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特許7485100端末装置、ネットワーク装置及び通信の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】端末装置、ネットワーク装置及び通信の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20240509BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240509BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20240509BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20240509BHJP
   H04W 36/28 20090101ALI20240509BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20240509BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W72/0457 110
H04W16/32
H04W24/08
H04W36/28
H04W76/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022579903
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2020097821
(87)【国際公開番号】W WO2021258307
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】CATT,Failure Indication about SCG,3GPP TSG RAN WG2 #109_e R2-2000102,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_109_e/Docs/R2-2000102.zip>,2020年02月24日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Failure Recovery for CPC,3GPP TSG RAN WG2 #109_e R2-2000560,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_109_e/Docs/R2-2000560.zip>,2020年02月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
条件付きプライマリセカンダリセルグループ(SCG)セル(PSCell)変更(CPC)と条件付きPSCell追加(CPA)の少なくともいずれかを実行する手段と、
前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかにおける障害を検出する手段と、
前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかにおける前記障害に関するSCG障害情報メッセージをマスターノードに送信する手段と、を備え、
前記SCG障害情報メッセージは、
障害が発生したPSCellのアイデンティティと、
前のPSCellのアイデンティティと、
PSCellの接続が初期化されてから前記障害までの持続時間と、
記障害に関連付けられたランダムアクセス手順の第1情報要素と、
のうちの少なくとも1つを含み、
前記第1情報要素は、障害タイプを示す第2情報要素と異な
前記SCG障害情報メッセージは、前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかのために、前記マスターノードから候補セカンダリーノードまたはターゲットセカンダリーノードへ送信される、
端末装置。
【請求項2】
記障害のタイプは、同期に伴う再設定障害である、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
記障害のタイプは、アクセス試行に関する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記SCG障害情報メッセージは、前記第1情報要素及び前記第2情報要素を含む、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記障害が検出された場合にタイマを開始する手段をさらに備え、
前記SCG障害情報メッセージは、前記タイマが動作している際に前記マスターノードへ送信される、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
条件付きプライマリセカンダリセルグループ(SCG)セル(PSCell)変更(CPC)と条件付きPSCell追加(CPA)の少なくともいずれかにおける障害に関するSCG障害情報メッセージを端末装置から受信する手段と、
前記SCG障害情報メッセージを、前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかのために、候補セカンダリーノードまたはターゲットセカンダリーノードへ送信する手段と、を備え、
前記SCG障害情報メッセージは、
障害が発生したPSCellのアイデンティティと、
前のPSCellのアイデンティティと、
PSCellの接続が初期化されてから前記障害までの持続時間と、
記障害に関連付けられたランダムアクセス手順の第1情報要素と、
のうちの少なくとも1つを含み、
前記第1情報要素は、障害タイプを示す第2情報要素と異なる、
ネットワーク装置。
【請求項7】
記障害のタイプは、同期に伴う再設定障害である、
請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項8】
記障害のタイプは、アクセス試行に関する、
請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項9】
前記SCG障害情報メッセージは、前記第1情報要素及び前記第2情報要素を含む、
請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項10】
前記SCG障害情報メッセージは、前記端末装置により前記障害が検出された場合に開始されるタイマが動作している際に受信される、
請求項6に記載のネットワーク装置。
【請求項11】
端末装置により実行される通信の方法であって、前記方法は、
条件付きプライマリセカンダリセルグループ(SCG)セル(PSCell)変更(CPC)と条件付きPSCell追加(CPA)の少なくともいずれかを実行することと、
前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかにおける障害を検出することと、
前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかにおける前記障害に関するSCG障害情報メッセージをマスターノードに送信することと、を含み、
前記SCG障害情報メッセージは、
障害が発生したPSCellのアイデンティティと、
前のPSCellのアイデンティティと、
PSCellの接続が初期化されてから前記障害までの持続時間と、
記障害に関連付けられたランダムアクセス手順の第1情報要素と、
のうちの少なくとも1つを含み、
前記第1情報要素は、障害タイプを示す第2情報要素と異な
前記SCG障害情報メッセージは、前記CPCと前記CPAの前記少なくともいずれかのために、前記マスターノードから候補セカンダリーノードまたはターゲットセカンダリーノードへ送信される、
通信の方法。
【請求項12】
記障害のタイプは、同期に伴う再設定障害である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
記障害のタイプは、アクセス試行に関する、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記SCG障害情報メッセージは、前記第1情報要素及び前記第2情報要素を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記障害が検出された場合にタイマを開始することをさらに含み、
