(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】マイクロドーズ注射のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/36 20060101AFI20240509BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240509BHJP
A61M 5/34 20060101ALI20240509BHJP
A61M 5/50 20060101ALI20240509BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A61M5/36
A61M5/315
A61M5/315 550N
A61M5/315 550X
A61M5/34 530
A61M5/50 500
A61M5/32 510H
(21)【出願番号】P 2021525106
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 US2019061310
(87)【国際公開番号】W WO2020102444
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518264424
【氏名又は名称】クリーデンス メドシステムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Credence MedSystems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ディアス,スティーヴン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】シュルザス,アラン イー.
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/146589(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0263329(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1260241(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第74842(EP,A1)
【文献】米国特許第3815785(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0250474(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/36
A61M 5/315
A61M 5/34
A61M 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位端、シリンジ内部、及び前記近位端に設けられたシリンジフランジを有するシリンジ本体と、
前記シリンジ内部内に配置された注射流体と、
前記シリンジ内部内に配置されたストッパ部材と、
前記ストッパ部材に連結され
ショルダを有するプランジャ部材と、
前記シリンジフランジに取り外し可能に連結されているフィンガーフランジであって、近位方向を向く雄ねじを有する、フィンガーフランジと、
前記近位方向を向く雄ねじ上に配置されている回転部材であって、前記プランジャ部材が配置される回転部材開口を規定し、前記回転部材開口に隣接して配置され
前記回転部材の長手軸に向かって内側を向く、かつ遠位方向に延びる弾性ラッチを有する回転部材と、を備え、
前記回転部材は、前記回転部材が前記近位方向を向く雄ねじに対して回転することにより、前記プランジャ部材とそれに連結された前記ストッパ部材とを、前記シリンジ本体に対し、前記シリンジ内部において遠位に挿入するように構成されており、
前記弾性ラッチは、
前記プランジャ部材上の前記ショルダと干渉することによって、前記プランジャ部材が前記回転部材開口を通して前記回転部材から近位に取り外されることを防止しつつ、前記プランジャ部材が前記回転部材開口を通して遠位に挿入されることを可能にするように構成されている、注射システム。
【請求項2】
前記シリンジ本体は、針を有する針アセンブリに連結されるように構成された遠位針インタフェイスをさらに備える、請求項1に記載の
注射システム。
【請求項3】
前記回転部材を回転させることにより前記プランジャ部材及び前記ストッパ部材が挿入され、それにより、前記針を通る前記シリンジ内部からの注射流体の一部により、前記針が注射のためにプライミングされる、請求項2に記載の
注射システム。
【請求項4】
前記プランジャ部材はその近位端にサムパッドを備え、前記システムは、前記回転部材に取り外し可能に連結されてユーザが前記サムパッドに接触すること防止するように構成されたプランジャキャップをさらに備える、請求項2に記載の
注射システム。
【請求項5】
前記回転部材はその外面に傾斜トラ
フ及び円周トラフを規定し、
前記プランジャキャップは、前記プランジャキャップの長手軸に向かって内側を向くタングを備え、
前記タングが前記円周トラフに配置されている時に、前記タングと前記円周トラフとの間の干渉により、前記回転部材を基準とする前記プランジャキャップの近位への移動が防止される、請求項4に記載の
注射システム。
【請求項6】
前記回転部材は、前記傾斜トラフと前記円周トラフとの間に、
前記回転部材の外面に配置されたバンプをさらに備える、請求項5に記載の
注射システム。
【請求項7】
前記回転部材上の前記バンプ及び前記プランジャキャップ上の前記タングは、前記回転部材を基準として前記プランジャキャップに所定量のトルクが加えられるまで、前記プランジャキャップが前記回転部材から外れることを防止するように構成されている、請求項6に記載の
注射システム。
【請求項8】
前記所定量のトルクは、前記回転部材が前記フィンガーフランジの前記近位方向を向く雄ねじの遠位端に達した後にのみ前記プランジャキャップが前記回転部材から外れるように選択され、前記針を通る前記シリンジ内部の前記注射流体の一部により、前記針が注射のためにプライミングされる、請求項7に記載の
注射システム。
【請求項9】
前記プランジャキャップは、前記プランジャ部材が通過できる大きさの近位開口を規定する、請求項4に記載の
注射システム。
【請求項10】
前記プランジャ部材は、前記弾性ラッチと干渉して前記回転部材を基準とする前記プランジャ部材の近位への動きを制限するように構成されたフランジを備える、請求項1に記載の
注射システム。
【請求項11】
前記回転部材はその遠位端に配置されたねじ端を備え、
前記フィンガーフランジは、近位方向を向く雄ねじに配置されて前記ねじ端と干渉して前記フィンガーフランジに対する前記回転部材の回転および近位への移動を制限するように構成されたラッチを備える、請求項1に記載の
注射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して流体注入の様々なレベルの制御を容易にする注射システム、デバイス、及びプロセスに関わり、より具体的には、医療現場におけるマイクロリットル範囲の用量の流体を送達するためのシリンジに関するシステム及び方法に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場では、
図1Aの2に示すようなシリンジが毎日何百万本も消費されている。一般的なシリンジ2は、管状体4、プランジャ6、及び注射針8を含む。
