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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/36 20060101AFI20240509BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20240509BHJP
   B41J 17/32 20060101ALI20240509BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J15/04
B41J17/32 Z
B41J2/32 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022112745
(22)【出願日】2022-07-13
(65)【公開番号】P2023047284
(43)【公開日】2023-04-05
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2021155675
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】徳田 裕亮
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-278510(JP,A)
【文献】特開平08-118738(JP,A)
【文献】特開2020-104325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0360493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/01 - 3/54
B41J 2/315 - 2/345
B41J 17/00 - 17/42
B41J 15/00 - 15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、を備え、
前記第1のテープカセットは、押圧部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧部によって押圧されることで前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部を備え、
前記押圧部は、前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に延びるように設けられる押圧突起部である、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記第1の部材は、前記被押圧部の側方に設けられた被ガイド突起部をガイドするためのガイド部を有し、
前記ガイド部は、少なくとも一部が前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に延び、少なくとも他の一部が前記収納する方向に対して角度をなして延びる形状を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記被押圧部は、前記第1の部材よりも先に、収納される前記第1のテープカセットに接触し、
前記押圧突起部により前記収納する方向に押圧された前記被押圧部が移動することにより、前記第1の部材は前記収納する方向に対して交差する方向に移動する、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1のテープカセットの側方に設けられた被係止部と係合し、前記テープカセット収納部に収納された前記第1のテープカセットを係止する係止部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、を備え、
前記第1のテープカセットは、押圧部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧部によって押圧されることで前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部を備え、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットの少なくとも一部が当接しながら移動することで、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第3の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第4の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第2のテープカセットによって移動しない第2の部材をさらに備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、を備え、
前記第1のテープカセットは、押圧部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧部によって押圧されることで前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部を備え、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合において、前記第1のテープカセットの少なくとも一部に当接しながら移動し、かつ前記第1の部材に当接しながら前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる第2の部材を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合において、前記第1のテープカセットの少なくとも一部に当接しながら移動し、かつ前記第1の部材に当接しながら前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる第2の部材と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記第1の部材と前記第2の部材との少なくとも一方は、他方の部材をスライドさせるスライド部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に移動した場合に、前記他方の部材が前記スライド部をスライドすることにより、前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1の部材は、前記スライド部として、前記収納する方向に交差する平面に対して傾いた第1の傾斜面を有し、
前記第2の部材は、前記スライド部として、前記第1の傾斜面に対向する第2の傾斜面を有し、
前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記第1のテープカセットが収納されていない場合、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とが少なくとも一部を接触させた状態で配置されている、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第1の部材は、選択的に収容された前記第1のテープカセットと前記第2のテープカセットとのいずれかを支持する第1の部材本体部と、前記第1の部材本体部から前記第2の部材に向けて延出し、先端に前記第1の傾斜面が形成された延出部とを有する、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記テープカセット収納部を含む保持部本体と、
前記保持部本体に取り付けられ、前記保持部本体との間で前記第1の部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間でスライド可能に支持するスライド支持部と、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項12】
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、を備え、
前記第1のテープカセットは、押圧部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧部によって押圧されることで前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部を備え、
前記第1のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンを収容せず、前記第2のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンをさらに収容する、
ことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、先端面から第1フックが突出した周壁部を有し、複数種のテープカートリッジ(テープカセット)間で、周壁部の外周面において第1フックの基端部よりも基端側の部位である第1基端側部位の凹入深さが異なる第1ケース、及び第1フックが係合する第1フック受け部を有する第2ケースを備えたテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、テープカートリッジがカートリッジ装着部に装着された状態で、第1基端側部位の凹入深さに応じて、出力が変化する第1基端側部位検出センサーとを備えるテープ印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-144250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のテープ印刷装置のように、テープを格納するカートリッジ又はカセットを装着して印刷を行う印刷装置(ラベルプリンタ)について、形状が異なる複数の種類のカセットを装着しようとしても、ある一種類のカセットの装着に用いられる部品が他の種類のカセットに干渉して装着できず、干渉を回避させる印刷装置本体に適合する一種類の形状のカセットしか装着させることができないという課題があった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、複数の異なる形状又は種類のテープカセットを装着することが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の一態様は、
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1の位置から移動しない第1の部材と、を備え、
