(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、生体検知システム、生体検知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 40/40 20220101AFI20240509BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240509BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20240509BHJP
G06V 10/143 20220101ALI20240509BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20240509BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20240509BHJP
【FI】
G06V40/40
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
G06V10/143
G06T7/00 660A
G06T7/20 300B
G06V40/16 C
A61B5/1171 200
(21)【出願番号】P 2022553325
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037221
(87)【国際公開番号】W WO2022070331
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】河部 知行
【審査官】武田 広太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0175291(US,A1)
【文献】特許第6742554(JP,B1)
【文献】特開2017-015288(JP,A)
【文献】特開2007-037652(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114474(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/40
G06T 7/00
G06V 40/16
G06V 10/143
G06T 7/20
A61B 5/1171
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
第1のタイミングで測定した
前記対象の表面温度と第2のタイミングで測定した
前記対象の表面温度とに基づいて、
前記対象のなりすましを判定する生体判定手段と、を備えた情報処理装置。
【請求項2】
可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得手段と、
サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得手段と、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出手段と、をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象検出手段が検出した前記対象中の少なくとも1つの部位を検出する部位検出手段をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記部位の温度変化を測定し、
前記生体判定手段は、前記部位の温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記部位は、相対的に温度変化しやすい第1部位及び相対的に温度変化しにくい第2部位を含み、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記第1部位の温度変化及び前記第2部位の温度変化を測定し、
前記第1部位の温度変化と前記第2部位の温度変化とを比較する比較手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
前記対象の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰したか否かを判定する温度復帰判定手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記温度復帰判定手段の判定結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する情報処理装置。
【請求項6】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
前記対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとを比較する比較手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する情報処理装置。
【請求項7】
前記対象の表面温度を変化させる表面温度変化手段を制御する温度制御手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
前記生体判定手段は、表面温度を変化させる前後の前記対象の表面状態を考慮して、前記対象が生体か否かを判定する情報処理装置。
【請求項9】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
前記生体判定手段は、前記対象の背景の温度変化を考慮して、前記対象が生体か否かを判定する情報処理装置。
【請求項10】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
前記対象温度変化測定手段が前記対象の表面温度の温度変化を測定する前に、報知手段に、前記対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を報知させる報知制御手段をさらに備える情報処理装置。
【請求項11】
顔認証を実行する認証装置に、前記対象の顔認証を実行させる認証制御手段をさらに備え、
前記認証制御手段は、前記生体判定手段が、前記対象が生体であると判定した後、前記認証装置に、前記対象の顔認証を実行させ、
前記生体判定手段が、前記対象が生体でないと判定した場合、その旨を通知する通知手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
第1のタイミングで測定した対象の表面温度と第2のタイミングで測定した対象の表面温度とに基づいて、なりすましを判定する生体判定手段と、を備えた生体検知システム。
【請求項13】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
第1のタイミングで測定した対象の表面温度と第2のタイミングで測定した対象の表面温度とに基づいて、なりすましを判定する生体判定ステップと、を備えた生体検知方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
第1のタイミングで測定した対象の表面温度と第2のタイミングで測定した対象の表面温度とに基づいて、なりすましを判定する生体判定ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備え、
可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得手段と、
サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得手段と、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出手段と、をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、情報処理装置、生体検知システム、生体検知方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体に第1波長域の光を照射して撮像した第1画像から得た特徴量と、被写体に第2波長域の光を照射して撮像した第2画像から得た特徴量とに基づいて、被写体が生体か否かを判定する生体判定装置が例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示は、上述した先行技術文献に開示されている技術を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示の第1の態様にかかる情報処理装置は、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備える。
【0006】
この開示の第2の態様にかかる生体検知システムは、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備える。
【0007】
この開示の第3の態様にかかる生体検知方法は、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定ステップと、を備える。
【0008】
この開示の第4の態様にかかる記録媒体は、
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定ステップと、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【
図3】実施形態2にかかる生体検知システム1の構成を示すブロック図である。
【
図7】生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【
図8】対象Obの顔を含む可視画像Iの一例である。
【
図9】生体判定処理の具体例1のフローチャートである。
【
図10】生体判定処理の具体例2のフローチャートである。
【
図11】生体判定処理の具体例3のフローチャートである。
【
図12】生体特有の温度変化パターンの一例である。
【
図13】生体判定処理の具体例4のフローチャートである。
【
図14】実施形態3にかかる生体検知システム1Aの構成を示すブロック図である。
【
図16】実施形態3にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。
【
図17】実施形態3にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【
