(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】手持ち型真空掃除機及び手持ち型真空掃除機を含む真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20240509BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A47L9/00 103
A47L5/24 A
(21)【出願番号】P 2021577136
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019068267
(87)【国際公開番号】W WO2021004618
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレイ、アンナ-カリン
(72)【発明者】
【氏名】ワデリウス、ジョハン
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】実公平07-013623(JP,Y2)
【文献】実開昭59-090741(JP,U)
【文献】特開2001-218706(JP,A)
【文献】特開2010-201169(JP,A)
【文献】特開2003-245226(JP,A)
【文献】実公平05-017005(JP,Y2)
【文献】再公表特許第2020/121847(JP,A1)
【文献】特開2002-355196(JP,A)
【文献】特開平04-073030(JP,A)
【文献】特表2015-505700(JP,A)
【文献】特表2019-528829(JP,A)
【文献】特表2022-525691(JP,A)
【文献】国際公開第2018/065069(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108903792(CN,A)
【文献】特開2017-006284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/00- 5/38
A47L 9/00- 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口まで延在する空気流路を通した空気流を作るために、ファン軸の周りで回転するように構成されたファンと、
前記空気流路に配置された分離装置であって、前記空気流路を通して流れる空気から塵を分離するように構成される分離装置と
を含む手持ち型真空掃除機であって、
前記空気流路は、前記ファンから延在方向に延在する減音部を含み、前記延在方向と前記ファン軸との間の角度は、45度未満であり、
前記減音部は、第1の部分と、前記第1の部分の下流の第2の部分と
、前記第2の部分の下流の第3の部分とを含み、前記第2の部分の外面の断面積は、前記第1の部分の外面の断面積より小さ
く、
前記第3の部分の外面の断面積は、前記第2の部分の前記外面の前記断面積より大きく、
前記第2の部分の外面は、前記手持ち型真空掃除機の使用者のためのハンドルを形成する、
手持ち型真空掃除機。
【請求項2】
前記減音部の長さは、5cmより大きい、請求項
1に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項3】
前記減音部の長さは、前記
手持ち型真空掃除機の前記空気入口と前記空気出口との間の距離の少なくとも20%又は少なくとも30%である、請求項1
又は2に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項4】
前記第2の部分の前記外面の前記断面積は、前記第1の部分の前記外面の前記断面積より少なくとも30%小さい、請求項1から
3の何れか1つに記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項5】
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口まで延在する空気流路を通した空気流を作るために、ファン軸の周りで回転するように構成されたファンと、
前記空気流路に配置された分離装置であって、前記空気流路を通して流れる空気から塵を分離するように構成される分離装置と
を含む手持ち型真空掃除機であって、
前記空気流路は、前記ファンから延在方向に延在する減音部を含み、前記延在方向と前記ファン軸との間の角度は、45度未満であり、
前記減音部は、第1の部分と、前記第1の部分の下流の第2の部分とを含み、前記第2の部分の外面の断面積は、前記第1の部分の外面の断面積より小さく、
前記減音部は、前記減音部内の空気の渦流れを打ち消すために前記減音部内に
放射状に突出す
る複数のブレードと、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に絞り部とを含み、
前
記複数のブレードは、前記絞り部の上流
の前記第1の部分に
少なくとも配置される、
手持ち型真空掃除機。
【請求項6】
前
