操作の制御権がシステム側にある場合、走行環境認識部による走行環境の認識結果に基づき、自車を走行させる走行プランを決定する。走行プランとしては、目的地までの経路,目的地に到着するために自車が取るべき振る舞いを決定すればよい。振る舞いの一例としては、直進、右折、左折、車線変更等がある。制御実行部は、運転操作の制御権が自車のシステム側にある場合、車両制御ECU16との連携により、行動判断部にて決定された走行プランに従って、自車の加減速制御及び操舵制御等の走行制御を実行する。
【0034】
また、行動判断部は、必要に応じて自車の自動運転の自動化レベルを切り替える。行動判断部は、自動化レベルの上昇が可能か否かを判断する。例えば、自車がMDエリアからADエリアのうちの非ST区間に移る場合には、手動運転からLV2以下の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がMDエリアからADエリアのうちのST区間に移る場合には、LV0の手動運転からエリア限定LV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアのうちの非ST区間からST区間に移る場合には、LV2以下の自動運転からLV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアに位置し、且つ、自動化レベルがLV2以下の状態で、渋滞限定LV3の条件が全て揃った場合には、LV2以下の自動運転から渋滞限定LV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。
【0035】
行動判断部は、自動化レベルの上昇が可能と判断した場合であって、自動化レベルの上昇について運転者から承認された場合に、自動化レベルを上昇させればよい。承認されたことは、ユーザ入力装置20を介してHCU10で受け付けた承認をもとに特定すればよい。承認には自動化レベルの上昇が可能と判断する前に予め行われている事前承認と、自動化レベルの上昇が可能と判断された場合に行われる通常承認とがある。事前承認は、予めユーザ入力装置20で設定入力を受け付けることで行われるものとすればよい。通常承認は、例えば自動化レベルの上昇が可能と判断された場合であって、且つ、事前承認がされていない場合に、ユーザ入力装置20で入力を受け付けることで行われるものとすればよい。なお、事前承認は、所定以上の自動化レベルへの上昇時にのみ可能としてもよい。例えば、LV3以上の自動化レベルへの上昇時にのみ可能とすればよい。
【0036】
行動判断部は、自動化レベルの下降が必要と判断した場合に、自動化レベルを下降させればよい。自動化レベルの下降が必要と判断する場合としては、オーバーライド検出時、計画的な運転交代時、及び非計画的な運転交代時が挙げられる。オーバーライドとは、自車の運転者が自発的に自車の制御権を取得するための操作である。言い換えると、オーバーライドは、車両の運転者による操作介入である。行動判断部は、車両状態センサ14から得られるセンシング情報からオーバーライドを検出すればよい。例えば、行動判断部は、ステアリングトルクセンサで検出する操舵トルクが閾値を超える場合に、オーバーライドを検出すればよい。行動判断部は、アクセルセンサでアクセルペダルの踏み込みを検出した場合に、オーバーライドを検出してもよい。他にも、行動判断部は、ブレーキセンサでブレーキペダルの踏み込みを検出した場合に、オーバーライドを検出してもよい。
【0037】
計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定された運転交代である。例えば、計画的な運転交代は、自車がADエリアのうちのST区間から非ST区間若しくはMDエリアに移る場合に行われる。この場合、自動化レベルは、エリア限定LV3からLV2以下に下降する。計画的な運転交代は、自車がADエリアのうちの非ST区間からMDエリアに移る場合に行われてもよい。この場合、自動化レベルは、エリア限定LV3からLV0に下降する。非計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定されない突発的な運転交代である。例えば、非計画的な運転交代は、渋滞限定LV3の自動運転中に、渋滞限定LV3の条件を満たさなくなった場合に行われる。この場合、自動化レベルは、渋滞限定LV3からLV2以下に下降する。渋滞限定LV3の条件としては、複数種類の条件とすればよい。条件の一例は、ADエリア内であること,先行車若しくは自車の車速が渋滞と推定される閾値以下であること,渋滞情報での渋滞区間であること等とすればよい。非計画的な運転交代は、走行環境認識部での走行環境の認識の不具合により自動化レベルが維持できなくなった場合に行われてもよい。
【0038】
自動運転ECU17は、オーバーライドによって自動化レベルが下降する場合に、下降後の自動化レベルよりも多くの走行支援を自車のシステムが行う補助期間を経て自動化レベルを下降させるものとする。補助期間での走行支援は、例えば下降前の自動化レベルよりも少ないが、下降後の自動化レベルよりも多いものとすればよい。また、自動運転ECU17は、自車のシステムの判断による運転交代によって自動化レベルが下降する場合に、自車の運転者に運転交代を要求する運転交代要求を行ってから自動化レベルを下降させるものとする。運転交代要求は、後述する車内提示装置18によって、運転者に向けて提示される。運転者は、運転交代要求を受けた場合に、ステアリングホイールを把持する等の、自動化レベルの下降に必要な準備行動をとる。自動運転ECU17は、この準備行動がとられたことを確認してから、自動化レベルを下降させる。なお、この準備行動がとられなかった場合には、路肩に退避して停車させる等の措置をとらせればよい。
【0039】
車内提示装置18は、自車の車室内に向けて情報を提示する。車内提示装置18は、表示器181及び音声出力装置182を有する。表示器181は、情報を表示することで情報提示を行う。表示器181は、HCU10の指示に従って情報提示を行う。表示器181としては、例えばメータMID(Multi Information Display),CID(Center Information Display),HUD(Head-Up Display)を用いることができる。
【0040】
メータMIDは、車室内のうちの運転席の正面に設けられる表示装置である。一例として、メータMIDは、メータパネルに設けられる構成とすればよい。CIDは、自車のインスツルメントパネルの中央に配置される表示装置である。HUDは、車室内のうちの例えばインスツルメントパネルに設けられる。HUDは、プロジェクタによって形成される表示像を、投影部材としてのフロントウインドシールドに既定された投影領域に投影する。フロントウインドシールドによって車室内側に反射された画像の光は、運転席に着座する運転者によって知覚される。これにより、運転者は、フロントウインドシールドの前方にて結像される表示像の虚像を、前景の一部と重ねて視認可能となる。HUDは、フロントウインドシールドの代わりに、運転席の正面に設けられるコンバイナに表示像を投影する構成としてもよい。
【0041】
音声出力装置182は、音声を出力することで情報提示を行う。音声出力装置182としては、自車の車室内に設けられたスピーカ等が挙げられる。
【0042】
車外報知装置19は、自車の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う。車外報知装置19は、車外表示器191及び音声出力装置192を有する。車外表示器191は、自車の車外に設けられ、車外に向けて表示を行う。車外表示器191は、ランプの発光によって表示を行うものとすればよい。以下では、車外表示器191がランプである場合を例に挙げて説明を行う。なお、車外表示器191は、テキスト,画像等を表示するディスプレイであってもよい。
【0043】
車外表示器191としては、例えばLEDランプを用いればよい。車外表示器191は、種々の報知の態様の変化が可能となっていることが好ましい。報知の態様とは、発光によって報知を行う場合は発光の態様にあたる。例えば、車外表示器191は、点灯と消灯との切り替え以外に、点灯色が切り替え可能であることが好ましい。点灯色の切り替えは、複数色のLEDの点灯の組み合わせを変化させることで実現すればよい。車外表示器191は、点滅が可能であることが好ましい。車外表示器191は、点滅の周期を切り替え可能であることが好ましい。車外表示器191は、点灯時間と消灯時間との割合が切り替え可能であることが好ましい。
【0044】
車外表示器191としてのLEDランプは、
図2に示すように、自車の四隅のコーナー部分に設けられることが好ましい。これは、自車の周囲のいずれの方向からも車外表示器191が確認しやすいためである。車外表示器191は、例えばフロントバンパの左右のコーナー部と、リアバンパの左右のコーナー部とにそれぞれ設けられる構成とすればよい。
図2のHVが自車を示す。
【0045】
なお、車外表示器191としてのLEDランプは、
図3に示すように、車両後部の車幅方向中央部付近に1つ設けられる構成としてもよい。これよれば、少なくとも、自車の挙動によって影響を最も受けやすい自車の後続車から車外表示器191が確認しやすくすることが可能になる。
【0046】
音声出力装置192は、音声を出力することで情報提示を行う。音声出力装置192としては、自車の車室外に設けられたスピーカ等が挙げられる。
【0047】
ユーザ入力装置20は、ユーザからの入力を受け付ける。ユーザ入力装置20は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作デバイスとすればよい。操作デバイスとしては、メカニカルなスイッチであってもよいし、表示器181と一体となったタッチスイッチであってもよい。なお、ユーザ入力装置20は、ユーザからの入力を受け付ける装置であれば、操作入力を受け付ける操作デバイスに限らない。例えば、ユーザからの音声によるコマンドの入力を受け付ける音声入力装置であってもよい。
【0048】
HCU10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成される。HCU10は、車内提示装置18及び車外報知装置19に接続されている。HCU10は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、車内提示装置18及び車外報知装置19の制御に関する処理を実行する。このHCU10が車両用報知制御装置に相当する。なお、HCU10の構成については以下で詳述する。また、コンピュータによってHCU10の各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0049】
<HCU10の概略構成>
続いて、
図4を用いてHCU10の概略構成についての説明を行う。HCU10は、車内提示装置18及び車外報知装置19の制御に関して、
図4に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102、承認受け付け部103、状態特定部104、及び車外報知制御部105を機能ブロックとして備える。なお、HCU10が実行する機能の一部又は全部を、1つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、HCU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
【0050】
情報取得部101は、HCU10の外部から入力される情報を取得する。情報取得部101は、例えば自動運転ECU17の走行環境認識部での認識結果を取得する。情報取得部101は、自動運転ECU17の行動判断部での判断結果を取得する。情報取得部101は、車両状態センサ14で検出したセンシング情報を取得する。
【0051】
車内提示制御部102は、車内提示装置18を制御する。車内提示制御部102は、自車の前景を示す画像(以下、前景画像)を表示器181に表示させる。車内提示制御部102は、情報取得部101で取得する走行環境認識部での認識結果を用いて、前景画像を表示器181に表示させればよい。例えば、前景画像は、自車よりも上方の仮想視点から見た俯瞰図とすればよい。
【0052】
ここで、前景画像の一例について、
図5を用いて説明を行う。
図5のScが表示器181の表示画面を示す。
図5のHVIが自車を表す画像(以下、自車画像)を示す。
図5のOVIが自車の周辺車両を表す画像(以下、周辺車両画像)を示す。
図5のPLIが車線の区画線を表す画像(以下、区画線画像)を示す。
図5のVIが自車の車速を表す画像(以下、自車速画像)を示す。前景画像では、
図5に示すように、自車画像,周辺車両画像,区画線画像,自車速画像を表示させればよい。前景画像では、実際の自車と周辺車両との位置関係を模した自車画像と周辺車両画像とを表示させればよい。
【0053】
承認受け付け部103は、運転者からの自動化レベルの上昇についての承認を、ユーザ入力装置20を介して受け付ける。前述したように、この承認には、事前承認と通常承認とがある。事前承認については、例えば自車の走行開始前に行われる構成とすればよい。事前承認については、特定の自動化レベル間の上昇に限定して承認することも可能とすればよい。通常承認については、自動化レベルの上昇が可能となる際に、例えば車内提示装置18で承認の可否を問い合わせ、運転者による承認の可否の入力を促す構成とすればよい。そして、承認が可能である旨の入力が行われた場合に、通常承認が行われたものとして受け付ければよい。承認受け付け部103は、承認を受け付けた場合に、承認を受け付けたことを自動運転ECU17に伝えればよい。自動運転ECU17は、承認を受け付けたことをもとに、自動化レベルの上昇を実施する。
【0054】
状態特定部104は、自動運転に関する自車の状態(以下、自動運転関連状態)を特定する。この状態特定部104での処理が状態特定工程に相当する。状態特定部104は、情報取得部101で取得した走行環境認識部での認識結果,行動判断部での判断結果等の情報をもとに、自動運転関連状態を特定すればよい。
【0055】
状態特定部104は、自動運転関連状態として、自動化レベルの上昇が可能になる状況を特定すればよい。例えば、ADエリア外からADエリアに車両が進入する状況を特定すればよい。この状況は、走行環境認識部での認識結果から特定すればよい。他にも、ST区間外からST区間に進入する状況を特定すればよい。この状況は、走行環境認識部での認識結果から特定すればよい。また、状態特定部104は、自動運転関連状態として、渋滞限定LV3の条件の揃い具合を特定すればよい。一例として、渋滞限定LV3の複数の条件の一部が揃った状況を、自動化レベルの上昇が可能になる状況とすればよい。この状況は、行動判断部での判断結果から特定すればよい。状態特定部104は、自動運転関連状態として、現在の自動化レベルも特定すればよい。状態特定部104は、自動運転ECU17をモニタすることで、現在の自動化レベルを特定すればよい。
【0056】
状態特定部104は、自動運転関連状態として、自動化レベルの上昇について事前承認がされているか否かも特定すればよい。状態特定部104は、自動化レベルの上昇について事前承認がされているか否かを、行動判断部での判断結果から特定すればよい。上昇後の自動化レベル別に事前承認が可能な構成を採用する場合には、上昇後の自動化レベル別に、事前承認がされているか否かを特定すればよい。状態特定部104は、自動運転関連状態として、自動化レベルが下降することも特定すればよい。状態特定部104は、自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因も特定すればよい。
