(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】成型装置及び成型方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/26 20060101AFI20240509BHJP
B29D 35/02 20100101ALI20240509BHJP
B29C 33/76 20060101ALI20240509BHJP
B29C 33/44 20060101ALI20240509BHJP
B29C 45/40 20060101ALI20240509BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B29C45/26
B29D35/02
B29C33/76
B29C33/44
B29C45/40
B29C44/00 D
(21)【出願番号】P 2022122599
(22)【出願日】2022-08-01
【審査請求日】2022-08-01
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】イェー、リャン-ホイ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-229323(JP,A)
【文献】特開平08-025368(JP,A)
【文献】特開2002-172641(JP,A)
【文献】実開平06-064848(JP,U)
【文献】特開2005-313385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型装置であって、
第1の金型と、
前記第1の金型に対向する第2の金型と、
前記第1の金型と前記第2の金型との間に配置され、位置制御機構を介して前記第2の金型に可動的に取り付けられた第3の金型と、を含み、
前記位置制御機構はイジェクタと前記イジェクタの移動を制御する弾性機構とを含み、前記イジェクタの第1の端部が前記第3の金型
の下面に固定的に取り付けられ、前記イジェクタの第2の端部が前記第2の金型の穴構造内に延伸され
、前記位置制御機構は全体が前記第3の金型の前記下面の下に配置される、ことを特徴とする、成型装置。
【請求項2】
前記成型装置が閉鎖構成にあるとき、前記第1の金型と前記第2の金型が、前記第3の金型を受け入れる収容空間を共同で定義することを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項3】
前記成型装置が閉鎖構成にあるとき、前記第1の金型と、前記第3の金型と、前記第2の金型が共同で金型キャビティを定義することを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項4】
前記位置制御機構
が前記第1の金型から完全に分離されることを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項5】
成型方法であって、
(a)第2の金型と、前記第2の金型の間に可動的に取り付けられた第3の金型とを提供する工程であって、前記第2の金型の上面と前記第3の金型の下面との間の間隙が位置制御機構によって形成され、前記位置制御機構がイジェクタと前記イジェクタの移動を制御する弾性機構とを含み、前記イジェクタの第1の端部が前記第3の金型の前記下面に
固定的に取り付けられ、前記イジェクタの第2の端部が前記第2の金型の穴構造内に延伸され
、前記位置制御機構は全体が前記第3の金型の前記下面の下に配置される工程と、
(b)第1の金型を前記第2の金型と係合して収容空間を定義し、前記第3の金型が前記収容空間内に配置され、そのうち、前記第1の金型、前記第3の金型、前記第2の金型が共同で金型キャビティを定義する工程と、
(c)前記金型キャビティ内に材料を注入し、少なくとも部分的に前記第3の金型を取り囲む工程と、
(d)前記材料から成形品を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、成型方法。
【請求項6】
さらに、
(e)前記第2の金型を前記第1の金型から離脱させる工程と、
(f)前記第1の金型を前記第3の金型から分離する工程と、
を
含み、前記第2の金型が前記第1の金型から離脱されると同時に、前記第3の金型及び前記イジェクタが前記第2の金型から離れるように移動することを特徴とする、請求項5に記載の成型方法。
【請求項7】
さらに、
(g)前記第3の金型の上側から前記成形品を離型する工程を含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の成型方法。
【請求項8】
前記工程(d)において、前記成形品がベース部分と、少なくとも1つのアッパー部分と、少なくとも1つのストリップと、追加のピンを含み、前記アッパー部分が前記ベース部分に接続され、前記ストリップが前記アッパー部分に接続され、前記追加のピンが前記ストリップに接続される、ことを特徴とする、請求項7に記載の成型方法。
【請求項9】
さらに、
(h)前記追加のピンと前記ストリップを取り除く工
程を含むことを特徴とする、請求項8に記載の成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型装置及び成型方法に関し、特に、射出成型または押出成型での使用に適した成型装置及び成型方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年4月28日に提出された米国非仮特許出願第17/731,764号の優先権を主張し、当該出願は、完全に引用されているかのように、本明細書に参考として組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
発泡ポリマー成形品は、高強度、軽量、耐衝撃性、良好な遮音性と断熱性等、多くの利点を有している。発泡ポリマー成形品は、射出成型または押出成型により所定の形状を有する成形品とすることができる。例えば、射出成型機を介して高分子材料を溶解し、発泡剤と混合して混合物を形成した後、溶融した高分子材料が圧力によって金型のキャビティ内に射出または押出され、所望の発泡ポリマー成形品を形成することができる。混合物の組成を変えたり、成型方法を調整したりすることにより、発泡ポリマー成形品の特性や用途を変えることができる。
【0004】