前記SCG障害情報メッセージは、前記タイマが動作している際に前記マスターノードへ送信される、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電気通信の分野に関し、特に、セカンダリセルグループ(SCG)障害(失敗(failure))情報を報告する際の通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、端末装置は、SCGの無線リンク障害(失敗(failure))、SCGの同期に伴う再設定障害、SCG設定障害、又はSCG下位層からの整合性チェック障害の指示等のSCG障害を検出すると、障害タイプ、測定結果及び端末装置の位置を含むSCG障害に関する情報を、マスターセルグループ(MCG)に報告する。
【0003】
現在、SCGのプライマリセル(PScellとも呼ばれる)については、条件付きPScell変更(CPC)と条件付きPScell追加(CPA)が提案されている。CPCは実行条件が成立したときのみ実行されるPScell変更手順であり、CPAは実行条件が成立したときのみ実行されるPScell追加手順である。一方、新無線(NR)における自己組織化ネットワーク(SON:self-organizing network)やドライブテスト最小化(MDT:minimization of drive testing)のためのデータ収集について強化の必要が提案されている。この場合、上記のSCG障害報告メカニズムは、例えばCPCやCPAの場合のSCG障害情報の報告には不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の実施形態は、SCG障害情報を報告する際の通信の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、端末装置において、第1ネットワーク装置の第1セルへの第1アクセス試行の第1障害が発生したか否かを決定することであって、前記第1ネットワーク装置が、前記端末装置にサービスを提供するセカンダリノードであり、第2ネットワーク装置が、前記端末装置にサービスを提供するマスターノードであることと、第1障害が発生したとの決定に従って、前記第1障害に関する第1情報を、前記第1ネットワーク装置又は前記第2ネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、第2ネットワーク装置において、第1ネットワーク装置の第1セルへの第1アクセス試行の第1障害に関する第1情報を、端末装置から受信することを含む。前記第1ネットワーク装置は、前記端末装置にサービスを提供するセカンダリノードであり、前記第2ネットワーク装置は、前記端末装置にサービスを提供するマスターノードである。
【0007】
第3の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、第1ネットワーク装置において、前記第1ネットワーク装置の第1セルへの第1アクセス試行の第1障害に関する第1情報を、端末装置から受信することを含む。前記第1ネットワーク装置は、前記端末装置にサービスを提供するセカンダリノードである。
【0008】
第4の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行された場合、前記端末装置に本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0009】
第5の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行された場合、前記ネットワーク装置に本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行された場合、前記ネットワーク装置に本開示の第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
第7の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第8の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
第9の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0014】
本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになるはずである。
【0016】
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信シナリオを示す。
【0017】
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SCG障害情報を報告する際の通信プロセスを示す模式図を示す。
【0018】
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法を示す。
【0019】
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0020】
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0021】
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第2ネットワーク装置で実施される例示的な通信方法を示す。
【0022】
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク装置で実施される別の例示的な通信方法を示す。
【0023】
図8】本開示の実施形態を実施するのに好適な装置の概略ブロック図である。
【0024】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の原理について、いくつかの実施形態を参照しながら説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明されるもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。本明細書で説明する本開示は、以下で説明するもの以外にも様々な方法で実施することができる。
【0026】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0027】
本明細書において、「端末装置」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意の装置を指す。端末装置の例としては、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoT(internet of things)デバイス、IoE(internet of everything)デバイス、マシンタイプ通信(MTC)機器、V2X通信用の車両搭載機器(ここでXは歩行者、車両又はインフラ/ネットワークを意味する)、デジタルカメラ等の撮像装置、ゲーム機器、音楽保存・再生装置、無線/有線でのインターネットアクセス及び閲覧を可能にするインターネット装置等が挙げられるが、それらに限定されない。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者設備、移動端末、ユーザ端末又は無線装置と互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信できるセル又はカバレッジを提供又はホストすることが可能な装置を指す。ネットワーク装置の例としては、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノード等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
一実施形態において、端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置と接続されてもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の一方はマスターノードで、他方はセカンダリーノードであってもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なるRATを使用してもよい。一実施形態では、第1ネットワーク装置は第1RAT装置であってもよく、第2ネットワーク装置は第2RAT装置であってもよい。一実施形態では、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1情報が第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、第2情報が第2ネットワーク装置から端末装置に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。一実施形態において、第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の再設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から端末装置に、直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。
