(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】金融機関システム、処理システム、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240509BHJP
【FI】
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2019159313
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2022-05-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500107267
【氏名又は名称】株式会社しんきん情報サービス
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】馬場 英一
(72)【発明者】
【氏名】千葉 博司
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-078518(JP,A)
【文献】特開2005-242609(JP,A)
【文献】特開2015-060471(JP,A)
【文献】特開2004-342036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からアクセス識別情報を取得するアクセス識別情報取得手段と、
取得された前記アクセス識別情報に紐付けて登録されている複数の振込先に関する情報を振込依頼書記憶手段から取得し、複数の入力欄の中の一部が前記複数の振込先に関する情報で埋められた振込依頼入力受付画面を生成する生成手段と、
前記振込依頼入力受付画面を前記端末装置に送信する振込依頼入力受付画面送信手段と、
前記端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段と、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段と、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段と、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段と、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段と、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段と、
を有
し、
前記登録手段は、登録処理及び更新処理に応じて、前記振込依頼情報と、前記振込識別情報と、時刻情報とを紐付けて、前記振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記時刻情報は、情報が登録された登録時刻を示し、情報が更新された場合は登録時刻に代えて更新時刻を示し、
前記振込識別情報送信手段は、前記振込識別情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを示すコードを前記端末装置に送信し、
前記振込依頼情報取出手段は、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
前記振込手段は、前記振込依頼情報記憶手段から取り出された登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報と、読み取られた前記コードが示す登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とが一致する場合、前記振込処理を実行する金融機関システム。
【請求項2】
前記振込依頼書記憶手段は、前記アクセス識別情報に紐付けて、振込先の口座情報を記憶し、
前記生成手段は、複数の入力欄の中の振込先口座に関する入力欄が埋められており、かつ、振込金額の入力欄が空欄となった前記振込依頼入力受付画面を生成する請求項1に記載の金融機関システム。
【請求項3】
前記振込識別情報送信手段は、
振込依頼書のイメージであって、
前記振込依頼情報が示す振込依頼内容で入力欄が埋められており、かつ、前記振込識別情報を示すコードが付された前記振込依頼書のイメージを前記端末装置に送信する請求項1
又は2に記載の金融機関システム。
【請求項4】
端末装置と金融機関システムとを有し、
前記金融機関システムは、前記端末装置からアクセス識別情報を取得し、取得された前記アクセス識別情報に紐付けて登録されている複数の振込先に関する情報を振込依頼書記憶手段から取得し、複数の入力欄の中の一部が前記複数の振込先に関する情報で埋められた振込依頼入力受付画面を生成し、前記振込依頼入力受付画面を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、入力装置を介して振込依頼内容の入力を受付けると、前記振込依頼内容を示す振込依頼情報を前記金融機関システムに送信し、
前記金融機関システムは、前記振込依頼情報を取得すると、前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて振込依頼情報記憶手段に記憶させ、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを取得すると、前記振込識別情報を示すコードをプリントアウトし、
前記金融機関システムは、プリントアウトされた前記コードの読取結果を取得すると、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、取り出された前記振込依頼情報に基づき振込処理を実行
し、
前記金融機関システムは、登録処理及び更新処理に応じて、前記振込依頼情報と、前記振込識別情報と、時刻情報とを紐付けて、前記振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記時刻情報は、情報が登録された登録時刻を示し、情報が更新された場合は登録時刻に代えて更新時刻を示し、
