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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】触媒温度制御装置及び触媒温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20240509BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240509BHJP
   F01N 9/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
F01N3/20 K
F01N3/24 L
F01N9/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023049743
(22)【出願日】2023-03-27
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳志
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/189080(WO,A1)
【文献】特開2021-134730(JP,A)
【文献】特開2020-197180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/20
F01N 3/24
F01N 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気通路において触媒の上流側の排気温度と、前記排気通路の排気流量と、前記触媒の壁面の触媒壁面温度と、前記触媒の周囲の外気温と、前記触媒を備える車両の車速と、を取得する取得部と、
前記排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気通路の排気に移動する熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出する算出部と、
前記熱移動量と前記触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の前記触媒の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、前記触媒の上流に設けられたヒータに熱を発生させるヒータ制御部と、
を有し、
前記取得部は、前記排気通路において前記ヒータの上流側の第1排気温度と、前記ヒータの上流側の壁面の通路壁面温度と、前記ヒータの壁面のヒータ壁面温度と、をさらに取得し、
前記算出部は、
前記第1排気温度、前記排気流量、前記通路壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第1熱移動量と、前記第1排気温度とに基づいて、前記ヒータの入口の第2排気温度を算出する第1算出部と
前記第2排気温度、前記排気流量、前記ヒータ壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの壁面から前記排気及び前記外気に移動する第2熱移動量と、前記第2排気温度とに基づいて、前記触媒の入口の第3排気温度を算出する第2算出部と、
前記第3排気温度、前記排気流量、前記触媒壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記触媒の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第3熱移動量を算出する第3算出部と、を有し、
前記ヒータ制御部は、前記触媒壁面温度と前記第3熱移動量とに基づいて、前記第1所定時間後の前記推定触媒壁面温度を推定する、
媒温度制御装置。
【請求項2】
前記ヒータ制御部は、前記第1所定時間よりも小さい第2所定時間が経過するたびに、前記推定触媒壁面温度を推定する、
請求項1に記載の触媒温度制御装置。
【請求項3】
前記ヒータ制御部は、前記第1所定時間よりも小さい第2所定時間が経過するたびに、前記第2熱移動量と前記ヒータの熱量との差、及び前記ヒータ壁面温度に基づいて、前記第2所定時間後の前記ヒータの推定ヒータ壁面温度を推定する、
請求項に記載の触媒温度制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ヒータ壁面温度の初期値として前記通路壁面温度を取得し、前記第2所定時間が経過するたびに前記ヒータ壁面温度として前記推定ヒータ壁面温度を取得する、
請求項に記載の触媒温度制御装置。
【請求項5】
前記第1算出部は、前記第1排気温度と前記排気流量と前記通路壁面温度とに基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記通路壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記ヒータの周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第1熱移動量を算出する、
