(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】単位セルの製造装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240509BHJP
H01M 50/46 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/403 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/449 20210101ALI20240509BHJP
H01M 10/058 20100101ALN20240509BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20240509BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/46
H01M50/403 D
H01M50/403 C
H01M50/403 A
H01M50/449
H01M10/058
H01M10/052
(21)【出願番号】P 2022554430
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2021003723
(87)【国際公開番号】W WO2021194282
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0036393
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0008932
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クォン、スーン クァン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ス テク
(72)【発明者】
【氏名】ベ、サン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、タイ ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、セオン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ジュ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ジュン
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/054801(WO,A1)
【文献】特開2012-160352(JP,A)
【文献】特表2013-544430(JP,A)
【文献】特表2017-536677(JP,A)
【文献】特開2009-009919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/39
H01M 4/00- 4/62
H01M50/40-50/489
H01G11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中央電極が形成される中央電極シートが巻き出される中央電極リールと、
前記中央電極と積層されるセパレータシートが巻き出されるセパレータリールと、
複数の前記中央電極が前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置され、前記セパレータシートと積層されて形成される積層体をラミネートするラミネータと、
ラミネートされた前記積層体の最上層に配置された前記セパレータシートの上面に接着剤を塗布する第1ノズルと、
前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に積層される複数の上部電極が形成される、上部電極シートが巻き出される上部電極リールと、
前記積層体の下面に積層される複数の下部電極が形成される、下部電極シートが巻き出される下部電極リールを含む、単位セルの製造装置。
【請求項2】
前記中央電極が前記セパレータシートと積層される前に、前記中央電極の上方に配置され、前記中央電極を撮影する第1ビジョンセンサをさらに含む、請求項1に記載の単位セルの製造装置。
【請求項3】
前記上部電極が前記積層体と積層される前に、前記上部電極の上方に配置され、前記上部電極を撮影する第2ビジョンセンサをさらに含む、請求項2に記載の単位セルの製造装置。
【請求項4】
前記ラミネータは、
回転しつつ前記積層体に熱および圧力を印加する加熱ローラを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の単位セルの製造装置。
【請求項5】
前記ラミネータは、
前記積層体の全面に熱および圧力を印加するヒータをさらに含む、請求項4に記載の単位セルの製造装置。
【請求項6】
前記セパレータリールは、
前記中央電極の上面に積層される上部セパレータシートが巻き出される上部セパレータリールと、
前記中央電極の下面に積層される下部セパレータシートが巻き出される下部セパレータリールと、を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セルの製造装置。
【請求項7】
前記下部電極の上面に接着剤を塗布する第2ノズルをさらに含む、請求項1に記載の単位セルの製造装置。
【請求項8】
前記下部電極が前記積層体と積層される前に、前記下部電極の上方に配置され、前記下部電極を撮影する第3ビジョンセンサをさらに含む、請求項7に記載の単位セルの製造装置。
【請求項9】
複数の中央電極が形成される中央電極シートが巻き出される中央電極リールと、
前記中央電極と積層されるセパレータシートが巻き出されるセパレータリールと、
複数の前記中央電極が前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置され、前記セパレータシートと積層されて形成される積層体をラミネートするラミネータと、
ラミネートされた前記積層体の最上層に配置された前記セパレータシートの上面に接着剤を塗布する第1ノズルと、
前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に積層される複数の上部電極が形成される、上部電極シートが巻き出される上部電極リールと、を含み、
前記セパレータリールは、
前記中央電極の上面に積層される上部セパレータシートが巻き出される上部セパレータリールと、
前記中央電極の下面に積層される下部セパレータシートが巻き出される下部セパレータリールと、を含み、
前記上部セパレータシートは、
第1基材層と、
前記第1基材層の上面にコーティングされ、前記接着剤が塗布され、前記上部電極と接合される第1コーティング層と、を含み、
前記下部セパレータシートは、
第2基材層と、
前記第2基材層の上面にコーティングされ、前記中央電極と接合される第2コーティング層と、を含み、
前記第1コーティング層のバインダーの含量は、前記第2コーティング層のバインダーの含量よりも低い
、単位セルの製造装置。
【請求項10】
前記第1コーティング層のバインダーの含量は2wt%~3wt%である、請求項9に記載の単位セルの製造装置。
【請求項11】
前記第2コーティング層は、バインダーの含量が10wt%~20wt%であり、SRS(Safety Reinforced Separator)コーティング層である、請求項9または10に記載の単位セルの製造装置。
【請求項12】
前記上部セパレータシートは、
前記接着剤が塗布され、前記上部電極と接合される第1基材層を含み、
前記下部セパレータシートは、
第2基材層と、
前記第2基材層の上面にコーティングされ、前記中央電極と接合されるコーティング層と、を含む、請求項6に記載の単位セルの製造装置。
