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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】解析処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240509BHJP
【FI】
G16H10/60
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022163662
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2018076492の分割
【原出願日】2018-04-12
(65)【公開番号】P2022179672
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西島 裕一
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-044272(JP,A)
【文献】特開2017-192509(JP,A)
【文献】特開2012-135697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査オーダー情報を発行するオーダー発行装置であって、発行された検査オーダー情報の再発行、オーダー内容の変更、患者情報・患者属性情報の修正の少なくとも一つのイベントの情報を記録する第1の記録手段を備えるオーダー発行装置と、
前記オーダー発行装置により発行された検査情報に基づいて検査を実施し、前記検査オーダー情報に基づいて実施した検査の情報を記録する第2の記録手段を備える検査装置と
前記オーダー発行装置の第1の記録手段に記録されたデータと前記検査装置の前記第2の記録手段に記録されたデータを解析する解析処理装置と、
を備え、
前記第1の記録手段に記録された前記イベントの情報は、前記イベントの発生件数及び/又は作業時間であり、
前記検査装置は、
前記オーダー発行装置から発行した検査オーダー情報に従って実施した放射線撮影において、予め定められた撮影時間を超えた撮影、再撮影、写損、画像調整、画像再出力、予め定められた画面以外の画面への遷移、検査装置の調整作業、の少なくとも一つが含まれる予め定められた操作から逸脱したイベントが行われた際に、当該イベントが行われた件数及び/又は時間に関するデータを前記第2の記録手段に記録し
前記解析処理装置は、
前記オーダー発行装置から取得した、前記第1の記録手段に記録されたデータと、前記検査装置から取得した、前記第2の記録手段に記録された前記検査の情報と前記予め定められた操作から逸脱したイベントが行われた件数及び/又は時間に関するデータとに基づいて、撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、曜日ごと、及び/又は時間帯ごとの作業実績値を算出する解析処理システム。
【請求項2】
前記検査の情報は、各検査を行った、検査日時、検査時間、撮影室の識別情報、検査装置の識別情報、技師の識別情報、撮影部位の識別情報の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の解析処理システム。
【請求項3】
前記オーダー発行装置はさらに、発行された各検査オーダー情報に基づく検査の検査開始から検査終了までの検査時間を前記第1の記録手段に記録する請求項に記載の解析処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の分野では、医用画像を撮影する検査装置における操作の内容や操作時刻等のログデータを取得して、撮影の効率化に役立てようとする技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、医用施設内のセンサにより検出された人の動きに関する情報及びパフォーマンス情報をデータベースに記憶しておき、データベースに記憶された人の動きに関する情報及びパフォーマンス情報に基づき、医用施設における作業の分析レポートを作成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-293301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、予め定められた操作から逸脱したイベント(予定外イベントと呼ぶ)の発生について考慮されていない。そのため、管理者がパフォーマンスを低下させている原因を特定することは難しい。特に大規模な医療施設では、撮影数、検査装置の数が大規模であり、また検査技師も多く配置されているため、管理者はこの予定外イベントの発生状況を把握せずにパフォーマンスを劣化させている要因を特定することは困難である。
【0006】
本発明の課題は、検査における予定外イベントの発生状況を提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の解析処理システムは、
検査オーダー情報を発行するオーダー発行装置であって、発行された検査オーダー情報の再発行、オーダー内容の変更、患者情報・患者属性情報の修正の少なくとも一つのイベントの情報を記録する第1の記録手段を備えるオーダー発行装置と、
前記オーダー発行装置により発行された検査情報に基づいて検査を実施し、前記検査オーダー情報に基づいて実施した検査の情報を記録する第2の記録手段を備える検査装置と
