(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールの電装品ハウジング
(51)【国際特許分類】
H01M 50/231 20210101AFI20240509BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240509BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240509BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20240509BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20240509BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20240509BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/249 20210101ALN20240509BHJP
【FI】
H01M50/231
H01M50/50 101
H01M10/613
H01M10/6553
H01M50/227
H01M50/224
B29C45/14
H01M50/505
H01M50/249
(21)【出願番号】P 2021545691
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2020009888
(87)【国際公開番号】W WO2021029570
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0098993
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、スン-タク
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/199558(WO,A1)
【文献】特開2007-280854(JP,A)
【文献】特開2002-117815(JP,A)
【文献】特開2009-137408(JP,A)
【文献】特開2014-022195(JP,A)
【文献】特開2018-063838(JP,A)
【文献】特表2018-535518(JP,A)
【文献】特開2010-153130(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0068158(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50
H01M 50/505
H01M 10/613
H01M 10/6553
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装部品を収容するためのバッテリーモジュールの電装品ハウジングであって、
外形を形成するハウジング本体と、
前記ハウジング本体の内部に埋め込まれている金属支持構造体と、を含み、
前記金属支持構造体は、前記ハウジング本体の内部に埋め込まれ、前記ハウジング本体の内側空間と絶縁された金属フレームを有
し、
前記ハウジング本体は、底面を形成する底部、及び前記底部の周縁に沿って壁体を形成する壁面部を含み、
前記金属支持構造体は、前記底部及び前記壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ、
前記金属支持構造体は、少なくとも一つのバスバーを含み、
前記少なくとも一つのバスバーは、両端部にそれぞれ配置され、前記底部の角領域に設けられたボックス状の端子支持台の上面に水平に置かれた第1端子部および前記底部から垂直に直立して配置された第2端子部と、前記第1端子部および前記第2端子部の間で前記底部の内部を経由して電流経路を形成し、前記第1端子部と垂直に交差する部分が前記端子支持台の内部に埋め込まれ、他の部分が前記底部に埋め込まれた連結部とを有し、
前記バスバーの前記第1端子部および前記第2端子部は締結孔を備え、前記ハウジング本体の前記内側空間に露出し、前記バスバーの前記連結部は前記底部及び前記壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ、
前記ハウジング本体は、前記ハウジング本体の内部に埋め込まれている前記バスバーの前記連結部のうち少なくとも一部分が前記ハウジング本体の外側に露出するように、前記底面の一部が切開された形態で、前記バスバーの前記連結部が埋め込まれた前記底部の背面にグレーチング構造で設けられた複数の放熱口をさらに含む、
電装品ハウジング。
【請求項2】
前記ハウジング本体は、プラスチック素材からなり、前記金属支持構造体と一体化されて設けられた、請求項1に記載の電装品ハウジング。