一般に、発泡ポリマー成形品の外観および物理的性質は、成型工程により直接影響を受けるため、金型の設計は、混合物がキャビティ内に均一かつ迅速に分布するように混合物の流動性を考慮しなければならず、また、成型工程における混合物中の気泡孔の分布密度が高く均一になるようにして、本来の物理的性質を保持する必要がある。金型を用いて成型された発泡ポリマー成形品には、多くの利点と用途があるが、その欠点に起因する限界と制限は未だに打破されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、成型装置及び成型方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、成型装置が開示される。当該成型装置は、上型と、下型と、中間型を含む。当該下型は当該上型の下方に配置される。当該中間型は、当該上型と当該下型との間に配置される。当該中間型は、位置制御機構を介して当該下型に可動的に取り付けられる。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、成型方法が開示される。当該成型方法は、(a)下型と、当該下型に可動的に取り付けられた中間型を提供する工程と、(b)上型を当該下型と係合して収容空間を定義し、当該中間型が当該収容空間内に配置され、そのうち、当該上型、当該中間型、当該下型が共同で金型キャビティを定義する工程と、(c)当該金型キャビティに材料を注入し、少なくとも部分的に当該中間型を取り囲む工程と、(d)当該材料から成形品を形成する工程と、を含む。
【0008】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図2A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図3A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図4A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図5A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図6A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図7】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図8】本発明の一部の実施態様に基づく当該成形品の概略透視図である。
【
図9】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図10】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図11】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図12】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図13】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図14】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図15】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図16A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図17A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図18A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図19A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略透視図である。
【
図20】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略側面図である。
【
図21】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0011】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatially relative term)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の比率などについてのすべての数値的範囲、数量、値、比率は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0013】
図1A~
図8に、本発明の一部の実施態様に基づく成形品を製造するための成型方法を示す。一部の実施態様において、当該方法は、
図8に示す当該成形品6を製造するためのものである。
【0014】
図1Aと
図1Bに示すように、成型装置1が提供される。
図1Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第1の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図1Bは
図1Aの当該成型装置1の側面図である。当該成型装置1は、上型2と、下型3と、中間型4と、位置制御機構5を含むことができる。
【0015】
一部の実施態様において、当該上型2は、寸法、形状などいくつかの構成において当該下型3に対応している。当該上型2は当該下型3の上に配置され、当該下型3と係合することができる。一部の実施態様において、当該成型装置1の提供は、当該下型3を当該上型2に向かって搬送することを含むことができる。それにより、当該下型3が後続の工程のために当該上型2の下に配置される。一部の実施態様において、当該上型2は当該下型3と位置合わせされてもよい。
図1Aと
図1Bに示す実施態様において、当該成型装置1は開放構成にある。
【0016】
当該上型2は、上面21と、当該上面21と反対側の下面22とを有していてもよい。当該上型2は、凹部23と通路24を定義してもよい。当該上型2の下面22は、当該下型3及び当該中間型4と向き合っていてもよい。当該上型2の当該凹部23は、当該上型2の当該下面22から凹陥していてもよい。当該上型2の当該凹部23の構成(例えば、寸法または形状)は、当該中間型4の構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。当該上型2の当該凹部23は、第1内側表面231と第2内側表面232とを含んでもよい。当該第2内側表面232は、当該第1内側表面231と当該上型2の当該下面22との間に延伸されていてもよい。当該第1内側表面231及び当該第2内側表面232は、当該中間型4に実質的に沿った形であってもよい。
【0017】
一部の実施態様において、当該通路24は、当該上型2を貫通して延伸されていてもよく、当該上型2の当該上面21上に開口部241を有していてもよい。一部の実施態様において、当該通路24は、当該成型装置1が
図3Aと
