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  • 特許-蒸気制御弁システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】蒸気制御弁システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 47/02 20060101AFI20240509BHJP
   F16K 37/00 20060101ALI20240509BHJP
   F16K 31/04 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
F16K47/02 A
F16K37/00 H
F16K31/04 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023104850
(22)【出願日】2023-06-27
【審査請求日】2023-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-173063(JP,A)
【文献】特開2019-2508(JP,A)
【文献】特開平7-63411(JP,A)
【文献】特開2020-134993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 47/02
F16K 37/00
F01D 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側蒸気配管から二次側蒸気配管へ流れる蒸気の量を調整する蒸気制御弁と、
前記蒸気制御弁を制御する制御部と、
前記制御部に接続された記憶部と、
を備え、
前記蒸気制御弁は、
弁部と、
前記弁部の開度を調整するために前記弁部を駆動する電動モータと、
前記弁部内に配置され、前記弁部の温度を検出する温度センサと、
を有し、
前記記憶部は、前記一次側蒸気配管又は前記二次側蒸気配管においてウォーターハンマを発生させない前記弁部の温度と前記弁部の開度との関係を規定する制御情報を保持し、
前記制御部は、前記温度センサから取得した温度検出信号と前記記憶部から取得した前記制御情報とに基づいて前記電動モータの駆動を制御することにより、前記弁部の温度に応じて前記弁部の開度を調整する、蒸気制御弁システム。
【請求項2】
前記制御情報は、前記弁部の温度が低い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が小さく、前記弁部の温度が高い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が大きい制御プロファイルを有する、請求項1に記載の蒸気制御弁システム。
【請求項3】
前記制御情報は、複数の前記制御プロファイルを有し、
前記蒸気制御弁の機種に応じて、又はユーザの設定によって、複数の前記制御プロファイルの中から一の前記制御プロファイルが選択される、請求項2に記載の蒸気制御弁システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気制御弁システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、混合器で蒸気と水とを混合して温水を製造する温水製造装置において、蒸気制御弁と混合器との間の配管に真空破壊弁を設けることによって、ウォーターハンマの発生を防止する技術が開示されている。混合器には吐出管が設けられており、吐出管には温度検出器が設けられている。温度検出器の検出結果に基づいて蒸気制御弁を開閉制御することによって、混合器に流入する蒸気量が調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-201189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、蒸気制御弁の弁部の温度に基づいて弁部の開度を調整することによってウォーターハンマを防止することについて、何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、蒸気制御弁の弁部の温度に基づいて弁部の開度を調整することによってウォーターハンマを防止することが可能な蒸気制御弁システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蒸気制御弁システムは、一次側蒸気配管から二次側蒸気配管へ流れる蒸気の量を調整する蒸気制御弁と、前記蒸気制御弁を制御する制御部と、前記制御部に接続された記憶部と、を備え、前記蒸気制御弁は、弁部と、前記弁部の開度を調整するために前記弁部を駆動する電動モータと、前記弁部内に配置され、前記弁部の温度を検出する温度センサと、を有し、前記記憶部は、前記一次側蒸気配管又は前記二次側蒸気配管においてウォーターハンマを発生させない前記弁部の温度と前記弁部の開度との関係を規定する制御情報を保持し、前記制御部は、前記温度センサから取得した温度検出信号と前記記憶部から取得した前記制御情報とに基づいて前記電動モータの駆動を制御することにより、前記弁部の温度に応じて前記弁部の開度を調整する。
【0007】
この態様によれば、記憶部は、ウォーターハンマを発生させない弁部の温度と弁部の開度との関係を規定する制御情報を保持し、制御部は、温度センサから取得した温度検出信号と記憶部から取得した制御情報とに基づいて電動モータの駆動を制御することにより、弁部の温度に応じて弁部の開度を調整する。これにより、一次側蒸気配管又は二次側蒸気配管においてウォーターハンマの発生を防止することが可能となる。
