(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20240509BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F30/20
(21)【出願番号】P 2023518501
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2020018845
(87)【国際公開番号】W WO2022107988
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0157014
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523055651
【氏名又は名称】イマゴワークス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IMAGOWORKS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ソン、テ-グン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】イ、テソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンジュン
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-248889(JP,A)
【文献】特開2003-22285(JP,A)
【文献】特開昭63-208170(JP,A)
【文献】特開平8-194842(JP,A)
【文献】特開2002-259471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力群は、複数の第1の入力モデルを含み、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第1の仮想ブリッジを生成して、第1のグループモデルを生成するステップと、
第2の入力群は、複数の第2の入力モデルを含み、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第2の仮想ブリッジを生成して、第2のグループモデルを生成するステップと、
前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルを集合演算して、第1の結果モデルを生成するステップと、
前記第1の結果モデル内に残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジがある場合、残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジを除去するステップとを含むことを特徴とする仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項2】
前記第1の入力モデルが全て連結されている場合、前記第1のグループモデルは、前記第1の仮想ブリッジを含まなく、
前記第2の入力モデルが全て連結されている場合、前記第2のグループモデルは、前記第2の仮想ブリッジを含まないことを特徴とする請求項1に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項3】
前記第1の仮想ブリッジは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを全て少なくとも1回ずつ連結し、連結経路の長さが最小となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項4】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせ及び隔離距離を全て計算するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項5】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、更に、
前記隔離距離を昇順に整列するステップと、
前記隔離距離のうち、最短距離に該当する位置に最初単位ブリッジを生成するステップと、
前記昇順に整列された前記隔離距離を順次探索するステップとを含むことを特徴とする請求項4に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項6】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルのうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置に、追加単位ブリッジを生成することを特徴とする請求項5に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項7】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルに前記単位ブリッジが生成されている場合、前記追加単位ブリッジを生成しないことを特徴とする請求項6に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項8】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルに前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記追加単位ブリッジを生成しなく、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置を、ブリッジ候補として設定することを特徴とする請求項6に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項9】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせを計算するために、前記互いに離隔したモデルのoctreeをそれぞれ生成することを特徴とする請求項4に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項10】
前記互いに離隔したモデル間の最も近い点の前記隔離距離は、
であり、
d(i、j)は、iモデルとjモデルの距離を示し、前記互いに離隔したモデルの数は、nであり、C(n、2)は、n個から2つを選ぶためのcombination演算を示すことを特徴とする請求項4に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項11】
前記互いに離隔したモデルのうち、2つを互いに連結する単位ブリッジの形状は、三方両錐体であることを特徴とする請求項1に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項12】
前記単位ブリッジの形状は、
により定義され、
前記互いに離隔した2つのモデルを、モデルa、モデルbとすると、前記モデルa及び前記モデルbの間の最も近い2つの点をq1、q2と定義し、
であり、
は任意のベクトルであり、
であることを特徴とする請求項11に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項13】
であり、
であり、kは、定数であり、q4を、q3を中心にベクトル