前記金融機関システムは、前記振込識別情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを示すコードを前記端末装置に送信し、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、前記振込依頼情報記憶手段から取り出された登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報と、読み取られた前記コードが示す登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とが一致する場合、前記振込処理を実行する処理システム。
【請求項5】
前記金融機関システムは、
振込依頼書のイメージであって、
前記振込依頼情報が示す振込依頼内容で入力欄が埋められており、かつ、前記振込識別情報を示すコードが付された前記振込依頼書のイメージを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記振込依頼書のイメージをプリントアウトする請求項
4に記載の処理システム。
【請求項6】
コンピュータが、
端末装置からアクセス識別情報を取得
するアクセス識別情報取得工程と、
取得された前記アクセス識別情報に紐付けて登録されている複数の振込先に関する情報を振込依頼書記憶手段から取得し、複数の入力欄の中の一部が前記複数の振込先に関する情報で埋められた振込依頼入力受付画面を生成
する生成工程と、
前記振込依頼入力受付画面を前記端末装置に送信
する振込依頼入力受付画面送信工程と、
前記端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得
する振込依頼情報取得工程と、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させ
る登録工程と、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信
する振込識別情報送信工程と、
前記コードの読取結果を取得
するコード読取結果取得工程と、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出
す振込依頼情報取出工程と、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行
する振込工程と、
を実行し、
前記登録工程では、登録処理及び更新処理に応じて、前記振込依頼情報と、前記振込識別情報と、時刻情報とを紐付けて、前記振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記時刻情報は、情報が登録された登録時刻を示し、情報が更新された場合は登録時刻に代えて更新時刻を示し、
前記振込識別情報送信工程では、前記振込識別情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを示すコードを前記端末装置に送信し、
前記振込依頼情報取出工程では、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
前記振込工程では、前記振込依頼情報記憶手段から取り出された登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報と、読み取られた前記コードが示す登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とが一致する場合、前記振込処理を実行する処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
端末装置からアクセス識別情報を取得するアクセス識別情報取得手段、
取得された前記アクセス識別情報に紐付けて登録されている複数の振込先に関する情報を振込依頼書記憶手段から取得し、複数の入力欄の中の一部が前記複数の振込先に関する情報で埋められた振込依頼入力受付画面を生成する生成手段、
前記振込依頼入力受付画面を前記端末装置に送信する振込依頼入力受付画面送信手段、
前記端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段、
として機能させ
、
前記登録手段は、登録処理及び更新処理に応じて、前記振込依頼情報と、前記振込識別情報と、時刻情報とを紐付けて、前記振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記時刻情報は、情報が登録された登録時刻を示し、情報が更新された場合は登録時刻に代えて更新時刻を示し、
前記振込識別情報送信手段は、前記振込識別情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを示すコードを前記端末装置に送信し、
前記振込依頼情報取出手段は、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報と、登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とを、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
前記振込手段は、前記振込依頼情報記憶手段から取り出された登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報と、読み取られた前記コードが示す登録時刻又は更新時刻を示す前記時刻情報とが一致する場合、前記振込処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関システム、処理システム、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関における登録式の総合振込では、例えば以下のような手順(以下、「従来手順」という)が取られている。なお、登録式の総合振込は、例えば従業員に対する給与の支払い等の場面で利用される。
【0003】
(1)金融機関が、予め金融機関に登録されている依頼人情報及び受取人情報(科目、口座情報等)等を
図1のような振込依頼書(紙媒体)に印字し、依頼人(顧客)に渡す。
(2)依頼人が、上記振込依頼書の空欄部分(金額、振込指定日等)に手書きで値を記入する。
(3)依頼人が、空欄部分を埋めた上記振込依頼書を金融機関に提出し、振込依頼を行う。
(4)金融機関が、手数料計算、振込依頼書に記入された値をシステムに入力する処理、振込処理等を行う。
【0004】