前記第1のテープカセットは、押圧部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧部によって押圧されることで前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部を備え、
前記押圧部は、前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に延びるように設けられる押圧突起部である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の異なる形状又は種類のテープカセットを装着することが可能な印刷装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る印刷装置の構成を示す斜視図。
図2】実施形態1の主要部の構成を示す斜視図。
図3】実施形態1の主要部の構成を示す平面図。
図4】実施形態1の細幅テープカセット又は太幅テープカセット収納後における主要部の構成を示す平面図。
図5】実施形態1のインクリボン付太幅テープカセット収納後における主要部の構成を示す平面図。
図6】実施形態1の収納機構の構成を示す斜視図。
図7】実施形態1の細幅テープカセット収納直前における収納機構の構成を示す側面図。
図8】実施形態1の細幅テープカセット収納途中における収納機構の構成を示す側面図。
図9】実施形態1の細幅テープカセット収納後における収納機構の構成を示す側面図。
図10】実施形態1の太幅テープカセット収納直前における収納機構の構成を示す側面図。
図11】実施形態1の太幅テープカセット収納途中における収納機構の構成を示す側面図。
図12】実施形態1の太幅テープカセット収納後における収納機構の構成を示す側面図。
図13】実施形態1のインクリボン付太幅テープカセット収納直前における収納機構の構成を示す側面図。
図14】実施形態1のインクリボン付太幅テープカセット収納後における収納機構の構成を示す側面図。
図15】実施形態2の収納機構の構成を示す側面図。
図16】実施形態2の収納機構のうち、装着されたテープカセットを支持するカセットベース及びリリースガイドに着目した斜視図。
図17図15の断面線XVII-XVIIで切断した収納機構の断面図であり、(a)は初期状態にあるときの断面図、(b)はカセットベース及びリリースガイドが移動した状態にあるときの断面図。
図18】初期状態にある実施形態2の収納機構と細幅テープカセット又は太幅テープカセットとの関係を示す平面図。
図19】細幅テープカセット収納直前における実施形態2の収納機構の状態を示す図であり、図18中の断面線XIX-XIXで切断した断面図。
図20】細幅テープカセット収納後における実施形態2の収納機構の状態を示す断面図。
図21】太幅テープカセット収納後における実施形態2の収納機構の状態を示す断面図。
図22】初期状態にある実施形態2の収納機構とインクリボン付太幅テープカセットとの関係を示す平面図。
図23】インクリボン付太幅テープカセット収納直前における実施形態2の収納機構の状態を示す図であり、図22中の断面線XXIII-XXIIIで切断した断面図。
図24】インクリボン付太幅テープカセット収納後における実施形態2の収納機構の状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る印刷装置1について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付し、さらに各図面に付された互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)は、矢印が向く方向を正の向き、正の向きとは逆の方向を負の向きと定義する。実施形態1に係る印刷装置1は、搬送部によって搬送されたラベル(テープ)状の被印刷媒体(テープ部材M)に文字、記号、模様又は画像を印刷するラベルプリンタである。
【0010】
印刷装置1の筐体2は、図1に示すように、オーバル形状の底面を有する柱体状を有している。筐体2の表面のうち、柱体の側面に該当する部分は、底面と直交した2つの平面2aと、この2つの平面2aを接続する2つの曲面2bと、を有している。さらに、2つの曲面2bの一方には、凹部2cが形成されている。
【0011】
凹部2cには、排出口2dが形成されている。印刷装置1内で印刷が行われたテープ部材Mは、排出口2dから装置外へ排出される。排出口2dは、底面に平行な方向に延びるスリット状の開口である。筐体2は、図示しないパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等を含む情報処理装置(外部機器)と接続する接続端子と、メモリカードを含む記憶媒体が挿入される挿入口と、電源コードが接続される電源端子と、を含み得るが、これらの図示は省略する。また、印刷装置1は上記のように、図示しないパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置との、有線ケーブル等を用いた有線接続によって受信した印刷データに基づいて印刷を行うとしても良いし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に基づく無線接続をすることにより受信した印刷データに基づいて印刷を行うとしても良い。
【0012】
図2は、本実施形態1における印刷装置1の筐体2に収容された内部構造の主要部8の斜視図である。筐体2の内部には、図2に示すように、各種の部品から構成された内部構造の主要部8が収容されている。この主要部8は、各種部品が取り付けられた平板部11aを有するベース部11と、ベース部11に設けられたカセット保持部12とを有している。
【0013】
カセット保持部12は、後述するテープカセットを保持(収納)可能な保持部本体12aと、平板部11aに立設され平板部11aと保持部本体12aとの間隔をあける複数の脚部12bとを有している。脚部12bは例えば4本であり、図2においては、そのうちの1本を図示している。保持部本体12aには、テープカセットを収納するための収納空間を区画するカセット収納部12c(テープカセット収納部12c)が形成され、テープカセットはカセット収納部12cに着脱自在に収納される。
【0014】
本実施形態1において、カセット収納部12cは、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、インクリボン付太幅テープカセット300のうちいずれか一つを選択的に収納可能にし、各々のテープカセットから繰り出されたテープ状の被印刷媒体(テープ部材M)への印刷を可能にする。なお、細幅、太幅等は便宜的な表現であり、実際にはテープ幅(テープ部材Mの幅)6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm、46mm等、様々な幅のテープ部材Mに応じた、様々な幅のテープカセットが収納可能である。本実施形態1では、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、インクリボン付太幅テープカセット300(以下、これらを単にテープカセットと記載する場合がある)に収容(収納)されるテープ幅はそれぞれ、12mm、46mm、24mmとして説明する。なお、カセット収納部12cへの、インクリボン付細幅テープカセットの収納については、インクリボン付太幅テープカセット300の収納と同様であるため、本実施形態1では説明を省略している。
【0015】
また、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200は、収容されるテープ部材Mの幅に応じて、互いにY軸方向の厚みが異なるが、厚みと押圧突起部(後述)以外の形状は同様であるカセットである。一方、インクリボン付太幅テープカセット300には、内部にテープ部材Mだけでなく、テープ部材Mに印刷(熱転写)を行うためのインクリボンR及び印刷を行った後の使用済みインクリボンR'を回収するリボン巻取りコア3005(後述)が少なくとも収容されるため、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200とは形状が異なる。
【0016】
細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200に収容されるテープ部材と、インクリボン付太幅テープカセット300に収容されるテープ部材と、では印刷の方式が異なる。細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200では、被印刷媒体として加熱により変色する感熱テープを使用し、サーマルヘッド10への通電によって感熱テープを加熱することで印刷を行う。一方、インクリボン付太幅テープカセット300では、サーマルヘッドへの通電によってインクリボンRをテープ部材に熱転写することで印刷を行う。本実施形態1では簡単のため、両方の印刷方式でのテープ部材をテープ部材Mとして表現する。
【0017】
図3は、内部構造の主要部8の平面図であり、図4はカセット収納部12cに細幅テープカセット100と太幅テープカセット200とのいずれか一方を収納した場合の平面図であり、図5はカセット収納部12cにインクリボン付太幅テープカセット300を収納した場合の平面図である。
【0018】
各々のテープカセットには、図4及び図5に示すように、サーマルヘッド10(印刷部10)が挿入される凹部であるサーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)、及びサーマルヘッド被挿入部3006がそれぞれ形成されている。細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)は、少なくともテープ部材Mを収容(収納)するカセットケース1001(カセットケース2001)を有する。カセットケース1001(カセットケース2001)には、テープコア1002(テープコア2002)が設けられている。また、インクリボン付太幅テープカセット300は、少なくともテープ部材M及びインクリボンR(使用済みインクリボンR')を収容(収納)するカセットケース3001を有する。カセットケース3001には、テープコア3002、リボン供給コア3004、リボン巻取りコア3005が設けられている。
【0019】
テープ部材Mは、カセットケース1001(カセットケース2001)、カセットケース3001内部の、それぞれのテープコア1002(テープコア2002)、テープコア3002にロール状に巻かれている。テープ部材Mは、例えば、接着層を有する基材と、接着層を覆うように剥離可能に基材に貼付された剥離紙と、を有するテープである。印刷(熱転写)用のインクリボンRは、その先端がリボン巻取りコア3005に巻きつけられた状態で、カセットケース3001内部のリボン供給コア3004にロール状に巻かれている。テープ部材M及びインクリボンRは、重なり合って凹形状のサーマルヘッド被挿入部3006を跨ぐように設けられている。