【請求項3】
前記金属フレームは、前記底部の横方向に延びる少なくとも一つの横フレーム、及び前記底部の縦方向に延びる少なくとも一つの縦フレームを含む、請求項
1または2に記載の電装品ハウジング。
【請求項4】
前記ハウジング本体は、前記底部から前記壁面部の外側に突出するフランジ部をさらに含み、
前記縦フレームは終端部にボルトが通過可能なブッシング孔を備え、前記ブッシング孔は前記フランジ部内に位置する、請求項
3に記載の電装品ハウジング。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の電装品ハウジングを含むバッテリーモジュール。
【請求項6】
電装部品を収容するためのバッテリーモジュールの電装品ハウジングの製造方法であって、
金属支持構造体がハウジング本体の内部に埋め込まれるようにインサート射出成形するハウジング射出段階を含む、電装品ハウジングの製造方法であって、
前記金属支持構造体は、前記ハウジング本体の内部に埋め込まれ、前記ハウジング本体の内側空間と絶縁された金属フレームを有
し、
前記金属支持構造体は、少なくとも一つのバスバーを含み、
前記バスバーは、両端部にそれぞれ配置され、前記ハウジング本体の底部の角領域に設けられたボックス状の端子支持台の上面に水平に置かれた第1端子部および前記底部から垂直に直立して配置された第2端子部と、前記第1端子部および前記第2端子部の間で前記底部の内部を経由して電流経路を形成し、前記第1端子部と垂直に交差する部分が前記端子支持台の内部に埋め込まれ、他の部分が前記底部に埋め込まれた連結部とを有し、
前記バスバーの前記第1端子部および前記第2端子部は締結孔を備え、前記ハウジング本体の前記内側空間に露出し、前記バスバーの前記連結部は前記ハウジング本体の前記底部及び壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ、
前記ハウジング本体は、前記ハウジング本体の内部に埋め込まれている前記バスバーの前記連結部のうち少なくとも一部分が前記ハウジング本体の外側に露出するように、前記底部の一部が切開された形態で、前記バスバーの前記連結部が埋め込まれた前記底部の背面にグレーチング構造で設けられた複数の放熱口をさらに含む、
電装品ハウジングの製造方法。
【請求項7】
前記金属フレームは、前記ハウジング本体の横方向及び縦方向の少なくとも一方向に延びる横フレーム及び縦フレームを含む、請求項
6に記載の電装品ハウジングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品ハウジングに関し、より具体的には、剛性補強及びバスバーなどとハウジングとの一体化によるパッケージングの効率化を図ったバッテリーモジュールの電装品ハウジングに関する。
【0002】
本出願は、2019年8月13日付け出願の韓国特許出願第10-2019-0098993号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
近年、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、電気自動車や電力貯蔵システム(Energy Storage System:ESS)のような中大型装置にも二次電池が広く用いられている。例えば、電気自動車に用いられる場合は、エネルギー容量及び出力を高めるため、多数の二次電池を電気的に接続してバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールを複数接続してバッテリーパックを構成する。
【0005】
バッテリーモジュール/パックの内部に設けられる多様な電装品のハウジングとしては主に射出物を使用する。射出物はプラスチックを用いて製造され、射出材料である樹脂を高熱で溶かした後、金型に入れて製品を完成する。
【0006】
射出成形工程では、高熱の樹脂が外部の大気温度と接触しながら、射出後の冷却過程で製品が変形する短所がある。このような変形は製品の寸法信頼性を悪化させ、射出物の機械的強度を弱化させる。したがって、冷却過程の変形量を低減できる方案とともに、射出後の電装品ハウジングの強度信頼性を確保できる方案が求められている。
【0007】