で120度回転した点がq5であり、q4を、q3を中心にベクトル
で240度回転した点がq6であり、前記三方両錐体の第1の三角錐は、q1、q4、q5、q6と定義され、前記三方両錐体の第2の三角錐は、q2、q4、q5、q6と定義されることを特徴とする請求項12に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項14】
前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベースと、前記ガイドベースに連結され、前記ガイドベースから突出する複数のスリーブマウントとを含み、
前記第2の入力群は、それぞれの前記スリーブマウントに対応し、互いに離隔する複数のスリーブツールを含むことを特徴とする請求項1に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項15】
前記第2の入力群は、前記互いに離隔される複数のスリーブツールを連結する前記第2の仮想ブリッジを含むことを特徴とする請求項14に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項16】
前記第1の結果モデルは、前記第1のグループモデルから前記第2のグループモデルをdifference演算して生成され、
前記第1の結果モデルは、前記スリーブマウントが配置される前記ガイドベースを含み、前記スリーブマウントには、前記スリーブツールに対応するホールが生成されることを特徴とする請求項15に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項17】
前記第1の入力群は、更に、前記スリーブマウントに連結されるサポートバーを含み、前記サポートバーは、前記スリーブマウントとunion演算されることを特徴とする請求項15に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項18】
前記第1の入力群は、更に、前記ガイドベース上に配置されるテキストを含み、前記テキストは、前記ガイドベースとunion演算されることを特徴とする請求項15に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項19】
前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベースを含み、
前記第2の入力群は、前記ガイドベースと重なって配置される複数のウィンドウツールを含み、
前記第2の入力群は、前記互いに離隔される複数のウィンドウツールを連結する前記第2の仮想ブリッジを含み、
前記第1の結果モデルは、前記第1のグループモデルから前記第2のグループモデルをdifference演算して生成され、
前記第1の結果モデルは、前記ガイドベースを含み、前記ガイドベースには、前記ウィンドウツールに対応するホールが生成されることを特徴とする請求項1に記載の仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項20】
第1の入力群は、複数の第1の入力モデルを含み、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する仮想ブリッジを生成して、第1のグループモデルを生成するステップと、
前記第1のグループモデル及び第2の入力モデルを集合演算して、第1の結果モデルを生成するステップと、
前記第1の結果モデル内に残存する前記仮想ブリッジがある場合、残存する前記仮想ブリッジを除去するステップとを含むことを特徴とする仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか一項の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法に関し、より詳しくは、複数のモデルを仮想ブリッジで連結する仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元モデルの集合演算(Boolean Operation)は、入力された2つの3次元モデルを、論理演算を介して、1つの新たな3次元モデルに作る演算である。
図1に示しているように、集合演算としては、モデルAの領域及びモデルBの領域のうち、一箇所でも含まれる領域を含めて合わせたモデルを生成するUnion演算(A∪B)、モデルAの領域とモデルBの領域をいずれも含む領域だけを抽出するIntersection演算(A∩B)、他のモデルの領域には含まれず、1つのモデルの領域にのみ属しているモデルを残すDifference演算(A∩B
C、B∩A
C)、及びモデルAの領域とモデルBの領域にいずれも含まれる領域だけを除去するSymmetric Difference演算(A
C∪B
C)がある。
【0003】
既存に有していた3次元モデルだけでも、容易に必要な領域だけを追加又は除去して、所望するモデルを作ることができるので、CADソフトウェアに必須的な機能であると言える。集合演算は、製品デザイン、3次元医療画像製作、3Dプリントモデルデザインなど、3次元モデルを取り扱う多くの分野で幅広く使われている。
【0004】
集合演算は、3次元モデルの2つに対して行われる演算であるので、一対一演算と定義される。しかし、デジタルデンティストリソフトウェアでは、様々な3次元モデルに対して集合演算を繰り返して行う必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、互いに離隔した複数のモデルを、仮想ブリッジを用いて互いに連結し、多重集合演算を一度に行うことで、集合演算の作業を簡略化することができる仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した本発明の目的を実現するための一様態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法は、第1の入力群は、複数の第1の入力モデルを含み、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第1の仮想ブリッジを生成して、第1のグループモデルを生成するステップと、第2の入力群は、複数の第2の入力モデルを含み、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第2の仮想ブリッジを生成して、第2のグループモデルを生成するステップと、前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルを集合演算して、第1の結果モデルを生成するステップと、前記第1の結果モデル内に残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジがある場合、残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジを除去するステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
前記第1の入力モデルが全て連結されている場合、前記第1のグループモデルは、前記第1の仮想ブリッジを含まなく、前記第2の入力モデルが全て連結されている場合、前記第2のグループモデルは、前記第2の仮想ブリッジを含まない。
【0008】
前記第1の仮想ブリッジは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを全て少なくとも1回ずつ連結し、連結経路の長さが最小となるように設定される。
