(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240509BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20240509BHJP
H04N 7/14 20060101ALI20240509BHJP
H04N 21/4728 20110101ALI20240509BHJP
【FI】
H04N7/18 U
H04N5/66
H04N7/14
H04N21/4728
(21)【出願番号】P 2023550836
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035823
(87)【国際公開番号】W WO2023053257
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 浩一
(72)【発明者】
【氏名】大西 祥史
(72)【発明者】
【氏名】岩井 孝法
(72)【発明者】
【氏名】川島 康一
(72)【発明者】
【氏名】山内 玲
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150512(JP,A)
【文献】特開2010-187711(JP,A)
【文献】特開2020-006056(JP,A)
【文献】特開2016-091298(JP,A)
【文献】特開2014-130519(JP,A)
【文献】特開2017-207809(JP,A)
【文献】特開2014-144215(JP,A)
【文献】特開2006-042962(JP,A)
【文献】特開平09-075404(JP,A)
【文献】特開2010-142287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/66
H04N 7/14-7/15
H04N 21/00-21/858
H04N 19/00-19/98
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、
特定された前記変更領域の画質を変更する画質変更手段と、
前記特定手段により特定された前記変更領域に対応する前記対象者の身体部位を、当該対象者が認識可能に通知する通知手段と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記対象者関連情報に基づいて、前記変更領域の複数の候補を出力する出力手段と、
複数の前記候補から、少なくとも1つの候補の選択を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記画質変更手段は、選択された候補に対応する領域の画質を変更する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記対象者関連情報は、前記対象者のカルテ情報、前記対象者の問診情報、前記映像データに含まれる前記対象者の音声情報及び前記映像データに含まれる前記対象者の動作情報の少なくとも一つである、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得手段は、医療サービスを提供する提供者の音声データをさらに取得し、
前記特定手段は、前記対象者関連情報及び前記音声データの少なくともいずれか1つに基づいて、前記変更領域を特定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記提供者の前記音声データとが取得された場合、前記提供者の前記音声データを優先して、該音声データに基づいて、前記変更領域を特定する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記動作情報とが取得された場合、前記音声情報と前記動作情報の両方に基づいて、前記変更領域を特定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
人体を模した入力手段をさらに備え、
前記対象者関連情報は、前記入力手段から入力される前記人体における指定位置情報を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、
特定された前記変更領域の画質を変更させる画質変更指示を出力する制御手段と、
前記特定手段により特定された前記変更領域に対応する前記対象者の身体部位を、当該対象者が認識可能に通知する通知手段と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項9】
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得し、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定し、
特定された前記変更領域の画質を変更
し、
特定された前記変更領域に対応する前記対象者の身体部位を、当該対象者が認識可能に通知する、
情報処理方法。
【請求項10】
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する処理と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する処理と、
特定された前記変更領域の画質を変更する処理と、