このような従来手順の場合、手書きされた振込依頼書を処理する金融機関の負担が大きい。
【0005】
特許文献1は、総合振込に関する技術を開示している。当該技術では、依頼端末は依頼人から振込依頼内容の入力を受付け、承認端末は当該入力内容に基づき総合振込データを作成し、金融機関システムは当該総合振込データに基づき振込処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来手順に慣れてしまった依頼人の中には、従来手順と大きく異なる手順への変更に抵抗する人もいる。また、コンピュータに不慣れなため、画面に表示されたボタンの押下により振込依頼がなされてしまうということに、不安や怖さを感じてしまう依頼人もいる。特許文献1に開示の技術は当該課題及びその解決手段を記載も示唆もしていない。
【0008】
本発明の目的は、従来手順に準じた手順で振込依頼を行うことができ、かつ、金融機関の処理負担を軽減できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段と、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段と、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段と、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段と、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段と、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段と、
を有する金融機関システムが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
端末装置と金融機関システムとを有し、
前記端末装置は、入力装置を介して振込依頼内容の入力を受付けると、前記振込依頼内容を示す振込依頼情報を前記金融機関システムに送信し、
前記金融機関システムは、前記振込依頼情報を取得すると、前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて振込依頼情報記憶手段に記憶させ、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを取得すると、前記振込識別情報を示すコードをプリントアウトし、
前記金融機関システムは、プリントアウトされた前記コードの読取結果を取得すると、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、取り出された前記振込依頼情報に基づき振込処理を実行する処理システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得し、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記コードの読取結果を取得し、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する処理方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来手順に準じた手順で振込依頼を行うことができ、かつ、金融機関の処理負担を軽減できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本実施形態の処理システムの機能ブロック図の一例である。
【
図3】本実施形態の処理システムの処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図4】本実施形態の金融機関システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の金融機関システムの機能ブロック図の一例である。
【
図6】本実施形態の処理システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】本実施形態の金融機関システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態の金融機関システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図9】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【
図10】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【
図11】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【
図12】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【
図13】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【
図14】本実施形態の金融機関システムが生成する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
「処理システムの全体像」
図2に、処理システムの機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理システムは、金融機関システム10と、端末装置30とを有する。金融機関システム10と端末装置30とはインターネット等の通信ネットワーク40を介して互いに通信可能になっている。端末装置30は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、又は、金融機関に設置された専用端末等であるが、これらに限定されない。
【0016】
「処理システムの概要」
次に、
図3のフロー図を用いて、本実施形態の処理システムの概要を説明する。カッコ内の数字は、処理の順番を示す。数字の小さい方から順に処理が行われる。
【0017】
まず、図示するように、金融機関システム10には、アクセス識別情報と、振込先口座等に関する情報とが紐付けて登録されている。振込先口座等に関する情報は、依頼人情報及び受取人情報等を含む。依頼人情報は、振込を依頼する依頼人に関する情報であって、