前記オーダー発行装置の第1の記録手段に記録されたデータと前記検査装置の前記第2の記録手段に記録されたデータを解析する解析処理装置と、
を備え、
前記第1の記録手段に記録された前記イベントの情報は、前記イベントの発生件数及び/又は作業時間であり、
前記検査装置は、
前記オーダー発行装置から発行した検査オーダー情報に従って実施した放射線撮影において、予め定められた撮影時間を超えた撮影、再撮影、写損、画像調整、画像再出力、予め定められた画面以外の画面への遷移、検査装置の調整作業、の少なくとも一つが含まれる予め定められた操作から逸脱したイベントが行われた際に、当該イベントが行われた件数及び/又は時間に関するデータを前記第2の記録手段に記録し
前記解析処理装置は、
前記オーダー発行装置から取得した、前記第1の記録手段に記録されたデータと、前記検査装置から取得した、前記第2の記録手段に記録された前記検査の情報と前記予め定められた操作から逸脱したイベントが行われた件数及び/又は時間に関するデータとに基づいて、撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、曜日ごと、及び/又は時間帯ごとの作業実績値を算出する
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、検査における予定外イベントの発生状況を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態における解析処理システムの全体構成を示す図である。
図2図1のコンソールの機能的構成を示すブロック図である。
図3】通常の検査時における画面遷移を示す図である。
図4】検査リスト画面の一例を示す図である。
図5】検査画面の一例を示す図である。
図6】予定外イベントが発生した検査時における画面遷移を示す図である。
図7】胸部立位についての撮影時間に関する解析結果レポートを示す図である。
図8】撮影部位ごとの写損数に関する解析結果レポートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
〔解析処理システム100の構成〕
まず、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態における解析処理システム100の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、解析処理システム100は、医療施設Aに設置されている施設内システムと、医療施設Bに設置されている施設内システムと、医療施設Cに設置されている施設内システムと、リモートデータセンターに設置されている解析処理装置6と、を備えて構成されている。
【0018】
医療施設Aの施設内システムは、オーダー発行装置1と、検査装置2と、解析処理装置3と、端末装置4と、がLAN(Local Area Network)等の施設内ネットワークNT1を介して相互にデータ送受信可能に接続されて構成されている。また、施設内システムを構成する装置のうち、少なくとも解析処理装置3及び端末装置4は、ルーター5によりインターネットNT2を介してリモートデータセンターの解析処理装置6とデータ送受信可能である。
医療施設B、医療施設Cの施設内システムも医療施設Aの施設内システムと同様の構成である(図示略)。
【0019】
なお、解析処理システム100を構成する医療施設の数や、各医療施設内の施設内システムの各装置の数は、特に限定されない。
以下、各医療施設A~C内の施設内システムを構成する各装置及び解析処理装置6について説明する。
【0020】
オーダー発行装置1は、診療科から依頼された検査オーダーに基づき検査オーダー情報を発行して検査装置2のコンソール21へ送信するための装置であり、サーバー(CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等により構成される制御部、ハードディスク等の記憶部、通信部等からなるコンピューター)と入力端末により構成される。一般的には、RIS(Radiology Information System)を指す。検査オーダー情報には、例えば、患者情報(患者ID、患者名)、患者属性情報(性別、生年月日、年齢等)、検査情報(検査ID、検査年月日、検査内の撮影ごとの撮影ID、撮影部位(撮影方向、体位を含む)、モダリティー種等)が含まれる。
【0021】
検査装置2は、オーダー発行装置1からの検査オーダー情報に従って検査を実行する装置(モダリティー)である。本実施形態では、検査装置2がデジタルX線撮影装置である場合を例として説明するが、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波装置等の他のモダリティーであってもよい。
【0022】
検査装置2は、撮影室Rm1~RmN(Nは正の整数)にそれぞれ1台ずつ備えられている。検査装置2は、コンソール21、放射線発生装置22、FPD(Flat Panel Detector)23を備えて構成される。
【0023】
コンソール21は、オーダー発行装置1から送信される検査オーダー情報に従って、放射線発生装置22やFPD23を制御して検査を実施する。また、コンソール21は、記録装置として、検査オーダー情報に基づいて実施した検査の情報を記録する。例えば、各検査の検査ID、検査日時、検査時間、検査技師の技師ID、検査内の各撮影の撮影日時、撮影時間、使用したFPD23のパネルID、検査において発生した予定外イベントのイベントID、発生件数及び作業時間等を記録し、記録したデータ(記録データと呼ぶ)を一定期間保存するとともに、解析処理装置3へ送信する。