【請求項13】
複数の中央電極が形成される中央電極シートが巻き出される中央電極リールと、
前記中央電極と積層されるセパレータシートが巻き出されるセパレータリールと、
複数の前記中央電極が前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置され、前記セパレータシートと積層されて形成される積層体をラミネートするラミネータと、
ラミネートされた前記積層体の最上層に配置された前記セパレータシートの上面に接着剤を塗布する第1ノズルと、
前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に積層される複数の上部電極が形成される、上部電極シートが巻き出される上部電極リールと、を含み、
前記第1ノズルは、前記セパレータシートの幅方向に沿って離隔して複数備えられ、
複数の前記第1ノズルは、前記接着剤の噴射周期、噴射面積、または噴射量のうち少なくとも1つが互いに異なる、単位セルの製造装置。
【請求項14】
中央電極リールから巻き出された中央電極シートを切断して複数の中央電極を形成するステップと、
セパレータリールから巻き出されたセパレータシートに、複数の前記中央電極を前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置して積層することで、積層体を形成するステップと、
前記積層体をラミネータによりラミネートするステップと、
前記積層体の最上層に配置されたセパレータシートの上面に第1ノズルが接着剤を塗布するステップと、
上部電極リールから巻き出された上部電極シートを切断して複数の上部電極を形成するステップと、
前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に、前記複数の上部電極を積層するステップと、
を含
み、
前記上部電極を形成するステップが行われる際に、
下部電極リールから巻き出された下部電極シートを切断して複数の下部電極を形成するステップも行われ、
前記上部電極を積層するステップが行われる際に、
前記積層体の下面に、複数の前記下部電極を積層するステップも行われる、単位セルの製造方法。
【請求項15】
前記積層体を形成するステップ以前に、
前記中央電極の上方に配置された第1ビジョンセンサが、前記中央電極を撮影するステップをさらに含む、請求項14に記載の単位セルの製造方法。
【請求項16】
前記上部電極を積層するステップ以前に、
前記上部電極の上方に配置された第2ビジョンセンサが、前記上部電極を撮影するステップをさらに含む、請求項14または15に記載の単位セルの製造方法。
【請求項17】
前記ラミネートするステップは、
加熱ローラが回転しつつ前記積層体に熱および圧力を印加するステップを含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項18】
前記ラミネートするステップは、
前記加熱ローラが熱および圧力を印加する前に、ヒータが前記積層体の全面に熱および圧力を印加するステップをさらに含む、請求項17に記載の単位セルの製造方法。
【請求項19】
前記積層体の上面に接着剤を塗布するステップが行われる際に、
前記下部電極の上面にも第2ノズルが接着剤を塗布するステップも行われる、請求項
14に記載の単位セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月25日付けの韓国特許出願第10-2020-0036393号および2021年01月21日付けの韓国特許出願第10-2021-0008932号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、単位セルの製造装置および方法に関し、より詳しくは、中央電極とセパレータが積層されて形成された積層体に上部電極を積層する際に、上部電極の位置が離脱するのを防止することができる単位セルの製造装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、およびリチウムイオンポリマー電池などが挙げられる。このような二次電池は、デジタルカメラ、P-DVD、MP3P、携帯電話、PDA、携帯ゲーム機(Portable Game Device)、パワーツール(Power Tool)、およびE-バイク(E-bike)などの小型製品だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が求められる大型製品と、余剰の発電電力や再生可能エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置と、バックアップ用電力貯蔵装置にも適用されて用いられている。
【0004】
このような二次電池を製造するために、先ず、電極活物質スラリーを正極集電体および負極集電体に塗布して正極および負極を製造し、それをセパレータ(Separator)の両側に積層することで、所定形状の電極組立体を形成する。そして、電池ケースに電極組立体を収納し、電解液の注入後にシールする。
【0005】
電極組立体は、多様な種類に分類される。例えば、単位セルを製造せず、単純に正極、セパレータ、負極を交差して積層し続ける単純スタック型(Simple Stack Type)、正極、セパレータ、負極を用いて単位セルを先に製造した後、このような単位セルを積層するラミネーション&スタック型(L&S、Lamination & Stack Type)、長さが一側に長いセパレータシートの一面に複数の電極または単位セルを離隔させて付着し、セパレータシートを一端から同一の方向に繰り返しフォールディングしていくスタック&フォールディング型(S&F、Stack & Folding Type)、長さが一側に長いセパレータシートの一面と他面に複数の電極または単位セルをそれぞれ交互に付着し、セパレータシートを一端から特定の方向にフォールディングした後に反対方向にフォールディングする方式を交互に繰り返すZ-フォールディング型(Z-Folding Type)などが挙げられる。
【0006】
中でも、ラミネーション&スタック型(L&S、Lamination & Stack Type)電極組立体を製造するためには、先ず、単位セルを製造しなければならない。一般的に、単位セルを製造するためには、中央電極がコンベヤーベルトなどにより一側に移動する間に、中央電極の上下面にそれぞれセパレータが積層され、その後、最上端に上部電極がさらに積層される。そして、場合によっては、最下端に下部電極がさらに積層されてもよい。そして、電極とセパレータが積層された積層体に熱および圧力を印加するラミネート工程が行われる。このようなラミネート工程を行うことで、電極とセパレータとの間が接着され、単位セルが堅固に形成されることができる。
【0007】
ところで、従来は、下部セパレータ、中央電極、上部セパレータ、および上部電極がいずれも積層された後にラミネート工程を行った。したがって、全体厚さが厚くなった状態であるため、熱が積層体の内部まで伝達されず、接着力が低下するという問題があった。特に、最も内部に位置した中央電極と上部セパレータとの間の境界面での接着力が低下し、そこで、電極とセパレータが互いに接着されず、電極が定位置から離脱するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第2014-0022620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、中央電極とセパレータシートに積層されて形成された積層体に上部電極を積層する際に、上部電極の位置が離脱するのを防止することができる単位セルの製造装置および方法を提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の実施形態に係る単位セルの製造装置は、複数の中央電極が形成される中央電極シートが巻き出される中央電極リールと、前記中央電極と積層されるセパレータシートが巻き出されるセパレータリールと、複数の前記中央電極が前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置され、前記セパレータシートと積層されて形成される積層体をラミネートするラミネータと、ラミネートされた前記積層体の最上層に配置されたセパレータシートの上面に接着剤を塗布する第1ノズルと、前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に積層される複数の上部電極が形成される、上部電極シートが巻き出される上部電極リールと、を含む。