図18】報知手段50が報知する内容の他の一例である。
【
図19】実施形態4にかかる生体検知システム1Bの構成を示すブロック図である。
【
図20】実施形態4にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。
【
図21】実施形態4にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【
図22】風吹付手段40の変形例の概略構成図である。
【
図23】リアクション判定処理の一例のフローチャートである。
【
図24】実施形態5にかかる生体検知システム1Cの構成を示すブロック図である。
【
図25】実施形態5にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。
【
図26】実施形態5にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【
図28】実施形態5にかかる生体検知システム1C(変形例)の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
まず、
図1を用いて、実施形態1の生体検知装置10の構成例について説明する。生体検知装置10が本発明の情報処理装置の一例である。
【0011】
【0012】
図1に示すように、生体検知装置10は、対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段12hと、対象温度変化測定手段12hが測定した温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定する生体判定手段12kと、を備えている。
【0013】
次に、上記構成の生体検知装置10の動作の一例について説明する。
【0014】
図2は、生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【0015】
まず、対象温度変化測定手段12hが、対象の表面温度の温度変化を測定する(ステップS1)。次に、生体判定手段12kが、対象温度変化測定手段12hが測定した温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定する(ステップSS2)。
【0016】
以上説明したように、実施形態1によれば、精巧な3Dマスクや、目・口部分を切り抜いた写真を使った実物大のお面による偽装(例えば、顔認証の際のなりすまし)を検出することができる。
【0017】
これは、対象(例えば、顔)の表面温度ではなく、対象(例えば、顔)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定することによるものである。
【0018】
(実施形態2)
以下、この開示の実施形態2として、生体検知システム1及び生体検知装置10について詳細に説明する。
【0019】
図3は、実施形態2にかかる生体検知システム1の構成を示すブロック図である。
【0020】
生体検知システム1は、対象が生体か否かを判定(検知)するシステムである。
【0021】
生体検知システム1は、通信線(例えば、インターネット)を介して互いに通信可能な生体検知装置10、可視光カメラ20、サーマルカメラ30、風吹付手段40、報知手段50、認証装置60、入退管理システム70を備えている。なお、認証装置60は、生体検知装置10に設けられていてもよい。
【0022】
まず、生体検知装置10の構成例について説明する。
【0023】
図4は、生体検知装置10の概略構成図である。生体検知装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現することができる。
【0024】
図4に示すように、生体検知装置10は、記憶部11と、制御部12と、メモリ13と、通信部14と、を備えている。
【0025】
記憶部11は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部11は、プログラム記憶部11a、温度情報記憶部11bを含む。
【0026】
プログラム記憶部11aには、制御部12(プロセッサ)により実行されるプログラムが記憶されている。温度情報記憶部11bには、温度記録手段12eにより対象の部位ごとの温度情報が記憶される。
【0027】
制御部12は、図示しないが、プロセッサを備えている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限らず、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。プロセッサは、プログラム記憶部11aからメモリ13(例えば、RAM)に読み込まれたプログラムを実行することで、可視画像取得手段12a、対象検出手段12b、部位検出手段12c、サーマル画像取得手段12d、温度記録手段12e、温度制御手段12f、温度設定手段12g、対象温度変化測定手段12h、比較手段12i、温度復帰判定手段12j、生体判定手段12k、報知制御手段12m、認証制御手段12nとして機能する。これらの一部又は全部は、ハードウェアで実現してもよい。
【0028】
可視画像取得手段12aは、可視光カメラ20から当該可視光カメラ20が撮像した対象を含む可視画像を取得する。対象は、例えば、顔認証を行おうとする人物(生体)、タブレット等のディスプレイに表示された写真(又は映像)に写り込んだ人物(生体以外)、紙の写真に写り込んだ人物(生体以外)、又は3Dマスクを着用した人物(生体以外)である。
【0029】
対象検出手段12bは、可視画像取得手段12aが取得した可視画像中の対象(顔領域)を検出する。
【0030】
部位検出手段12cは、対象検出手段12bが検出した対象中(顔領域中)の少なくとも1つ部位(例えば、耳、鼻、額、頬)を検出する。例えば、部位検出手段12cは、相対的に温度変化しやすい第1部位(例えば、耳、鼻)、相対的に温度変化しにくい第2部位(例えば、額、頬)を検出する。相対的に温度変化しやすい第1部位とは、第2部位と比べて温度変化しやすい部位、例えば、耳、鼻のことである。相対的に温度変化しにくい第2部位とは、第1部位と比べて温度変化しやすい部位、例えば、額、頬のことである。なお、部位検出手段12cが検出する第1部位、第2部位は、それぞれ、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0031】
サーマル画像取得手段12dは、サーマルカメラ30から当該サーマルカメラ30が撮像した対象を含むサーマル画像(例えば、
図5中の符号I1~I3参照)を取得する。
【0032】
温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する。
【0033】
例えば、対象検出手段12bが相対的に温度変化しやすい第1部位として耳を検出し、相対的に温度変化しにくい第2部位として額を検出したとする。そして、
図5に示すように、耳の表面温度がt1a、t1b、t1aの順に変化し、額の表面温度がt2a、t2b、t2aの順に変化したとする。この場合、温度記録手段12eは、部位ごとの表面温度の温度情報として、耳の表面温度t1a、t1b、t1a及び額の表面温度t2a、t2b、t2aを、温度情報記憶部11bに記憶する。
図5は、サーマル画像I1~I3の一例である。なお、
図5中、色が薄い部分(例えば、額)より色が濃い部分(例えば、耳)の方が温度が低いことを表す。
【0034】
温度制御手段12fは、風吹付手段40を制御する。例えば、温度制御手段12fは、対象の顔に対して所定タイミングで所定温度(温度設定手段12gにより設定された温度)の風(例えば、冷風)を所定時間吹き付けるように風吹付手段40を制御する。
【0035】
温度設定手段12gは、風吹付手段40が吹き付ける風の温度(所定温度)を設定する。例えば、温度設定手段12gは、所定温度としてオペレータが入力した温度を設定する。また、温度設定手段12gは、対象が存在する空間の雰囲気温度又は対象の表面温度等に基づいて対象の表面温度の温度変化が生ずる所定温度を算出し、所定温度としてこの算出した温度を設定してもよい。対象が存在する空間の雰囲気温度とは、例えば、サーマルカメラ30が撮像する対象近傍の空間の環境温度のことである。対象が存在する空間の雰囲気温度は、例えば、フラッパーゲート近傍(例えば、サーマルカメラ30近傍)に設けられた温度センサ(図示せず)により検出することができる。
【0036】
対象温度変化測定手段12hは、対象の表面温度の温度変化を測定する。例えば、対象温度変化測定手段12hは、サーマル画像に基づいて、対象検出手段12bにより検出された対象の温度変化を測定する。
【0037】
具体的には、対象温度変化測定手段12hは、温度情報記憶部11bに記憶された部位ごとの表面温度の温度情報に基づいて、対象検出手段12bにより検出された対象(例えば、部位検出手段12cが検出した第1部位、第2部位)の温度変化を測定する。
【0038】
例えば、温度情報記憶部11bに、部位ごとの表面温度の温度情報として、耳の表面温度t1a、t1b及び額の表面温度t2a、t2bが記憶されているとする。この場合、対象温度変化測定手段12hは、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bを測定(算出)する。
【0039】
比較手段12iは、対象温度変化測定手段12hが測定した第1部位の温度変化と第2部位の温度変化とを比較する。
【0040】
例えば、対象温度変化測定手段12hが、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bを測定(算出)した場合、比較手段12iは、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1bと額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bとを比較する。
【0041】
温度復帰判定手段12jは、対象の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰したか否かを判定する。なお、温度復帰判定手段12jは、対象の表面温度が変化前の元の表面温度に近い温度に復帰したか否かを判定してもよい。
【0042】
生体判定手段12kは、対象温度変化測定手段12hが測定した対象(例えば、部位検出手段12cが検出した第1部位、第2部位)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定する。