【0024】
コンソール21は、図2に示すように、制御部201、記憶部202、操作部203、表示部204、通信部205を備えて構成され、各部はバス206により接続されている。
【0025】
制御部201は、CPU、RAM、RTC等により構成される。制御部201のCPUは、操作部203の操作に応じて、記憶部202に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、コンソール21各部の動作や、放射線発生装置22の放射線照射動作及びFPD23の読み取り動作を集中制御する。
【0026】
記憶部202は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部202は、制御部201で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部201は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部202は、撮影部位に対応する放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。
また、記憶部202は、検査装置2における予定外イベントを識別するためのイベントIDに対応付けて、そのイベントの開始のトリガーとなる動作(操作)及び終了のトリガーとなる動作(操作)の情報を記憶している。
また、記憶部202は、自装置が配置されている撮影室を識別するための撮影室IDや、ユーザー情報(ユーザーである検査技師を識別するための技師ID、パスワード、検査技師名等)を記憶している。
また、記憶部202は、オーダー発行装置1から送信される検査オーダー情報や、上述の記録データを記憶するデータベースを備える。データベースは、例えば、検査ごとに「検査ID」、「検査オーダー情報」、「技師ID」、「検査日時」、「検査時間」、検査内の各撮影の「撮影ID」、「パネルID」、「撮影日時」、「撮影時間」、「イベントID」、「発生件数」及び「作業時間」等を格納する領域を有する。「イベントID」、「発生日時」、「発生件数」、「作業時間」は、それぞれ、検査中に発生した予定外イベントのイベントID、発生日時、発生件数、作業時間(予定外作業時間)である。
【0027】
操作部203は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部201に出力する。また、操作部203は、表示部204の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部201に出力する。
【0028】
表示部204は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部201から入力される表示信号の指示に従って、操作部203からの入力指示やデータ等を表示する。
【0029】
通信部205は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNT1に接続されたオーダー発行装置1や解析処理装置3等との間のデータ送受信を制御する。
【0030】
放射線発生装置22は、被写体を挟んでFPD23と対向する位置に配置され、コンソール21の制御に従って、被写体に対し放射線(X線)を照射する。
FPD23は、被写体を挟んで放射線発生装置22と対向するように設けられる。FPD23は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線発生装置22から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPD23は、コンソール21から入力された画像読取条件に基づいて各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、各画素に蓄積された電気信号を読み取ることにより、撮影画像を取得する。そして、FPD23は、取得した撮影画像をコンソール21に出力する。なお、撮影室Rm1~RmNには、立位撮影台、臥位撮影台等が設けられており、FPD23は、撮影時には撮影台に装填されて用いられる。
【0031】
解析処理装置3は、コンソール21と同様に、制御部、記憶部、操作部、表示部、通信部を備えて構成されている。解析処理装置3は、オーダー発行装置1や施設内の各撮影室のコンソール21からの記録データを収集して一定時間記憶するとともに、収集した記録データを解析し、解析結果をレポートとして施設管理者の端末装置4等に出力(送信)する。
【0032】
端末装置4は、コンソール21と同様に、制御部、記憶部、操作部、表示部、通信部を備えて構成されている。端末装置4は、医師が撮影画像を表示して読影を行うための読影端末や、施設管理者が解析処理装置3から出力されたレポートを閲覧するための管理者端末等が含まれる。
【0033】
解析処理装置6は、コンソール21と同様に、制御部、記憶部、操作部、表示部、通信部を備えて構成されている。解析処理装置6は、医療施設A~医療施設Cから送信された記録データをデータベースに記憶するとともに、記録データを解析し、解析結果をレポートとして出力する。解析処理装置6は、複数の医療施設の検査の記録データを統合した解析を行うことが可能である。