請求項に記載の触媒温度制御装置。
【請求項6】
前記第2算出部は、前記第2排気温度と前記排気流量と前記ヒータ壁面温度とに基づく、前記ヒータの壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記ヒータ壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記ヒータの壁面から前記ヒータの周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第2熱移動量を算出する、
請求項に記載の触媒温度制御装置。
【請求項7】
前記第3算出部は、前記第3排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第3熱移動量を算出する、
請求項に記載の触媒温度制御装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
排気通路において触媒の上流側の排気温度と、前記排気通路の排気流量と、前記触媒の壁面の触媒壁面温度と、前記触媒の周囲の外気温と、前記触媒を備える車両の車速と、を取得するステップと、
前記排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気通路の排気に移動する熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出するステップと、
前記熱移動量と前記触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の前記触媒の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、前記触媒の上流に設けられたヒータに熱を発生させるステップと、
を有し、
前記取得するステップにおいて、前記排気通路において前記ヒータの上流側の第1排気温度と、前記ヒータの上流側の壁面の通路壁面温度と、前記ヒータの壁面のヒータ壁面温度と、をさらに取得し、
前記算出するステップは、
前記第1排気温度、前記排気流量、前記通路壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第1熱移動量と、前記第1排気温度とに基づいて、前記ヒータの入口の第2排気温度を算出するステップと、
前記第2排気温度、前記排気流量、前記ヒータ壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの壁面から前記排気及び前記外気に移動する第2熱移動量と、前記第2排気温度とに基づいて、前記触媒の入口の第3排気温度を算出するステップと、
前記第3排気温度、前記排気流量、前記触媒壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記触媒の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第3熱移動量を算出するステップと、を有し、
前記熱を発生させるステップにおいては、前記触媒壁面温度と前記第3熱移動量とに基づいて、前記第1所定時間後の前記推定触媒壁面温度を推定する、
媒温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒温度制御装置及び触媒温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の車両の制御装置は、触媒の温度が所定の温度よりも低い場合は、エンジンを始動する前に触媒を加熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-231667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの始動直後に、エンジンから排出された低温の排気と触媒が熱交換することにより、触媒の温度が低下する。このため、エンジンの始動前に加熱した触媒の温度が、触媒が活性化する温度よりも低くなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、エンジン始動後の触媒の温度を所定の範囲に維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る触媒温度制御装置は、排気通路において触媒の上流側の排気温度と、前記排気通路の排気流量と、前記触媒の壁面の触媒壁面温度と、前記触媒の周囲の外気温と、前記触媒を備える車両の車速と、を取得する取得部と、前記排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気通路の排気に移動する熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出する算出部と、前