一方、バッテリーモジュールは、バッテリーセルの充放電を制御するための各種の電装部品、例えば、バッテリー管理システム(Battery Management System:BMS)、リレー、電流センサ、ヒューズなどを含み得る。電装品ハウジングはこのような各種の電装部品を一体的に収納する。しかし、バッテリーモジュール/パックの小型化趨勢に合わせて電装品ハウジングのサイズも小型化しつつある。したがって、電装品ハウジング内でケーブルまたはバスバーが占める空間を最小化するなど、電装品ハウジングの空間活用性を高める必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、射出成形後の変形を防止し、高い機械的剛性を有する電装品ハウジングを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、バスバーなどをハウジングに一体化することで、空間自由度を有し且つ電装部品のパッケージングが便利な電装品ハウジングを提供することを他の目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、電装部品を収容するためのバッテリーモジュールの電装品ハウジングであって、外形を形成するハウジング本体と、ハウジング本体の内部に埋め込まれている金属支持構造体と、を含む電装品ハウジングが提供される。
【0012】
ハウジング本体は、プラスチック素材からなり、金属支持構造体と一緒にインサート射出方式で設けられ得る。
【0013】
ハウジング本体は、底面を形成する底部、及び底部の周縁に沿って壁体を形成する壁面部を含み、金属支持構造体は、底部及び壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ得る。
【0014】
金属支持構造体は、少なくとも一つのバスバーを含み、バスバーは、締結孔を備え、両端部に該当する端子部及び端子部の間で電流経路を形成する連結部から構成され、バスバーの端子部はハウジング本体の内側空間に露出し、バスバーの連結部は底部及び壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ得る。
【0015】
底部の角領域にはボックス状の端子支持台がさらに備えられ、バスバーの端子部の一側は端子支持台の上面に配置され、バスバーの端子部の他側は底面から直立して配置され得る。
【0016】
ハウジング本体は、バスバーの連結部のうち少なくとも一部分がハウジング本体の外側に露出するように、底面の一部が切開された形態で設けられた複数の放熱口をさらに含み得る。
【0017】
金属支持構造体は、底部の横方向に延びる少なくとも一つの横フレーム、及び底部の縦方向に延びる少なくとも一つの縦フレームを含み得る。
【0018】
ハウジング本体は、底部から壁面部の外側に突出するフランジ部をさらに含み、縦フレームは終端部にボルトが通過可能なブッシング孔を備え、ブッシング孔はフランジ部内に位置し得る。
【0019】
本発明の他の態様によれば、上述した電装品ハウジングを含むバッテリーモジュールが提供される。
【0020】
本発明のさらに他の様態によれば、電装部品を収容するためのバッテリーモジュールの電装品ハウジングの製造方法であって、金属支持構造体がハウジング本体の内部に埋め込まれるようにインサート射出成形するハウジング射出段階を含む電装品ハウジングの製造方法が提供される。
【0021】
金属支持構造体は、少なくとも一つのバスバーを含み、バスバーは、締結孔を備え、両端部に該当する端子部及び端子部の間で電流経路を形成する連結部から構成され、バスバーの端子部はハウジング本体の内側空間に露出し、バスバーの連結部はハウジング本体の底部及び壁面部の少なくとも一つの内部に埋め込まれ得る。
【0022】
金属支持構造体は、ハウジング本体の横方向及び縦方向の少なくとも一方向に延びる横フレーム及び縦フレームを含み得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態によれば、金属支持構造体がハウジング本体の骨組みとして作用できるため、射出成形後の変形を防止し、高い機械的剛性を有する電装品ハウジングを提供することができる。
【0024】
本発明の他の実施形態によれば、バスバーなどがハウジング本体と一体型構造で製作されるため、電装部品のパッケージングが便利な電装品ハウジングを提供することができる。
【0025】
また、本発明による電装品ハウジングでは、バスバーの端子部のみがハウジング本体の外側に露出し、バスバーの他の部分は金属支持構造体の役割を果たすことで、バスバーの絶縁のための被覆を必要としない。
【0026】
本発明の効果は上記の効果に限定されず、他の効果は本明細書及び添付された図面から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による電装品ハウジングの概略的な斜視図である。
【
図2】
図1の電装品ハウジングに電装部品を収納した状態を示した図である。
【
図4】
図2のI-I'線に沿った断面斜視図である。
【
図6】
図2のII-II'線に沿った断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであるため、図面における構成要素の形状及び大きさなどは明確な説明のために誇張、省略または概略して図示され得る。したがって、各構成要素の大きさや比率は実際の大きさや比率を専ら反映するものではない。