【0008】
上記態様において、前記制御情報は、前記弁部の温度が低い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が小さく、前記弁部の温度が高い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が大きい制御プロファイルを有すると良い。
【0009】
この態様によれば、制御情報が、弁部の温度が低い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が小さく、弁部の温度が高い温度領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が大きい制御プロファイルを有することにより、ウォーターハンマの発生を効果的に防止することが可能となる。
【0010】
上記態様において、前記制御情報は、複数の前記制御プロファイルを有し、前記蒸気制御弁の機種に応じて、又はユーザの設定によって、複数の前記制御プロファイルの中から一の前記制御プロファイルが選択されると良い。
【0011】
この態様によれば、蒸気制御弁の機種又はユーザの個別事情に応じた最適な制御プロファイルを用いた制御が可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、蒸気制御弁の弁部の温度に基づいて弁部の開度を調整することによってウォーターハンマを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る蒸気制御弁の構成を簡略化して示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る蒸気制御弁の構成を簡略化して示す図である。
図3】弁部の温度と弁部の開度との関係を規定する制御プロファイルを示す図である。
図4】制御部による弁部の開度の制御シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0015】
図1,2は、本発明の実施形態に係る蒸気制御弁1の構成を簡略化して示す図である。図1には、弁部14の開度が0%に調整された全閉状態を示しており、図2には、弁部14の開度が100%に調整された全開状態を示している。蒸気制御弁1、制御部19、及び記憶部20を含めて、本発明の実施形態に係る蒸気制御弁システムが構成される。
【0016】
本実施形態の例において、蒸気制御弁1は、いわゆる電動二方ボール弁を用いて構成されているが、この例に限定されない。
【0017】
蒸気制御弁1は、上流側である一次側蒸気配管31に接続される蒸気流入路17と、下流側である二次側蒸気配管32に接続される蒸気流出路18とを備えている。
【0018】
一次側蒸気配管31の下流端にはフランジ部31Fが形成されており、蒸気流入路17の上流端にはフランジ部17Fが形成されている。一次側蒸気配管31と蒸気流入路17とは、フランジ部31F,17F同士を互いに固定することによって接続されている。
【0019】
二次側蒸気配管32の上流端にはフランジ部32Fが形成されており、蒸気流出路18の下流端にはフランジ部18Fが形成されている。二次側蒸気配管32と蒸気流出路18とは、フランジ部32F,18F同士を互いに固定することによって接続されている。
【0020】
また、蒸気制御弁1は、蒸気流入路17と蒸気流出路18とを接続可能な接続流路Lを有するボール型の弁部14を備えている。接続流路Lは、一次側開口21と二次側開口22との間で弁部14の内部を貫通している。
【0021】
図1に示した開度0%の全閉状態では、接続流路Lの延在方向(紙面奥行き方向)と、蒸気流入路17及び蒸気流出路18の延在方向(紙面左右方向)とが直交しており、接続流路Lは蒸気流入路17及び蒸気流出路18に接続されない。この状態では、矢印A1で示すように、一次側蒸気配管31から蒸気流入路17に流入してきた蒸気は、弁部14の外面によって遮断されて蒸気流出路18側へは流れない。
【0022】
図2に示した開度100%の全開状態では、接続流路Lの延在方向(紙面左右方向)と、蒸気流入路17及び蒸気流出路18の延在方向(紙面左右方向)とが完全に一致しており、接続流路Lは蒸気流入路17及び蒸気流出路18に完全に接続される。この状態では、矢印A2で示すように、一次側蒸気配管31から蒸気流入路17に流入してきた蒸気は、接続流路Lの内部を通過して蒸気流出路18側へ流れる。
【0023】
図1に示した開度0%の全閉状態と図2に示した開度100%の全開状態との間で弁部14の向き(回転角度)によって開度を任意に調整することにより、一次側蒸気配管31及び蒸気流入路17側から接続流路Lを介して蒸気流出路18及び二次側蒸気配管32側へ流れる蒸気の量を自在に調整することができる。
【0024】
また、蒸気制御弁1は、垂直Z方向に延在するZ軸を中心として弁部14を回転駆動する電動モータ11を備えている。電動モータ11は、例えばVCモータ(トルクモータ)を用いて構成される。
【0025】
また、蒸気制御弁1は、弁部14と電動モータ11とを接続する接続部材12を備えている。接続部材12は、弁部14の上面に固定されてZ方向に延在する中空のステム12Bと、電動モータ11の駆動力をステム12Bに伝達するためのカップリングが内部に収容された架台12Aとを有している。
【0026】
また、蒸気制御弁1は温度センサユニット15を備えている。
【0027】