図1Bに示すように、このようなシリンジ2は、患者に流体を注射するためだけでなく、薬瓶、バイアル、バッグ又は他の薬剤格納システム10などの容器から又は容器内に、流体を取り出す又は排出するために利用することができる。実際、米国など、一部の国では、規制上の制約や無菌状態の維持に関する懸念から、図に示すようなシリンジ2を用いた薬瓶10を特定の患者環境で使用する場合、このような薬瓶は一人の患者にしか利用できず、その後、廃棄しなくてはならないが、これは、薬瓶や残りの薬剤の処分から大量の医療廃棄物を生じさせ、さらには特定の重要な医薬品の周期的不足の原因にもなる。
【0003】
図2Aを参照すると、それぞれ遠位に配置されたルアー嵌合形状14を有する三つのルアー型シリンジ12が図示されており、これらは、
図2Bに図示されているルアーマニホールドアセンブリ16などの相似の接合形状を有する他のデバイスと連結可能である。
図2Bのルアーマニホールドアセンブリは、静脈内輸液バッグを使用して、または使用せずに、液体薬剤を患者に静脈内投与するために使用することができる。
図2Aのシリンジのルアーフィッティング14は「雄」ルアーフィッティングと呼ばれ、
図2Bの18のものは「雌」ルアーフィッティングと呼ばれることがあり、一方のルアーインタフェイスには、ねじが切られており(この場合、構成は「ルアーロック」構成と呼ばれる)、相対的な回転によって二つの側面が連結可能であり、これは圧縮荷重と組み合わされることがある。言い換えれば、ルアーロックの一実施形態では、回転を、場合によっては圧縮と共に利用することにより、雌フィッティング18のフランジと噛み合うように構成された雄型フィッティング14内でねじ山を噛み合わせ、デバイスを流体封入連結することができる。他の実施形態では、テーパ状のインタフェイス形状を、ねじや回転を伴わない圧縮を用いたルアー係合を提供するために利用できる(このような構成は、「スリップオン」又は「円錐」ルアー構成と呼ばれることがある)。このようなルアー連結は、オペレータにとって比較的安全であると認識されているが、ルアー連結を提供するための充填の際に、薬剤がこぼれたり、漏れたり、パーツが壊れたりするリスクがある。一方、注射針を使用する場合、鋭利な針が人や構造物に接触したり、突き刺さったりするなどの望ましくないリスクがある。そのため、「安全シリンジ」と呼ばれるものが開発されている。
【0004】
安全シリンジ20の一実施形態が
図3に示されており、管状のシールド部材22は、シリンジ本体4に対し、ロック位置から解放されたときに針8を覆うようにばねで付勢されている。安全シリンジ24の別の実施形態を
図4A~4Bに示す。この構成では、プランジャ6がシリンジ本体4に対して完全に挿入された後、
図4Bに示すように、伸縮針26は、管状本体4内の安全な位置まで28、26を後退させるように構成される。このような自ら収縮する構成は、血液が飛び散ったりエアロゾルが発生したりする問題、所望の状態になる前に誤動作により作動してしまう可能性のある、事前ロードされるエネルギーの安全な保存、スプリングの圧縮容積内に残るデッドスペースに起因する全量注入を行う際の精度の低下、及び/又は、痛みや患者の不安につながる可能性がある後退速度の制御の喪失、を伴う。
【0005】
シリンジ市場をさらに複雑にしているのは、
図5A及び
図5Bに示されるような薬剤充填済みシリンジアセンブリの需要の増加であり、これは、一般に、シリンジ本体又は「薬剤密閉封入送達システム」34、プランジャチップ、プラグ、又はストッパ36、及びルアー型インタフェイス上に取り付け可能な遠位シールまたはキャップ35を含み(
図5Aは、キャップ35が所定の位置にある状態を示しており、
図5Bは、ルアーインタフェイス14を説明するためにキャップを外した状態である。薬液は、遠位シール35とストッパ部材36の遠位端37との間の容積、すなわち薬用リザーバ40に存在してもよい。ストッパ部材36は、標準的なブチルゴム素材を含んでもよく、生体適合性の潤滑性コーティング(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)などでコーティングされてもよい。)、これは、対応のシリンジ本体34の構造や素材に対する、好ましい密閉性及び相対的移動特性を高める。
図5Bのシリンジ本体34の近位端は、シリンジ本体34の素材に一体に形成された通常の一体型シリンジフランジ38を含む。フランジ38は、シリンジ本体34から半径方向に延びるように構成されており、シリンジ本体34の周りの全円周又は部分円周となるように構成されてもよい。部分的フランジは「クリップフランジ」と呼ばれ、他方は 「フルフランジ」と呼ばれる。フランジは、指でシリンジを把持し、プランジャを押して注射をするときの支えになる。シリンジ本体34は、好ましくは、ガラスやポリマーなどの透光素材を含む。薬剤チャンバ又はリザーバ40内に収容される容積を形成し、針を介する関連の流体の排出を助けるために、ストッパ部材36をシリンジ本体34内に配置してもよい。シリンジ本体は、実質的に円筒形の形状を規定してもよく(すなわち、円形の断面形状を有するプランジャチップ36がシリンジ本体に対するシールを確立するように)、又は楕円形などの他の断面形状を有するように構成されてもよい。
【0006】
このようなアセンブリが必要とされるのは、充填、包装、薬剤/薬物インタフェイス素材の選択及びコンポーネントの使用に関する、世界の常に変化する規制のすべてを満たす余裕があり、それらを標準化し、高精度に大量生産することが可能なメーカは世界でも数少ないからである。しかしながら、このような単純な構成では、シングルユース、安全性、自動無効化、針刺し防止などの新しい世界基準を満たすことはできない。そのため、一部のサプライヤは、
図5Cに示した41のような、より「垂直」なソリューションに移行しており、これは、すべての規格又はその少なくとも一部を一つのソリューションで満たそうとするものであるが、このような製品は、多くの異なるシナリオでこれらの規格を満たそうとする結果、かなりの制約(
図3~4Bを参照して前述したいくつかの制約を含む)があり、比較的高い在庫及び利用経費がかかる可能性がある。
【0007】
さらに、注射システムは、注射流体の量がマイクロリットルの範囲(「マイクロドーズ」)になると、精度や正確さが低下する。特に、マイクロドーズ注射システムでは、注射前にシリンジ本体から空気を抜くこと(脱泡)を正確に行うことが難しい。
【0008】
現在利用できる構成の欠点を解消する、注射システムが必要とされている。特に、マイクロリットル単位で正確に動作(脱泡及び注入)する注射システムが求められている。また、このようなシリンジアセンブリは、従来から提供されている充填済みカートリッジやその他の既製のコンポーネント、及び対応する組立機や人員の既存の比較的管理の行き届いたサプライチェーンを利用できることが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
実施形態は注射システムに関する。特に、実施形態は、少なくともいくつかの既製のシリンジコンポーネントを含むマイクロリットル範囲の注射システムに関する。
【0010】
一実施形態では、注射システムは、近位端及び遠位端を有するシリンジ本体、シリンジ内部、及び近位端に設けられたシリンジフランジを含む。また、システムは、シリンジ内部内に配置された注射流体を含む。システムは、シリンジ内部内に配置されたストッパ部材をさらに含む。さらに、システムは、ストッパ部材に連結されたプランジャ部材を含んでいる。さらに、システムは、シリンジフランジに取り外し可能に連結されたフィンガーフランジを含み、フィンガーフランジは、近位方向を向くねじを含む。システムはまた、近位方向を向くねじ上に配置された回転部材を含んでおり、回転部材は、プランジャ部材がそれを通して配置される回転部材開口を規定し、そして回転部材開口に隣接して配置された弾性ラッチを有する。回転部材は、プランジャ部材及びそれに連結されたストッパ部材を、近位方向を向くねじに対する回転部材の回転により、シリンジ本体に対してシリンジ内部の遠位に挿入するように構成される。弾性ラッチは、プランジャ部材を回転部材開口から遠位側に挿入することを可能にしながら、プランジャ部材を回転部材開口から近位側に取り外すことを防止するように構成される。