【0043】
具体的には、生体判定手段12kは、比較手段12iの比較結果に基づいて、対象が生体か否かを判定する。
【0044】
例えば、比較手段12iの比較結果が、第1部位(例えば、耳)の表面温度の温度変化(例えば、t1a-t1b)>第2部位(例えば、額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)である場合、生体判定手段12kは、対象が生体であると判定する。その理由は、次のとおりである。
【0045】
すなわち、生体は、特有の温度変化特性を持つ。例えば、人物(生体)の顔のうち特定の部位(例えば、耳と鼻)は血管が細く、外気温変化の影響を受けやすい。逆に、人物(生体)の顔のうち特定の部位以外の部位(例えば、額、頬)は、外気温変化の影響を受けにくい。
【0046】
そのため、例えば、所定温度の風(例えば、冷風)を一定時間、人物の顔に吹き付けた場合や人物が雰囲気温度が異なる空間に移動した場合(例えば、建物外からクーラーのきいた建物内に移動した場合)、特定の部位(例えば、耳と鼻)は相対的に大きく温度変化し、特定の部位以外の部位(例えば、額、頬)は相対的に小さく温度変化する。
【0047】
そのため、対象が生体である場合、第1部位(例えば、耳)の表面温度の温度変化(例えば、t1a-t1b)>第2部位(例えば、額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)の関係となる。
【0048】
そこで、比較手段12iの比較結果が、第1部位(例えば、耳)の表面温度の温度変化(例えば、t1a-t1b)>第2部位(例えば、額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)である場合、生体判定手段12kは、対象が生体であると判定する。なお、さらに両者の差が閾値より大きい場合、生体判定手段12kは、対象が生体であると判定してもよい。
【0049】
また、生体判定手段12kは、温度復帰判定手段12jの判定結果に基づいて、対象が生体か否かを判定する場合もある。
【0050】
すなわち、対象が生体である場合、その恒温性により、
図5に示すように、一定時間経過後、温度変化前の元の温度に復帰する。そこで、例えば、風吹付手段40が所定温度の風(例えば、冷風)を吹き付けることで変化した対象の表面温度が所定期間経過後、変化前の元の表面温度に復帰した場合、生体判定手段12kは、対象が生体であると判定する。
【0051】
なお、対象(部位)の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰する前に、対象の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰すると予測できる場合(例えば、対象の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰する途中の温度変化の微分値に基づき予測できる場合)も、生体判定手段12kは、対象が生体であると判定する。なお、生体判定手段12kは、比較手段12iの比較結果及び温度復帰判定手段12jの判定結果の両方に基づいて、対象が生体か否かを判定してもよい。
【0052】
報知制御手段12mは、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に、報知手段50に、これから風を吹き付ける旨を報知させる。
【0053】
認証制御手段12nは、顔認証を実行する認証装置60に、対象の顔認証を実行させる。
【0054】
可視光カメラ20は、例えば、フラッパーゲート(図示せず)近傍に設置され、当該フラッパーゲートを通過しようとする対象を含む可視画像を撮像する。可視光カメラ20は、一定間隔で連続して撮像し続ける。
【0055】
サーマルカメラ30は、例えば、フラッパーゲート近傍に(例えば、可視光カメラ20に隣接して)設置され、当該フラッパーゲートを通過しようとする対象を含むサーマル画像を撮像する。サーマルカメラ30は、対象の温度変化を測定するため、一定間隔で連続して撮像し続ける。
【0056】
風吹付手段40は、例えば、フラッパーゲート近傍に(例えば、可視光カメラ20とサーマルカメラ30の間に)設置される。風吹付手段40がこの開示の表面温度変化手段の一例である。風吹付手段40は、例えば、ブロア等の温冷風機である。風吹付手段40は、均一に風を吹き付けるため、例えば、対象の正面方向から風を吹き付けるように設置されている。風吹付手段40は、生体検知装置10(温度制御手段12f)からの制御に従って、対象(顔)に対して所定タイミングで所定温度の風を所定時間吹き付ける。風吹付手段40は、1つに限らず、複数あってもよい。風吹付手段40を複数用いる例については、変形例として後述する。なお、風吹付手段40は、常に風を吹き続けてもよい。
【0057】
報知手段50は、例えば、フラッパーゲート近傍に設置される。報知手段50は、例えば、ディスプレイ等の表示装置51、スピーカ等の音声出力装置52である。報知手段50は、生体検知装置10(報知制御手段12m)からの制御に従って、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に、
図6に示すように、これから風を吹き付ける旨を表示装置51に表示する。その際、風をどこから吹き付けるのか、どれくらいの時間吹き付けるのかを表示してもよい。また、その旨の音声を音声出力装置52から出力する。
図6は、報知手段50が報知する内容の一例である。
【0058】
認証装置60は、生体検知装置10から受信した顔認証要求に応じて、当該要求に含まれる顔画像又は顔特徴情報について、認識対象者の顔特徴情報と照合を行い、照合結果を要求元の生体検知装置10へ返信する。
【0059】
入退管理システム70は、フラッパーゲート等を備える。入退管理システム70は、生体検知装置10から照合結果を受けた場合、その照合結果に応じてフラッパーゲートを制御する。
【0060】
通信部14は、可視光カメラ20、サーマルカメラ30、風吹付手段40、報知手段50、認証装置60及び入退管理システム70との間で通信線(例えば、インターネット)を介して通信する通信装置である。
【0061】
次に、生体検知装置10の動作の一例について説明する。
【0062】
図7は、生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【0063】
以下の処理は、制御部12(プロセッサ)がプログラム記憶部11aからRAM(図示せず)に読み込まれたプログラムを実行することで実現される。
【0064】
まず、可視画像取得手段12aは、可視光カメラ20から当該可視光カメラ20が撮像した対象を含む可視画像を取得する(ステップS10)。ここでは、
図8に示す対象Obの顔を含む可視画像Iが取得されたものとする。
図8は、対象Obの顔を含む可視画像Iの一例である。
【0065】
次に、対象検出手段12bは、可視画像取得手段12aが取得した可視画像I中の対象Obの顔領域A1を検出する(ステップS11)。
【0066】
次に、部位検出手段12cは、対象検出手段12bが検出した顔領域A1中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS12)。ここでは、
図8に示すように、相対的に温度変化しやすい第1部位として耳e1が、相対的に温度変化しにくい第2部位として額e2が、それぞれ検出されたものとする。
【0067】
次に、サーマル画像取得手段12dは、サーマルカメラ30から当該サーマルカメラ30が撮像した対象(可視光カメラ20が撮像したのと同一対象)を含むサーマル画像(例えば、
図5中の符号I1参照)を取得する(ステップS13)。これにより、対象の顔表面の温度分布画像を取得する。
【0068】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I1中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS14)。
【0069】
ここでは、初期状態の耳の表面温度としてt1a(
図5参照)が、初期状態の額の表面温度としてt2a(
図5参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0070】
次に、報知制御手段12mは、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に、報知手段50に、これから風を吹き付ける旨を報知させる(ステップS15)。具体的には、報知制御手段12mは、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に、これから風を吹き付ける旨を報知するように報知手段50を制御する。報知手段50は、生体検知装置10(報知制御手段12m)からの制御に従って、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に、
図6に示すように、これから風を吹き付ける旨を表示装置51に表示する。また、その旨の音声を音声出力装置52から出力する。
【0071】
次に、温度制御手段12fは、風吹付手段40を制御する(ステップS16)。例えば、温度制御手段12fは、対象の顔に対して所定タイミングで所定温度(温度設定手段12gにより設定された温度)の風(例えば、冷風)を所定時間吹き付けるように風吹付手段40を制御する。風吹付手段40は、生体検知装置10(温度制御手段12f)からの制御に従って、対象(顔)に対して所定タイミングで所定温度の風を所定時間吹き付ける。温度制御手段12fは、所定時間経過後、吹き付けるのを停止するように風吹付手段40を制御する。風吹付手段40は、生体検知装置10(温度制御手段12f)からの制御に従って、吹き付けるのを停止する。
【0072】
次に、サーマル画像取得手段12dは、サーマルカメラ30から当該サーマルカメラ30が撮像した対象を含むサーマル画像(例えば、
図5中の符号I2参照)を取得する(ステップS17)。
【0073】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I2中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS18)。
【0074】
ここでは、風(例えば、冷風)吹付直後の耳の表面温度としてt1b(