【0057】
車外報知制御部105は、車外報知装置19を制御して、車外報知を行わせる。この車外報知制御部105での処理が車外報知制御工程に相当する。車内提示制御部102は、車内提示装置18を制御して、自車の車室内に向けて、車外報知を行っていることを示す報知(以下、車内報知)を行わせる。よって、車内提示装置18が車内報知装置に相当し、車内提示制御部102が車内報知制御部に相当する。
【0058】
車内提示制御部102は、
図7に示すように、表示器181で表示する自車画像のうちの、車外表示器191で車外報知が行われる領域(
図6参照)に、その車外報知と同様の表示を行わせることで車内報知を行わせればよい。
図6が、実際の自車の外観を示す図である。
図7が、
図5で説明した前景画像中において車内報知を行わせる場合の例を示す図である。
図6では、自車を後方から見た場合の外観を示す。
図6では、自車の四隅のコーナー部分に車外表示器191が設けられる場合の例を示す。
図6の例では、自車の後部の左右の隅に設けられた車外表示器191を示している。
図7のOLIが、自車画像中の車外表示器191を示す画像(以下、車外報知ランプ画像)を示している。
【0059】
なお、車外報知を行っていることを示す車内報知を、自車画像を用いて行わせる場合には、
図8に示すように、自車画像の周辺に車外報知ランプ画像を強調する画像(
図8のHLI参照)を表示させてもよい。これによれば、車外報知ランプ画像のみでは車外報知を行っていることが運転者にわかりにくい場合であっても、車外報知を行っていることが運転者にわかりやすくなる。
【0060】
車内提示制御部102は、車外報知制御部105で車外報知を行わせるのと連携して車内報知を行わせればよい。例えば、車内提示制御部102は、車外報知制御部105で車外報知を行わせるのと同じタイミングで車内報知を行わせればよい。車外表示器191としてLEDランプを用いる場合の例としては、LEDランプの点灯と同じタイミングで、前景画像中の車外報知ランプ画像も点灯させればよい。例えば、自動化レベルが変化したことを示す車外報知と、自動化レベルが変化したことを示す車内報知とを同じタイミングで行わせればよい。これによれば、車外報知が行われるタイミングを運転者が知ることが可能になる。
【0061】
また、車内提示制御部102は、車外報知制御部105で車外報知を行わせるよりも早いタイミングで車内報知を行わせてもよい。車外表示器191としてLEDランプを用いる場合の例としては、LEDランプの点灯よりも早いタイミングで、前景画像中の車外報知ランプ画像を点灯させればよい。例えば、自動化レベルが変化したことを示す車外報知よりも早いタイミングで、自動化レベルが変化したことを示す車内報知を行わせればよい。これによれば、車外報知が行われるタイミングよりも早く、車外報知が行われることを運転者が知ることが可能になる。なお、以降では、自動化レベルが変化したことを示す車外報知と、自動化レベルが変化したことを示す車内報知とを同じタイミングで行わせる場合を例に挙げて説明を行う。
【0062】
ここでは、前景画像中において車内報知を行わせる場合の例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の外観を模した画像中の車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせる構成であれば、前景画像でなくてもよい。また、画像によって車内報知を行わせる構成に限らない。例えば、メータのランプ,インジケータによって車内報知を行う構成としてもよい。この場合、メータのランプ,インジケータを、車外報知が行われるのに連動して点灯させる構成とすればよい。他にも、ここでは、車内報知を表示によって行わせる場合の例を挙げて説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、音声による車内報知についても同様に、車外報知を行わせるのと連携して行わせればよい。
【0063】
車外報知制御部105は、状態特定部104で特定した自動運転関連状態に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。車外報知制御部105は、状態特定部104で特定した自動運転関連状態を用いて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる。車外報知制御部105は、状態特定部104で特定した自動運転関連状態をもとに、車外報知を行わせるタイミングを変化させると言い換えることもできる。車外報知制御部105は、自動化レベルの上昇が可能になる場合に、事前承認がされているか否かに応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させることが好ましい。この場合、自動運転関連状態としては、自動化レベルの上昇が可能になる状況の特定結果,自動化レベルの上昇について事前承認がされているか否かの特定結果を用いればよい。
【0064】
以下では、自動化レベルの上昇が可能になる場合に、事前承認がされているか否かに応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる例について述べる。車外報知制御部105は、事前承認がされている場合には、ST区間外からST区間に自車が進入する場合に、ST区間に自車が進入するよりも前に、監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる車外報知を行わせることが好ましい。エリア限定自動運転はST区間内で可能となるため、事前承認がされている場合には、自動化レベルが上昇するタイミングをより正確に予測できる。よって、エリア限定LV3への上昇が可能になる前に、監視義務なし自動運転が開始される可能性を自車の周囲に知らせることが可能になる。その結果、自動化レベルが上昇することを可能であれば早めに知っておきたい自車の周囲に、自動化レベルが上昇することをより早めに知らせることが可能になる。
【0065】
ここで、
図9を用いて、エリア限定LV3への上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされている場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図9のCoが自車の状況を示す。
図9のADLVが自車の自動化レベルを示す。
図9のIIが車内報知を示す。
図9のAPが承認のタイミングを示す。
図9のOIが車外報知を示す。以降の図についても同様とする。
図9の例では、自動化レベルがLV2以下からエリア限定LV3に上昇する場合についての例を示す。
【0066】
図9に示すように、自車がST区間に進入する時点(
図9のEN参照)までは、自動化レベルはLV2以下である。車内報知としては、ST区間に進入するよりも前に、ST区間への接近を示す車内報知(
図9のAPNO参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知は、例えば自車とST区間との間の距離が閾値以下となった場合に行わせればよい。この報知の後、ST区間に進入するよりも前に、監視義務なし自動運転への切り替えを提案する車内報知(
図9のCHPR参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知に対して、自車がST区間に進入するよりも前に、運転者が自動化レベルの上昇を承認することで、事前承認(
図9のPRAP参照)が行われる。
【0067】
車外報知としては、事前承認後、且つ、ST区間への進入前に、監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる車外報知(
図9のPLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる車外報知を、以下では上昇事前報知と呼ぶ。上昇事前報知が開始されるまでは、LV2以下の自動運転中を示す車外報知(
図9のLV2D参照)を行わせる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図9のLO参照)構成であってもよい。LV2以下の自動運転中を示す車外報知を、以下ではLV2以下中報知と呼ぶ。
【0068】
事前承認がなされていることで、自車がST区間に進入すると、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図9のUSH参照)を経て、自動化レベルはLV3となる。上昇事前報知は、自車がST区間に進入し、自動化レベルがLV3に移行完了するまで続く。そして、自動化レベルがLV3に移行完了した後に、監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知(
図9のLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。つまり、車外報知制御部105は、ST区間に自車が進入し、エリア限定自動運転が開始された場合に、監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知に切り替えさせる。監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知を、以下ではLV3中報知と呼ぶ。車内提示制御部102は、LV3中報知が開始されるのと同じタイミングで、監視義務なし自動運転に移行したことを示す車内報知(
図9のLV3I参照)を行わせる。
【0069】
車外報知をランプの点消灯で行う場合、LV2以下中報知、上昇事前報知、及びLV3中報知の区別は、ランプの点消灯の態様の違いによって表現すればよい。例えば、点灯色で区別して表現すればよい。例えば、LV2以下中報知とLV3中報知とを異なる点灯色で表現するとともに、上昇事前報知はLV2以下中報知とLV3中報知との中間色で表現すればよい。他にも、点滅の周期の違い、点灯時間と消灯時間との割合の違い等で区別して表現してもよい。LV2以下の自動運転中には車外報知を行わせない構成を採用する場合には、上昇事前報知は点滅とする一方、LV3中報知は点灯とすることで区別してもよい。
【0070】
ここでは、特定のエリアへの進入によって自動化レベルの上昇が可能になる場合として、ST区間外からST区間に自車が進入する場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限らない。例えば、AD区間外からAD区間内に自車が進入する場合に適用してもよい。この場合、例えばST区間をAD区間と置き替え、LV2以下をLV0と置き換え、LV3をLV1以上と置き換えればよい。
【0071】
車外報知制御部105は、事前承認がされている場合には、渋滞限定LV3の条件の一部が揃った場合に、監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる車外報知を行わせることが好ましい。渋滞限定自動運転は渋滞限定LV3の条件が全て揃った場合に可能となるため、事前承認がされている場合には、渋滞限定LV3の条件の一部が揃ったことにより、自動化レベルが上昇するタイミングをある程度予測できる。よって、渋滞限定LV3への上昇が可能になる前に、監視義務なし自動運転が開始される可能性を自車の周囲に知らせることが可能になる。その結果、自動化レベルが上昇することを可能であれば早めに知っておきたい自車の周囲に、自動化レベルが上昇することをより早めに知らせることが可能になる。
【0072】
ここで、
図10を用いて、渋滞限定LV3への上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされている場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図10の例では、自動化レベルがLV2以下から渋滞限定LV3に上昇する場合についての例を示す。
【0073】
図10に示すように、渋滞限定LV3の条件の全てが揃う時点(
図10のTCCW参照)までは、自動化レベルはLV2以下である。車内報知としては、渋滞限定LV3の条件の一部が揃った場合に、渋滞限定LV3ができる可能性を示す車内報知(
図10のTCNO参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知の後、渋滞限定LV3の条件の全てが揃うよりも前に、監視義務なし自動運転への切り替えを提案する車内報知(
図10のCHPR参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知に対して、自車が渋滞限定LV3の条件の全てを満たすよりも前に、運転者が自動化レベルの上昇を承認することで、事前承認(
図10のPRAP参照)が行われる。
【0074】
車外報知としては、事前承認後、且つ、渋滞限定LV3の条件の全てが揃う前に、上昇事前報知(
図10のPLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。上昇事前報知が開始されるまでは、LV2以下中報知(
図10のLV2D参照)を行わせる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図10のLO参照)構成であってもよい。事前承認がなされていることで、自車が渋滞限定LV3の条件の全てを満たすと、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図10のUSH参照)を経て、自動化レベルはLV3となる。上昇事前報知は、自車が渋滞限定LV3の条件の全てを満たし、自動化レベルがLV3に移行完了するまで続く。そして、自動化レベルがLV3に移行完了した後に、LV3中報知(
図10のLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。つまり、車外報知制御部105は、渋滞限定LV3の条件の全てが揃い、LV3限定自動運転が開始された場合に、LV3中報知に切り替えさせる。車内提示制御部102は、LV3中報知が開始されるのと同じタイミングで、監視義務なし自動運転に移行したことを示す車内報知(
図10のLV3I参照)を行わせる。
【0075】
ここでは、特定状況として、渋滞限定LV3が可能となる状況を例に挙げたが、必ずしもこれに限らない。渋滞以外の状況がLV3の自動運転が可能となる状況である場合には、その状況を特定状況とすればよい。
【0076】
車外報知制御部105は、事前承認がされていない場合には、監視義務なし自動運転が可能となった状態において自車の運転者からの承認がされ、監視義務なし自動運転が開始された場合に、監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知を行わせることが好ましい。事前承認がされていない場合には、監視義務なし自動運転が可能となった状態において、自車の運転者からの承認がされた時点が、自動化レベルが上昇する最も早いタイミングとなる。よって、以上の構成によれば、監視義務なし自動運転中であることを、事前承認がされていない場合における、より早いタイミングで自車の周囲に知らせることが可能になる。その結果、自動化レベルが上昇することを可能であれば早めに知っておきたい自車の周囲に、自動化レベルが上昇することをより早めに知らせることが可能になる。