【0011】
1又は複数の実施形態では、シリンジ本体は、針を有する針アセンブリに連結されるように構成された遠位針インタフェイスをも含む。回転部材を回転させると、プランジャ部材及びストッパ部材が挿入され、それにより、針を通るシリンジ内部からの注射流体の一部により、針を注射のためにプライミングすることができる。
【0012】
1又は複数の実施形態では、プランジャ部材は、その近位端にサムパッドを含み、システムは、回転部材に取り外し可能に連結され、ユーザがサムパッドに接触することを防ぐように構成されたプランジャキャップをも含む。回転部材は、傾斜トラフ(trough)及び円周トラフをその外面に規定してもよく、プランジャキャップは、プランジャキャップの長手軸に向かって内側を向くタングを含んでもよい。タングが円周トラフに配置されると、タングと円周トラフとの間の干渉により、回転部材に対するプランジャキャップの近位への移動を防止できる。また、回転部材は、その外面において、傾斜トラフと円周トラフとの間に配置されたバンプ(bump)を含んでもよい。回転部材のバンプ及びプランジャキャップのタングは、回転部材を基準とし、プランジャキャップに所定量のトルクが加わるまで、プランジャキャップが回転部材から外れるのを防ぐように構成されてもよい。所定量のトルクは、回転部材がフィンガーフランジ上の近位方向を向くねじの遠位端に達した後にのみプランジャキャップが回転部材から外れるように選択することができ、それにより、針を通るシリンジ内部からの注射流体の一部により、針を注射のためにプライミングすることができる。
【0013】
1又は複数の実施形態では、プランジャキャップは、プランジャ部材が通過できる大きさの近位開口を規定する。プランジャ部材は、回転部材を基準とするプランジャ部材の近位への動きを制限するために、弾性ラッチと干渉するように構成されたフランジを含んでもよい。回転部材は、その遠位端にねじ端を含んでもよく、フィンガーフランジは、ねじ端と干渉してフィンガーフランジを基準とする回転可能な部材の回転および近位への移動を制限するように構成され、近位方向を向くねじに配置されるラッチを含んでもよい。
【0014】
他の実施形態では、注射システムを組み立てる方法は、フィンガーフランジ/回転部材ユニットを形成するために、回転部材をフィンガーフランジに連結することを含む。方法はまた、フィンガーフランジ/回転部材/プランジャキャップのユニットを形成するため、プランジャキャップを回転部材に連結することを含む。方法はさらに、フィンガーフランジ/回転部材/プランジャキャップユニットを充填済みシリンジに装着することを含む。充填済みシリンジは、シリンジ内部を規定するシリンジ本体と、シリンジ内部内に配置された注射流体と、シリンジ内部内に配置され、注射流体をシリンジ内部に保持するストッパ部材とを含む。さらに、方法は、フィンガーフランジ/回転部材/プランジャキャップユニットを通してプランジャ部材をシリンジ内部に挿入することを含む。さらに、方法は、プランジャ部材をシリンジ内部のストッパ部材に連結することを含む。
【0015】
1又は複数の実施形態では、フィンガーフランジは、近位方向を向くねじを含み、方法は、フィンガーフランジ/回転部材ユニットを形成するために回転部材をフィンガーフランジ上の近位方向を向くねじにねじ込むことにより、回転部材をフィンガーフランジに連結することも含む。
【0016】
1又は複数の実施形態では、プランジャキャップが近位開口を規定し、回転部材が回転部材開口を規定し、フィンガーフランジがフィンガーフランジ開口を規定する。方法は、プランジャ部材を、近位開口、回転部材開口、及びフィンガーフランジ開口を通して、シリンジ内部に挿入することを含む。回転部材は、傾斜トラフ及び円周トラフをその外面に規定してもよい。プランジャキャップは、プランジャキャップの長手軸に向かって内側に向けられたタングを含んでもよい。方法はまた、プランジャキャップのタングが円周トラフに配置され、タングと円周トラフとの間の干渉が回転部材に対するプランジャキャップの近位への移動を防ぐように、プランジャキャップを回転部材にねじ込むことによってフィンガーフランジ/回転部材/プランジャキャップユニットを形成するように、プランジャキャップを回転部材に連結することを含んでもよい。
【0017】
1又は複数の実施形態では、フィンガーフランジは側面開口を含み、シリンジ本体はシリンジフランジを含む。方法は、シリンジ本体のシリンジフランジをフィンガーフランジの側面開口に挿入することにより、フィンガーフランジ/回転部材/プランジャキャップユニットをシリンジ本体に装着することを含む。ストッパ部材は、ねじ付きストッパ部材凹部を含んでもよく、プランジャ部材は、遠位ねじ付き部材を含んでいてもよい。方法はまた、プランジャ部材の遠位ねじ付き部材をストッパ部材のねじ付きストッパ部材凹部にねじ込むことにより、プランジャ部材をシリンジ内部のストッパ部材に連結することを含んでもよい。
【0018】
さらに他の実施形態では、流体を注射する方法はシリンジアセンブリを準備することを含む。シリンジアセンブリは、近位端及び遠位端を有するシリンジ本体と、シリンジ内部と、その遠位端に設けられた遠位針インタフェイスと、その近位端に設けられたシリンジフランジとを含む。また、シリンジアセンブリは、シリンジ内部内に配置された注射流体を含む。シリンジアセンブリは、シリンジ内部内に配置されたストッパ部材をさらに含む。さらに、シリンジアセンブリは、ストッパ部材に連結されたプランジャ部材を含む。さらに加えて、シリンジアセンブリは、シリンジフランジに取り外し可能に連結されたフィンガーフランジを含み、フィンガーフランジは、近位方向を向くねじを含む。また、シリンジアセンブリは、近位方向を向くねじ上に配置された回転部材を含む。シリンジアセンブリは、回転部材に取り外し可能に連結されたプランジャキャップをさらに含む。さらに、シリンジアセンブリは、シリンジ本体の遠位針インタフェイスに連結された針を有する針アセンブリを含む。方法はまた、近位方向を向くねじに対してプランジャキャップを相対的に回転させ、近位方向を向くネジに対して回転部材を相対的に回転させることにより、針を通るシリンジ内部からの注射流体の一部により、針を注射のためにプライミングすることを含む。方法は、プランジャキャップを回転部材から取り外し、それによってプランジャ部材の近位端を露出させることをさらに含む。さらに、方法は、プランジャ部材の近位端に遠位方向の力を加え、針を通してシリンジ内部から注射流体の他の部分を排出させることを含む。
【0019】
1又は複数の実施形態では、回転部材は、傾斜トラフ及び円周トラフをその外面に規定し、その外面において傾斜トラフと円周トラフとの間に配置されたバンプを含む。プランジャキャップは、プランジャキャップの長手軸に向かって内側に向けられたタングを含んでもよい。タングが円周トラフに配置されると、タングと円周トラフとの間の干渉により、回転部材を基準とするプランジャキャップの近位への移動を防ぐことができる。回転部材のバンプ及びプランジャキャップのタングは、回転部材を基準として、プランジャキャップに所定量のトルクが加えられるまで、プランジャキャップが回転部材から外れるのを防ぐように構成されてもよい。回転部材からプランジャキャップを取り外すことは、回転部材がフィンガーフランジの近位方向を向くねじの遠位端に達した後に、回転部材を基準として、プランジャキャップに所定量のトルクを加えることを含んでもよい。