図5参照)が、風(例えば、冷風)吹付直後の額の表面温度としてt2b(
図5参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0075】
次に、対象温度変化測定手段12hは、温度情報記憶部11bに記憶された部位ごとの表面温度の温度情報に基づいて、対象検出手段12bにより検出された対象(例えば、部位検出手段12cが検出した第1部位、第2部位)の温度変化を測定する(ステップS19)。
【0076】
ここでは、温度情報記憶部11bに、部位ごとの表面温度の温度情報として、耳の表面温度t1a、t1b及び額の表面温度t2a、t2bが記憶されているため、対象温度変化測定手段12hは、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bを測定(算出)する。
【0077】
次に、生体判定手段12kは、対象が生体か否かを判定する生体判定処理を実行する(ステップS20)。
【0078】
次に、生体判定処理の具体例について説明する。
<生体判定処理の具体例1>
具体例1は、比較手段12iの比較結果に基づいて、対象が生体か否かを判定する生体判定処理である。
【0079】
図9は、生体判定処理の具体例1のフローチャートである。
【0080】
図9に示すように、まず、比較手段12iは、対象温度変化測定手段12hが測定した第1部位の温度変化と第2部位の温度変化とを比較する(ステップS2001)。
【0081】
ここでは、対象温度変化測定手段12hが、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bを測定(算出)した状態であるため、比較手段12iは、第1部位(耳)の表面温度の温度変化(t1a-t1b)と第2部位(額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)とを比較する。
【0082】
そして、その比較手段12iの比較結果が、第1部位(例えば、耳)の表面温度の温度変化(例えば、t1a-t1b)>第2部位(例えば、額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)である場合(ステップS2002:YES)、生体判定手段12kは、生体検知結果正常、すなわち、対象が生体であると判定する(ステップS2003)。
【0083】
一方、比較手段12iの比較結果が、第1部位(例えば、耳)の表面温度の温度変化(例えば、t1a-t1b)>第2部位(例えば、額)の表面温度の温度変化(t2a-t2b)でない場合(ステップS2002:NO)、生体判定手段12kは、生体検知結果異常、すなわち、対象が生体でないと判定する(ステップS2004)。
<生体判定処理の具体例2>
具体例2は、温度復帰判定手段12jの判定結果に基づいて、対象が生体か否かを判定する生体判定処理である。
【0084】
図10は、生体判定処理の具体例2のフローチャートである。
【0085】
まず、風吹付手段40が風を吹き付けるのを停止した後、
図10に示すように、N秒(対象の表面温度が変化前の表面温度になるように考慮された秒数。例えば、10秒)待機する(ステップS2011)。
【0086】
次に、温度復帰判定手段12jは、対象の表面温度が変化前の元の表面温度(初期状態)に復帰したか否かを判定する(ステップS2012)。
【0087】
その結果、元の表面温度(初期状態)に復帰したと判定された場合(ステップS2012:YES)、生体判定手段12kは、生体検知結果正常、すなわち、対象が生体であると判定する(ステップS2013)。
【0088】
一方、元の表面温度(初期状態)に復帰していない判定された場合(ステップS2012:NO)、生体判定手段12kは、生体検知結果異常、すなわち、対象が生体でないと判定する(ステップS2014)。
<生体判定処理の具体例3>
具体例3は、具体例1と具体例2を組み合わせた生体判定処理である。具体例3によれば、具体例1、具体例2よりも生体判定の精度を向上させることができる。
【0089】
図11は、生体判定処理の具体例3のフローチャートである。
【0090】
図11の各ステップは、
図9及び
図10と同様であるため、説明を省略する。
<生体判定処理の具体例4>
対象が生体で有る場合、対象の表面温度は、例えば、
図12に示すように、生体特有のパターンで変化すると考えられる。
図12は、生体特有の温度変化パターンの一例である。
【0091】
そこで、具体例4では、対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとを比較することで、対象が生体か否かを判定する。
【0092】
図13は、生体判定処理の具体例4のフローチャートである。
【0093】
図13に示すように、まず、比較手段12iは、対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとを比較する(ステップS2021)。対象の表面温度の変化パターンとしては、例えば、温度情報記憶部11bに記憶されているものを用いる。基準人物の表面温度の変化パターンも、例えば、記憶部11に記憶されているものを用いる。
【0094】
ステップS2021の比較の結果、対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとが一致(又は略一致)する場合(ステップS2022:YES)、生体判定手段12kは、生体検知結果正常、すなわち、対象が生体であると判定する(ステップS2023)。
【0095】
一方、ステップS2021の比較の結果、対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとが一致(又は略一致)しない場合(ステップS2022:NO)、生体判定手段12kは、生体検知結果異常、すなわち、対象が生体でないと判定する(ステップS2024)。
【0096】
なお、上記生体判定処理の具体例1~4は適宜組み合わせて用いてもよい。
【0097】
【0098】
上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果正常の場合(ステップS21:YES)、対象の顔認証が実行される(ステップS22)。例えば、認証制御手段12nは、認証装置60に対象物の顔画像(可視画像)を含む顔認証要求を送信することで、認証装置60に、対象の顔認証を実行させる。なお、認証結果(照合結果)は、入退管理システム70に通知される。
【0099】
一方、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果異常の場合(ステップS21:NO)、対象の顔認証が実行されることなく、処理を終了する(ステップS21:NO)。
【0100】
生体判定手段12kは、上記生体判定処理の具体例1~4に加えて、さらに追加の条件を考慮して、対象が生体か否かを判定してもよい。
【0101】
次に、生体判定手段12kが考慮する追加の条件の具体例について説明する。
<追加条件の具体例1>
生体判定手段12kは、対象の表面温度の変化パターンと基準非人物の表面温度の変化パターンとの比較結果を考慮して、対象が生体か否かを判定してもよい。基準非人物とは、例えば、人物(生体)以外を意味し、例えば、写真(又は映像)が表示されたタブレット、人物を写した紙の写真である。基準非人物の表面温度の変化パターンとは、例えば、写真(又は映像)が表示されたタブレットの表面温度の変化パターン、人物(生体以外)を写した紙の写真の変化パターンである。基準非人物の表面温度の変化パターンは、タブレットや写真に風を吹き付けた際の温度変化を示すものである。
<追加条件の具体例2>
生体判定手段12kは、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付けた際の対象のリアクション(例えば、目をつむる、口を開ける)を考慮して、対象が生体か否かを判定してもよい。
【0102】
このリアクション判定処理の一例について説明する。
【0103】
以下の処理は、制御部12(プロセッサ)がプログラム記憶部11aからRAM(図示せず)に読み込まれたプログラムを実行することで実現される。
【0104】
図23は、リアクション判定処理の一例のフローチャートである。
【0105】
図23に示すリアクション判定処理は、例えば、
図7に示す処理と並列に実行される。
【0106】
まず、可視画像取得手段12aが、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に当該対象を含む可視画像を取得する(ステップS30)。
【0107】
次に、可視画像取得手段12aが、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付けた後に当該対象を含む可視画像を取得する(ステップS31)。
【0108】
次に、ステップS30で取得した風を吹き付ける前の可視画像及びステップS31で取得した風を吹き付けた後の可視画像を解析することにより、対象の動き(リアクション)を計測する(ステップS32)。
【0109】
次に、ステップS32で計測した対象の動きが適切か否かを判定する(ステップS33)。例えば、風吹付手段40が吹付けた位置に応じた適切なリアクションを行っているか否かを判定する。
【0110】
その結果、適切なリアクションを行っていると判定された場合(ステップS33:YES)、例えば、対象の顔の右側に風を吹き付け、対象が右目を閉じた場合、生体検知結果正常、すなわち、対象が生体であると判定する(ステップS34)。
【0111】
一方、適切なリアクションを行っていないと判定された場合(ステップS33:NO)、例えば、対象の顔の右側に風を吹き付けたのに、対象が左目を閉じた場合、生体検知結果異常、すなわち、対象が生体でないと判定する(ステップS35)。
<追加条件の具体例3>
生体判定手段12kは、表面温度を変化させる前後の対象の表面状態(例えば、表面の色、毛穴のしまり具合)を考慮して、対象が生体か否かを判定してもよい。なお、対象の表面状態は、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付ける前に撮像された可視画像と、風吹付手段40が対象に対して風を吹き付けた後に撮像された可視画像と、の差異から判断することができる。
<追加条件の具体例4>
対象が、人物の写真(又は映像)が表示されたタブレット、人物を写した紙の写真である場合、対象の背景の温度変化パターンは、対象が人物(生体)の場合と異なるため、生体判定手段12kは、対象の背景の温度変化を考慮して、対象が生体か否かを判定してもよい。