【0030】
後述する電装品ハウジングは、バッテリーモジュールまたはバッテリーパック内部の多様な電装品を収容して保護するために使用されるものを称する。すなわち、本実施形態の電装品ハウジングは、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックの構成品に含まれ得る。勿論、本発明による電装品ハウジングがバッテリーモジュールまたはバッテリーパックの構成品としてのみ使われることはない。例えば、電力貯蔵装置やその他の電気装置等の電装品ハウジングとしても適用可能である。
【0031】
図1は本発明の一実施形態による電装品ハウジングの概略的な斜視図であり、
図2は
図1の電装品ハウジングに電装部品を収納した状態を示した図である。
【0032】
これら図面を参照すると、本発明の一実施形態による電装品ハウジング10は、外形を形成するハウジング本体100、及びハウジング本体100の内部に埋め込まれている金属支持構造体200を含む。
【0033】
ハウジング本体100は、底部110及び壁面部120を含む。
【0034】
底部110は、ハウジング本体100の底面を形成する部分であって、所定の厚さを有し、略四角板状で設けられ得る。電装部品は底部110で予め指定された位置に固設され得る。電装部品は、例えばメインリレー20a、電流センサ20b、プリチャージリレー20c、レジスタ20dなどであり得る。
【0035】
壁面部120は、底部110の周縁に沿って壁体を形成する部分であって、底部110と一体的に形成され得る。電装部品は壁面部120で囲まれた底部110の空間内に配置される。ハウジング本体100は、空間がカバーで覆われるか、又は、開放された状態のままバッテリーモジュールまたはバッテリーパック内の一側に固設され得る。
【0036】
金属支持構造体200は、ハウジング本体100の内部でハウジング本体100の骨組みとして作用する構成要素である。例えば、金属支持構造体200を射出金型に入れ、射出材料である樹脂を注入するインサート射出成形方式でハウジング本体100を製作することができる。後述するが、金属支持構造体200は、ハウジング本体100の底部110及び壁面部120の少なくとも一つの内部に埋め込まれ得、ステンレス鋼、銅、アルミニウム合金などの機械的剛性を有する金属であれば特に制限されない。
【0037】
このような金属支持構造体200の熱変形係数は、プラスチック射出物の熱変形係数よりも相対的に非常に小さい。すなわち、金属支持構造体200は、熱的耐久性がプラスチックよりも相当優れるため、射出後にも変形が殆ど生じない。このような金属支持構造体200が射出物の内部に一体化されることで、射出直後の射出物の収縮量も低減できる。
【0038】
したがって、金属支持構造体200を含む本発明による電装品ハウジング10は、一般的なプラスチック射出成形構造の製品よりも、寸法正確度及び機械的強度が一層高いという長所を有する。
【0039】
一方、本実施形態による金属支持構造体200は、少なくとも一つのバスバー210、横フレーム220及び縦フレーム230を含むことができる。
【0040】
バスバー210は、一定の厚さ、幅及び長さを有する金属板であって、バッテリーモジュール/パックの大電流経路を形成する部材である。バスバー210は、特定装置または端子間を連結するために折り曲げるか又は捩じって多様な経路を形成するように設けられ得る。
【0041】
本発明は、このようなバスバー210を金属支持構造体200のうち一つとして用いる。すなわち、本発明は、バスバー210のうち相当部分を電装品ハウジング10内に埋め込むことで、それを機械的強度の補強に活用するとともに、電装品ハウジング10内の絶縁性及び空間自由度を向上できるようにした。
【0042】
バスバー210は、両側の端子部211、212及び両側の端子部211、212の間で電流経路を形成する連結部213を含む。端子部211、212は、締結孔を備えて外部装置または電装部品の端子とボルト締結されることで、電気的接続及び機械的固定を行うことができる。連結部213は、両側の端子部211、212の間で予め決められた経路で延びて多様な電流経路を形成することができる。
【0043】
具体的には、
図3及び
図4を一緒に参照すると、バスバー210は、バスバー210の端子部が底部110の内側空間に露出させ、バスバー210の連結部213が底部110及び壁面部120の少なくとも一つの内部に埋め込まれる形態であって、金属支持構造体200の一部として使用され得る。
【0044】
底部110の角領域には、ボックス状の端子支持台140がさらに設けられ得る。端子支持台140は、バスバー210の一側の端子部211を底部110から一定の高さで支持し、連結部213の一部分をその内部に埋め込むための場所を提供する構造物である。
【0045】
