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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ガス分配ユニット及び給湯器
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20240509BHJP
   F23D 14/64 20060101ALI20240509BHJP
   F24H 9/1832 20220101ALI20240509BHJP
【FI】
F23K5/00 301B
F23D14/64 Z
F24H9/1832 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020186690
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076326
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】太田 剛
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-283462(JP,A)
【文献】特開2018-179435(JP,A)
【文献】特開平09-017662(JP,A)
【文献】特開平08-119170(JP,A)
【文献】米国特許第05758624(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/00-5/22
F23D 14/00-14/84
F24H 1/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバーナを収容する燃焼装置の前面に組み付けられ、前記バーナへ燃料ガスを分配して供給するガス分配ユニットであって、
正面視で前記燃焼装置の左右何れか一方若しくは両方の側面よりも左右外側へ突出する拡張部が形成され、前記拡張部の前面に、ネジ止め部を備えた部品を取り付けるための取付部が形成されていると共に、
前記拡張部の前面には、前記取付部への取り付け位置となる前記部品を挟んでそれぞれ配置される第1の位置決め部と第2の位置決め部とが設けられて、前記部品を前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部との間に配置することで前記部品が前記取り付け位置に位置決め可能であることを特徴とするガス分配ユニット。
【請求項2】
前記ネジ止め部は、前記部品の上下にそれぞれ突設され、
前記第1の位置決め部は、前記拡張部の前面に突設されて前記部品の外面に沿って延びる位置決めリブであり、前記第2の位置決め部は、前記上下のネジ止め部をそれぞれ挟んで前記第1の位置決め部の反対側に配置される上下一対の支持ボスであることを特徴とする請求項1に記載のガス分配ユニット。
【請求項3】
前記部品は、前記上下のネジ止め部が鉛直方向からの傾斜姿勢となるように前記取付部に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のガス分配ユニット。
【請求項4】
複数のバーナを収容する燃焼装置の前面に、請求項1乃至3の何れかに記載のガス分配ユニットを組み付けてなる給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器において、複数のバーナに燃料ガスを分配供給するために設けられるガス分配ユニットと、そのガス分配ユニットを備えた給湯器とに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、筐体内に、バーナを備えた燃焼装置と熱交換器とを備え、燃料ガスと燃焼用空気との混合気に点火して燃焼するバーナの燃焼排気により、熱交換器を通過する水を加熱して出湯させる。
バーナは、扁平状のものが厚み方向に複数配列されて、上流側には、ガス分配ユニットが設けられている。このガス分配ユニットは、特許文献1に開示されるように、上流側から供給される燃料ガスを分岐させる複数の分岐流路を有し、各分岐流路の下流端部に、複数のガスノズルが各バーナに対応して設けられている。各分岐流路の上流端部は、電磁弁によって開閉可能となっており、電磁弁の制御で燃料ガスが供給される分岐流路を選択することで、燃焼するバーナの数を調整可能となっている。ガス分配ユニットは、左右方向へ延びる板状に形成され、燃焼室を形成するケーシングの前面に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-197273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなガス分配ユニットにおいて、左右何れかの端部をケーシングよりも外側に張り出させて拡張部を形成し、この拡張部を、イグナイタ等の別の部品を取り付けるための取付部として利用する場合がある。