図1に示すような振込依頼書に記入すべき情報であり、例えば、お客様番号、氏名等を含む。受取人情報は、振込先に関する情報であって、
図1に示すような振込依頼書に記入すべき情報であり、例えば、振込先の口座情報(口座名義、金融機関名、支店名、口座番号等)や科目等を含む。
【0018】
(1)では、金融機関の行員は、依頼人に対し、所定の依頼人情報及び受取人情報が紐付いたアクセス識別情報を通知する。行員は、電話、電子メール、手紙等の手段でアクセス識別情報を通知してもよいし、依頼人と会って直接アクセス識別情報を通知してもよい。
【0019】
(2)では、依頼人は、端末装置30に、通知されたアクセス識別情報を入力する。
【0020】
(3)では、端末装置30は、入力されたアクセス識別情報を金融機関システム10に送信する。
【0021】
(4)では、金融機関システム10は、取得したアクセス識別情報に紐付けて登録されている振込先口座等に関する情報を取り出し、その情報を用いて振込依頼入力受付画面を生成する。振込依頼入力受付画面は、
図1に示すような振込依頼書に記入すべき情報の入力を受付ける画面であり、複数の入力欄を含む。複数の入力欄の一部、例えば、依頼人情報(お客様番号、氏名等)や受取人情報(例:振込先の口座情報(口座名義、金融機関名、支店名、口座番号等)や科目等)の入力欄は、上記アクセス識別情報に基づき取り出された振込先口座等に関する情報で埋められている。
【0022】
(5)では、金融機関システム10は、生成した振込依頼入力受付画面を端末装置30に送信する。端末装置30は、取得した振込依頼入力受付画面をディスプレイに表示する。
【0023】
(6)では、依頼人は、端末装置30を介して、振込依頼入力受付画面が含む複数の入力欄に値を入力する。例えば、依頼人は、空欄となっている金額や振込指定日等の入力欄に値を入力する。なお、依頼人は、予め値が埋められている入力欄の値を変更してもよい。
【0024】
(7)では、端末装置30は、振込依頼入力受付画面の入力欄に埋められた値(振込依頼内容)を示す振込依頼情報を金融機関システム10に送信する。
【0025】
(8)では、金融機関システム10は、取得した振込依頼情報と、新たに発行した振込識別情報とを紐付けて登録する。
【0026】
(9)では、金融機関システム10は、(8)で新たに発行した振込識別情報を示すコード(例:1次元コード、2次元コード等)を端末装置30に送信する。例えば、金融機関システム10は、
図1に示すような振込依頼書のイメージであって、入力欄は上記振込依頼情報で示される値が埋められており、かつ、上記コードが任意の位置に付されたイメージ(
図9参照)を生成し、端末装置30に送信する。
【0027】
(10)では、端末装置30は、取得したコードをプリントアウトする。例えば、端末装置30は、
図9に示すような振込依頼書のイメージであって、入力欄は上記振込依頼情報で示される値が埋められており、かつ、上記コードが任意の位置に付されたイメージをプリントアウトする。
【0028】
(11)では、依頼人は、プリントアウトされた上記振込依頼書(コードを含む)を金融機関に提出し、振込依頼を行う。
【0029】
(12)では、金融機関の行員は、上記振込依頼書に含まれるコードをリーダで読み取る操作を行う。そして、金融機関システム10は、コードの読取結果(振込識別情報)を取得する。
【0030】
(13)では、金融機関システム10は、取得した振込識別情報(コードの読取結果)に紐付けて登録されている振込依頼情報を取得する。
【0031】
(14)では、金融機関システム10は、取得した振込依頼情報に基づき振込処理を行う。
【0032】
このような処理システムによれば、依頼人は、上述した従来手順に準じた手順、すなわち、「紙媒体の振込依頼書を準備し、その振込依頼書を金融機関に提出する」という手順で、振込依頼を行うことができる。このため、上述した従来手順に慣れてしまった依頼人であっても、特に大きな抵抗なく、上述した従来手順から、本実施形態の処理システムが実現する手順に切り替え可能となる。
【0033】
「金融機関システム10のハードウエア構成」
次に、金融機関システム10のハードウエア構成の一例を説明する。金融機関システム10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0034】
図4は、金融機関システム10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図4に示すように、金融機関システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、周辺回路4Aは有さなくてもよい。なお、金融機関システム10は物理的及び/又は論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0035】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイス等を含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、タッチパネル、物理ボタン、カメラ等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0036】
「金融機関システム10の機能構成」
次に、金融機関システム10の機能構成を説明する。
図5に、金融機関システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、金融機関システム10は、振込依頼情報取得部11と、登録部12と、振込依頼情報記憶部13と、振込識別情報送信部14と、コード読取結果取得部15と、振込依頼情報取出部16と、振込部17と、送受信部18と、アクセス識別情報取得部19と、生成部20と、振込依頼書記憶部21と、振込依頼入力受付画面送信部22とを有する。
【0037】
図6のシーケンス図を用いて、各機能部の機能、及び、金融機関システム10の処理の流れの一例を説明する。なお、処理の流れは、
図3のフロー図を用いて説明した内容と同様であるが、ここでは各処理をより詳細に説明する。
【0038】
まず、端末装置30は、アクセス識別情報を取得し(S101)、取得したアクセス識別情報を金融機関システム10に送信する(S102)。金融機関システム10のアクセス識別情報取得部19は、送受信部18を介して、端末装置30からアクセス識別情報を取得する。