【0029】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈で別途明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味する開放式の用語として解釈される。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と解釈される。「一実施形態」及び「1つの実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈される。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈される。「第1」、「第2」等の用語は、異なる対象又は同じ対象を指してもよい。以下の内容には、明示的及び暗黙的な他の定義が含まれることがある。
【0030】
いくつかの例において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解される点として、こうした説明は、使用される複数の機能的代替の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0031】
上述したように、NRにおけるSONとMDTのためのデータ収集について強化の必要が提案されている。SONの機能には、カバレッジとキャパシティの最適化(CCO:Coverage and Capacity Optimization)、システム間の無線アクセス技術(inter-system inter-radio access technology(RAT))の省エネ、2ステップランダムアクセスチャネル(RACH)の最適化、モビリティ強化の最適化、物理セル識別子(PCI)の選択、エネルギー効率(運用管理・保守(OAM)要件)、ハンドオーバー成功報告、EUTRA-NRデュアル接続(EN-DC)におけるUEの履歴情報が含まれる。したがって、ネットワーク設定を強化するためには、端末装置からの報告を規定する必要がある。
【0032】
現在、SCG障害を検出した場合、端末装置はSCG障害に関する情報をMCGに報告することになっている。この情報には、障害の種類、測定結果及び端末装置の位置のみが含まれる。こうした報告メカニズムでは、SCGの追加や変更に関連するより詳細な障害情報、例えばランダムアクセス情報が報告されないため、将来の3GPP(登録商標)システムのリリースには不十分である。さらに、複数のCPAやCPCの実行をどのように制御するか、複数のCPAやCPCの実行の障害情報をどのように格納するかも検討すべきである。
【0033】
上記に鑑み、本開示の実施形態は、上記及び他の課題を解決するために、SCG障害情報を報告する解決手段を提供する。本解決手段により、SCG障害情報の報告の強化を図ることができる。本開示の原理及び実施について、図面を参照しながら以下で詳細に説明する。
【0034】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信シナリオ100の模式図を示す。図1に示すように、通信シナリオ100は、端末装置110、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130を含んでもよい。端末装置110は、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130とのデュアル接続(すなわち、同時接続)を確立することができる。本願の文脈において、第1ネットワーク装置120は、端末装置110にサービスを提供するセカンダリノード(SN)として機能し、第2ネットワーク装置130は、端末装置110にサービスを提供するマスターノード(MN)として機能する。
【0035】
第1ネットワーク装置120は端末装置110と無線通信チャネル等のチャネルを介して通信してもよい。同様に、第2ネットワーク装置130は端末装置110と無線通信チャネル等のチャネルを介して通信してもよい。第1ネットワーク装置120は、Xn-C又はX2-Cのようなコントロールプレーンインタフェースを介して第2ネットワーク装置130と通信してもよい。
【0036】
図1における装置の数は、説明を目的として示されたものであり、本開示に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。通信シナリオ100は、本開示の実装を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置に関わるものであってもよい。
【0037】
通信シナリオ100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC)等を含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例には、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)、第6世代(6G)、さらにその先の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
図1に示すように、第1ネットワーク装置120は、SCGを形成するセル121、122、123を有してもよく、第2ネットワーク装置130は、MCGを形成するセル131、132、133を有してもよい。SCGのセルとMCGのセルの数は3つに限定されず、これより多くても少なくても構わない点に留意されたい。SCGのセルの少なくとも一部と、MCGのセルの少なくとも一部を、端末装置110に対し設定することができる。便宜上、端末装置110には、SCGのセル121、122、123と、MCGのセル131、132、133が設定されていると仮定する。セル121はSCGのプライマリセル(PScellとも呼ばれる)であり、セル131はMCGのプライマリセル(Pcellとも呼ばれる)である。
【0039】
CPA及びCPCについて、第2ネットワーク装置130は、CPA及びCPCの設定を端末装置110に提供してもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、端末装置110に1つ又は複数のPScell候補を設定し、また、端末装置110にアクセス条件を設定してもよい。CPAの場合、候補は、あるネットワーク装置の1つ又は複数のセルであってもよく、又は、1つ又は複数のネットワーク装置の1つ又は複数のセルであってもよい。CPCの場合、候補は、現在のPScellを除くSCG内の任意の他のセルであってもよい。説明のために、第2ネットワーク装置130がセル121、122、123をPScellの候補として設定したと仮定する。
【0040】
操作中、端末装置110は、セル121、122、123のうち、どのセルがアクセス条件を満たすかを決定し、決定したものにアクセスしてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、第1ネットワーク装置120との接続を初めて確立してもよく、これはCPAと呼ばれる。いくつかの実施形態において、端末装置110は、あるセルから第1ネットワーク装置120の別のセルに初めて切り替えてもよく、これはCPCと呼ばれる。CPA又はCPCでは複数の障害が発生する場合がある。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置120のセルとの接続障害(SCG障害とも呼ばれる)が発生すると、端末装置110は、CPA又はCPCの手順をトリガしてもよい。
【0041】
本願の実施形態によれば、1つ又は複数のSCG障害に関する情報を、第2ネットワーク装置130又は第1ネットワーク装置120に報告することができる。この情報は少なくとも、各障害に関連付けられたランダムアクセス手順に関する情報を含んでもよい。こうすることで、SCG障害に関しより詳細な情報をネットワークに報告することができ、データ収集を強化することができる。さらなる詳細について、図2を参照しながら説明する。