図3Bに示すように閉鎖構成にあるとき、当該上型2の当該凹部23または当該金型キャビティ14と連通可能であってもよい。あるいは、当該通路24は、当該上型2の当該凹部23と連通されてもよい。したがって、当該上型2の当該凹部23は、当該通路24を介してアクセス可能であってもよい。簡易性と明確性のため、1つの当該通路24のみが図示されているが、当該上型2には任意の適切な数の当該通路24を構成できると理解してもよい。一部の実施態様において、当該通路24の数は、当該上型2の当該凹部23の数と同じである。一部の実施態様において、当該上型2の当該凹部23の数は、当該通路24の数よりも多い。一部の実施態様において、当該通路24の数は、当該上型2の当該凹部23の数よりも多い。
【0018】
一部の実施態様において、当該上型2に当該通路24を構成する代わりに、当該成型装置1が
図3Aと
図3Bに示すように閉鎖構成にあるとき、当該下型3の凹部
33または当該金型キャビティ14にアクセスするために、当該下型3に当該通路24を構成してもよい。一部の実施態様において、当該通路24は、当該成型装置1が
図3Aと
図3Bに示すように閉鎖構成にあるとき、当該通路24が当該金型キャビティ14と連通可能であるように、当該下型3の側壁、当該下型3の底部、または任意の適した位置に構成されてもよい。
【0019】
当該下型3は当該上型2の下方に配置されてもよい。当該下型3は、上面31と、当該上面31と反対側の下面32とを有していてもよい。当該下型3は、凹部33と穴構造34を定義してもよい。当該下型3の上面31は、当該上型2及び当該中間型4と向き合っていてもよい。当該下型3の当該凹部33は、当該下型3の当該上面31から凹陥していてもよい。当該下型3の当該凹部33の構成(例えば、寸法または形状)は、当該中間型4の下面の構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。当該下型3の当該凹部33の位置は、当該中間型4の直下であってもよい。当該下型3の当該凹部33は、当該成型装置1が
図3Aと
図3Bに示すように閉鎖構成にあるとき、当該金型キャビティ14の一部であってもよい。
【0020】
一部の実施態様において、当該穴構造34は、当該下型3の当該凹部33の外側に配置されてもよい。したがって、当該穴構造34は当該下型3の当該凹部33と連通されなくてもよい。したがって、当該下型3の当該凹部33は当該穴構造34を介してアクセス可能でなくてもよい。一部の実施態様において、当該穴構造34は当該下型3を貫通して延伸されていても、されていなくてもよい。当該穴構造34は、相互に連通された第1穴341と第2穴342を含んでもよい。当該第1穴341は、当該下型3の当該上面31上に開口部を有していてもよい。当該第2穴342は当該第1穴341の下に位置する。当該第2穴342の大きさ(例えば、幅または直径)は、当該第1穴341の大きさ(例えば、幅または直径)より小さく、段差構造343を形成している。
【0021】
簡易性と明確性のため、1つの当該穴構造34のみが図示されているが、当該下型3には任意の適切な数の当該穴構造34を構成できると理解してもよい。一部の実施態様において、当該穴構造34は、当該位置制御機構5の一部を受け入れるために用いられてもよい。したがって、当該穴構造34の数は、当該位置制御機構5の数に等しいものとしてもよい。一部の実施態様において、当該穴構造34の数は2または3としてもよく、当該上型2から当該位置制御機構5及び当該中間型4に加えられる下方への押圧力をバランスよく、または実質的に均一に支持することができる。
【0022】
当該中間型4は、当該上型2と当該下型3との間に配置され、当該位置制御機構5を介して当該下型3に可動的に取り付けられてもよい。当該中間型4は、当該上型2と当該下型3の間で移動可能であってもよい。一部の実施態様において、当該中間型4は、当該位置制御機構5の操作により、当該上型2と当該下型3の間で移動可能である。一部の実施態様において、当該位置制御機構5は、当該中間型4を駆動または作動させ、当該上型2と当該下型3の間の方向に沿って、または当該成型装置1の高さに沿って移動させることができる。当該中間型4の最大変位量は、当該位置制御機構5により制限されると理解されてもよい。すなわち、当該中間型4と当該下型3間の間隙または距離は、当該位置制御機構5によって制御される。さらに、当該中間型4と当該上型2間の間隙または距離は、当該位置制御機構5によって制御されない。
【0023】
図1Aと
図1Bに示すように、当該中間型4は、本体部41と、靴型42を含んでもよい。当該本体部41は、当該靴型42の後端部に接続されてもよい。一部の実施態様において、当該本体部41と当該靴型42は、一体型構造物として一体的に形成されてもよい。当該本体部41は、上面411と、当該上面411と反対側の下面412とを有していてもよい。当該靴型42は、上面421と、当該上面421と反対側の下面422と、当該上面421と当該下面422との間に延在する外面423とを有してもよい。さらに、当該靴型42は、当該外面423から凹陥した少なくとも1つの凹部43を定義してもよい。当該中間型4の当該凹部43は、
図3Aと
図3Bに示すように当該成型装置1が閉鎖構成にあるとき、当該金型キャビティ14の一部であってもよい。一部の実施態様において、少なくとも1つの当該凹部43は、相互に連通され、かつ当該靴型42の当該下面422まで延伸された複数の凹部43を含んでもよい。一部の実施態様において、当該靴型42はさらに、当該靴型42の当該下面422から凹陥した少なくとも1つの下面凹部(図示しない)を定義してもよい。
【0024】
当該靴型42の当該上面421は、当該本体部41の当該上面411と実質的に揃っている、または共平面であってもよい。したがって、当該中間型4の上面は、当該靴型42の当該上面421と当該本体部41の当該上面411を含んでもよい。さらに、当該靴型42の当該下面422は、当該本体部41の当該下面412と実質的に揃っている、または共平面であってもよい。したがって、当該中間型4の下面は、当該靴型42の当該下面422と当該本体部41の当該下面412を含んでもよい。その結果、当該靴型42の最大厚さは、当該本体部41の最大厚さ及び当該中間型4の最大厚さに実質的に等しくてもよい。
【0025】
当該位置制御機構5は、当該中間型4の当該本体部41の当該下面412に接続または取り付けられてもよい。当該位置制御機構5は、当該中間型4を上に向かって駆動または作動させ、当該成型装置1が開放構成にあるとき、当該下型3の当該上面31と当該中間型4の下面(当該靴型42の当該下面422と当該本体部41の当該下面412を含む)との間に間隙Gを生成することができる。つまり、当該位置制御機構5は、当該中間型4と当該下型3間の相対的移動を生成することができる。
図1Aと
図1Bに示すように、当該成型装置1が開放構成にあるとき、当該間隙Gが最大値に達する。
【0026】
一部の実施態様において、当該位置制御機構5の一部は、当該下型3の当該穴構造34内に受け入れられてもよい。したがって、当該成型装置1が閉鎖構成にあるとき、当該位置制御機構5全体が当該下型3の当該穴構造34内に受け入れられ、当該本体部41の当該下面412が当該下型3の当該上面31に接触してもよい。