【0039】
例えば、端末装置30は、依頼人の操作に基づき、ウェブブラウザを介して金融機関システムのウェブページにアクセスする。そして、端末装置30は、そのウェブページをディスプレイに表示し、そのウェブページを介して、アクセス識別情報の入力受付、及び、金融機関システム10へのアクセス識別情報の送信を行う。その他、端末装置30は、予めインストールされた金融機関専用アプリを介して、アクセス識別情報の入力受付、及び、金融機関システム10へのアクセス識別情報の送信を行ってもよい。
【0040】
次いで、金融機関システム10の生成部20は、取得されたアクセス識別情報に紐付けて登録されている値を振込依頼書記憶部21から取得し、複数の入力欄の中の一部がその値で埋められた振込依頼入力受付画面を生成する(S103)。
【0041】
振込依頼書記憶部21は、
図7に示すように、アクセス識別情報と、振込先口座等に関する情報とを紐付けて記憶している。振込先口座等に関する情報は、依頼人情報及び受取人情報等を含む。依頼人情報は、振込を依頼する依頼人に関する情報であって、
図1に示すような振込依頼書に記入すべき情報であり、例えば、お客様番号、氏名等を含む。受取人情報は、振込先に関する情報であって、
図1に示すような振込依頼書に記入すべき情報であり、例えば、振込先の口座情報(口座名義、金融機関名、支店名、口座番号等)や科目等を含む。
【0042】
振込依頼入力受付画面は、振込依頼書に記入すべき情報の入力を受付ける画面であり、複数の入力欄を含む。入力欄は、依頼人情報を入力する欄、受取人情報を入力する欄、振込金額を入力する欄、振込指定日を入力する欄等を含む。生成部20は、このような複数の入力欄の中の一部を振込依頼書記憶部21から取得した値で埋め、他の一部を空欄とした振込依頼入力受付画面を生成する。
【0043】
生成部20は、例えば、
図1に示すような振込依頼書のイメージを含み、値を入力する入力欄を含む振込依頼入力受付画面を生成してもよい。また、生成部20は、依頼人情報の入力欄及び受取人情報の入力欄(振込先口座に関する入力欄等)を振込依頼書記憶部21から取得した値で埋め、振込金額の入力欄及び振込指定日の入力欄が空欄となった振込依頼入力受付画面を生成してもよい。
【0044】
次いで、金融機関システム10の振込依頼入力受付画面送信部22は、送受信部18を介して、生成部20が生成した振込依頼入力受付画面を端末装置30に送信する(S104)。なお、振込依頼入力受付画面送信部22は、アクセス識別情報の取得(S102)に応じて振込依頼入力受付画面を端末装置30に送信してもよいし、アクセス識別情報の取得後(S102)、端末装置30から振込依頼入力受付画面のリクエストを取得したことに応じて、振込依頼入力受付画面を端末装置30に送信してもよいし、その他であってもよい。
【0045】
端末装置30は、取得した振込依頼入力受付画面をディスプレイに表示し、当該振込依頼入力受付画面が含む複数の入力欄に対する値の入力を受付ける(S105)。例えば、依頼人は、空欄となっている振込金額や振込指定日等の入力欄に値を入力する。なお、依頼人は、予め値が埋められている依頼人情報の入力欄や受取人情報の入力欄の値を変更してもよい。
【0046】
そして、端末装置30は、入力内容を確定する入力に応じて、振込依頼内容を示す振込依頼情報を金融機関システム10に送信する(S106)。振込依頼情報は、振込依頼入力受付画面が含む複数の入力欄に埋められた値、例えば、依頼人情報、受取人情報、振込金額、振込指定日等の値を含む。金融機関システム10の振込依頼情報取得部11は、送受信部18を介して、端末装置30から送信された振込依頼情報を取得する。
【0047】
次いで、金融機関システム10の登録部12は、振込依頼情報取得部11が取得した振込依頼情報と、新たに発行した振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶部13に記憶させる(S107)。
【0048】
図8に、振込依頼情報記憶部13が記憶する情報の一例を模式的に示す。図示する情報では、振込識別情報と、振込依頼情報と、時刻情報と、悪説識別情報とが紐付けて登録されている。時刻情報は、各情報が振込依頼情報記憶部13に登録/更新された日時を示す。
【0049】
図6に戻り、その後、金融機関システム10の振込識別情報送信部14は、送受信部18を介して、S107で振込依頼情報記憶部13に登録された振込識別情報を示すコード(例:1次元コード、2次元コード等)を端末装置30に送信する(S108)。
【0050】
例えば、振込識別情報送信部14は、
図9に示すような振込依頼書のイメージであって、入力欄は上記振込依頼情報で示される値が埋められており、かつ、上記コードが任意の位置に付されたイメージを生成し、端末装置30に送信する。
【0051】
なお、金融機関システム10は、手数料、振込金額の小計及び合計、手数料の小計及び合計等を算出し、振込識別情報送信部14が送信する上記振込依頼書のイメージの入力欄を埋めてもよい。また、金融機関システム10は、受付日、伝票番号等の他の入力欄を任意の手段で埋めてもよい。
【0052】
図6に戻り、端末装置30は、
図9に示すようなコード付きの振込依頼書のイメージをディスプレイに表示し、ユーザ入力に応じて当該イメージをプリントアウトする。結果、
図9に示すようなコード付きの振込依頼書のイメージがプリントされた紙媒体が生成される。
【0053】
次いで、依頼人は、プリントアウトされた
図9に示すような振込依頼書を金融機関に提出し、振込依頼を行う。金融機関の行員は、上記振込依頼書に含まれるコードをリーダで読み取る(S110)。そして、金融機関システム10のコード読取結果取得部15は、コードの読取結果(振込識別情報)を取得する(S111)。
【0054】
次いで、金融機関システム10の振込依頼情報取出部16は、S110で読み取られたコードが示す振込識別情報(読取結果)に紐付けられた振込依頼情報を、振込依頼情報記憶部13(