記複数のブレードの各ブレードは、前記ファン軸と平行な方向に突出する、請求項
5に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項7】
前
記複数のブレードは、前記第2の部分の上流に配置される、請求項
5または
6に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項8】
空気入口と、
空気出口と、
前記空気入口から前記空気出口まで延在する空気流路を通した空気流を作るために、ファン軸の周りで回転するように構成されたファンと、
前記空気流路に配置された分離装置であって、前記空気流路を通して流れる空気から塵を分離するように構成される分離装置と
を含む手持ち型真空掃除機であって、
前記空気流路は、前記ファンから延在方向に延在する減音部を含み、前記延在方向と前記ファン軸との間の角度は、45度未満であり、
前記減音部は、第1の部分と、前記第1の部分の下流の第2の部分と、前記第2の部分の下流の第3の部分とを含み、前記第2の部分の外面の断面積は、前記第1の部分の外面の断面積より小さく、前記第3の部分の外面の断面積は、前記第2の部分の前記外面
の前記断面積より大きく、
前記減音部は、前記ファン軸の周りで前記ファンを回転させるように構成されたモータを含み、前記モータは、前記第1の部分に配置され、
前記減音部は、前記モータに電気を提供するように構成されたバッテリを含み、前記バッテリは、前記第3の部分に配置される、
手持ち型真空掃除機。
【請求項9】
前記第3の部分の前記断面積は、前記第2の部分の前記断面積より少なくとも30%大きい、請求項
1~4および8のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項10】
前記第3の部分は、前記空気出口を含む、請求項
1~4および8および9のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項11】
前記空気出口は、シールドを含む、請求項
10に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項12】
前記シールドは、前記ファン軸に対して角度を付けられている方向に前記空気を導くように構成される、請求項
11に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項13】
前記シールドは、前記ファン軸に対して略半径方向に前記空気を導くように構成される、請求項
11又は
12に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項14】
前記ファン軸と一致する方向に測定される前記第2の部分の長さは、3cm超又は5cm超である、請求項1~
13のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項15】
前記減音部に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む、請求項1~
14のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項16】
前記減音部の前記第2の部分に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む、請求項1~
15のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項17】
前記減音部の前記第3の部分に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む
、請求項1~
4および8~13のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項18】
前記延在方向と前記ファン軸との間の前記角度は、25度未満、又は10度未満、又は約0度である、請求項1~
17のいずれか一項に記載の
手持ち型真空掃除機。
【請求項19】
シャフト部と、請求項1~
18のいずれか一項に記載の取り外し可能な手持ち型真空掃除機とを含む真空掃除機であって、前記シャフト部は、ハンドルと、2つの管部と、床ノズルと、前記2つの管部間に配置される、前記手持ち型真空掃除機のためのホルダとを含む、真空掃除機。
【請求項20】
前記手持ち型真空掃除機の前記空気出口は、前記手持ち型真空掃除機が前記ホルダに取り付けられるとき、前記2つの管部間に位置付けられる、請求項
19に記載の真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手持ち型真空掃除機に関する。本開示は、手持ち型真空掃除機のためのホルダを含む真空掃除機にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、床、カーペットなどの表面から塵及びごみを吸い上げるために、エアポンプ、多くの場合、遠心ファンを使用して部分真空を作る装置である。様々な種類の真空掃除機が知られている。その中には、アップライト型/スティック型真空掃除機及び手持ち型真空掃除機がある。これらの種類の真空掃除機は、一般に、一端におけるノズルと、他端におけるハンドルとを有する細長い本体を有する。ファン及びフィルタを有するハウジングが細長い本体に取り付けられ得、本体と略平行に延在し得る。そのようなハウジングは、ファン及びモータ、ダスト捕集器、フィルタ並びに他の必要な部品を含み得る。