記熱移動量と前記触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の前記触媒の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、前記触媒の上流に設けられたヒータに熱を発生させるヒータ制御部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、前記排気通路において前記ヒータの上流側の第1排気温度と、前記ヒータの上流側の壁面の通路壁面温度と、前記ヒータの壁面のヒータ壁面温度と、をさらに取得し、前記算出部は、前記第1排気温度、前記排気流量、前記通路壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第1熱移動量と、前記第1排気温度とに基づいて、前記ヒータの入口の第2排気温度を算出する第1算出部と、前記第2排気温度、前記排気流量、前記ヒータ壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記ヒータの壁面から前記排気及び前記外気に移動する第2熱移動量と、前記第2排気温度とに基づいて、前記触媒の入口の第3排気温度を算出する第2算出部と、前記第3排気温度、前記排気流量、前記触媒壁面温度、前記外気温及び前記車速に基づく、前記触媒の壁面から前記排気及び前記外気に移動する第3熱移動量を算出する第3算出部と、を有し、前記ヒータ制御部は、前記触媒壁面温度と前記第3熱移動量とに基づいて、前記第1所定時間後の前記推定触媒壁面温度を推定してもよい。
【0008】
前記ヒータ制御部は、前記第1所定時間よりも小さい第2所定時間が経過するたびに、前記推定触媒壁面温度を推定してもよい。
【0009】
前記ヒータ制御部は、前記第1所定時間よりも小さい第2所定時間が経過するたびに、前記第2熱移動量と前記ヒータの熱量との差、及び前記ヒータ壁面温度に基づいて、前記第2所定時間後の前記ヒータの推定ヒータ壁面温度を推定してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記ヒータ壁面温度の初期値として前記通路壁面温度を取得し、前記第2所定時間が経過するたびに前記ヒータ壁面温度として前記推定ヒータ壁面温度を取得してもよい。
【0011】
前記第1算出部は、前記第1排気温度と前記排気流量と前記通路壁面温度とに基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記通路壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記ヒータの上流の壁面から前記ヒータの周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第1熱移動量を算出してもよい。
【0012】
前記第2算出部は、前記第2排気温度と前記排気流量と前記ヒータ壁面温度とに基づく、前記ヒータの壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記ヒータ壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記ヒータの壁面から前記ヒータの周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第2熱移動量を算出してもよい。
【0013】
前記第3算出部は、前記第3排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気に移動する第1熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する第2熱量を合算した前記第3熱移動量を算出してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る触媒温度制御方法は、コンピュータが実行する、排気通路において触媒の上流側の排気温度と、前記排気通路の排気流量と、前記触媒の壁面の触媒壁面温度と、前記触媒の周囲の外気温と、前記触媒を備える車両の車速と、を取得するステップと、前記排気温度と前記排気流量と前記触媒壁面温度とに基づく、前記触媒の壁面から前記排気通路の排気に移動する熱量、及び前記触媒壁面温度と前記外気温と前記車速とに基づく、前記触媒の壁面から前記触媒の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出するステップと、前記熱移動量と前記触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の前記触媒の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、前記触媒の上流に設けられたヒータに熱を発生させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エンジン始動後の触媒の温度を所定の範囲に維持するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る触媒温度制御システムSの構成を示す図である。