【0027】
図1Aと
図1Bに示すように、当該位置制御機構5は、少なくとも1つのイジェクタ51と、弾性機構52を含んでもよい。当該イジェクタ51は、ピン、支柱、ポスト、または柱状体であってよく、当該中間型4の移動方向を導くために使用されてもよい。当該イジェクタ51の上端は、当該中間型4の当該本体部41の当該下面412に接続または取り付けられ、当該イジェクタ51の下端は、当該穴構造34の当該第1穴341を貫通して当該穴構造34の当該第2穴342内に延伸されてもよい。当該弾性機構52は、当該イジェクタ51の移動の制御または当該イジェクタ51の駆動に用いられてもよい。例えば、当該弾性機構52は、当該イジェクタ51を取り囲むバネまたは弾性体であってもよい。当該弾性機構52の上端は、当該中間型4の当該本体部41の当該下面412に接続または取り付けられ、当該弾性機構52の下端は、当該下型3の当該穴構造34の当該段差構造343に接続または取り付けられてもよい。当該中間型4に下向きの力を加えて当該中間型4を下方に移動させて当該弾性機構52を押すように駆動すると、押された当該弾性機構52に弾性位置エネルギーが蓄積される。下向きの力が解放されると、当該弾性位置エネルギーによって、当該中間型4が上方に移動するように押される。当該位置制御機構5は、圧縮相と弾性回復相とを有するピストンまたは他の適切な機構であってもよいことが理解される。一部の実施態様において、当該弾性機構52を省略し、当該イジェクタ51の下端を適当なアクチュエータに接続してもよい。これにより、当該イジェクタ51の移動が弾性位置エネルギーに制御されないようにしてもよい。
【0028】
一部の実施態様において、当該中間型4は、当該下型3及び当該位置制御機構5から着脱可能であってもよい。成形品6(
図8)の大きさまたは外観は、当該中間型4の大きさまたは外観に対応してもよいと理解される。したがって、異なるサイズまたは異なる外観を有する、異なる成形品6(
図8)を製造するために、異なるサイズまたは異なる外観を有する異なる当該中間型4を採用し、変更してもよい。当該中間型4が変更された場合、それに応じて当該下型3の当該凹部33及び当該上型2の当該凹部23が変更されてもよい。
【0029】
図2Aと
図2Bに示すように、当該上型2と当該下型3間の距離が徐々に減少される。
図2Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第2の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図2Bは
図2Aの当該成型装置1の側面図である。
図2Aと
図2Bに示すように、当該上型2と当該下型3間に相対移動が発生する。一部の実施態様において、当該上型2の位置が固定され、当該下型3と当該中間型4を当該上型2に向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3と当該中間型4の位置が固定され、当該上型2を当該下型3と当該中間型4に向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3と当該上型2を相互に向かって移動させてもよい。
図2Aと
図2Bに示す段階において、当該中間型4は当該上型2に接触しているが、当該下型3は当該上型2にまだ接触していない。つまり、当該中間型4は、当該下型3が当該上型2に接触するより前に、当該上型2に接触する。例えば、当該中間型4は当該上型2の当該凹部23に受け入れられてもよい。当該上型2の当該第1内側表面231が、当該中間型4の上面(当該靴型42の当該上面421と当該本体部41の当該上面411を含む)に接触してもよい。当該上型2の当該第2内側表面232は、当該中間型4の当該外面423に接触してもよい。一部の実施態様において、当該中間型4の当該下面(当該靴型42の当該下面422と、当該本体部41の当該下面412を含む)は、当該上型2の当該下面22と実質的に共平面であってもよい。一方、当該下型3の当該上面31と当該中間型4の当該下面間の当該間隙Gは変化していない。
【0030】
図3Aと
図3Bに示すように、当該上型2と当該下型3間の相対移動は、当該上型2と当該下型3間の距離がゼロに減少するまで継続する。
図3Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第3の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図3Bは
図3Aの当該成型装置1の側面図である。一部の実施態様において、当該上型2の位置が固定され、当該中間型4が当該上型2を支持し、当該下型3が当該上型2に向かって移動してもよい。一部の実施態様において、当該下型3の位置が固定され、当該上型2と当該中間型4を当該下型3に向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3と当該上型2を相互に向かって移動させてもよい。したがって、当該下型3の当該上面31と当該中間型4の当該下面間の当該間隙Gはゼロに減少される。当該上型2は、当該中間型4に下向きの力を加え、当該中間型4を下方に移動させて当該弾性機構52を押圧するように駆動してもよい。したがって、押圧された当該弾性機構52には、弾性位置エネルギーが蓄積される。
【0031】
図3Aと
図3Bに示すように、当該成型装置1は閉鎖構成にあり、当該上型2が当該下型3と係合されている。当該上型2の当該下面22と当該本体部41の当該下面412が、当該下型3の当該上面31に接触してもよい。したがって、当該上型2と当該下型3が、当該中間型4を受け入れるための収容空間12を共同で定義してもよい。当該収容空間12は当該上型2の凹部23と実質的に同じであってもよいと理解することができる。当該中間型4は全体が当該収容空間12内に配置され、収容される。さらに、当該上型2、当該中間型4、当該下型3は、共同で金型キャビティ14を定義してもよい。当該金型キャビティ14は材料を収容するように構成され、当該材料を金型成型により所定の形状を有する成形品に製作することができる。当該上型2の当該通路24は、当該金型キャビティ14に連通される。一部の実施態様において、当該通路24の当該開口部241は、射出成型機または押出成型機に結合され、当該射出成型機または押出成型機から当該材料を当該金型キャビティ14内に注入/押出し、そこで所定の形状が形成されるようにしてもよい。
【0032】
図3Aと
図3Bに示すように、当該金型キャビティ14は、相互に連通された第1部分141と第2部分142を含んでもよい。当該第1部分141は、当該上型2の当該第2内側表面232と当該靴型42の当該凹部43の側壁により定義されてもよい。当該金型キャビティ14の当該第1部分141は、当該靴型42の当該凹部43と実質的に同じであってもよいと理解することができる。さらに、当該第2部分142は、当該下型3の当該凹部33の当該側壁と、当該中間型4の当該下面(当該靴型42の当該下面422と当該本体部41の当該下面412を含む)と、当該上型2の当該下面22により定義されてもよい。当該金型キャビティ14の当該第2部分142は、当該下型3の当該凹部33と実質的に同じであってもよいと理解することができる。