【0042】
図2は、本開示の実施形態にかかる、SCG障害情報を報告する際の通信プロセス200を示す模式図を示す。議論を目的として、図1を参照してプロセス200について説明する。プロセス200は、図1に示す端末装置110、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130に関わってもよい。
【0043】
本実施形態では、端末装置110は、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130とデュアル接続されており、現在のPScellはセル121である。第2ネットワーク装置130は、端末装置110に対して、セル122、123をPScellの候補として設定し、アクセス条件を設定する。説明のために、端末装置110の移動に伴い、端末装置110とセル122と間で接続障害が生じたと仮定する。この場合、以下のPScell変更手順が開始される。以下の手順は、PScell変更の場合に関連して説明されるが、PScell追加にも適用可能である。
【0044】
図2に示すように、端末装置110は、第1セル(例えば、セル122)との接続の第1障害が発生したか否かを決定してもよい(201)。いくつかの実施形態において、端末装置110とセル122が無線リンク障害、同期に伴う再設定障害等により互いに切断されると、端末装置110は、第1障害が発生したと決定してしてもよい。例えば、同期に伴う再設定障害では、第1セルがアクセス条件を満たすと、端末装置110は、第1セルへの第1アクセス試行を実行する。第1アクセス試行が失敗すると、端末装置110は、第1障害が発生したと決定してもよい。
【0045】
第1障害が発生したと決定した場合、端末装置110は少なくとも、第1障害に関する情報(便宜上、本明細書では第1情報とも呼ばれる)をSCG障害情報報告として第2ネットワーク装置130へ送信してもよい(203)。明確にすべき点として、端末装置110は、全ての障害に関する情報(この例では、第1情報)をSCG障害情報報告として送信してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1情報は、
第1障害のタイプ、
第1ネットワーク装置によって設定された第1測定の第1測定結果、
第2ネットワーク装置によって設定された第2測定の第2測定結果、
端末装置の位置、
障害が発生したセル(すなわち、第1セル)のアイデンティティ(アイデンティティ情報、身元確認情報)、
第1ネットワーク装置の前のプライマリセルのアイデンティティ、
第1ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられた識別子、
前のプライマリセルの接続が初期化されてから、第1障害までの持続時間、
第1障害からの持続時間、及び
第1障害に関連付けられたランダムアクセス手順の情報、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0047】
このように、ネットワーク側での障害原因の特定を支援するために、例えばランダムアクセス情報のような、より詳細なSCG障害情報を提供することができる。本開示の実施形態によれば、このような情報は候補の障害イベントごとに生成することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、無線リソース制御(RRC)メッセージ、例えば、SCG障害情報(SCGFailureInformation)/SCGFailureInformationNR(EN-DC,NG EN-DC)/SCGFailureInformationEUTRA(NE-DC)メッセージによって第1情報を送信してよい。既に存在する、又は将来開発される他のRRCメッセージも使用可能であり、本願はこれについて限定しないことに留意されたい。
【0049】
第1情報を受信すると、例えば、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120の設定を調整してもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120の設定を解除(release)してもよい。いくつかの代替的な実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120の設定を変更してもよい。いくつかの代替又は追加の実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120に第1情報を送信してもよい(204)。第1情報により、例えば、第1ネットワーク装置120は、PScellのための設定を調整してもよい。第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130による第1情報の使用は、上記に挙げた例に限定されるものではなく、他の使用も可能であることに留意されたい。
【0050】
いくつかの代替的な実施形態において、第1障害が発生した場合、端末装置110は、SCG障害情報レポートを第2ネットワーク装置130に送信せずに、他の候補への別のアクセス試行を実行してもよい。いくつかの代替的な実施形態において、端末装置110は、第1障害が発生すると、タイマを開始してもよい(205)。いくつかの実施形態において、タイマの値は、CPA及びCPCの設定と共に、第2ネットワーク装置130によって端末装置110に設定されてもよい。タイマの値は他の適切な方法でも提供できることに留意されたい。
【0051】
タイマの設定により、CPA及びCPCの障害後のある持続時間で、端末装置110が他の候補PScellの評価を継続できるようにしてもよい。こうすることで、CPAとCPCの実行の再試行のための条件を緩和することができる。
【0052】
第1障害が発生し、タイマが動作している場合、端末装置110は、他の候補(本明細書では第2セルとも呼ばれ、例えば、セル123)がアクセス条件を満たすかどうかを決定してもよい(206)。セル123がアクセス条件を満たす場合、端末装置110は、セル123へのアクセス試行(便宜上、本明細書では第2アクセス試行とも呼ばれる)を実行してもよい(207)。いくつかの実施形態において、セルへのアクセス試行が開始されるたびに別のタイマが開始されてもよい。このようにして、ランダムアクセスの手順を制御することができる。第2アクセス試行が成功した場合、端末装置110は、セル121からセル123に切り替えてもよい。さらに端末装置110は、第1障害に関する第1情報をSCG障害情報報告として送信してもよい(208)。
【0053】
第2アクセス試行が失敗し(便宜上、第2障害とも呼ばれる)、タイマが満了した場合、端末装置110は、第1情報と、第2障害に関する第2情報とを第2ネットワーク装置130に送信してもよい。言い換えれば、端末装置110は、全ての障害に関する情報(この例では、第1情報及び第2情報)をSCG障害情報報告として送信してもよい。第2障害に対しても、第1情報と類似の方法で第2情報を生成してもよい。例えば、第2情報は、
第2障害のタイプ、
第1ネットワーク装置によって設定された第1測定の第1測定結果、
第2ネットワーク装置によって設定された第2測定の第2測定結果、
端末装置の位置、
障害が発生したセル(すなわち、第2セル)のアイデンティティ、
第1ネットワーク装置の前のプライマリセルのアイデンティティ、
第1ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられた識別子、
前のプライマリセルの接続が初期化されてから、第2障害までの持続時間、
第2障害からの持続時間、及び
第2障害に関連付けられたランダムアクセス手順の情報、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0054】
第2障害が発生し、タイマが動作している場合、端末装置110は、206~208に関連して説明したステップを繰り返し、他の候補の評価を継続してもよい。アクセス条件を満たす第2セルが存在しない場合、端末装置110は、SCG障害情報を報告してもよい。
【0055】
いくつかの代替的な実施形態において、第1障害が発生すると、第2セルがアクセス条件を満たすか否かを決定する。
【0056】