図2】触媒温度制御装置100の構成を示す図である。
図3】第1算出部131の動作を説明するための図である。
図4】第2算出部132の動作を説明するための図である。
図5】第3算出部133の動作を説明するための図である。
図6】触媒温度制御装置100における処理シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<触媒温度制御システムSの概要>
図1は、本実施形態に係る触媒温度制御システムSの構成を示す図である。図1に示す触媒温度制御システムSは、エンジン10と、排気通路20、21、22と、ヒータ30と、ブロア31と、浄化装置40と、温度センサ50、51、52と、MAF(Mass Air Flow)センサ60と、気温センサ61と、車速センサ62と、触媒温度制御装置100と、を備える。図1において、排気Eは、エンジン10の排気の流れを示し、走行風Rは、触媒温度制御システムSを搭載する車両が走行することにより発生した風を示す。
【0018】
触媒温度制御システムSは、ヒータ30に熱を発生させることにより、浄化装置40が有する触媒41の温度を触媒41が活性化する温度(以下、「活性化温度」という)まで昇温させる機能を有する。活性化温度は、例えば200℃である。
【0019】
エンジン10は、燃料と吸気(空気)の混合気を燃焼、膨張させて、動力を発生させる内燃機関である。排気通路20、21、22は、エンジン10の排気が流れる通路である。排気通路20は、エンジン10の下流かつヒータ30の上流に設けられ、排気通路21は、ヒータ30の下流かつ浄化装置40の上流に設けられ、排気通路22は、浄化装置40の下流に設けられる。ヒータ30は、例えば電熱式のヒータであり、通電を受けて熱を発生する。ヒータ30は、浄化装置40の上流に設けられている。ブロア31は、ヒータ30に送風するための送風機である。
【0020】
浄化装置40は、エンジン10の排気を浄化するための装置であり、触媒41と当該触媒41を収容するケース42とを有する。触媒41は、例えば三元触媒であり、エンジン10の排気に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を浄化する。具体的には、触媒41は、炭化水素を水と二酸化炭素とに酸化し、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化し、窒素酸化物を窒素に還元する。触媒41は、SCR(Selective Catalytic Reduction;選択還元触媒)であってもよい。
【0021】
温度センサ50、51、52は、例えば熱電対又はサーミスタである。温度センサ50は排気通路20に設けられ、排気通路20内の排気温度を検出する。温度センサ51は排気通路20に設けられ、排気通路20の壁面温度を検出する。温度センサ52は、ケース42の内周又は触媒41の外周に設けられ、触媒41の壁面温度を検出する。温度センサ52は、ケース42の壁面温度を触媒41の壁面温度として検出してもよい。なお、ヒータ30には温度センサが設けられていない。
【0022】
MAFセンサ60は、エンジン10の吸気量を検出する流量センサである。気温センサ61は、触媒温度制御システムSの周囲の温度(すなわち、外気温)を検出する温度センサである。車速センサ62は、触媒温度制御システムSを搭載した車両の車速を検出する速度センサである。
【0023】
触媒温度制御装置100は、ヒータ30に熱を発生させることにより、触媒41を昇温させる処理を実行する。触媒温度制御装置100は、電子部品を含む筐体を有していてもよく、電子部品が実装されたプリント基板であってもよい。
【0024】
触媒温度制御システムSにおいては、エンジン10が始動する前に、ヒータ30が熱を発生し、ブロア31がヒータ30に送風する。ヒータ30及びブロア31がこのように動作することで、ヒータ30と熱交換したヒータ30内の空気が触媒41に流れるため、当該空気と触媒41とが熱交換することにより触媒41が昇温する。そして、触媒41の温度が活性化温度に達した後にエンジン10を始動することで、触媒41は、エンジン10の始動直後からエンジン10の排気を浄化できる。
【0025】
しかしながら、エンジン10の始動直後の排気温度は触媒41の温度よりも低く、かつヒータ30が熱を発生していないため、触媒41が排気と熱交換することにより、触媒41の温度は低下する。また、浄化装置40は走行風Rと接するため、触媒41がケース42を介して走行風Rと熱交換することにより、触媒41の温度はさらに低下する。その結果、触媒41の温度は活性化温度よりも低い温度まで低下する。そこで、触媒温度制御装置100は、触媒41から排気E及び走行風Rに移動する熱量を算出することにより、第1所定時間(例えば20秒)後の触媒41の壁面温度を推定し、推定した壁面温度が活性化温度よりも低い場合はヒータ30に熱を発生させることで触媒41を昇温させる。