【0012】
また、前記中央電極が前記セパレータシートと積層される前に、前記中央電極の上方に配置され、前記中央電極を撮影する第1ビジョンセンサをさらに含むことができる。
【0013】
また、前記上部電極が前記積層体と積層される前に、前記上部電極の上方に配置され、前記上部電極を撮影する第2ビジョンセンサをさらに含むことができる。
【0014】
また、前記ラミネータは、回転しつつ前記積層体に熱および圧力を印加する加熱ローラを含むことができる。
また、前記ラミネータは、前記積層体の全面に熱および圧力を印加するヒータをさらに含むことができる。
【0015】
また、前記セパレータリールは、前記中央電極の上面に積層される上部セパレータシートが巻き出される上部セパレータリールと、前記中央電極の下面に積層される下部セパレータシートが巻き出される下部セパレータリールと、を含むことができる。
【0016】
また、前記積層体の下面に積層される複数の下部電極が形成される、下部電極シートが巻き出される下部電極リールをさらに含むことができる。
また、前記下部電極の上面に接着剤を塗布する第2ノズルをさらに含むことができる。
【0017】
また、前記下部電極が前記積層体と積層される前に、前記下部電極の上方に配置され、前記下部電極を撮影する第3ビジョンセンサをさらに含むことができる。
また、前記上部電極が前記積層体と積層されると、回転しつつ前記上部電極および前記積層体に圧力を印加するニップローラをさらに含むことができる。
【0018】
また、前記第1ノズルは、前記セパレータシートの幅方向に離隔して複数備えられることができる。
また、複数の前記第1ノズルは、前記接着剤の噴射周期、噴射面積、または噴射量のうち少なくとも1つが互いに異なってもよい。
【0019】
また、前記上部セパレータシートは、第1基材層と、前記第1基材層の上面にコーティングされ、前記接着剤が塗布され、前記上部電極と接合される第1コーティング層と、を含むことができる。前記下部セパレータシートは、第2基材層と、前記第2基材層の上面にコーティングされ、前記中央電極と接合される第2コーティング層と、を含むことができる。前記第1コーティング層のバインダーの含量は、前記第2コーティング層のバインダーの含量よりも低くてもよい。
【0020】
また、前記第1コーティング層のバインダーの含量は2wt%~3wt%であってもよい。
前記第2コーティング層は、バインダーの含量が10wt%~20wt%であり、SRS(Safety Reinforced Separator)コーティング層であってもよい。
【0021】
また、前記上部セパレータシートは、前記接着剤が塗布され、前記上部電極と接合される第1基材層を含むことができる。前記下部セパレータシートは、第2基材層と、前記第2基材層の上面にコーティングされ、前記中央電極と接合されるコーティング層と、を含むことができる。
【0022】
上記の課題を解決するための本発明の実施形態に係る単位セルの製造方法は、中央電極リールから巻き出された中央電極シートを切断して複数の中央電極を形成するステップと、セパレータリールから巻き出されたセパレータシートに、複数の前記中央電極を前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置して積層することで、積層体を形成するステップと、前記積層体をラミネータによりラミネートするステップと、前記積層体の最上層に配置されたセパレータシートの上面に第1ノズルが接着剤を塗布するステップと、上部電極リールから巻き出された上部電極シートを切断して複数の上部電極を形成するステップと、前記接着剤が塗布された前記積層体の上面に、複数の上部電極を積層するステップと、を含む。
【0023】
また、前記積層体を形成するステップ以前に、前記中央電極の上方に配置された第1ビジョンセンサが、前記中央電極を撮影するステップをさらに含むことができる。
【0024】
また、前記上部電極を積層するステップ以前に、前記上部電極の上方に配置された第2ビジョンセンサが、前記上部電極を撮影するステップをさらに含むことができる。
【0025】
また、前記上部電極を積層するステップは、前記積層体の上面に、複数の前記上部電極を前記セパレータシートの長さ方向に一列に離隔配置して積層することができる。
【0026】
また、前記ラミネートするステップは、加熱ローラが回転しつつ前記積層体に熱および圧力を印加するステップを含むことができる。
また、前記ラミネートするステップは、前記加熱ローラが熱および圧力を印加する前に、ヒータが前記積層体の全面に熱および圧力を印加するステップをさらに含むことができる。
【0027】
また、前記上部電極を形成するステップが行われる際に、下部電極リールから巻き出された下部電極シートを切断して複数の下部電極を形成するステップも行われ、前記上部電極を積層するステップが行われる際に、前記積層体の下面に、複数の前記下部電極を積層するステップも行われることができる。
【0028】
また、前記積層体の上面に接着剤を塗布するステップが行われる際に、前記下部電極の上面にも第2ノズルが接着剤を塗布するステップも行われることができる。
【0029】
また、前記積層体の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、前記接着剤が塗布される領域は、前記上部電極のエッジ部のうち少なくとも一部に対応することができる。
【0030】
また、前記積層体の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、前記接着剤が塗布される領域は、前記上部電極の4つの頂点に対応する領域を含むことができる。
【0031】
また、前記積層体の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、前記接着剤が塗布される領域は、前記積層体の移動方向と平行な複数の列をなすことができる。
【0032】
また、いずれか1つの列における前記接着剤が塗布された領域間の間隔は、他の1つの列における前記接着剤が塗布された領域間の間隔よりもさらに狭くてもよい。
【0033】
また、いずれか1つの列における前記接着剤が塗布された各領域の大きさは、他の1つの列における前記接着剤が塗布された各領域の大きさよりも小さくてもよい。
【0034】
また、前記いずれか1つの列は、前記積層体の幅方向に対して前記他の1つの列よりもさらに外側に位置することができる。
また、前記いずれか1つの列は、前記上部電極の電極タブに対応することができる。
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0035】
本発明の実施形態によると、少なくとも次のような効果を有する。
中央電極とセパレータが積層されて形成された積層体にラミネート工程を先に行った後に上部電極を積層するため、ラミネート工程において熱が積層体の内部まで伝達され、電極とセパレータとの間の接着力が低下する問題を防止することができる。
