(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】広帯域無指向性アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/30 20060101AFI20240509BHJP
H01Q 9/42 20060101ALI20240509BHJP
H01Q 19/10 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01Q9/30
H01Q9/42
H01Q19/10
(21)【出願番号】P 2022027471
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】倉本 晶夫
(72)【発明者】
【氏名】丹野 均
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/110463(WO,A1)
【文献】特開2003-158419(JP,A)
【文献】特開2008-092311(JP,A)
【文献】米国特許第06683579(US,B1)
【文献】特開2003-283233(JP,A)
【文献】特開2003-273638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/30
H01Q 9/42
H01Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向と、を含むグランド面を有するグランド板と、
前記グランド面の一部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる短絡部と、
前記短絡部に接続され、前記第1方向の長さが前記短絡部の前記第1方向の長さよりも長く、前記第3方向に延びる第1導体板と、
前記第1導体板の前記第3方向の端部に接続され、前記第2方向に延びる第1折り曲げ部と、
前記第1導体板の前記第2方向の面である第1面の接合部に接続され、前記第2方向に延びる第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部の前記第2方向の端部に接続され、前記第3方向の逆方向に延びる第2導体板と、
前記第2導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続された給電部と、
を備える広帯域無指向性アンテナ。
【請求項2】
第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向と、を含むグランド面を有するグランド板と、
前記グランド面の一部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる短絡部と、
前記短絡部に接続され、前記第1方向の長さが前記短絡部の前記第1方向の長さよりも長く、前記第3方向に延びる第1導体板と、
前記第1導体板の前記第2方向の面である第1面の接合部に接続され、前記第2方向に延びる第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部の前記第2方向の端部に接続され、前記第3方向の逆方向に延びる第2導体板と、
前記第2導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続された給電部と、
を備える広帯域無指向性アンテナ。
【請求項3】
前記グランド板の形状は、前記第3方向から見て円形、楕円形、正方形、長方形、または多角形である、
請求項1または2に記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項4】
前記グランド板の形状は、円筒面の一部、球面の一部、または楕円球の一部を含む形状である、
請求項1または2に記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項5】
前記給電部は、前記第2導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項6】
前記短絡部は、前記第1導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続される、
請求項1から5のいずれか1つに記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項7】
前記第1導体板の形状は、前記第2方向の逆方向から見て、多角形または任意の曲線により構成される形状をしており、
前記第2導体板の形状は、前記第2方向から見て、多角形または任意の曲線により構成される形状をしている、
請求項1から6のいずれか1つに記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項8】
前記第1折り曲げ部の形状は、前記第3方向から見て台形であり、
前記第2折り曲げ部の形状は、前記第3方向から見て別の台形である、
請求項1に記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項9】
前記第1導体板および前記第2導体板の少なくとも一方は、任意の形状の穴を有する、
請求項1から8のいずれか1つに記載の広帯域無指向性アンテナ。
【請求項10】
前記給電部は、同軸中心導体と同軸外導体とを有する同軸ケーブルから構成され、
前記同軸外導体は、前記グランド板に電気的に接続され、
前記同軸中心導体は、前記第2導体板に電気的に接続される、
請求項1から9のいずれか1つに記載の広帯域無指向性アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広い周波数帯域で整合特性の良い無指向性かつ直線偏波の広帯域アンテナに関し、特に、薄型かつ低姿勢で小型に実現できる広帯域無指向性アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