【0026】
例えば、触媒温度制御装置100は、温度センサ50が検出した排気温度とMAFセンサ60が検出した吸気量に基づく排気流量と触媒41の壁面温度とに基づいて、触媒41から排気Eに移動する第1熱量を算出する。触媒温度制御装置100は、温度センサ52が検出した触媒41の壁面温度と気温センサ61が検出した外気温と車速センサ62が検出した車速とに基づいて、触媒41からケース42を介して走行風Rに移動する第2熱量を算出する。そして、触媒温度制御装置100は、算出した第1熱量及び第2熱量に基づいて推定した第1所定時間後の触媒41の壁面温度が活性化温度未満である場合はヒータ30に熱を発生させる。触媒温度制御装置100がこのように動作することで、エンジン10始動後の触媒41の温度を活性化温度以上の温度に維持することができる。
以下、触媒温度制御装置100の構成及び動作を詳細に説明する。
【0027】
<触媒温度制御装置100の構成>
図2は、触媒温度制御装置100の構成を示す図である。触媒温度制御装置100は、記憶部110と制御部120とを有する。制御部120は、取得部121と算出部122とヒータ制御部123とを有する。算出部122は、第1算出部131と第2算出部132と第3算出部133とを有する。
【0028】
記憶部110は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部110は、制御部120が実行するプログラムを記憶している。記憶部110は、所定時間後の触媒41の壁面温度を推定するための各種の情報を記憶している。
【0029】
制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はECU(Electronic Control Unit)等のプロセッサである。制御部120は、記憶部110に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部121、算出部122及びヒータ制御部123として機能する。なお、制御部120は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、複数のプロセッサ又は1以上のプロセッサと電子回路との組み合わせにより構成されていてもよい。
以下、制御部120により実現される各部の構成を説明する。
【0030】
取得部121は、触媒41の上流側の排気温度と、排気通路20の排気流量と、触媒41の壁面の触媒壁面温度と、触媒41の周囲の外気温と、触媒41を備える車両の車速と、を取得する。触媒41の上流側の排気温度は、例えば、排気通路20の第1排気温度、ヒータ30の入口の第2排気温度、触媒41の入口の第3排気温度のいずれかである。本実施形態においては、一例として、取得部121が第1排気温度を取得する動作を説明する。取得部121は、例えば、温度センサ50が検出した第1排気温度と、MAFセンサ60が検出したエンジン10の吸気量に対応する排気流量と、温度センサ52が検出した触媒壁面温度と、気温センサ61が検出した外気温と、車速センサ62が検出した車速とを取得する。
【0031】
取得部121は、ヒータ30の上流側の壁面の通路壁面温度と、ヒータ30の壁面のヒータ壁面温度と、をさらに取得してもよい。取得部121は、例えば、温度センサ51が検出した通路壁面温度を取得する。取得部121は、例えば、ヒータ壁面温度の初期値として通路壁面温度を取得し、第2所定時間が経過するたびにヒータ壁面温度として、ヒータ制御部123が推定した推定ヒータ壁面温度を取得する。第2所定時間は、第1所定時間よりも小さい時間であり、例えば1秒である。推定ヒータ壁面温度の詳細は後述する。
【0032】
算出部122は、取得部121が取得した排気温度と排気流量と触媒壁面温度とに基づく、触媒41の壁面から排気Eに移動する第1熱量を算出する。算出部122は、取得部121が取得した触媒壁面温度と外気温と車速とに基づく、触媒41の壁面からケース42を介して触媒41の周囲の外気(すなわち、走行風R)に移動する第2熱量を算出する。そして、算出部122は、第1熱量と第2熱量とを合算した熱移動量を算出する。算出部122は、例えば、第2所定時間が経過するたびに熱移動量を算出する。
【0033】
ここで、算出部122が第1熱量及び第2熱量を算出する動作を説明する。触媒41の壁面から排気E又は走行風Rに移動する熱量Q[w]は、熱伝達率h、伝熱面積A、壁面温度T、流体温度Tを用いて、式(1)のように算出できる。流体温度Tは、第1熱量を算出する場合は排気温度であり、第2熱量を算出する場合は外気温である。伝熱面積Aは記憶部110に記憶されている。
【数1】
【0034】