【0036】
また、ラミネート工程を行った積層体の上面に、接着剤を塗布した後に上部電極を積層するため、上部電極の位置が離脱するのを防止することができる。
【0037】
本発明に係る効果は以上で例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施形態に係る単位セルの製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置を詳しく示した側面概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る上部セパレータシートの断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る下部セパレータシートの断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るノズルを示した図である。
【
図7】
図3の上部セパレータシートと上部電極との間の接着剤による接着領域を示した図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る単位セルの製造装置の概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係る単位セルの製造装置を詳しく示した側面概略図である。
【
図10】本発明の他の実施形態に係るノズルを示した図である。
【
図11】
図9の上部セパレータシートと上部電極との間の接着剤による接着領域を示した図である。
【
図12】本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置の概略図である。
【
図13】本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置を詳しく示した側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付図面とともに詳細に後述している実施形態を参照すると明らかになるであろう。ただし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現できるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によって定義されるだけである。明細書の全体にわたって、同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0040】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に共通に理解できる意味として用いられてもよい。また、一般的に用いられる辞書に定義されている用語は、明らかに特に定義していない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。
【0041】
本明細書で用いられた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、語句で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素の他に、1つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除するものではない。
【0042】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明することにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る単位セルの製造方法のフローチャートである。
【0043】
本発明の一実施形態によると、中央電極1112とセパレータ12が積層されて形成された積層体20にラミネート工程を先に行った後に上部電極1122を積層するため、ラミネート工程において熱が積層体20の内部まで伝達され、電極11とセパレータ12との間の接着力が低下する問題を防止することができる。また、ラミネート工程を行った積層体20の上面に、接着剤を塗布した後に上部電極1122を積層するため、上部電極1122の位置が離脱するのを防止することができる。
【0044】
このために、本発明の一実施形態に係る単位セルの製造方法は、中央電極リール111から巻き出された中央電極シート1111を切断して複数の中央電極1112を形成するステップ(S101)と、セパレータリール121、122から巻き出されたセパレータシート1211、1221に、複数の前記中央電極1112を前記セパレータシート1211、1221の長さ方向に一列に離隔配置して積層することで、積層体20を形成するステップ(S102)と、前記積層体20をラミネータによりラミネートするステップ(S103)と、前記積層体20の最上層に配置されたセパレータシート1211、1221の上面に第1ノズル14が接着剤を塗布するステップ(S104)と、上部電極リール112から巻き出された上部電極シート1121を切断して複数の上部電極1122を形成するステップと、前記接着剤が塗布された前記積層体20の上面に、複数の上部電極1122を積層するステップ(S105)と、を含む。
【0045】
以下、
図1のフローチャートに示された各ステップについて
図2および
図3を参照して具体的に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置1の概略図である。
【0046】
本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置1は、
図2に示されたように、複数の中央電極1112が形成される中央電極シート1111が巻き出される中央電極リール111と、前記中央電極1112と積層されるセパレータシート1211、1221が巻き出されるセパレータリール121、122と、複数の前記中央電極1112が前記セパレータシート1211、1221の長さ方向に一列に離隔配置され、前記セパレータシート1211、1221と積層されて形成される積層体20をラミネートするラミネータと、ラミネートされた前記積層体20の最上層に配置されたセパレータシート1211、1221の上面に接着剤を塗布する第1ノズル14と、前記接着剤が塗布された前記積層体20の上面に積層される複数の上部電極1122が形成される、上部電極シート1121が巻き出される上部電極リール112と、を含む。そして、前記セパレータリール121、122は、前記中央電極1112の上面に積層される上部セパレータシート1211が巻き出される上部セパレータリール121と、前記中央電極1112の下面に積層される下部セパレータシート1221が巻き出される下部セパレータリール122と、を含むことができる。
【0047】
中央電極リール111は、中央電極シート1111が巻き取られたリールであり、中央電極シート1111が前記中央電極リール111から巻き出される。すると、このような中央電極シート1111を切断して中央電極1112を形成する。電極シート1111、1121は、電極集電体上に電極活物質、導電材、およびバインダーのスラリーを塗布した後、それを乾燥し、プレスして製造することができる。
【0048】
上部セパレータリール121および下部セパレータリール122は、セパレータシート1211、1221が巻き取られたリールである。そして、上部セパレータリール121から巻き出された上部セパレータシート1211は、前記中央電極シート1111が切断されて形成された中央電極1112の上面に積層され、下部セパレータリール122から巻き出された下部セパレータシート1221は、中央電極1112の下面に積層される。それにより、下部セパレータシート1221、中央電極1112、および上部セパレータシート1211が順に積層された積層体20が形成される。このような積層体20は、セパレータシート1211、1221に複数の中央電極1112をセパレータシート1211、1221の長さ方向に一列に離隔配置して積層することで形成される。