端子支持台140の上面にバスバー210の一側の端子部211が水平に置かれ、他側の端子部212は一側端子部211から所定の距離だけ離隔した位置で底部110から垂直に直立して配置され得る。以下では、一側の端子部を第1端子部211と称し、他側の端子部を第2端子部212と称する。
【0046】
第1端子部211は、便宜上図示していないが、セルアセンブリの電極端子のうち一つと接続されている他のバスバーの一端部またはケーブルの一端部と接触し、ボルトで締結されて固定され得る。このとき、端子支持台140が備えられるハウジング本体100の角領域の外側は凹状に設けることで、端子支持台140を貫通して第1端子部211の締結孔にボルトを容易に締結できるようにした。
【0047】
そして、第2端子部212は、底部110の内側空間に位置したメインリレー20aの電極端子のうち一つと接触し得る。メインリレー20aの電極端子は、第2端子部212の締結孔に挿入できるボルト、及び第2端子部212に対応する金属板を含み得る。
【0048】
連結部213は、少なくとも1回以上折り曲げられた形態であって、第1端子部211から端子支持台140の内部及び底部110の内部を経由して第2端子部212まで延長され得る。
【0049】
従来のバスバー210では一般に、連結部213が、絶縁のため絶縁チューブなどで被覆され、電装品ハウジング10内で外部に露出するように配置されるが、本発明では、連結部213が金属支持構造体200の一部としてハウジング本体100内に埋め込まれることで絶縁チューブなどのような被覆物を省略することができる。特に、経路が複雑な剛性バスバー(rigid busbar)は絶縁チューブなどを挿入して被覆することが困難であり、絶縁チューブ自体も高価である。このような面で、本発明は、電装品ハウジング10の機械的強度を強化するだけでなく、バスバー210の製作及びコスト節減においても有利である。
【0050】
本実施形態において、二つのバスバー210のうち一つのバスバー210は、セルアセンブリの正極端子とリレー装置の正極端子との間の電流経路を形成するために用いられ、他の一つのバスバー210は、セルアセンブリの負極端子とリレー装置の負極端子との間の電流経路を形成するために用いられる。図示していないが、リレー装置の他にも電流センサ、プリチャージリレーなどの電気的接続のため、電装品ハウジング10内にバスバー210を同様の方式で追加的に埋め込んでもよい。
【0051】
バスバー210に流れる電流が強過ぎると熱が発生し得るため、高電圧/高電流用バスバー210は適切な温度を維持できるように冷却する必要がある。
【0052】
そのため、本実施形態によるハウジング本体100は、バスバー210の連結部213のうち少なくとも一部分がハウジング本体100の外側に露出するように、底部110の一部が切開された形態で設けられた複数の放熱口130をさらに含むことができる。
【0053】
すなわち、
図5に示されたように、ハウジング本体100の底部110のうちバスバー210の連結部213が埋め込まれている底部110の背面に放熱口130が設けられる。放熱口130は、例えば、グレーチング(grating)構造のように形成され得る。したがって、本実施形態によれば、バスバー210で発生する熱をハウジング本体100の下側に放熱口130を通じて放熱することができる。バスバー210をより積極的に冷却するため、放熱口130の下方に小型ファンを取り付けてバスバー210を空冷させてもよい。
【0054】
一方、本発明の一実施形態による金属支持構造体200は、複数の横フレーム220及び縦フレーム230をさらに含む。底部110の変形を最大限に減らすように、横フレーム220及び縦フレーム230を底部110の面積範囲内に均一に配置することが望ましい。そのため、
図1及び
図6に示されたように、複数の横フレーム220はそれぞれ底部110の横方向(X軸方向)に沿って長く延びて互いに所定の距離だけ離隔して配置され、複数の縦フレーム230も同様にそれぞれ底部110の縦方向(Y軸方向)に沿って長く延びて互いに所定の距離だけ離隔して配置される。
【0055】
電装品ハウジング10の壁面部120よりも電装品ハウジング10の底面を形成する底部110が収縮して捩れる場合に組立公差がより大きく発生するため、本実施形態では底部110の変形防止に集中して金属支持構造体200を底部110に埋め込んだが、本実施形態と異なって、壁面部120に横フレーム220または縦フレーム230を追加的に埋め込んでもよい。
【0056】
ハウジング本体100は、底部110から壁面部120の外側に突出するフランジ部150をさらに含むことができる。このようなフランジ部150は、電装品ハウジング10を、例えば、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックのトレイに固定するとき、ボルトを締結する箇所として使用することができる。