この拡張部に部品を取り付ける際、取付金具等の他の取付用部材を用いて、取付用部材に部品の位置決め用の孔や切欠きを設けて位置決めを行うようにしている。このため、部品点数が増加してコスト高となってしまう。しかし、取付用部材を用いない場合、作業者が部品を手で押さえながら位置決めを行う必要があり、拡張部での位置決めがやりにくく、作業が面倒となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、部品点数を増やすことなく、拡張部での部品の取り付け作業が容易に行えるガス分配ユニット及び給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち、第1の発明は、複数のバーナを収容する燃焼装置の前面に組み付けられ、前記バーナへ燃料ガスを分配して供給するガス分配ユニットであって、
正面視で前記燃焼装置の左右何れか一方若しくは両方の側面よりも左右外側へ突出する拡張部が形成され、前記拡張部の前面に、ネジ止め部を備えた部品を取り付けるための取付部が形成されていると共に、
前記拡張部の前面には、前記取付部への取り付け位置となる前記部品を挟んでそれぞれ配置される第1の位置決め部と第2の位置決め部とが設けられて、前記部品を前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部との間に配置することで前記部品が前記取り付け位置に位置決め可能であることを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記ネジ止め部は、前記部品の上下にそれぞれ突設され、
前記第1の位置決め部は、前記拡張部の前面に突設されて前記部品の外面に沿って延びる位置決めリブであり、前記第2の位置決め部は、前記上下のネジ止め部をそれぞれ挟んで前記第1の位置決め部の反対側に配置される上下一対の支持ボスであることを特徴とする。
第1の発明の別の態様は、上記構成において、前記部品は、前記上下のネジ止め部が鉛直方向からの傾斜姿勢となるように前記取付部に取り付けられることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明のうち、第2の発明は、給湯器であって、複数のバーナを収容する燃焼装置の前面に、第1の発明の何れかに記載のガス分配ユニットを組み付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取付用部材を用いることなく、拡張部に設けた第1、第2位置決め部を利用して部品を簡単に位置決めできる。よって、部品点数を増やすことなく、拡張部での部品の取り付け作業を容易に行うことができる。
ネジ止め部が、部品の上下にそれぞれ突設され、第1の位置決め部を、拡張部の前面に突設されて部品の外面に沿って延びる位置決めリブとし、第2の位置決め部を、上下のネジ止め部をそれぞれ挟んで位置決めリブの反対側に配置される上下一対の支持ボスとした別の態様によれば、部品を先に位置決めリブに当てれば位置決めリブに沿って角度が決まり、そのまま支持ボスの間に部品を配置すれば、部品を取り付け位置へ簡単に位置決め可能となる。
部品が、上下のネジ止め部が鉛直方向からの傾斜姿勢となるように取付部に取り付けられる別の態様によれば、下側の支持ボスの鉛直上に部品の重心が近づき、安定した位置決めが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】フロントカバーを外した状態の給湯器の正面図である。
図2】ガス分配ユニットの前方からの斜視図である。
図3】ガス分配ユニットの後方からの斜視図である。
図4】イグナイタの取付構造を示す分解斜視図である。
図5】拡張部の後面における指の係止状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す説明図で、前面のフロントカバーを外した状態の正面を示している。
給湯器1は、四角箱状の筐体2内に、燃焼装置3と、熱交換器4と、排気部5とを設置している。燃焼装置3の前面には、燃焼装置3内の図示しないバーナユニットに燃料ガスを分配供給するためのガス分配ユニット6が組み付けられる。バーナユニットは、左右方向に扁平となる濃淡バーナを、左右方向に複数配列してなる。