【0009】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせ及び隔離距離を全て計算する。
【0010】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、更に、前記隔離距離を昇順に整列するステップと、前記隔離距離のうち、最短距離に該当する位置に最初単位ブリッジを生成するステップと、前記昇順に整列された前記隔離距離を順次探索するステップとを含む。
【0011】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルのうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置に、追加単位ブリッジを生成する。
【0012】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルに全て前記単位ブリッジが生成されている場合、前記追加単位ブリッジを生成しない。
【0013】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルに前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記追加単位ブリッジを生成しなく、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置を、ブリッジ候補として設定する。
【0014】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせを計算するために、前記互いに離隔したモデルのoctreeをそれぞれ生成する。
【0015】
前記互いに離隔したモデル間の最も近い点の前記隔離距離は、
であり、d(i、j)は、iモデルとjモデルの距離を示し、前記互いに離隔したモデルの数は、nであり、C(n、2)は、n個から2つを選ぶためのcombination演算を示す。
【0016】
前記互いに離隔したモデルのうち、2つを互いに連結する単位ブリッジの形状は、三方両錐体である。
【0017】
前記単位ブリッジの形状は、
により定義され、前記互いに離隔した2つのモデルを、モデルa、モデルbとすると、前記モデルa及び前記モデルbの間の最も近い2つの点をq1、q2と定義し、
であり、
は任意のベクトルであり、
である。
【0018】
であり、
であり、kは、定数であり、q4を、q3を中心にベクトル
で120度回転した点がq5であり、q4を、q3を中心にベクトル
で240度回転した点がq6であり、前記三方両錐体の第1の三角錐は、q1、q4、q5、q6と定義され、前記三方両錐体の第2の三角錐は、q2、q4、q5、q6と定義される。
【0019】
前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベースと、前記ガイドベースに連結され、前記ガイドベースから突出する複数のスリーブマウントとを含み、前記第2の入力群は、それぞれの前記スリーブマウントに対応し、互いに離隔する複数のスリーブツールを含む。
【0020】
前記第2の入力群は、前記互いに離隔される複数のスリーブツールを連結する前記第2の仮想ブリッジを含む。
【0021】
前記第1の結果モデルは、前記第1のグループモデルから前記第2のグループモデルをdifference演算して生成され、前記第1の結果モデルは、前記スリーブマウントが配置される前記ガイドベースを含み、前記スリーブマウントには、前記スリーブツールに対応するホールが生成される。
【0022】
前記第1の入力群は、更に、前記スリーブマウントに連結されるサポートバーを含み、前記サポートバーは、前記スリーブマウントとunion演算される。
【0023】
前記第1の入力群は、更に、前記ガイドベース上に配置されるテキストを含み、前記テキストは、前記ガイドベースとunion演算される。
【0024】
前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベースを含み、前記第2の入力群は、前記ガイドベースと重なって配置される複数のウィンドウツールを含み、前記第2の入力群は、前記互いに離隔される複数のウィンドウツールを連結する前記第2の仮想ブリッジを含み、前記第1の結果モデルは、前記第1のグループモデルから前記第2のグループモデルをdifference演算して生成され、前記第1の結果モデルは、前記ガイドベースを含み、前記ガイドベースには、前記ウィンドウツールに対応するホールが生成される。
【0025】
前記仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法をコンピュータで実行させるためのプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。
【発明の効果】
【0026】
本発明による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法によると、互いに離隔した複数のモデルを、仮想ブリッジを用いて互いに連結するので、多重集合演算を一度に行うことができる。そこで、モデルの数が多い集合演算の作業を簡略化することができ、集合演算の順序によって演算の結果が変わって、所望する最終結果を得られないという状況を防止することができる。
【0027】
そこで、デジタルデンティストリで発生する多重入力モデルに対する集合演算を安定的に行うことができ、デジタルデンティストリ用3次元モデルの製造工程を簡略化し、精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】入力モデルAと入力モデルBに対する集合演算を示す概念図である。
【
図2】入力モデルA、入力モデルB、及び入力モデルCに対する集合演算の順序による最終結果を示す概念図である。
【
図3】本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図5】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図6】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図7】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図8】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図9】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図10】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図11】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図12】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図13】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図14】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図15】本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