【0020】
主要部8には、図2及び図3に示すように、複数の発熱素子を有しテープ部材Mに印刷を行うサーマルヘッド10と、テープ部材M及びインクリボンRを搬送する搬送部としてのプラテンローラ21と、使用済みインクリボンR'を巻き取るリボン巻取り駆動軸23と、が設けられている。サーマルヘッド10及びプラテンローラ21は、サーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)を跨ぐテープ部材Mを挟み込む位置、又はサーマルヘッド被挿入部3006を跨ぐテープ部材M及びインクリボンRを挟み込む位置に設けられている。リボン巻取り駆動軸23は、保持部本体12aをY軸方向に貫通(挿通)し、カセット収納部12c内に突出した状態で設けられている。
【0021】
主要部8はさらに、図示は省略するが、排出口2d(図1に示す)の近傍に、フルカッター17及びハーフカッター16を備えている。フルカッター17は、(印刷済みの)テープ部材Mを切断してテープ片(ラベル片)を作成するカッターである。一方、ハーフカッター16は、テープ部材Mの先端部分等に切り込みを入れ、接着層を有する基材から剥離層を剥がしやすくするためのカッターである。
【0022】
保持部本体12aには、図4に示すように細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)のカセットケース1001(カセットケース2001)の側方に設けられた被係止部1009(被係止部2009)を係止するツメ(係止部12d)が設けられる。細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)は、カセット収納部12cに収納される際にツメ(係止部12d)に係止されることで、Y軸方向の位置決めがされる。ツメ(係止部12d)は、図2に示すように、保持部本体12aから+Y方向に延び、カセット収納部12cの内側に突出した断面が山型状の突起12fを有している。また、被係止部1009(被係止部2009)は、図7及び図9に示すように、カセットケース1001(カセットケース2001)の側面に形成された凸状部である。細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)をカセット収納部12cに収納する際に、被係止部1009(被係止部2009)をツメ(係止部12d)の突起12fを乗り越えさせることで、突起12fを被係止部1009(被係止部2009)に係合させることができる。
【0023】
保持部本体12aには、図4及び図5に示すように、細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)のカセットケース1001(カセットケース2001)、及びインクリボン付太幅テープカセット300のカセットケース3001のそれぞれに設けられる支持用切欠部1001a(支持用切欠部2001a)、支持用切欠部3001aを配置させるための台座12eが設けられる。台座12eは、保持部本体12aからY軸方向の正の向きに突出し、上部に平面部を有する形状をしており、この上部の平面部は後述するカセットベース固定部5111とほぼ同じ高さ(Y軸方向の位置が同じ)になるよう設けられている。この台座12eにより、細幅テープカセット100(太幅テープカセット200)及びインクリボン付太幅テープカセット300の、少なくとも一部が支持される。
【0024】
テープカセットがカセット収納部12cに収納される際、図4及び図5に示すように、サーマルヘッド10がカセットケース1001(カセットケース2001)、カセットケース3001にそれぞれ形成されたサーマルヘッド被挿入部1006(サーマルヘッド被挿入部2006)、サーマルヘッド被挿入部3006に挿入される。また、図5に示すように、リボン巻取り駆動軸23には、リボン巻取りコア3005が係合する。なお、図4に示すように、カセットケース1001(カセットケース2001)には、リボン巻取り駆動軸23が係合せずに貫通(挿通)するリボン巻取り駆動軸貫通孔1005(2005)が設けられる。
【0025】
プラテンローラ21は、Y軸方向に沿って延びる円柱状の形状を有し、プラテンローラ軸21aを中心に回転(回動)する。プラテンローラ21は、図4及び図5に示すように、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRをサーマルヘッド10に押圧しながら反時計回りに回転することにより、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRを正搬送する。このように正搬送しているときを正搬送時といい、このときテープ部材MはX軸方向の正の向き(排出口2dへ排出する向き)に搬送される。一方、プラテンローラ21が時計回りに回転することにより、テープ部材M、又はテープ部材M及びインクリボンRは逆搬送される。このように逆搬送しているときを逆搬送時といい、このときテープ部材MはX軸方向の負の向き(排出口2dへ排出する向きとは反対の向き)に搬送される。
【0026】
リボン巻取り駆動軸23は、図5に示す軸部25を中心に時計回り又は反時計回りに回転(回動)可能である。リボン巻取り駆動軸23は、正搬送時には時計回りに回転する。これにより、プラテンローラ21によって正搬送されたインクリボンRは、リボン巻取りコア3005に巻き取られていく。一方、逆搬送時にはプラテンローラ21によって逆搬送されるインクリボンR(使用済みインクリボンR')がリボン巻取りコア3005から引き出されることで、リボン巻取り駆動軸23は反時計回りに回転する。
【0027】
筐体2の内部には、搬送部(プラテンローラ21)及び印刷部(サーマルヘッド10)を制御する制御部がさらに設けられる。制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、搬送部は図示しないステッピングモータ等によって駆動する。
【0028】
細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200は、後述するカセットベース511及びリリースガイド521を移動させて、カセット収納部12cへ収納される。細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200をまとめて第1のテープカセットともいう。第1のテープカセットは少なくとも被印刷媒体(テープ部材M)を収容(収納)する。一方、インクリボン付太幅テープカセット300は、カセット収納部12cへの収納の際に、カセットベース511及びリリースガイド521を移動させない。インクリボン付太幅テープカセット300を第2のテープカセットともいう。第2のテープカセットは、少なくとも被印刷媒体(テープ部材M)を収容(収納)し第1のテープカセットとは種類が異なるテープカセットであり、本実施形態1ではテープ部材MとインクリボンRとを収容(収納)する。
【0029】
図6は、カセット収納部12cを含む本実施形態1の収納機構の構成を示す斜視図である。なお、簡単のためにサーマルヘッド10、プラテンローラ21等の構成は省略し、収納機構を除いた他の構成を実線により表している。なお、収納機構は図6に示すように、ベース部11と、カセットベース511と、カセットベースボタン512と、第1の弾性部材としてのカセットベーススプリング513と、リリースガイド521と、第2の弾性部材としてのリリーススプリング522と、を備える。
【0030】
保持部本体12aは各々のテープカセットを収納することが可能な大きさ及び形状(Y軸方向の深さ等)を備える。保持部本体12aの材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。
【0031】
カセットベース511は、インクリボン付太幅テープカセット300の一部(第1の切欠部3007)と当接するカセットベース固定部5111と、カセットベースボタン512の側方に、Z軸方向の正の向きに突出するように設けられた被ガイド突起部512aをガイドするために、Z軸方向の正の向きへと凹むように設けられたボタンガイド部5112(ガイド部)と、テープカセット検出スイッチ5113と、を備える。ボタンガイド部5112は、図7に示すように、XY面に平行な方向に延びている。また、ボタンガイド部5112は少なくとも一部がY軸方向に沿って延び、一端(上端)がX軸方向負の向きへと所定の角度で折れ曲がる形状(少なくとも一部がY軸方向に対して角度をなして延びる形状)を有する。すなわち、ボタンガイド部5112は、Y軸方向に沿って延びた第1延設部5112aと、第1延設部5112aの+Y方向側の端部に接続しY軸に対して角度をなして延びる第2延設部5112bとを有する。なお、図6に示すように、カセットベース511はベース部11に、X軸方向に移動可能に取り付けられる。カセットベース511の材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、テープカセット検出スイッチ5113は、例えばインクリボン付太幅テープカセット300の一部(第1の切欠部3007)と当接すると共に押下されるスイッチであり、インクリボン付太幅テープカセット300の形状(第1の切欠部3007の形状)の違いにより、押下されるスイッチが異なる。これにより、例えばテープ幅を検出できる。なお、テープカセット検出スイッチ5113は、インクリボン付きのテープカセットに限らず、インクリボンを収容しない種類のテープカセットによって押下されても良い。この場合、テープカセット検出スイッチ5113は、テープカセットの種類も検出できる。また、テープカセット検出スイッチ5113の数は図示したものに限られない。
【0032】
カセットベース511は、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに収納しようとする場合(Y軸方向の負の向きに移動させようとする場合)に、インクリボン付太幅テープカセット300の第1の切欠部3007に当接する。カセットベース511は、各々のテープカセットをカセット収納部12cに収納する場合に用いられる部材(第1の部材)であり、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200と当接する際には移動し、インクリボン付太幅テープカセット300と当接する場合には移動しない。なお、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200をカセット収納部12cに収納しようとする場合、カセットベース511よりもY軸方向の正の向きに突出したカセットベースボタン512に、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200の一部(後述する押圧突起部)が当接する。