図8参照)から取り出す(S112)。そして、振込部17は、取り出された振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する(S113)。振込処理は、エラーチェック、振替システムへの振込電文の送信、それに対する応答等であり、いわゆる勘定系ホスト等により実現される処理である。その詳細は一般的な処理と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0055】
「作用効果」
【0056】
以上、説明した本実施形態の処理システムによれば、依頼人は、上述した従来手順に準じた手順、すなわち、「紙媒体の振込依頼書を準備し、その振込依頼書を金融機関に提出する」という手順で、振込依頼を行うことができる。このため、上述した従来手順に慣れてしまった依頼人であっても、特に大きな抵抗なく、上述した従来手順から、本実施形態の処理システムが実現する手順に切り替え可能となる。
【0057】
また、本実施形態の処理システムの場合、紙媒体の振込依頼書の提出により振込依頼がなされる。すなわち、画面に表示されたボタンの押下により振込依頼がなされることはない。このため、コンピュータに不慣れであり、画面に表示されたボタンの押下により振込依頼がなされてしてしまうということに不安や怖さを感じてしまう依頼人であっても、特に大きな抵抗なく、上述した従来手順から、本実施形態の処理システムが実現する手順に切り替え可能となる。
【0058】
また、本実施形態の処理システムでは、予め登録されていた依頼人情報や受取人情報を埋め、振込金額や振込指定日等を空欄とした振込依頼入力受付画面を生成し、依頼人に提示することができる。このため、依頼人は、入力作業の手間を軽減することができる。
【0059】
また、本実施形態の処理システムでは、金融機関システム10は、振込依頼入力受付画面を介して入力された値(振込依頼内容)に基づき、振込処理を行う。このため、金融機関は、紙媒体で提出された振込依頼書の内容を金融機関システム10に入力する等の面倒な作業を回避できる。
【0060】
また、金融機関システム10は、振込依頼入力受付画面を介して入力された振込依頼内容を記憶しておき、所定の振込依頼内容を取り出して振込処理を行うことになるが、所定の振込依頼内容を取り出すために金融機関が行う作業は、単に振込依頼書に付されたコードを読み取らせる作業のみである。このため、金融機関の処理負担を軽減できる。
【0061】
<第2の実施形態>
本実施形態の処理システムでは、あるアクセス識別情報に基づく
図6のS101乃至S109の処理が行われた後、再び、同一のアクセス識別情報に基づき
図6のS101乃至S109の処理が行える。同一のアクセス識別情報に基づく
図6のS101乃至S109の処理が複数回行われた場合、新たな処理が行われる毎に振込依頼情報記憶部13が記憶する情報(
図8参照)の振込依頼情報及び時刻情報が更新され、新たな処理で入力された振込依頼情報及び更新時刻を示す時刻情報が登録された状態となる。なお、振込識別情報は更新されず、そのままとなる。
【0062】
このような構成によれば、依頼人は、プリントアウトしたコード付きの振込依頼書(
図9参照)を確認して誤りを見つけた場合、同一のアクセス識別情報に基づき
図6のS101乃至S109の処理を再度行い、誤り部分を訂正したコード付きの振込依頼書(
図9参照)を作成し直すことができる。
【0063】
しかし、このような構成の場合、少なくとも一部分の内容が互いに一致しない複数のコード付きの振込依頼書(
図9参照)が作成されることとなる。そして、依頼人は、誤って、誤りが存在するコード付きの振込依頼書(
図9参照)を金融機関に提出し、振込依頼を行ってしまう場合がある。この場合、提出された振込依頼書が示す振込依頼内容(誤りあり)と、振込依頼情報記憶部13が記憶しており、振込依頼情報取出部16に取り出された振込依頼情報が示す振込依頼内容(誤りなし)との内容が完全に一致しない状態となる。このような状態で振込処理を行ってしまうと安全性に問題がある。
【0064】
そこで、本実施形態の金融機関システム10は、このような不都合を抑制する手段を備える。
【0065】
まず、振込識別情報送信部14は、振込識別情報に加えて、
図8の時刻情報をさらに示すコードを端末装置30に送信する。
【0066】
そして、振込依頼情報取出部16は、コード読取結果取得部15が取得した読取結果(振込識別情報)を紐付けられた振込依頼情報に加えて、同振込識別情報を紐付けられた時刻情報を、振込依頼情報記憶部13(
図8参照)から取り出す。
【0067】
そして、振込部17は、コード読取結果取得部15が取得した読取結果(時刻情報)と、振込依頼情報取出部16が振込依頼情報記憶部13から取り出した時刻情報とが一致する場合、振込処理を実行する。なお、一致しない場合、振込依頼情報取出部16は、振込処理を実行しない。
【0068】
本実施形態の処理システムのその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0069】
以上説明した本実施形態の処理システムによれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0070】
また、本実施形態の処理システムによれば、コードが示す時刻情報、及び、振込依頼情報記憶部13に記憶されている時刻情報(
図8参照)が一致するか否かに基づき、依頼人が金融機関に提出したコード付きの振込依頼書(
図9参照)が示す振込依頼内容と、振込依頼情報記憶部13に記憶されている振込依頼情報が示す振込依頼内容との同一性を確認することができる。そして、同一と判断できる場合に、振込処理を行うことができる。このような本実施形態の処理システムによれば、上述した問題を解決できる。
【0071】
<第3の実施形態>
本実施形態の処理システムは、金融機関システム10が生成し、端末装置30に表示される画面例が具体化される。また、本実施形態の処理システムは、第1及び第2の実施形態で説明しなかった付加的機能を備える。以下、詳細に説明する。
【0072】
図10は、端末装置30が金融機関システム10にログインするための画面である。例えば、端末装置30は、依頼人の操作に基づき、ウェブブラウザを介して金融機関システムのウェブページにアクセスする。そして、そのウェブページ上でログイン画面を要求する操作を受付けると、端末装置30は、
図10に示すようなログイン画面をディスプレイに表示する。依頼人は、当該ログイン画面上で依頼人ID(identifier)及びパスワードを入力し、ログインボタンを押下する。なお、パスワードは、上述したアクセス識別情報であってもよいし、その他であってもよい。