【0077】
ここで、
図11を用いて、LV3への自動化レベルの上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされない場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図11の例では、自動化レベルがLV2以下からLV3に上昇する場合についての例を示す。このLV3は、エリア限定LV3か渋滞限定LV3かを問わない。
【0078】
図11に示すように、LV3の自動運転が可能になる時点(
図11のLV3AB参照)までは、自動化レベルはLV2以下である。車内報知としては、LV3の自動運転が可能になった後、監視義務なし自動運転への切り替えを提案する車内報知(
図11のCHPR参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知に対して、運転者が自動化レベルの上昇を承認することで、通常承認(
図11のAFAP参照)が行われる。
【0079】
通常承認の後、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図11のUSH参照)に移る。この期間に移るタイミングで、監視義務なし自動運転への移行中であることを示す車内報知(
図11のDSI参照)を車内提示制御部102が開始させる。また、この期間に移るタイミングで、上昇事前報知(
図11のPLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。上昇事前報知が開始されるまでは、LV2以下中報知(
図11のLV2D参照)を行わせる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図11のLO参照)構成であってもよい。
【0080】
その後、自車は、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図11のUSH参照)を経て、自動化レベルがLV3となる。上昇事前報知は、自動化レベルがLV3に移行完了するまで続く。そして、自動化レベルがLV3に移行完了した後に、LV3中報知(
図11のLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。つまり、車外報知制御部105は、監視義務なし自動運転についての事前承認がされていない場合には、監視義務なし自動運転が可能となった状態において自車の運転者からの承認がされ、監視義務なし自動運転が開始された場合に、監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知であるLV3中報知を行わせる。また、車内提示制御部102は、LV3中報知が開始されるのと同じタイミングで、監視義務なし自動運転に移行したことを示す車内報知(
図11のLV3I参照)を開始させる。
【0081】
なお、
図11の例では、車外報知制御部105が、上昇事前報知を行わせてから、LV3中報知を行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車外報知制御部105が、上昇事前報知を行わせずに、LV3中報知を行わせる構成としてもよい。
【0082】
また、車外報知制御部105は、監視義務なし自動運転についての事前承認がされていない場合には、監視義務なし自動運転が可能となった状態において自車の運転者からの承認がされた後、監視義務なし自動運転が開始されるよりも前に、監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知を行わせる構成としてもよい。これによれば、監視義務なし自動運転が開始されることが決まっている場合に、監視義務なし自動運転が開始されるよりも先に、監視義務なし自動運転が行われることを周囲に知らせることが可能になる。よって、以上の構成によれば、監視義務なし自動運転が行われることを、事前承認がされていない場合における、より早いタイミングで自車の周囲に知らせることが可能になる。その結果、自動化レベルが上昇することを可能であれば早めに知っておきたい自車の周囲に、自動化レベルが上昇することをより早めに知らせることが可能になる。
【0083】
ここで、
図12を用いて、LV3への自動化レベルの上昇が可能になる場合であって、且つ、事前承認がされない場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図12の例では、自動化レベルがLV2以下からLV3に上昇する場合についての例を示す。このLV3は、エリア限定LV3か渋滞限定LV3かを問わない。
【0084】
図12に示すように、LV3の自動運転が可能になる時点(
図12のLV3AB参照)までは、自動化レベルはLV2以下である。車内報知としては、LV3の自動運転が可能になった後、監視義務なし自動運転への切り替えを提案する車内報知(
図12のCHPR参照)を車内提示制御部102が行わせる。この報知に対して、運転者が自動化レベルの上昇を承認することで、通常承認(
図12のAFAP参照)が行われる。
【0085】
通常承認の後、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図12のUSH参照)に移る。この期間に移るタイミングで、監視義務なし自動運転への移行中であることを示す車内報知(
図12のDSI参照)を車内提示制御部102が開始させる。また、この期間に移るタイミングで、監視義務なし自動運転中ではないが、上昇事前報知なしに、LV3中報知(
図12のLV3D参照)を車外報知制御部105が開始させる。LV3中報知が開始されるまでは、LV2以下中報知(
図12のLV2D参照)を行わせる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図12のLO参照)構成であってもよい。
【0086】
その後、自車は、自動化レベルがLV2以下からLV3に移行する期間(
図12のUSH参照)を経て、自動化レベルがLV3となる。そして、自動化レベルがLV3に移行完了した後に、車内提示制御部102が、監視義務なし自動運転に移行したことを示す車内報知(
図12のLV3I参照)を開始させる。
【0087】
ここでは、自動化レベルがLV2以下からLV3に上昇する場合の例を挙げて説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、他の自動化レベル間で自動化レベルが上昇する場合に適用してもよい。この場合、例えば事前承認がされている場合には、自動化レベルが上昇可能となる前に、自動化レベルが上昇する可能性を事前に知らせる車外報知を行わせればよい。一方、事前承認がされない場合には、自動化レベルが上昇可能となってから、上昇後の自動化レベルであることを知らせる車外報知を行わせればよい。
【0088】
また、車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させることが好ましい。この場合、自動運転関連状態としては、自動化レベルが下降することの特定結果,自動化レベルの下降が生じる要因の特定結果を用いればよい。
【0089】
以下では、自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、車外報知を行わせるタイミングを変化させる例について述べる。車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因がオーバーライドによるものである場合には、前述した補助期間を経て自動化レベルが下降してから、車外報知をその下降前とで切り替えさせることが好ましい。自動化レベルの下降の要因がオーバーライドの場合は、自車のシステムで運転交代が可能と判断できるまでは自動化レベルが下降することが確定しない。よって、補助期間を経て自動化レベルが下降してから車外報知を切り替えることで、自動化レベルの下降が確定してから車外報知を切り替えることが可能になる。これにより、自動化レベルが下降することを、誤った車外報知が行われることを抑えつつ、より早いタイミングで自車の周囲に知らせることが可能になる。
【0090】
ここで、
図13を用いて、オーバーライドが要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図13のDACが運転者の行動を示す。以降の図についても同様とする。
図13の例では、自動化レベルがLV3からLV2以下に下降する場合についての例を示す。このLV3は、エリア限定LV3か渋滞限定LV3かを問わない。
【0091】
図13の例では、自車の状況としてはLV3の自動化レベルを維持し続けることが可能(
図13のLV3P参照)であるものとする。運転者がオーバーライド(
図13のOR参照)を実行すると、自動化レベルがLV3から、補助ありのLV2以下の自動化レベル(
図13のASP参照)に移行する。ここで言うところの補助とは、LV3よりも少ないがLV2よりも多い走行支援を行う補助とする。
【0092】
補助期間が過ぎ、補助ありのLV2以下から補助なしのLV2以下に自動化レベルが移行した後、LV2以下中報知(
図13のLV2D参照)を開始させる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図13のLO参照)ようにする構成であってもよい。ここで、LV2以下中報知を行わせる構成を採用する場合には、LV3中報知からLV2以下中報知に切り替わることになる。車外報知を行わせないようにする構成を採用する場合には、LV3中報知から車外報知なしに切り替わることになる。車内提示制御部102は、LV3中報知が切り替わるタイミングで、自動化レベルがLV2以下の運転に移行したことを示す車内報知(
図13のLV2I参照)を行わせる。
【0093】
車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因がシステムによる計画的な運転交代によるものである場合には、運転交代要求が行われる前に、車外報知をその下降前とで切り替えさせることが好ましい。計画的な運転交代によって自動化レベルが下降するタイミングは、より正確に予測できる。よって、自動運転の自動化レベルが下降することを、自動化レベルが実際に下降する前に、車外報知の切り替えによって自車の周囲に知らせることが可能になる。その結果、自動化レベルが下降することを可能であれば早めに知っておきたい自車の周囲に、自動化レベルが下降することをより早めに知らせることが可能になる。
【0094】
また、車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因がシステムによる計画的な運転交代によるものである場合には、運転交代要求が行われる前に、自動化レベルが下降することを事前に知らせる車外報知を行わせ、自動化レベルが下降した場合に、車外報知をその下降後に応じた態様に切り替えさせることがより好ましい。これによれば、自動運転の自動化レベルが下降することを、自動化レベルが実際に下降する前に事前に報知させることによって、自車の周囲に知らせることが可能になる。一方、自動化レベルが実際に下降した場合に、車外報知をその下降後に応じた態様に切り替えさせることで、自動化レベルが下降したことについての車外報知は、自動化レベルが実際に下降した場合に行わせることが可能になる。
【0095】
ここで、
図14を用いて、計画的な運転交代が要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図14の例では、自動化レベルがLV3からLV2以下に下降する場合についての例を示す。このLV3は、エリア限定LV3か渋滞限定LV3かを問わないが、エリア限定LV3に限ってもよい。これは、エリア限定LV3では、渋滞限定LV3よりも運転交代が必要となるタイミングの予測が容易であるためである。
【0096】
図14の例では、自車の状況としてLV3の自動化レベルを維持し続けることが不可能になる時点(
図14のLV3IM参照)が存在するものとする。この時点を以下では維持限界点と呼ぶ。一例としては、エリア限定LV3の自動運転中にST区間からST区間外に移るタイミングが維持限界点に相当する。計画的な運転交代が行われる場合、車内提示制御部102が運転交代要求(
図14のTOR参照)を行わせ、この運転交代要求を受けて、運転者が運転交代(
図14のTO参照)を行う。計画的な運転交代が行われる場合、運転交代要求を行うよりも前に、運転交代が必要になることをシステム側が認識できる。よって、車外報知制御部105は、運転交代要求が行われるよりも前に、自動化レベルが下降する可能性を事前に知らせる車外報知(
図14のPLVDD参照)を開始させる。自動化レベルが下降する可能性を事前に知らせる車外報知を、以下では下降事前報知と呼ぶ。
【0097】
運転者が運転交代を行うと、自動化レベルがLV3からLV2以下に移行する期間(
図14のDSH参照)を経て、自動化レベルはLV2以下となる。計画的な運転交代では、自動化レベルの下降を、維持限界点よりも前に完了させる。車内提示制御部102は、運転交代が完了した後、維持限界点よりも前に、運転交代が完了したことを示す車内報知(
図14のCCI参照)を行わせる。車外報知制御部105は、自車が維持限界点に達した場合に、LV2以下中報知(
図14のLV2D参照)を開始させる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図14のLO参照)ようにする構成であってもよい。これらの車外報知は、例えば運転交代が完了したことを示す車内報知よりも後に行わせればよい。
【0098】
車外報知をランプの点消灯で行う場合、LV2以下中報知、下降事前報知、及びLV3中報知の区別は、ランプの点消灯の態様の違いによって表現すればよい。例えば、下降事前報知はLV2以下中報知とLV3中報知との中間色で表現すればよい。他にも、点滅の周期の違い、点灯時間と消灯時間との割合の違い等で区別して表現してもよい。LV2以下の自動運転中には車外報知を行わせない構成を採用する場合には、下降事前報知は点滅とする一方、LV3中報知は点灯とすることで区別してもよい。
【0099】
車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因がシステムによる非計画的な運転交代によるものである場合には、運転交代要求が行われる場合、若しくは運転交代要求が行われた後に、車外報知をその下降前とで切り替えさせることが好ましい。非計画的な運転交代によって自動化レベルが下降するタイミングは、予測が難しい。よって、運転交代要求が行われるまでは、自動化レベルが実際に下降するか定かでない。これ対して、運転交代要求が行われる場合、若しくは運転交代要求が行われた後に、車外報知をその下降前とで切り替えさせるので、自動化レベルの下降が確定してから車外報知を切り替えることが可能になる。これにより、自動化レベルが下降することを、誤った車外報知が行われることを抑えつつ、より早いタイミングで自車の周囲に知らせることが可能になる。
【0100】
ここで、
図15を用いて、非計画的な運転交代が要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知及び車内報知のタイミングの一例について説明する。