【0057】
フランジ部150は、ハウジング本体100の縦方向(Y軸方向)の両端に2箇所ずつ総4個が設けられ得る。そして、縦フレーム230の両終端部はフランジ部150内に位置し得る。このような縦フレーム230の終端部にはボルトが通過可能なブッシング孔240が設けられ得る。換言すると、ブッシング孔240は、金属管状で縦フレーム230の終端部に形成された部分であると言える。
【0058】
本発明は、このように縦フレーム230のブッシング孔240をフランジ部150内に位置させることで、ハウジング本体100の射出後の変形を阻止すると同時に、フランジ部150の機械的強度を補強することができる。したがって、以後、ボルトを用いてフランジ部150を他の構造物に強く結合しても、フランジ部150が容易に割れるか又は破損することがない。これによって、電装品ハウジング10をバッテリーモジュールまたはバッテリーパックのトレイに安定的に取り付けることができる。
【0059】
以下、本発明による電装品ハウジング10の製造方法を概略的に説明する。
【0060】
本発明による電装品ハウジング10の製造方法は、金属支持構造体200が内部に埋め込まれるようにハウジング本体100をインサート射出成形するハウジング射出段階を含むことを特徴とする。
【0061】
まず、載置する電装部品の個数、形状及び電装部品を接続するバスバー210の経路などの諸般の条件に合わせて底部110及び壁面部120を有するハウジング本体100を設計する段階と、ハウジング本体100に埋め込む金属支持構造体200を用意する段階と、を実行する。
【0062】
その後、金属支持構造体200がハウジング本体100の内部に埋め込まれるようにインサート射出成形するハウジング射出段階を実行する。
【0063】
ハウジング射出段階は、射出金型内に金属支持構造体200を先に入れ、プラスチック樹脂を射出金型中に注入する方式で行うことができる。このとき、プラスチック樹脂は、一定の耐久性及び電気絶縁性を有する樹脂材料であれば如何なる樹脂であってもよい。
【0064】
金属支持構造体200としては、上述したように、バスバー210、横フレーム220及び縦フレーム230がすべて採用できる。
【0065】
バスバー210の場合、バスバー210の端子部を除いた連結部213はすべて底部110及び壁面部120の少なくとも一方の内部に埋め込まれるようにし、横フレーム220及び縦フレーム230はすべて底部110の横方向及び縦方向に沿って長く延びて底部110の面積に均一に分布するように埋め込まれるようにする。
【0066】
その後、射出金型内の圧力を維持した状態で、ハウジング本体100を冷却固化する。このとき、上述したように、ハウジング本体100の内部に均一に金属支持構造体200が埋め込まれているため、射出物の寸法変化を最小化することができる。次いで、射出金型から固化した電装品ハウジング10を取り出して製造工程を終了する。
【0067】
以上のように、本発明による電装品ハウジング10は、金属支持構造体200がハウジング本体100内に含まれているため、射出成形後のハウジング本体100の寸法正確性及び機械的強度を向上させることができる。
【0068】
また、金属支持構造体200の一部としてバスバー210がハウジング本体100と一体型構造で含まれているため、絶縁チューブなどでバスバー210を別途被覆する必要がなく、空間自由度が増大して電装部品を非常に効率的にパッケージングすることができる。このような電装品ハウジング10を使用すると、全体的なバッテリーモジュールまたはバッテリーパックの組み立て工程の簡素化に非常に有利に作用することができる。
【0069】
一方、本発明によるバッテリーモジュールは、上述した電装品ハウジングを含んで構成され、バッテリーパックはこのようなバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含むように構成され得る。
【0070】
本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用できる。勿論、本発明によるバッテリーパックは、電力貯蔵装置またはその他のIT製品群などにも適用できる。
【0071】
以上、本発明の望ましい実施形態を図示して説明したが、本発明が上述した特定の望ましい実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく当業者であれば多様に変形実施することができ、そのような変更が特許請求の範囲の範囲内にあることは言うまでもない。
【0072】
一方、本明細書において、上、下、左、右などのように方向を示す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上用いられたものに過ぎず、観測者の位置や対象の位置などによって変わり得ることは当業者にとって自明である。