第2セルがアクセス条件を満たすとの決定に従って、第2セルへの第2アクセス試行を実行する。
【0057】
第2アクセス試行の第2障害と、第1ネットワーク装置の全ての候補セルに対してアクセス試行が実行されたと決定したこととに従って、第2ネットワーク装置に、第1情報と、第2障害に関する第2情報とを少なくとも送信する。
【0058】
第2アクセス試行が成功したことに従って、少なくとも第1情報を第1ネットワーク装置又は第2ネットワーク装置に送信する。
【0059】
PScellの変更又は追加手順について、1つ又は複数の候補PScellの1つ又は複数の障害が報告されてもよい。この場合、端末装置110は、1つ又は複数の障害に関するSCG障害情報(例えば、第1情報、第2情報等)をストレージに格納してもよい(209)。ストレージは、任意の適切な形態であってもよい。いくつかの実施形態において、端末装置は障害が発生するごとに、その障害に関する全ての情報を格納してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置は障害が発生するごとに、その障害に関する情報の一部を格納してもよい。情報の内容は、第1情報又は第2情報と類似するため、その詳細はここでは省略する。
【0060】
SCG障害情報が格納されるいくつかの実施形態において、端末装置110は、SCG障害情報の利用可能性の指示を第2ネットワーク装置130に送信してもよい(210)。こうすることで、ネットワーク側は必要な場合にSCG障害情報を要求することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120に当該指示を送信してもよい(211)。当該指示に基づいて、第1ネットワーク装置120は、必要に応じて、SCG障害情報の取得についての要求を送信してもよい(212)。第2ネットワーク装置130は、SCG障害情報の取得についての要求を端末装置110に送信してもよい(213)。端末装置110は、要求に対する応答として、SCG障害情報を第2ネットワーク装置130に送信してもよい(214)。これに応じて、第2ネットワーク装置130は、SCG障害情報を第1ネットワーク装置120に送信してもよい(215)。
【0062】
例えば、CPA/CPCが最終的に失敗すると、端末装置110は、RRCメッセージ(便宜上、第1メッセージとも呼ばれる)によってSCG障害情報を送信してもよい。例えば、第1メッセージはSCG障害情報(SCGFailureInformation)メッセージであってもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、第2ネットワーク装置130に、SCG障害情報の利用可能性の指示を有するSCGfailureinformationメッセージを送信してもよい。第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120に当該指示を送信してもよい。第1ネットワーク装置120は、必要に応じて、第2ネットワーク装置130に対して、SCG障害情報についての要求とともにフィードバックを行ってもよい。第2ネットワーク装置130は、SCGfailureInfoRequest指示を有するUEInformationRequestメッセージを送信することによって、このSCG障害情報を要求してもよい。端末装置110は、1つ又は複数のSCG障害に対応するSCG障害情報からなるUEInfomationResponseメッセージで第2ネットワーク装置130に応答してもよい。そして、第2ネットワーク装置130は、SCG障害情報を第1ネットワーク装置120に送信してもよい。
【0063】
別の例として、1つ又は複数の障害の後にCPA又はCPCの手順が最終的に成功すると、端末装置110は、RRCメッセージ(便宜上、第2メッセージとも呼ばれる)によりSCG障害情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、第2メッセージと第1メッセージは、同じメッセージであってもよい。いくつかの実施形態では、第2メッセージは、第1メッセージと異なっていてもよい。例えば、第2メッセージは、ULInformationTransferMRDCメッセージであってもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、第2ネットワーク装置130に、SCG障害情報の利用可能性の指示を有するULInformationTransferMRDCメッセージを送信してもよい。第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120に当該指示を送信してもよい。第1ネットワーク装置120は、必要に応じて、第2ネットワーク装置130に対して、SCG障害情報についての要求とともにフィードバックを行ってもよい。第2ネットワーク装置130は、SCGfailureInfoRequest指示を有するUEInformationRequestメッセージを送信することによって、このSCG障害情報を要求してもよい。端末装置110は、1つ又は複数のSCG障害に対応するSCG障害情報からなるUEInfomationResponseメッセージで第2ネットワーク装置130に応答してもよい。そして、第2ネットワーク装置130は、SCG障害情報を第1ネットワーク装置120に送信してもよい。上記のメッセージは単なる例示であり、本開示はメッセージの形式について何らかの限定を加えるものではないことに留意されたい。
【0064】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置110は、第1ネットワーク装置120に当該指示を送信してもよい(216)。当該指示に基づいて、第1ネットワーク装置120は、SCG障害情報の取得についての要求を端末装置110に送信してもよい(217)。端末装置110は、要求に応答して、信号無線ベアラ3(SRB3)によりSCG障害情報を第1ネットワーク装置に送信してもよい(218)。
【0065】
1つの例として、1つ又は複数の障害の後にCPA又はCPCの手順が最終的に成功すると、端末装置110は、SRB3によりRRCメッセージ(便宜上、第3メッセージとも呼ばれる)によってSCG障害情報を第1ネットワーク装置120送信してもよい。例えば、RRCメッセージは、RRCReconfigurationCompleteメッセージであってもよい。
【0066】
別の例として、端末装置110は、SCG障害情報の利用可能性の指示を含む、SRB3によるRRCReconfigurationCompleteメッセージを第1ネットワーク装置120に送信してもよい。第1ネットワーク装置120は、SRB3による、SCGfilureInfoRequest指示付きUEInformationRequestメッセージ(このメッセージは現在SRB1のみをサポートしているが、SRB3をサポートするように強化されるべきである)によって端末装置110にSCG障害情報を要求してもよく、端末装置110は、SRB3による、SCG障害情報からなるUEInformationResponseメッセージ(このメッセージは現在SRB1のみをサポートしているが、SRB3をサポートするように強化されるべきである)を第1ネットワーク装置120に送信してもよい。上記のメッセージは単なる例示であり、本開示はメッセージの形式について何らかの限定を加えるものではないことに留意されたい。
【0067】
SCG障害発生時、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130は、SCG障害情報を直ちに取得しなくてもよい。この場合、SCG障害情報が管理されなければならない。SCG障害情報の利用可能性の指示が第2ネットワーク装置130に送信されるいくつかの実施形態において、端末装置110がRRC再確立手順、RRC再開手順及びハンドオーバー手順のうちの1つによって第3ネットワーク装置と接続されている場合、端末装置110は、当該指示を第3ネットワーク装置に送信してよい。いくつかの実施形態において、第3ネットワーク装置は、第2ネットワーク装置130であってもよい。いくつかの実施形態において、第3ネットワーク装置は、第2ネットワーク装置130とは異なるネットワーク装置であってよい。
【0068】
端末装置110は、SCG障害情報取得の要求を受信したことに応じて、SCG障害情報を第3ネットワーク装置に送信してもよい。SCG障害情報を第3ネットワーク装置に送信すると、端末装置110は、SCG障害情報を削除してもよい。