【0073】
ログインに成功すると、端末装置30は、金融機関システム10から
図11に示す画面を受信し、ディスプレイに表示する。当該画面には、「申請登録」ボタンと、「状況照会」ボタンと、「ログアウト」ボタンとが設けられている。
【0074】
図11に示す画面から「申請登録」ボタンを押下する入力を受付けると、端末装置30は、金融機関システム10から
図12に示す画面を受信し、ディスプレイに表示する。当該画面は、上述した振込依頼入力受付画面である。依頼人情報の入力欄及び受取人情報の入力欄(振込先口座に関する入力欄等)が埋められており、振込金額の入力欄及び振込指定日の入力欄が空欄となっている。
【0075】
また、当該画面は、「一時保存」ボタン、及び、「申請登録」ボタンを有する。一時保存ボタンは、振込依頼入力受付画面に入力した値を金融機関システム10に登録する指示入力のためのボタンである。申請登録ボタンは、振込依頼入力受付画面に入力した値を金融機関システム10に登録し、振込識別情報を示すコードを発行する指示入力のためのボタンである。
【0076】
この処理の違いを、
図6のシーケンス図及び
図8の情報を用いて説明する。
【0077】
振込依頼入力受付画面において値の入力、及び、一時保存ボタンの押下がなされると(S105)、入力内容を示す振込依頼情報が端末装置30から金融機関システム10に送信される(S106)。そして、金融機関システム10は、受信した振込依頼情報を振込識別情報に紐付けて登録する(S107)。
【0078】
S102で取得したアクセス識別情報に紐付けて、振込識別情報及び振込依頼情報がすでに振込依頼情報記憶部13(
図8参照)に登録されている場合、金融機関システム10は、受信した情報に基づき振込依頼情報を更新する。一方、S102で取得したアクセス識別情報に紐付けて、振込識別情報及び振込依頼情報が振込依頼情報記憶部13(
図8参照)に登録されていない場合、金融機関システム10は、新たな振込識別情報を発行し、受信した振込依頼情報紐付けて振込依頼情報記憶部13に登録する。この更新及び登録に応じて、時刻情報(
図8参照)が更新される。
【0079】
なお、一時保存ボタンの押下に応じてS106及びS107が行われた場合、S108のコードの送信には進まない。
【0080】
一方、振込依頼入力受付画面において値の入力、及び、申請登録ボタンの押下がなされると(S105)、入力内容を示す振込依頼情報が端末装置30から金融機関システム10に送信される(S106)。そして、金融機関システム10は、受信した振込依頼情報を振込識別情報に紐付けて登録する(S107)。
【0081】
S102で取得したアクセス識別情報に紐付けて、振込識別情報及び振込依頼情報がすでに振込依頼情報記憶部13(
図8参照)に登録されている場合、金融機関システム10は、受信した情報に基づき振込依頼情報を更新する。一方、S102で取得したアクセス識別情報に紐付けて、振込識別情報及び振込依頼情報が振込依頼情報記憶部13(
図8参照)に登録されていない場合、金融機関システム10は、新たな振込識別情報を発行し、受信した振込依頼情報紐付けて振込依頼情報記憶部13に登録する。この更新及び登録に応じて、時刻情報(
図8参照)が更新される。
【0082】
そして、申請登録ボタンの押下に応じてS106及びS107が行われた場合、金融機関システム10は、その後、振込識別情報を示すコードを端末装置30に送信する処理(S108)を行う。
【0083】
次に、
図11に示す画面から「状況照会」ボタンを押下する入力を受付けると、端末装置30は、金融機関システム10から
図13に示す画面を受信し、ディスプレイに表示する。当該画面は、依頼人が過去に行った振込依頼各々の概要を示す一覧画面である。図示する例では、振込依頼毎に、現在のステータス、アクセス識別情報、振込指定日、枝番及び明細数が示されている。
【0084】
一覧の中の1つを指定し、「照会」ボタンを押下する入力を受付けると、端末装置30は、金融機関システム10から
図14に示す画面を受信し、ディスプレイに表示する。当該画面では、指定された振込依頼の詳細が示されている。
【0085】
本実施形態の処理システムのその他の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0086】
以上説明した本実施形態の処理システムによれば、第1又は第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理システムによれば、依頼人は、過去に行った振込依頼の状況を容易に確認できる。このように、本実施形態の処理システムによれば、ユーザフレンドリーなシステムが実現される。
【0087】
<変形例>
ここで、すべての実施形態に適用可能な変形例を説明する。当該変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0088】
まず、上記実施形態では、金融機関システム10は振込識別情報を示すコード(又は、振込識別情報と時刻情報を示すコード)を端末装置30に送信した。しかし、金融機関システム10は、振込識別情報(又は、振込識別情報と時刻情報)を端末装置30に送信してもよい。そして、端末装置30が、振込識別情報を示すコード(又は、振込識別情報と時刻情報を示すコード)を生成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、金融機関システム10は、コード付きの振込依頼書のイメージを作成し、端末装置30は、当該イメージをプリントアウトした。しかし、金融機関システム10は、単にコードのみを含むイメージを作成し、端末装置30は、当該イメージをプリントアウトしてもよい。
【0090】
また、金融機関システム10は、アクセス識別情報取得部19、生成部20及び振込依頼書記憶部21を有さなくてもよい。この場合、振込依頼入力受付画面送信部22は、すべての入力欄が空欄となった振込依頼入力受付画面を端末装置30に送信する。