特定された前記変更領域に対応する前記対象者の身体部位を、当該対象者が認識可能に通知する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地からネットワークを介して、映像データを、医療サービスを提供する提供者に送信する医療サービス提供システムが導入されつつある。
また、画質に関する特許文献として以下がある。
【0003】
特許文献1には、取得された映像の領域毎に高周波成分を解析し、解析結果に応じて、映像の領域の少なくとも一部が、高周波成分がより多くなるにつれてより高画質となるように画質調整を行う技術が開示されている。この技術によれば、映像データのデータ量を軽減するとともに、低画質領域と高画質領域との境界における画質の違いを目立ち難くすることできるとされている。
【0004】
また、特許文献1には、高周波成分の解析結果に基づいて、各領域に対して画質を設定することにより生成された画質レベルマップを、人物の顔領域が検出された場合に、顔領域の画質が該顔領域以外の他の領域の画質よりも高画質となるように、画質レベルマップにおける画質設定を変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、顔の特徴点を抽出して顔領域を検出し、該顔領域の画質を他の領域の画質よりも高くすることを開示しているにすぎず、医療サービスを提供する提供者に対し、映像データを遠隔地からネットワークを介して送信する医療サービス提供システムにおいて、適切に必要な領域の画質を制御する技術については開示されていない。
【0007】
本開示の目的は、医療サービスを提供する提供者にとって適切に必要な領域の画質を制御可能な、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る情報処理システムは、医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、特定された前記変更領域の画質を変更する画質変更手段とを備えるものである。
【0009】
一態様に係る情報処理装置は、医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、特定された前記変更領域の画質を変更させる画質変更指示を出力する制御手段とを備えるものである。
【0010】
一態様に係る情報処理方法は、医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得し、前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定し、特定された前記変更領域の画質を変更する。
【0011】
一態様に係る非一時的なコンピュータ可読媒体は、医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する処理と、前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する処理と、特定された前記変更領域の画質を変更する処理とをコンピュータに実行させるプログラムが格納されたものである。
【発明の効果】
【0012】
上述の態様によれば、医療サービスを提供する提供者にとって必要な領域の映像を明瞭にすることが可能な、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の医師側端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図2の患者側端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】医師側端末の表示内容の一例を説明する図である。
【
図6】患者側端末の表示内容の一例を説明する図である。
【
図7】実施形態に係る情報処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。また、以下で示す具体的な数値などは、本開示の理解を容易とするための例示にすぎず、これに限定されるものではない。
【0015】
実施形態は、医療サービスを提供する施設と遠隔地にある医療サービスを受ける対象者がいる施設との間で、ネットワークを介して対象者の映像データを伝送し、対象者の映像に基づいて医師等の専門家が診断を行う、医療サービス提供技術に関する。
【0016】
図1は、実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム100は、取得手段101、特定手段102、画質変更手段103を備える。取得手段101は、医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる対象者に関する対象者関連情報を取得する。特定手段102は、対象者関連情報に基づいて、映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する。画質変更手段103は、特定された変更領域の画質を変更する。
【0017】
このように、対象者の対象者関連情報に基づいて、映像データにおける画質を変更する領域を特定することで、医師が診断を行うために必要な領域の画質を変更して、映像を明瞭とすることができ、医療サービスの向上を図ることが可能となる。
【0018】
次に、