温度センサユニット15は、弁部14の温度(以下の例では接続流路Lの温度)を検出する温度検出素子15Aを有している。検出対象である弁部14の温度は、接続流路Lの中心の内面温度であっても良いし、接続流路Lの蒸気流入路17寄りの内面温度であっても良いし、接続流路Lの蒸気流出路18寄りの内面温度であっても良い。また、温度検出素子15Aの検出対象の温度は、蒸気流入路17又は一次側蒸気配管31の内面温度であっても良いし、蒸気流出路18又は二次側蒸気配管32の内面温度であっても良い。温度検出素子15Aは、例えば熱電対を用いて構成される。
【0028】
また、温度センサユニット15は、温度検出素子15Aの出力信号に対して所定の信号処理を行う電気回路15Bを有している。所定の信号処理は、例えば信号の増幅を含む。電気回路15Bは、ステム12Bの内部に配置されている。
【0029】
また、温度センサユニット15は、電気回路15Bと蒸気制御弁1の外部の制御部19とを結線するためにステム12Bの内部から外部に引き出された配線15Cを有している。ステム12Bから引き出された配線15Cは、制御部19の入力端子に接続される。
【0030】
制御部19は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)を用いて構成される。制御部19には、半導体メモリ等の記憶部20が接続されている。記憶部20は、予め設定された制御情報40を保持する。制御情報40は、一次側蒸気配管31又は二次側蒸気配管32においてウォーターハンマを発生させない弁部14の温度と弁部14の開度との関係を規定する。制御情報40は、温度と開度との対応関係が記述されたルックアップテーブルであっても良いし、温度に基づいて開度を算出する関数式であっても良い。制御部19は、温度センサユニット15から取得した温度検出信号と記憶部20から取得した制御情報40とに基づいて電動モータ11の駆動をシーケンス制御することにより、弁部14の温度に応じて弁部14の開度を調整する。
【0031】
図3は、制御情報40の一例として、弁部14の温度と弁部14の開度との関係を規定する制御プロファイルKを示す図である。ある温度においてウォーターハンマを発生させない開度の上限値が実験又はシミュレーション等によって求められ、複数の温度に関して求めた複数の上限値を繋げた曲線として制御プロファイルKが得られる。制御プロファイルKは、複数(図3の例では3つ)の制御プロファイルK1~K3を有する。蒸気制御弁1の機種に応じて、又はユーザの設定によって、複数の制御プロファイルK1~K3の中から一の制御プロファイルが選択される。
【0032】
制御プロファイルK1では、通気開始時の初期温度T0から温度T1までは、開度は最小値のV1で一定である。温度T1を超えると、下に凸の放物線に沿って温度の上昇に応じて開度も大きくなり、温度T4において開度は最大値の100%となる。
【0033】
制御プロファイルK2では、通気開始時の初期温度T0から温度T2(>T1)までは、開度は最小値のV1で一定である。温度T2を超えると、下に凸の放物線に沿って温度の上昇に応じて開度も大きくなり、温度T5(>T4)において開度は最大値の100%となる。
【0034】
制御プロファイルK3では、通気開始時の初期温度T0から温度T3(>T2)までは、開度は最小値のV1で一定である。温度T3を超えると、下に凸の放物線に沿って温度の上昇に応じて開度も大きくなり、温度T6(>T5)において開度は最大値の100%となる。
【0035】
制御プロファイルK1~K3のいずれにおいても、弁部14の温度が低い低温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が小さく、弁部14の温度が高い高温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が大きい特性を有する。
【0036】
低温領域では一次側蒸気配管31及び二次側蒸気配管32の温度も低いため、弁部14の開度が急激に変化すると、配管温度及び配管内圧力の急激な変化に起因してウォーターハンマが発生しやすい。従って、低温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量を小さく設定することにより、ウォーターハンマの発生を防止している。
【0037】
一方、高温領域では一次側蒸気配管31及び二次側蒸気配管32の温度も高いため、弁部14の開度を大きく変化させても配管温度及び配管内圧力の変化量は小さく、ウォーターハンマは発生しにくい。従って、高温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量を大きく設定することにより、100%までの開度上昇を最短時間で実現している。
【0038】
図4は、制御部19による弁部14の開度の制御シーケンスの一例を示す図である。図4には、開度を6段階(0%,V1~V4,100%)に制御する例を示しているが、この例に限定されず、5段階未満又は7段階以上で制御しても良いし、シームレスに制御しても良い。
【0039】
以下、制御プロファイルK1が選択された場合の例について説明する。
【0040】
通気開始の時刻P0において、制御部19は、弁部14の開度を0%からV1まで徐々に上昇させる。時刻P1において開度がV1となると、制御部19は、弁部14の温度が、制御プロファイルK1において開度V1に対応する第1規定温度(図3の例ではT1)に上昇するまで、開度V1を維持した状態で待機する。
【0041】