【0091】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、外部装置から送信されたデータを受信できる状態で待機しており、外部装置から送信されたデータを受信すること、外部装置から配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0092】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. 端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段と、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段と、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段と、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段と、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段と、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段と、
を有する金融機関システム。
2. 前記端末装置からアクセス識別情報を取得するアクセス識別情報取得手段と、
取得された前記アクセス識別情報に紐付けて登録されている値を振込依頼書記憶手段から取得し、複数の入力欄の中の一部が前記値で埋められた振込依頼入力受付画面を生成する生成手段と、
前記振込依頼入力受付画面を前記端末装置に送信する振込依頼入力受付画面送信手段と、
を有する1に記載の金融機関システム。
3. 前記振込依頼書記憶手段は、前記アクセス識別情報に紐付けて、振込先の口座情報を記憶し、
前記生成手段は、複数の入力欄の中の振込先口座に関する入力欄が埋められており、かつ、振込金額の入力欄が空欄となった前記振込依頼入力受付画面を生成する2に記載の金融機関システム。
4. 前記登録手段は、前記振込依頼情報と前記振込識別情報と時刻情報を紐付けて、前記記憶手段に記憶させ、
前記振込識別情報送信手段は、前記振込識別情報と前記時刻情報、又は、前記振込識別情報と前記時刻情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記振込依頼情報取出手段は、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報及び前記時刻情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
前記振込手段は、前記振込依頼情報記憶手段から取り出された前記時刻情報と、読み取られた前記コードが示す前記時刻情報とが一致する場合、前記振込処理を実行する1から3のいずれかに記載の金融機関システム。
5. 前記振込識別情報送信手段は、
振込依頼書のイメージであって、
前記振込依頼情報が示す振込依頼内容で前記入力欄が埋められており、かつ、前記振込識別情報を示すコードが付された前記振込依頼書のイメージを前記端末装置に送信する1から4のいずれかに記載の金融機関システム。
6. 端末装置と金融機関システムとを有し、
前記端末装置は、入力装置を介して振込依頼内容の入力を受付けると、前記振込依頼内容を示す振込依頼情報を前記金融機関システムに送信し、
前記金融機関システムは、前記振込依頼情報を取得すると、前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて振込依頼情報記憶手段に記憶させ、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを取得すると、前記振込識別情報を示すコードをプリントアウトし、
前記金融機関システムは、プリントアウトされた前記コードの読取結果を取得すると、読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、取り出された前記振込依頼情報に基づき振込処理を実行する処理システム。
7. 前記金融機関システムは、
振込依頼書のイメージであって、
前記振込依頼情報が示す振込依頼内容で前記入力欄が埋められており、かつ、前記振込識別情報を示すコードが付された前記振込依頼書のイメージを前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記振込依頼書のイメージをプリントアウトする6に記載の処理システム。
8. コンピュータが、
端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得し、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させ、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信し、
前記コードの読取結果を取得し、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出し、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する処理方法。
9. コンピュータを、
端末装置から振込依頼内容を示す振込依頼情報を取得する振込依頼情報取得手段、
前記振込依頼情報と振込識別情報を紐付けて、振込依頼情報記憶手段に記憶させる登録手段、
前記振込識別情報、又は、前記振込識別情報を示すコードを前記端末装置に送信する振込識別情報送信手段、
前記コードの読取結果を取得するコード読取結果取得手段、
読み取られた前記コードが示す前記振込識別情報に紐付けられた前記振込依頼情報を、前記振込依頼情報記憶手段から取り出す振込依頼情報取出手段、
取り出された前記振込依頼情報に基づき、振込処理を実行する振込手段、
として機能させるプログラム。
【0093】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0094】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
10 金融機関システム
11 振込依頼情報取得部
12 登録部
13 振込依頼情報記憶部
14 振込識別情報送信部
15 コード読取結果取得部
16 振込依頼情報取出部
17 振込部
18 送受信部
19 アクセス識別情報取得部
20 生成部
21 振込依頼書記憶部
22 振込依頼入力受付画面送信部
30 端末装置
40 通信ネットワーク