図2~4を参照して、実施形態に係る情報処理システム100の具体的な例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システム100の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム100は、医師側端末10、患者側端末20を含む。
【0019】
図3は、
図2の医師側端末10の構成の一例を示すブロック図である。
図3では、医師側端末10のハードウェア構成のほか、画質変更動作を実行するために情報処理装置1内に実現される論理的な機能ブロックが示されている。
図4は、
図2の患者側端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図4では、患者側端末20のハードウェア構成のほか、画質変更動作を実行するために演算装置5内に実現される論理的な機能ブロックが示されている。
【0020】
情報処理システム100は、医療サービスを受ける対象者が自宅に在宅したまま、医療サービス提供者から各種サービスの提供を受ける、遠隔診療(オンライン診療、在宅診療)を支援するものである。ここで、医療サービス提供者には、医師、看護師、理学療法士、介護士等が含まれる。また、遠隔診療には、医師等が行う治療や処置といった狭義の医療行為の他、理学療法士が行うリハビリテーション、介護士が行う健康管理、服薬管理等の広義の医療行為も含まれる。以下、説明を簡単にするため、医療サービス提供者を「医師」と記載する。
【0021】
医療サービスを受ける対象者は、例えば、患者、健康診断を受ける者(被健診者)、介護を受ける者(被介護者)等である。以下、説明を簡単にするため、医療サービスを受ける対象者を「患者」と記載する。また、医療サービスを提供する施設は、例えば、病院、診療所、介護施設等である。以下、説明を簡単にするため、医療サービスを提供する施設を「病院」と記載する。
【0022】
医師側端末10と患者側端末20とは、ネットワークNで接続され、リアルタイムで双方向通信を行う。ここで、ネットワークNは、インターネット、専用線等の通信ネットワークである。インターネットの場合、VPN(Virtual Private Network)等で閉域網が形成されていることが好ましい。
【0023】
医師側端末10は病院に設置され、患者側端末20は遠隔地にある患者宅に設置される。医師側端末10、患者側端末20は、パーソナルコンピュータ、サーバマシン、タッチパネルによる入出力が可能なタブレット端末、スマートフォン等であり得る。病院にいる医師は、医師側端末10を用いて、遠隔地にいる患者側端末20を使用する患者との間でリアルタイムなやり取りを行うことができる。
【0024】
このような医師及び患者の音声や動作を含む映像データのリアルタイムの双方向通信は、ネットワーク負荷が高く、映像データのサイズを小さくすることが求められている。一般に、映像データを圧縮符号化することで、伝送に必要な帯域を小さくしている。しかし、映像データを圧縮符号化すると画質が劣化する。
【0025】
遠隔診療では患者宅から伝送された映像に基づいて医師が診断を行うため、映像が劣化すると、映像中の患者の負傷部位等の何らかの異常部位が不明瞭となり、誤診につながる恐れがある。実施形態に係る情報処理装置1では、患者によってそれぞれ異なる異常部位を後述する対象者関連情報を用いて特定し、特定された領域の画質を他の領域よりも高画質にすることで、当該領域を明瞭にする。
【0026】
図3に示すように、医師側端末10は、情報処理装置1、表示装置11、撮影装置12、記憶装置13、入力装置14、通信装置15、音声入力装置16、音声出力装置17を含み、これらはバス18により相互に接続されている。情報処理装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。情報処理装置1は、論理的な機能ブロックとしての取得部2、特定部3、制御部4を備える。取得部2、特定部3、制御部4は、特許請求の範囲に記載の取得手段、特定手段、制御手段に対応する。
【0027】
取得部2は、患者を含む映像データと、該映像データに含まれる患者に関する対象者関連情報を取得する。患者を含む映像データは、例えば、患者側端末20からネットワークを介して伝送される。患者を含む映像データは、ネットワークに接続された、図示しないデータベースに格納されたものであってもよい。この場合、取得部2は、該データベースにアクセスして映像データを取得することができる。
【0028】
対象者関連情報には、患者自身の個人情報、カルテ情報、問診情報、生体情報、ADL(Activities of Daily Living)等の日常生活動作の能力を示す能力情報や、処方、介護、リハビリ等の記録を示す情報が含まれる。これらの情報は、記憶装置13に格納される。なお、これらの情報は、外部の管理サーバに保存され、管理されていてもよい。
【0029】
また、対象者関連情報には、後述する患者側端末20より伝送される患者の映像データに含まれる、患者の音声情報や動作情報が含まれる。
【0030】
特定部3は、対象者関連情報に基づいて、映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する。特定部3は、上述した複数の対象者関連情報のうち、1つ又は1つ以上を組み合わせて、変更領域を特定することができる。変更領域とは、患者を含む映像中の医師が診断を行うために視診すべき領域である。
【0031】