【0034】
〔解析処理システム100の動作〕
次に、解析処理システム100の動作について説明する。
【0035】
(オーダー発行装置1の動作)
まず、オーダー発行装置1の動作について説明する。
入力端末により検査オーダーが入力されると、オーダー発行装置1(サーバーの制御部)は入力された検査オーダーに基づいて検査オーダー情報を発行し、発行した検査オーダー情報を検査待ちのステータスに対応付けてサーバーの記憶部に記憶する。入力端末において検査待ちリスト(ステータスが検査待ちの検査オーダー情報のリスト)から検査オーダー情報が選択され、使用する検査装置2が指定されると、オーダー発行装置1は、選択された検査オーダー情報を指定された検査装置2のコンソール21に送信して検査開始を要求するとともに、選択された検査オーダー情報のステータスを検査待ちから検査実施中に変更し、現在日時を検査日時(検査開始日時)として取得して検査時間の計測を開始する。検査装置2から実績結果とともに検査終了通知を受信すると、オーダー発行装置1は、検査オーダー情報のステータスを検査終了に変更し、検査時間の計測を終了する。そして、記憶部に記憶されている検査オーダー情報に検査日時、検査時間を対応付けて記録する。
また、オーダー発行装置1においては、検査待ちの検査オーダー情報については、再発行、オーダー内容の変更、患者情報・属性情報の変更が可能である。これらの操作は、上述の通常のオーダー発行の動作フローにはない予定外イベントである。オーダー発行装置1は、検査オーダー情報の再発行画面において検査オーダー情報の再発行作業が行われた時間、検査オーダー情報の変更画面において、オーダー内容の変更又は患者情報・属性情報の変更作業が行われた時間を予定外イベントの作業時間として計測し、イベントID、発生日時(各画面が開かれた日時)及び予定外イベントを行ったオペレーターのオペレーターIDに対応付けてサーバーの記憶部に記憶(記録)する。
また、オーダー発行装置1は、所定期間ごと(例えば、1日ごと)に、記憶部に記憶されている各検査の検査日時、検査時間、予定外イベントのイベントID、発生件数、発生日時、作業時間、及びオペレーターIDを対応付けて記録データとして解析処理装置3に送信する。
【0036】
(検査装置2の動作)
次に、検査装置2の動作について説明する。
まず、予定外イベントが発生していない通常の検査の動作フローについて説明する。
図3は、通常の検査におけるコンソール21の画面遷移を示す図である。以下、図3の画面遷移を参照しながら検査装置2の通常の検査の動作フローについて説明する。
【0037】
オーダー発行装置1から検査オーダー情報が受信されると、コンソール21の制御部201は、表示部204に初期画面として表示されている検査リスト画面241に検査オーダー情報を表示する(ステップS1)。
【0038】
図4は、検査リスト画面241を拡大して示す図である。検査リスト画面241には、図4に示すように、検査オーダー情報を一覧表示する検査リスト表示欄241a、操作部203により選択されている検査オーダー情報を表示する検査情報表示欄241b、検査開始を指示するための検査開始ボタン241c、患者情報、属性情報の修正を指示するための患者修正ボタン241d等が設けられている。
【0039】
操作部203により検査リスト画面241から検査オーダー情報が選択され、検査開始ボタン241cが押下されると、制御部201は、検査開始ボタン241cが押下された日時を検査日時として取得し、検査ID、技師ID(ログイン中の技師ID)及び撮影室IDに対応付けてRAMに記憶するとともに、表示部204に検査画面242を表示させ、検査時間の計測を開始する(ステップS2)。
【0040】
図5は、検査画面242を拡大して示す図である。図5に示すように、検査画面242には、検査オーダー情報に含まれる各撮影の中から撮影対象(処理対象)の撮影を選択するための撮影選択ボタン242a、撮影により得られた撮影画像を表示するための画像表示欄242b、選択された撮影の撮影部位の変更を指示するための部位変更ボタン242c、撮影画像の画像調整を指示するための画像調整タブ242d、撮影画像の外部装置への出力を指示するための出力ボタン242e、撮影画像を写損として扱うことを指示するための写損ボタン242f、検査終了を指示するための検査終了ボタン242g等が設けられている。なお、出力ボタン242e及び写損ボタン242fは、撮影画像が受信されるまでは無効状態となっている。
【0041】
検査画面242において撮影選択ボタン242aが押下されて撮影が選択されると、制御部201は、現在日時を撮影日時として取得するとともに、撮影時間の計測を開始する。また、制御部201は、選択された撮影で用いられる撮影台(立位又は臥位)に装着されているFPD23からパネルIDを取得して、選択された撮影の撮影ID、撮影日時及び撮影部位に対応付けてRAMに記憶する。また、制御部201は、撮影部位に対応する放射線照射条件を放射線発生装置22に、画像読取条件をFPD23に送信して撮影開始を指示する。そして、FPD23から撮影画像が送信されるのを待機する。
【0042】
検査技師は、検査画面242から撮影を選択すると、患者のポジショニングや、放射線発生装置22の位置や向きの調整、患者に対する姿勢の指導等を行う。撮影準備が整ったところで、放射線発生装置22の曝射ボタンを押下して放射線撮影を行う。FPD23は、被写体(患者の撮影部位)を透過した放射線に対応する電荷を蓄積して読出し、撮影画像としてコンソール21に送信する。