【0069】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置110は、SCG障害情報が格納されてきた第1持続時間を決定してもよい。第1持続時間が閾値持続時間を超えた場合、端末装置110は、ストレージから第1情報を削除してもよい。
【0070】
障害(例えば、第1障害)が発生するいくつかの実施形態において、端末装置110は、第1情報を含むストレージの容量が所定の容量よりも小さいか否かを決定してもよい。ストレージの容量が所定の容量より小さい場合、端末装置110は第1情報を格納してもよい。ストレージの容量が所定の容量以上である場合、端末装置110は、第1情報を格納するために、第1情報よりも第2持続時間早く格納されたストレージ内の第3情報を削除してもよい。例えば、ストレージの容量が所定の容量以上である場合、端末装置110は、最新のSCG障害情報を格納するために、最も古いSCG障害情報を削除してもよい。あるいは、端末装置110は、最新の情報の格納を停止してもよい。
【0071】
図2に示す動作は、本開示の実施形態を実施するために必ずしも必要ではなく、必要に応じて、より多くの動作又はより少ない動作を適応させてもよい。図2で説明したプロセスに対応して、本開示の実施形態は、端末装置、SNである第1ネットワーク装置、及びMNである第2ネットワーク装置において実施される通信方法を提供する。これらの方法について、図3図8を参照しながら以下で説明する。
【0072】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法300を示す。例えば方法300は、図1に示すような端末装置110で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1を参照して方法300について説明する。方法300は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0073】
図3に示すように、ブロック310において端末装置110は、第1セル(例えば、図1のセル122)との接続の第1障害が発生したか否かを決定する。いくつかの実施形態において、端末装置110とセル122が無線リンク障害、同期に伴う再設定障害等により互いに切断されると、端末装置110は第1障害が発生したと決定してしてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、第1セルがアクセス条件を満たしたときに第1セルへの第1アクセス試行を実行するが、第1アクセス試行が失敗すると、端末装置110は第1障害が発生したと決定してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、ランダムアクセス手順を実行することによって、第1セルへのアクセスを試行してもよい。例えば、ランダムアクセス手順は、2ステップランダムアクセスチャネル(RACH)手順であってもよい。当然ながら、4ステップのRACH手順も実施可能である。別の例として、ランダムアクセス手順は、競合ベース(contention based)のランダムアクセス手順であってもよい。あるいは、ランダムアクセス手順は、競合ベースではないランダムアクセス手順であってもよい。本開示は、ランダムアクセス手順について何らかの限定を加えるものではない。
【0075】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、第2ネットワーク装置130からCPA及びCPCの設定を予め受信してもよい。CPA及びCPCの設定は、PScellの候補とアクセス条件を含んでもよい。本開示は、PScellの候補やアクセス条件について何らかの限定を加えるものではない。
【0076】
ブロック310で第1障害が発生したと決定すると、ブロック320において、端末装置110は少なくとも、第1障害に関する第1情報を第1ネットワーク装置120又は第2ネットワーク装置130に送信する。SCGの変更手順又は追加手順について第1障害の前に1つ又は複数の障害が発生するいくつかの実施形態において、端末装置110は、第1情報と、1つ又は複数の障害に関する追加情報とを送信してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、第1情報は、
第1障害のタイプ、
第1ネットワーク装置によって設定された第1測定の第1測定結果、
第2ネットワーク装置によって設定された第2測定の第2測定結果、
端末装置の位置、
障害が発生したセル(すなわち、第1セル)のアイデンティティ、
第1ネットワーク装置の前のプライマリセルのアイデンティティ、
第1ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられた識別子、
前のプライマリセルの接続が初期化されてから、第1障害までの持続時間、
第1障害からの持続時間、及び
第1障害に関連付けられたランダムアクセス手順の情報、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0078】
このように、ネットワーク側でのSCG障害原因の特定を支援するために、例えばランダムアクセス情報のような、より詳細なSCG障害情報を提供することができる。本開示の実施形態によれば、このような情報は候補の障害イベントごとに生成することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、第1障害が発生した際に、端末装置110は、他の候補がアクセス可能かどうかの評価を継続してもよい。これについては、図4に関連して詳細に説明する。
【0080】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法400を示す。例えば方法400は、図1に示すような端末装置110で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1を参照して方法400について説明する。方法400は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0081】
図4に示すように、ブロック401において、端末装置110は、第1障害が発生することに応じてタイマを開始してもよい。いくつかの実施形態において、タイマの値は、CPA及びCPCの設定と共に、第2ネットワーク装置130によって端末装置110に設定されてもよい。当然ながら、タイマの値は任意の他の適切な方法で決定されてもよい。タイマをセットすることにより、他の候補の評価を継続するように端末装置110を制御することができる。
【0082】
ブロック403において、端末装置110は、タイマが動作中であるか否かを決定してもよい。ブロック403でタイマが動作していると決定した場合、プロセスはブロック404に進み、第2セルがアクセス可能かどうかを決定してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、端末装置110は、第2セル(例えば、図1のセル123)がアクセス条件を満たすか否かを決定してもよい。第2セルはPScellの別の候補である。ブロック404において第2セルがアクセス条件を満たすと決定した場合、端末装置110は、ブロック405において第2セルへの第2アクセス試行を実行してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ランダムアクセス手順を実行することによって、第2セルへのアクセスを試行してもよい。いくつかの実施形態において、セルへのアクセス試行が開始されるたびに別のタイマが開始されてもよい。このようにして、ランダムアクセスの手順を制御することができる。本開示は、ランダムアクセス手順について何らかの限定を加えるものではない。
【0084】
ブロック406において、端末装置110は、第2アクセス試行が成功したかどうかを決定してもよい。第2アクセス試行が成功したと決定すると、ブロック407において、端末装置110は少なくとも、第1障害に関する第1情報を第1ネットワーク装置120又は第2ネットワーク装置130に送信してもよい。
【0085】
ブロック403でタイマの期限が満了したと決定した場合、プロセスはブロック407に進む。CPA又はCPCの手順について第1障害の後に1つ又は複数の障害が発生するいくつかの実施形態では、端末装置はブロック407において、第1障害に関する第1情報と、1つ又は複数の障害に関する追加情報とを送信してもよい。
【0086】