【0003】
手持ち型真空掃除機及びアップライト型/スティック型真空掃除機を用いると、使用者は、比較的容易且つ効率的に塵及び屑を除去することが可能になり、単一のハンドグリップで操作することができる。手持ち型真空掃除機は、一層一般的になっている。これは、それらが使いやすく、使用しないときにあまり空間を必要としないためであることがある。
【0004】
一般に、真空掃除機の設計時、いくつかの問題及び要求が存在する。1つの例は、清掃効率である。真空掃除機の使用者は、労力をかけずに良好な清掃結果を得るために、高い清掃効率を期待する。別の問題は、動作中の騒音レベルである。真空掃除機によって発生する騒音は、通常、使用者及び真空掃除機の近くの人にとって不快なものである。さらに別の問題は、簡単且つ直感的な方法で使用できる使いやすい真空掃除機を提供することである。さらなる問題は、真空掃除機のエネルギー消費量である。これらの問題及び要求は、通常、矛盾する問題及び要求である。すなわち、真空掃除機の清掃効率を向上させる簡単な方法は、ファンの能力を向上させることである。しかしながら、その結果、真空掃除機によって発生する騒音及び真空掃除機のエネルギー消費量が増加する。
【0005】
さらに、一般に、今日の消費者市場において、真空掃除機及び真空掃除機の構成要素などの製品が、費用効果の高い方法で製造及び組立てを行うのに好適な条件及び/又は特性を有する場合、それは、利点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の問題及び欠点の少なくともいくつかを克服又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、目的は、空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口まで延在する空気流路を通した空気流を作るために、ファン軸の周りで回転するように構成されたファンとを含む手持ち型真空掃除機によって達成される。真空掃除機は、空気流路に配置された分離装置をさらに含む。分離装置は、空気流路を通して流れる空気から塵を分離するように構成される。空気流路は、ファンから延在方向に延在する減音部を含み、延在方向とファン軸との間の角度は、45度未満である。
【0008】
真空掃除機は、ファンから延在方向に延在する減音部を含み、及び延在方向とファン軸との間の角度は、45度未満であるため、ファンによって発生する騒音が効率的に減衰する。それにより、動作中に発生する騒音が少ない条件及び発生する騒音が少ないまま、ファンの出力レベルを増加させる条件を有する真空掃除機が提供される。
【0009】
さらに、減音部の延在方向とファン軸との間の角度が45度未満であるため、ファンによって発生する騒音を効率的に減衰させながら、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗を小さくすることができる。さらに、減音部の延在方向とファン軸との間の角度が45度未満であるため、バランスのとれた重量配分を有する真空掃除機のための条件が提供され、それにより本明細書でさらに説明されるように真空掃除機の使用が容易になる。
【0010】
したがって、上記の問題及び欠点の少なくともいくつかを克服又は少なくとも軽減する手持ち型真空掃除機が提供される。結果として、上記の目的が達成される。
【0011】
任意選択的に、減音部の長さは、5cmより大きい。それにより、動作中に発生する騒音が少ない条件及び発生する騒音が少ないまま、ファンの出力レベルを増加させる条件を有する真空掃除機が提供される。さらに、真空掃除機によって発生する騒音を効率的に減衰させながら、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗を小さくすることができる。さらに、バランスのとれた真空掃除機のための条件が提供される。
【0012】
任意選択的に、減音部の長さは、真空掃除機の空気入口と空気出口との間の距離の少なくとも20%又は少なくとも30%である。それにより、動作中に発生する騒音が少ない条件及び発生する騒音が少ないまま、ファンの出力レベルを増加させる条件を有する真空掃除機が提供される。さらに、真空掃除機によって発生する騒音を効率的に減衰させながら、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗を小さくすることできる。さらに、バランスのとれた真空掃除機のための条件が提供される。
【0013】