【0043】
通信部205によりFPD23から送信された撮影画像が受信されると、制御部201は、撮影時間の計測を終了して撮影時間を撮影IDに対応付けてRAMに記憶する。そして、画像表示欄242bに受信した撮影画像を表示させる(ステップS3)。
【0044】
検査内の全ての撮影が終了し、操作部203の出力ボタン242eの操作に応じて端末装置4等に撮影画像が出力されて検査終了ボタン242gが押下されると(ステップS4)、制御部201は、検査時間の計測を終了し、オーダー発行装置1に検査終了を通知する。また、RAMに記憶されている、終了した検査の記録データ(検査ID、検査日時、技師ID、撮影室ID、検査時間、撮影ごとのパネルID、撮影日時、撮影部位、撮影時間)を記憶部202のデータベースに記録するとともに、通信部205により解析処理装置3に送信する。また、制御部201は、検査により取得された撮影画像を検査オーダー情報に対応付けて記憶部202に記憶する。そして、制御部201は、RAMに記憶されている、終了した検査に係る情報を削除し、表示部204に検査リスト画面241を表示させる。
【0045】
次に、検査装置2において予定外イベントが発生した場合の検査の動作フローについて説明する。
図6は、予定外イベントとして、撮影部位の変更、写損、再撮影が発生した検査におけるコンソール21の画面遷移を示す図である。以下、図6を参照しながら予定外イベントが発生した検査の動作フローの一例について説明する。
【0046】
オーダー発行装置1から検査オーダー情報が受信されると、コンソール21の制御部201は、表示部204の検査リスト画面241に検査オーダー情報を表示する(ステップS1)。
【0047】
操作部203により検査リスト画面241から検査オーダー情報が選択され、検査開始ボタン241cが押下されると、制御部201は、検査開始ボタン241cが押下された日時を検査日時として取得して検査ID、技師ID及び撮影室IDに対応付けてRAMに記憶するとともに、表示部204に検査画面242を表示させ、検査時間の計測を開始する(ステップS2)。
【0048】
ここで、検査技師は、検査画面242において一の撮影選択ボタン242aを選択し、部位変更ボタン242cを押下することで、選択された撮影における撮影部位を変更することができる。
【0049】
検査画面242において一の撮影選択ボタン242aが選択された状態で部位変更ボタン242cが押下されると、制御部201は、表示部204に部位変更画面243を表示させる(ステップS2-1)。
部位変更画面243において、選択された撮影の撮影部位の変更内容が入力され、操作部203によりOKボタン243aが押下されると、制御部201は、選択された撮影の検査オーダー情報の撮影部位を入力された変更内容に基づいて変更し、表示部204の表示を検査画面242に戻す。
【0050】
部位変更ボタン242cが押下されてから、部位変更画面243が表示され、OKボタン243aが押下されて再び検査画面242に戻るまでの動作は、上述した通常の検査時の動作フローにはない予定外イベントである。そこで、制御部201は、撮影選択ボタン242aが選択され部位変更ボタン242cが押下されると、記憶部202を参照して、この操作を開始トリガーとする予定外イベントのイベントIDを取得するとともに、現在日時をイベントの発生日時として取得する。そして、部位変更ボタン242cが押下されてから再び検査画面242が表示されるまでの時間を予定外イベントの作業時間として計測し、イベントIDと、発生日時及び作業時間を対応付けてRAMに記憶(記録)する。なお、検査画面242から複数回の部位変更が行われた場合は、その都度予定外イベントが発生したとして計測及び記録が行われる。
【0051】
検査画面242において撮影選択ボタン242aが押下されて撮影が選択されると、制御部201は、現在日時を撮影日時として取得するとともに、撮影時間の計測を開始する。また、制御部201は、選択された撮影で用いられる撮影台(立位又は臥位)に装着されているFPD23からパネルIDを取得して、選択された撮影の撮影ID、撮影日時及び撮影部位に対応付けてRAMに記憶する。また、制御部201は、撮影部位に対応する放射線照射条件を放射線発生装置22に、画像読取条件をFPD23に送信して撮影開始を指示する。そして、FPD23から撮影画像が送信されるのを待機する。
なお、撮影選択ボタン242aを押下すると、制御部201は、撮影時間の計測を開始するが、予定外のイベントが発生した場合は、撮影時間の計測を維持したまま、予定外イベントの時間計測も開始する。
【0052】
通信部205によりFPD23から送信された撮影画像が受信されると、制御部201は、撮影時間の計測を終了して撮影時間を撮影IDに対応付けてRAMに記憶する。そして、画像表示欄242bに受信した撮影画像を表示させる(ステップS3)。
検査内の全ての撮影が終了するまで、検査技師は検査画面242を用いて撮影を繰り返す。
【0053】
ここで、検査技師は、例えば、受信した撮影画像に撮影部位が欠損している、体動が生じている等の撮影不良が生じており、写損であると判断した場合、検査画面242の画像表示欄242bのその撮影画像に対応する写損ボタン242fを押下することで、その撮影画像を写損として扱うことを指示することができる。
【0054】