【0020】
本発明の上述の及びその他の実施形態を以下に示す詳細な説明に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
実施形態の前述の及び他の態様は、添付の図面を参照して更に詳細に説明され、これらの図面では、異なる図の同じ要素は共通の参照番号で参照される。
【0022】
【
図1】
図1A-Bは従来の注射シリンジの構成の態様を示している。
【
図2】
図2A-Bは従来の注射シリンジの構成の態様を示している。
【
図3】
図3は従来の注射シリンジの構成の態様を示している。
【
図4】
図4A-Bは従来の注射シリンジの構成の態様を示している。
【
図5】
図5A-Cは従来の注射シリンジの構成の態様を示している。
【
図6】
図6は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図7】
図7は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図8】
図8は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図9】
図9は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図10】
図10は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図11】
図11は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図12】
図12は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図13】
図13は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図14】
図14は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図15】
図15は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図16】
図16は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図17】
図17は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図18】
図18は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図19】
図19は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図20】
図20は一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図21】
図21は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図22】
図22は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図23】
図23は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図24】
図24は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図25】
図25は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図26】
図26は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図27】
図27は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図28】
図28は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図29】
図29は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図30】
図30は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図31】
図31は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【
図32】
図32は一部の実施形態に従うプランジャキャップを備えたマイクロドーズ注射ステム及びマイクロドーズ注射方法の態様を示している。
【0023】
様々な実施形態の上述及び他の利点及び目的がよりよく理解できるように、添付の図面を参照して、実施形態をより詳細に説明する。図面は正確な比率ではなく、同様の構造又は機能を有する要素は、全体を通し、類似の参照番号で表されていることに留意されたい。これらの図面は、特定の例示の実施形態のみを図示するものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的マイクロドーズ注射システム
図6~20は、他の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム300を示している。ここで用いられる用語「マイクロドーズ」又は「マイクロ・ドーズ」は、限定されるものではないが、1~1,000マイクロリットルの範囲の注射を含む。マイクロドーズ注射システム300は、精度(例えば、再現性)と正確性(例えば、所望の体積への近似性)とを維持しつつ、標準的な注射システムでは行うことが困難なマイクロリットル(例えば、10μL)の体積範囲の注射の問題に対処する。マイクロドーズ注射システム300は、回転マイクロドーズアダプタ/回転部材360と、固定プランジャ部材の移動距離/ギャップとを利用してマイクロドーズ注射を行う。
【0025】
マイクロドーズ注射システム300は、既製のシリンジ本体310、ストッパ部材320、及び接続部材330を利用する。また、マイクロドーズ注射システム300は、針392を含む既製の針アセンブリ390を使用可能である。マイクロドーズ注射システム300のフィンガーフランジ340は、
図11、14、17、及び20に示すように、対応する雌ねじを有するマイクロドーズアダプタ/回転部材360と嵌合するように構成された雄ねじ付き近位セクション342を含む。
【0026】
マイクロドーズ注射システム300は、シリンジ本体310、ストッパ部材320、接続部材330、フィンガーフランジ340、プランジャ部材350、針アセンブリ390、及びマイクロドーズアダプタ/回転部材360を含む。これらのシステム構成要素(例えば、シリンジ本体310、ストッパ部材320、及び接続部材330)の多くは、既存の比較的よく管理されたサプライチェーン、及び対応する組立機及び人員を利用するために、既製の構成要素であってもよい。シリンジ本体310は、マイクロドーズ注射システム300の精度を向上させるために、既製の0.50ccのシリンジ本体310であってもよい。針アセンブリ390は、針392(例えば、20~34ゲージ、長さ6mm-5/8インチ、特に32ゲージ×6mmの長さ)を備えた、市販の既製の針アセンブリであってもよい。針アセンブリ390は、シリンジ本体310/接続部材330に針アセンブリ390を取り付けるために、ルアーロック構成またはルアースリップ構成を利用してもよい。一部の実施形態では、マイクロドーズ注射システム300は、±10μL未満のエラーレートを達成することができる。