【0112】
上記特許文献1に記載の生体判定装置においては、例えば、精巧な3Dマスクや、目・口部分を切り抜いた写真を使った実物大のお面が装着されている場合、当該3Dマスクやお面は、立体的であり、目や口部分が切り抜かれて装着者の生体が露出しているため、偽装(例えば、顔認証の際のなりすまし)の検出が難しいという課題がある。
【0113】
これに対して、実施形態2によれば、精巧な3Dマスクや、目・口部分を切り抜いた写真を使った実物大のお面による偽装(例えば、顔認証の際のなりすまし)を検出することができる。
【0114】
これは、対象(例えば、顔)の表面温度ではなく、対象(例えば、顔)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定することによるものである。
【0115】
また、実施形態2によれば、タブレット等のディスプレイに表示された写真(又は映像)に写り込んだ人物(生体以外)、紙の写真に写り込んだ人物(生体以外)による偽装(例えば、顔認証の際のなりすまし)も検出することができる。
【0116】
これも、対象(例えば、顔)の表面温度ではなく、対象(例えば、顔)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定することによるものである。
【0117】
また、実施形態2によれば、可視画像から検出された対象(部位)の温度変化を、サーマル画像に基づいて測定することができる。
【0118】
また、実施形態2によれば、対象の部位の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定することができる。その際、対象の部位として、例えば、生体特有の温度変化特性を有する部位を選定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0119】
また、実施形態2によれば、対象の部位として、相対的に温度変化しやすい第1部位及び相対的に温度変化しにくい第2部位を選定し、第1部位の温度変化と第2部位の温度変化とを比較することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0120】
また、実施形態2によれば、対象(部位)の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰したか否かを判定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0121】
また、実施形態2によれば、対象(少なくとも1つの部位)の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとを比較することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0122】
また、実施形態2によれば、対象(部位)の表面温度を変化させる表面温度変化手段(風吹付手段)を用いることで、対象の表面温度を迅速に温度変化させることができる。その結果、生体検出に要する時間を短縮できる。
【0123】
また、実施形態2によれば、所定温度を設定する温度設定手段を備えているため、当該設定した所定温度の風を対象に対して吹き付けることができる。
【0124】
また、実施形態2によれば、対象(例えば、顔)に対して風を吹き付ける前に、報知手段に、これから風を吹き付ける旨を報知させるため、対象に不快感を与えることを抑制することができる。
【0125】
また、実施形態2によれば、対象(部位)の表面温度の変化パターンと基準非人物の表面温度の変化パターンとの比較結果を考慮して、対象が生体か否かを判定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0126】
また、実施形態2によれば、対象に対して風を吹き付けた際の対象のリアクションを考慮して対象が生体か否かを判定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0127】
また、実施形態2によれば、表面温度を変化させる前後の対象の表面状態を考慮して、対象が生体か否かを判定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0128】
また、実施形態2によれば、対象の背景の温度変化を考慮して、対象が生体か否かを判定することで、生体検出の精度を向上させることができる。
【0129】
また、実施形態2によれば、生体判定手段が、対象が生体であると判定した後、認証装置60に、対象の顔認証を実行させるため、精巧な3Dマスクや、目・口部分を切り抜いた写真を使った実物大のお面による顔認証、タブレット等のディスプレイに表示された写真(又は映像)に写り込んだ人物(生体以外)、紙の写真に写り込んだ人物(生体以外)による顔認証が実行されるのを抑制することができる。
【0130】
次に、変形例について説明する。
【0131】
まず、風吹付手段40の変形例について説明する。
【0132】
図22は、風吹付手段40の変形例の概略構成図である。
【0133】
上記実施形態2では、ステップS15(
図7参照)において1つの風吹付手段40を用いる例について説明したが、これに限らず、
図22に示すように、複数の風吹付手段40A、40Bを用いてもよい。
【0134】
その際、一方の風吹付手段40Aの配置と他方の風吹付手段40Bの配置については、例えば、
図22に示すように、一方の風吹付手段40Aを対象Obの顔の左半分(
図22中左半分)に対して風を吹き付けるように配置し、かつ、他方の風吹付手段40Bを対象Obの顔の右半分(
図22中右半分)に対して風を吹き付けるように配置してもよいし、図示しないが、一方の風吹付手段40Aを対象Obの顔の上半分に対して風を吹き付けるように配置し、かつ、他方の風吹付手段40Bを対象Obの顔の下半分に対して風を吹き付けるように配置してもよいし、それ以外の様々な形態で配置してもよい。
【0135】
また、一方の風吹付手段40Aが吹き付ける風の温度と他方の風吹付手段40Bが吹き付ける風の温度については、同一であってもよいし、互いに相違していてもよい。例えば、ステップS15(
図7参照)において、一方の風吹付手段40Aが温風を吹き付け、他方の風吹付手段40Bが冷風を吹き付けてもよい。また、一方の風吹付手段40Aが吹き付ける風の強さと他方の風吹付手段40Bが吹き付ける風の強さについては、同一であってもよいし、互いに相違していてもよい。
【0136】
一方の風吹付手段40Aが吹き付けるタイミングと他方の風吹付手段40Bが吹き付けるタイミングについては、同一であってもよいし、互いに相違していてもよい。また、一方の風吹付手段40A及び他方の風吹付手段40Bは、それぞれ、常に風を吹き続けてもよい。また、一方の風吹付手段40A及び他方の風吹付手段40Bは、それぞれ、連続的に風を吹き付けてもよいし、断続的に風を吹き付けてもよい。
【0137】
なお、風吹付手段40は、風吹付手段40A、40Bに限らず、3つ以上であってもよい。
【0138】
次に、この開示の実施形態3として、生体検知システム1Aについて詳細に説明する。
【0139】
図14は、実施形態3にかかる生体検知システム1Aの構成を示すブロック図である。
【0140】
以下、実施形態2との相違点を中心に説明し、同一の構成については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0141】
図14に示すように、実施形態3にかかる生体検知システム1Aは、外部と隔離された空間を有するサークルゲートを備えている。なお、外部と隔離された空間は、サークルゲート以外に設けられていてもよい。
【0142】
【0143】
図15に示すように、サークルゲート80は、対象Obが開閉できる扉81及び対象Obを収容できる空間82を有する。可視光カメラ20、サーマルカメラ30、報知手段50は、サークルゲート80の空間82に設置されている。また、サークルゲート80の空間82には、室温調整装置41(エアコン等)が設置されている。室温調整装置41がこの開示の表面温度変化手段の他の一例である。また、
図16に示すように、温度制御手段12f、温度設定手段12gが省略されている。
図16は、実施形態3にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。
【0144】
次に、実施形態3にかかる生体検知装置10の動作の一例について説明する。
【0145】
図17は、実施形態3にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
図17は、ステップS15、S16が省略されている点以外、
図7と同様である。
【0146】
図16の処理は、対象Obが扉81を開けて、起立または着座した状態でサークルゲート80の空間82に収容された状態で実行される。その際、サークルゲート80の空間82は、室温調整装置41(エアコン等)によりサークルゲート80の空間82外の雰囲気温度よりも低く(又は高く)設定されている。
【0147】
実施形態3によっても、実施形態2と同様の効果を奏することができる。
【0148】
また、実施形態3によれば、対象の表面温度を変化させる表面温度変化手段として外部と隔離された空間82に設置された室温調整装置41を用いているため、風吹付手段40を用いることなく、対象(部位)の表面温度を変化させることができる。
【0149】
次に、実施形態2、3の変形例について説明する。
【0150】
上記実施形態2、3では、対象の表面温度を変化させる表面温度変化手段として、風吹付手段、室温調整装置を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0151】
例えば、対象の表面温度を変化させる表面温度変化手段(風吹付手段、室温調整装置)は省略してよい。
【0152】
この場合、例えば、報知制御手段12mは、対象温度変化測定手段12hが対象の表面温度の温度変化を測定する前(
図7、
図17中のステップS19の前)に、報知手段50に、対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を報知させる。具体的には、報知制御手段12mは、対象温度変化測定手段12hが対象の表面温度の温度変化を測定する前(
図7、