ブロック404で、第2セルがアクセス条件を満たさないと決定した場合、プロセスはブロック403に進み、別の候補を評価する操作を繰り返してもよい。ブロック406で第2アクセス試行が失敗したと決定した場合、プロセスはブロック403に戻り、別の候補を評価する操作を繰り返してもよい。
【0087】
以下、図5を参照しながら、障害情報の送信について説明する。図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される別の例示的な通信方法500を示す。例えば方法500は、図1に示すような端末装置110で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1を参照して方法500について説明する。方法500は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0088】
図5に示すように、ブロック510において、端末装置110は少なくとも、第1障害に関する第1情報を格納してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置110は、ストレージに第1情報を格納してもよく、また、存在する場合、CPA又はCPCの手順について第1障害後に発生した1つ又は複数の障害に関する追加情報を格納してもよい。
【0089】
ブロック520において、端末装置110は、少なくとも第1情報の利用可能性の指示を、第1ネットワーク装置120又は第2ネットワーク装置130に送信してもよい。こうすることで、端末装置110は、端末装置110からSCG障害情報が入手可能であることをネットワーク側に通知してもよい。
【0090】
ブロック530において、端末装置110は、少なくとも第1情報の取得についての要求を、第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130のうちの1つから受信してもよい。ブロック540において、端末装置110は、少なくとも第1情報を第1ネットワーク装置120及び第2ネットワーク装置130のうちの1つに送信してもよい。このように、ネットワーク側は必要な時にSCG障害情報を取得することができる。
【0091】
SCG障害情報の利用可能性の指示が第2ネットワーク装置130に送信されるいくつかの実施形態において、端末装置110がRRC再確立手順、RRC再開手順及びハンドオーバー手順のうちの1つによって第3ネットワーク装置と接続されている場合、端末装置110は、当該指示を第3ネットワーク装置に送信してよい。いくつかの実施形態において、第3ネットワーク装置は、第2ネットワーク装置130であってもよい。いくつかの実施形態において、第3ネットワーク装置は、第2ネットワーク装置130とは異なるネットワーク装置であってよい。これらの実施形態において端末装置110は、SCG障害情報の取得についての要求を受信したことに応じて、SCG障害情報を第3ネットワーク装置に送信してもよい。SCG障害情報を第3ネットワーク装置に送信すると、端末装置110は、SCG障害情報を削除してもよい。このようにして、SCG障害情報を管理することができる。
【0092】
いくつかの代替的な実施形態において、端末装置110は、SCG障害情報が格納されてきた第1持続時間を決定してもよい。第1持続時間が閾値持続時間を超えた場合、端末装置110は、ストレージから第1情報を削除してもよい。このようにして、SCG障害情報を管理することもできる。
【0093】
障害(例えば、第1障害)が発生するいくつかの実施形態において、端末装置110は、第1障害に関する第1情報を含むストレージの容量が所定の容量よりも小さいか否かを決定してもよい。ストレージの容量が所定の容量より小さい場合、端末装置110は、第1情報を格納してもよい。ストレージの容量が所定の容量以上である場合、端末装置110は、第1情報を格納するために、第1情報よりも第2持続時間早く格納されたストレージ内の第3情報を削除してもよい。例えば、ストレージの容量が所定の容量以上である場合、端末装置110は、最新のSCG障害情報を格納するために、最も古いSCG障害情報を削除してもよい。あるいは、端末装置110は、最新の情報の格納を停止してもよい。
【0094】
これまで、端末装置で実施される通信方法について説明してきた。図3図5で説明された方法の実施形態は、図2に関連して説明されたプロセスに実質的に対応するため、その他の詳細はここでは繰り返さない。本開示の実施形態にかかる方法300~500により、CPA及びCPCの場合のSCG障害情報の報告を強化することができる。本願の実施形態は、対応してネットワーク装置(SNとMN)で実施される通信方法も提供する。これについて、図6図7を参照しながら以下で説明する。
【0095】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第2ネットワーク装置(すなわちMN)で実施される例示的な通信方法600を示す。例えば方法600は、図1に示すような第2ネットワーク装置130で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1の第2ネットワーク装置130を参照して方法600について説明する。方法600は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0096】
図6に示すように、ブロック610において、第2ネットワーク装置130は少なくとも、第1ネットワーク装置120の第1セルへの第1アクセス試行の第1障害に関する第1情報を、端末装置110から受信する。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1情報を受信してもよく、また、存在する場合、CPA又はCPCの手順について第1障害の前に発生した1つ又は複数の障害に関する追加情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、少なくとも第1情報の取得についての要求を端末装置110に送信し、少なくとも第1情報を端末装置110から受信してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、少なくとも第1情報を第1ネットワーク装置120に送信してもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1情報と、存在する場合は追加情報とを、第1ネットワーク装置120に送信してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置130は、少なくとも第1情報の利用可能性に関する指示を受信してもよい。いくつかの追加の実施形態において、第2ネットワーク装置130は、第1ネットワーク装置120に当該指示を送信し、少なくとも第1情報の取得についての要求を、第1ネットワーク装置120から受信してもよい。そして第2ネットワーク装置130は、端末装置110に要求を送信し、少なくとも第1情報を端末装置110から受信してもよい。結果として、第2ネットワーク装置130は、少なくとも第1情報を第1ネットワーク装置120に送信してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1情報は、
第1障害のタイプ、
第1ネットワーク装置によって設定された第1測定の第1測定結果、
第2ネットワーク装置によって設定された第2測定の第2測定結果、
端末装置の位置、
障害が発生したセル(すなわち、第1セル)のアイデンティティ、
第1ネットワーク装置の前のプライマリセルのアイデンティティ、
第1ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられた識別子、
前のプライマリセルの接続が初期化されてから、第1障害までの持続時間、
第1障害からの持続時間、及び
【0100】
第1障害に関連付けられたランダムアクセス手順の情報、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0101】
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1ネットワーク装置(すなわちSN)で実施される例示的な通信方法700を示す。例えば方法700は、図1に示すような第1ネットワーク装置120で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1の第1ネットワーク装置120を参照して方法700について説明する。方法700は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0102】