任意選択的に、減音部は、減音部内の空気の渦流れを打ち消すために減音部内に突出する1つ又は複数のブレードを含む。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗が大幅に減少する。結果として、ファンのより高い出力レベルを可能にしながら、真空掃除機のエネルギー消費量を減少させることができる。さらに、減音部内に突出する1つ又は複数のブレードにより、真空掃除機によって発生する音をさらに小さくすることができる。これは、減音部の空気の乱流が大幅に減少するためである。
【0014】
任意選択的に、1つ又は複数のブレードの各ブレードは、ファン軸と平行な方向に突出する。それにより、減音部の空気の渦流れが効率的に打ち消される。さらに、1つ又は複数のブレードは、費用効果が優れた方法で製造するのに好適な条件及び特性を有する。
【0015】
任意選択的に、減音部は、第1の部分と、第1の部分の下流の第2の部分とを含み、第2の部分の断面積は、第1の部分の断面積より小さい。それにより、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。
【0016】
任意選択的に、第2の部分の断面積は、第1の部分の断面積より少なくとも30%小さい。それにより、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰することが保証される。
【0017】
任意選択的に、1つ又は複数のブレードは、第2の部分の上流に配置される。それにより、減音部の第2の部分の空気の渦流れが効率的に打ち消される。その結果、減音部の第2の部分を通して流れる空気の流れ抵抗が大幅に減少する。結果として、ファンのより高い出力レベルを可能にしながら、真空掃除機のエネルギー消費量を減少させることができる。これらの特徴のさらなる結果として、真空掃除機によって発生する音がさらに小さくなる。
【0018】
任意選択的に、減音部は、第1の部分と第2の部分との間に絞り部を含む。それにより、ファンによって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。
【0019】
任意選択的に、1つ又は複数のブレードは、絞り部内又は絞り部の上流に配置される。それにより、絞り部及び減音部の絞り部の下流の第2の部分における空気の渦流れが効率的に打ち消される。その結果、絞り部及び減音部の絞り部の下流の第2の部分を通して流れる空気の流れ抵抗が大幅に減少する。結果として、ファンのより高い出力レベルを可能にしながら、真空掃除機のエネルギー消費量を減少させることができる。これらの特徴のさらなる結果として、真空掃除機によって発生する音がさらに小さくなる。
【0020】
任意選択的に、減音部は、第2の部分の下流に第3の部分を含み、第3の部分の断面積は、第2の部分の断面積より大きい。それにより、ファンによって発生する騒音がさらに効率的に減衰し、同時に減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることができる。さらに、バランスのとれた真空掃除機のための条件が提供される。
【0021】
任意選択的に、第3の部分の断面積は、第2の部分の断面積より少なくとも30%大きい。それにより、ファンによって発生する騒音がさらに効率的に減衰することが保証される。同時に、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることができることが保証される。さらに、本明細書でさらに説明されるように、バランスのとれた真空掃除機のための条件が提供される。
【0022】
任意選択的に、ファン軸と一致する方向に測定される第2の部分の長さは、3cm超又は5cm超である。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、ファンによって発生する騒音が効率的に減衰することが保証される。さらに、本明細書でさらに説明されるように、バランスのとれた真空掃除機のための条件が提供される。
【0023】
任意選択的に、第2の部分の外面は、手持ち型真空掃除機の使用者のためのハンドルを形成する。それにより、減音部の一部が手持ち型真空掃除機の使用者のためのハンドルを形成する真空掃除機が提供される。その結果、動作中に発生する騒音が少ない条件を有し、同時に費用効果が優れた方法で製造及び組立てを行うのに好適な条件及び特性を有する真空掃除機が提供される。さらに、本明細書でさらに説明されるように、コンパクトでバランスのとれた設計のための条件を有する真空掃除機が提供される。
【0024】
任意選択的に、真空掃除機は、ファン軸の周りでファンを回転させるように構成されたモータを含み、モータは、減音部の第1の部分に配置される。それにより、モータは、真空掃除機の動作中、減音部を通して流れる空気によって効率的に冷却される。したがって、動作中に発生する騒音が少ない条件を有し、同時に費用効果が優れた方法で製造及び組立てを行うのに好適な条件及び特性を有する真空掃除機が提供される。さらに、コンパクトでバランスのとれた設計のための条件を有する真空掃除機が提供される。