【0033】
カセットベースボタン512は、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の下方に、カセット収納部12cに収納する方向に延びるようにそれぞれ設けられた押圧突起部1008(押圧突起部2008)と当接する、Y軸方向に沿って延びる棒状の本体部分と、ボタンガイド部5112にガイドされる被ガイド突起部512aと、を備える部材(被押圧部)である。また、カセットベースボタン512の下方には、Y軸方向に沿って延びる付勢部材であるカセットベーススプリング513の一端が固定され、カセットベーススプリング513の他端はベース部11の平板部11aに固定される。これにより、カセットベースボタン512はベース部11に対して、Y軸方向に移動(付勢)可能に取り付けられる。カセットベースボタン512の材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、カセットベーススプリング513は例えば金属のコイルばねであるが、材料や構成はこれに限られるものではない。カセットベースボタン512の一端は、カセットベース固定部5111の端部よりも+Y方向にある。
【0034】
カセットベースボタン512は、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納される際に、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の下方に設けられた押圧突起部1008(押圧突起部2008)と当接し、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200が押し下げられるに伴って、Y軸方向の負の向きに押し下げられる。
【0035】
リリースガイド521は、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに収納しようとする場合(Y軸方向の負の向きに移動させようとする場合)に、インクリボン付太幅テープカセット300の第2の切欠部3008に設けられるばらけ防止部に当接する部材(第2の部材)である。リリースガイド521の内部には、Y軸方向に延びる付勢部材であるリリーススプリング522の一端が固定され、リリーススプリング522の他端はベース部11の平板部11aに固定される。これにより、リリースガイド521はベース部11に対して、Y軸方向に移動(付勢)可能に取り付けられる。リリースガイド521の材料は特に限定されず、例えば樹脂や金属等によって構成される。また、リリーススプリング522は例えば金属のコイルばねであるが、材料や構成はこれに限られるものではない。
【0036】
また、リリースガイド521はインクリボン付太幅テープカセット300と当接する部材であり、インクリボン付太幅テープカセット300に収納されているテープ部材Mがばらける(広がる)ことを防止するために第2の切欠部3008の下方に設けられる、図示しないばらけ防止部によるばらけ防止機能を解除するための部材である。ばらけ防止部がリリースガイド521に当接していない場合は、ばらけ防止部はインクリボン付太幅テープカセット300内に収納されているロール状のテープ部材Mの外周方向の移動を規制する。一方、ばらけ防止部がリリースガイド521に当接しY軸方向の正の向きに押し上げられることによって、インクリボン付太幅テープカセット300内に収納されているロール状のテープ部材Mの外周方向の移動の規制が解除される。これにより、テープ部材Mを正常に搬送することができる。なお、テープ部材Mがばらける(広がる)現象は特に、インクリボン付太幅テープカセット300のように比較的太幅(36mm、46mm等)のテープ部材Mで顕著である。
【0037】
一方、リリースガイド521は、細幅テープカセット100又は太幅テープカセット200をカセット収納部12cに収納する場合には、太幅テープカセット200の一部(下面)に当接しながら、Y軸方向負の向きへと移動される。
【0038】
以下、図7図14を用いて、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに収納する場合の、収納機構の動作を説明する。
【0039】
図7図9は、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに収納される際の、本実施形態1の収納機構の動作を示す側面図である。図7図9を参照して、カセット収納部12cに細幅テープカセット100を収納する場合のカセットベース511、カセットベースボタン512、カセットベーススプリング513、リリースガイド521及びリリーススプリング522の動作について説明する。図7は、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに収納される前の、収納機構の構成を示す側面図である。図7に示すように、カセット収納部12cに細幅テープカセット100が取り付けられる前のカセットベース511の位置を初期位置(第1の位置)とする。また、カセット収納部12cに細幅テープカセット100が取り付けられる前のリリースガイド521の位置を初期位置(第3の位置)とする。
【0040】
図7に示すように、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに向けて(Y軸方向の負の向きに向けて)押下されると、細幅テープカセット100の下方の一部に設けられた押圧突起部1008がカセットベースボタン512とまず当接する。
【0041】
図8は、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに収納される途中の、収納機構の構成を示す側面図である。図8に示すように、図7の状態からさらに押下されると、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに押し下げられる。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512aがボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511はX軸方向の負の向きに移動される。つまり、カセットベース511は、細幅テープカセット100の収納を妨げない待避位置(第2の位置)へと移動される。換言すれば、カセットベース511は細幅テープカセット100の少なくとも一部(押圧突起部1008)が間接的に作用することで初期位置(第1の位置)から待避位置(第2の位置)へと移動される。また、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに移動することで、カセットベーススプリング513が圧縮される。
【0042】
図9は、細幅テープカセット100がカセット収納部12cに収納された後の、収納機構の構成を示す側面図である。図9に示すように、図8の状態からさらに押下されると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きにさらに移動する。一方、リリースガイド521は、細幅テープカセット100がY軸方向の負の向きに押し下げられるに伴って細幅テープカセット100の下面に当接し、細幅テープカセット100と共にY軸方向の負の向きに移動する。つまり、リリースガイド521は、細幅テープカセット100の収納を妨げない待避位置(第4の位置)へと移動される。また、リリースガイド521がY軸方向の負の向きに移動することで、リリーススプリング522が圧縮される。
【0043】
このとき、細幅テープカセット100は、カセットケース1001の側方に設けられた被係止部1009が、保持部本体12aに設けられたツメ(係止部12d)によって係止されることで、Y軸方向の移動を規制される。これにより、細幅テープカセット100のカセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。
【0044】
以下に、カセット収納部12cから細幅テープカセット100を取り外す場合のカセットベース511、カセットベースボタン512、カセットベーススプリング513、リリースガイド521及びリリーススプリング522の動作について説明する。
【0045】
保持部本体12aに設けられたツメ(係止部12d)を、カセットケース1001の側方に設けられた被係止部1009から外し、細幅テープカセット100が引き上げられてカセット収納部12cから取り外されると、圧縮されていたカセットベーススプリング513が伸びてカセットベースボタン512がY軸方向の正の向きに移動する。
【0046】
カセットベースボタン512がY軸方向の正の向きに移動されると、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512aがボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511をX軸方向の正の向きに移動させ、カセットベース511及びカセットベースボタン512はそれぞれ初期位置に移動する。
【0047】
一方、細幅テープカセット100が引き上げられてカセット収納部12cから取り外されると、圧縮されていいたリリーススプリング522が伸びてリリースガイド521が初期位置に移動する。
【0048】
図10図12は、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納される際の、本実施形態1の収納機構の動作を示す側面図である。図10図12を参照して、カセット収納部12cに太幅テープカセット200を収納する場合のカセットベース511、カセットベースボタン512、カセットベーススプリング513、リリースガイド521及びリリーススプリング522の動作について説明する。図10は、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納される前の、収納機構の構成を示す側面図である。図10に示すように、カセット収納部12cに太幅テープカセット200が取り付けられる前のカセットベース511の位置を初期位置(第1の位置)とする。また、カセット収納部12cに細幅テープカセット100が取り付けられる前のリリースガイド521の位置を初期位置(第3の位置)とする。
【0049】
図10に示すように、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに向けて(Y軸方向の負の向きに向けて)押下されると、太幅テープカセット200の下面の一部に設けられた押圧突起部2008がカセットベースボタン512とまず当接する。