【0033】
図4Aと
図4Bに示すように、当該通路24の当該開口部241を通じて当該金型キャビティ14内に材料60が注入されてもよい。当該材料60は、少なくとも部分的に当該中間型4を取り囲んでいてもよい。
図4Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第4の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図4Bは
図4Aの当該成型装置1の側面図である。一部の実施態様において、当該材料60は、当該成型装置1が閉鎖構成にあるとき、または当該上型2と当該下型3が相互に係合されているとき、当該金型キャビティ14内に注入される。一部の実施態様において、当該材料60は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、プラスチックまたはその他適した材料を含むことができる。一部の実施態様において、当該材料60は、発泡性材料または低発泡性材料である。一部の実施態様において、当該材料60は、非発泡性材料である。一部の実施態様において、当該材料60は、当該金型キャビティ14(当該第1部分141と当該第2部分142を含む)を埋め尽くしてもよい。
【0034】
その後、当該材料60から成形品6が一体的に形成される。当該成形品6は、スリッパ、フリップフロップ、またはサンダルなどの靴であってもよい。当該成形品6は、ベース部分62(例えば、ソール部分)と、少なくとも1つのアッパー部分61(例えば、ストラップ部分)とを含んでもよい。当該成形品6の当該アッパー部分61は、当該金型キャビティ14の当該第1部分141内に配置された当該材料60の第1部分から形成されてもよい。当該成形品6の当該ベース部分62は、当該金型キャビティ14の当該第2部分142内に配置された当該材料60の第2部分から形成されてもよい。さらに、追加のピン63が、当該通路24内に配置された当該材料60の第3部分から形成されてもよい。当該追加のピン63は、当該成形品6のアッパー部分61に接続されてもよい。
【0035】
図5Aと
図5Bに示すように、当該下型3は当該上型2から離脱される。
図5Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第5の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図5Bは
図5Aの当該成型装置1の側面図である。当該上型2と当該下型3間の相対移動が発生し、当該上型2と当該下型3間の距離が徐々に増加する。同時に、当該成形品6は当該中間型4に保持または取り付けられ、当該追加のピン63は当該成形品6に取り付けられたままでもよい。一部の実施態様において、当該上型2の位置が固定され、当該下型3のみが当該上型2から遠ざかるようにしてもよい。同時に、当該中間型4は当該上型2を支持し、移動しないようにしてもよい。当該中間型4と当該下型3間の相対移動は、当該位置制御機構5により当該中間型4に加えられる押圧力により達成されてもよい。かかる押圧力は、
図3Aと
図3Bの押圧された当該弾性機構52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0036】
一部の実施態様において、当該下型3の位置が固定され、当該上型2と当該中間型4を当該下型3から遠ざかるように同時に移動させてもよい。同時に、当該中間型4は当該上型2を支持し、当該上型2とともに移動されてもよい。当該中間型4と当該下型3間の相対移動は、当該位置制御機構5により当該中間型4に加えられる押圧力により達成されてもよい。かかる押圧力は、
図3Aと
図3Bの押圧された当該弾性機構52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0037】
図6Aと
図6Bに示すように、当該上型2と当該下型3間の相対移動は、当該上型2が当該中間型4から分離されるまで継続する。
図6Aは、本発明の一部の実施態様に基づく第6の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図6Bは
図6Aの当該成型装置1の側面図である。一方で、当該成形品6は当該中間型4上に留まってもよい。一部の実施態様において、当該上型2の位置が固定され、当該中間型4の最大変位量は当該下型3に取り付けられた当該位置制御機構5により制限されるため、当該下型3と当該中間型4を当該上型2から遠ざかるように同時に移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3の位置が固定され、当該上型2が当該下型3と当該中間型4から遠ざかるように移動されてもよい。
図6Bに示すように、当該中間型4と当該上型2間の距離は、当該中間型4と当該下型3間の距離より大きくてもよい。
【0038】
図7に示すように、当該成形品6は当該中間型4の上側から離型されてもよい。
図7は、本発明の一部の実施態様に基づく第7の製造段階における成型装置1の概略透視図である。
図7に示すように、当該成形品6は、当該中間型4と当該上型2間の空間を介して当該中間型4から離型されてもよい。当該下型3の当該上面31と当該中間型4の当該下面との間の当該間隙Gが、当該成形品6の離型を容易にし得ると理解することができる。
【0039】
その後、当該追加のピン63を当該成形品6から取り外すことで、
図8に示す当該成形品6を得ることができる。
【0040】
図8は、本発明の一部の実施態様に基づく当該成形品6の概略透視図である。当該成形品6は、ベース部分62と、当該ベース部分62に接続された少なくとも1つのアッパー部分61とを含んでもよい。当該ベース部分62と当該アッパー部分61は、一体として同時に形成されてもよい。したがって、当該ベース部分62と当該アッパー部分61間にインターフェイスがなくてもよい。
【0041】
図9から
図15に、本発明の一部の実施態様に基づく成形品を製造するための成型方法を示す。一部の実施態様において、当該方法は、
図8に示す当該成形品6を製造するためのものである。
【0042】
図9に示すように、成型装置1aが提供される。
図9の当該成型装置1aは、
図1Aと
図1Bの当該成型装置1と類似しているが、当該中間型4aが上下逆になっている。当該成型装置1aは、上型2aと、下型3aと、中間型4aと、位置制御機構5aを含んでもよい。
図9に示す実施態様において、当該成型装置1aは開放構成にある。
【0043】