例えば、特定部3は、カルテに記載された過去の診療情報の記載から、患者の負傷部位を特定し、映像中の負傷部位に対応する異常領域を変更領域として特定することができる。なお、初診の場合、再診の場合、診察の回数、症状の度合い等に応じて、変更領域として特定する領域を変えてもよい。
【0032】
また、患者が受診する前に記載した問診表の内容に基づいて変更領域を特定することも可能である。さらに、特定部3は、患者の映像データに含まれる患者の音声情報に基づいて、カルテ情報や問診情報には含まれていない患者が音声で異常を訴える部位を、変更領域として特定することもできる。
【0033】
また、患者の映像データに含まれる患者の動作情報に基づいて、変更領域を特定することも可能である。例えば、患者が痙攣している場合、取得部2は、映像データの患者の痙攣による微小な振動を動作情報として取得する。特定部3は、この動作情報に基づいて、痙攣している部位を変更領域として特定することができる。
【0034】
また、特定部3は、患者の音声情報と動作情報とが取得された場合、音声情報と動作情報の両方に基づいて、変更領域を特定することも可能である。例えば、特定部3は、患者の「ここが痛い」という音声情報と、患者が指を指している動作情報から、映像中の患者が指を指している部位を変更領域として特定することができる。
【0035】
さらに、特定部3は、医者の入力操作に応じて、変更領域を特定することも可能である。例えば、医者の入力操作を受け付ける入力装置として、人体模型や人形等の3次元の人体モデル、人体のイラスト等の2次元の人体モデルを含む、人体を模した入力手段(以下、「人体モデル入力装置」とする)を用いることができる。
【0036】
医者が、人体モデル入力装置における視診したい部位を押圧することで、患者の映像データにおける変更領域を指定する指定位置情報が生成される。特定部3は、指定位置情報に基づいて、変更領域を特定することができる。従って、上述した対象者関連情報には、人体モデル入力装置による指定位置情報も含まれる。
【0037】
なお、変更領域として特定した部位が、患者の異常部位としてカルテ情報や問診情報には含まれていない場合、特定部3はカルテ等に自動的に当該部位の情報を追加することができる。例えば、医者と患者の会話(音声情報)に基づいて変更領域が特定された場合、当該変更領域が異常部位としてカルテに追加される。また、医者の音声情報を解析することで、追加した異常部位の症状等をカルテに追加することも可能である。
【0038】
制御部4は、特定された変更領域の画質を変更させる画質変更指示を患者側端末20に出力する。制御部4は、変更領域の画質を、変更領域以外の他の領域の画質よりも高画質とする画質変更指示を出力する。
【0039】
表示装置11は、LCD(Liquid Crystal Display)等であり、各種情報を表示する。
図5は、医師側端末の表示内容の一例を説明する図である。
図5に示すように、表示装置11は、映像表示領域111、情報表示領域112、入力情報表示領域113を有する。
【0040】
映像表示領域111には、患者側端末20から伝送される患者の映像が表示される。上述したように、制御部4から画質変更指示が患者側端末20に出力された場合、患者側端末20は、患者を含む映像データを送信する際に、変更領域が変更領域以外の領域よりも高画質となるように映像データの画質を変更して医師側端末10に送信する。
【0041】
例えば、患者側端末20は、映像データを送信する際にデータサイズを小さくするために圧縮符号化する場合、変更領域の圧縮率を変更領域以外の領域の圧縮率よりも下げることで、変更領域が変更領域以外の領域よりも高画質である映像データとすることができる。これにより、医師が診断に必要な領域を他の領域よりも高画質で表示することができ、画質の劣化による医療サービスへの影響を抑制することが可能となる。
【0042】
情報表示領域112には、カルテ情報(例えば、持病、病歴、検査情報等)、問診情報が表示される。また、情報表示領域112には、対象者関連情報に基づいて特定され、画質が変更された画質変更領域を示す情報が表示される。なお、医師側端末10は、音声解析部をさらに備え、情報表示領域112には、医者と患者との会話を音声認識した内容と関連する情報が表示されてもよい。例えば、患者の「頭が痛い」との音声情報から、所定のバイタルサイン(血圧や心拍数等)を表示することができる。
【0043】
また、情報表示領域112は、医師と患者との会話の音声認識結果を活用して、症状に応じた病名の候補を表示してもよい。また、症状から病名を絞り込んだ後、病名を確定するために、情報表示領域112はどのような質問したらいいかのリコメンド情報を表示してもよい。
【0044】
入力情報表示領域113には、人体を模した図が表示される。上述した人体モデル入力装置で指定位置情報が生成されると、人体を模した図における指定位置情報に応じた部位にマークやアイコン等が表示される。すなわち、入力情報表示領域113は、医者が人体モデル入力装置を押圧した、視診したい患者の身体部位が明確となる表示を行う。
【0045】
撮影装置12は、例えばビデオカメラであり、医師側端末10を使用する医師を撮影することができる。撮影装置12は、所定の撮影範囲(撮影画角)を所定の撮影レートで医者を撮影して、時系列の複数の画像データによって構成される動画データを生成する。
【0046】