燃焼装置3の下面には、燃焼用空気を供給する給気ファン7が組み付けられ、給気ファン7の前方には、制御回路基板を備えたコントローラ8が配置されている。筐体2の背板には、空気の取入口9,9・・が形成されている。排気部5には、筐体2の天板を貫通して上方へ突出する排気筒10が形成されている。
【0010】
熱交換器4の伝熱管の入側端部には、給水管11が接続され、伝熱管の出側端部には、出湯管12が接続されている。筐体2の下面には、外部の水道管が接続される水入口13と、給湯栓への外部配管が接続される湯出口14とが設けられている。給水管11の上流端が水入口13に、出湯管12の下流端が湯出口14にそれぞれ接続されている。
また、筐体2の下面には、外部のガス管が接続されるガス入口15が設けられている。ガス入口15は、筐体2内で、比例弁及びその上流側の元電磁弁を備えたガス比例弁ユニット16を介してガス分配ユニット6に接続されている。
【0011】
ガス分配ユニット6は、バーナユニットを収容する燃焼装置3のインナーケース17の前面下部の開口を塞ぐ格好でインナーケース17の前面に組み付けられている。ガス分配ユニット6の上側でインナーケース17の前面には、フレームロッド18と放電電極19とが差込接続されている。
ガス分配ユニット6は、図2及び図3に示すように、後側の本体20と、本体20に前方からネジ止めされる前側の蓋体21とで形成される横長扁平状となっている。アルミダイカスト製である本体20の後面左下側には、筒状のガス導入口22が後ろ向きに突設されている。このガス導入口22に、ガス比例弁ユニット16の上端に設けたガス出口部(図示略)が後方から連結される。
【0012】
ガス分配ユニット6内には、2つの第1分岐流路23と第2分岐流路24とが形成されている。この第1、第2分岐流路23,24は、ガス比例弁ユニット16からガス導入口22に供給される燃料ガスを上方へ分岐させ、数が異なる濃淡バーナ(第1、第2バーナ群)ごとに分配するものである。第1、第2分岐流路23,24の下端には、各分岐流路23,24を開閉する電磁弁25,25が設けられている。
本体20の後面で第1、第2分岐流路23,24にそれぞれ対応する位置には、後方側へ先細り状に突出形成されるノズル26,26が、左右方向へ複数並設されている。ノズル26,26は、第1、第2バーナ群を構成する各濃淡バーナの淡ガス供給孔と濃ガス供給孔とに合わせて上下一組となっている。
【0013】
そして、ガス分配ユニット6の本体20は、燃焼装置3のインナーケース17の前面への取付状態で、インナーケース17よりも右側へ突出する拡張部30を一体に備えている。拡張部30の前面には、図4にも示すように、イグナイタ40を取り付け可能な取付部31が形成されている。取付部31は、位置決めリブ32と、ネジ孔34,34と、支持ボス35,35とを含んでいる。
まず、拡張部30の外縁は、上方へ向かうに従って中央側へ移動する傾斜縁となっており、位置決めリブ32は、この傾斜縁に沿って前方及び後方へ突出する直線状に形成されている。位置決めリブ32の左側で拡張部30の後面には、位置決めリブ32と平行に並ぶ一対のネジボス33,33が形成されて、ネジボス33,33のネジ孔34,34が、拡張部30の前面に開口している。支持ボス35,35は、円柱状に形成され、ネジ孔34,34の左側で位置決めリブ32と平行に並んで突設されている。
【0014】
拡張部30の後面には、複数のリブ36,36・・が格子状に突設されている。このうち、拡張部30の下部に位置するリブ36は、上下方向に延びる縦リブ36A,36Aを含んでいる。但し、左端の縦リブ36Aは、上部まで延びている。また、拡張部30の上下に亘って、左右方向に延びる横リブ36B,36B・・が所定間隔をおいて突設されている。
一方、拡張部30の上部において、ネジボス33,33間には、位置決めリブ32と平行に傾斜する傾斜リブ36Cが突設されている。傾斜リブ36Cの左側にも、横リブ26B,36B間に跨がる短い傾斜リブ36Cが突設されている。
【0015】
イグナイタ40は、高電圧出力基板を収容するケース41の上下に、一対のネジ止め部42,42を突設し、ケース41の左側に、一対の端子部43,43を突出してなる。
このイグナイタ40は、端子部43,43を左側に向けてケース41の右側の外面41aを位置決めリブ32に当てがうと、イグナイタ40が位置決めリブ32に合わせて鉛直方向から傾斜する傾斜姿勢となる。そのままケース41を支持ボス35,35の間に位置させると、ネジ止め部42,42がネジ孔34,34の前方となる取り付け位置でイグナイタ40が拡張部30の前面で位置決めされる。このとき、ガス分配ユニット6を立てた状態でイグナイタ40を位置決めしても、上側のネジ止め部42の左側の外面42aが上側の支持ボス35に当接し、ケース41の下面と下側のネジ止め部42の左側の外面42aとが下側の支持ボス35に当接して、ケース41の重心が下側の支持ボス35に近づいて載置された状態で姿勢が維持される。よって、この場合も同様に位置決めは可能である。