図15の例では、自動化レベルがLV3からLV2以下に下降する場合についての例を示す。このLV3は、エリア限定LV3か渋滞限定LV3かを問わないが、渋滞限定LV3に限ってもよい。これは、エリア限定LV3よりも、渋滞限定LV3の方が非計画的な運転交代が生じやすいためである。
【0101】
図15の例でも、自車の状況としてLV3の自動化レベルを維持し続けることが不可能になる維持限界点(
図15のLV3IM参照)が存在するものとする。一例としては、渋滞限定LV3の自動運転中に渋滞限定LV3の条件を満たさなくなったタイミングが維持限界点に相当する。非計画的な運転交代が行われる場合にも、車内提示制御部102が運転交代要求(
図15のTOR参照)を行わせ、この運転交代要求を受けて、運転者が運転交代(
図15のTO参照)を行う。非計画的な運転交代が行われる場合、運転交代要求を行うよりも前に、運転交代が必要になることをシステム側が認識することは難しい。よって、車外報知制御部105は、運転交代要求が行われる場合に、自動化レベルが下降する可能性を事前に知らせる下降事前報知(
図15のPLVDD参照)を開始させる。つまり、運転交代要求が行われるのと同じタイミングで下降事前報知を開始させる。なお、下降事前報知は、運転交代要求が行われた後に開始させてもよい。
【0102】
運転者が運転交代を行うと、自動化レベルがLV3からLV2以下に移行する期間(
図15のDSH参照)を経て、自動化レベルはLV2以下となる。非計画的な運転交代では、自動化レベルの下降が、維持限界点から開始される。車内提示制御部102は、運転交代が完了した後、運転交代が完了したことを示す車内報知(
図15のCCI参照)を行わせる。車外報知制御部105は、運転交代が完了した後、LV2以下中報知(
図15のLV2D参照)を開始させる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図15のLO参照)ようにする構成であってもよい。これらの車外報知は、例えば運転交代が完了したことを示す車内報知よりも後に行わせればよい。
【0103】
車外報知制御部105は、自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が、瞬時に自動化レベルを下降させる種類の要因(以下、急解除要因)である場合には、その急解除要因が生じたタイミングで車外報知を行わせ、その車外報知を所定時間以上継続させることが好ましい。ここで言うところの所定時間は、任意に設定可能な時間とすればよい。急解除要因としては、ブレーキ操作,閾値を超える大幅な操舵操作,センサロストによる突発的な運転交代等が挙げられる。急解除要因が生じて、自車の自動化レベルを下降させる場合、車外報知も一瞬だと、周囲がその車外報知を見逃しやすい。これに対して、以上の構成によれば、急解除要因が生じて、自車の自動化レベルを下降させる場合に、車外報知が所定時間以上継続される。よって、周囲がその車外報知を見逃しにくくなる。車外報知としては、自動化レベルが下降することを示す車外報知を行えばよい。例えば、前述の下降事前報知と同様の表現とすればよい。なお、「瞬時に自動化レベルを下降」とは、「運転交代要求なしで自動化レベルを下降」と言い換えることもできる。
【0104】
ここで、
図16を用いて、急解除要因で自車の自動化レベルが下降する場合の車外報知のタイミングの一例について説明する。
図16では、急解除要因がブレーキ操作である場合の例を示す。
図16の例では、自動化レベルがLV3からLV2以下に下降する場合についての例を示す。
図16のCoが自車の状況を示す。
図16のDACが運転者の行動を示す。
図16のOIが車外報知を示す。運転者がブレーキ操作(
図13のBO参照)を実行すると、急解除要因が発生(
図16のRFO参照)したことになる。つまり、運転者がブレーキ操作(
図13のBO参照)を実行すると、自動化レベルがLV3からLV2以下の自動化レベルに移行する。車外報知制御部105は、ブレーキ操作が発生したタイミングで、自動化レベルが下降したことを知らせる下降報知(
図15のDN参照)を開始させる。下降報知は、例えば下降事前報知と同様の表現とすればよい。そして、車外報知制御部105は、この下降報知を所定時間以上継続させる。車外報知制御部105は、下降報知を終了させた後、LV2以下中報知(
図16のLV2D参照)を開始させる構成であってもよいし、車外報知を行わせない(
図16のLO参照)構成であってもよい。
【0105】
車外報知制御部105は、自動化レベルの下降が生じる要因が、急解除要因である場合には、
図17に示すように、自動化レベルの下降が生じる要因が計画的な運転交代によるものである場合よりも、車外報知を長い時間継続させることが好ましい。
図17は、自動化レベルの下降が生じる要因に応じて、車外報知の継続時間を異ならせる一例を示した図である。
図17のPCOは、自動化レベルの下降が生じる要因が、計画的な運転交代である場合を示している。
図17のRFOは、自動化レベルの下降が生じる要因が、急解除要因である場合を示している。
図17の矢印が、車外報知の継続時間を示している。
【0106】
ここでは、自動化レベルがLV3からLV2以下に下降する場合の例を挙げて説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、他の自動化レベル間で自動化レベルが下降する場合に適用してもよい。この場合、自動化レベルの下降の要因が、自動化レベルが下降することを下降の直前よりも前に予測できる要因である場合には、自動化レベルが下降する前に、自動化レベルが下降する可能性を事前に知らせる車外報知を行わせればよい。一方、自動化レベルの下降の要因が、自動化レベルが下降することを下降の直前まで予測できない要因である場合には、自動化レベルが下降する場合に、下降後の自動化レベルであることを知らせる車外報知を行わせればよい。
【0107】
実施形態1の構成によれば、自動運転に関する車両の状態に応じて、自車の車外に向けた自動運転に関する情報の報知である車外報知を行わせるタイミングを変化させることが可能になる。よって、上述したように、自動運転に関する車両の状態に応じた、自車の周囲にとってより好ましいタイミングで車外報知を行わせることが可能になる。その結果、車両が自動運転を行う場合に、自動運転に関する車両の状態に応じて、自動運転に関する情報の車外への報知を、その車両の周囲にとってより好ましい態様で行わせることが可能になる。
【0108】
(実施形態2)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態2の構成としてもよい。以下では、実施形態2の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態2の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。実施形態2では、自車が、自動運転として、監視義務なし自動運転を少なくとも実施するものとする。
【0109】
<HCU10aの概略構成>
HCU10aは、車内提示装置18及び車外報知装置19の制御に関して、
図18に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102、承認受け付け部103、状態特定部104a、及び車外報知制御部105aを機能ブロックとして備える。HCU10aは、状態特定部104及び車外報知制御部105の代わりに状態特定部104a及び車外報知制御部105aを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10aも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10aの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0110】
状態特定部104aは、特定する自動運転関連状態が一部異なる点を除けば、実施形態1の状態特定部104と同様である。以下では、実施形態1の状態特定部104と異なる点を説明する。状態特定部104bは、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定する。状態特定部104bは、自動運転ECU17をモニタすることで、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転での走行継続時間を特定すればよい。
【0111】
車外報知制御部105aは、処理が一部異なる点を除けば、実施形態1の車外報知制御部105と同様である。以下では、実施形態1の車外報知制御部105と異なる点を説明する。車外報知制御部105aは、監視義務なし自動運転の開始を状態特定部104aで特定した場合に、
図19に示すように、車外報知(
図19のOI参照)を第1所定時間継続してから終了させる。第1所定時間は、任意に設定可能とすればよい。
図19では、第1所定時間をt1と表している。ここでの車外報知は、例えば監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知とすればよい。一例として、車外報知はランプの点灯とすればよい。ランプの灯色は、自動化レベルに応じた色としてもよい。一方、車外報知制御部105aは、状態特定部104aで特定する監視義務なし自動運転での走行継続時間が、
図19に示すように、第2所定時間を超える場合に、この車外報知を再度行わせる。第2所定時間は、第1所定時間よりも長い時間である。
図19では、第2所定時間をt2と表している。これによれば、監視義務なし自動運転を開始後に車外報知を終了させる場合であっても、監視義務なし自動運転の継続時間によって、再度の車外報知を行わせることが可能になる。よって、監視義務なし自動運転を開始後に車外報知を終了させる場合であっても、自車が監視義務なし自動運転中であることを周囲に認識しやすくさせることが可能になる。
【0112】
車外報知制御部105aは、車外報知を終了させた後も、監視義務なし自動運転が継続中の場合には、定期的に再度の車外報知を行わせることが好ましい。これにより、車外報知を第1所定時間継続した後で終了させる場合でも、定期的に車外報知を行わせることで、自車が監視義務なし自動運転中であることを周囲により認識しやすくさせることが可能になる。車外報知を定期的に行わせる間隔は、任意に設定可能とすればよい。
【0113】
(実施形態3)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態3の構成としてもよい。以下では、実施形態3の構成の一例について図を用いて説明する。
【0114】
<車両用システム1bの概略構成>
図20に示す車両用システム1bは、自動運転車両で用いることが可能なものである。車両用システム1bは、監視義務なし自動運転を少なくとも実施する自動運転車両で用いられるものとする。車両用システム1bは、
図20に示すように、HCU10b、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17b、車内提示装置18、車外報知装置19b、ユーザ入力装置20、及び室内カメラ21を含んでいる。車両用システム1bは、HCU10、自動運転ECU17、及び車外報知装置19の代わりにHCU10b、自動運転ECU17b、及び車外報知装置19bを含む点と、室内カメラ21を含む点とを除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。車両用システム1bを用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0115】
自動運転ECU17bは、少なくとも、LCA(Lane Change Assist)制御を制御実行部で実行する点を除けば、実施形態1の自動運転ECU17と同様である。LCA制御とは、自車を自車線から隣接車線に自動で車線変更させる制御である。LCA制御では、走行環境認識部による走行環境の認識結果等に基づき、自車線の対象位置と隣接車線の中央とを滑らかに結ぶ形状の予定走行軌跡を生成する。そして、予定走行軌跡に従い自車の操舵輪の舵角を自動制御することにより、自車線から隣接車線へと車線変更させればよい。LCA制御では、車線変更の開始後、車線変更が完了する前に車線変更が可能でない状況が発生した場合に、その車線変更を途中で中断して待機させればよい。自動運転ECU17bは、LTC(Lane Tracing control)制御を制御実行部で実行してもよい。LTC制御は、自車の車線内走行を維持する制御である。LTC制御では、自車の車線内走行を維持するように操舵制御が行われる。LCA制御で車線変更を開始する場合には、LTC制御を一時的に中断させ、自車線からの離脱を可能にすればよい。そして、車線変更の完了後に、LTC制御を再開させればよい。
【0116】
車外報知装置19bは、車外表示器191b及び音声出力装置192を有する。車外表示器191bは、車外表示器191の代わりに車外表示器191bを有する点を除けば、実施形態1の車外報知装置19と同様である。車外表示器191bは、自車の側部と後部とに少なくとも設けられることが好ましい点を除けば、実施形態1の車外表示器191と同様である。例えば、自車の側部の車外表示器191bは、フロントバンパ及び/又はリアバンパの左右のコーナー部に設けられる構成とすればよい。自車の側部の車外表示器191bは、自車の左右の側面に設けられる構成としてもよい。自車の後部の車外表示器191bは、例えば自車後部の車幅方向中央部付近に設けられる構成とすればよい。自車の後部の車外表示器191bとして、リアバンパの左右のコーナー部に設けられる車外表示器191bは、自車の側部でなく後部の車外表示器191bとして用いてもよい。
【0117】
室内カメラ21は、自車の車室内の所定範囲を撮像する。室内カメラ21は、少なくとも自車の運転席を含む範囲を撮像すればよい。つまり、室内カメラ21は、自車の運転者を撮像する。室内カメラ21は、例えば近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等とによって構成される。室内カメラ21は、近赤外光源によって近赤外光を照射された自車の乗員を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、撮像画像を画像解析して乗員の顔の特徴量を検出する。制御ユニットは、検出した乗員の顔を含む上半身の特徴量をもとに、乗員の顔向き,乗員の視線方向等を検出すればよい。
【0118】
<HCU10bの概略構成>
続いて、
図21を用いてHCU10bの概略構成についての説明を行う。HCU10bは、車内提示装置18及び車外報知装置19bの制御に関して、
図21に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102b、承認受け付け部103、状態特定部104b、車外報知制御部105b、及び監視特定部106を機能ブロックとして備える。HCU10bは、状態特定部104、車内提示制御部102、及び車外報知制御部105の代わりに状態特定部104b、車内提示制御部102b、及び車外報知制御部105bを備える点と、監視特定部106を備える点とを除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10bも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10bの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0119】