記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置13は、情報処理装置1が備える構成要素の各機能を実現するプログラムを記憶している。情報処理装置1がこのプログラムを実行することで、情報処理装置1が備える構成要素の各機能が実現される。
【0047】
記憶装置13は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリを含んでいてもよい。情報処理装置1は、上記プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ上に読み出してから実行しても良いし、メモリ上に読み出さずに実行しても良い。また、記憶装置13は、情報処理装置1が備える構成要素が保持する情報(対象者関連情報等)やデータを記憶する役割も果たす。
【0048】
入力装置14は、医師側端末10の使用者である医師の操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス等である。表示装置11と入力装置14とが一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。また、入力装置14には、上述した人体モデル入力装置が含まれる。
【0049】
通信装置15は、例えば、無線伝送路を介して外部の患者側端末20との間でデータを送受信する。例えば、通信装置15は、医者を含む映像データを患者側端末20へ送信し、患者を含む映像データを患者側端末20から受信する。また、カルテ情報や問診情報等が外部の管理サーバに保存されている場合は、通信装置15はこれらの情報を管理サーバから受信する。
【0050】
音声入力装置16は、例えばマイクであり、医者が発した音声を、音声データとして収集する。撮影装置12により生成された動画データと音声入力装置16により収集された音声データを合成することで、映像データが生成される。すなわち、この映像データには、医者の動作情報と音声データとが含まれる。音声出力装置17は、例えばスピーカーであり、患者側端末20から伝送された患者の映像データに含まれる音声を再生する。
【0051】
取得部2は、音声入力装置16により収集された、医者が発した音声データをさらに取得してもよい。特定部3は、対象者関連情報及び医者が発した音声データの少なくともいずれか1つに基づいて、変更領域を特定することができる。また、対象者の映像データに含まれる音声情報と医者が発した音声データとが取得された場合、特定部3は、医者が発した音声データを優先して、該音声データに基づいて、変更領域を特定してもよい。
【0052】
例えば、患者が「手が痛い」と発言した後に、医師が患者の映像を確認して「右手の人差し指の第1関節が痛いのですね」と発言した場合、特定部3は、医師の音声データに基づき、「右手の人差し指の第1関節」を変更領域として特定することができる。これにより、医師が診断に必要な領域を正確に高画質に変換することが可能となる。
【0053】
また、特定部3は、変更領域の複数の候補を出力する出力手段の機能を果たし得る。例えば、特定部3は、カルテ情報を用いて特定した第1変更領域と、問診情報を用いて特定した第1変更領域と異なる第2変更領域とを、変更領域の候補として出力することができる。情報表示領域112には、これらの候補が表示され得る。
【0054】
医師は、入力装置14を用いて、複数の変更領域の候補から、少なくとも1つの候補を選択することができる。すなわち、入力装置14は、候補の選択を受け付ける受付手段の機能を果たす。制御部4は、選択された候補に対応する領域の画質を変更させる画質変更指示を出力する。これにより、医者自身が、自動的に提示された複数の変更領域の候補から、視診が必要であると考える候補を適宜選択することが可能となる。
【0055】
なお、複数の変更領域の候補は、患者が受診している診療科に応じて絞り込まれてもよい。すなわち、診療科毎に所定の候補が設定されており、この所定の候補に含まれない変更領域の候補を除外することができる。例えば、診療科が「眼科」である場合、眼科の候補には、患者の身体部位の「手の指先」は含まれないものとする。患者が眼科をオンラインで受診しているときに、「手の指先」が変更領域の候補として特定された場合、眼科の候補に含まれない「手の指先」を示す変更領域の候補を除外することができる。
【0056】
また、情報表示領域112に複数の変更領域の候補が表示される場合、優先順位を設けて表示してもよい。例えば、カルテ情報に基づいて、症状の酷い変更領域の候補を最優先として表示することができる。この場合に、該変更領域の候補がなぜ最優先であるかが医師にわかるように、カルテの内容と当該変更領域の候補(患者の異常部位)とを紐づけて、情報表示領域112に表示してもよい。
【0057】
次に、患者側端末20について説明する。
図4に示すように、患者側端末20は、演算装置5、表示装置21、撮影装置22、記憶装置23、入力装置24、通信装置25、音声入力装置26、音声出力装置27を含み、これらはバス28により相互に接続されている。
【0058】
なお、表示装置21、撮影装置22、記憶装置23、入力装置24、通信装置25、音声入力装置26、音声出力装置27は、それぞれ表示装置11、撮影装置12、記憶装置13、入力装置14、通信装置15、音声入力装置16、音声出力装置17と一般的な機能は同一であるため、適宜説明を省略する。
【0059】