【
図16】本実施形態の仮想ブリッジの形状を示す概念図である。
【
図17】本実施形態の仮想ブリッジの形状を示す概念図である。
【
図18】本実施形態の仮想ブリッジを除去する方法を示す概念図である。
【
図19】本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介して、デジタルデンティストリ用3次元モデルを生成するための入力モデルを示す斜視図である。
【
図20】
図19における入力モデルのうち、一部を含む第1の入力群を示す斜視図である。
【
図21】
図19における入力モデルのうち、一部を含む第2の入力群を示す斜視図である。
【
図22】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図23】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図24】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図25】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図26】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図27】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図28】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図29】
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図30】
図21における第2の入力群の第2のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図31】
図21における第2の入力群の第2のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図32】
図21における第2の入力群の第2のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
【
図33】
図29における第1のグループモデル及び
図30における第2のグループモデルを演算して生成される第1の結果モデルから、仮想ブリッジを除去する方法を示す斜視図である。
【
図34】
図29における第1のグループモデル及び
図30における第2のグループモデルを演算して生成される第1の結果モデルから、仮想ブリッジを除去する方法を示す斜視図である。
【
図35】
図33における第1の結果モデルから仮想ブリッジを除去した最終結果モデルを示す斜視図である。
【
図36】本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介して、デジタルデンティストリ用3次元モデルを生成するための入力モデルを示す斜視図である。
【
図37】
図36における入力モデルを、多重集合演算して生成した最終結果モデルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本文に示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的乃至機能的説明は、単に、本発明の実施形態を説明するための目的として例示しており、本発明の実施形態例は、様々な形態で実施することができ、本文で説明された実施形態に限定されることと解析されてはいけない。
【0030】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができ、特定の実施形態を図面に例示し、本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の開示形態について限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されなければいけない。
【0031】
第1、第2のなどの用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはいけない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使われる。例えば、本発明の権利範囲から逸脱しない状態で、第1の構成要素は、第2の構成要素と指し示すことができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と指し示すことができる。
【0032】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「接続されて」いるとしたときは、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、「直接接続されて」いるとしたときは、中間に他の構成要素が存在しないことと理解すべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「~間に」と「直ぐ~間に」、又は「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解析されるべきである。
【0033】
本出願で使用した用語は、単に、特定の実施形態を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせるものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0034】
異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同様な意味を有している。一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0035】
一方、ある実施形態が異なって具現可能な場合に、特定のブロック内に明記された機能又は動作がフローチャートに明記した手順と異なって起きることもできる。例えば、連続する2つのブロックが、実際には実質的に同時に行われることもでき、関連する機能又は動作によっては、前記ブロックが逆に行われることもできる。
【0036】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。図面上の同一の構成要素に対しては、同一の図面符号を付し、同一の構成要素に関する重複した説明は、省略する。
【0037】
図1は、入力モデルAと入力モデルBに対する集合演算を示す概念図である。
図2は、入力モデルA、入力モデルB、及び入力モデルCに対する集合演算の順序による最終結果を示す概念図である。
【0038】
図1及び
図2に示しているように、3次元モデルの集合演算は、入力された2つの3次元モデルを、論理演算を介して、1つの新たな3次元モデルを作る演算である。集合演算種類では、Union演算(A∪B)、Intersection演算(A∩B)、Difference演算(A∩B
C、B∩A
C)、Symmetric Difference演算(A
C∪B
C)などがある。
【0039】
一対一演算が基本である集合演算の概念により、従来のソフトウェアは、2つの3次元モデルに対する一対一の集合演算機能だけを提供している。このために、様々なモデルを集合演算しようとする場合、順次集合演算を繰り返して結果物を得なければならなかった。しかし、ユーザの便宜性の面でも良くなく、