図17中のステップS19の前)に、対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を報知するように報知手段50を制御する。
【0153】
報知手段50は、生体検知装置10(報知制御手段12m)からの制御に従って、対象温度変化測定手段12hが対象の表面温度の温度変化を測定する前(
図7、
図17中のステップS19の前)に、例えば、
図18に示すように、対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を表示装置51に表示する。また、その旨の音声を音声出力装置52から出力する。
図18は、報知手段50が報知する内容の他の一例である。
【0154】
本変形例によっても、実施形態2と同様の効果を奏することができる。
【0155】
また、本変形例によれば、対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を報知することで、風吹付手段、室温調整装置等の表面温度変化手段を用いることなく、対象(部位)の表面温度を変化させることができる。
【0156】
次に、この開示の実施形態4として、生体検知システム1Bについて詳細に説明する。
【0157】
図19は、実施形態4にかかる生体検知システム1Bの構成を示すブロック図である。
【0158】
以下、実施形態2との相違点を中心に説明し、同一の構成については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0159】
図19に示すように、実施形態4にかかる生体検知システム1Bは、第1可視光カメラ20A、第2可視光カメラ20B、第1サーマルカメラ30A、第2サーマルカメラ30Bを備えている。実施形態4では、フラッパーゲート、入退管理システム70は省略されている。
【0160】
第1可視光カメラ20A及び第1サーマルカメラ30Aは、例えば、建物の入り口近傍に設置されている。第2可視光カメラ20B及び第2サーマルカメラ30Bは、建物内に設置されている。建物内には、室温調整装置41(エアコン等)が設置されている。室温調整装置41がこの開示の表面温度変化手段の一例である。また、
図20に示すように、温度制御手段12f、温度設定手段12gが省略されている。
図20は、実施形態4にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。また、通知手段12pが追加されている。通知手段12pは、生体判定手段12kが、対象が生体でないと判定した場合、その旨を通知する。
【0161】
次に、実施形態4にかかる生体検知装置10の動作の一例について説明する。
【0162】
図21は、実施形態4にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【0163】
以下の処理は、制御部12(プロセッサ)がプログラム記憶部11aからRAM(図示せず)に読み込まれたプログラムを実行することで実現される。
【0164】
まず、可視画像取得手段12aは、建物の入り口近傍に設置された第1可視光カメラ20Aから当該第1可視光カメラ20Aが撮像した対象を含む可視画像を取得する(ステップS10A)。ここでは、
図8に示す対象Obの顔を含む可視画像Iが取得されたものとする。
【0165】
次に、対象検出手段12bは、可視画像取得手段12aが取得した可視画像I中の対象Obの顔領域A1を検出する(ステップS11)。
【0166】
次に、部位検出手段12cは、対象検出手段12bが検出した顔領域A1中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS12)。ここでは、
図8に示すように、相対的に温度変化しやすい第1部位として耳e1が、相対的に温度変化しにくい第2部位として額e2が、それぞれ検出されたものとする。
【0167】
次に、サーマル画像取得手段12dは、建物の入り口近傍に設置された第1サーマルカメラ30Aから当該第1サーマルカメラ30Aが撮像した対象(第1可視光カメラ20Aが撮像したのと同一対象)を含むサーマル画像(例えば、
図5中の符号I1参照)を取得する(ステップS13A)。
【0168】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I1中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS14)。
【0169】
ここでは、初期状態の耳の表面温度としてt1a(
図5参照)が、初期状態の額の表面温度としてt2a(
図5参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0170】
次に、可視画像取得手段12aは、ステップS10Aと同様、建物内に設置された第2可視光カメラ20Bから当該第2可視光カメラ20Bが撮像した対象を含む可視画像を取得する(ステップS14A)。
【0171】
次に、対象検出手段12bは、ステップS11と同様、可視画像取得手段12aが取得した可視画像中の対象Obの顔領域を検出する(ステップS14B)。
【0172】
次に、部位検出手段12cは、ステップS12と同様、対象検出手段12bが検出した顔領域中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS14C)。
【0173】
次に、サーマル画像取得手段12dは、建物内に設置された第2サーマルカメラ30Bから当該第2サーマルカメラ30Bが撮像した対象を含むサーマル画像(例えば、
図5中の符号I2参照)を取得する(ステップS17A)。
【0174】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I2中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS18)。
【0175】
ここでは、風(例えば、冷風)吹付直後の耳の表面温度としてt1b(
図5参照)が、風(例えば、冷風)吹付直後の額の表面温度としてt2b(
図5参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0176】
次に、対象温度変化測定手段12hは、温度情報記憶部11bに記憶された部位ごとの表面温度の温度情報に基づいて、対象検出手段12bにより検出された対象(例えば、部位検出手段12cが検出した第1部位、第2部位)の温度変化を測定する(ステップS19)。
【0177】
ここでは、温度情報記憶部11bに、部位ごとの表面温度の温度情報として、耳の表面温度t1a、t1b及び額の表面温度t2a、t2bが記憶されているため、対象温度変化測定手段12hは、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2bを測定(算出)する。
【0178】
次に、生体判定手段12kは、対象が生体か否かを判定する生体判定処理を実行する(ステップS20)。この生体判定処理の具体例については既に説明したので、説明を省略する。
【0179】
次に、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果正常の場合(ステップS21:YES)、対象の顔認証が実行される(ステップS22)。例えば、認証制御手段12nは、認証を実行する認証装置60に対象物の顔画像(可視画像)を含む顔認証要求を送信することで、顔認証を実行する認証装置60に、対象の顔認証を実行させる。なお、認証結果(照合結果)は、入退管理システム70に通知される。
【0180】
一方、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果異常の場合(ステップS21:NO)、通知手段12pが、異常が検知された旨を通知する(ステップS23)。例えば、通知手段12pは、警備員又は監視員が視認するモニター等に異常が検知された旨が表示されるように通信部14を介して所定装置に異常が検知された旨を通知する。その際、異常が検知された対象の位置情報も通知してもよい。
【0181】
実施形態4によっても、実施形態3と同様の効果を奏することができる。
【0182】
また、実施形態4によれば、例えば、第1サーマルカメラ及び第2サーマルカメラを互いに離れた箇所に設置することで、対象が移動する場合であっても、当該対象が生体か否かを判定することができる。
【0183】
また、実施形態4によれば、対象が生体でないと判定した場合、その旨を通知する通知手段を備えるため、通知を受けた警備員又は監視員が当該通知に基づいて、適切な処置を迅速にとることができる。
【0184】
次に、実施形態4の変形例について説明する。
【0185】
上記実施形態4では、認証制御手段12nは、生体判定手段12kが、対象が生体であると判定した後、認証装置60に、対象の顔認証を実行させる(ステップS22)例について説明したが、これに限らない。
【0186】
例えば、認証制御手段12nは、生体判定手段12kが、対象が生体であると判定する前(例えば、ステップS20の前)、認証装置60に、対象の顔認証を実行させてもよい。
【0187】
また例えば、ステップS10A~S21の処理と並行して、認証装置60に、対象の顔認証を実行させてもよい。
【0188】
次に、この開示の実施形態5として、生体検知システム1Cについて詳細に説明する。
【0189】
図24は、実施形態5にかかる生体検知システム1Cの構成を示すブロック図である。
【0190】
以下、実施形態3との相違点を中心に説明し、同一の構成については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0191】
図24に示すように、実施形態5にかかる生体検知システム1Cは、第1可視光カメラ20A、第2可視光カメラ20B、第1サーマルカメラ30A、第2サーマルカメラ30B、外部と隔離された空間82を有するサークルゲート80を備えている。
【0192】
第1可視光カメラ20A及び第1サーマルカメラ30Aは、例えば、サークルゲート80の空間82外の扉81近傍に設置されている。第2可視光カメラ20B及び第2サーマルカメラ30Bは、サークルゲート80の空間82内に設置されている。また、サークルゲート80の空間82内には、室温調整装置41(エアコン等)が設置されている。室温調整装置41がこの開示の表面温度変化手段の一例である。また、
図25に示すように、温度制御手段12f、温度設定手段12gが省略されている。
図25は、実施形態5にかかる生体検知装置10の構成を示すブロック図である。
【0193】