演算装置5は、例えばCPUやGPU等の演算処理装置である。演算装置5は、論理的な機能ブロックとしての画質変更処理部6を備える。画質変更処理部6は、医師側端末10からの画質変更指示に従って、患者を含む映像データの画質を変更する。
【0060】
例えば、患者を含む映像データを送信する際に圧縮符号化を行うコーデック部を有している場合、画質変更処理部6は、コーデック部における映像データの圧縮率を変更する。医師側端末10から画質変更指示を受けた場合、変更領域の圧縮率を変更領域以外の領域の圧縮率よりも下げることで、変更領域が変更領域以外の領域よりも高画質である映像データを生成する。これにより、変更領域を高画質にしつつ、伝送される映像データ全体のデータサイズを小さくすることができる。
【0061】
なお、コーデック部では、変更領域の圧縮率である低圧縮率(高解像度の画質)と変更領域以外の圧縮率である高圧縮率(低解像度の画質)の2段階の圧縮率が設定されていてもよい。また、圧縮率の設定は、例えば、変更領域、患者が含まれる領域、背景領域等、3段階以上であってもよい。
【0062】
表示装置21は、LCD等であり、各種情報を表示する。
図6は、患者側端末の表示内容の一例を説明する図である。表示装置21は、映像表示領域211、情報表示領域212、入力情報表示領域213を有する。映像表示領域211には、医師側端末10から伝送される医者を含む映像が表示される。
【0063】
情報表示領域212には、患者への通知情報が表示される。例えば、対象者関連情報に基づいて、患者の映像に基づいて酸素飽和度の測定を行う必要がある場合、情報表示領域212に酸素飽和度の測定を行うことを患者に通知する表示を行うことができる。患者は、この通知から何を測定しているかがわかり、測定に必要な自身の身体部位をなるべく動かさないようにすることができる。
【0064】
入力情報表示領域213には、人体を模した図が表示される。入力情報表示領域113と同様に、上述した人体モデル入力装置で指定位置情報が生成されると、人体を模した図における指定位置情報に応じた部位にマークやアイコン等が表示される。すなわち、入力情報表示領域213には、医者が人体モデル入力装置を押圧した、患者の視診したい部位が明確となるように表示される。患者は、この表示から、医者に視診されている自身の身体部位がわかり、当該部位を動かさないようにすることができる。
【0065】
このように、情報表示領域212、入力情報表示領域213は、画質を変更する変更領域(医師が視診する患者の身体部位)を患者に通知する通知手段の機能を果たす。なお、通知手段の一例として、表示装置21に各種表示を行う例を示したが、これに限定されない。例えば、音声により患者に変更領域を通知することも可能である。
【0066】
撮影装置22は、例えばビデオカメラであり、患者側端末20を使用する患者を撮影することができる。撮影装置22は、所定の撮影範囲(撮影画角)を所定の撮影レートで患者を撮影して、時系列の複数の画像データによって構成される動画データを生成する。
【0067】
記憶装置23は、例えばHDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置23は、演算装置5が備える画質変更処理部6の機能を実現するプログラムを記憶している。演算装置5がこのプログラムを実行することで、画質変更処理部6の機能が実現される。また、記憶装置13と同様に、記憶装置23は、RAMやROM等のメモリを含んでいてもよい。記憶装置13は、画質変更処理部6が映像データの画質を変更する処理を行うために必要なデータ等を記憶する役割も果たす。
【0068】
入力装置24は、患者側端末20の使用者である患者の操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス等である。表示装置21と入力装置24とが一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
【0069】
通信装置25は、例えば無線伝送路を介して外部の医師側端末10との間でデータを送受信する。例えば、医者を含む映像データ、患者を含む映像データは通信装置25を介して伝送される。また、画質変更指示を受けた場合は、通信装置25は、患者を含む映像データのうち変更領域の画質が変更領域以外の画質よりも高い映像データを医師側端末10へ伝送する。
【0070】
音声入力装置26は、例えばマイクであり、患者が発した音声を収集する。撮影装置22により生成された動画データと音声入力装置26により収集された音声情報を合成することで、映像データが生成される。すなわち、この映像データには、患者の動作情報と音声情報とが含まれる。音声出力装置27は、例えばスピーカーであり、医師側端末10から伝送された医者の映像データに含まれる音声を再生する。
【0071】
ここで、
図7を参照して、実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。まず、患者側端末20は、医師側端末10に患者を含む映像データを送信する(S10)。医師側端末10の取得部2は、患者を含む映像データと当該患者の対象者関連情報とを取得する(S11)。そして、特定部3は、対象者関連情報に基づいて、映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する(S12)。
【0072】