【0049】
ラミネータは、中央電極1112およびセパレータ12が積層されて形成された前記積層体20の全面をラミネートする。ラミネートとは、積層体20に熱および圧力を印加し、中央電極1112とセパレータ12を接着させることを指す。ラミネータは、
図2に示されたように、前記積層体20の全面に熱および圧力を印加するヒータ15と、回転しつつ前記積層体20に圧力を印加する加熱ローラ16と、を含むことができる。
【0050】
ヒータ15は、上部ヒータ151と下部ヒータ152とから形成され、それぞれ前記積層体20の上面および下面の全面に熱および圧力を印加することができる。このようなヒータ15は、積層体20と接触する面、すなわち、上部ヒータ151の下面および下部ヒータ152の上面が概して平たく形成されることができる。それにより、積層体20の全面に熱および圧力を均一に印加することができる。
【0051】
ヒータ15が積層体20に熱および圧力を印加した後、加熱ローラ16が回転しつつ積層体20に熱および圧力を印加することができる。一般的に、単に平たい面で圧力を印加するヒータ15よりは、回転しつつ圧力を印加する加熱ローラ16が、印加する圧力がさらに大きい。したがって、ヒータ15が積層体20に熱および圧力を印加した後、加熱ローラ16が積層体20にヒータ15よりもさらに大きい熱および圧力を印加することで、積層体20に印加される熱および圧力が段階的に増加することができる。すなわち、前記積層体20が急激な温度および圧力の変化により内部が損傷するのを防止しながらも、積層体20をさらに強くラミネートすることができる。
【0052】
ノズル14は、ラミネートされた前記積層体20の上面に接着剤を塗布する。この際、積層体20の最上層には上部セパレータシート1211が積層されているため、接着剤は、上部セパレータシート1211の上面に塗布される。
【0053】
ノズル14は、セパレータシート1211、1221の幅方向に沿って互いに離隔して複数備えられることができる。したがって、上部セパレータシート1211の上面のうち互いに異なる領域に同時に接着剤を塗布することができる。したがって、ノズル14による接着剤の塗布作業が速かに行われることができる。
【0054】
例えば、複数のノズル14のうち一部は、上部セパレータシート1211の幅方向の両エッジの近辺に接着剤を塗布し、他の一部は、上部セパレータシート1211の中央の近辺に接着剤を塗布することができる。
【0055】
複数のノズル14から噴射される接着剤の噴射速度、噴射量、噴射面積などは個別的に調節されることができる。複数の前記第1ノズル14は、接着剤の噴射周期、噴射面積、または噴射量のうち少なくとも1つが互いに異なるように調節されることができる。
【0056】
前記接着剤は、積層体20の上面に均一に塗布されることが好ましい。ところで、積層体20の上面の全面に全て接着剤を塗布すると、接着剤の塗布量が過度に多くなり得る。それにより、接着剤が積層体20の外側に流動して他部分を汚染させ得、二次電池が製造された際に電力を生産する機能が円滑でないことがある。したがって、接着剤は、積層体20の上面に、点の形態で塗布するスポット塗布方式、または線の形態で塗布するライン塗布方式で塗布されることができる。
【0057】
これに対し、接着剤の塗布量が過度に少ないと、積層体20が移動し、依然として上部電極1122が積層体20に固定されず、上部電極1122が定位置から離脱し得る。したがって、接着剤が塗布される領域の間隔が過度に広くないことが好ましい。
【0058】
一方、接着剤は、セパレータ12が電解液に含浸されるとしても接着性を維持しなければならない。したがって、化学的な原因で変性しない、耐食性の性質を有することが好ましい。このような接着剤は、ホットメルト接着剤として、変性オレフィン系熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
【0059】
上部電極リール112は、上部電極シート1121が巻き取られたリールであり、上部電極シート1121が上部電極リール112から巻き出される。そして、上部電極シート1121が切断され、複数の上部電極1122が形成され、このような複数の上部電極1122は、前記接着剤が塗布された積層体20の上面に積層される。この際、積層体20の上面に、複数の上部電極1122をセパレータシート1211、1221の長さ方向に一列に離隔配置して積層することができる。上部電極1122および中央電極1112は、大きさが互いに異なるため、離隔する間隔が異なってもよい。ただし、上部電極1122および中央電極1112は、いずれも中心が一致するように整列して配置されることが好ましい。
【0060】
このような単位セルの製造装置1を用いて、本発明の一実施形態に係る単位セルの製造方法を次のように行うことができる。
図2に示されたように、先ず、中央電極シート1111が中央電極リール111から巻き出されると、第1カッタ131が中央電極シート1111を切断する(S101)。すると、複数の中央電極1112が形成される。そして、上部セパレータリール121から上部セパレータシート1211が巻き出され、中央電極1112の上面に積層され、下部セパレータリール122から下部セパレータシート1221が巻き出され、中央電極1112の下面に積層されることで、積層体20が形成される(S102)。この際、下部セパレータシート1221、中央電極1112、および上部セパレータシート1211が互いに容易かつ強力に接着されるために、第1ニップロール181が積層体20の両面にそれぞれ配置され、回転しつつ積層体20に圧力を印加してもよい。
【0061】
積層体20を形成した後には、ラミネータが積層体20をラミネートする(S103)。前述したように、ラミネータは、ヒータ15および加熱ローラ16を含み、ラミネート時には、ヒータ15が積層体20の全面に熱および圧力を印加した後、加熱ローラ16が回転しつつ前記積層体20に熱および圧力を印加することができる。
【0062】
ラミネート工程が完了すると、第2カッタ132が積層体20を一定間隔で切断し、切断された積層体20の上面にノズル14が接着剤を塗布する(S104)。一方、上部電極シート1121が上部電極リール112から巻き出されると、第3カッタ133が上部電極シート1121を切断し、上部電極1122が形成される。そして、前記上部電極1122が、接着剤が塗布された積層体20の上面に積層される(S105)。それにより、下部セパレータシート1221、中央電極1112、上部セパレータシート1211、および上部電極1122が順に積層された単位セル2が製造される。この際、上部電極1122および積層体20が互いに容易かつ強力に接着されるために、第2ニップロール182が上部電極1122および積層体20の両面にそれぞれ配置され、回転しつつ上部電極1122および積層体20に圧力を印加してもよい。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置1を詳しく示した側面概略図である。
本発明の一実施形態に係る単位セルの製造装置1は、
図3に示されたように、前記中央電極1112が前記セパレータシート1211、1221と積層される前に、前記中央電極1112の上方に配置され、前記中央電極1112を撮影する第1ビジョンセンサ171と、前記上部電極1122が前記積層体20と積層される前に、前記上部電極1122の上方に配置され、前記上部電極1122を撮影する第2ビジョンセンサ172と、をさらに含むことができる。
【0064】