車内提示制御部102bは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車内提示制御部102と同様である。実施形態1の車内提示制御部102と異なる点については、後述する。
【0120】
状態特定部104bは、特定する自動運転関連状態が一部異なる点を除けば、実施形態1の状態特定部104と同様である。以下では、実施形態1の状態特定部104と異なる点を説明する。状態特定部104bは、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転の開始及び監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定する。状態特定部104bは、自動運転関連状態として、監視義務なし自動運転中の車線変更後の自車の周辺状況も特定することが好ましい。状態特定部104bは、自動運転ECU17をモニタすることで、監視義務なし自動運転の開始、監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況、及び車線変更後の自車の周辺状況を特定すればよい。
【0121】
監視特定部106は、自車の運転者が周辺監視を実施しているか否かを特定する。監視特定部106は、運転者が周辺監視を実施しているか否かを、室内カメラ21で検出する運転者の顔向き,視線方向等から特定すればよい。
【0122】
車外報知制御部105bは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車外報知制御部105と同様である。以下では、実施形態1の車外報知制御部105と異なる点を説明する。車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転の開始を状態特定部104bで特定した場合に、実施形態2の車外報知制御部105aと同様にして、車外報知を第1所定時間継続してから終了させる。一方、車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部104bで特定したことをもとに、車外報知を再度行わせる。これによれば、監視義務なし自動運転を開始後に車外報知を終了させる場合であっても、車線変更が実施される場合に、再度の車外報知を行わせることが可能になる。よって、監視義務なし自動運転を開始後に車外報知を終了させる場合であっても、周囲が自車の挙動に、より注目すべきタイミングで、自車が監視義務なし自動運転中であることを周囲に認識しやすくさせることが可能になる。ここでの車外報知も、例えば監視義務なし自動運転中であることを示す車外報知とすればよい。一例として、車外報知はランプの点灯とすればよい。監視義務なし自動運転中の車線変更は、前述のLCA制御の実施によって行われる構成とすればよい。
【0123】
車外報知制御部105bは、状態特定部104bで、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したこと、及びその車線変更完了後の自車の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定した場合には、車外報知を再度行わせることが好ましい。一方、車外報知制御部105bは、状態特定部104bで、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを特定したが、その車線変更完了後の自車の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定しなかった場合には、再度の車外報知を行わせないことが好ましい。ここで言うところの所定距離は、任意に設定可能とすればよい。例えば、所定距離内とは、周辺監視センサ15のセンシング範囲内としてもよい。これによれば、自車の車線変更によって挙動に影響を与える可能性が高い他車両が存在する場合に限って、再度の車外報知を行わせることが可能になる。よって、必要性の低い車外報知を抑えることが可能になる。
【0124】
ここで、
図22を用いて、監視義務なし自動運転中における車線変更完了後の自車の周辺状況に応じた車外報知の一例について説明する。
図22では、自車の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在する場合を、前後方車両ありとして示す。一方、自車の前方及び後方の所定距離内に他車両が存在しない場合を、前後方車両なしとして示す。
図22に示すように、車外報知制御部105bは、前後方車両ありの場合は、再度の車外報知を行わせる一方、前後方車両なしの場合は、再度の車外報知を行わせない。
【0125】
車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、状態特定部104bで特定した場合に、その車線変更の実施中から再度の車外報知を開始させればよい。そして、車外報知制御部105bは、その車線変更の完了時にその車外報知を終了させるか、若しくはその車線変更の完了時から一定時間経過してからその車外報知を終了させればよい。これによれば、自車が車線変更を完了する前から、自車が監視義務なし自動運転中であることを周囲に認識しやすくさせることが可能になる。ここで言うところの一定時間とは、任意に設定可能とすればよい。車線変更の実施とは、車線変更に向けた操舵の実施であってもよいし、LCA制御の実施であってもよい。車線変更の完了とは、車線変更における操舵の完了であってもよいし、LCA制御の完了であってもよい。
【0126】
ここで、
図23~24を用いて、監視義務なし自動運転中における車線変更時の車外報知のタイミングの一例について説明する。
図23~24の例では、監視義務なし自動運転が開始してからの流れの一例を示している。
図23~24の矢印が、車外報知の継続時間を示している。
図23~24のt1が、第1所定時間を示す。
図23~24のLCSが、車線変更の開始タイミングを示す。
図23~24のLCEが、車線変更の終了タイミングを示す。
図24のt3が前述の一定時間を示す。以降の図についても、同じ記号については同じ内容を示すものとして、説明を省略する。
図23~24に示すように、監視義務なし自動運転が開始すると、車外報知が第1所定時間の間行われる。その後、車線変更が開始されると、車外報知が再度開始される。この再度の車外報知は、
図23に示すように、車線変更の完了時に終了させればよい。また、再度の車外報知は、
図24に示すように、車線変更の完了時から一定時間経過してから終了させてもよい。
【0127】
車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、状態特定部104bで特定した場合に、その車線変更の開始前から再度の車外報知を開始させてもよい。これによれば、自車が車線変更を実施する場合に、その車線変更を開始する前から、自車が監視義務なし自動運転中であることを周囲に認識しやすくさせることが可能になる。車線変更の開始とは、車線変更に向けた操舵の開始であってもよいし、LCA制御の開始であってもよい。LCA制御は、車線変更に向けた操舵の開始よりも前から開始されるものとする。状態特定部104bは、自動運転ECU17bの行動判断部での判断結果をもとに、車線変更が実施されるよりも前に、車線変更が実施されることを特定すればよい。
【0128】
ここで、
図25を用いて、監視義務なし自動運転中における車線変更時の車外報知のタイミングの一例について説明する。
図25の例でも、監視義務なし自動運転が開始してからの流れの一例を示している。
図25の矢印も、車外報知の継続時間を示している。
図25に示すように、監視義務なし自動運転が開始すると、車外報知が第1所定時間の間行われる。その後、車線変更が開始されるよりも前に、車外報知が再度開始される。この再度の車外報知は、例えば、車線変更の完了時に終了させればよい。なお、再度の車外報知は、
図24に示したように、車線変更の完了時から一定時間経過してから終了させてもよい。
【0129】
他にも、車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部104bで特定した場合に、再度の車外報知を開始させてもよい。この場合、再度の車外報知を開始させてから前述の一定時間経過後に、車外報知を終了させればよい。
【0130】
車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、状態特定部104bで特定した場合において、監視特定部106で運転者が周辺監視を実施していると特定したか運転者が周辺監視を実施していないと特定したかに応じて、車外報知の態様を異ならせることが好ましい。これによれば、監視義務なし自動運転中の車線変更の実施において、運転者が周辺監視を実施しているか否かを、自車の周囲によりわかりやすく報知させることが可能になる。
【0131】
車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、状態特定部104bで特定した場合において、監視特定部106で運転者が周辺監視を実施していると特定した場合には、車外報知を行わせないことが好ましい。一方、車外報知制御部105bは、監視特定部106で運転者が周辺監視を実施していないと特定した場合には、車外報知を行わせることが好ましい。これによれば、運転者が周辺監視を実施しており、周囲が自車の挙動に注目する必要性がより低い場合に、再度の車外報知を省くことが可能になる。よって、必要性の低い車外報知を抑えることが可能になる。なお、自車は、自動車線変更の実施中には、方向指示器であるターンランプが点滅するものとする。
【0132】
ここで、
図26を用いて、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している場合において、運転者の周辺監視の有無に応じて車外報知を変化させる一例について説明する。車外報知制御部105bは、
図26に示すように、車線変更の実施中において、運転者が周辺監視を実施している場合には、車外報知としてのランプを点灯させない。一方、車外報知制御部105bは、
図26に示すように、車線変更の実施中において、運転者が周辺監視を実施していない場合には、車外報知としてのランプを点灯させる。また、
図26に示すように、ターンランプについては、車線変更の実施中において、運転者が周辺監視を実施しているか否かにかかわらず、点滅しているものとする。
【0133】
なお、ここまでの説明において、車線変更を実施する場合の車外報知の例として、ランプを点灯させる例を挙げたが、必ずしもこれに限らない。例えば、車線変更を実施する場合の車外報知は、ランプの点滅としてもよい。
【0134】
車外報知制御部105bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している途中においてその車線変更を中断して待機している待機状態であることを、状態特定部104bで特定した場合に、自車の側部に設けられる車外表示器191bから、待機状態であることを示す車外報知を行わせることが好ましい。自車が車線変更の待機状態にある場合には、自車の側方の他車両が、自車の挙動に注目する必要性がより高い。これに対して、以上の構成によれば、自車の挙動に注目する必要性がより高い他車両に、自車が待機状態であることを認識しやすくさせることが可能になる。待機状態であることを示す車外報知(以下、待機報知)は、車線変更を実施する場合に再度報知する前述の車外報知(以下、基本報知)と異なる態様とすればよい。例えば、基本報知がランプの点灯の場合には、待機報知はランプの点滅とすればよい。基本報知がランプの点滅の場合には、待機報知は基本報知と異なる灯色でのランプの点滅とすればよい。
【0135】
なお、車外報知制御部105bは、自車の側部以外に設けられる車外表示器191bでの車外報知については、状態特定部104bで前述の待機状態であることを特定したか否かで変化させない構成としてもよい。例えば、車外報知制御部105bは、自車の後部に設けられる車外表示器191bでの車外報知については、状態特定部104bで前述の待機状態であることを特定したか否かで変化させない構成としてもよい。これによれば、自車の挙動に注目する必要性がより高い他車両に絞って、自車が待機状態であることを認識しやすくさせることが可能になる。
【0136】
車外報知制御部105bは、前述の待機状態であることを、状態特定部104bで特定した場合に、自車の左右両方の側部に設けられる車外表示器191bのうちの、自車を車線変更させる側に設けられる車外表示器191bのみから、待機状態であることを示す車外報知を行わせることが好ましい。自車が車線変更の待機状態にある場合には、自車の側方のうち、自車を車線変更させる側の他車両が、自車の挙動に注目する必要性が特に高い。これに対して、以上の構成によれば、自車の挙動に注目する必要性が特に高い他車両に、自車が待機状態であることを認識しやすくさせることが可能になる。
【0137】
ここで、
図27を用いて、車線変更の状況に応じて車外報知を変化させる一例について説明する。監視義務なし自動運転中に車線変更を実施しているが、前述の待機状態でない(以下、非待機状態)の場合には、車外報知制御部105bは、
図27に示すように、待機報知を行わせない構成とすればよい。前述の待機状態であって、自車を右側に車線変更させる場合には、車外報知制御部105bは、
図27に示すように、自車の右側部に設けられる車外表示器191bで待機報知を行わせればよい。前述の待機状態であって、自車を左側に車線変更させる場合には、車外報知制御部105bは、
図27に示すように、自車の左側部に設けられる車外表示器191bで待機報知を行わせればよい。
【0138】
車内提示制御部102bは、監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、状態特定部104bで特定したことをもとに、自車の自動化レベルを示す車内報知は行わせずに、車線変更の実施状況を示す車内報知を行わせることが好ましい。これによれば、自車が監視義務なし自動運転中に車線変更を実施する場合に、運転者に対して車線変更の実施状況を目立たせて伝えることが可能になる。自車の自動化レベルを示す車内報知としては、
図7のOLIで示す車外報知ランプ画像が例に挙げられる。
【0139】
ここで、
図28を用いて、車線変更の実施状況を示す車内報知の一例について説明する。
図28が、
図5で説明した前景画像中において、車線変更の実施状況を示す車内報知を行わせる場合の例を示す図である。
図28のLCIが、自車の車線変更の実施状況を表す画像(以下、LC画像)を示す。
図28では、自車が車線変更を行う方向を示す矢印のアイコンをLC画像の例として示している。例えば、自車が前述の待機状態にある場合には、中止を表すアイコンをLC画像として表示させる等すればよい。
【0140】