【0027】
マイクロドーズアダプタ/回転部材360は、フィンガーフランジ340の雄ねじ付き近位セクション342上でマイクロドーズアダプタ/回転部材360が時計回りに回転したときに、プランジャ部材350上に形成されたショルダ/内部ストップ352に小さな遠位力を及ぼすように構成されたフランジ362を含む。マイクロドーズ注射システム300を垂直方向に向けた状態でマイクロドーズアダプタ/回転部材360を回転させると、シリンジ内部312及び/又は針アセンブリ390/針392の内部にある注射物質から泡を取り除くことができる(「脱泡」又は「脱気」)。
【0028】
さらに、プランジャ部材350は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360の開口364を通過するように構成された狭小部位354を含み、この部位は、ショルダ/内部ストップ352を形成するように取り囲まれ/広がっている。狭小部位354の長さを変更することにより、注入量や移動距離/ギャップを制御することができる。
【0029】
また、
図6~20に示されているマイクロドーズ注射システム300は、プランジャキャップ370を含んでいる。プランジャキャップ370は、プランジャ部材350の遠位への移動を防止することにより、早期注入を防止するように構成されており、その一方で、マイクロドーズアダプタ/回転部材360がマイクロドーズ注射システム300を脱泡するために回転することを可能にする。プランジャキャップ370が取り外された後、プランジャ部材350は、遠位に移動することができるが、ただしマイクロドーズアダプタ/回転部材360の外側にある狭小部位354の長さに等しい、移動距離/ギャップに等しい長さだけである。そのため、この狭小部位354の長さによって注入量が制御される。したがって、マイクロドーズ注射システム300は、精密な脱泡機構と共に、精密で正確な注射を行うことを可能にする。
【0030】
図6~20は、マイクロドーズ注射システム300を用いた注射プロセスを示している。
図6~8は、接続部材330を用いて針に連結される前のマイクロドーズ注射システム300を示している。この状態では、接続部材330は、接続部材カバーによって蓋がされている。
【0031】
図9~11は、接続部材330を用いて針をマイクロドーズ注射システム300に連結した後のマイクロドーズ注射システム300を示している。この実施形態では、接続部材330は雌ルアーコネクタであり、針上の対応する接続部材は雄ルアーコネクタであるので、
図10に示すように、ルアーロック接続となる。
【0032】
図9~11は、垂直位置にあるマイクロドーズ注射システム300を示しており、針は概ね上向きになっている。このため、
図10のガス/空気の気泡302で示されるように、シリンジ本体310内のすべてのガス/空気はシリンジ本体310の上部に移動する。この位置では、ストッパ部材320の遠位への移動により、シリンジ本体310からガス/空気の気泡302が排出され、及び/又は、針アセンブリ390/針392の内部から空気が排出され、マイクロドーズ注射システム300に注射の準備をさせる。ガス/空気の気泡302をシリンジ本体310から排出し、及び/又は、針アセンブリ390/針392の内部から空気を排出するプロセスは、使用する注射システム300を脱泡する又はプライミングするとも呼ばれる。また、注射システムをプライミングするプロセスでは、シリンジや針から注射流体の一部が排出される場合がある。
【0033】
図11は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360、フィンガーフランジ340の雄ねじ付き近位セクション342、及びプランジャキャップ370の相対的な位置を詳細に示しており、マイクロドーズ注射システム300が垂直位置、すなわち「脱泡」位置にある場合を示している。フィンガーフランジ340の雄ねじ付き近位セクション342のねじ山は、図を見易くするために省略している。
【0034】
図12~14は、マイクロドーズ注射システム300が脱泡された後のマイクロドーズ注射システム300を示している。脱泡プロセスは、マイクロドーズ注射システム300が垂直脱泡位置にあるときのマイクロドーズアダプタ/回転部材360の方向(例えば、通常のねじ部品の場合は時計回りの位置にある)の回転を含む。
【0035】
プランジャキャップ370は内側を向く複数のスプラインを有し、マイクロドーズアダプタ/回転部材360は対応する複数の外側を向くスプラインを有する。内側及び外側のそれぞれの複数のスプラインは、プランジャキャップ370がプランジャマイクロドーズアダプタ/回転部材360に取り外し可能に連結されたときに、プランジャキャップ370の回転がマイクロドーズアダプタ/回転材360の対応する回転を引き起こすように構成されている。
【0036】
マイクロドーズアダプタ/回転部材360の時計回りの回転は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360をフィンガーフランジ340の雄ねじ付き近位セクション342上で遠位に移動させ、それにより、プランジャ部材350及びそれに連結されたストッパ部材320をシリンジ本体310の内部で遠位に進める。マイクロドーズアダプタ/回転部材360をシリンジ本体310に対して遠位に移動させると、
図14に示すように、アダプタ360上の遠位を向く面361が、プランジャ部材350の近位端に連結された又は形成されたショルダ/内部ストップ352上の近位を向く面353に遠位の力を及ぼす。遠位方向への力は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360の回転量に比例し、プランジャ部材350を介してストッパ部材320に伝えられる。
【0037】
遠位方向への力は、ストッパ部材320をシリンジ本体310の内部で遠位に移動させる。マイクロドーズ注射システム300は垂直方向の脱泡位置にあるので、シリンジ本体310の内部におけるストッパ部材320の遠位への移動により、シリンジ本体310の内部からガス/空気の泡(
図10の302参照)が排出され、及び/又は、針アセンブリ390/針392の内部から空気が排出され、それにより、マイクロドーズ注射システム300は脱泡またはプライミングされる。
【0038】
図15~17は、注射プロセスの次のステップである、プランジャキャップ370の取り外しを示している。プランジャキャップ370に充分な近位方向への力を加えることにより、プランジャキャップ370は、
図6~20に示された実施形態における保持部材の弾性に打ち勝ち、マイクロドーズアダプタ/回転部材360から近位に移動することができる。プランジャキャップ370の取り外しは、サムパッド/外部ストップ356及びプランジャ部材350の遠位への移動を可能にし、それによってマイクロドーズ注射システム300は注入準備完了状態に置かれる。
【0039】
図17に示すように、マイクロドーズアダプタ/回転部材360は、近位フランジ362を含む。プランジャ部材350の狭小部位354は、近位フランジ362の近位を向く面とサムパッド/外部ストップ356の遠位を向く面との間のギャップ358を規定する。ギャップ358の大きさは、プランジャ部材350及び/又はサムパッド/外部ストップ356を変更することによって変更可能である。ギャップ358の大きさ/軸方向長さは、シリンジ本体310の内部におけるストッパ部材320の軸方向の移動量を決定し、したがって、マイクロドーズ注射システム300によって注入される流体(例えば、薬剤)の量を決定する。
【0040】