第1および第2ビジョンセンサ171、172は、特定の領域を撮影し、特定の領域に対するイメージ信号を受信することで画像を取得する。このために、一般的に、ビジョンセンサには、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子が含まれる。特に、本発明の一実施形態に係る第1および第2ビジョンセンサ171、172は、それぞれ中央電極1112および上部電極1122を撮影して画像を取得することができる。
【0065】
一方、図面には示されていないが、単位セルの製造装置1は、このような中央電極1112および上部電極1122の画像を介して、中央電極1112および上部電極1122の不良有無を判断できる制御部(図示せず)をさらに含んでもよい。制御部は、前記取得した画像と、予め格納された良品の中央電極1112および上部電極1122の画像とを比較し、中央電極1112および上部電極1122の大きさ、形状の不良有無、または破損有無などを把握することができる。
【0066】
このような第1および第2ビジョンセンサ171、172を用いると、中央電極1112とセパレータシート1211、1221が積層されて積層体20を形成する前に、中央電極1112の上方に配置された第1ビジョンセンサ171が、中央電極1112を撮影することができ、上部電極1122を積層体20に積層する前に、上部電極1122の上方に配置された第2ビジョンセンサ172が、上部電極1122を撮影することができる。すなわち、電極11がセパレータ12と積層される前に、電極11だけの不良有無を予め確認することができる。
【0067】
図4は、本発明の一実施形態に係る上部セパレータシートの断面図であり、
図5は、本発明の一実施形態に係る下部セパレータシートの断面図である。
各セパレータシート1211、1221は、基材層1211a、1221aと、コーティング層1211b、1221bと、を含むことができる。
【0068】
基材層1211a、1221aは、多孔性基材として、ポリエチレン(polyethylene)またはポリプロピレン(polypropylene)樹脂を含むことができる。
【0069】
コーティング層1211b、1221bは、基材層1211a、1221aに、フィラー(filler)およびバインダー(binder)を含むセラミックスラリー(slurry)がコーティングされて形成されることができる。コーティング層1211b、1221bは、セラミックコーティング層であってもよい。例えば、前記フィラーは、アルミナ(酸化アルミニウム)を含むことができ、前記バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(Polyvinylidene fluoride、PVDF)を含むことができる。
【0070】
より詳細には、上部セパレータシート1211は、第1基材層1211aと、第1基材層1211aの上面にコーティングされた第1コーティング層1211bと、を含むことができ、下部セパレータシート1221は、第2基材層1221aと、第2基材層1221aの上面にコーティングされた第2コーティング層1221bと、を含むことができる。
【0071】
したがって、中央電極1112は、前述したラミネート工程により、第2コーティング層1221bの上面に接合されることができる。第2コーティング層1221bは、SRS(Safety Reinforced Separator)コーティング層であってもよい。例えば、第2コーティング層1221bのバインダーの含量は10wt%~20wt%であってもよい。
【0072】
また、ノズル14は、第1コーティング層1211bの上面に接着剤を塗布することができ、上部電極1122は、前記接着剤により第1コーティング層1211bの上面に接合されることができる。したがって、第1コーティング層1211bのバインダーの含量は、第2コーティング層1221bのバインダーの含量よりも低くてもよい。より詳細には、第1コーティング層1211bのバインダーの含量は、第2コーティング層1221bのバインダーの含量の半分未満であってもよい。このため、第1コーティング層1211bの厚さt1が第2コーティング層1221bの厚さt2よりも薄くなり得る。
【0073】
すなわち、第1コーティング層1211bのバインダーの含量が低くなることで、上部セパレータシート1211の厚さが薄くなり得、単位セル2のエネルギー密度が向上することができる。
【0074】
より詳細には、第1コーティング層1211bのバインダーの含量は2wt%~3wt%であってもよい。これにより、第1コーティング層1211bの厚さを最大限薄く維持しながらも、第1コーティング層1211bと第1基材層1211aとの間の接合が維持されることができる。仮に第1コーティング層1211bのバインダーの含量が2wt%未満であれば、第1コーティング層1211bと第1基材層1211aとの間の接合が維持されないという問題がある。また、第1コーティング層1211bのバインダーの含量が3wt%超過であれば、第1コーティング層1211bの厚さが厚くなり得る。
【0075】
一方、上部セパレータシート1211が第1コーティング層1211bを含まない構成も可能である。この場合、ノズル14は、第1基材層1211aの上面に接着剤を塗布することができ、上部電極1122の底面は、前記接着剤により第1基材層1211aの上面に接合されることができる。
【0076】
これにより、上部セパレータシート1211の厚さがさらに薄くなるという利点がある。ただし、上部セパレータシート1211が第1コーティング層1211bを含まない構成は、上部電極1122が正極である場合に適用することが安定性の面で好ましい。
【0077】
図6は、本発明の一実施形態に係るノズルを示した図である。
本実施形態に係るノズル14は、接着剤粒子と圧縮空気を共に噴射することで、接着剤Sをミストの形態でスプレー噴射することができる。より詳細には、ノズル14は、内部空間を有するハウジング141と、ハウジング141の内部に接着剤Sを供給する管142と、ハウジング141の内部に圧縮空気を給気するライン143と、を含むことができる。
【0078】
また、ハウジング141の下端部には、積層体20の上部セパレータシート1211に向かって接着剤Sと圧縮空気を共に噴射する噴射部141aが形成されることができる。
【0079】
すなわち、管142を通してハウジング141に供給された接着剤Sが噴射部141aに吐き出される際に、ライン143からハウジング141に圧縮空気が注入され、前記接着剤Sは、圧縮空気とともに噴射部141aを通して排出されることができる。
【0080】
前記接着剤Sは、圧縮空気とともに排出される過程で前記圧縮空気により粒子が割れてミスト(mist)になり、その状態で上部セパレータシート1211、より詳細には第1コーティング層1211bの上面に塗布されることができる。
【0081】
このようなスプレー噴射方式により塗布された接着剤Sは、小さい粒子の形態で、既に設定された位置で既に設定された量分ずつ塗布されることができるため、上部セパレータシート1211の第1コーティング層1211bの上面に接着剤が均一に塗布され、塗布された領域で全体的に均一に浸透し、接着剤Sの無駄なく最適の接着力を提供することができる。
ただし、ノズル14の構成は、これに限定されず、後述するインクジェット噴射方式(
図10を参照)が採択可能であることはいうまでもない。
【0082】
図7は、
図3の上部セパレータシートと上部電極との間の接着剤による接着領域を示した図である。
上部電極1122は、相対的に短い1対の短辺と、相対的にさらに長い1対の長辺と、を有する矩形形状を有することができる。上部電極1122は、前記長辺が上部セパレータシート1211の幅方向と平行に上部セパレータシート1211に積層されることができる。
【0083】