広い周波数帯域で整合特性の良い無指向性かつ垂直の直線偏波の広帯域アンテナとして、ディスクモノポ-ルアンテナが知られている。広い周波数帯域で整合特性の良い(整合特性が広帯域)とは、広い周波数帯域で入力インピ-ダンスの変動が少ないことを意味している。例えば、リターンロス特性(S11特性または反射係数特性と称することもある)が広い帯域に渡って低い値に抑えられていることを意味している。
【0003】
ディスクモノポ-ルアンテナは、平板の導体グランド板上に放射素子として薄い円形の導体を垂直に配置し、同軸ケーブルで給電する構造(構成)を有する。非特許文献1に記載されているディスクモノポ-ルアンテナは、周波数比で1:8の広い周波数帯域に渡って、整合特性が良好で、かつ、方位方向に無指向性の特性を有している。
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載されているアンテナの放射素子である円形のディスクの直径は、設計周波数の1/4波長(0.25波長)の直径が必要になる。さらに、非特許文献1に記載されているアンテナの実験結果では、帯域の下限周波数として2.5GHz(ギガヘルツ)以上において整合特性が良好であることが示されている。2.5GHzの波長は、120mm(ミリメートル)であるため、25mm/120mm≒0.21波長である。これにより、このディスクモノポ-ルアンテナは、ディスクの直径が、少なくても0.21波長以上必要であることがわかる。すなわち、非特許文献1に記載されている従来の技術では、薄型のまま、0.21波長よりもさらに低姿勢のアンテナを実現することが難しい。
【0005】
特許文献1には、「第1周波数帯域及び第2周波数帯域において信号を送信及び受信するように構成されている第1及び第2アンテナ・エレメントであって、第2周波数帯域における周波数が第1周波数帯域における周波数よりも高い、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントと、第1アンテナ・エレメントに接続されている第1遅延線対及び第2アンテナ・エレメントに接続されている第2遅延線対であって、第1遅延線対及び第2遅延線対における第1遅延線が、第1アンテナ・エレメント及び第2アンテナ・エレメントに接続されている電気信号を移相させて、アンテナの第1インピーダンスが第1周波数帯域及び第2周波数帯域においてほぼ等しくなるように構成されており、第1遅延線対及び第2遅延線対における第2遅延線が、第1インピーダンスを第2インピーダンスに変換するように構成されている、第1遅延線対及び第2遅延線対と、を備えていることを特徴とするアンテナ」が記載されている。特許文献1には、薄型かつ低姿勢、例えば、0.21波長よりもさらに低姿勢な広帯域無指向性アンテナは開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】論文名“A DISK MONOPOLE ANTENNA WITH 1:8 IMPEDANCE BANDWIR|DTH AND OMNIDIRECTIONAL RADIATION PATTERN” 発表学会名:ISAP’92(International Symposium on Antenna and Propagation1992) 論文掲載:PROCEEDINGS OF ISAP’92,pp1145-1148
【文献】特表2009-533957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおり、非特許文献1および特許文献1に記載の技術によっては、薄型かつ低姿勢で小型に実現できる広帯域無指向性アンテナ、特に、0.21波長よりもさらに低姿勢の広帯域無指向性アンテナを実現することが難しく、このようなアンテナが所望されていた。
【0008】
本開示の目的は、上述した課題を解決する広帯域無指向性アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る広帯域無指向性アンテナは、
第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向と、を含むグランド面を有するグランド板と、
前記グランド面の一部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる短絡部と、
前記短絡部に接続され、前記第1方向の長さが前記短絡部の前記第1方向の長さよりも長く、前記第3方向に延びる第1導体板と、
前記第1導体板の前記第3方向の端部に接続され、前記第2方向に延びる第1折り曲げ部と、
前記第1導体板の前記第2方向の面である第1面の接合部に接続され、前記第2方向に延びる第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部の前記第2方向の端部に接続され、前記第3方向の逆方向に延びる第2導体板と、
前記第2導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続された給電部と、
を備える。
【0010】
本開示に係る広帯域無指向性アンテナは、
第1方向と、前記第1方向に交差する第2方向と、を含むグランド面を有するグランド板と、
前記グランド面の一部から、前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向に延びる短絡部と、
前記短絡部に接続され、前記第1方向の長さが前記短絡部の前記第1方向の長さよりも長く、前記第3方向に延びる第1導体板と、
前記第1導体板の前記第2方向の面である第1面の接合部に接続され、前記第2方向に延びる第2折り曲げ部と、
前記第2折り曲げ部の前記第2方向の端部に接続され、前記第3方向の逆方向に延びる第2導体板と、
前記第2導体板の前記第3方向の逆方向の端部に接続された給電部と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、薄型かつ低姿勢で小型に実現できる広帯域無指向性アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図2A】実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
【
図2B】実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