図7に示すように、ブロック710において、第1ネットワーク装置120は少なくとも、第1ネットワーク装置120の第1セルへの第1アクセス試行の第1障害に関する第1情報を、端末装置110から受信する。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置120は、第1情報を受信してもよく、また、存在する場合、CPA又はCPCの手順について第1障害の前に発生した1つ又は複数の障害に関する追加情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置120は、少なくとも第1情報の利用可能性に関する指示を、端末装置110から受信してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置120は、少なくとも第1情報の取得についての要求を端末装置110に送信し、少なくとも第1情報を端末装置110から受信してもよい。
【0103】
いくつかの代替的な実施形態において、第1ネットワーク装置120は、少なくとも第1情報の利用可能性に関する指示を、第2ネットワーク装置130から受信してもよい。いくつかの追加の実施形態において、第1ネットワーク装置120は、少なくとも第1情報の取得についての要求を第2ネットワーク装置130に送信し、少なくとも第1情報を第2ネットワーク装置130から受信してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、第1情報は、
第1障害のタイプ、
第1ネットワーク装置によって設定された第1測定の第1測定結果、
第2ネットワーク装置によって設定された第2測定の第2測定結果、
端末装置の位置、
障害が発生したセル(すなわち、第1セル)のアイデンティティ、
第1ネットワーク装置の前のプライマリセルのアイデンティティ、
第1ネットワーク装置によって端末装置に割り当てられた識別子、
前のプライマリセルの接続が初期化されてから、第1障害までの持続時間、
第1障害からの持続時間、及び
第1障害に関連付けられたランダムアクセス手順の情報、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0105】
図8は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置800の概略ブロック図である。装置800は、図1に示す端末装置110、第1ネットワーク装置120又は第2ネットワーク装置130のさらなる例示的な実施であるとみなすことができる。したがって、装置800は、端末装置110、第1ネットワーク装置120又は第2ネットワーク装置130の少なくとも一部において、又は少なくともその一部として実施することができる。
【0106】
図に示すように、装置800は、プロセッサ810、プロセッサ810に結合されたメモリ820、プロセッサ810に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)840、並びにTX/RX840に結合された通信インタフェースを含む。メモリ820は、プログラム830の少なくとも一部を格納する。TX/RX840は、双方向通信用である。TX/RX840は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有してもよい。通信インタフェースは、他のネットワーク要素と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、Mobility Management Entity(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末装置との間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0107】
プログラム830はプログラム命令を含むとみなされ、プログラムは、関連付けられたプロセッサ810によって実行されると、本明細書で図1図7を参照して論じたように、本開示の実施形態に従って装置800が操作することを可能にする。本明細書の実施形態は、装置800のプロセッサ810が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ810は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成され得る。また、プロセッサ810及びメモリ820の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段850を構成してもよい。
【0108】
メモリ820は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプとしてもよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)により実施してもよい。装置800には1つのメモリ820しか示されていないが、装置800には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。プロセッサ810は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置800は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0109】
通常、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスが実行し得るファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他の何らかの絵画的表現によって示されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組合せによって実施してもよいが、これらに限定されないことが理解されるであろう。
【0110】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令のような、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該命令は、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行され、例えば図1図7を参照して上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル又は分散型デバイスにおいて実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体のどちらに置いてもよい。
【0111】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数のプログラミング言語の任意の組合せにより記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0112】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具現化されてもよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらにより具体的な例には、1つ若しくは複数のワイヤ、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0113】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論には、いくつかの具体的な実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定ではなく、特定の実施形態に特定され得る特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切な副次的な組合せにより、実施されてもよい。
【0114】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。上述の特定の特徴や動作はむしろ、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されている。
図1
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