時刻P2において弁部14の温度が第1規定温度となると、制御部19は、弁部14の開度をV1からV2まで徐々に上昇させる。時刻P3において開度がV2となると、制御部19は、弁部14の温度が、制御プロファイルK1において開度V2に対応する第2規定温度に上昇するまで、開度V2を維持した状態で待機する。なお、開度V1から開度V2までの変化量は、開度0%から開度V1までの変化量よりも大きく設定される。また、時刻P2から時刻P3までの時間間隔は、時刻P0から時刻P1までの時間間隔に対して、同一に設定されても良いし、短く設定されても良い。
【0042】
時刻P4において弁部14の温度が第2規定温度となると、制御部19は、弁部14の開度をV2からV3まで徐々に上昇させる。時刻P5において開度がV3となると、制御部19は、弁部14の温度が、制御プロファイルK1において開度V3に対応する第3規定温度に上昇するまで、開度V3を維持した状態で待機する。なお、開度V2から開度V3までの変化量は、開度V1から開度V2までの変化量よりも大きく設定される。また、時刻P4から時刻P5までの時間間隔は、時刻P2から時刻P3までの時間間隔に対して、同一に設定されても良いし、短く設定されても良い。
【0043】
時刻P6において弁部14の温度が第3規定温度となると、制御部19は、弁部14の開度をV3からV4まで徐々に上昇させる。時刻P7において開度がV4となると、制御部19は、弁部14の温度が、制御プロファイルK1において開度V4に対応する第4規定温度に上昇するまで、開度V4を維持した状態で待機する。なお、開度V3から開度V4までの変化量は、開度V2から開度V3までの変化量よりも大きく設定される。また、時刻P6から時刻P7までの時間間隔は、時刻P4から時刻P5までの時間間隔に対して、同一に設定されても良いし、短く設定されても良い。
【0044】
時刻P8において弁部14の温度が第4規定温度となると、制御部19は、弁部14の開度をV4から100%まで徐々に上昇させる。時刻P9において開度が100%となると、制御部19は、閉弁命令が入力されるまで、開度100%を維持する。なお、開度V4から開度100%までの変化量は、開度V3から開度V4までの変化量よりも大きく設定される。また、時刻P8から時刻P9までの時間間隔は、時刻P6から時刻P7までの時間間隔に対して、同一に設定されても良いし、短く設定されても良い。
【0045】
なお、以上の説明では、制御部19は、温度センサユニット15から取得した温度検出信号を、弁部14の開度調整に活用した。この例に限らず、制御部19は、温度センサユニット15から取得した温度検出信号を、蒸気制御弁1の故障検知に活用しても良いし、一次側蒸気配管31又は二次側蒸気配管32の故障検知に活用しても良い。
【0046】
本実施形態によれば、蒸気制御弁1は温度センサユニット15を備え、温度センサユニット15は弁部14の接続流路Lの温度を検出する温度検出素子15Aを有する。従って、接続部材12のステム12Bの内部から外部に引き出された配線15Cを制御部19に接続し、温度検出素子15Aで検出された接続流路Lの温度に基づいて制御部19が電動モータ11を制御することによって、弁部14の開度を自在に調整することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態によれば、記憶部20は、ウォーターハンマを発生させない弁部14の温度と弁部14の開度との関係を規定する制御情報40を保持し、制御部19は、温度センサユニット15から取得した温度検出信号と記憶部20から取得した制御情報40とに基づいて電動モータ11の駆動を制御することにより、弁部14の温度に応じて弁部14の開度を調整する。これにより、一次側蒸気配管31又は二次側蒸気配管32においてウォーターハンマの発生を防止することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態によれば、制御情報40が、弁部14の温度が低い低温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が小さく、弁部14の温度が高い高温領域ほど温度の変化量に対する開度の変化量が大きい制御プロファイルKを有することにより、ウォーターハンマの発生を効果的に防止することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態によれば、蒸気制御弁1の機種又はユーザの個別事情に応じた最適な制御プロファイルK1~K3を用いた制御が可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1 蒸気制御弁
11 電動モータ
12 接続部材
14 弁部
15 温度センサユニット
15A 温度検出素子
15B 電気回路
15C 配線
17 蒸気流入部
18 蒸気流出部
19 制御部
20 記憶部
21,22 開口部
31 一次側蒸気配管
32 二次側蒸気配管
40 制御情報
L 接続流路
【要約】
【課題】蒸気制御弁の弁部の温度に基づいて弁部の開度を調整することによってウォーターハンマを防止することが可能な蒸気制御弁システムを得る。
【解決手段】蒸気制御弁システムは、蒸気制御弁と制御部と記憶部とを備え、前記蒸気制御弁は、弁部と、前記弁部の開度を調整するために前記弁部を駆動する電動モータと、前記弁部の温度を検出する温度センサと、を有し、前記記憶部は、前記一次側蒸気配管又は前記二次側蒸気配管においてウォーターハンマを発生させない前記弁部の温度と前記弁部の開度との関係を規定する制御情報を保持し、前記制御部は、前記温度センサから取得した温度検出信号と前記記憶部から取得した前記制御情報とに基づいて前記電動モータの駆動を制御することにより、前記弁部の温度に応じて前記弁部の開度を調整する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4