(実施形態4)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態4の構成としてもよい。以下では、実施形態4の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態4の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10cを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
【0141】
<HCU10cの概略構成>
HCU10cは、車内提示装置18及び車外報知装置19の制御に関して、
図29に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102、承認受け付け部103、状態特定部104c、及び車外報知制御部105cを機能ブロックとして備える。HCU10cは、状態特定部104及び車外報知制御部105の代わりに状態特定部104c及び車外報知制御部105cを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10cも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10cの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0142】
状態特定部104cは、特定する自動運転関連状態が一部異なる点を除けば、実施形態1の状態特定部104と同様である。以下では、実施形態1の状態特定部104と異なる点を説明する。状態特定部104cは、自動運転関連状態として、自動運転中の自車の周辺状況を少なくとも特定する。状態特定部104cは、自動運転ECU17をモニタすることで、自動運転中の自車の周辺状況を特定すればよい。
【0143】
車外報知制御部105cは、処理が一部異なる点を除けば、実施形態1の車外報知制御部105と同様である。以下では、実施形態1の車外報知制御部105と異なる点を説明する。車外報知制御部105cは、自動運転中の自車と自車の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を状態特定部104cで特定した場合に、車外報知を行わせる。ここでの車外報知は、例えば自動運転中であることを示す車外報知とすればよい。一例として、車外報知はランプの点灯とすればよい。ランプの灯色は、自動化レベルに応じた色としてもよい。ここで言うところの後方車両とは、自車の直近の後方車両である。閾値は、任意に設定可能とすればよい。例えば閾値は、追従走行で推奨される車間距離未満の距離とすればよい。規定時間は、任意に設定可能とすればよい。規定時間は、例えば数十秒等程度とすればよい。自車が自動運転中の場合、自車のシステムは制限速度を遵守する。これに対して、自車の後方車両が自動運転でない場合、後方車両の運転者が制限速度を遵守しないことがあるので、後方車両の運転者が自車との車間距離を詰めてくることがある。以上の構成によれば、このような場合に車外報知を行わせることで、自動運転により制限速度を遵守しているため速度を上げられないことを、後方車両の運転者に認識させることが可能になる。
【0144】
ここで、
図30を用いて、自車の周辺状況に応じた車外報知のタイミングの一例について説明する。
図30の例では、自動運転が開始してからの流れの一例を示している。
図30の矢印が、車外報知の継続時間を示している。
図30のt4が、前述の規定時間を示す。
図30のBTが、自車と自車の後方車両との車間距離が閾値未満となったタイミングを示す。
図30のATが、自車と自車の後方車両との車間距離が閾値以上となったタイミングを示す。
図30に示すように、自車と自車の後方車両との車間距離が閾値未満となった状態が規定時間以上継続したタイミングで、車外報知を開始させる。車外報知は、自車と自車の後方車両との車間距離が閾値以上となったタイミングで終了させればよい。なお、車外報知制御部105cは、車外報知の開始からの経過時間をトリガに車外報知を終了させる構成としてもよい。
【0145】
(実施形態5)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態5の構成としてもよい。以下では、実施形態5の構成の一例について図を用いて説明する。
【0146】
<車両用システム1dの概略構成>
図31に示す車両用システム1dは、自動運転車両で用いることが可能なものである。車両用システム1dは、
図31に示すように、HCU10d、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17d、車内提示装置18、車外報知装置19d、及びユーザ入力装置20を含んでいる。車両用システム1dは、HCU10、自動運転ECU17、及び車外報知装置19の代わりにHCU10d、自動運転ECU17d、及び車外報知装置19dを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。車両用システム1dを用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0147】
自動運転ECU17dは、少なくとも、ACC(Adaptive Cruise Control)制御を制御実行部で実行する点を除けば、実施形態1の自動運転ECU17と同様である。ACC制御は、設定車速での自車の定速走行、又は先行車への追従走行を実現する制御である。追従走行では、自車と直近の先行車との車間距離を目標車間距離に維持するように加減速制御が行われる。目標車間距離は、自車の速度に応じて設定される等すればよい。
【0148】
車外報知装置19dは、車外表示器191d及び音声出力装置192を有する。車外表示器191dは、車外表示器191の代わりに車外表示器191dを有する点を除けば、実施形態1の車外報知装置19と同様である。車外表示器191dは、自車の前部に少なくとも設けられる点を除けば、実施形態1の車外表示器191と同様である。例えば、自車の前部の車外表示器191dは、フロントバンパの左右のコーナー部に設けられる構成とすればよい。自車の前部の車外表示器191dは、例えば自車前部の車幅方向中央部付近に設けられる構成としてもよい。
【0149】
<HCU10dの概略構成>
続いて、
図32を用いてHCU10dの概略構成についての説明を行う。HCU10dは、車内提示装置18及び車外報知装置19dの制御に関して、
図32に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102、承認受け付け部103、状態特定部104d、及び車外報知制御部105dを機能ブロックとして備える。HCU10dは、状態特定部104及び車外報知制御部105の代わりに状態特定部104d及び車外報知制御部105dを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10dも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10dの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0150】
状態特定部104dは、特定する自動運転関連状態が一部異なる点を除けば、実施形態1の状態特定部104と同様である。以下では、実施形態1の状態特定部104と異なる点を説明する。状態特定部104dは、自動運転関連状態として、自動運転中の自車の追従状況を少なくとも特定する。状態特定部104dは、自動運転ECU17をモニタすることで、自動運転中の自車の追従状況を特定すればよい。追従状況とは、自車の先行車への追従状況である。自動運転中における自車の先行車への追従は、前述のACC制御の実施によって行われる構成とすればよい。
【0151】
車外報知制御部105dは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車外報知制御部105と同様である。以下では、実施形態1の車外報知制御部105と異なる点を説明する。車外報知制御部105dは、自動運転中の自車が先行車両への追従を開始した状況を状態特定部104dで特定した場合に、自車の前部に設けられる車外表示器191dから車外報知を行わせる。これによれば、自車が先行車への追従を開始したタイミングで、この追従を開始したことを、自車の先行車の運転者に認識させることが可能になる。自車の前部に設けられる車外表示器191dから車外報知を行わせるため、自車の先行車の運転者が、バックミラー越しにこの車外報知を認識することが可能になる。
【0152】
ここで、
図33を用いて、自車の追従状況に応じた車外報知のタイミングの一例について説明する。
図33の例では、自動運転が開始してからの流れの一例を示している。
図33の矢印が、車外報知の継続時間を示している。
図33のSFが、自車が先行車両への追従を開始したタイミングを示す。
図33のEFが、自車が先行車両への追従を終了したタイミングを示す。
図33に示すように、自車が先行車両への追従を開始したタイミングで、車外報知を開始させる。車外報知は、自車が先行車両への追従を終了したタイミングで終了させればよい。なお、車外報知制御部105dは、車外報知の開始からの経過時間をトリガに車外報知を終了させる構成としてもよい。
【0153】
車外報知制御部105dは、自車の車速の調整中は点滅によって車外報知を行わせる一方、自車が定速で走行中は点灯によって車外報知を行わせることが好ましい。これによれば、先行車に追従中の自車が車速の調整中か定速走行中かを、自車の先行車の運転者が区別して認識しやすくなる。
【0154】
ここで、
図34を用いて、先行車への追従時に車外報知を実施している場合に車外報知を変化させる一例について説明する。車外報知制御部105dは、
図34に示すように、自車の車速の調整中には、車外報知としてのランプを点滅させる。一方、車外報知制御部105dは、
図34に示すように、自車が定速走行中には、車外報知としてのランプを点灯させる。
【0155】
(実施形態6)
実施形態1の構成に限らず、以下の実施形態6の構成としてもよい。以下では、実施形態6の構成の一例について図を用いて説明する。実施形態6の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10eを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
【0156】
<HCU10eの概略構成>
HCU10eは、車内提示装置18及び車外報知装置19の制御に関して、
図35に示すように、情報取得部101、車内提示制御部102e、承認受け付け部103、状態特定部104e、及び車外報知制御部105eを機能ブロックとして備える。HCU10eは、車内提示制御部102、状態特定部104、及び車外報知制御部105の代わりに車内提示制御部102e、状態特定部104e、及び車外報知制御部105eを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10eも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10eの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0157】
車内提示制御部102eは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車内提示制御部102と同様である。実施形態1の車内提示制御部102と異なる点については、後述する。
【0158】
状態特定部104eは、特定する自動運転関連状態が一部異なる点を除けば、実施形態1の状態特定部104と同様である。以下では、実施形態1の状態特定部104と異なる点を説明する。状態特定部104eは、自動運転関連状態として、自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定する。状態特定部104eは、自動運転ECU17をモニタすることで、自動運転中の交差点における自車の通行状況を特定すればよい。
【0159】
車外報知制御部105eは、処理が一部異なる点を除けば、実施形態1の車外報知制御部105と同様である。以下では、実施形態1の車外報知制御部105と異なる点を説明する。車外報知制御部105eは、自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定部104eで特定した場合に、一時停止予定であることを示す車外報知(以下、一時停止予定車外報知)を行わせる。交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になる状況とは、横断歩道に通行者が存在する状況、若しくは横断歩道に進入すると推定される通行者が存在する状況である。一時停止予定車外報知は、実際に一時停止が行われるよりも前に開始されるものとする。一時停止予定車外報知は、自動運転中であることを示す車外報知と異なる車外報知とすればよい。例えば、音声出力装置192から、一時停止予定であることを伝える音声を出力する構成とすればよい。他にも、車外表示器191に、一時停止予定であることを伝える情報を表示する構成としてもよい。
【0160】
車内提示制御部102eは、自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定部104eで特定した場合に、一時停止予定であることを示す車内報知(以下、一時停止予定車内報知)を行わせる。一時停止予定車内報知は、実際に一時停止が行われるよりも前に開始されるものとする。一時停止予定車内報知は、例えば表示器181での表示によって行わせればよい。例えば、前述の前景画像中に、一時停止予定であることを伝えるアイコン,テキスト等を表示する構成とすればよい。
【0161】
自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になったことを状態特定部104eで特定した場合に、車外報知制御部105eでの一時停止予定車外報知を、車内提示制御部102eでの一時停止予定車内報知よりも後に開始させることが好ましい。これは、一時停止予定車内報知に比べ、一時停止予定車外報知は、早めに報知されると、報知対象に戸惑いを与えやすいためである。一方、一時停止予定車外報知の終了と一時停止予定車内報知の終了とは同じタイミングとさせればよい。
【0162】
ここで、
図36を用いて、自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になる場合の、一時停止予定車外報知及び一時停止予定車内報知のタイミングの一例について説明する。
図36のSPOIが一時停止予定車外報知を示し、SPIIが一時停止予定車内報知を示す。
図36のSPOIの矢印が一時停止予定車外報知の継続時間を示す。
図36のSPIIの矢印が一時停止予定車内報知の継続時間を示す。
図36のPSが、横断歩道手前での一時停止の開始タイミングを示す。
図36に示すように、自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止が必要になる場合に、一時停止予定車内報知よりも後に、一時停止予定車外報知を行わせる。一方、一時停止予定車外報知及び一時停止予定車内報知の終了タイミングは、同じタイミングとさせる。なお、
図36の例では、横断歩道手前での自車の一時停止の開始タイミングで、一時停止予定車外報知及び一時停止予定車内報知を終了させる例を示したが、必ずしもこれに限らない。一時停止予定車外報知及び一時停止予定車内報知の終了タイミングは、他のタイミングであってもよい。