図2から分かるように、集合演算の順序が変わると、最終結果物が変わることになって、ユーザの意図の通り、結果物を得られない可能性も存在した。
【0040】
図2の上側演算をみると、BとAを先にUnion演算してD1を生成し、D1において、CをDifference演算して、E1を得た。これに対して、
図2の下側演算をみると、BとCを先にDifference演算してD2を生成し、D2において、AをUnion演算して、E2を得た。このように、集合演算の順序が変わると、最終結果物(E1、E2)が互いに変わることになる。
【0041】
本発明では、仮想のブリッジを用いて、入力されたモデルをそれぞれ1つに連結することで、デジタルデンティストリ作業でよく発生する多重入力状況で、安定して使用可能な多対多集合演算を行うことができる。
【0042】
図3は、本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法を示すフローチャートである。
【0043】
図3に示しているように、前記集合演算のために、複数のモデルを2つの入力群にグループ分けする。第1の入力群は、複数の第1の入力モデルを含む。第2の入力群は、複数の第2の入力モデルを含む。
【0044】
前記第1の入力モデルのうち、互いに交差している入力モデルに対して、1次集合演算を行う。例えば、前記1次集合演算は、union演算である。前記1次集合演算を介して、前記第1の入力群内の全ての入力モデルは、互いに交差せず、離隔する状態を有することになる。前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルが無いと、前記1次集合演算を介して、前記第1の入力群内の前記全ての入力モデルが連結されて、仮想ブリッジなく、第1のグループモデルが生成される。
【0045】
前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第1の仮想ブリッジを生成して、第1のグループモデルを生成する(ステップS100)。
【0046】
前記第1のグループモデル内の第1の入力モデルは、前記第1の仮想ブリッジにより連結されるので、前記第1のグループモデルは、いずれも連結されている1つのモデルとなる。
【0047】
もし、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがなく、初期状態で前記第1の入力モデルがいずれも連結されている場合、前記第1のグループモデルは、前記第1の仮想ブリッジを含まない。
【0048】
例えば、前記第1のグループモデルを生成するために、前記第1の入力モデルをいずれもUnion演算することができる。また、前記第1のグループモデルを生成するために、前記第1の入力モデル及び前記第1の仮想ブリッジをいずれも、Union演算することができる。
【0049】
前記第2の入力モデルのうち、互いに交差している入力モデルに対して、1次集合演算を行う。例えば、前記1次集合演算は、union演算である。前記1次集合演算を介して、前記第2の入力群内の全ての入力モデルは、互いに交差せず、離隔される状態を有することになる。前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがないと、前記1次集合演算を介して、前記第2の入力群内の前記全ての入力モデルが連結されて、仮想ブリッジなく、第2のグループモデルが生成される。
【0050】
前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがある場合、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルを連結する第2の仮想ブリッジを生成して、第2のグループモデルを生成する(ステップS200)。
【0051】
もし、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルがなく、初期状態で前記第2の入力モデルがいずれも連結されている場合、前記第2のグループモデルは、前記第2の仮想ブリッジを含まない。
【0052】
例えば、前記第2のグループモデルを生成するために、前記第2の入力モデルをいずれもUnion演算することができる。また、前記第2のグループモデルを生成するために、前記第2の入力モデル及び前記第2の仮想ブリッジをいずれも、Union演算することができる。
【0053】
前記第1のグループモデルがいずれも連結された1つのモデルであり、前記第2のグループモデルがいずれも連結された1つのモデルであると、前記第1のグループモデルと前記第2のグループモデルに対して、集合演算を行う(ステップS300)。前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルを集合演算して得た結果を、第1の結果モデルと呼ぶ。
【0054】
前記第1の結果モデル内に残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジがある場合、残存する前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジを除去する(ステップS400)。前記第1の仮想ブリッジ又は前記第2の仮想ブリッジは、集合演算を簡単に行うために生成された構成であるだけで、最終モデルに必要な部分ではないので、前記集合演算の後にも残存する仮想ブリッジがあると、これは除去するのが望ましい。前記第1の入力モデル、前記第2の入力モデル、及び前記集合演算によって、前記第1の結果モデル内には、前記仮想ブリッジが残存することもあり、前記仮想ブリッジが残存しないこともある。前記第1の結果モデル内に前記仮想ブリッジが残存しない場合は、前記仮想ブリッジを除去するための別のステップが不要である。
【0055】
本実施形態では、前記第1のグループモデルが複数の第1の入力モデルを含み、前記第2のグループモデルが複数の第2の入力モデルを含む場合を示しているが、本発明は、これに限定されない。
【0056】
例えば、前記第1のグループモデルが複数の第1の入力モデルを含む。前記第1の入力モデル間に離隔したモデルがあると、前記第1のグループモデルは、前記第1の仮想ブリッジを更に含むことができる。一方、第2の入力モデルは、複数のモデルではなく、1つのモデルとして生成される。ここで、前記第1のグループモデル及び第2の入力モデルを集合演算して、第1の結果モデルを生成することができる。
【0057】
図4乃至
図15は、本実施形態の仮想ブリッジの位置及び経路を決める方法を示す概念図である。
図1乃至
図15に示しているように、前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルを生成するために、互いに連結されている入力モデルに対して、1次集合演算(例えば、Union演算)を介した後は、前記それぞれのグループモデル内に残っている入力モデル(又は、連結された入力モデルのグループ)は、交差する面がなく、離れているモデルであることが保証される。離れている入力モデル(又は、連結された入力モデルのグループ)をいずれも連結するブリッジの役割を果たす構成要素を、仮想ブリッジと定義する。
【0058】
1つの群に属するモデルをいずれも連結する仮想ブリッジは、既存のモデルとの交差面が生じる現象を防ぐために、2つのモデル間の最も近い点を繋ぐ任意の3次元モデルとして生成する。仮想ブリッジを生成する具体的な方法は、以下の通りである。
【0059】