【
図2C】実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
【
図3A】実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの計算用モデルを例示する斜視図である。
【
図3B】
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
【
図3C】
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
【
図3D】
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
【
図4】実施の形態2に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図5】実施の形態3に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図6】実施の形態4に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図7】実施の形態5に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図8】実施の形態5に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図9】実施の形態6に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図10A】実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図10B】実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図10C】実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図10D】実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図11A】実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図11B】実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図11C】実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図11D】実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図12A】実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図12B】実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図12C】実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【
図12D】実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0014】
[実施の形態1]
<構成>
図1は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図1では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0015】
図1に示すように、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10は、グランド板101と導体板Aと導体板Bと給電部107とを備える。
【0016】
導体板Aは、第1導体板103と、第1導体板103のZ方向の端部103tにL字状に曲げた第1折り曲げ部104と、第1導体板103のZ方向の逆方向の端部(下端部)に設けられた幅の狭い短絡部102と、を有する。
【0017】
導体板Bは、第2導体板106と、第2導体板106のZ方向の端部105tにL字状に曲げた第2折り曲げ部105と、を有する。
【0018】
グランド板101は、X方向と、X方向に交差するY方向と、を含むグランド面101sを有する。X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0019】
短絡部102は、グランド面101sの一部101pから、X方向およびY方向と交差するZ方向に延びる。短絡部102は、グランド板101に電気的かつ物理的に接続される。第1導体板103は、短絡部102に接続され、X方向の長さが短絡部102のX方向の長さよりも長く、Z方向に延びる。第1折り曲げ部104は、第1導体板103のZ方向の端部103tに接続され、Y方向に延びる。
【0020】
第2折り曲げ部105は、第1導体板103のY方向の面である第1面103sの接合部103pに接続され、Y方向に延びる。第2導体板106は、第2折り曲げ部105のY方向の端部105tに接続され、Z方向の逆方向に延びる。
【0021】
給電部107は、第2導体板106のZ方向の逆方向の端部106tに接続される。給電部107は、第2導体板106のZ方向の逆方向の端部106tの任意の位置とグランド板101との間に給電する。
【0022】
導体板Bの第2折り曲げ部105が設けられている高さは、導体板Aの第1折り曲げ部104が設けられている高さよりも低い。すなわち、第2導体板106のZ方向の長さh2は、第1導体板103のZ方向の長さh1よりも短い。導体板Aの第1折り曲げ部104と導体板Bの第2折り曲げ部105とが互いに向き合うように配置される。導体板Aの中腹部(接合部103p)に導体板Bの第2折り曲げ部105の端部が、電気的かつ物理的に接続される。
【0023】
なお、Y方向の逆方向から見た導体板AおよびY方向から見た導体板Bの形は長方形であるが、これには限定されない。導体板Aおよび導体板Bの形は、多角形、任意の曲線、および/またはそれらの形の組み合わせでもよい。また、第1折り曲げ部104と第1導体板103との成す角度、および、第2折り曲げ部105と第2導体板106との成す角度は、直角(90度)である必要はなく、任意の角度でもよい。