そして、制御部4は、特定された変更領域の画質を変更させる画質変更指示を生成し、通信装置15を介して患者側端末20に出力する(S13)。具体的には、制御部4は、変更領域の画質を、変更領域以外の他の領域の画質よりも高画質とする画質変更指示を出力する。例えば、制御部4は、患者側端末20の撮影装置22により生成された映像データを医師側端末10に送信する際に、変更領域の圧縮率を変更領域以外の領域の圧縮率よりも下げて、変更領域を高画質に変更させる画質変更指示を生成することができる。
【0073】
患者側端末20の画質変更処理部6は、画質変更指示に基づいて、患者を含む映像データのうち、特定された変更領域の画質を変更する(S15)。より詳細には、画質変更処理部6は、患者を含む映像データのうち、変更領域の画質が変更領域以外の画質よりも高い画像データを生成する。画質変更処理部6は、撮影装置22により生成された映像データを医師側端末10に送信する際に、変更領域の圧縮率を変更領域以外の領域の圧縮率よりも下げて、変更領域を高画質とする。
【0074】
生成された画像データは、通信装置25を介して医師側端末10へ送信される(ステップS16)。医師側端末10の表示装置11は、変更領域の画質が変更領域以外の画質よりも高い画像を表示する(ステップS17)。これにより、変更領域、すなわち、医師が診断を行うために必要な領域の映像を自動的に明瞭とすることができる。
【0075】
以上説明したように、実施の形態によれば、カルテに記載された過去の診療情報や、受診時に患者が記入した問診票の情報、患者を含む映像データに含まれる情報等、診察に必要となる情報である対象者関連情報から、視診すべき領域を特定し、当該領域を自動で高画質にすることが可能となる。これにより、医師が視診したい領域の映像を明瞭に表示することができ、医療サービスへの向上を図ることが可能となる。
【0076】
また、全ての映像データを圧縮せずに伝送する場合や全ての映像データを一定の圧縮率で圧縮して伝送する場合と比較して、ネットワークNのトラヒックの増大を防止しながら、視診すべき領域を良好な画質で確認することが可能となる。
【0077】
なお、
図3に示す例では、情報処理システム100が情報処理装置1を含む例を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、データセンター等に設置されたサーバとして実現することも可能である。患者側端末20からの患者を含む画像データは、該サーバに送信され、サーバが上述した画質変更指示を生成する処理を実行する。また、サーバからの画質変更指示は、患者側端末20に送信され、患者側端末20で変更領域の画質を他の領域よりも高画質とした映像データを、医師側端末10に送信することができる。
【0078】
なお、図面に記載された様々な処理を行う各機能ブロックは、ハードウェア的には、プロセッサ、メモリ、その他の回路で構成することができる。また、上述した処理を、プロセッサにプログラムを実行させることにより実現することも可能である。従って、これらの機能ブロックは、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
【0079】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0080】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0081】
また、上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0082】
(付記1)
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、
特定された前記変更領域の画質を変更する画質変更手段と、
を備える、
情報処理システム。
(付記2)
前記対象者関連情報に基づいて、前記変更領域の複数の候補を出力する出力手段と、
複数の前記候補から、少なくとも1つの候補の選択を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記画質変更手段は、選択された候補に対応する領域の画質を変更する、
付記1に記載の情報処理システム。
(付記3)
前記対象者関連情報は、前記対象者のカルテ情報、前記対象者の問診情報、前記映像データに含まれる前記対象者の音声情報及び前記映像データに含まれる前記対象者の動作情報の少なくとも一つである、
付記1又は2に記載の情報処理システム。
(付記4)
前記取得手段は、医療サービスを提供する提供者の音声データをさらに取得し、
前記特定手段は、前記対象者関連情報及び前記音声データの少なくともいずれか1つに基づいて、前記変更領域を特定する、
付記3に記載の情報処理システム。
(付記5)
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記提供者の前記音声データとが取得された場合、前記提供者の前記音声データを優先して、該音声データに基づいて、前記映像データにおける画質を変更する領域を特定する、
付記4に記載の情報処理システム。
(付記6)
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記動作情報とが取得された場合、前記音声情報と前記動作情報の両方に基づいて、前記変更領域を特定する、
付記3に記載の情報処理システム。
(付記7)