【0050】
太幅テープカセット200の押圧突起部2008は、細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもY軸方向に沿って長く構成されている。換言すると、太幅テープカセット200押圧突起部2008は、細幅テープカセット100の押圧突起部1008よりもテープ部材Mの幅方向に沿って長く構成されている。
【0051】
図11は、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納される途中の、収納機構の構成を示す側面図である。図11に示すように、図10の状態からさらに押下されると、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに押し下げられる。このとき、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512aがボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511はX軸方向の負の向きに移動される。つまり、カセットベース511は、細幅テープカセット100の収納を妨げない待避位置(第2の位置)へと移動される。換言すれば、カセットベース511は細幅テープカセット100の少なくとも一部(押圧突起部1008)が間接的に作用することで初期位置(第1の位置)から待避位置(第2の位置)へと移動される。また、カセットベースボタン512がY軸方向の負の向きに移動することで、カセットベーススプリング513が圧縮される。
【0052】
図12は、太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納された後の、収納機構の構成を示す側面図である。図12に示すように、図11の状態からさらに押下されると、カセットベースボタン512はY軸方向の負の向きにさらに移動する。一方、リリースガイド521は、太幅テープカセット200がY軸方向の負の向きに押し下げられるに伴って太幅テープカセット200の下面に当接し、太幅テープカセット200と共にY軸方向の負の向きに移動する。つまり、リリースガイド521は、太幅テープカセット200の収納を妨げない待避位置(第4の位置)へと移動される。また、リリースガイド521がY軸方向の負の向きに移動することで、リリーススプリング522が圧縮される。
【0053】
このとき、太幅テープカセット200は、カセットケース2001の側方に設けられた被係止部2009が、保持部本体12aに設けられたツメ(係止部12d)によって係止されることで、Y軸方向の移動を規制される。これにより、太幅テープカセット200のカセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。
【0054】
以下に、カセット収納部12cから太幅テープカセット200を取り外す場合のカセットベース511、カセットベースボタン512、カセットベーススプリング513、リリースガイド521及びリリーススプリング522の動作について説明する。
【0055】
保持部本体12aに設けられたツメ(係止部12d)を、カセットケース2001の側方に設けられた被係止部2009から外し、太幅テープカセット200が引き上げられてカセット収納部12cから取り外されると、圧縮されていたカセットベーススプリング513が伸びてカセットベースボタン512がY軸方向の正の向きに移動する。
【0056】
カセットベースボタン512がY軸方向の正の向きに移動されると、カセットベースボタン512の被ガイド突起部512aがボタンガイド部5112の第2延設部5112bにガイドされるに伴って、カセットベース511をX軸方向の正の向きに移動させ、カセットベース511及びカセットベースボタン512はそれぞれ初期位置に移動する。
【0057】
一方、細幅テープカセット100が引き上げられてカセット収納部12cから取り外されると、圧縮されていいたリリーススプリング522が伸びてリリースガイド521が初期位置に移動する。
【0058】
図10図12に示すように、カセット収納部12cへの太幅テープカセット200の収納及び取り外しにおいて、カセットベース511、カセットベースボタン512、カセットベーススプリング513、リリースガイド521及びリリーススプリング522は、細幅テープカセット100の収納及び取り外しの際と同様に動作(移動)する。ただし、太幅テープカセット200は細幅テープカセット100よりも厚さが大きいため、カセットベースボタン512及びリリースガイド521は細幅テープカセット100を収納した場合よりもY軸方向の負の向きに大きく移動する。
【0059】
図13及び図14は、インクリボン付太幅テープカセット300がカセット収納部12cに収納される際の、本実施形態1の収納機構の動作を示す側面図である。図13及び図14を参照して、カセット収納部12cにインクリボン付太幅テープカセット300を収納する場合について説明する。
【0060】
図13は、インクリボン付太幅テープカセット300がカセット収納部12cに収納される前の、収納機構の構成を示す側面図であり、図14は、インクリボン付太幅テープカセット300がカセット収納部12cに収納された後の、収納機構の構成を示す側面図である。図13に示すように、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに向けて(Y軸方向の負の向きに向けて)押下すると、図14に示すように、インクリボン付太幅テープカセット300はカセットベース511及びリリースガイド521と当接する。このとき、インクリボン付太幅テープカセット300の下方には、カセットベースボタン512を押圧するための押圧突起部が設けられていないため、インクリボン付太幅テープカセット300はカセットベースボタン512を押圧及び移動させずに、下方に設けられた第1の切欠部3007がカセットベース固定部5111に当接する。さらに、カセットベース511はX軸方向にしか移動できないため、インクリボン付太幅テープカセット300をY軸方向の負の向きに押し下げたとしても、カセットベース511はY軸方向の負の向きには移動しない。これにより、インクリボン付太幅テープカセット300はカセットベース511によってY軸方向の負の向きへの移動を規制されるため、カセットベース511、カセットベースボタン512及びリリースガイド521はそれぞれの初期位置から移動しない。これにより、カセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。
【0061】
一方、インクリボン付太幅テープカセット300においては、第2の切欠部3008の下方に設けられる図示しないばらけ防止部がリリースガイド521に当接するが、ばらけ防止部がリリースガイド521を押し返す力よりも、リリーススプリング522がY軸方向の正の向きに及ぼす力の方が強いため、リリースガイド521はY軸方向の負の向きには移動しない。
【0062】
なお、カセット収納部12cへの、インクリボン付細幅テープカセット(例えばテープ幅12mm)の収納については、インクリボン付太幅テープカセット300の収納と同様であり、インクリボン付細幅テープカセットの下方に設けられた切欠部がカセットベース固定部5111に当接し、それ以上のY軸方向の負の向きへの移動が規制されることで、カセット収納部12cへの収納(固定)が完了する。
【0063】
以上の構成を備えることで、本実施形態1に係る印刷装置1は、同一のカセット収納部内であっても複数の異なる形状、種類のテープカセットを装着することが可能となる。
【0064】
複数の異なる形状、種類のテープカセットを装着することが可能な印刷装置を実現するために、部品とテープカセットとの干渉を避けようとテープカセットの装着箇所を大きくしたり、カセット収納部を複数設けたりする場合、印刷装置全体が大型化してしまう。本実施形態1に係る印刷装置1によれば、複数の異なる形状、種類のテープカセットを装着することができる小型の印刷装置を実現できる。
【0065】
複数の異なる形状、種類のテープカセットを装着することが可能な印刷装置を実現するために、部品とテープカセットとの干渉を避けようとテープカセットの装着箇所を大きくしたり、テープ収納部を複数設けたりする場合、テープカセットの装着箇所に本来装着不可能なテープカセットの装着を可能にする別部品、即ちアタッチメントを用いる場合があるが、これはユーザにアタッチメントを装着させる手間を増やしてしまい、装着ずれ又は装着忘れが生じてしてしまう可能性もある。本実施形態1に係る印刷装置1によれば、アタッチメントを用いずに複数の異なる形状のテープカセットを装着することができる印刷装置を実現できる。
【0066】
(実施形態2)
次に実施形態2について、図面を参照して説明する。実施形態1では、Y軸に対して角度をなして延びた第2延設部5112bに被ガイド突起部512aがガイドされることにより、第1の部材であるカセットベース511をX軸方向に沿って移動させた。これに対し、実施形態2では、第1部材及び第2部材にスライド面(スライド部)を形成し、第2の部材をY軸方向に沿って移動させることで、接触させたスライド面を滑らせて、第1の部材をX軸方向に沿って移動させる。なお、スライド面とは、テープカセットを収納する方向に直交する平面に対して傾いた傾斜面のことである。実施形態2の構成は、実施形態1の構成と比較して、第1の部材、第2の部材、及びこれらの部材の周囲の構成が異なっているが、それ以外は共通している。そのため、以下の説明では、実施形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0067】
主要部108は、図18に示すように、第1の部材としてのカセットベース50と、第2の部材としてのリリースガイド60と、を有している。また、主要部108は、図16に示すように、保持部本体12a(図15)との間でカセットベース50をX軸方向に沿ってスライド可能に支持するスライド支持部70を有している。
【0068】
カセットベース50は、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、及びインクリボン付太幅テープカセット300の突出部100b(図20)、200b(図21)、300b(図24)と接触して、各々のテープカセットを支持する。カセットベース50は、図16に示すように、スライドベース部51と、スライドベース部51に立設した本体部(第1の部材本体部)52と、スライドベース部51からリリースガイド60に向けて、+X方向に延出した延出部53とを有している。スライドベース部51、本体部52、及び延出部53は一体に成型されており、カセットベース50は、一体でX軸に沿って移動する。
【0069】