【0025】
任意選択的に、真空掃除機は、モータに電気を提供するように構成されたバッテリを含み、バッテリは、減音部の第3の部分に配置される。それにより、バッテリは、真空掃除機の動作中、減音部を通して流れる空気によって効率的に冷却される。したがって、動作中に発生する騒音が少ない条件を有し、同時に費用効果が優れた方法で製造及び組立てを行うのに好適な条件及び特性を有する使いやすい真空掃除機が提供される。さらに、コンパクトでバランスのとれた設計のための条件を有する真空掃除機が提供される。
【0026】
任意選択的に、第3の部分は、空気出口を含む。それにより、動作中の騒音が少ない条件を有する真空掃除機が提供される。
【0027】
任意選択的に、空気出口はシールドを含む。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。
【0028】
任意選択的に、シールドは、ファン軸に対して角度を付けられている方向に空気を導くように構成される。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。さらに、空気出口を通して流れる空気を、真空掃除機の使用者に対する悪影響が少ない方向に導くための条件が提供される。
【0029】
任意選択的に、シールドは、ファン軸に対して略半径方向に空気を導くように構成される。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。さらに、空気出口を通して流れる空気を、真空掃除機の使用者に対する悪影響が少ない方向に導くための条件が提供される。
【0030】
任意選択的に、真空掃除機は、減音部に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。
【0031】
任意選択的に、真空掃除機は、減音部の第2の部分に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がより一層効率的に減衰する。
【0032】
任意選択的に、真空掃除機は、減音部の第3の部分に配置された吸音材料、好ましくは通気性吸音材料又は吸音性表面コーティングにおいて提供される少なくとも1つの吸音ユニットを含む。それにより、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、真空掃除機によって発生する騒音がより一層効率的に減衰する。
【0033】
任意選択的に、減音部の延在方向とファン軸との間の角度は、25度未満、又は10度未満、又は約0度である。
【0034】
本発明の第2の態様によると、目的は、シャフト部と、本開示のいくつかの実施形態による取り外し可能な手持ち型真空掃除機とを含む真空掃除機によって達成され、シャフト部は、ハンドルと、2つの管部と、床ノズルと、2つの管部間に配置される、手持ち型真空掃除機のためのホルダとを含む。
【0035】
真空掃除機は、いくつかの実施形態による取り外し可能な手持ち型真空掃除機を含むため、動作中に発生する騒音が少ない条件及び発生する騒音が少ないまま、ファンの出力レベルを増加させる条件を有する真空掃除機が提供される。さらに、手持ち型真空掃除機の減音部は、ファンから延在方向に延在し、延在方向とファン軸との間の角度は、45度未満であるため、手持ち型真空掃除機のファンによって発生する騒音を効率的に減衰させながら、減音部を通して流れる空気の流れ抵抗を小さくすることができる。
【0036】
したがって、上記の問題及び欠点の少なくともいくつかを克服又は少なくとも軽減する真空掃除機が提供される。結果として、上記の目的が達成される。
【0037】
任意選択的に、手持ち型真空掃除機の空気出口は、手持ち型真空掃除機がホルダに取り付けられるとき、2つの管部間に位置付けられる。それにより、手持ち型真空掃除機の空気出口を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、空気出口を通して流れる空気を、真空掃除機の使用者に対する悪影響が少ない方向に導くための条件が提供される。
【0038】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲及び以下の詳細な説明を検討すると明らかになる。
【0039】
その特定の特徴及び利点を含む本発明の様々な態様は、以下の詳細な説明及び添付図面において論じられる例示的な実施形態から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】いくつかの実施形態による手持ち型真空掃除機の第1の断面を示す。
【
図2】
図1に示された真空掃除機の第2の断面を示し、いくつかの構成要素が取り外されている。
【
図3】
図1及び
図2に示された真空掃除機の第3の断面を示す。
【
図4】
図1~
図3に示された実施形態による真空掃除機の上面図を示す。
【