次に、実施形態5にかかる生体検知装置10の動作の一例について説明する。
【0194】
図26は、実施形態5にかかる生体検知装置10の動作の一例のフローチャートである。
【0195】
以下の処理は、制御部12(プロセッサ)がプログラム記憶部11aからRAM(図示せず)に読み込まれたプログラムを実行することで実現される。以下、サークルゲート80の空間82は、室温調整装置41(エアコン等)によりサークルゲート80の空間82外の雰囲気温度よりも低く(又は高く)設定されているものとする。
【0196】
まず、可視画像取得手段12aは、サークルゲート80の扉81近傍に設置された第1可視光カメラ20Aから当該第1可視光カメラ20Aが撮像した対象(サークルゲート80内の空間82に入ろうとする対象)を含む可視画像を取得する(ステップS10A)。ここでは、
図8に示す対象Obの顔を含む可視画像Iが取得されたものとする。
【0197】
次に、対象検出手段12bは、可視画像取得手段12aが取得した可視画像I中の対象Obの顔領域A1を検出する(ステップS11)。
【0198】
次に、部位検出手段12cは、対象検出手段12bが検出した顔領域A1中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS12)。ここでは、
図8に示すように、相対的に温度変化しやすい第1部位として耳e1が、相対的に温度変化しにくい第2部位として額e2が、それぞれ検出されたものとする。
【0199】
次に、サーマル画像取得手段12dは、サークルゲート80の扉81近傍に設置された第1サーマルカメラ30Aから当該第1サーマルカメラ30Aが撮像した対象(第1可視光カメラ20Aが撮像したのと同一対象)を含むサーマル画像(例えば、
図27中の符号I4参照)を取得する(ステップS13A)。
【0200】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I4中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS14)。
【0201】
ここでは、初期状態(サークルゲート80の空間82に入る前)の耳の表面温度としてt1a(
図27参照)が、初期状態(サークルゲート80の空間82に入る前)の額の表面温度としてt2a(
図27参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0202】
次に、可視画像取得手段12aは、ステップS10Aと同様、サークルゲート80の空間82内に設置された第2可視光カメラ20Bから当該第2可視光カメラ20Bが撮像した対象を含む可視画像を取得する(ステップS14A)。
【0203】
次に、対象検出手段12bは、ステップS11と同様、可視画像取得手段12aが取得した可視画像中の対象Obの顔領域を検出する(ステップS14B)。
【0204】
次に、部位検出手段12cは、ステップS12と同様、対象検出手段12bが検出した顔領域中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS14C)。
【0205】
次に、サーマル画像取得手段12dは、サークルゲート80の空間82内に設置された第2サーマルカメラ30Bから当該第2サーマルカメラ30Bが撮像した対象を含むサーマル画像(例えば、
図27中の符号I5参照)を取得する(ステップS17A)。
【0206】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I5中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS18)。
【0207】
ここでは、サークルゲート80の空間82内の耳の表面温度としてt1b(
図5参照)が、サークルゲート80の空間82内の額の表面温度としてt2b(
図5参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0208】
次に、可視画像取得手段12aは、サークルゲート80の扉81近傍に設置された第1可視光カメラ20Aから当該第1可視光カメラ20Aが撮像した対象(サークルゲート80内の空間82から出た対象)を含む可視画像を取得する(ステップS18A)。ここでは、
図8に示す対象Obの顔を含む可視画像Iが取得されたものとする。
【0209】
次に、対象検出手段12bは、可視画像取得手段12aが取得した可視画像I中の対象Obの顔領域A1を検出する(ステップS18B)。
【0210】
次に、部位検出手段12cは、対象検出手段12bが検出した顔領域A1中の部位(相対的に温度変化しやすい第1部位、相対的に温度変化しにくい第2部位)を検出する(ステップS18C)。ここでは、
図8に示すように、相対的に温度変化しやすい第1部位として耳e1が、相対的に温度変化しにくい第2部位として額e2が、それぞれ検出されたものとする。
【0211】
次に、サーマル画像取得手段12dは、サークルゲート80の扉81近傍に設置された第1サーマルカメラ30Aから当該第1サーマルカメラ30Aが撮像した対象(第1可視光カメラ20Aが撮像したのと同一対象)を含むサーマル画像(例えば、
図27中の符号I6参照)を取得する(ステップS18D)。
【0212】
次に、温度記録手段12eは、サーマル画像取得手段12dが取得したサーマル画像I6中の、部位検出手段12cが検出した部位ごとの表面温度の温度情報を、温度情報記憶部11bに記憶する(ステップS18F)。
【0213】
ここでは、サークルゲート80の空間82から出た後の耳の表面温度としてt1c(
図27参照)が、サークルゲート80の空間82から出た後の額の表面温度としてt2c(
図27参照)が、それぞれ、温度情報記憶部11bに記憶されたものとする。
【0214】
次に、対象温度変化測定手段12hは、温度情報記憶部11bに記憶された部位ごとの表面温度の温度情報に基づいて、対象検出手段12bにより検出された対象(例えば、部位検出手段12cが検出した第1部位、第2部位)の温度変化を測定する(ステップS19)。
【0215】
ここでは、温度情報記憶部11bに、部位ごとの表面温度の温度情報として、耳の表面温度t1a、t1b、t1c及び額の表面温度t2a、t2b、t2cが記憶されているため、対象温度変化測定手段12hは、対象の表面温度の温度変化として、耳(第1部位)の表面温度の温度変化t1a-t1b、t1b-t1c、及び額(第2部位)の表面温度の温度変化t2a-t2b、t2b-t2cを測定(算出)する。
【0216】
次に、生体判定手段12kは、対象が生体か否かを判定する生体判定処理を実行する(ステップS20)。この生体判定処理の具体例については既に説明したので、説明を省略する。
【0217】
次に、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果正常の場合(ステップS21:YES)、対象の顔認証が実行される(ステップS22)。例えば、認証制御手段12nは、認証を実行する認証装置60に対象物の顔画像(可視画像)を含む顔認証要求を送信することで、顔認証を実行する認証装置60に、対象の顔認証を実行させる。なお、認証結果(照合結果)は、入退管理システム70に通知される。
【0218】
一方、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果異常の場合(ステップS21:NO)、通知手段12pが、異常が検知された旨を通知する(ステップS23)。例えば、通知手段12pは、警備員又は監視員が視認するモニター等に異常が検知された旨が表示されるように通信部14を介して所定装置に異常が検知された旨を通知する。または、上記生体判定処理(ステップS20)の判定結果が生体検知結果異常の場合(ステップS21:NO)、以上が検知された旨を通知することなく、処理を終了してもよい。
【0219】
実施形態5によっても、実施形態3と同様の効果を奏することができる。 次に、実施形態5の変形例について説明する。
【0220】
上記実施形態5では、第2サーマルカメラ30Bを、サークルゲート80の空間82内に設置した例について説明したが、これに限らない。例えば、第2サーマルカメラ30Bを、サークルゲート80の空間82外に設置してもよい。第2サーマルカメラ30Bを、サークルゲート80の空間82外に設置しても、例えば、サークルゲート80を透明な壁等で形成することで、空間82外から空間82内の対象の温度を測定することができる。
【0221】
また、第2サーマルカメラ30Bを、サークルゲート80の空間82外に設置し、当該第2サーマルカメラ30Bの角度を調整することで、当該第2サーマルカメラ30Bにより、第1サーマルカメラ30Aと第2サーマルカメラ30Bの機能を1台のサーマルカメラで実現可能することができる。
【0222】
このようにサーマルカメラを1台にすることで、対象の顔の温度変化を取得しやすくなる。
【0223】
また、上記実施形態5では、サークルゲート80の空間82外の扉81近傍に設置された第1サーマルカメラ30Aによりサークルゲート80の空間82に入る対象を撮像し、サークルゲート80の空間82内に設置された第2サーマルカメラによりサークルゲート80の空間82に入った対象を撮像し、サークルゲート80の空間82外の扉81近傍に設置された第1サーマルカメラ30Aによりサークルゲート80の空間82に入る対象を撮像する例について説明したが、これに限らない。
【0224】
例えば、
図28に示すように、例えば、サークルゲート80の空間82外に第3サーマルカメラ30Cを設置し、サークルゲート80の空間82から出てきた対象を撮像かつ温度情報を記録し(
図26中のステップS18D、S18Fに相当する処理)サークルゲート80の空間82から出てきた対象の温度変化を考慮して生体検知を行ってもよい。
図28は、実施形態5にかかる生体検知システム1C(変形例)の構成を示すブロック図である。
【0225】
次に、実施形態2~5の変形例について説明する。
【0226】
上記実施形態2~4では、対象の顔(部位)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定する例について説明したが、これに限らない。例えば、対象の顔以外の手、首、脚(部位)の表面温度の温度変化に基づいて、対象が生体か否かを判定してもよい。
【0227】
また、実施形態2~4では、対象(部位)の表面温度を測定するため、サーマルカメラ30を用いた例について説明したが、これに限らない。対象(部位)の表面温度を測定できるのであれば、他の非接触型の温度測定手段を用いてもよいし、接触型の温度測定手段を用いてもよい。