スライドベース部51は、カセット保持部12の底板部12g(図18)と、スライド支持部70との間で、X軸方向にスライド可能に支持されている。スライドベース部51の+Y方向側のスライド面51aは、底板部12g(図18)の外面と接触する。
【0070】
本体部52は、スライドベース部51から+Y方向に立設した柱状部材である。本体部52は、図18に示すように、保持部本体12aに形成されたカセットベース用開口31から保持部本体12aの内側に突出しており、テープカセットを収納するための収納空間の一部を画定する。本体部52の上端(+Y方向側の端部)には、図16に示すように、各々のテープカセットを支持する、一部が突出した接触部52aが形成されている。
【0071】
延出部53は、スライドベース部51から+X方向に延びたプレート状の部材である。延出部53の先端の+Y方向側の角部には、Z軸方向に平行で、かつ、法線ベクトルが+X成分及び+Y成分を有する第1の傾斜面としての傾斜面53aが形成されている。傾斜面53aは、リリースガイド60をスライドさせるスライド部として機能する。
【0072】
また、延出部53とスライドベース部51との交差部には、プレート54が取り付けられている。プレート54には、第3弾性部材としての引張ばね75を引っ掛けるための孔54aが中央に形成されている。プレート54は、延出部53の基部を補強する。
【0073】
スライド支持部70は、図15に示すように、保持部本体12aから-Y方向に突出した突起部13にねじ止めされている。具体的には、スライド支持部70は、図17に示すように、四隅に通された4つのねじ71を介して、保持部本体12aの外側に取り付けられている。スライド支持部70には、図16に示すように、+Y方向側に向けて開放された凹部70aが形成されている。この凹部70aには、スライドベース部51が収容されている。凹部70aには、X軸方向において、スライドベース部51の移動を許容する十分な長さが確保されている。
【0074】
引張ばね75は、図17に示すように、X軸に沿った状態で、保持部本体12aの外側に配置されている。引張ばね75の一端側のフック75aは、カセットベース50に設けられたプレート54に引っ掛けられている。一方、他端側のフック75bは、底板部12gに形成された引掛部12hに引っ掛けられている。引張ばね75は、保持部本体12aとカセットベース50とを接続し、カセットベース50を+X方向へと付勢する。
【0075】
リリースガイド60は、図16に示すように、一端にフランジ61が形成された本体部62と、本体部62とベース部11(図19)とを接続する第4の弾性部材としての圧縮ばね65を有している。
【0076】
フランジ61は、本体部62の-Y方向側の端部に形成されている。フランジ61には、切り欠き61aが形成されている。この切り欠き61aには、リリースガイド60をY軸に沿ってガイドするための後述するガイドレール14(図15)が通されている。フランジ61は、+Y方向側の面で底板部12g(図18)の-Y方向側の面と当接することで、圧縮ばね65によって+Y方向に向けて付勢された本体部62の位置決めを行う。
【0077】
本体部62は、+Y方向側の端部である接触部62aで、細幅テープカセット100、及び太幅テープカセット200と接触し支持する。収納機構が初期状態にあるとき、接触部62aは、図19に示すように、カセットベース50の接触部52aよりも+Y方向側に位置している。これにより、リリースガイド60は、カセットベース50よりも先に、収納する細幅テープカセット100、及び太幅テープカセット200に接触する。一方、インクリボン付太幅テープカセット300には、図22に示すように、本体部62をかわす第2の切り欠き部3008が形成されている。これにより、インクリボン付太幅テープカセット300は、接触部62aと接触することなく、本体部62の一部を第2の切り欠き部3008内に収容する。
【0078】
また本体部62は、図16に示すように、+Y方向に立設した柱状部63と、柱状部63から突出した突出部64とを有している。本体部62は、図18に示すように、保持部本体12aに形成されたリリースガイド用開口32から保持部本体12aの内側に突出し、テープカセットを収納するための収納空間の一部を画定する。
【0079】
柱状部63は、+Y方向側からみると略扇型状をなしており、図18に示すように、円弧部を形成する外面63bは保持部本体12aに接触している。この外面63bには、図15に示すように、Y軸方向に延びる線状の2本の突起63aが形成されている。この2本の突起63aは、保持部本体12aに形成されたY軸方向に延びるスリット12iに挿入されている。これにより、リリースガイド60のY軸方向における移動を安定して行うことができる。
【0080】
突出部64は、図16に示すように、柱状部63の+Z方向を向いた面から+Z方向に突出した部分であり、柱状部63と同様にY軸方向に立設した部分である。突出部64の-Y方向側の角部には、Z軸方向に平行で、かつ、法線ベクトルが-X成分及び-Y成分を有する第2の傾斜面としての傾斜面64aが形成されている。傾斜面64aは、カセットベース50をスライドさせるスライド部として機能する。傾斜面64aは、リリースガイド60が何ら押圧されずに初期位置にある場合、延出部53に形成された傾斜面53aと一部が接触した状態にある。傾斜面53aと傾斜面64aとは、同一の方向に傾斜しており、リリースガイド60が-Y方向に移動することにより互いに面接触する。なお、リリースガイド60が初期位置にある場合の、傾斜面53aと傾斜面64aとの接触状態は任意に設定することができ、互いに全面で接触した状態としてもよい。
【0081】
圧縮ばね65は、リリースガイド60の本体部62とベース部11(図15)との間に介在する。圧縮ばね65は、リリースガイド60が-Y方向に移動するにつれて、リリースガイド60を元の位置に戻そうとする大きな復元力を作用させる。
【0082】
また、保持部本体12aには、図15及び図17に示すように、押圧されたリリースガイド60を-Y方向に導くためのガイドレール14が、-Y方向を向いた面に形成されている。ガイドレール14は、保持部本体12aに形成されたリリースガイド用開口32(図18)の周縁からベース部11にまで延設されている。ガイドレール14をY軸に直交する平面で切断した場合の断面は、図17(a)、(b)に示すように、略“Π”字をなしている。なお、ガイドレール14には、延出部53が差し込まれる、Y軸方向に延びるスリット14aが形成されている。ガイドレール14の内部には、リリースガイド60の突出部64が収容される。これにより、押圧されたリリースガイド60は、ガイドレール14の延出方向であるY軸に沿ってガイドされる。
【0083】
次に、細幅テープカセット100、太幅テープカセット200、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに収納する場合の、収納機構の動作について説明する。なお、実施形態1では、インクリボン付太幅テープカセット300に収容(収納)されるテープ幅は24mmであるとして説明したが、本実施形態におけるテープ幅は46mmである。
【0084】
図18において、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を二点鎖線で示し、ハッチングによりテープカセットの範囲を塗りつぶしている。すなわちハッチングは、テープカセットの範囲を理解しやすくするためのものであり、テープカセットの断面を表すものではない。細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200は、側部から突出した、図19図21に示す突出部100b,200bを有している。この突出部100b、200bは、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200がカセット収納部12cに収納された際、カセットベース50に接触する。また、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200は、図19図21に示すように、突出部100b、200bよりもさらに-Y方向の深い箇所にまで挿入される厚肉部100a,200aを有している。厚肉部100a,200aの厚みは、収納するテープ部材Mの幅が広くなるほど厚くなる。図20では、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の厚肉部100a,200aの範囲を、より濃い色でハッチングしている。
【0085】
図18に示すように、所定の平面位置(XZ平面内における位置)に配置したテープカセット100,200を+Y方向からみると、厚肉部100a,200aは、カセットベース50の接触部52aと、リリースガイド60の接触部62aに重なる。したがって、収納するために-Y方向に移動させたテープカセット100,200は、初期状態にあるカセットベース50およびリリースガイド60と干渉する。すなわち、初期状態にあるカセットベース50およびリリースガイド60により一部が画定された収納空間には、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200を収納するためのスペースが確保されていない。本実施形態の印刷装置においては、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200でリリースガイド60を押圧することで、テープカセットの収納スペースを確保する。
【0086】
細幅テープカセット100を収納する場合、まず、図18に示すように、保持部本体12aに対して、細幅テープカセット100を所定の平面位置に配置する。
【0087】
続いて、図19に示すように、細幅テープカセット100を-Y方向に移動(収納する方向に移動)させて、保持部本体12aに近づける。なお、細幅テープカセット100の-Y方向を向いた面には、-Y方向に突出する押圧突起部101が形成されている。押圧突起部101は、リリースガイド60の接触部62aに当接する位置に設けられている。上述のように、接触部62aは、カセットベース50の接触部52aよりも+Y方向に位置しており、テープカセット100,200に近い。そのため、-Y方向に移動する細幅テープカセット100は、最初に押圧突起部101をリリースガイド60の接触部62aに接触させる。
【0088】