検査画面242において、写損ボタン242fが押下されると、制御部201は、「写損にしますか?」というメッセージ及びOKボタン、キャンセルボタンが表示されたポップアップ画面(図示せず)を表示する。操作部203によりOKボタンが押下されると、制御部201は、ポップアップ画面を閉じて撮影画像のヘッダーに写損である旨を書き込むとともに、その撮影画像に対応する撮影選択ボタン242aに×を表示して、その撮影画像を写損として扱う。そして、その撮影画像に対応する写損ボタン242fを写損取消ボタン242fに変更する(ステップS3-1)。
【0055】
写損ボタン242fが押下されてから、OKボタンが押下され、撮影選択ボタン242aが変更されて写損取消ボタン242fが表示されるまでの動作は、上述した通常の検査時の動作フローにはない予定外イベントである。そこで、制御部201は、写損ボタン242fが押下されると、記憶部202を参照して写損ボタン242fの押下を開始トリガーとするイベントIDを取得するとともに、現在日時をイベントの発生日時として取得する。そして、写損ボタン242fが押下されてから撮影選択ボタン242a及び写損ボタン242fの表示が変更されるまでの時間を予定外イベントの作業時間として計測し、イベントIDと、発生日時及び作業時間を対応付けてRAMに記憶する。
【0056】
「写損にしますか?」のポップアップ画面からOKボタンが押下されると、制御部201は、引き続き「再撮影しますか」というメッセージ及びOKボタン、キャンセルボタンが表示されたポップアップ画面(図示せず)を表示する。操作部203によりOKボタンが押下されると、制御部201は、写損にした撮影の撮影選択ボタン242aの直下に、再撮影の撮影選択ボタン242aを表示して選択状態にして待機する(ステップS3-2)。通信部205により撮影画像が受信されると、受信された撮影画像を画像表示欄242bに表示させる(ステップS4)。
【0057】
再撮影が指示されてから再撮影の撮影画像が受信されるまでの動作は、上述した通常の検査時の動作フローにはない予定外イベントである。そこで、制御部201は、ポップアップ画面から再撮影を指示するOKボタンが押下されると、記憶部202を参照して、再撮影を指示するOKボタンの押下を開始トリガーとするイベントIDを取得するとともに、現在日時をイベントの発生日時として取得する。そして、OKボタンが押下されてから再撮影の撮影画像が受信されるまでの時間を計測し、イベントIDと、発生日時及び作業時間を対応付けてRAMに記憶する。
【0058】
検査内の全ての撮影が終了し、操作部203の出力ボタン242eの操作に応じて端末装置4等に撮影画像が出力されて検査終了ボタン242gが押下されると、制御部201は、検査時間の計測を終了し、オーダー発行装置1に検査終了を通知する。また、RAMに記憶されている、終了した検査の記録データ(検査ID、検査日時、技師ID、撮影室ID、検査時間、撮影ごとのパネルID、撮影日時、撮影部位、及び撮影時間、検査中に発生した予定外イベントのイベントID、発生日時、作業時間、及び発生件数等)を対応付けて記憶部202のデータベースに記録するとともに、通信部205により解析処理装置3に送信する。また、制御部201は、検査により取得された撮影画像を検査オーダー情報に対応付けて記憶部202に記憶する。そして、制御部201は、RAMに記憶されている、終了した検査に係る情報を削除し、表示部204に検査リスト画面241を表示させる。
【0059】
図6においては、予定外イベントとして撮影部位の変更、写損、再撮影が発生した場合について説明したが、制御部201が記録する予定外イベントとしては、下記の(a)~(i)に挙げる予定外イベントの少なくとも一つが含まれる。
(a)発行済みの検査オーダー情報のオーダー内容の変更(例えば、撮影部位の変更・追加・削除)
(b)検査オーダー情報における患者情報・属性修正
(c)予め定められた撮影時間を超えた撮影
(d)再撮影
(e)写損
(f)画像調整
(g)画像再出力
(h)予め決められた画面以外への画面遷移
(i)検査装置の調整作業
【0060】
このように、検査装置2において、コンソール21は、各検査の検査時間、検査内の各撮影の撮影時間、予定外イベントの発生件数及びその作業時間等を記録するので、検査における予定外のイベントの発生状況を提供することが可能となる。なお、本実施形態では、予定外イベントの発生件数及びその作業時間の双方を記録することとして説明しているが、何れか一方のみを記録することとしても構わない。
【0061】
(解析処理装置3の動作)
次に、解析処理装置3の動作について説明する。
解析処理装置3の制御部は、オーダー発行装置1から記録データを受信すると、受信した記録データを送信元のオーダー発行装置1の装置IDに対応付けて記憶部のデータベースに保存する。
また、解析処理装置3の制御部は、所定期間ごとに、又は、ユーザー操作に応じて、収集した記録データの解析を行って、例えば、曜日ごと、時間帯ごとのオーダー発行装置1で計測した検査時間や、オペレーターごとの予定外イベントの発生件数、その作業時間等のパフォーマンス値(作業実績値)を算出する。なお、解析に用いる記録データの期間は、ユーザー操作に応じて指定することができる(例えば、直近1か月、2か月、1年、前年同月等)。そして、解析結果レポートを生成して端末装置4等に出力する。
【0062】