【0024】
<動作>
広帯域無指向性アンテナ10の動作原理を説明する。
広帯域無指向性アンテナ10が低姿勢であり広い周波数帯域である理由について、低域周波数、中域周波数、高域周波数に分けて説明する。
【0025】
図2Aは、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
図2Aは、広帯域無指向性アンテナの低域周波数、すなわち下限周波数の動作を例示する斜視図である。
【0026】
図2Aに示すように、給電部107から給電された低域周波数の電流は、電流分布Id1のように分布する。電流分布Id1の経路長は、低域周波数の約1/4波長の長さとなる。このため、広帯域無指向性アンテナ10の動作は、1/4波長モノポ-ルアンテナと同様な動作となる。
【0027】
図2Bは、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
図2Bは、広帯域無指向性アンテナの中域周波数の動作を例示する斜視図である。
【0028】
図2Bに示すように、給電部107から給電された中域周波数の電流は、電流分布Id2のように分布する。電流分布Id2の経路長は、中域周波数の約1/4波長の長さとなる。このため、広帯域無指向性アンテナ10の動作は、1/4波長モノポ-ルアンテナと同様な動作となる。
【0029】
図2Cは、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの動作を例示する斜視図である。
図2Cは、広帯域無指向性アンテナの高域周波数、すなわち上限周波数の動作を例示する斜視図である。
【0030】
図2Cに示すように、給電部107から給電された高域周波数の電流は、電流分布Id3のように分布する。電流分布Id3の経路長は、高域周波数の約1/4波長の長さとなる。このため、広帯域無指向性アンテナ10の動作は、1/4波長モノポ-ルアンテナと同様な動作となる。
【0031】
<効果>
広帯域無指向性アンテナ10の効果について、シミュレーションによる計算結果を用いて説明する。
図3Aは、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナの計算用モデルを例示する斜視図である。
図3Aは、広帯域無指向性アンテナ10の効果を確認するための計算を行った際のアンテナモデルの形状を示す。
【0032】
図3Aに示すように、広帯域無指向性アンテナ10の高さは210mm(ミリメートル)、であり、グランド板101の半径は1332mmである。広帯域無指向性アンテナ10のその他の寸法は、
図3Aに示すとおりである。
【0033】
図3Bは、
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
図3Bは、整合特性の1つであるVSWR(電圧定在波比)特性の計算結果を示す。
図3Bの横軸は周波数を示し、縦軸はVSWRを示す。
【0034】
図3Bに示すように、周波数が213MHz~843MHz(メガヘルツ)の間でVSWRが3.0以下となる。このとき、中心周波数は528MHzなので、比帯域は119%(パーセント)となり、非常に広帯域の特性を有すると言える。
【0035】
下限周波数は213MHzであり、対応する波長は1408mmである。アンテナの高さが210mmなので、波長に換算すると、210mm/1408mm=0.15波長となる。このように、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10は、高さが0.15波長であり、非常に低姿勢で実現できる。
【0036】
また、広帯域無指向性アンテナ10のY方向の長さ(厚さ)、すなわち、第1折り曲げ部104および第2折り曲げ部105のY方向の長さは10mmである。この長さは、
図3Bに示す下限周波数(最低使用周波数)である213MHzの波長1408mmに対して、約7/1000波長となる。よって、広帯域無指向性アンテナ10の厚さは、波長に対して十分に薄いと言える。
【0037】
図3Cは、
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
図3Cは、仰角面の指向性特性の計算結果を示す。
図3Cの横軸は角度θを示し、縦軸はアンテナ利得を示す。アンテナ利得は絶対利得で示す。
広帯域無指向性アンテナと座標系の関係は、
図3Aに示したとおりである。
【0038】
図3Cは、YZ面、すなわち方位方向角度φ=90度面における広帯域無指向性アンテナ10の指向性を示す。偏波はEθ成分、すなわち水平からみて垂直偏波成分となる。角度θは天頂が0度、水平が90度となる。周波数は、低域周波数の213MHz、中域周波数の350MHz、高域周波数の528MHzで表示する。
【0039】
図3Cに示すように、角度θ=60度の方向、すなわち水平から仰角=30度の方向で、アンテナ利得は双方性の山の形状となり、典型的な方位方向無指向性の形状が確認できる。
【0040】
図3Dは、
図3Aに示す広帯域無指向性アンテナの計算結果を例示ずるグラフである。
図3Dは、広帯域無指向性アンテナの方位方向面の指向性の計算結果を示す。
図3Dの横軸は方位方向角度φを示し、縦軸はアンテナ利得を示す。アンテナ利得は絶対利得で示す。
広帯域無指向性アンテナと座標系の関係は、
図3Aに示したとおりである。
【0041】
図3Dは、XY面、すなわち角度θ=90度面における広帯域無指向性アンテナ10の指向性を示す。偏波はEθ成分、すなわち水平からみて垂直偏波成分となる。周波数は、低域周波数の213MHz、中域周波数の350MHz、高域周波数の528MHzで表示する。
【0042】
図3Dに示すように、方位方向角度φ=0~360度で一様なアンテナ利得が得られている。アンテナ利得の変動幅は、各周波数で概ね3dB(デシベル)以下である。
【0043】
以上説明した計算結果(
図3A~
図3D参照)によれば、広帯域無指向性アンテナ10は、下限周波数である213MHzに対して厚さが約7/1000波長であり、波長に対して十分に薄い。また、広帯域無指向性アンテナ10は、下限周波数である213MHzに対して高さが0.15波長であり、非常に低姿勢である。また、広帯域無指向性アンテナ10は、比帯域は119%であり、非常に広帯域である。