押圧突起部101が接触部62aに接触した状態から、さらに細幅テープカセット100を-Y方向に移動させる。すると、細幅テープカセット100は、圧縮ばね65(図16)が作用させる復元力に抗しながら、リリースガイド60を-Y方向に移動させる(押し下げる)。このように押し下げられたリリースガイド60は、突出部64がガイドレール14にガイドされて-Y方向に移動する。このとき、延出部53に形成された傾斜面53aは、-Y方向に移動してくる傾斜面64a上でスライドする。これより、延出部53を有するカセットベース50は、引張ばね75(図16)の復元力に抗しながら、-X方向へと移動する。このように、リリースガイド60を-Y方向に移動させるとともに、カセットベース50を-X方向に移動させることで、テープカセットの収納空間が広がっていく。カセットベース50は、細幅テープカセット100の一部である押圧突起部101がリリースガイド60を押圧するという間接的な作用により、リリースガイド60に当接しながら-X方向に移動する。
【0089】
さらに細幅テープカセット100を-Y方向に移動させることで、図20に示すように、傾斜面53aと傾斜面64aとが接触しなくなり、延出部53の先端部53bが突出部64の側部64bを摺動するようになる。このような状態となることで、カセットベース50は、-X方向の移動を停止する。このとき、カセットベース50は、細幅テープカセット100の収納を妨げない第2の位置にある。そして、さらに細幅テープカセット100を-Y方向に移動させることで、細幅テープカセット100の突出部100bが、カセットベース50の接触部52aに接触する。このとき、細幅テープカセット100は、係止部12d(図18)により係止される。これにより、細幅テープカセット100を、保持部本体12aに収納し、保持することができる。
【0090】
このようにして収納した細幅テープカセット100を取り外す場合、保持部本体12aに設けられた係止部12dを細幅テープカセット100から外せばよい。これにより、リリースガイド60は、図16に示す圧縮ばね65の復元力を受けて、細幅テープカセット100を+Y方向へと移動させて収納空間から出す。
【0091】
なお、細幅テープカセット100から係止部12dを外すことで、リリースガイド60は、圧縮ばね65(図16)の復元力を受けて、+Y方向に移動する。そして、図19に示すように、スライドベース部51の+X方向側に形成された壁体51bが、凹部70aの+X方向側を画定する壁面72に当接することで、リリースガイド60は初期位置(第2の位置)に復帰する。また、カセットベース50は、引張ばね75(図16)の復元力を受けて、+X方向に移動する。そして、図17(a)に示すように、フランジ61が底板部12gと当接することで、カセットベース50は、初期位置(第1の位置)に復帰する。
【0092】
次に、太幅テープカセット200を収納する場合の収納機構の動作について説明する。まず、図18に示すように、保持部本体12aに対して、太幅テープカセット200を所定の平面位置に配置する。
【0093】
続いて、太幅テープカセット200を-Y方向に移動させて、保持部本体12aに近づける。なお、太幅テープカセット200の-Y方向を向いた面には、-Y方向に突出する押圧突起部201が形成されている。押圧突起部201は、リリースガイド60の接触部62aに当接する位置に設けられている。
【0094】
押圧突起部201が接触部62aに接触した状態から、さらに太幅テープカセット200を-Y方向に移動させる。すると、太幅テープカセット200は、圧縮ばね65(図16)が作用させる復元力に抗しながら、リリースガイド60を-Y方向に移動させる(押し下げる)。これにより、細幅テープカセット100を収納する場合と同様に、延出部53を有するカセットベース50は、引張ばね75(図16)の復元力に抗しながら、-X方向へと移動する。このように、リリースガイド60を-Y方向に移動させるとともに、カセットベース50を-X方向に移動させることで、テープカセットの収納空間が広がっていく。カセットベース50は、太幅テープカセット200の一部である押圧突起部201がリリースガイド60を押圧するという間接的な作用により、リリースガイド60に当接しながら-X方向に移動する。
【0095】
さらに太幅テープカセット200を-Y方向に移動させることで、図21に示すように、太幅テープカセット200の突出部200bが、カセットベース50の接触部52aに接触する。このとき、太幅テープカセット200は、係止部12d(図18)により係止される。これにより、太幅テープカセット200を、保持部本体12aに収納し、保持することができる。なお、太幅テープカセット200は、細幅テープカセット100よりも厚みがあることから、図20図21とを比較して分かるように、リリースガイド60をより大きく-Y方向に押圧する。
【0096】
太幅テープカセット200を保持部本体12aから取り外す方法は、細幅テープカセット100と同様であることから、説明は省略する。
【0097】
次に、インクリボン付太幅テープカセット300をカセット収納部12cに収納する場合の、収納機構の動作を説明する。図22において、インクリボン付太幅テープカセット300を二点鎖線で示し、ハッチングによりテープカセットの範囲を塗りつぶしている。すなわちハッチングは、テープカセットの範囲を理解しやすくするためのものであり、テープカセットの断面を表すものではない。インクリボン付太幅テープカセット300は、側部から突出した、図24に示す突出部300bを有している。この突出部300bは、インクリボン付太幅テープカセット300がカセット収納部12cに収納された際、カセットベース50に接触する。また、インクリボン付太幅テープカセット300は、図24に示すように、突出部300bよりもさらに-Y方向の深い箇所にまで挿入される厚肉部300aを有している。図22では、インクリボン付太幅テープカセット300の厚肉部300aの範囲を、より濃い色でハッチングしている。
【0098】
図22に示すように、所定の平面位置に配置したインクリボン付太幅テープカセット300を+Y方向からみると、厚肉部300aは、カセットベース50の接触部52a及びリリースガイド60の接触部62aと重ならない。そのため、インクリボン付太幅テープカセット300を-Y方向に移動させることにより、そのままカセット収納部12cに収納することができる。すなわち、図23中の矢印で示すように、インクリボン付太幅テープカセット300を-Y方向に移動させて、保持部本体12aに近づける。そして、インクリボン付太幅テープカセット300の厚肉部300aを、初期位置にあるカセットベース50及びリリースガイド60によって一部が形成された収納空間にそのまま挿入していく。このとき、インクリボン付太幅テープカセット300の第2の切欠部3008には、リリースガイド60の突出部64の一部が挿入され、インクリボン付太幅テープカセット300は側面を突出部64に摺動させながら-Y方向に移動する。なお、リリースガイド60は、圧縮ばね65(図16)によって+Y方向に付勢されている。そのため、リリースガイド60は、-Y方向に移動することなく、不動である。したがって、カセットベース50も、-X方向に移動することなく不動である。やがて、図24に示すように、インクリボン付太幅テープカセット300の突出部300bが、カセットベースの接触部52aに当接し、インクリボン付太幅テープカセット300の-Y方向の移動が規制される。これにより、インクリボン付太幅テープカセット300を保持部本体12aに収納することができる。
【0099】
実施形態2によれば、テープカセットの収容空間の一部を画定する第1の部材としてのカセットベース50と第2の部材としてのリリースガイド60を、収納するテープカセットを介して移動させることができる。これにより、テープカセットの収納空間の大きさを変化させることができ、形状及び大きさが異なる複数種類のテープカセットを、アタッチメントの着脱といった作業を経ることなく印刷装置に取り付けることができる。
【0100】
また、リリースガイド60の移動方向をテープカセットの厚み方向(Y方向)に設定し、カセットベース50の移動方向をテープカセットの面内方向(X方向)に設定した。このように、互いに直交する2つの方向において収容空間の寸法を変更することができるので、形状及び大きさの異なるテープカセットに対応させた収容空間を容易に画定することができる。
【0101】
また、テープカセットの収容空間の一部を画定するカセットベース50とリリースガイド60のうち、一方の部材であるリリースガイド60をテープカセットを介して移動させることに伴い、他方の部材であるカセットベース50を移動させることができる。このように、一方の部材を移動させるだけで、収容空間の2方向の寸法を変更することができ、形状及び大きさの異なるテープカセットに対応させた収容空間を容易に画定することができる。
【0102】
また、圧縮ばね65及び引張ばね75を配置して、カセットベース50及びリリースガイド60を初期位置に向けて付勢していることで、テープカセットを取り外したときに収納機構を自動で初期状態に戻すことができる。これにより、印刷装置に収納するテープカセットの変更を容易に行える。
【0103】
また、対向する傾斜面をリリースガイド60及びカセットベース50に形成するという簡単な構成により、リリースガイド60の移動方向に直交する方向にカセットベース50を移動することができる。これにより、印刷装置の構成を簡単にすることができ、製造コストを抑制することができる。
【0104】
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。
【0105】
印刷装置1はサーマルヘッドを備えるとしたが、これに限られるものではない。インクジェットプリンタ、レーザープリンタを含むあらゆる形態の印刷装置であってもよい。
【0106】
印刷装置1は各種情報を入力する入力部と、入力部により入力された各種情報を表示する表示部と、を備えるとしても良い。また、外部の入力装置又は表示装置に接続され、それらの装置を用いてユーザからの情報の入力の受け付け又はユーザへの情報の提示を行ってもよい。
【0107】
上記実施形態1において、カセットベースボタン512を押圧するための押圧突起部1008,2008を、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の表面に突出させて形成していた。しかしながら、カセットベースボタン512をさらに+Y方向に延ばすことにより、このような押圧をするための突起部を省略することができる。また、上記実施の形態2においても、リリースガイド60のY軸方向における高さをより高くすることで、細幅テープカセット100及び太幅テープカセット200の表面に突出させて形成した押圧突起部101,201を省略してもよい。
【0108】
また、上記実施形態2において、第1の部材であるカセットベース50と第2の部材であるリリースガイド60の両部材に傾斜面を形成したが、いずれか一方の部材のみに傾斜面を設け、他方の部材には傾斜面を設けずに傾斜面をスライドする曲面を設ける態様としてもよい。
【0109】