さらに、
図17を参照すると、プランジャ部材350は、ショルダ/内部ストップ352も含んでいる。ショルダ/内部ストップ352及びサムパッド/外部ストップ356は、いずれもマイクロドーズアダプタ/回転部材360の開口を通過できないような大きさである。したがって、ショルダ/内部ストップ352及びサムパッド/外部ストップ356の相対的な位置は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360に対するプランジャ部材350の最大移動量を規定する。このプランジャ部材350の最大移動量は、ギャップ358の大きさ/軸方向長さにも対応する。また、ショルダ/内部ストップ352は、プランジャ部材350のマイクロドーズアダプタ/回転部材360からの取り外しを防止する。
【0041】
図18~20は、注射プロセスにおける次のステップであるマイクロドーズ注入を示している。遠位方向への力は、サムパッド/外部ストップ356に加えられ、それによって、プランジャ部材350及びそれに連結されたストッパ部材320を、シリンジ本体310の内部で遠位に進ませる。この遠位方向への力は、ユーザが手動で加えることも、オートインジェクターで自動的に加えることも可能である。
【0042】
図17から
図20を比較すると、サムパッド/外部ストップ356に遠位方向の力を加えると、マイクロドーズアダプタ/回転部材360の外側のギャップ358(
図17参照)が消えることがわかる。これはまた、ショルダ/内部ストップ352を、マイクロドーズアダプタ/回転部材360の遠位を向く面361から遠位に移動させる。実際には、
図20に示すように、内部ギャップ358’がマイクロドーズアダプタ/回転部材360の内部に形成されることとなる。この内部ギャップ358’は、マイクロドーズアダプタ/回転部材360の外側にある元のギャップ358と同じサイズ/軸方向長さである。
【0043】
図16及び
図19を比較すると、ストッパ部材320のシリンジ本体310の内部における遠位への移動により、シリンジ本体310の内部から一部の流体が排出され、その結果、所定量の流体が注入されたことがわかる。マイクロドーズの用途では、この所定量の流体は約5μLから約250μLであり得る。特定の実施形態では、この所定量の流体は、約10μLである。
【0044】
例示的プランジャキャップ/回転部材の実施形態
図21~29は、一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム400を示している。マイクロドーズ注射システム400は、
図6~20に示されたシステム300と構造および機能が類似している。しかしながら、マイクロドーズ注射システム400はフィンガーフランジ440、マイクロドーズアダプタ/回転部材460、及びプランジャキャップ470を含み、これらは
図6~20に示されたシステム300の対応の構成要素340、360、370とは異なる。
【0045】
マイクロドーズ注射システム400は、シリンジ本体410、ストッパ部材420、接続部材430、フィンガーフランジ440、プランジャ部材450、針アセンブリ490、マイクロドーズアダプタ/回転部材460、及びプランジャキャップ470を含む。これらのシステム構成要素(例えば、シリンジ本体410、ストッパ部材420、及び接続部材430)の多くは、既存の比較的よく管理されているサプライチェーン、及び対応の組立機及び人員を利用するために、既製の構成要素であってもよい。例えば、既製のストッパ部材420とは、市販されているストッパ部材であり、その遠位を向く面は針に連結するための突起や凹部を含まず、概して滑らかである。
【0046】
図6~20に示されたシステム300のフィンガーフランジ340と同様、フィンガーフランジ440はシリンジ本体410に取り外し可能に連結可能であり、対応する雌ねじを有するマイクロドーズアダプタ/回転部材460と嵌合するように構成された雄ねじ付き近位セクション442を含む。
図29に示すように、雄ねじ付き近位セクション442は、マイクロドーズアダプタ/回転部材460上の雌ねじの端部461と干渉するように構成されたラッチ444を含み、マイクロドーズアダプタ/回転部材460のフィンガーフランジ440の雄ねじ付き近位セクション442上での時計回りの回転を可能にする一方で、ラッチ444を超えるマイクロドーズアダプタ/回転部材460の反時計回りの回転を防止する。このように、ラッチ444は、マイクロドーズアダプタ/回転部材460がフィンガーフランジ440に連結された後に、フィンガーフランジ440からの取り外しを防止する。アダプタ/回転部材460は、反時計回りの回転を防止しながらバックラッシュを最小にするために内周に間隔を置いた複数の停止点を提供するよう、ラッチ444と係合する内側に突出したリブ(図示せず)を含んでもよい。さらに、内側に突出したリブは、オペレータに触覚的又は聴覚的なフィードバックを提供するように構成されてもよい。
【0047】
図22、27、及び28に示すように、マイクロドーズアダプタ/回転部材460は、中央開口464の周りに配置され、マイクロドーズアダプタ/回転部材460の長手軸に向かって内側を向く、複数の弾性ラッチ462を含む。
図21~29に示された実施形態では、マイクロドーズアダプタ/回転部材460は、弾性ラッチ462を含む。弾性ラッチ462は、プランジャ部材450上のショルダ/内部ストップ452と干渉し、マイクロドーズアダプタ/回転部材460を基準とする、中央開口464を通してのプランジャ部材450の遠位方向への挿入を可能にする一方で、前者が後者を介して挿入された後のマイクロドーズアダプタ/回転部材460からのプランジャ部材450の取り外しを防止するように構成されている。
【0048】
また、マイクロドーズアダプタ/回転部材460は、その外面に一対のトラフを含む。一対のトラフのそれぞれは、傾斜/対角トラフ465を含み、それらは、プランジャキャップ470の構成要素の傾斜/対角トラフ465への進入を可能にするために、近位端で近位方向に開いている。傾斜/対角トラフ465の遠位端は、円周トラフ466に接続する。円周トラフ466は、プランジャキャップ470をマイクロドーズアダプタ/回転部材460に取り外し可能に連結するように構成されたバンプ467及び近位面468を含む。また、円周トラフ466は、プランジャキャップ470がマイクロドーズアダプタ/回転部材460を回転させることができるように(バンプ467とともに)構成された円周面469を含む。マイクロドーズアダプタ/回転部材460を時計回り方向に回転させると、マイクロドーズアダプタ/回転部材460は遠位方向に移動する。弾性ラッチ462とプランジャ部材450のショルダ/内部ストップ452との間の干渉により、マイクロドーズアダプタ/回転部材460を遠位方向に移動させると、プランジャ部材450(及びそれに取り付けられたストッパ部材420)も遠位方向に移動する。
【0049】
図28に示すように、プランジャキャップ470は、その内周面に配置された一対の弾性フィンガー472を含む。一対の弾性フィンガー472は、対応する一対のトラフ465、466及びバンプ467と干渉し、プランジャキャップ470をマイクロドーズアダプタ/回転部材460に取り外し可能に連結するように構成される。また、弾性フィンガー472は、プランジャキャップ470がマイクロドーズアダプタ/回転部材460を回転させることができるように、対応する円周トラフ466の円周面469及びバンプ467と干渉するように構成される。弾性フィンガー472とバンプ467との間の干渉により、プランジャキャップ470がマイクロドーズアダプタ/回転部材460を時計回り方向に回転させて、プランジャ部材450を遠位に進ませることができる。マイクロドーズアダプタ/回転部材460が時計回り方向にその移動限界まで回転した後、プランジャキャップ470の時計回り方向の回転が継続すると、弾性フィンガー472が円周トラフ466のバンプ467を越えて、傾斜/対角トラフ465内に移動する。プランジャキャップ470が時計回りの回転を続けると、弾性フィンガー472が傾斜/対角トラフ465に追従してプランジャキャップ470をアダプタ/回転部材460から押し出すことになり、このとき弾性フィンガー472が傾斜/対角トラフ465から外れ、それによってプランジャキャップ470がマイクロドーズアダプタ/回転部材460から解放される。