前記第1の仮想ブリッジは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルをいずれも少なくとも1回ずつ連結し、連結経路の長さが最小となるように設定される。同様に、前記第2の仮想ブリッジは、前記第2の入力モデルのうち、互いに離隔したモデルをいずれも少なくとも1回ずつ連結し、連結経路の長さが最小となるように設定される。ここで、第1の仮想ブリッジは、前記第1の入力モデルのうち、離隔したモデルをいずれも連結する全体経路に生成された単位ブリッジの集合を意味し、前記経路内に配置されるそれぞれのブリッジは、単位ブリッジと呼ばれる。
【0060】
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記第1の入力モデルのうち、互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせ及び隔離距離をいずれも計算するステップを含む。
【0061】
前記互いに離隔したモデル間の最も近い点の組み合わせを計算するために、前記互いに離隔したモデルのoctreeをそれぞれ生成する。octreeは、前記モデルのそれぞれを小サイズのセルに区画することを意味する。前記離隔したモデル間の最も近い点を導出するために、前記セルの代表位置間の距離だけを計算することで、計算のロードを顕著に減少することができる。
【0062】
同一の群内に存在する全ての離隔したモデル(n個)間の最も近い点の距離は、
と表す。d(i、j)は、iモデルとjモデルの距離を示し、前記互いに離隔したモデルの数は、nであり、C(n、2)は、n個より2つを選ぶためのcombination演算を示す。
【0063】
図4に示しているように、第1のグループモデルは、5つの第1の入力モデルを含み、前記第1の入力モデルはそれぞれ、M1、M2、M3、M、M5である。5つの第1の入力モデルのうち、2つを選ぶためのcombinationの値は、(5*4)/(2*1)であるので、10となる。
【0064】
前記5つの第1の入力モデル間の最短距離Pを求めると、計10個のp値(p1~p10)が導出され、
図4では、前記10個のp値を示している。
前記第1の仮想ブリッジを生成するステップは、前記隔離距離(p1~p10)を昇順に整列することができる。
図4において、p1~p10は、昇順に整列された10個のp値を示す。
【0065】
前記隔離距離のうち、最短距離に該当する位置(例えば、p1=min(d2、3))に最初単位ブリッジ(例えば、b1)を生成し、前記昇順に整列された前記隔離距離を順次探索することになる。前記最初単位ブリッジ(b1)により、M2モデルとM3モデルは、互いに連結される。
【0066】
前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルのうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置に追加単位ブリッジを生成する。
【0067】
また、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルにいずれも前記単位ブリッジが生成されている場合、前記追加単位ブリッジを生成しない。
【0068】
また、前記順次探索された前記隔離距離に該当する離隔した2つのモデルにいずれも前記単位ブリッジが生成されていない場合、前記追加単位ブリッジを生成せず、前記順次探索された前記隔離距離に該当する位置を、ブリッジ候補として設定する。
【0069】
図5乃至
図15において、他のモデルと連結されたモデルのモデル番号には、下線を引いており、他のモデルと連結されていないモデルのモデル番号には、下線を引いていない。
【0070】
前記隔離距離のうち、最短距離に該当する位置(例えば、p1)に最初単位ブリッジ(例えば、b1)を生成した後に、前記隔離距離のリストがアップデートされる。
図7に示しているように、
図4の単位ブリッジb1が生成されたp1=min(d2、3)は、リストから削除され、
図4のp2~p10が、
図7にてp1~p9に変わる。
図7は、昇順に整列された9つのp値を示している。
【0071】
図7において、最短距離であるp1=min(d4、5)を探索すると、前記隔離距離(p1=min(d4、5))に該当する離隔した2つのモデル(M4、M5)にいずれも、前記単位ブリッジが生成されていないので、前記追加単位ブリッジを生成せず、前記隔離距離(p1=min(d4、5))に該当する位置を、ブリッジ候補として残しておき、次の隔離距離を探索する。
【0072】
図7において、次の最短距離であるp2=min(d1、2)を探索すると、離隔した2つのモデル(M1、M2)のうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており(例えば、M2)、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていないので(例えば、M1)、前記隔離距離(p2=min(d1、2))に該当する位置に、追加単位ブリッジ(例えば、b2)を生成する。
【0073】
前記追加単位ブリッジ(例えば、b2)を生成した後に、前記隔離距離のリストがアップデートされる。
図9に示しているように、単位ブリッジb2が生成された
図7のp2=min(d1、2)は、リストから削除され、
図7のp1、p3~p9が、
図9にてp1~p8に変わる。
図9は、昇順に整列された8つのp値を示している。
【0074】
図9において、最短距離であるp1=min(d4、5)を探索すると、前記隔離距離(p1=min(d4、5))に該当する離隔した2つのモデル(M4、M5)にいずれも、依然として前記単位ブリッジが生成されていないので、前記追加単位ブリッジを生成せず、前記隔離距離(p1=min(d4、5))に該当する位置をブリッジ候補として残しておき、次の隔離距離を探索する。
【0075】
図9において、次の最短距離であるp2=min(d1、3)を探索すると、離隔した2つのモデル(M1、M3)にいずれも単位ブリッジが生成されているので(例えば、M2)、前記隔離距離(p2=min(d1、3))に該当する位置に、追加単位ブリッジ(例えば、b2)を生成しない。
【0076】
図11では、次の最短距離であるp2=min(d3、4)を探索し、離隔した2つのモデル(M3、M4)のうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており(例えば、M3)、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていないので(例えば、M4)、前記隔離距離(p2=min(d3、4))に該当する位置に、追加単位ブリッジ(例えば、b3)を生成する。
【0077】
図13では、最短距離であるp1=min(d4、5)を再度探索すると、前記隔離距離(p1=min(d4、5))に該当する離隔した2つのモデル(M4、M5)のうち、1つのモデルに単位ブリッジが生成されており(例えば、M4)、他のモデルに前記単位ブリッジが生成されていないので(例えば、M5)、前記隔離距離(p1=min(d4、d5))に該当する位置に、追加単位ブリッジ(例えば、b4)を生成する。
【0078】
図14において、前記追加単位ブリッジがモデルM4及びモデルM5を連結することになると、前記5つの第1の入力モデル(M1、M2、M3、M4、M5)が、4つの単位ブリッジ(b1、b2、b3、b4)により全て連結されるので、更なる単位ブリッジを生成する必要がなく、前記第1の入力モデルのうち、離隔したモデルを連結する前記第1の仮想ブリッジの生成が完了する。