人体を模した入力手段をさらに備え、
前記対象者関連情報は、前記入力手段から入力される前記人体における指定位置情報を含む、
付記3に記載の情報処理システム。
(付記8)
双方向通信を行う第1端末と、第2端末とをさらに備え、
前記第1端末は、前記対象者を撮影し、前記映像データを生成する撮影手段を備え、
前記第2端末は、前記第1端末により生成された前記映像データのうち前記変更領域の画質が変更された映像を表示する表示手段を備える、
付記1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
(付記9)
前記画質変更手段は、前記撮影手段により生成された前記映像データの圧縮率を制御して、前記変更領域の画質を変更する、
付記8に記載の情報処理システム。
(付記10)
前記第1端末は、前記特定手段により特定された前記変更領域を、前記対象者に通知する通知手段をさらに備える、
付記8に記載の情報処理システム。
(付記11)
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する取得手段と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する特定手段と、
特定された前記変更領域の画質を変更させる画質変更指示を出力する制御手段と、
を備える、
情報処理装置。
(付記12)
前記対象者関連情報に基づいて、前記変更領域の複数の候補を出力する出力手段と、
複数の前記候補から、少なくとも1つの候補の選択を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記制御手段は、選択された候補に対応する領域の画質を変更させる前記画質変更指示を出力する、
付記11に記載の情報処理装置。
(付記13)
前記対象者関連情報は、前記対象者のカルテ情報、前記対象者の問診情報、前記映像データに含まれる前記対象者の音声情報及び前記映像データに含まれる前記対象者の動作情報の少なくとも一つである、
付記11又は12に記載の情報処理装置。
(付記14)
前記取得手段は、医療サービスを提供する提供者の音声データをさらに取得し、
前記特定手段は、前記対象者関連情報及び前記音声データの少なくともいずれか1つに基づいて、前記変更領域を特定する、
付記13に記載の情報処理装置。
(付記15)
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記提供者の前記音声データとが取得された場合、前記提供者の前記音声データを優先して、該音声データに基づいて、前記映像データにおける画質を変更する領域を特定する、
付記14に記載の情報処理装置。
(付記16)
前記特定手段は、前記対象者の前記音声情報と前記動作情報とが取得された場合、前記音声情報と前記動作情報の両方に基づいて、前記変更領域を特定する、
付記13に記載の情報処理装置。
(付記17)
人体を模した入力手段をさらに備え、
前記対象者関連情報は、前記入力手段から入力される前記人体における指定位置情報を含む、
付記13に記載の情報処理装置。
(付記18)
前記取得手段は、外部の撮影手段によって前記対象者を撮影して生成された前記映像データを、ネットワークを介して取得し、
前記撮影手段により生成された前記映像データのうち、前記制御手段による前記画質変更指示に従って、前記変更領域の画質が変更された映像を表示する表示手段をさらに備える、
付記11~17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記19)
前記制御手段は、前記撮影手段により生成された前記映像データの圧縮率を制御して、前記変更領域の画質を変更させる前記画質変更指示を生成する、
付記18に記載の情報処理装置。
(付記20)
前記制御手段は、前記特定手段により特定された前記変更領域を、前記対象者に通知させる通知指示をさらに出力する、
付記18に記載の情報処理装置。
(付記21)
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得し、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定し、
特定された前記変更領域の画質を変更する、
情報処理方法。
(付記22)
医療サービスを受ける対象者を含む映像データと、該映像データに含まれる前記対象者に関する対象者関連情報を取得する処理と、
前記対象者関連情報に基づいて、前記映像データにおける画質を変更する変更領域を特定する処理と、
特定された前記変更領域の画質を変更する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理装置
2 取得部
3 特定部
4 制御部
5 演算装置
6 画質変更処理部
10 医師側端末
11 表示装置
12 撮影装置
13 記憶装置
14 入力装置
15 通信装置
16 音声入力装置
17 音声出力装置
18 バス
20 患者側端末
21 表示装置
22 撮影装置
23 記憶装置
24 入力装置
25 通信装置
26 音声入力装置
27 音声出力装置
28 バス
100 情報処理システム
101 取得手段
102 特定手段
103 画質変更手段
111 映像表示領域
112 情報表示領域
113 入力情報表示領域
211 映像表示領域
212 情報表示領域
213 入力情報表示領域
N ネットワーク