図5】本開示のいくつかのさらなる実施形態による真空掃除機を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、本発明の態様がより詳細に記載される。同じ数字は、全体を通して同じ要素を指す。よく知られている機能又は構成は、簡潔さ及び/又は明瞭さのため、必ずしも詳細に記載されるわけではない。
【0042】
図1は、いくつかの実施形態による手持ち型真空掃除機1の第1の断面を示す。簡潔さ及び明瞭さのために、手持ち型真空掃除機1は、本明細書の一部の箇所で「真空掃除機」と呼ばれる。真空掃除機1は、空気入口3と、空気出口5と、ファン7とを含む。ファン7は、電動モータ27によって駆動される。電動モータ27は、ファン軸axの周りでファン7を回転させるように構成される。
図1の断面は、ファン軸axを含む平面を通して作られている。ファン7は、空気流路9を通した空気流を作るために、ファン軸axの周りで回転するように構成される。空気流路9は、空気入口3から空気出口5まで延在する。電動モータ27は、玉軸受を含み得、且つ真空掃除機1のハウジング6に対してゴム懸架され得る。このようにして、真空掃除機1の動作中に発生する騒音が少なくなる。
【0043】
真空掃除機1は、空気流路9に配置された分離装置11をさらに含む。分離装置11は、空気流路9を通して流れる空気から塵を分離するように構成される。分離装置11は、集塵バッグ、フィルタ、サイクロン分離装置などを含み得る。
【0044】
空気流路9は、ファン7の下流に配置された減音部13を含む。
図1から分かるように、減音部13は、ファン7から延在方向dに延在する。示された実施形態によると、減音部13は、ファン軸axと略同心である。さらなる実施形態によると、減音部13の延在方向dとファン軸axとの間の角度a1は、45度未満、又は25度未満、又は10度未満、又は約0度であり得る。これらの特徴のため、本明細書でさらに説明されるように、ファン7及び電動モータ27によって発生する騒音が効率的に減衰する。さらに、本明細書でさらに説明されるように、バランスのとれた重量配分を有する使いやすい真空掃除機1のための条件が提供される。減音部13がファン軸axと略同心であるという特徴は、本明細書で言及されるように、ファン軸axと減音部13との間の距離が減音部13の範囲に沿って5cmより小さいことを含み得る。さらに、減音部13がファン軸axと略同心であるという特徴は、ファン軸axと減音部13の範囲との間の角度が10度未満であることを含み得る。
【0045】
示された実施形態によると、減音部13の長さL1は、真空掃除機1の空気入口3と空気出口5との間の距離L2の約53.5%である。さらなる実施形態によると、減音部13の長さL1は、真空掃除機1の空気入口3と空気出口5との間の距離L2の少なくとも10%、少なくとも20%又は少なくとも30%であり得る。いくつかの実施形態によると、減音部13の長さL1は、5cmより大きいか又は7cmより大きい。それにより、減音部13を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、ファン7及び電動モータ27によって発生する騒音を効率的に減衰させることができる。さらに、本明細書でさらに説明されるように、バランスのとれた重量配分を有する使いやすい真空掃除機1のための条件が提供される。
【0046】
減音部13は、第1の部分21と、第1の部分21の下流の第2の部分22とを含む。さらに、減音部13は、第1の部分21と第2の部分22との間に絞り部21'を含む。さらに、減音部13は、第2の部分22の下流に第3の部分23を含む。示された実施形態によると、減音部13及びその部分21、21'、22、23は、真空掃除機1のハウジング6の内面によって形成される。ハウジング6は、高分子材料において提供され得る。
【0047】
図1から分かるように、第2の部分22の断面積A2は、第1の部分21の断面積A1より小さい。示された実施形態によると、第1の部分21の断面積A1は、約9045mm
2であり、第2の部分22の断面積A2は、約910mm
2である。さらなる実施形態によると、第1の部分21の断面積A1は、8000~12000mm
2であり得、第2の部分22の断面積A2は、700~1500mm
2であり得る。いくつかの実施形態によると、第2の部分22の断面積A2は、第1の部分21の断面積A1より少なくとも30%小さいことができる。
【0048】
さらに、
図1から分かるように、第3の部分23の断面積A3は、第2の部分22の断面積A2より大きい。示された実施形態によると、第3の部分23の断面積A3は、約6901mm
2である。さらなる実施形態によると、第3の部分23の断面積A3は、4500~9000mm
2であり得る。いくつかの実施形態によると、第3の部分23の断面積A3は、第2の部分22の断面積A2より少なくとも30%大きいことができる。
【0049】
示された実施形態によると、モータ27は、減音部13の第1の部分21に配置される。さらに、真空掃除機は、モータに電気を提供するように構成されたバッテリ29を含む。