熱伝達率hは、ヌセルト数N、壁面熱伝導率k、代表長さLを用いて、式(2)のように算出できる。代表長さLは、第1熱量を算出する場合は排気通路20、21、22を構成する排気管の管径であり、第2熱量を算出する場合は排気通路20、21、22を含む排気管の全長である。排気管の管径及び全長と壁面熱伝導率kとは記憶部110に記憶されている。
【数2】
【0035】
ヌセルト数Nは、第1熱量を算出する場合は式(3)のように表現でき、第2熱量を算出する場合は式(4)のように表現できる。Rはレイノルズ数であり、Pはプラントル数である。レイノルズ数Rは、壁面温度、流体温度、流体速度、流路形状、壁面及び流体の物質の性質を数値化した物性値を用いて算出する。プラントル数Pは、壁面温度、流体温度及び流体の物性値を用いて算出する。流路形状(エンジン10の下流の形状)と壁面及び流体(排気及び外気)の物性値とは、記憶部110に記憶されている。
【数3】
【0036】
算出部122は、第1熱量を算出する場合、触媒壁面温度と、排気温度と、排気流量を記憶部110に記憶された流路断面積で除算した排気流速と、記憶部110に記憶された流路形状及び物性値と、を用いてレイノルズ数R及びプラントル数Pを算出する。そして、算出部122は、レイノルズ数R及びプラントル数Pを式(3)に代入することでヌセルト数Nを算出し、ヌセルト数Nを式(2)に代入することで熱伝達率hを算出する。算出部122は、流体温度Tとして用いる排気温度と、壁面温度Tとして用いる触媒壁面温度と、算出した熱伝達率hと、を式(1)に代入することにより第1熱量を算出する。
【0037】
算出部122は、第2熱量を算出する場合、触媒壁面温度と、外気温と、流体速度として代用する車速と、記憶部110に記憶された流路形状及び物性値と、を用いてレイノルズ数R及びプラントル数Pを算出する。そして、算出部122は、レイノルズ数R及びプラントル数Pを式(4)に代入することでヌセルト数Nを算出し、ヌセルト数Nを式(2)に代入することで熱伝達率hを算出する。算出部122は、流体温度Tとして用いる外気温と、壁面温度Tとして用いる触媒壁面温度と、算出した熱伝達率hと、を式(1)に代入することにより第2熱量を算出する。
以上、算出部122が第1熱量及び第2熱量を算出する動作について説明した。
【0038】
以上の説明においては、算出部122が、排気通路20の第1排気温度、ヒータ30の入口の第2排気温度、触媒41の入口の第3排気温度のいずれかを用いて熱移動量を算出する動作を説明したが、これに限らない。算出部122は、第1排気温度を用いて第2排気温度及び第3排気温度を算出することにより、排気通路20、ヒータ30、触媒41それぞれの熱移動量を算出してもよい。この場合、算出部122は、排気通路20の第1熱移動量を算出する第1算出部131、ヒータ30の第2熱移動量を算出する第2算出部132、及び触媒41の第3熱移動量を算出する第3算出部133を有する。
【0039】
第1算出部131は、第1排気温度、排気通路20の排気流量、通路壁面温度、外気温及び車速に基づく、ヒータ30の上流の壁面から排気E及び外気(走行風R)に移動する第1熱移動量と、第1排気温度とに基づいて、ヒータ30の入口の第2排気温度を算出する。
【0040】
図3は、第1算出部131の動作を説明するための図である。図3に示すように、第1算出部131は、第1排気温度と排気流量と通路壁面温度とに基づく、ヒータ30の上流の壁面から排気Eに移動する第1熱量を算出する。第1算出部131は、通路壁面温度と外気温と車速とに基づく、ヒータ30の上流の壁面からヒータ30の周囲の外気(走行風R)に移動する第2熱量を算出する。第1算出部131は、算出した第1熱量及び第2熱量を合算した第1熱移動量を算出し、第1熱移動量と第1排気温度とに基づいて、第2排気温度を算出する。
【0041】
第2算出部132は、第1算出部131が算出した第2排気温度、排気通路20の排気流量、ヒータ壁面温度、外気温及び車速に基づく、ヒータ30の壁面から排気E及び外気(走行風R)に移動する第2熱移動量と、第2排気温度とに基づいて、触媒41の入口の第3排気温度を算出する。
【0042】
図4は、第2算出部132の動作を説明するための図である。図4に示すように、第2算出部132は、第2排気温度と排気流量とヒータ壁面温度とに基づく、ヒータ30の壁面から排気Eに移動する第1熱量を算出する。第2算出部132は、ヒータ壁面温度と外気温と車速とに基づく、ヒータ30の壁面からヒータ30の周囲の外気(走行風R)に移動する第2熱量を算出する。第2算出部132は、算出した第1熱量及び第2熱量を合算した第2熱移動量を算出し、第2熱移動量と第2排気温度とに基づいて、第3排気温度を算出する。
【0043】
第3算出部133は、第2算出部132が算出した第3排気温度、排気流量、触媒壁面温度、外気温及び車速に基づく、触媒の壁面から排気E及び外気(走行風R)に移動する第3熱移動量を算出する。図5は、第3算出部133の動作を説明するための図である。図5に示すように、第3算出部133は、第3排気温度と排気流量と触媒壁面温度とに基づく、触媒の壁面から排気Eに移動する第1熱量を算出する。第3算出部133は、触媒壁面温度と外気温と車速とに基づく、触媒41の壁面からケース42を介して触媒41の周囲の外気(走行風R)に移動する第2熱量を算出する。第3算出部133は、算出した第1熱量と第2熱量とを合算した第3熱移動量を算出する。