【0079】
図16及び
図17は、本実施形態の仮想ブリッジの形状を示す概念図である。
図1~
図17を参照すると、互いに離隔したモデルを互いに連結する単位ブリッジは、前記互いに離隔したモデルの最も近い2つの点を含む任意の体積を有する3次元モデルである。例えば、前記単位ブリッジの形状は、三方両錐体である。本発明において、前記単位ブリッジの形状は、前記三方両錐体に限定されず、前記単位ブリッジは、前記入力モデルと交差しない閉多角形であると、いずれも適用可能である。
【0080】
前記三方両錐体の前記単位ブリッジの形状は、
により定義される。前記互いに離隔した2つのモデルを、モデルMA、モデルMBとすると、前記モデルMA及び前記モデルMBの間の最も近い2つの点をq1、q2と定義することができる。ここで、
であり、
は、任意のベクトルであり、
である。
【0081】
であり、
であり、q4を、q3を中心にベクトル
で120度回転した点がq5であり、q4を、q3を中心にベクトル
で240度回転した点がq6であると、前記三方両錐体の第1の三角錐は、q1、q4、q5、q6と定義され、前記三方両錐体の第2の三角錐は、q2、q4、q5、q6と定義される。ここで、kは、任意の定数である。
【0082】
図18は、本実施形態の仮想ブリッジを除去する方法を示す概念図である。
図1乃至
図18を参照すると、前記第1の仮想ブリッジ及び前記第2の仮想ブリッジは、最終結果物に存在する必要はなく、離隔した入力モデルに対する集合演算を容易にするために、離隔した入力モデルを連結する役割のみをする臨時モデルである。そこで、前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルを集合演算して生成された第1の結果モデルに、前記仮想ブリッジが残存する場合、前記仮想ブリッジは、除去することになる。
【0083】
図18において、MXモデルとMYモデルは、第1の入力群(Input mesh 1)に含まれ、MZは、単独の第2の入力モデル(Input mesh 2)である。ここで、前記第1の入力群(Input mesh 1)の2つのモデル(MXモデルとMYモデル)は、互いに離隔しているので、これを連結する仮想ブリッジ(bX)が生成される。
【0084】
図18において、前記第1の入力群(Input mesh 1)と前記第2の入力モデル(Input mesh 2)は、Union演算される場合を示している。
【0085】
図18のCASE #1をみると、前記第1の入力群(Input mesh 1)と前記第2の入力モデル(Input mesh 2)の集合演算で生成された第1の結果モデルに、仮想ブリッジ(bX)が全体として残存する。この時、前記第1の結果モデルに全体として残存する仮想ブリッジ(bX)を除去して、最終結果モデルを生成する。
【0086】
図18のCASE #2をみると、前記第1の入力群(Input mesh 1)と前記第2の入力モデル(Input mesh 2)の集合演算で生成された第1の結果モデルに、仮想ブリッジ(bX)が部分的に残存する。部分的に残存する仮想ブリッジは、bYと示している。この時、前記第1の結果モデルに部分的に残存する仮想ブリッジ(bY)を除去して、最終結果モデルを生成する。
【0087】
図18のCASE #3をみると、前記第1の入力群(Input mesh 1)と前記第2の入力モデル(Input mesh 2)の集合演算で生成された第1の結果モデルに、仮想ブリッジ(bX)が残存しない。そこで、ここでは、前記第1の結果モデルから前記仮想ブリッジ(bX)を除去するステップが省略される。
【0088】
本実施形態によると、互いに離隔した複数のモデルを、仮想ブリッジを用いて互いに連結するので、多重集合演算を一度に行うことができる。そこで、モデルの数が多い集合演算の作業を簡略化することができ、集合演算の順序により演算の結果が変わることで所望する最終結果を得られない状況を防止することができる。
【0089】
そこで、デジタルデンティストリで発生する多重入力モデルに対する集合演算を安定的に行うことができ、デジタルデンティストリ用3次元モデルの製造工程を簡略化して、精度を向上することができる。
【0090】
図19は、本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介して、デジタルデンティストリ用3次元モデルを生成するための入力モデルを示す斜視図である。
図20は、
図19における入力モデルのうち、一部を含む第1の入力群を示す斜視図である。
図21は、
図19における入力モデルのうち、一部を含む第2の入力群を示す斜視図である。
図22乃至
図29は、
図20における第1の入力群の第1のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
図30乃至
図32は、
図21における第2の入力群の第2のグループモデルを生成する方法を示す斜視図である。
図33及び
図34は、
図29における第1のグループモデル、及び
図30における第2のグループモデルを演算して生成される第1の結果モデルから、仮想ブリッジを除去する方法を示す斜視図である。
図35は、
図33における第1の結果モデルから、仮想ブリッジを除去した最終結果モデルを示す斜視図である。
【0091】
図1乃至
図35を参照すると、前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベース(GB)と、前記ガイドベース(GB)に連結され、前記ガイドベース(GB)から突出する複数のスリーブマウント(SM1~SM8)とを含む。
【0092】
前記第2の入力群は、それぞれの前記スリーブマウント(SM1~SM8)に対応し、互いに離隔される複数のスリーブツール(ST1~ST8)を含む。
図19において、ソフトウェアユーザインタフェース(User Interface)にてguide.stlは、ガイドベース(GB)を示し、SleeveMount0.stl、SleeveMount1.stl、SleeveMount2.stl、SleeveMount3.stl、SleeveMount4.stl、SleeveMount5.stl、SleeveMount6.stl、SleeveMount7.stlはそれぞれ、第1乃至第8のスリーブマウント(SM1~SM8)を示す。
【0093】
図19において、ソフトウェアSleeve0.stl、Sleeve1.stl、Sleeve2.stl、Sleeve3.stl、Sleeve4.stl、Sleeve5.stl、Sleeve6.stl、Sleeve7.stlはそれぞれ、第1乃至第8のスリーブツール(ST1~ST8)を示す。
【0094】
前記第1の入力群の前記ガイドベース(GB)と前記スリーブマウント(SM1~SM8)は、いずれも連結されているので、前記第1の入力群に対しては、第1の仮想ブリッジを生成しない。
【0095】
これとは異なり、前記第2の入力群の前記スリーブツール(ST1~ST8)は、いずれも離隔しているので、前記第2の入力群に対しては、第2の仮想ブリッジが生成される。
【0096】
図22乃至
図29では、前記第1の入力群の入力モデルを互いに演算して、第1のグループモデルを生成するステップを順次示している。
図22では、前記ガイドベース(GB)と前記第1のスリーブマウント(SM1)をUnion演算して、第1の中間モデルを生成する。