【0044】
これにより、広帯域無指向性アンテナ10が薄型かつ低姿勢な形状を有し、広帯域で垂直偏波を放射するアンテナであることが理解できる。このメリットは、特に、薄型かつ低姿勢な小型なアンテナが要求される場合において有効である。このように、実施の形態1によれば、薄型かつ低姿勢で小型に実現できる広帯域無指向性アンテナを提供することができる。
【0045】
ここで、広帯域無指向性アンテナ10の特徴を以下にも記載する。
・整合特性が広帯域である(
図3B参照)。すなわち、入力インピ-ダンス特性が広帯域である。
・垂直の直線偏波を主偏波とする(
図3C参照)。
・方位方向の指向性が無指向性であり、方位方向について一様な利得が得られる(
図3D参照)。
・アンテナが薄型である(
図3A参照)。
・アンテナの高さが低く、低姿勢のアンテナが実現できる(
図3A参照)。
【0046】
[実施の形態2]
<構成>
図4は、実施の形態2に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図4では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0047】
図4に示すように、実施の形態2に係る広帯域無指向性アンテナ20は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、第1折り曲げ部104を有しない点が異なる。実施の形態2に係る広帯域無指向性アンテナ20は、導体板Aと導体板Bとグランド板101と給電部107とを備える。
【0048】
導体板Aは、第1導体板103と、第1導体板103のZ方向の逆方向の端部(下端部)に幅の狭い短絡部102と、を有する。
【0049】
導体板Bは、第2導体板106と、第2導体板106のZ方向の端部105tにL字状に曲げた第2折り曲げ部105と、を有する。
【0050】
グランド板101は、X方向と、X方向に交差するY方向と、を含むグランド面101sを有する。
【0051】
短絡部102は、グランド面101sの一部101pから、X方向およびY方向と交差するZ方向に延びる。短絡部102は、グランド板101に電気的かつ物理的に接続される。第1導体板103は、短絡部102に接続され、X方向の長さが短絡部102のX方向の長さよりも長く、Z方向に延びる。
【0052】
第2折り曲げ部105は、第1導体板103のY方向の面である第1面103sの接合部103pに接続され、Y方向に延びる。第2導体板106は、第2折り曲げ部105のY方向の端部105tに接続され、Z方向の逆方向に延びる。
【0053】
給電部107は、第2導体板106のZ方向の逆方向の端部106tに接続される。給電部107は、第2導体板106のZ方向の逆方向の端部106tの任意の位置とグランド板101との間に給電する。
【0054】
[実施の形態3]
<構成>
図5は、実施の形態3に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図5では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0055】
図5に示すように、実施の形態3に係る広帯域無指向性アンテナ30は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、グランド板301の形が異なる。広帯域無指向性アンテナ30のグランド板301の形状は、Z方向から見て、2次元的な制約はなく、円形、楕円形、正方形、長方形、または多角形等の任意の形状である。
【0056】
[実施の形態4]
<構成>
図6は、実施の形態4に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図6では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0057】
図6に示すように、実施の形態4に係る広帯域無指向性アンテナ40は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、グランド板401の形が異なる。広帯域無指向性アンテナ40のグランド板401の形状は、円筒面の一部、球面の一部、または楕円球の一部を含む形状である。広帯域無指向性アンテナ40では、グランド板401の形状で3次元的な制約はなく、円筒、円柱、球、楕円球、及びこれらの一部分、その他任意の3次元曲面、及びこれらと平面を組み合わせ形状等で構成されてもよい。
[実施の形態5]
<構成>
図7は、実施の形態5に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図7では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0058】
図7に示すように、実施の形態5に係る広帯域無指向性アンテナ50は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、給電部107の位置が異なる。給電部107は、第2導体板106のZ方向の逆方向の端部106t(下端部)、に接続される。
【0059】
なお、給電部107の位置(給電場所)は、導体板Bの端部106tの任意の位置でもよい。具体的には、給電部107の位置は、導体板Bの端部106tにおいて、入力インピ-ダンス特性が一番良い位置に設定する。
【0060】
図8は、実施の形態5に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図8では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0061】
図8に示すように、広帯域無指向性アンテナ50の給電部107は、具体的には、同軸中心導体507aと同軸外導体507bとを有する同軸ケーブル507から構成される。給電部107は、同軸ケーブル507を使用して給電する。
【0062】