解析処理装置3の制御部は、コンソール21から記録データを受信すると、受信した記録データを送信元のコンソール21の装置IDに対応付けて記憶部のデータベースに保存する。なお、記録データのデータ保存期間は、コンソール21<解析処理装置3である。また、解析処理装置3の制御部は、所定期間ごとに、又は、ユーザー操作に応じて、収集した記録データの解析を行って、撮影室ごと、検査装置(パネル)ごと、技師ごと、撮影部位ごと、曜日ごと、時間帯ごとのパフォーマンス値及びその基準値等を算出する。なお、解析に用いる記録データの期間は、ユーザー操作に応じて指定することができる(例えば、直近1か月、2か月、1年、前年同月等)。予定外イベントの発生件数及びその作業時間は、予定外イベントの項目ごとに算出されるとともに、全項目の合計が算出される。
【0063】
例えば、解析処理装置3の制御部は、以下の(1)~(11)を算出する。(1)~(7)は、撮影室ごと、検査装置(パネル)ごと、技師ごと、撮影部位ごと、曜日ごと、時間帯ごとの検査(撮影)のパフォーマンスに係る値(パフォーマンス値)である。
(1)撮影室ごとの検査数、撮影数、予定外イベントの発生件数、作業時間
(2)検査装置ごと(例えばFPDごと)の検査数、撮影数、予定外イベントの発生件数、作業時間
(3)技師ごとの検査数、撮影数、予定外イベントの発生件数、作業時間
(4)曜日ごとの検査数、撮影数、予定外イベントの発生件数、作業時間
(5)時間帯ごとの検査数、撮影数、予定外イベントの発生件数、作業時間
(6)技師ごとの撮影時間
(7)部位ごとの撮影時間
(8)累積予定外時間(ロス時間。期間中の予定外イベントの作業時間の合計)
(9)理想検査時間=実績検査時間-累積予定外時間
(10)(1)~(7)の各パフォーマンス値の基準値
例えば、以下の値を基準値として算出する。
・(1)~(7)については、期間中の施設内のパフォーマンス値の代表値(例えば、最小値、平均値、又は中央値等)。
・(3)の場合は、期間中の施設内の特定医師のパフォーマンス値の最小値、平均値、中央値でもよい。
・過去(例えば、前年同月、前月)のパフォーマンス値
または、管理者が経験に基づいて基準値を算出(決定)してもよい。
(11)パフォーマンス値と基準値の差分値
【0064】
なお、(1)~(7)については、日ごと又は期間中の代表値(平均値、最大値、最小値、中央値等)をパフォーマンス値として算出してもよい。また、(1)~(11)は一例であり、これらの一部のみを算出することとしてもよいし、その他のパフォーマンス値や基準値を算出してもよい。
【0065】
次いで、解析処理装置3の制御部は、算出したパフォーマンス値等に基づいて解析結果レポートを生成し、端末装置4等からの要求に応じて提供(出力)する。
解析結果レポートでは、例えば、上述のパフォーマンス値と基準値を同時に表示する。または、パフォーマンス値と基準値の差分値を時系列データとしてグラフと数値で表示する。
【0066】
図7図8は、解析処理装置3の制御部において生成される解析結果レポートの一例を示す図である。
図7は、一例として、胸部立位についての撮影時間に関する解析結果レポート301を示している。図7に示すように、解析結果レポート301には、所定期間における日ごとの撮影時間の実績を示すグラフ301aと、曜日ごとの予定内作業時間と予定外作業時間を示すグラフ301bと、期間中の撮影時間ごとのカウント(件数)を示すヒストグラム301cと、期間中の撮影数、平均撮影時間、最大撮影時間、最小撮影時間、最大撮影時間と最小撮影時間の時間差の数値301dと、が表示されている。
【0067】
グラフ301aでは、所定期間の日ごとに、撮影件数が棒グラフで、撮影時間の平均値、最大値、最小値が折れ線グラフで表示されている。また、所定期間中の施設内の撮影時間の平均値(基準値)の位置が基準線L1で示されている。さらに、日ごとに、予定外イベントの件数も折れ線グラフで表示されている。すなわち、グラフ301aにおいて、日ごとの撮影時間の平均(パフォーマンス値)と基準値との差が時系列データとしてグラフで表示されている。なお、グラフ上の各値や差分の数値を表示することとしてもよい。管理者は、グラフ301aを閲覧することにより、撮影時間の平均が基準値を上回っている日(撮影に時間がかかった日)を容易に認識することができる。そして、例えば、撮影時間の平均が基準値を上回っている日の予定外イベントの発生件数が多ければ、予定外イベントの発生が撮影時間の長時間化の原因としてとらえ、その改善に取り組むことが可能となる。
【0068】
グラフ301bにおいては、曜日ごとの予定内作業時間と予定外作業時間が棒グラフで示されている。管理者は、このグラフ301bにより、予定外作業時間が多い曜日を把握することができる。例えば、特定の曜日の予定外作業時間が長ければ、その要因の特定及び改善に取り組むことが可能となる。
【0069】
ヒストグラム301cにおいては、基準値の位置に、基準線L2が表示されている。管理者は、基準より長い撮影時間と短い撮影時間の件数を把握することができる。
【0070】
図8は、予定外イベントについての解析結果の一例として、撮影部位ごとの写損数に関する解析結果レポート302を示している。図8に示すように、解析結果レポート302には、所定期間における撮影部位ごとの写損の実績を示すグラフ302aと、所定期間における撮影部位ごとの写損の実績を示す数値302bとが表示されている。
【0071】
グラフ302aでは、撮影部位ごとに、撮影件数及び写損数が棒グラフで、写損率が折れ線グラフで示されている。また、全部位の写損率の平均(基準値)の位置が基準線L11で示されている。管理者は、撮影部位ごとに、所定期間中において撮影件数に対して写損がどのくらい発生したか、どの部位が写損が多いのか(どの部位の撮影に問題があるのか)を把握して、写損の多い撮影部位の撮影フロー等の改善に努めることが可能となる。