図23では、前記第1の中間モデルに第2のスリーブマウント(SM2)をUnion演算して、第2の中間モデルを生成する。
図24では、前記第2の中間モデルに第3スリーブマウント(SM3)をUnion演算して、第3の中間モデルを生成する。
図25では、前記第3の中間モデルに第4のスリーブマウント(SM4)をUnion演算して、第4の中間モデルを生成する。
図26では、前記第4の中間モデルに第5のスリーブマウント(SM5)をUnion演算して、第5の中間モデルを生成する。
図27では、前記第5の中間モデルに第6のスリーブマウント(SM6)をUnion演算して、第6の中間モデルを生成する。
図28では、第7のスリーブマウンド(SM7)及び第8のスリーブマウント(SM8)をUnion演算して、第7の中間モデルを生成する。
図29では、前記第6の中間モデル及び前記第7の中間モデルをUnion演算して、第1のグループモデルを生成する。
【0097】
図30は、前記第2の入力群の前記スリーブツール(ST1~ST8)の間に、第2の仮想ブリッジが生成されたことを示している。前記スリーブツール(ST1~ST8)は、複数の単位ブリッジ(br1~br7)により互いに連結されて、1つに連結された第2のグループモデルを生成することができる。前記単位ブリッジ(br1~br7)は、互いに離隔したモデル間の最も近い点の間に生成される。
【0098】
図31は、前記第2のスリーブツール(ST2)と前記第4のスリーブツール(ST4)の間に生成された三方両錐体の単位ブリッジ(br2)を示している。
図32は、前記第7のスリーブツール(ST7)と前記第8のスリーブツール(ST8)の間に生成された三方両錐体の単位ブリッジ(br7)を示している。
【0099】
図29において生成された前記第1のグループモデルから、
図30において生成された前記第2のグループモデルをDifference演算して、第1の結果モデルを生成する。
【0100】
前記第1の結果モデルは、前記スリーブマウント(SM1~SM8)が配置される前記ガイドベース(GB)を含み、前記スリーブマウント(SM1~SM8)には、前記スリーブツール(ST1~ST8)に対応するホールが生成される。
【0101】
図33に示しているように、前記第1の結果モデル内に、前記第2のグループモデルの前記第2の仮想ブリッジが残存する場合を示す。
図34は、前記第1の結果モデル内に残存する前記第2の仮想ブリッジを除去したことを示している。
図35は、前記第1のグループモデル及び前記第2のグループモデルの集合演算から得た最終結果モデルを示す。
【0102】
図36は、本実施形態による仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介して、デジタルデンティストリ用3次元モデルを生成するための入力モデルを示す斜視図である。
図37は、
図36における入力モデルを多重集合演算して生成した最終結果モデルを示す斜視図である。
【0103】
図36及び
図37の実施形態は、
図19乃至
図35のデジタルデンティストリモデルに、ウィンドウツール、サポートバー、及びテキストを更に生成する方法を示している。
【0104】
図36に示しているように、前記第1の入力群は、前記スリーブマウント(SM1~SM8)のうち、一部に連結されるサポートバー(Support bar)を更に含み、前記サポートバーは、前記スリーブマウント(例えば、SM6及びSM7)とunion演算される。例えば、前記サポートバーは、前記スリーブマウントが壊れるか又は反らないように、前記スリーブマウントを支持する。
【0105】
また、前記第1の入力群は、前記ガイドベース(GB)上に配置されるテキスト(Text model)を更に含む。前記テキストは、前記ガイドベースとunion演算される。例えば、前記テキストは、患者の姓名や、ガイドの製造日付、ガイドの特徴のように、前記デンティストリモデルに関して記録したい情報を含む。
【0106】
また、前記第1の入力群は、患者の歯牙に置かれるように、前記患者の歯牙の形状に沿う形状を有するガイドベース(GB)を含み、前記第2の入力群は、前記ガイドベース(GB)と重なって配置される複数のウィンドウツール(Window tool)を含む。
【0107】
前記第2の入力群は、前記互いに離隔される複数のウィンドウツール(Window tool)を連結する前記第2の仮想ブリッジを含む。
前記第1の結果モデルは、前記第1の入力群の第1のグループモデルから前記第2の入力群の第2のグループモデルを、difference演算して生成され、前記第1の結果モデルは、前記ガイドベース(GB)を含み、前記ガイドベース(GB)には、前記ウィンドウツールに対応するホールが生成される。前記ウィンドウツールは、前記デンティストリモデルを、前記患者の歯牙部から容易に分離するための構成である。
【0108】
本発明の一実施形態によると、前述した仮想ブリッジ基盤の多重集合演算によるデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法を、コンピュータで実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供される。前述した方法は、コンピュータで実行可能なプログラムとして作成可能で、コンピュータ読み取り可能な媒体を用いて、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現可能である。また、前述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータ読み取り可能な媒体に様々な手段を通じて記録されることができる。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計され構成されたものや、コンピュータソフトウェア分野の通常の技術者に公知されて、使用可能なものでもある。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存し、実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラーにより作られるような機械語コードだけでなく、インタプリターなどを用いて、コンピュータにより実行される高級言語コードを含む。前述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために、1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されることができる。
【0109】
また、前述した仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法は、記録媒体に保存されるコンピュータにより実行されるコンピュータプログラム、又はアプリケーションの形態にも具現される。
[産業上の利用可能性]
【0110】
本発明は、仮想ブリッジ基盤の多重集合演算を介したデジタルデンティストリ用3次元モデル生成方法に関し、矯正のためのdental appliance設計、デジタルdenture設計、インプラント手術のためのSurgical guide設計時、デジタル印象モデルとドリルガイドモデルの間の集合演算など、デジタルデンティストリの様々な分野に適用可能である。
【0111】
前記では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。