【0050】
プランジャ部材450は、その遠位端にサムパッド/外部ストップ456を含み、マイクロドーズ注射を行うために、ユーザがプランジャ部材450に遠位方向の力を加えることを容易にする。また、プランジャキャップ470は、マイクロドーズアダプタ/回転部材460に取り外し可能に連結されている場合でも、プランジャキャップ470を通してサムパッド/外部ストップ456を見ることを可能にする軸方向窓474を含む。ユーザがサムパッド/外部ストップ456を見ることができるようにすることにより、ユーザがプランジャキャップ470をサムパッドであると思い込み、そこに遠位方向の力を加えるという状況を回避するのに軸方向窓474が役立つ。プランジャキャップ470は、実際のサムパッド/外部ストップ456を遠位に押すことはできないが、プランジャキャップ470に遠位方向の力を加えると、プランジャキャップ470が損傷する可能性がある。軸方向開口474は、プランジャキャップ470の外側からサムパッド/外部ストップ456を手動で操作することを防止する、大きさおよび形状を有している。また、プランジャキャップ470は、その回転を容易にするために、ナーリング加工された外面476を含む。
【0051】
図22~25は、一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム400の組み立ての様々なステップを示している。
図22では、フィンガーフランジ440、マイクロドーズアダプタ/回転部材460、及びプランジャキャップ470が組み立てのために配置されている。マイクロドーズアダプタ/回転部材460を、フィンガーフランジ440の近位セクション442上で時計回りに回転させる。フィンガーフランジ440のラッチ444がマイクロドーズアダプタ/回転部材460と係合するまで、マイクロドーズアダプタ/回転部材460をフィンガーフランジ440上で回転させる。次に、一対の弾性フィンガー472を、近位開口によりマイクロドーズアダプタ/回転部材460上の対応する一対の傾斜/対角トラフ465に整列させることにより、プランジャキャップ470をマイクロドーズアダプタ/回転部材460上で反時計回りに回転させる。弾性フィンガー472が円周トラフ466内のバンプ467を通過するまで、プランジャキャップ470をマイクロドーズアダプタ/回転部材460上で回転させ、それによりプランジャキャップ470はマイクロドーズアダプタ/回転部材460上で一時的に固定される。
【0052】
図23は、フィンガーフランジ440、マイクロドーズアダプタ/回転部材460、及びプランジャキャップ470を組み立てた結果を示している。
図24は、組み立てられたフィンガーフランジ440、マイクロドーズアダプタ/回転部材460、プランジャキャップ470が、シリンジ本体410のガラスシリンジフランジに取り外し可能に連結される次のステップを示している。シリンジ本体410のシリンジフランジ上でフィンガーフランジ440の側面開口を摺動させ、フィンガーフランジ440をシリンジ本体410に取り外し可能に連結する。シリンジ本体410は、ガラス、ポリマー(COC、COP、ポリプロピレン、ポリエステル、その他のポリマー材料など)、金属、その他の適切な素材で形作ることができる。シリンジ本体は、後で針を取り付けるためのユーザが取り外し可能な接続部材キャップ432’を備えた構成であってもよく、又は予め取り付けられた針(図示せず)を備えていてもよい。フランジ及びプランジャ部材の組み立てに先立ち、シリンジ本体410に薬剤412を事前に充填し、シリンジキャップ及びストッパ部材420で閉じてもよい。シリンジ本体410の事前充填は、無菌充填機で行われる。シリンジの事前充填後にフィンガーフランジ及びプランジャ部材を組み立てることにより、フィンガーフランジの取り付けに必要な充填機の機構を無菌充填機の内部に設けることが不要となり、充填機のスループットの向上と無菌充填機の低コスト化が実現される。
【0053】
図25は、プランジャカバー470の近位開口474、マイクロドーズアダプタ/回転部材460の中央開口464及びフィンガーフランジ440を通して、プランジャ部材450をシリンジ本体410に挿入する様子を示している。プランジャ部材450は、そのショルダ/内部ストップ452がマイクロドーズアダプタ/回転部材460の弾性ラッチ462を越えて遠位に移動するまで挿入され、これにより、マイクロドーズアダプタ/回転部材460からのプランジャ部材450の近位への引き抜きが防止される。
【0054】
プランジャ部材450のシリンジ本体410への挿入後、プランジャ部材450の遠位端は、ストッパ部材420に連結される(例えば、プランジャキャップ470の近位開口474を介してストッパ部材420上でプランジャ部材450を回転させることにより)。プランジャ部材450をストッパ部材420に連結することにより、組み立てプロセスが完了し、その結果、
図21に示すように、そのままで使用可能なマイクロドーズ注射システム400が完成する。プランジャ部材450のストッパ部材420への連結は、ショルダ452が弾性ラッチ462を越えて挿入されるのと同時であってもよい。あるいは、プランジャ部材450の連結は、弾性ラッチ462を超えるショルダ452の挿入の前または後であってもよい。他の実施形態では、プランジャ部材450の端部にねじが切られていない。その代わりに、ストッパ部材420のソケットに嵌め込まれるバンプが設けられている。さらに他の実施形態では、プランジャ部材450の端部には、ストッパ部材420と係合している間、アラインメントを維持するピンが設けられている。
【0055】
図26は、一部の代替実施形態に従うマイクロドーズ注射システム400の組み立てにおける中間ステップを示している。この実施形態では、マイクロドーズアダプタ/回転部材460は、フィンガーフランジ440上で回転され、このフィンガーフランジは、シリンジ本体410上のシリンジフランジに取り外し可能に連結される。次にプランジャ部材450は、マイクロドーズアダプタ/回転部材460の中央開口464及びフィンガーフランジ440を通してシリンジ本体410に挿入される。次にプランジャ部材450の遠位端がストッパ部材420に連結される(例えば、プランジャ部材450をストッパ部材420上で回転させることにより)。最後に、プランジャキャップ470をマイクロドーズアダプタ/回転部材460上で回転させて、マイクロドーズ注射システム400の組み立てを完了する。プランジャ部材450のアダプタ/回転部材460への挿入は、プランジャキャップ470をアダプタ/回転部材460の所定の位置に配置した状態で、又はプランジャキャップ470をアダプタ/回転部材460に組み付ける前に行ってもよい。
図27は、プランジャ部材450のマイクロドーズアダプタ/回転部材460の中央開口464への挿入を示している。
【0056】
図30から32は、一部の実施形態に従うマイクロドーズ注射システム400’を示している。マイクロドーズ注射システム400’は、