【0044】
上記のように算出部122が動作することで、温度センサ50が検出した排気温度に基づいて、温度センサ50の位置よりも触媒41との距離が近い位置(すなわち、触媒41の入口)の排気温度を用いることができる。その結果、触媒41の熱移動量を高い精度で算出できるため、ヒータ制御部123が第1所定時間後の触媒41の壁面温度を推定する精度を高められる。
【0045】
ヒータ制御部123は、算出部122が算出した熱移動量と触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の触媒41の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、触媒41の上流に設けられたヒータ30に熱を発生させる。閾値は、活性化温度の下限値であり、例えば200℃である。第1所定時間は、例えば20秒である。なお、算出部122が第3算出部133を有する場合、ヒータ制御部123は、触媒壁面温度と第3熱移動量とに基づいて、第1所定時間後の推定触媒壁面温度を推定する。
【0046】
ヒータ制御部123は、例えば、算出部122が算出した熱移動量と算出部122が算出する周期との積を、記憶部110に記憶された触媒41の熱容量で除算した値と触媒壁面温度とに基づいて、推定触媒壁面温度を推定する。ヒータ制御部123は、記憶部110に記憶された、熱移動量と触媒壁面温度を定めることにより第1所定時間後の触媒壁面温度を予測する予測モデルを用いて推定触媒壁面温度を推定してもよい。そして、ヒータ制御部123は、推定触媒壁面温度が閾値未満である場合はヒータ30に熱を発生させ、推定触媒壁面温度が閾値以上である場合はヒータ30に熱を発生させない。
【0047】
ヒータ制御部123がこのように動作することで、触媒41の壁面温度が活性化温度よりも低くなるおそれがある場合、ヒータ30に熱を発生させることができる。その結果、ヒータ30とヒータ30内の排気とが熱交換することにより、触媒41を流れる排気温度を昇温できるため、触媒41の温度の低下を抑制し、活性化温度を維持することができる。
【0048】
ヒータ制御部123は、例えば、第1所定時間よりも小さい第2所定時間が経過するたびに、推定触媒壁面温度を推定する。第2所定時間は、例えば1秒である。ヒータ制御部123は、第2所定時間が経過するたびに、推定触媒壁面温度が閾値未満である場合はヒータ30に熱を発生させ、推定触媒壁面温度が閾値以上である場合はヒータ30に熱を発生させない。ヒータ制御部123がこのように動作することで、触媒41の温度及び触媒41に流れる排気の流量が時間に応じて変化する場合であっても、変化に応じた推定触媒壁面温度を推定し、ヒータ30に熱を発生させるか否かを制御できる。その結果、触媒41の温度が活性化温度を維持する精度を高めることができる。
【0049】
算出部122が第2算出部132を有する場合、ヒータ制御部123は、第2所定時間が経過するたびに、第2熱移動量とヒータ30の熱量との差、及びヒータ壁面温度に基づいて、第2所定時間後のヒータ30の推定ヒータ壁面温度を推定する。
【0050】
ヒータ制御部123は、例えば、第2所定時間が経過するたびに、第2算出部132が算出した第2熱移動量からヒータ30が第2所定時間において発生した熱量を減算した値と、現時刻のヒータ壁面温度とに基づいて、第2所定時間後の推定ヒータ壁面温度を推定する。ヒータ制御部123は、例えば、記憶部110に記憶された、第2熱移動量、ヒータ30の熱量及びヒータ壁面温度を定めることにより第2所定時間後の推定ヒータ壁面温度を予測する予測モデルを用いて推定ヒータ壁面温度を推定してもよい。そして、ヒータ制御部123は、推定ヒータ壁面温度を取得部121に通知する。
【0051】
ヒータ制御部123がこのように動作することで、ヒータ30に温度センサが設けられていない(すなわち、ヒータ30の壁面温度を検出できない)場合であっても、ヒータ30が発生した熱量を考慮した推定ヒータ壁面温度を推定できる。その結果、第2算出部132は、推定ヒータ壁面温度をヒータ壁面温度として用いることで、第2熱移動量及び第3排気温度を算出できる。
【0052】
<触媒温度制御装置100における処理シーケンス>
図6は、触媒温度制御装置100における処理シーケンスを示す図である。図6に示す処理シーケンスは、第1所定時間後の推定触媒壁面温度を推定し、ヒータ30に熱を発生させるか否かを判定する動作を示す。触媒温度制御装置100は、図6に示すシーケンスを第2所定時間が経過するたびに繰り返す。
【0053】
第1算出部131は、ヒータ30の上流側の第1排気温度、排気流量、通路壁面温度、外気温及び車速に基づいて、ヒータ30の上流の壁面から排気E及び走行風Rに移動する第1熱移動量を算出する(S11)。第1算出部131は、第1熱移動量と第1排気温度とに基づいて、ヒータ30の入口の排気温度を示す第2排気温度を算出する(S12)。