【0228】
上記実施形態1、2において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0229】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0230】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によってこの開示は限定的に解釈されるものではない。この開示はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【0231】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0232】
(付記1)
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備えた情報処理装置。
【0233】
(付記2)
可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得手段と、
サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得手段と、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出手段と、をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する付記1に記載の情報処理装置。
【0234】
(付記3)
前記対象検出手段が検出した前記対象中の少なくとも1つの部位を検出する部位検出手段をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記部位の温度変化を測定し、
前記生体判定手段は、前記部位の温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する付記2に記載の情報処理装置。
【0235】
(付記4)
前記部位は、相対的に温度変化しやすい第1部位及び相対的に温度変化しにくい第2部位を含み、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記第1部位の温度変化及び前記第2部位の温度変化を測定し、
前記第1部位の温度変化と前記第2部位の温度変化とを比較する比較手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する付記3に記載の情報処理装置。
【0236】
(付記5)
前記対象の表面温度が変化前の元の表面温度に復帰したか否かを判定する温度復帰判定手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記温度復帰判定手段の判定結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する付記1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0237】
(付記6)
前記対象の表面温度の変化パターンと基準人物の表面温度の変化パターンとを比較する比較手段をさらに備え、
前記生体判定手段は、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する付記1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0238】
(付記7)
前記対象の表面温度を変化させる表面温度変化手段を制御する温度制御手段をさらに備える付記1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0239】
(付記8)
前記表面温度変化手段は、前記対象に対して所定温度の風を吹き付ける風吹付手段である付記7に記載の情報処理装置。
【0240】
(付記9)
前記所定温度を設定する温度設定手段をさらに備える付記8に記載の情報処理装置。
【0241】
(付記10)
前記風吹付手段が前記対象に対して前記風を吹き付ける前に、報知手段に、これから風を吹き付ける旨を報知させる報知制御手段をさらに備える付記8又は9に記載の情報処理装置。
【0242】
(付記11)
前記表面温度変化手段は、外部と隔離された空間に設置された室温調整装置である付記7に記載の情報処理装置。
【0243】
(付記12)
前記生体判定手段は、前記対象の表面温度の変化パターンと基準非人物の表面温度の変化パターンとの比較結果を考慮して、前記対象が生体か否かを判定する付記1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0244】
(付記13)
前記生体判定手段は、前記風吹付手段が前記対象に対して前記風を吹き付けた際の前記対象のリアクションを考慮して、前記対象が生体か否かを判定する付記8から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0245】
(付記14)
前記生体判定手段は、表面温度を変化させる前後の前記対象の表面状態を考慮して、前記対象が生体か否かを判定する付記1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0246】
(付記15)
前記生体判定手段は、前記対象の背景の温度変化を考慮して、前記対象が生体か否かを判定する付記1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0247】
(付記16)
前記対象温度変化測定手段が前記対象の表面温度の温度変化を測定する前に、報知手段に、前記対象に対して体温を変化させるための行為を促す旨を報知させる報知制御手段をさらに備える付記1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0248】
(付記17)
前記サーマルカメラは、第1サーマルカメラ及び第2サーマルカメラを含む付記2に記載の情報処理装置。
【0249】
(付記18)
顔認証を実行する認証装置に、前記対象の顔認証を実行させる認証制御手段をさらに備え、
前記認証制御手段は、前記生体判定手段が、前記対象が生体であると判定した後、前記認証装置に、前記対象の顔認証を実行させ、
前記生体判定手段が、前記対象が生体でないと判定した場合、その旨を通知する通知手段をさらに備える付記1から17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0250】
(付記19)
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定手段と、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定手段と、を備えた生体検知システム。
【0251】
(付記20)
可視光カメラと、
サーマルカメラと、
前記可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得手段と、
前記サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得手段と、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出手段と、をさらに備え、
前記対象温度変化測定手段は、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する付記19に記載の生体検知システム。
【0252】
(付記21)
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定ステップと、を備えた生体検知方法。
【0253】
(付記22)
可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得ステップと、
サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得ステップと、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出ステップと、をさらに備え、
前記対象温度変化測定ステップは、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する付記21に記載の生体検知方法。
【0254】
(付記23)
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
対象の表面温度の温度変化を測定する対象温度変化測定ステップと、
前記温度変化に基づいて、前記対象が生体か否かを判定する生体判定ステップと、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0255】
(付記24)
可視光カメラが撮像した前記対象を含む可視画像を取得する可視画像取得ステップと、
サーマルカメラが撮像した前記対象を含むサーマル画像を取得するサーマル画像取得ステップと、
前記可視画像中の前記対象を検出する対象検出ステップと、をさらに備え、
前記対象温度変化測定ステップは、前記サーマル画像に基づいて、前記検出された前記対象の温度変化を測定する付記23に記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0256】
1、1A、1B…生体検知システム
10…生体検知装置
11…記憶部
11a…プログラム記憶部
11b…温度情報記憶部
12…制御部
12a…可視画像取得手段
12b…対象検出手段
12c…部位検出手段
12d…サーマル画像取得手段
12e…温度記録手段
12f…温度制御手段
12g…温度設定手段
12h…対象温度変化測定手段
12i…比較手段
12j…温度復帰判定手段
12k…生体判定手段
12m…報知制御手段
12n…認証制御手段
12p…通知手段
13…メモリ
14…通信部
20…可視光カメラ
20A…第1可視光カメラ
20B…第2可視光カメラ
30…サーマルカメラ
30A…第1サーマルカメラ
30B…第2サーマルカメラ
40…風吹付手段
41…室温調整装置
50…報知手段
51…表示装置
52…音声出力装置
60…認証装置
70…入退管理システム
80…サークルゲート
81…扉
82…空間
A1…顔領域
I…可視画像
I1-I3…サーマル画像
Ob…対象
e1…耳
e2…額
t1a、t1b…表面温度