当該上型2aは、上面21と、当該上面21の反対側に配置される下面22とを有していてもよい。当該上型2aは、凹部23aと、少なくとも1つの通路24を定義してもよい。当該上型2aの下面22は、当該下型3a及び当該中間型4aと向き合っていてもよい。当該上型2aの当該凹部23aは、当該上型2aの当該下面22から凹陥していてもよい。当該上型2aの当該凹部23aの構成(例えば、寸法または形状)は、当該中間型4aの上面
421の構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。当該上型2aの当該凹部23aの位置は、当該中間型4aの真上であってもよい。
図9の当該上型2aの当該凹部23aは、
図1Aと
図1Bの当該下型3の当該凹部33と類似していてもよい。
【0044】
一部の実施態様において、当該通路24は、当該上型2aを貫通して延伸されていてもよく、当該上型2aの当該上面21上に開口部241を有していてもよい。一部の実施態様において、当該通路24は、当該成型装置1aが
図11に示すように閉鎖構成にあるとき、当該上型2aの当該凹部23aまたは当該金型キャビティ14aと連通可能であってもよい。あるいは、当該通路24は、当該上型2aの当該凹部23aと連通されてもよい。したがって、当該上型2aの当該凹部23aは、当該通路24を介してアクセス可能であってもよい。
【0045】
当該下型3aは当該上型2aの下方に配置されてもよい。当該下型3aは、上面31と、当該上面31の反対側に配置される下面(図示しない)とを有していてもよい。当該下型3aは、凹部33aと穴構造34aを定義してもよい。当該下型3aの上面31は、当該上型2a及び当該中間型4aと向き合っていてもよい。当該下型3aの当該凹部33aは、当該下型3aの当該上面31aから凹陥していてもよい。
【0046】
当該下型3aの凹部33aの構成(例えば、寸法または形状)は、当該中間型4aの構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。当該下型3aの当該凹部33aは、当該成型装置1aが
図11に示すように閉鎖構成にあるとき、当該金型キャビティ14aの一部であってもよい。当該下型3aの当該凹部33aは、第1内側表面331aと第2内側表面332aとを含んでもよい。当該第2内側表面332aは、当該第1内側表面331aと当該下型3aの当該上面31との間に延伸されていてもよい。当該第1内側表面331a及び当該第2内側表面332aは、当該中間型4aに実質的に沿った形であってもよい。
図9の当該下型3aの当該凹部33aは、
図1Aと
図1Bの当該上型2の当該凹部23と類似していてもよい。
【0047】
一部の実施態様において、当該穴構造34aは、当該下型3aの当該凹部33a下方に配置され、当該下型3aの当該凹部33aと連通されていてもよい。一部の実施態様において、当該穴構造34aは、当該位置制御機構5aの少なくとも一部を受け入れるために用いられてもよい。
【0048】
当該中間型4aは、当該上型2aと当該下型3aとの間に配置され、当該位置制御機構5aを介して当該下型3aに可動的に取り付けられてもよい。当該中間型4aは、当該位置制御機構5aの操作により、当該上型2aと当該下型3aとの間で移動可能であってもよい。一部の実施態様において、当該位置制御機構5aは、当該中間型4aを駆動または作動させ、当該上型2aと当該下型3aの間の方向に沿って、または当該成型装置1aの高さに沿って移動させることができる。当該中間型4aの最大変位量は、当該位置制御機構5aにより制限されると理解されてもよい。すなわち、当該中間型4aと当該下型3a間の間隙または距離は、当該位置制御機構5aによって制御される。さらに、当該中間型4aと当該上型2a間の間隙または距離は、当該位置制御機構5aによって制御されない。
【0049】
図9の当該中間型4aは、
図1Aと
図1Bの当該中間型4と類似していてもよいが、
図1Aと
図1Bの当該本体部41は省略されてもよく、
図9の当該中間型4aは上下逆であることが異なる。
図9に示すように、当該中間型4aは靴型42を含んでもよい。当該靴型42は、上面421と、当該上面421の反対側に配置される下面422と、当該上面421と当該下面422との間に延在する外面423とを有してもよい。さらに、当該靴型42は、当該外面423から凹陥した少なくとも1つの凹部43を定義してもよい。当該中間型4aの当該凹部43は、当該成型装置1aが
図11に示すように閉鎖構成にあるとき、当該金型キャビティ14aの一部であってもよい。
【0050】
当該位置制御機構5aは、当該中間型4aの当該靴型42の当該下面422に接続または取り付けられてもよい。当該位置制御機構5aは、当該中間型4aを上に向かって駆動または作動させ、当該成型装置1aが開放構成にあるとき、当該下型3aの当該上面31と当該靴型42の下面422との間に間隙Gを生成することができる。つまり、当該位置制御機構5aは、当該中間型4aと当該下型3a間の相対的移動を生成することができる。
図9に示すように、当該成型装置1aが開放構成にあるとき、当該間隙Gが最大値に達する。
【0051】
一部の実施態様において、当該位置制御機構5aの一部は、当該下型3aの当該穴構造34a内に受け入れられてもよい。したがって、当該成型装置1aが閉鎖構成にあるとき、当該位置制御機構5a全体が当該下型3aの当該穴構造34a内に受け入れられてもよい。
【0052】
図9に示すように、当該位置制御機構5aは、イジェクタ51と、弾性機構52と、固定支持体53を含んでもよい。当該イジェクタ51は、ピン、支柱、ポスト、または柱状体であってよく、当該中間型4aの移動方向を導くために使用されてもよい。当該イジェクタ51の上端は、当該中間型4aの当該靴型42の当該下面422に接続または取り付けられ、当該イジェクタ51の下端は、当該穴構造34a内に延伸され、当該穴構造34a内を摺動してもよい。当該弾性機構52は、当該イジェクタ51の移動の制御または当該イジェクタ51の駆動に用いられてもよい。例えば、当該弾性機構52は、当該イジェクタ51中央の中空部に配置されたバネまたは弾性体であってもよい。当該弾性機構52の上端は、当該中間型4aの当該靴型42の当該下面422に接続または取り付けられ、当該弾性機構52の下端は、当該固定支持体53に接続または取り付けられてもよい。当該中間型4aに下向きの力を加えて当該中間型4aを下方に移動させて当該弾性機構52を押すように駆動すると、押された当該弾性機構52に弾性位置エネルギーが蓄積される。下向きの力が解放されると、当該弾性位置エネルギーによって、当該中間型4aが上方に移動するように押される。当該位置制御機構5aは、圧縮相と弾性回復相とを有するピストンまたは他の適切な機構であってもよいことが理解される。一部の実施態様において、当該弾性機構52を省略し、当該イジェクタ51の下端を適当なアクチュエータに接続してもよい。これにより、当該イジェクタ51の移動が弾性位置エネルギーに制御されないようにしてもよい。