【0163】
車外報知制御部105eは、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを状態特定部104eで特定した場合に、一時停止中であることを示す車外報知(以下、一時停止車外報知)を行わせることが好ましい。一時停止車外報知は、自動運転中であることを示す車外報知と異なる車外報知とすればよい。一時停止車外報知は、一時停止予定車外報知と異なる車外報知とすればよい。例えば、音声出力装置192から、一時停止中であることを伝える音声を出力する構成とすればよい。他にも、車外表示器191に、一時停止中であることを伝える情報を表示する構成としてもよい。
【0164】
車内提示制御部102eは、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを状態特定部104eで特定した場合に、一時停止中であることを示す車内報知(以下、一時停止車内報知)を行わせることが好ましい。一時停止車内報知は、一時停止予定車内報知と異なる車内報知とすればよい。一時停止車内報知は、例えば表示器181での表示によって行わせればよい。例えば、前述の前景画像中に、一時停止中であることを伝えるアイコン,テキスト等を表示する構成とすればよい。
【0165】
車外報知制御部105e及び車内提示制御部102eは、一時停止車外報知と一時停止車内報知とを同じタイミングで開始させればよい。これは、一時停止中であることを伝える一時停止車外報知及び一時停止車内報知は、同じタイミングで報知を開始しても、報知対象に戸惑いを与えにくいためである。例えば、一時停止車外報知及び一時停止車内報知は、自車の横断歩道手前での一時停止が終了した場合に終了させればよい。
【0166】
ここで、
図37を用いて、自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止した場合の、一時停止車外報知及び一時停止車内報知のタイミングの一例について説明する。
図37のPOIが一時停止車外報知を示し、PIIが一時停止車内報知を示す。
図37のPOIの矢印が一時停止車外報知の継続時間を示す。
図37のPIIの矢印が一時停止車内報知の継続時間を示す。
図37のPSが、横断歩道手前での一時停止の開始タイミングを示す。
図37のPEが、横断歩道手前での一時停止の終了タイミングを示す。
図37に示すように、自動運転中の交差点における右左折時に横断歩道手前で一時停止した場合に、一時停止車内報知と一時停止車外報知とを同じタイミングで開始させる。また、この一時停止が終了するタイミングで、一時停止車外報知及び一時停止車内報知も終了させる。
【0167】
(実施形態7)
なお、以下の実施形態7の構成としてもよい。実施形態7の構成では、車外報知を行う車外報知装置19,19b,19dは、少なくとも車外表示器191,191b,191dであるものとする。実施形態7の構成では、自車の前照灯として、ハイビームとロービームのうちのハイビームの使用中は、車外報知制御部105,105a,105b,105c,105d,105eが、ロービームの使用中に比べ、車外報知の輝度を上げさせる。これによれば、ロービームの使用中に車外報知が眩しすぎないようにしつつ、ハイビームの使用中に車外報知を見やすくすることが可能になる。なお、ハイビームは、走行用前照灯とも呼ばれる。ロービームは、すれ違い用前照灯とも呼ばれる。ハイビームは、ロービームに比べ、光軸が自車の上方向に傾いている。
【0168】
(実施形態8)
なお、以下の実施形態8の構成としてもよい。実施形態8の構成でも、車外報知を行う車外報知装置19,19b,19dは、少なくとも車外表示器191,191b,191dであるものとする。実施形態8の構成では、車外報知制御部105,105a,105b,105c,105d,105eが、自車の走行車線が追越し車線である場合に、追越し車線でない場合に比べ、車外報知の輝度を上げさせる。自車の走行車線の特定は、自動運転ECU17,17b,17dをモニタすることで、状態特定部104,104a,104b,104c,104d,104eが行えばよい。自車が自動運転中の場合、追い越し車線であっても、自車のシステムが制限速度を遵守するため、後続車の運転者にとっては自車の走行速度が遅く感じられるおそれがある。これに対して、実施形態8の構成によれば、自車の走行車線が追越し車線である場合に、車外報知をより見やすくすることで、この誤解を解消しやすくすることが可能になる。
【0169】
(実施形態9)
また、車外表示器191,191b,191dとして、自車の車外に向けて自動運転に関する情報の報知である車外報知以外の目的で点灯するランプを用いる構成としてもよい。つまり、既存のランプを車外報知にも兼用する構成としてもよい。既存のランプの例としては、車幅灯,ターンランプ,テールランプ,ブレーキランプ,バックライト,ナンバー灯,バックフォグライト等が挙げられる。テールランプはブレーキランプと兼用であってもよい。車外報知にも兼用する既存のランプとしては、車外報知以外の用途での点灯の頻度が低いランプが好ましい。これは、車外報知を行うべきタイミングで車外報知を行うことができない状況を生じにくくするためである。車外報知にも兼用する既存のランプとしては、例えばバックライト,車幅灯,ナンバー灯,バックフォグライト等が好ましい。車外報知にも兼用する既存のランプは、車外報知と車外報知以外の用途とで、例えば灯色の色相を異ならせることで混同を避ければよい。
【0170】
(実施形態10)
前述の実施形態では、車外報知を車外表示器191,191b,191dと音声出力装置192との両方で行うことが可能な構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車外報知を車外表示器191と音声出力装置192とのうちの車外表示器191のみで行うことが可能な構成としてもよい。また、車外報知を車外表示器191と音声出力装置192とのうちの音声出力装置192のみで行うことが可能な構成としてもよい。
【0171】
(実施形態11)
前述の実施形態では、車内報知を表示器181と音声出力装置182との両方で行うことが可能な構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車内報知を表示器181と音声出力装置182とのうちの表示器181のみで行うことが可能な構成としてもよい。また、車内報知を表示器181と音声出力装置182とのうちの音声出力装置182のみで行うことが可能な構成としてもよい。
【0172】
(実施形態12)
前述の実施形態では、自動化レベルが上昇する場合に、事前承認されているか否かに応じて車外報知のタイミングを変化させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動化レベルが上昇する場合に、自動化レベルの上昇が予め予測できる場合には、自動化レベルの上昇よりも前に、自動化レベルが上昇することを示す車外報知若しくは自動化レベルが上昇したことを示す車外報知を行わせればよい。一方、自動化レベルが上昇する場合に、自動化レベルの上昇が予め予測できない場合には、自動化レベルが上昇した場合に、自動化レベルが上昇したことを示す車外報知を行わせればよい。
【0173】
(実施形態13)
前述の実施形態では、状態特定部104,104a,104b,104c,104d,104e及び車外報知制御部105,105a,105b,105c,105d,105eの機能をHCU10,10a,10b,10c,10d,10eが担う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、状態特定部104,104a,104b,104c,104d,104e及び車外報知制御部105,105a,105b,105c,105d,105eの機能をHCU10,10a,10b,10c,10d,10e以外のECUで行う構成としてもよい。一例として、状態特定部104,104a,104b,104c,104d,104e及び車外報知制御部105,105a,105b,105c,105d,105eの機能を自動運転ECU17,17b,17dが担う構成としてもよい。
【0174】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0175】
(開示されている技術的思想)
この明細書は、以下に列挙された複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
(技術的思想1)
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定部(104,104a,104b,104c,104d,104e)と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御部(105,105a,105b,105c,105d,105e)とを備え、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御装置。
(技術的思想2)
技術的思想1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの上昇について、その上昇が可能になるよりも前に前記車両の運転者からの承認である事前承認がされているか否かを少なくとも特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルの上昇が可能になる場合に、前記事前承認がされているか否かに応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御装置。
(技術的思想3)
技術的思想2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、エリアを限定して前記運転者の監視義務がない自動運転が許可されるエリア限定自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記事前承認がされている場合には、前記エリア外から前記エリアに前記車両が進入する場合に、前記エリアに前記車両が進入するよりも前に、前記運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想4)
技術的思想3に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記エリアに前記車両が進入し、前記エリア限定自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知に切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想5)
技術的思想2~4のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、特定の周辺状況である特定状況に限定して前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される特定状況限定自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記事前承認がされている場合には、前記特定状況の条件の一部が揃った場合に、前記運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が開始される可能性を事前に知らせる前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想6)
技術的思想5に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記特定状況の条件の全てが揃い、前記特定状況限定自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知に切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想7)
技術的思想2~6のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記監視義務なし自動運転についての前記事前承認がされていない場合には、前記監視義務なし自動運転が可能となった状態において前記車両の運転者からの承認がされ、前記監視義務なし自動運転が開始された場合に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想8)
技術的思想2~6のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記運転者の監視義務がない自動運転が許可される監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記監視義務なし自動運転についての前記事前承認がされていない場合には、前記監視義務なし自動運転が可能となった状態において前記車両の運転者からの承認がされた後、前記監視義務なし自動運転が開始されるよりも前に、前記監視義務なし自動運転中であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想9)
技術的思想1~8のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記自動化レベルの下降について、その下降が生じる要因を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合に、その下降が生じる要因に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御装置。
(技術的思想10)
技術的思想9に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者による操作介入であるオーバーライドによって前記自動化レベルが下降する場合に、下降後の自動化レベルよりも多くの走行支援を前記車両のシステムが行う補助期間を経て前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が前記オーバーライドによるものである場合には、前記補助期間を経て前記自動化レベルが下降してから、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想11)
技術的思想9又は10に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両のシステムの判断による運転交代によって前記自動化レベルが下降する場合に、前記車両の運転者に前記運転交代を要求する運転交代要求を行ってから前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる前に、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想12)
技術的思想11に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる前に、前記自動化レベルが下降することを事前に知らせる前記車外報知を行わせ、前記自動化レベルが下降した場合に、前記車外報知をその下降後に応じた態様に切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想13)