【0072】
このように、解析処理装置3においては、オーダー発行装置1や検査装置2から送信された記録データに基づいて、撮影室ごと、検査装置ごと、検査技師ごと等のパフォーマンス値を算出して解析結果レポートを生成するので、管理者が撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、撮影部位ごと等の予定外イベントの発生状況を含むパフォーマンスを容易に把握、管理し、改善策を検討することが可能となる。
【0073】
なお、解析結果レポートは、Webコンテンツとして提供してもよいし、電子ファイル(PDF等)として提供してもよいし、電子メールにて提供してもよい。また、用紙に印刷することとしてもよい。
【0074】
また、解析処理装置3の制御部は、解析処理装置6からの要求に応じて、通信部により記録データを送信する。
【0075】
(端末装置4の動作)
端末装置4は、ユーザー操作に応じて解析処理装置3や解析処理装置6にアクセスし、解析結果レポートを取得して表示する。
【0076】
(解析処理装置6の動作)
解析処理装置6の制御部は、所定期間ごとに、各医療施設A~Cの解析処理装置3から記録データを取得し、全施設の記録データを統合した解析を行う。例えば、解析処理装置3で算出した基準値は、施設内の記録データを母数として算出したものであるが、医療施設A~Cの全施設の記録データを母数として、例えば、施設ごと、撮影室ごと、検査装置ごと、検査技師ごと、撮影部位ごと、曜日ごと、時間帯ごと等のパフォーマンス値を算出する。そして、解析結果に基づいて解析レポートを生成し、端末装置4等からの要求に応じて提供(出力)する。
【0077】
以上説明したように、解析処理システム100において、検査装置2のコンソール21は、各検査の検査開始から検査終了までの検査時間、各検査に含まれる撮影ごとの撮影開始から撮影終了までの撮影時間、及び各検査において発生した予め定められた操作から逸脱したイベントの情報、例えば、イベントの発生件数や作業時間を記録する。
したがって、検査における予定外イベントの発生状況を提供することが可能となる。
【0078】
上記予め定められた操作から逸脱したイベントには、発行済みの検査オーダー情報のオーダー内容の変更、患者情報・患者属性情報の修正、予め定められた撮影時間を超えた撮影、再撮影、写損、画像調整、画像再出力、予め定められた画面以外の画面への遷移、検査装置の調整作業、の少なくとも一つが含まれる。したがって、これらのイベントの発生状況を提供することができる。
【0079】
また、解析処理装置3及び解析処理装置6は、コンソール21において記録された記録データを解析する。例えば、記録データに基づいて、撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、及び/又は撮影部位ごとのパフォーマンス値を算出する。したがって、撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、及び/又は撮影部位ごとの予定外イベントの発生状況を含むパフォーマンス値を提供することができるので、管理者は、撮影室ごと、検査装置ごと、技師ごと、及び/又は撮影部位ごとの予定外イベントの発生状況を含むパフォーマンスを容易に把握、管理し、改善策を検討することが可能となる。
【0080】
また、オーダー発行装置1は、発行された各検査オーダー情報に基づく検査の検査開始から検査終了までの検査時間、及び予め定められた操作から逸脱したイベントの情報を記録する。したがって、検査のオーダー発行時における予定外イベントの発生状況を提供することが可能となる。
【0081】
また、解析処理装置3及び解析処理装置6は、検査オーダー情報において記録されたデータを解析する。したがって、検査のオーダー発行時における予定外イベントの発生状況を含むパフォーマンス値を提供することができるので、管理者は、検査のオーダー発行時における予定外イベントの発生状況を含むパフォーマンスを容易に把握、管理し、改善策を検討することが可能となる。
【0082】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0083】
例えば、上記実施形態では、コンソール21が記録する記録データとして、検査ID、検査日時、技師ID、撮影室ID、検査時間、撮影ごとのパネルID、撮影日時、撮影部位、撮影時間、検査中に発生した予定外イベントのイベントID、発生日時、作業時間、及び発生件数等を記録することとしたが、記録するデータはこれらの全てである必要はなく、実施する解析に必要なデータが記録されればよい。
【0084】
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0085】
その他、解析処理システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0086】
100 解析処理システム
1 オーダー発行装置
2 検査装置
21 コンソール
201 制御部
202 記憶部
203 操作部
204 表示部
205 通信部
206 バス
22 放射線発生装置
23 FPD
3 解析処理装置
4 端末装置
5 ルーター
6 解析処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8