【0054】
第2算出部132は、取得部121からヒータ壁面温度を取得する。ヒータ壁面温度の初期値を使用する場合(S13のYES)、第2算出部132は、取得部121から通路壁面温度をヒータ壁面温度として取得する(S14)。ヒータ壁面温度の初期値を使用しない場合(S13のNO)、第2算出部132は、取得部121から、現在の時刻よりも第2所定時間前にヒータ制御部123が推定した推定ヒータ壁面温度をヒータ壁面温度として取得する(S15)。なお、ヒータ壁面温度の初期値を使用する場合は、エンジン10の始動後に最初にヒータ壁面温度を取得する場合である。
【0055】
第2算出部132は、第2排気温度、排気流量、ヒータ壁面温度、外気温及び車速に基づいて、ヒータ30の壁面から排気E及び走行風Rに移動する第2熱移動量を算出する(S16)。第2算出部132は、第2熱移動量と第2排気温度とに基づいて、触媒41の入口の排気温度を示す第3排気温度を算出する(S17)。
【0056】
ヒータ制御部123は、第2熱移動量とヒータ30が発生した熱量との差、及び取得部121から取得したヒータ壁面温度に基づいて、第2所定時間後の推定ヒータ壁面温度を推定する(S18)。ヒータ制御部123は、推定ヒータ壁面温度を取得部121に通知する。
【0057】
第3算出部133は、第3排気温度、破棄流量、触媒壁面温度、外気温及び車速に基づいて、触媒41の壁面から排気E及び走行風Rに移動する第3熱移動量を算出する(S19)。ヒータ制御部123は、第3熱移動量と触媒壁面温度とに基づいて、第1所定時間後の推定触媒壁面温度を推定する(S20)。推定触媒壁面温度が閾値未満である場合(S21のYES)、ヒータ制御部123は、ヒータ30に熱を発生させる(S22)。推定触媒壁面温度が閾値以上である場合(S21のNO)、ヒータ制御部123は、ヒータ30に熱を発生させずに処理を終了する。
【0058】
<触媒温度制御装置100による効果>
以上説明したように、触媒温度制御装置100は、排気通路20、21、22において触媒41の上流側の排気温度と、排気通路20、21、22の排気流量と、触媒41の壁面の触媒壁面温度と、触媒41の周囲の外気温と、触媒41を備える車両の車速と、を取得する取得部121と、排気温度と排気流量と触媒壁面温度とに基づく、触媒41の壁面から排気に移動する熱量、及び触媒壁面温度と外気温と車速とに基づく、触媒41の壁面からケース42を介して触媒41の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出する算出部122と、熱移動量と触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の触媒41の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、触媒41の上流に設けられたヒータ30に熱を発生させるヒータ制御部123と、を有する。
【0059】
触媒温度制御装置100がこのように構成されることで、第1所定時間後の触媒41の温度が活性化温度の下限値よりも低いと推定した場合に、ヒータ30に熱を発生させることにより触媒41を昇温させることができる。その結果、触媒温度制御装置100は、エンジン10の始動直後に触媒41の温度が活性化温度の範囲に含まれるように維持することができる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
10 エンジン
20 排気通路
21 排気通路
22 排気通路
30 ヒータ
31 ブロア
40 浄化装置
41 触媒
42 ケース
50 温度センサ
51 温度センサ
52 温度センサ
60 MAFセンサ
61 気温センサ
62 車速センサ
100 触媒温度制御装置
110 記憶部
120 制御部
121 取得部
122 算出部
123 ヒータ制御部
131 第1算出部
132 第2算出部
133 第3算出部
【要約】
【課題】エンジン始動後の触媒の温度を所定の範囲に維持する。
【解決手段】触媒温度制御装置100は、排気通路20において触媒41の上流側の排気温度と、排気通路20の排気流量と、触媒41の壁面の触媒壁面温度と、触媒41の周囲の外気温と、触媒41を備える車両の車速と、を取得する取得部121と、排気温度と排気流量と触媒壁面温度とに基づく、触媒41の壁面から排気に移動する熱量、及び触媒壁面温度と外気温と車速とに基づく、触媒41の壁面から触媒41の周囲の外気に移動する熱量を合算した熱移動量を算出する算出部122と、熱移動量と触媒壁面温度とに基づいて推定した、第1所定時間後の触媒41の推定触媒壁面温度が閾値未満である場合は、触媒41の上流に設けられたヒータ30に熱を発生させるヒータ制御部123と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6