また、第1の部材と第2の部材とに形成したスライド面は傾斜面に限定されず、例えば第1の部材及び第2の部材に形成した曲面を接触させて両者を滑らせる構成としてもよい。
【0110】
また、実施形態1において第2延設部5112bのY軸に対する角度は、カセットベースボタン512の移動量に応じて任意に設定することができる。また、実施形態2において、突出部64に設けた傾斜面64aの角度と、延出部53に設けた傾斜面53aの角度も、カセットベース50の移動量に応じて任意に設定することができる。
【0111】
また、上記の実施形態では、テープカセットの収容空間の一部を画定する第1の部材(カセットベース511,50)と第2の部材(リリースガイド521,60)との移動方向は、互いに直交すると説明した。しかしながら、テープカセットの収容空間の大きさを適切に変更することができるのであれば、第1の部材と第2の部材との移動方向は互いに直交していなくてもよい。すなわち、第2の部材の移動方向を、テープカセットの面内方向に対して角度をなす方向に設定してもよい。
【0112】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0113】
(付記1)
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットの少なくとも一部が間接的に作用することで、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第2のテープカセットによって移動しない第1の部材と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【0114】
(付記2)
前記第1のテープカセットは、前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に延びるように設けられる押圧突起部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合に、前記押圧突起部によって押圧されるに伴って、前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる被押圧部をさらに備える、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0115】
(付記3)
前記第1の部材は、前記被押圧部の側方に設けられた被ガイド突起部をガイドするためのガイド部を有し、
前記ガイド部は、少なくとも一部が前記収納する方向に延び、少なくとも他の一部が前記収納する方向に対して角度をなして延びる形状を有する、
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
【0116】
(付記4)
前記被押圧部は、前記第1の部材よりも先に、収納される前記第1のテープカセットに接触し、
前記押圧突起部により前記収納する方向に押圧された前記被押圧部が移動することにより、前記第1の部材は前記収納する方向に対して交差する方向に移動する、
ことを特徴とする付記3に記載の印刷装置。
【0117】
(付記5)
前記第1のテープカセットの側方に設けられた被係止部と係合し、前記テープカセット収納部に収納された前記第1のテープカセットを係止する係止部をさらに備える、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0118】
(付記6)
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットの少なくとも一部が当接しながら移動することで、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第3の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第4の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第2のテープカセットによって移動しない第2の部材をさらに備える、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0119】
(付記7)
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合において、前記第1のテープカセットの少なくとも一部に当接しながら移動し、かつ前記第1の部材に当接しながら前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる第2の部材と、を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0120】
(付記8)
少なくとも被印刷媒体を収容する第1のテープカセットと、少なくとも被印刷媒体を収容し前記第1のテープカセットとは種類が異なる第2のテープカセットと、を選択的に収納可能なテープカセット収納部と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第1のテープカセットの少なくとも一部が間接的に作用することで、前記第1のテープカセットを収納していないときの位置である第1の位置から前記第1のテープカセットの収納を妨げない第2の位置へ移動可能な一方で、前記第2のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合には、前記第2のテープカセットによって移動しない第1の部材と、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する場合において、前記第1のテープカセットの少なくとも一部に当接しながら移動し、かつ前記第1の部材に当接しながら前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる第2の部材と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
【0121】
(付記9)
前記第1の部材と前記第2の部材との少なくとも一方は、他方の部材をスライドさせるスライド部を有し、
前記第1のテープカセットを前記テープカセット収納部に収納する方向に移動した場合に、前記他方の部材が前記スライド部をスライドすることにより、前記第1の部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させる、
ことを特徴とする付記8に記載の印刷装置。
【0122】
(付記10)
前記第1の部材は、前記スライド部として、前記収納する方向に交差する平面に対して傾いた第1の傾斜面を有し、
前記第2の部材は、前記スライド部として、前記第1の傾斜面に対向する第2の傾斜面を有し、
前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記第1のテープカセットが収納されていない場合、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とが少なくとも一部を接触させた状態で配置されている、
ことを特徴とする付記9に記載の印刷装置。
【0123】
(付記11)
前記第1の部材は、選択的に収容された前記第1のテープカセットと前記第2のテープカセットとのいずれかを支持する第1の部材本体部と、前記第1の部材本体部から前記第2の部材に向けて延出し、先端に前記第2の傾斜面が形成された延出部とを有する、
ことを特徴とする付記10に記載の印刷装置。
【0124】
(付記12)
前記テープカセット収納部を含む保持部本体と、
前記保持部本体に取り付けられ、前記保持部本体との間で前記第1の部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間でスライド可能に支持するスライド支持部と、をさらに備える、
ことを特徴とする付記9に記載の印刷装置。
【0125】
(付記13)
前記第1のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンを収容せず、前記第2のテープカセットは、前記被印刷媒体に印刷を行うためのインクリボンをさらに収容する、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【符号の説明】
【0126】
M…テープ部材、R…インクリボン、R' …使用済みインクリボン、1…印刷装置、2…筐体、2a…平面、2b…曲面、2c…凹部、2d…排出口、8…主要部、10…サーマルヘッド、11…ベース部、11a…平板部、12…カセット保持部、12a…保持部本体、12b…脚部、12c…カセット収納部、12d…係止部、12e…台座、12f…突起、12g…底板部、12h…引掛部、12i…スリット、13…突起部、14…ガイドレール、14a…スリット、16…ハーフカッター、17…フルカッター、21…プラテンローラ、21a…プラテンローラ軸、23…リボン巻取り駆動軸、25…軸部、31…カセットベース用開口、32…リリースガイド用開口、50…カセットベース、51…スライドベース部、51a…スライド面、51b…壁体、52…本体部、52a…接触部、53…延出部、53a…傾斜面、53b…先端部、54…プレート、54a…孔、60…リリースガイド、61…フランジ、61a…切り欠き、62…本体部、62a…接触部、63…柱状部、63a…突起、63b…外面、64…突出部、64a…傾斜面、64b…側部、65…圧縮ばね、70…スライド支持部、70a…凹部、71…ねじ、72…壁面、75…引張ばね、75a…フック、75b…フック、100…細幅テープカセット、100a…厚肉部、100b…突出部、101…押圧突起部、108…主要部、200…太幅テープカセット、200a…厚肉部、200b…突出部、201…押圧突起部、300…インクリボン付太幅テープカセット、300a…厚肉部、300b…突出部、511…カセットベース、512…カセットベースボタン、512a…被ガイド突起部、513…カセットベーススプリング、521…リリースガイド、522…リリーススプリング、1001(,2001,3001)…カセットケース、1001a(,2001a,3001a)…支持用切欠部、1002(,2002,3002)…テープコア、1005(,2005)…リボン巻取り駆動軸貫通孔、1006(,2006,3006)…サーマルヘッド被挿入部、1008(,2008,3008)…押圧突起部、1009(,2009)…被係止部、3004…リボン供給コア、3005…リボン巻取りコア、3007…第1の切欠部、3008…第2の切欠部、5111…カセットベース固定部、5112…ボタンガイド部、5112a…第1延設部、5112b…第2延設部、5113…テープカセット検出スイッチ
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