【0053】
図10に示すように、当該上型2aと当該下型3a間の距離が徐々に減少される。当該上型2aと当該下型3a間に相対移動が発生する。一部の実施態様において、当該上型2aの位置が固定され、当該下型3aと当該中間型4aを当該上型2aに向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3aと当該中間型4aの位置が固定され、当該上型2aを当該下型3aと当該中間型4aに向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3aと当該上型2aを相互に向かって移動させてもよい。
図10に示す段階において、当該中間型4aは当該上型2aに接触しているが、当該下型3aは当該上型2aにまだ接触していない。一方、当該下型3aの当該上面31と当該中間型4aの当該下面422間の当該間隙Gは変化していない。
【0054】
図11に示すように、当該上型2aと当該下型3a間の相対移動は、当該上型2aと当該下型3a間の距離がゼロに減少するまで継続する。一部の実施態様において、当該上型2aの位置が固定され、当該中間型4aが当該上型2aを支持し、当該下型3aが当該上型2aに向かって移動してもよい。一部の実施態様において、当該下型3aの位置が固定され、当該上型2aと当該中間型4aを当該下型3aに向かって移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3aと当該上型2aを相互に向かって移動させてもよい。したがって、当該下型3aの当該上面31と当該中間型4aの当該下面422間の当該間隙Gはゼロに減少される。当該上型2aは、当該中間型4aに下向きの力を加え、当該中間型4aを下方に移動させて当該弾性機構52を押圧するように駆動してもよい。したがって、押圧された当該弾性機構52には、弾性位置エネルギーが蓄積される。
【0055】
図11に示すように、当該成型装置1は閉鎖構成にあり、当該上型2aが当該下型3aと係合されている。当該上型2aの下面22は、当該下型3aの当該上面31に接触してもよい。したがって、当該上型2aと当該下型3aが、当該中間型4aを受け入れるための収容空間12aを共同で定義してもよい。当該収容空間12aは当該下型3aの凹部33aと実質的に同じであってもよいと理解することができる。例えば、当該中間型4aは当該下型3aの当該凹部33aに受け入れられてもよい。当該下型3aの当該第1内側表面331aは、当該中間型4aの当該靴型42の当該下面422に接触してもよい。当該下型3aの当該第2内側表面332aは、当該中間型4aの当該外面423に接触してもよい。一部の実施態様において、当該中間型4aの当該靴型42の当該上面421は、当該下型3aの当該上面31と実質的に共平面であってもよい。
【0056】
さらに、当該上型2a、当該中間型4a、当該下型3aは、共同で金型キャビティ14aを定義してもよい。当該金型キャビティ14aは材料を収容するように構成され、当該材料を金型成型により所定の形状を有する成形品に製作することができる。当該上型2aの当該通路24は、当該金型キャビティ14aに連通される。一部の実施態様において、当該通路24の当該開口部241は、射出成型機または押出成型機に結合され、当該射出成型機または押出成型機から当該材料を当該金型キャビティ14a内に注入/押出し、そこで所定の形状が形成されるようにしてもよい。
【0057】
図11の当該金型キャビティ14aは、
図1Aと
図1Bの当該金型キャビティ14と類似していてもよく、相互に連通された第1部分141aと第2部分142aを含んでもよい。当該第1部分141aは、当該下型3aの当該第2内側表面332aと当該靴型42の当該凹部43の側壁により定義されてもよい。当該金型キャビティ14aの当該第1部分141aは、当該靴型42の当該凹部43と実質的に同じであってもよいと理解することができる。さらに、当該第2部分142aは、当該上型2aの当該凹部23aの側壁、当該中間型4aの当該靴型42の当該上面421、及び当該下型3aの当該上面31によって定義されてもよい。当該金型キャビティ14aの当該第2部分142aは、当該上型2aの当該凹部23aと実質的に同じであってもよいと理解することができる。
【0058】
図12に示すように、当該通路24の当該開口部241を通じて当該金型キャビティ14a内に材料60が注入されてもよい。当該材料60は、少なくとも部分的に当該中間型4aを取り囲んでいてもよい。一部の実施態様において、当該材料60は、当該金型キャビティ14a(当該第1部分141aと当該第2部分142aを含む)を埋め尽くしてもよい。その後、当該材料60から成形品6が一体的に形成される。当該成形品6は、スリッパ、フリップフロップ、またはサンダルなどの靴であってもよい。当該成形品6は、ベース部分62(例えば、ソール部分)と、少なくとも1つのアッパー部分61(例えば、ストラップ部分)とを含んでもよい。当該成形品6の当該アッパー部分61は、当該金型キャビティ14aの当該第1部分141a内に配置された当該材料60の第1部分から形成されてもよい。当該成形品6の当該ベース部分62は、当該金型キャビティ14aの当該第2部分142a内に配置された当該材料60の第2部分から形成されてもよい。さらに、少なくとも1つの追加のピン63が、当該通路24内に配置された当該材料60の第3部分から形成されてもよい。当該追加のピン63は、当該成形品6のベース部分62に接続されてもよい。
【0059】
図13に示すように、当該下型3aは当該上型2aから離脱される。当該上型2aと当該下型3a間の相対移動が発生し、当該上型2aと当該下型3a間の距離が徐々に増加する。同時に、当該成形品6は当該中間型4aに保持または取り付けられ、当該追加のピン63は当該成形品6に取り付けられたままでもよい。一部の実施態様において、当該上型2aの位置が固定され、当該下型3aのみが当該上型2aから遠ざかるようにしてもよい。同時に、当該中間型4aは当該上型2aを支持し、移動しないようにしてもよい。当該中間型4aと当該下型3a間の相対移動は、当該位置制御機構5aにより当該中間型4aに加えられる押圧力により達成されてもよい。かかる押圧力は、
図11の押圧された当該弾性機構52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0060】
一部の実施態様において、当該下型3aの位置が固定され、当該上型2aと当該中間型4aを当該下型3aから遠ざかるように同時に移動させてもよい。同時に、当該中間型4aは当該上型2aを支持し、当該上型2aとともに移動されてもよい。当該中間型4aと当該下型3a間の相対移動は、当該位置制御機構5aにより当該中間型4aに加えられる押圧力により達成されてもよい。かかる押圧力は、
図11の押圧された当該弾性機構52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0061】