技術的思想9~12のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両のシステムの判断による運転交代によって前記自動化レベルが下降する場合に、前記車両の運転者に前記運転交代を要求する運転交代要求を行ってから前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が非計画的な前記運転交代によるものである場合には、前記運転交代要求が行われる場合、若しくは前記運転交代要求が行われた後に、前記車外報知をその下降前とで切り替えさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想14)
技術的思想9~12のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者によるブレーキ操作によって前記自動化レベルが下降する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で特定する前記自動運転関連状態を用いて、前記自動化レベルが下降する場合であって、その下降が生じる要因が、瞬時に前記自動化レベルを下降させる種類の要因である場合には、その要因が生じたタイミングで前記車外報知を行わせ、その車外報知を所定時間以上継続させる車両用報知制御装置。
(技術的思想15)
技術的思想14に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記自動化レベルの下降が生じる要因が、瞬時に前記自動化レベルを下降させる種類の要因である場合には、前記自動化レベルの下降が生じる要因が前記計画的な運転交代によるものである場合よりも、前記車外報知を長い時間継続させる車両用報知制御装置。
(技術的思想16)
技術的思想1~15のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記状態特定部(104a)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転での走行継続時間を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105a)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記状態特定部で特定する前記監視義務なし自動運転での走行継続時間が、前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を超える場合に、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想17)
技術的思想1~16のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記状態特定部(104b)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105b)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想18)
技術的思想17に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転中の車線変更後の前記車両の周辺状況も特定し、
前記車外報知制御部は、前記状態特定部で、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したこと、及びその車線変更完了後の前記車両の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定した場合には、前記車外報知を再度行わせる一方、前記状態特定部で、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを特定したが、その車線変更完了後の前記車両の前方若しくは後方の所定距離内に他車両が存在することを特定しなかった場合には、再度の前記車外報知を行わせない車両用報知制御装置。
(技術的思想19)
技術的思想17に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、前記状態特定部で特定した場合に、その車線変更の実施中から再度の前記車外報知を開始させ、その車線変更の完了時にその車外報知を終了させるか、若しくはその車線変更の完了時から一定時間経過してからその車外報知を終了させる車両用報知制御装置。
(技術的思想20)
技術的思想17に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施することを、前記状態特定部で特定した場合に、その車線変更の開始前から再度の前記車外報知を開始させる車両用報知制御装置。
(技術的思想21)
技術的思想17~20のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の運転者が周辺監視を実施しているか否かを特定する監視特定部(106)を備え、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、前記状態特定部で特定した場合において、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していると特定したか前記運転者が周辺監視を実施していないと特定したかに応じて、前記車外報知の態様を異ならせる車両用報知制御装置。
(技術的思想22)
技術的思想21に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施していることを、前記状態特定部で特定した場合において、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していると特定した場合には前記車外報知を行わせない一方、前記監視特定部で前記運転者が周辺監視を実施していないと特定した場合には、前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想23)
技術的思想17~22のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置(191b)は、前記車両の側部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって前記車外報知を行うものであり、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している途中においてその車線変更を中断して待機している待機状態であることを、前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の側部に設けられる前記車外報知装置から、前記待機状態であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想24)
技術的思想23に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置は、前記車両の左右両方の側部に少なくとも設けられるものであり、
前記車外報知制御部は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施している途中においてその車線変更を中断して待機している待機状態であることを、前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の左右両方の側部に設けられる前記車外報知装置のうちの、前記車線変更させる側に設けられる前記車外報知装置のみから、前記待機状態であることを示す前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想25)
技術的思想1~24のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部(104c)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の周辺状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105c)は、前記自動運転中の前記車両と前記車両の後方車両との車間距離が閾値未満となる状態が規定時間以上継続した状況を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想26)
技術的思想1~25のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置(191d)は、前記車両の前部に少なくとも設けられ、表示及び発光の少なくともいずれかによって前記車外報知を行うものであり、
前記状態特定部(104d)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の前記車両の追従状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105d)は、前記自動運転中の前記車両が先行車両への追従を開始した状況を前記状態特定部で特定した場合に、前記車両の前部に設けられる前記車外報知装置から前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想27)
技術的思想26に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置は、少なくとも発光によって前記車外報知を行うものであり、
前記車外報知制御部は、前記車両の車速の調整中は、点滅によって前記車外報知を行わせる一方、前記車両が定速で走行中は、点灯によって前記車外報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想28)
技術的思想1~27のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車両の車室内に向けて、前記車外報知を行っていることを示す報知である車内報知を行う車内報知装置(18,181,182)を制御する車内報知制御部(102,102b,102e)を備える車両用報知制御装置。
(技術的思想29)
技術的思想28に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転として、前記車両の運転者の監視義務がない自動運転である監視義務なし自動運転が可能な車両で用いることが可能なものであり、
前記状態特定部(104b)は、前記自動運転関連状態として、前記監視義務なし自動運転の開始及び前記監視義務なし自動運転中の車線変更の実施状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105b)は、前記監視義務なし自動運転の開始を前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知を第1所定時間継続してから終了させる一方、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車外報知を再度行わせ、
前記車内報知制御部(102b)は、前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施すること、若しくは前記監視義務なし自動運転中に車線変更を実施したことを、前記状態特定部で特定したことをもとに、前記車両の自動化レベルを示す前記車内報知は行わせずに、前記車線変更の実施状況を示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想30)
技術的思想28又は29に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知装置(191)は、少なくとも表示によって前記車外報知を行うものであり、
前記車内報知装置(181)は、少なくとも前記車両を示す画像を表示するものであり、
前記車内報知制御部は、前記車内報知装置で表示する前記車両を示す画像のうちの、前記車外報知装置で前記車外報知が行われる領域に、その車外報知と同様の表示を行わせることで前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想31)
技術的思想28~30のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記状態特定部(104e)は、前記自動運転関連状態として、前記自動運転中の交差点における自車の通行状況を少なくとも特定し、
前記車外報知制御部(105e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部(102e)は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止予定であることを示す前記車内報知を行わせる車両用報知制御装置。
(技術的思想32)
技術的思想31に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止が必要になったことを前記状態特定部で特定した場合に、前記車外報知制御部での前記車外報知を、前記車内報知制御部での前記車内報知よりも後に開始させ、前記車外報知制御部での前記車外報知の終了と前記車内報知制御部での前記車内報知の終了とは同じタイミングとさせる車両用報知制御装置。
(技術的思想33)
技術的思想31又は32に記載の車両用報知制御装置であって、
前記車外報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車外報知を行わせ、
前記車内報知制御部は、前記自動運転中の交差点における右左折時に、横断歩道手前で一時停止したことを前記状態特定部で特定した場合に、一時停止中であることを示す前記車内報知を行わせ、
前記車外報知制御部での一時停止中であることを示す前記車外報知と前記車内報知制御部での一時停止中であることを示す前記車内報知とは同じタイミングで開始させる車両用報知制御装置。
(技術的思想34)
自動運転が可能であるとともに、前記自動運転の度合いである自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
前記自動運転に関する前記車両の状態である自動運転関連状態を特定する状態特定工程と、
前記車両の車外に向けて前記自動運転に関する情報の報知である車外報知を行う車外報知装置(19,19b,19d,191,191b,191d,192)を制御する車外報知制御工程とを含み、
前記車外報知制御工程では、前記状態特定工程で特定した前記自動運転関連状態に応じて、前記車外報知を行わせるタイミングを変化させる車両用報知制御方法。
【符号の説明】
【0176】
1,1b,1d 車両用システム、10,10a,10b,10c,10d,10e HCU(車両用報知制御装置)、18 車内提示装置(車内報知装置)、19,19b,19d 車外報知装置、102,102b,102e 車内提示制御部(車内報知制御部)、104,104a,104b,104c,104d,104e 状態特定部、105,105a,105b,105c,105d,105e 車外報知制御部、106 監視特定部、181 表示器(車内報知装置)、182 音声出力装置(車内報知装置)、191,191b,191d 車外表示器(車外報知装置)、192 音声出力部(車外報知装置)