【0016】
従って、一方の手でイグナイタ40を支えた状態で、他方の手で工具を用いてネジ止め部42,42をネジ37,37によってネジ孔34,34にネジ止めすることになるが、このときイグナイタ40を支える一方の手は、親指が拡張部30の表側でイグナイタ40を前方から支え、残りの4本の指は、拡張部30の裏側に回り込んで拡張部30ごとイグナイタ40を挟持する格好となる。拡張部30の裏側では、指がそれぞれリブ36の何れかに係止して滑ることがないため、イグナイタ40を安定して支持できる。例えば、ガス分配ユニット6を立てた状態でのネジ止めであれば、図5に示すように、縦リブ36Aに指F1,F1を引っ掛ければ安定するし、ガス分配ユニット6を寝かせた状態でのネジ止めであれば、傾斜リブ36Cに指F2,F2を引っ掛ければ安定する。ここでは位置決めリブ32が後面に突出しているので、これも傾斜リブとして使用できる。
【0017】
こうして取付部31にネジ止めされたイグナイタ40の端子部43が、コントローラ8と放電電極19とに電気的に接続される。ここでは端子部43が斜め下向きとなるようにケース41が傾斜姿勢で固定されているので、図1に示すように、端子部43に接続されたリード線44を無理なくたわませて放電電極19に接続できる。よって、リード線44へのストレスが軽減される。また、ケース41が傾斜しているので、筐体2内に浸入した水がケース41上に溜まりにくくなり、ケース41内に水が入り込むおそれがなくなる。
【0018】
以上の如く構成された給湯器1においては、湯出口14の配管に接続される給湯栓を開栓して器具内に通水させると、これを検知したコントローラ8がガス比例弁ユニット16の元電磁弁を開くと共に、比例弁を点火時の所定開度に制御する。また、コントローラ8は、対応する第1、第2分岐流路23,24の電磁弁25,25を開弁動作させると共に、給気ファン7を作動させて燃焼用空気を供給させる。よって、ガス比例弁ユニット16を介して燃料ガスがガス分配ユニット6へ供給される。
コントローラ8によりイグナイタ40が作動し、放電電極19が連続放電すると、各濃淡バーナの炎孔部から噴出する混合気が燃焼する。バーナユニットの燃焼排気は、熱交換器4の伝熱管を通過する水と熱交換され、設定温度の湯となって出湯管12から出湯される。コントローラ8は、必要な燃焼量に合わせて比例弁の開度を調整し、ガス比例弁ユニット16からの燃料ガスの供給量を調整すると共に、給気ファン7の回転数を連続的に変化させて、所定の空燃比を維持する。また、コントローラ8は、必要な燃焼量に合わせてガス分配ユニット6の電磁弁25,25を開閉制御することで、第1、第2バーナ群を選択して燃焼本数を段階的に制御する。
【0019】
そして、イグナイタ40を修理や交換等のために拡張部30から取り外す際は、工具を用いてネジ37,37を緩める。このとき、イグナイタ40は前述のように位置決めリブ32と支持ボス35,35とによって位置決めされているので、イグナイタ40が不意に落下するおそれが小さくなる。また、取付時と同様に片手でイグナイタ40を支持しながら取り外す際も、拡張部30の後面ではリブ36の何れかに指を引っ掛ければ、滑ることなく安定してイグナイタ40を支持できる。
【0020】
(拡張部に設けた係止部に係る発明の効果)
上記形態のガス分配ユニット6及び給湯器1では、ガス分配ユニット6に、正面視で燃焼装置3の右側面よりも右外側へ突出する拡張部30が形成され、拡張部30の前面に、イグナイタ40(部品)を取り付けるための取付部31が形成されている一方、拡張部30の後面に、リブ36(手指の係止部)が形成されている。
この構成により、拡張部30の後面でリブ36に指を引っ掛けた状態でイグナイタ40を支えながらイグナイタ40をネジ止めすることができる。よって、拡張部30でのイグナイタ40の着脱作業が容易に行える。
【0021】
特に、係止部を、拡張部30の後面に突設されたリブ36としているので、手指を引っ掛けやすい係止部が得られる。
リブ36は、拡張部30に突設されて上下方向に延びる縦リブ36Aと、拡張部30の上部に突設され、上方へ向かうに従って中央側へ移動する傾斜リブ36Cとを含んでいる。よって、イグナイタ40を着脱する際のガス分配ユニット6の向きに合わせて手指を引っ掛けやすいリブ36を選択できる。
リブ36は、縦リブ36A及び傾斜リブ36Cと交差して左右方向に延びる横リブ36Bをさらに含んでいる。よって、作業しやすい方向に合わせたリブ36の選択肢が増えて作業性の向上に繋がる。
【0022】