上部電極1122と上部セパレータシート1211との間には、接着剤により互いに接着される接着領域A1が位置することができる。すなわち、前記接着領域A1は、ノズル14が上部セパレータシート1211の上面に接着剤を塗布した領域を意味し得る。
【0084】
第1例として、
図7の(a)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122の周縁に沿って延びることができる。この場合、接着領域A
1は、矩形環状をなすことができ、非接着領域A2を取り囲むことができる。
【0085】
したがって、上部電極1122の底面エッジ部が上部セパレータシート1211に接着されることができる。また、接着領域A1は、上部電極1122から突出した電極タブに対応して突出することができる。
【0086】
第2例として、
図7の(b)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122の両短辺に沿って延びることができる。したがって、上部電極1122の底面のうち両短辺に隣接した部分が上部セパレータシート1211に接着されることができる。この場合、非接着領域A2は、上部電極1122の底面のうち両長辺に隣接した領域を含むことができる。また、接着領域A
1は、上部電極1122から突出した電極タブに対応して突出することができる。
【0087】
第3例として、
図7の(c)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122の両長辺に沿って延びることができる。したがって、上部電極1122の底面のうち両長辺に隣接した部分が上部セパレータシート1211に接着されることができる。この場合、非接着領域A2は、上部電極1122の底面のうち両短辺に隣接した領域を含むことができる。
【0088】
前記第1例~第3例のように、積層体20の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、接着剤が塗布される領域は、上部電極1122のエッジ部のうち少なくとも一部に対応することができる。
【0089】
第4例として、
図7の(d)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122の4つの頂点に対応する領域に位置することができる。したがって、上部電極1122の底面のうち4つの頂点に隣接した部分が上部セパレータシート1211に接着されることができる。この場合、非接着領域A2は、上部電極1122の底面のうち両長辺に隣接した領域の一部と、両短辺に隣接した領域の一部と、を含むことができる。
【0090】
前記第1例~第4例の場合、接着領域A
1は、上部電極1122の中央部に対応する領域(図示せず)をさらに含むことができる。第5例として、
図7の(e)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122の周縁に沿って延びる第1領域と、前記第1領域に加え、上部電極1122の短辺または長辺と平行に延び、上部電極1122の中央部を通過する第2領域と、を含むことができる。したがって、前記第1例よりもさらに堅固な接着が可能である。
【0091】
接着領域A1は、非接着領域A2を取り囲むことができる。非接着領域A2は、接着領域A1の第2領域により互いに区切られて複数形成されることができる。また、接着領域A1は、上部電極1122から突出した電極タブに対応して突出することができる。
【0092】
前記第1例~第5例の場合、接着領域A1の広さは、非接着領域A2の広さよりも狭くてもよい。第6例として、
図7の(f)に示されたように、接着領域A1は、上部電極1122と対応する形状であってもよい。したがって、上部電極1122の底面全体が上部セパレータシート1211に接着されることができる。この場合、非接着領域A2は存在しない。
【0093】
前記第1例~第6例のように、積層体20の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、接着剤が塗布される領域は、上部電極1122の4つの頂点に対応する領域を含むことができる。
【0094】
図8は、本発明の他の実施形態に係る単位セルの製造装置1aの概略図であり、
図9は、本発明の他の実施形態に係る単位セルの製造装置1aを詳しく示した側面概略図である。
【0095】
本発明の実施形態によると、中央電極1112とセパレータ12が積層されて形成された積層体20にラミネート工程を先に行った後に上部電極1122を積層する。それにより、ラミネート工程において熱が積層体20の内部まで伝達され、電極11とセパレータ12との間の接着力が低下する問題を防止することができる。したがって、ラミネート工程において、積層体20に熱および圧力を過度に多く印加する必要がない。
【0096】
したがって、本発明の他の実施形態に係る単位セルの製造装置1aは、
図8および
図9に示されたように、ラミネータにおいてヒータ15が除去され、加熱ローラ16だけが積層体20をラミネートする。一般的にヒータ15よりも加熱ローラ16が積層体20に圧力を大きく印加することができるため、加熱ローラ16だけによっても積層体20を十分にラミネートすることができる。
【0097】
このようにラミネータにおいてヒータ15が除去されるため、単位セルの製造装置1aが複雑になるのを防止することができ、全体的な体積も減少させることができ、費用も節減することができる。ただし、前記積層体20が急激な温度および圧力の変化により内部が損傷するのを防止するために、加熱ローラ16が積層体20に印加する熱および圧力が過度に大きくならないように調節しなければならない。
【0098】
図10は、本発明の他の実施形態に係るノズルを示した図である。
本実施形態に係るノズル14'は、圧力室141a'の圧力変化により、接着剤Sを微細な滴の形態でインクジェット噴射することができる。より詳細には、ノズル14'は、圧力室141a'を有するハウジング141'と、ハウジング141'の一側に備えられ、挙動して前記圧力室141a'の体積変化を起こす壁面142'と、圧力室141a'に接着剤Sを供給する管143'と、を含むことができる。
【0099】
また、ハウジング141'の下端部には、積層体20の上部セパレータシート1211に向かって接着剤Sが吐き出される吐出口141bが形成されることができる。
【0100】
前記接着剤Sは、前記圧力室141a'に充填された状態で、接着剤Sの粘性のため、吐出口141bに排出されない。この状態で、壁面142'が圧力室141a'の体積を縮小させる方向に挙動すると、圧力室141a'の内圧が増加し、前記接着剤Sは、吐出口141bを通して外部に排出され、上部セパレータシート1211の上面に塗布される。そして、前記壁面142'が元の状態に戻ると、接着剤Sの吐き出しは中断される。
【0101】
このようなインクジェット噴射方式により塗布された接着剤Sは、小さい粒子の形態で、既に設定された位置で既に設定された量分ずつ塗布されることができるため、上部セパレータシート1211の第1コーティング層1211bの上面に接着剤が均一に塗布され、塗布された領域で全体的に均一に浸透し、接着剤Sの無駄なく最適の接着力を提供することができる。
ただし、ノズル14'の構成は、これに限定されず、前述したスプレー噴射方式(
図6を参照)も採択可能であることはいうまでもない。
【0102】
図11は、
図9の上部セパレータシートと上部電極との間の接着剤による接着領域を示した図である。
上部電極1122と上部セパレータシート1211との間には、接着剤により互いに接着される接着領域A3、A4、A5が位置することができる。本実施形態の場合、前記接着領域A3、A4、A5は、上部セパレータシート1211の移動方向と平行な複数の列に沿って配置されることができる。各接着領域A3、A4、A5は、接着剤がスポット(spot)塗布されることで形成されることができる。したがって、同一の列に位置した複数の接着領域A3、A4、A5は、上部セパレータシート1211の移動方向に対して互いに離隔することができる。