同軸外導体507bはグランド板101に電気的に接続され、同軸中心導体507aは、導体板B(第2導体板106)の端部106tの任意の位置に電気的に接続される。なお、同軸コネクタを用いる場合も、同軸コネクタの外部導体をグランド板101の底面に接続し、同軸コネクタの中心導体を導体板Bの端部106tに接続する。これにより、広帯域無指向性アンテナ50に給電することができる。
【0063】
[実施の形態6]
<構成>
図9は、実施の形態6に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図9では、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0064】
図9に示すように、実施の形態6に係る広帯域無指向性アンテナ60は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、短絡部102の位置が異なる。短絡部102は、第1導体板103のZ方向の逆方向の端部に接続される。短絡部102の位置は、導体板AのZ方向の逆方向の端部の任意の位置である。具体的には、短絡部102の位置は、導体板AのZ方向の逆方向の端部(下端部)の任意の位置において、入力インピ-ダンス特性が一番良い位置に設定する。
【0065】
[実施の形態7]
<構成>
図10A~
図10Dは、実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図10A~
図10Dでは、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0066】
図10Aに示すように、実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナ70は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、Y方向から見て導体板B(第2導体板106)のZ方向の逆方向の端部(下端部)が斜めになっている点が異なる。端部を斜めにすることにより、グランド板101との間の距離が変化して、入力インピ-ダンスの調整がしやすい。
【0067】
図10Bに示すように、実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナ70は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、Y方向から見て導体板B(第2導体板106)のZ方向の逆方向の端部(下端部)の角度が鋭角になっている点が異なる。端部の角度を鋭角にすることにより、グランド板101との間の距離が変化して、入力インピ-ダンスの調整がしやすい。
【0068】
図10Cに示すように、実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナ70は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板B(第2導体板106)のZ方向の逆方向の端部(下端部)が斜めになり、導体板A(第1導体板103)のZ方向の逆方向の端部(下端部)が斜めになっている点が異なる。導体板Bおよび導体板Aの下端部を斜めにすることにより、グランド板101との間の距離が変化して、入力インピ-ダンスの調整がしやすい。
【0069】
図10Dに示すように、実施の形態7に係る広帯域無指向性アンテナ70は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板B(第2導体板106)のZ方向の逆方向の端部(下端部)が斜めになり、導体板A(第1導体板103)のZ方向の逆方向の端部(下端部)の角度が鋭角となっている点が異なる。これにより、グランド板101との間の距離が変化して、入力インピ-ダンスの調整がしやすい。
【0070】
以上をまとめると、広帯域無指向性アンテナ70の第1導体板103の形状は、Y方向の逆方向から見て、多角形または任意の曲線により構成される形状をしている。また、第2導体板106の形状は、Y方向から見て、多角形または任意の曲線により構成される形状をしている。
【0071】
なお、広帯域無指向性アンテナ70の導体板Aと導体板Bの下端部の組み合わせは、
図10A~
図10Dに示した以外にも、それぞれの部分の個別の組み合わせが可能である。また、下端部の形状は、直線に限らず、任意の曲線、曲線と直線の組み合わせも可能である。
【0072】
[実施の形態8]
<構成>
図11A~
図11Dは、実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図11A~
図11Dでは、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0073】
図11Aに示すように、実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナ80は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、Z方向から見て第1折り曲げ部104の形状が台形となっている点が異なる。第1折り曲げ部104の形を台形とすることにより、電流分布の通路の多様性が得られ、広帯域性および整合状態を調整しやすい。この理由は、対向する導体板Aと導体板Bとの重なる面積が変わり、電磁界的な結合を調整できるからである。
【0074】
なお、Z方向から見て第1折り曲げ部104の形が台形の場合について説明したが、導体板Aまたは導体板Bの下端部や側端部を、くの字状の多角形または曲線にすることで同様の効果が得ることができる。この理由は、導体板Aの下端部や側端部と、グランド板101と、の間の距離、または、導体板Bの下端部や側端部と、グランド板101と、の間の距離が変わるため、電磁界的な結合を調整できるためである。
【0075】
図11Bに示すように、実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナ80は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、Y方向の逆方向から見て導体板Aの上端部の第1折り曲げ部104が斜めに折り曲げられている形状となっている点が異なる。第1折り曲げ部104を斜めに折り曲げることで、電流分布の通路の多様性が得られ、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0076】