なお、係止部に係る発明において、リブの位置や数は上記形態に限らない。また、縦リブと傾斜リブと横リブとのうちの何れか1又は2種類のリブを省略することもできる。拡張部の後面全体に亘ってリブを設けてもよい。
係止部もリブに限らず、拡張部の後面に複数の突起を設けたり、逆に拡張部の後面に複数の凹部を設けたりすることで手指の引っ掛けを可能とすることもできる。
位置決め部の形態も、部品に合わせて位置決めリブ及び支持ボスの位置を変えたり数を増減したり等、適宜変更できる。位置決め部を省略することもできる。部品の取り付け方法はネジ止めに限らない。
【0023】
(取付部に設けた第1、第2の位置決め部に係る発明の効果)
上記形態のガス分配ユニット6及び給湯器1では、ガス分配ユニット6に、正面視で燃焼装置3の右側面よりも右外側へ突出する拡張部30が形成され、拡張部30の前面に、ネジ止め部42を備えたイグナイタ40を取り付けるための取付部31が形成されていると共に、拡張部30の前面には、取付部31への取り付け位置となるイグナイタ40を挟んでそれぞれ配置される位置決めリブ32(第1の位置決め部)と支持ボス35(第2の位置決め部)とが設けられて、イグナイタ40を位置決めリブ32と支持ボス35との間に配置することでイグナイタ40が取り付け位置に位置決め可能となっている。
この構成により、取付用部材を用いることなく、拡張部30に設けた位置決めリブ32と支持ボス35とを利用してイグナイタ40を簡単に位置決めできる。よって、部品点数を増やすことなく、拡張部30でのイグナイタ40の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0024】
特に、第1の位置決め部を、拡張部30の前面に突設されてケース41の外面41aに沿って延びる位置決めリブ32とし、第2の位置決め部を、上下のネジ止め部42,42をそれぞれ挟んで位置決めリブ32の反対側に配置される上下一対の支持ボス35,35としている。
よって、イグナイタ40を先に位置決めリブ32に当てれば位置決めリブ32に沿って角度が決まり、そのまま支持ボス35,35の間にケース41を配置すれば、イグナイタ40を取り付け位置へ簡単に位置決め可能となる。
イグナイタ40は、上下のネジ止め部42,42が鉛直方向からの傾斜姿勢となるように取付部31に取り付けられる。よって、下側の支持ボス35の鉛直上にイグナイタ40の重心が近づき、安定した位置決めが可能となる。
【0025】
なお、位置決め部に係る発明において、第1の位置決め部は、1本の位置決めリブに限らず、複数の位置決めリブや突起を断続的に直線状に並べて形成してもよい。第2の位置決め部も、支持ボスを円柱状以外の角柱状等としたり、ボス形状でなくリブ形状としてもよい。第1、第2の位置決め部の位置や数も、部品の形状に合わせて適宜変更可能である。
上記形態では部品を傾斜姿勢で取付部に固定しているが、傾斜姿勢としない固定も採用できる。この場合、部品を挟んだ上下に第1の位置決め部と第2の位置決め部とを配置してもよい。
【0026】
以下、各発明に共通した変更例を説明する。
上記形態では、ガス分配ユニットの右側に拡張部を形成しているが、左側に拡張部を形成してもよいし、左右両側に拡張部を形成して部品を取付可能とすることもできる。拡張部の形状も、上下幅を中央側よりも小さくする等、適宜変更可能である。
拡張部に取り付ける部品も、イグナイタに限らず、例えば筐体に設けた空気の取入口におけるフィルタの有無を検知するセンサ等、他の部品であっても差し支えない。部品は電材部品に限らない。
ガス分配ユニットの形状も上記形態に限定されない。例えば分岐流路及び電磁弁の数は上記形態に限らず、3つ以上あってもよい。
給湯器自体の構成も上記形態に限らない。例えば、二次熱交換器を備えて潜熱を回収するタイプや、風呂側や暖房側の回路を併設するタイプであっても各発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1・・給湯器、2・・筐体、3・・燃焼装置、4・・熱交換器、5・・排気部、6・・ガス分配ユニット、8・・コントローラ、11・・給水管、12・・出湯管、13・・水入口、14・・湯出口、15・・ガス入口、16・・ガス供給ユニット、17・・インナーケース、19・・放電電極、20・・本体、21・・蓋体、23・・第1分岐流路、24・・第2分岐流路、30・・拡張部、31・・取付部、32・・位置決めリブ、33・・ネジボス、34・・ネジ孔、35・・支持ボス、36・・リブ(36A・・縦リブ、36B・・横リブ、36C・・傾斜リブ)、37・・ネジ、40・・イグナイタ、41・・ケース、42・・ネジ止め部、43・・端子部、44・・リード線、F1,F2・・指。
図1
図2
図3
図4
図5