【0103】
すなわち、積層体20の上面に接着剤を塗布するステップにおいて、接着剤が塗布される領域は、積層体20の移動方向と平行な複数の列をなすことができる。
【0104】
より詳細には、前記接着領域A3、A4、A5は、上部電極1122の短辺と隣接した列を形成する複数の第1接着領域A3と、上部電極1122の電極タブに対応する列を形成する複数の第2接着領域A4と、第1接着領域A3および第2接着領域A4よりも内側に位置した列を形成する複数の第3接着領域A5と、を含むことができる。
【0105】
そして、複数のノズル14'の噴射周期を互いに異なるように調節することで、特定の列における接着剤が塗布された領域間の間隔は、他の列における接着剤が塗布された領域間の間隔とは異なってもよい。
【0106】
例えば、大きい接着力が必要な上部電極1122の電極タブおよび上部電極1122のエッジ部に対応する領域には、さらに細かく接着剤が噴射されることができる。より詳細には、複数の第1接着領域A3間の間隔は、複数の第2接着領域A4間の間隔よりは広く、複数の第3接着領域A5間の間隔よりは狭くてもよい。
【0107】
また、複数のノズル14'の噴射量や噴射面積を互いに異なるように調節することで、特定の列における接着剤が塗布された領域の面積は、他の列における接着剤が塗布された領域の面積よりもさらに広く形成されることができる。
【0108】
例えば、接着剤が漏れる心配のない上部電極1122の中央部に対応する領域には、さらに広く接着剤が噴射されることができる。より詳細には、各第1接着領域A3の大きさは、各第2接着領域A4の大きさよりは大きく、各第3接着領域A5の大きさよりは小さくてもよい。
【0109】
図12は、本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置1bの概略図である。
前述したように、電極組立体は、多様な種類に分類される。例えば、単純スタック型(Simple Stack Type)、ラミネーション&スタック型(L&S、Lamination & Stack Type)、スタック&フォールディング型(S&F、Stack & Folding Type)、Z-フォールディング型(Z-Folding Type)などが挙げられる。
【0110】
本発明の一実施形態および他の実施形態によると、セパレータ12、電極11、セパレータ12、および電極11が順に積層された単位セル2が製造される。したがって、単位セル2の一面には電極11、他面にはセパレータ12が形成される。このような単位セル2は、ラミネーション&スタック型電極組立体を製造する際に主に用いられる。しかし、スタック&フォールディング型またはZ-フォールディング型電極組立体を製造する際には、両面に全て電極11が形成された単位セル2aが主に用いられる。
【0111】
本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置1bは、
図12に示されたように、前記積層体20の下面に積層される複数の下部電極1132が形成される、下部電極シート1131が巻き出される下部電極リール113をさらに含む。
【0112】
下部電極リール113は、下部電極シート1131が巻き取られたリールであり、下部電極シート1131が下部電極リール113から巻き出され、下部電極シート1131が切断され、複数の下部電極1132が形成される。そして、切断された積層体20の上面に第1ノズル14aが接着剤を塗布する際に、下部電極1132の上面にも第2ノズル14bが接着剤を塗布することができる。接着剤が塗布された、このような下部電極1132は、前記積層体20の下面に積層される。この際、積層体20の下面に、複数の下部電極1132をセパレータシート1211、1221の長さ方向に一列に離隔配置して積層することができる。上部電極1122、中央電極1112、および下部電極1132は、互いに離隔する間隔が異なってもよいが、同一極性の電極11同士は、大きさが互いに同一であるため、離隔する間隔も常に一定であることが好ましい。したがって、仮に上部電極1122と下部電極1132が同一極性の電極11であれば、セパレータシート1211、1221から離隔する間隔が一定であることができる。そして、上部電極1122、中央電極1112、および下部電極1132は、いずれも中心が一致するように整列して配置されることが好ましい。
【0113】
積層体20のラミネート工程が完了すると、第2カッタ132が積層体20を一定間隔で切断し、切断された積層体20の上面に第1ノズル14aが接着剤を塗布する(S104)。一方、上部電極シート1121が上部電極リール112から巻き出されると、第3カッタ133が上部電極シート1121を切断し、上部電極1122が形成される。そして、下部電極シート1131が下部電極リール113から巻き出されると、第4カッタ134が下部電極シート1131を切断し、下部電極1132が形成される。そして、このような下部電極1132の上面に第2ノズル14bが接着剤を塗布する。
【0114】
そして、前記上部電極1122が、接着剤が塗布された積層体20の上面に積層され、接着剤が塗布された前記下部電極1132が、積層体20の下面に積層される。それにより、下部電極1132、下部セパレータシート1221、中央電極1112、上部セパレータシート1211、および上部電極1122が順に積層された単位セル2bが製造される。
【0115】
図13は、本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置1bを詳しく示した側面概略図である。
本発明のまた他の実施形態に係る単位セルの製造装置1bは、前記下部電極1132が前記積層体20と積層される前に、特に第2ノズル14bが下部電極1132の上面に接着剤を塗布する前に、前記下部電極1132の上方に配置され、前記下部電極1132を撮影する第3ビジョンセンサ173をさらに含むことができる。すなわち、第3ビジョンセンサ173は、下部電極1132を撮影して画像を取得することができる。それにより、下部電極1132が積層体20と積層される前に、下部電極1132だけの大きさ、形状の不良有無、または破損有無などを把握することができる。
【0116】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができるであろう。したがって、以上で記述された実施形態は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出される多様な実施形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0117】
1:単位セルの製造装置
2:単位セル
11:電極
12:セパレータ
14:ノズル
15:ヒータ
16:加熱ローラ
20:積層体
111:中央電極リール
112:上部電極リール
113:下部電極リール
121:上部セパレータリール
122:下部セパレータリール
131:第1カッタ
132:第2カッタ
133:第3カッタ
134:第4カッタ
14a:第1ノズル
14b:第2ノズル
151:上部ヒータ
152:下部ヒータ
171:第1ビジョンセンサ
172:第2ビジョンセンサ
173:第3ビジョンセンサ
181:第1ニップロール
182:第2ニップロール
1111:中央電極シート
1121:上部電極シート
1131:下部電極シート
1112:中央電極
1122:上部電極
1132:下部電極
1211:上部セパレータシート
1221:下部セパレータシート