図11Cに示すように、実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナ80は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板Bの上端部の第2折り曲げ部105の形状がZ方向から見て、第1折り曲げ部104の台形の形状とは異なる別の台形である点が異なる。第2折り曲げ部105をZ方向から見て台形とすることで、導体板Bと導体板AのY方向における間隔が変わり、電磁気的な結合の度合いが変化するので、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0077】
図11Dに示すように、実施の形態8に係る広帯域無指向性アンテナ80は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、Y方向から見て導体板Bの上端部の第2折り曲げ部105および接合部103pが斜めに接合されている形状である点が異なる。第2折り曲げ部105および接合部103pを斜めに接合することで、電流分布の通路の多様性が得られ、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0078】
なお、導体板A、導体板B、第1折り曲げ部104、第2折り曲げ部105、接合部103pの形状の組み合わせは、
図11A~
図11Dに示した以外にも、それぞれの部分の個別の組み合わせが可能である。また、
図11A~
図11Dに示した形状は、直線の場合について説明したが、これらの形状は、直線に限らず、任意の曲線、曲線と直線の組み合わせも可能である。
【0079】
[実施の形態9]
<構成>
図12A~
図12Dは、実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナを例示する斜視図である。
図12A~
図12Dでは、上方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向をX方向およびY方向とする。
X方向を第1方向と称し、Y方向を第2方向と称し、Z方向を第3方向と称することもある。
【0080】
図12Aに示すように、実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナ90は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板Bの任意の位置に穴108が配置されている点が異なる。すなわち、第2導体板106が任意の形状の穴108を有する。導体板Bの任意の位置に穴をあけることで、電流分布の通路に制限を加え、導体板Aおよび導体板Bとの間の電磁気的な結合の度合いが変化するので、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0081】
図12Bに示すように、実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナ90は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板Aの任意の位置に穴108が配置されている点が異なる。すなわち、第1導体板103が任意の形状の穴108を有する。導体板Aの任意の位置に穴をあけることで、電流分布の通路に制限を加え、導体板Aおよび導体板Bとの間の電磁気的な結合の度合いが変化するので、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0082】
図12Cに示すように、実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナ90は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板Aの任意の位置に穴108aが配置され、および、導体板Bの任意の位置に穴108bが配置されている点が異なる。穴108aおよび穴108bのそれぞれの位置関係は任意である。導体板Aおよび導体板Bのそれぞれの任意の位置に穴をあけることで、電流分布の通路に制限を加え、導体板Aおよび導体板Bとの間の電磁気的な結合の度合いが変化するので、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0083】
図12Dに示すように、実施の形態9に係る広帯域無指向性アンテナ90は、実施の形態1に係る広帯域無指向性アンテナ10と比べて、導体板Aの上部に穴108が配置されている点が異なる。導体板Aの上部に穴108をあけることで、電流分布の通路に制限を加え、広帯域性および整合状態の調整がしやすい。
【0084】
以上をまとめると、広帯域無指向性アンテナ90の第1導体板103および第2導体板106の少なくとも一方は、任意の形状の穴108を有する。
【0085】
なお、広帯域無指向性アンテナ90の導体板Aと導体板Bに配置する穴108の組み合わせは、
図12A~
図12Dに示した以外にも、それぞれの部分の個別の組み合わせが可能である。また、穴108の形状や位置は任意である。特に、穴108の形状は、円、楕円、多角形、それらの組み合わせ等が可能である。
【0086】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
10、20、30、40、50、60、70、80、90…広帯域無指向性アンテナ
101、301、401…グランド板
101s…グランド面
101p…一部
102…短絡部
103…第1導体板
103s…第1面
103t…端部
103p…接合部
104…第1折り曲げ部
105…第2折り曲げ部
105t…端部
106…第2導体板
106t…端部
107…給電部
507…同軸ケーブル
507a…同軸中心導体
507b…同軸外導体
108、108a、108b…穴
A、B…導体板
Id1、Id2、Id3…電流分布
h1、h2…長さ
θ…角度
φ…方位方向角度