図14に示すように、当該上型2aと当該下型3a間の相対移動は、当該上型2aが当該中間型4aから分離されるまで継続する。一方で、当該成形品6は当該中間型4a上に留まってもよい。一部の実施態様において、当該上型2aの位置が固定され、当該中間型4aの最大変位量は当該下型3aに取り付けられた当該位置制御機構5aにより制限されるため、当該下型3aと当該中間型4aを当該上型2aから遠ざかるように同時に移動させてもよい。一部の実施態様において、当該下型3aの位置が固定され、当該上型2aが当該下型3aと当該中間型4aから遠ざかるように移動されてもよい。
図14に示すように、当該中間型4aと当該上型2a間の距離は、当該中間型4aと当該下型3a間の距離より大きくてもよい。
【0062】
図15に示すように、当該成形品6は当該中間型4aの上側から離型されてもよい。
図15に示すように、当該成形品6は、当該中間型4aと当該上型2a間の空間を介して当該中間型4aから離型されてもよい。当該下型3aの当該上面31と当該中間型4aの当該下面422との間の当該間隙Gが、当該成形品6の離型を容易にし得ると理解することができる。
【0063】
その後、当該追加のピン63を当該成形品6から取り外すことで、
図8に示す当該成形品6を得ることができる。
【0064】
図16A~
図20に、本発明の一部の実施態様に基づく成形品を製造するための成型方法を示す。一部の実施態様において、当該方法は、
図8に示す当該成形品6を製造するためのものである。
【0065】
図16Aと
図16Bに示すように、成型装置1bが提供される。
図16Aと
図16Bの当該成型装置1bは、
図1Aと
図1Bの当該成型装置1と類似しているが、当該中間型4bの当該靴型42がさらに、当該外面423から凹陥し、当該凹部43と連通する少なくとも1つの刻み目44と開口部45を定義してもよいことが異なる。当該上型2の当該通路24の位置は、当該開口部45に対応してもよい。当該刻み目44の深さは、当該凹部43の深さより小さくてもよい。当該開口部45の深さは、当該刻み目44の深さおよび当該凹部43の深さより大きくてもよい。
【0066】
図17Aと
図17Bに示すように、当該成型装置1bは閉鎖構成にある。当該中間型4bの当該刻み目44、当該開口部45、当該凹部43は、当該金型キャビティ14の一部であってもよい。
【0067】
図18Aと
図18Bに示すように、当該通路24の当該開口部241を通じて当該金型キャビティ14内に材料60が注入されてもよい。その後、当該材料60から成形品6が一体的に形成される。当該成形品6は、ベース部分62(例えば、ソール部分)と、少なくとも1つのアッパー部分61(例えば、ストラップ部分)と、少なくとも1つのストリップ64と、突起部65を含んでもよい。さらに、少なくとも1つの追加のピン63が当該突起部65上に形成されてもよい。すなわち、当該突起部65は、当該追加のピン63の下方に位置していてもよい。さらに、当該ベース部分62、当該アッパー部分61、当該ストリップ64、当該突起部65、当該追加のピン63は、一体として同時的に形成されてもよい。当該アッパー部分61は、当該ベース部分62に接続されてもよい。当該追加のピン63は、当該ストリップ64に接続されてもよく、当該ストリップ64は当該アッパー部分61に接続されてもよい。当該突起部65の厚さは、当該ストリップ64の厚さおよび当該アッパー部分61の厚さより大きくてもよい。当該ストリップ64の厚さは、当該アッパー部分61の厚さより小さくてもよい。
【0068】
【0069】
図20に示すように、当該成形品6は当該中間型4bの上側から離型されてもよい。
【0070】
その後、当該追加のピン63、当該突起部65、当該ストリップ64を当該成形品6から取り外すことで、
図8に示す当該成形品6を得ることができる。一部の実施態様において、当該追加のピン63、当該突起部65、当該ストリップ64は、当該ストリップ64を切断または剪断することにより、当該成形品6から取り外される。
【0071】
図21は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法を示すフローチャートである。
図21に示すように、当該成型方法70は、次の工程を含んでもよい。
【0072】
一部の実施態様において、当該成型方法70は、下型と、下型に可動的に取り付けられた中間型を提供する工程S71を含んでもよい。例えば、
図1Aと
図1Bに示すように、成型装置1が提供される。当該成型装置1は、上型2と、下型3と、中間型4と、位置制御機構5を含むことができる。当該中間型4は、当該位置制御機構5を介して当該下型3に可動的に取り付けられてもよい。
【0073】
一部の実施態様において、当該成型方法70は、上型を当該下型と係合して収容空間を定義し、当該中間型が当該収容空間内に配置され、そのうち、当該上型、当該中間型、当該下型が共同で金型キャビティを定義する工程S72を含んでもよい。例えば、
図3Aと
図3Bに示すように、当該上型2が当該下型3と係合して収容空間12を定義し、当該中間型4が当該収容空間12内に配置される。当該上型2、当該中間型4、当該下型3が、共同で金型キャビティ14を定義する。
【0074】
一部の実施態様において、当該成型方法70は、当該金型キャビティ内に材料を注入し、少なくとも部分的に当該中間型を取り囲む工程S73を含んでもよい。例えば、
図4Aと
図4Bに示すように、材料60が当該金型キャビティ14内に注入され、当該材料60が少なくとも部分的に当該中間型4を取り囲む。
【0075】
一部の実施態様において、当該成型方法70は、当該材料から成形品を形成する工程S74を含んでもよい。例えば、
図4Aと
図4Bに示すように、当該材料60から成形品6が形成される。
【0076】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0077】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0078】
1、1a、1b 成型装置
12、12a 収容空間
14、14a 金型キャビティ
141、141a 第1部分
142、142a 第2部分
2、2a 上型
21 上面
22 下面
23、23a 凹部
24 通路
241 開口部
3、3a 下型
31、31a 上面
33、33a 凹部
331a 第1内側表面
332a 第2内側表面
34、34a 穴構造
341 第1穴
342 第2穴
343 段差構造
4、4b 中間型
41 本体部
411 上面
412 下面
42 靴型
421 上面
422 下面
423 外面
43 凹部
44 刻み目
45 開口部
5、5a 位置制御機構
51 イジェクタ
52 弾性機構
53 固定支持体
6 成形品
60 材料
61 アッパー部分
62 ベース部分
63 追加のピン
64 ストリップ
65 突起部
70 成型方法
G 間隙