図21~29に示されたマイクロドーズ注射システム400と構造及び機能が類似している。例えば、
図30に示すマイクロドーズ注射システム400’は、シリンジ本体410、ストッパ部材420、フィンガーフランジ440、プランジャ部材450、及びマイクロドーズアダプタ/回転部材460’を含む。また、システム400’は、
図21~29に示し上述したように、接続部材、針アセンブリ、取り外し可能な接続部材キャップ、及びプランジャキャップを含む。しかしながら、これらの要素は図を見易くするために省略されている。
【0057】
図21~29及び
図30~32に示されたマイクロドーズ注射システム400、400’の間の一つの違いは、弾性ラッチ426、426’の数である。
図21~29に示されているマイクロドーズ注射システム400は四つの弾性ラッチ426を有するが、
図30~32に示されているマイクロドーズ注射システム400’は六つの弾性ラッチ426’を有する(
図32参照)。
【0058】
図21~29及び
図30~32に示されたマイクロドーズ注射システム400、400’の間の別の違いは、マイクロドーズアダプタ/回転部材460’の近位端に設けられ近位に延びるフランジ463の形状である。
図21~29に示されたマイクロドーズ注射システム400は、傾斜フランジ(
図28参照)を有し、一方、
図30~32に示されたマイクロドーズアダプタ/回転部材460’は、垂直フランジ463(
図31及び32参照)を有する。マイクロドーズアダプタ/回転部材460’上のフランジ463は、サムパッド456の遠位面上の外部ストップ458と干渉し、プランジャ部材450の遠位への動きを制限し、注入用量のサイズを規定する。この干渉は、
図30~32に示すように、弾性フィンガースタイルのラッチ462’で実現されるが、ラチェット/爪、スナップフィット、プレスフィット、クラッチ、歯のない摩擦ラチェットなど、他の機械的な干渉機構で実現可能である。
【0059】
以上、特定のコネクタ(スリップやルアーなど)を用いる様々な実施形態を説明したが、これらの実施形態は任意の既知の注射システムのコネクタを用いることが可能である。ステーク針及び針コネクタを用いる様々な実施形態説明してきたが、これらの実施形態は、任意の既知の恒久的に連結される針又は針コネクタシステムを用いることが可能である。
【0060】
本発明の様々な例示的実施形態が本明細書に記載されている。これらの例は、非限定的なものとして説明されている。それらは、本発明のより広範に適用可能な態様を説明するために提供されている。本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された発明に様々な変更を加え、均等のもので代替することができる。さらに、特定の状況、素材、物質の組成、プロセス、プロセス手順又はステップを、本発明の目的、精神又は範囲に適合させるために、数多くの修正を行うことが可能である。さらに、当業者であれば、本明細書に説明及び図示されている個々の構成は、本発明の範囲や精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離、又は特徴と組み合わせることが可能な個々の構成要素及び特徴を有していることが理解される。このような変更はすべて、本開示に関連する特許請求の範囲内であることが意図されている。
【0061】
対象の診断又はインタベンション手順を実行するために記載されたいずれの装置も、そのようなインタベンションを実行するためにパッケージ化された組み合わせとして提供可能である。これらのサプライ「キット」には、使用方法の説明書が含まれており、そのような目的で一般的に使用される無菌トレイや容器に包装されている。
【0062】
本発明には、主題のデバイスを用いて実行することが可能な方法が含まれる。方法は、そのような適切なデバイスを準備する行為を含んでもよい。そのような準備は、エンドユーザが行うことが可能である。つまり、「準備する」行為とは、エンドユーザが入手、アクセス、接近、配置、セットアップ、起動、電源投入することなどにより、主題の方法において必要とされるデバイスを準備することのみである。本明細書に記載されている方法は、記載されている事象の順序だけでなく、論理的に可能な任意の順序で実行可能である。
【0063】
本発明の例示的態様を、素材の選択及び製造の詳細とともに説明してきた。本発明の他の詳細は、上述の特許及び公開文献により理解可能であり、また、当業者に広く知られ又は理解可能である。例えば、当業者であれば、1又は複数の潤滑性コーティング(例えば、ポリビニルピロリドン系組成物などの親水性ポリマー、テトラフルオロエチレンなどのフッ素ポリマー、PTFE、親水性ゲル、シリコーンなど)を、必要に応じて可動に連結された部品の比較的大きな界面など、デバイスの様々な部分に使用すれば、例えば、器具の他の部分や隣接組織構造に対するそのような物体の低摩擦の操作又は前進を容易にすることが可能であることを理解できる。一般的に又は論理的に行われる追加の行為という観点から、本発明の方法ベースの態様に関しても同じことが言える。
【0064】
さらに、本発明を様々な特徴をオプションとして取り入れたいくつかの例を参照して説明してきたが、本発明は、熟慮された本発明の各変形例に記載または示された特徴に限定されるものではない。本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対し様々な変更を加えることが可能であり、均等物(本明細書に記載されているか、あるいは若干の簡潔さのために含まれていないかにかかわらず)で代替することが可能である。さらに、値の範囲が提示されている場合、その範囲の上限と下限の間にあるすべての中間値、及びその提示された範囲内の他の提示された値又は中間値は、本発明に含まれることが理解される。
【0065】
また、記載されている発明性を有する任意の特徴は、独立して、又は本明細書に記載されている任意の1又は複数の特徴と組み合わせて規定され、権利請求可能であると考えられる。単数のアイテムは、同じアイテムが複数存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書及び関連の請求項で使用されているように、単数形「a」、「an」、「前記(said及びthe)」は、特に明記されていない限り、複数の指示対象を含んでいる。言い換えれば、冠詞の使用は、本開示に関連する請求項だけでなく、上記の説明においても、「少なくとも一つの」対象物、の余地がある。さらに、このような請求項は、任意の随意的要素を除外するように作成できることに注意すべきである。このような点から、この記述は、請求要素の記載における、「単独」、「のみ」などの排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の根拠となることを意図するものである。
【0066】
このような排他的な用語を使用しない場合、本開示に関連する請求項における「備える(comprising)」という用語は、所定の数の要素がそのような請求項に列挙されているかどうかにかかわらず、あるいは特徴の追加がそのような請求項に記載された要素の性質を変えるとみなされるかどうかにかかわらず、任意の追加の要素を含むことを許容するものである。本明細書で明確に定義されている場合を除き、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、請求項の有効性を維持しつつ、一般的に理解される範囲内で可能な限り広い意味で使用されるものとする。
【0067】
本発明の範囲は、提供される例、及び/又は関連の仕様に限定されるもののではなく、本開示に関連する請求の範囲によってのみ限定される。