図1から分かるように、バッテリ29は、減音部13の第3の部分23に配置される。真空掃除機1は、バッテリ29とモータ27との間で電気を伝達するための電線28を含む。電線28は、減音部13の第2の部分22を通して延在する。
【0050】
図2は、
図1に示された真空掃除機1の第2の断面を示し、いくつかの構成要素は、減音部13及びその特徴のよりよい図を提供するために取り外されている。
図2に示されるように、減音部13は、減音部13内に突出するブレード15の組を含む。ブレード15は、減音部13の空気の渦流れを打ち消すように構成される。示された実施形態によると、ブレード15の組のブレード15は、第2の部分22の上流且つ絞り部21'の上流に配置される。さらなる実施形態によると、ブレード15の組のブレード15は、絞り部21'内又は絞り部21'の上流に配置され得る。このようにして、減音部13の第2の部分22の空気の渦流れが効率的に打ち消される。
【0051】
図3は、
図1及び
図2に示された真空掃除機1の第3の断面を示す。
図3の第3の断面は、減音部13の第1の部分21において、ファン軸axに対して垂直な平面に作られる。
図3で最もよく分かるように、ブレード15の組の各ブレード15は、ファン軸axと平行な方向で減音部13内に突出する。このようにして、空気が第1の部分21から絞り部21'を介して第2の部分22に流れているとき、空気の渦流れが効率的に打ち消される。さらに、ブレード15の組の各ブレード15は、ファン軸axと平行な方向において減音部13内に突出するため、費用効果が優れた方法で製造するのに好適な条件及び特性を有する真空掃除機1が提供される。
【0052】
図4は、
図1~
図3に示された実施形態による真空掃除機1の上面図を示す。
図4で参照されるように、真空掃除機1は、起動ボタン32と、バッテリレベル表示器34とを含む。以下では、
図1~
図4を同時に参照する。
図4並びに
図1及び
図2に示されているように、減音部13の第2の部分22の外面25は、手持ち型真空掃除機1の使用者のためのハンドルを形成する。示された実施形態によると、ファン軸axと一致する方向dに測定される第2の部分22の長さL3は、使用者の手の少なくとも4本の指に適合するのに十分である。いくつかの実施形態によると、ファン軸と一致する方向で測定される第2の部分22の長さL3は、3cm超又は5cm超である。
【0053】
第2の部分22の外面25は、手持ち型真空掃除機1の使用者のためのハンドルを形成し、及びバッテリ29は、減音部13の第3の部分23に配置され、モータ27は、減音部13の第1の部分21に配置されるため、バランスのとれた重量配分を有する真空掃除機1が提供され、それにより真空掃除機1の使用が容易になる。
【0054】
図1、
図2及び
図3に示されるように、第3の部分23は、空気出口5を含む。さらに、示された実施形態によると、空気出口5は、シールド31を含む。シールド31は、
図1及び
図2に示されるように、空気出口5を通して流れる空気を、ファン軸axに対して角度を付けられている方向d2に導くように構成される。示された実施形態によると、シールド31は、ファン軸axに対して略半径方向d2に空気を導くように構成される。これらの特徴のため、真空掃除機1によって発生する騒音がさらに減衰し、空気出口5を通して流れる空気による、真空掃除機1の使用者に対する悪影響が少なくなる。さらに、
図4に示されるように、示された実施形態によると、真空掃除機1は、空気が真空掃除機1の上側の方に流れることを防ぐ部分36を含み、真空掃除機1の上側は、使用者が意図した把持方向で真空掃除機1のハンドルを把持するとき、使用者の前腕に面する側である。さらに、真空掃除機1の上面は、起動ボタン32と、バッテリレベル表示器34とを含む。空気が真空掃除機1の上側の方に流れることを防ぐ部分36のため、空気出口5を通して流れる空気による、真空掃除機1の使用者に対する悪影響がさらに少なくなる。
【0055】
図2に示されるように、真空掃除機1は、減音部13に配置された吸音材料において提供される少なくとも1つの吸音ユニット33、35を含み得る。示された実施形態によると、真空掃除機1は、減音部13の第2の部分22に配置された吸音材料において提供される吸音ユニット33と、減音部13の第3の部分23に配置された吸音材料において提供される吸音ユニット35とを含む。吸音ユニット33、35は、それぞれ発泡体材料などの通気性材料において提供され得る。吸音ユニット33、35は、減音部13の第1~3の部分21、22、23のいずれかの内部の表面コーティングであり得る。吸音ユニット33、35のため、真空掃除機1によって発生する騒音がさらに効率的に減衰する。
【0056】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による真空掃除機2を示す。
図5に示される真空掃除機2は、スティック型真空掃除機2である。真空掃除機2は、シャフト部41と、
図1~
図4に示された実施形態による取り外し可能な手持ち型真空掃除機1とを含む。シャフト部41は、ハンドル43と、2つの管部45と、床ノズル47と、2つの管部45間に配置される、手持ち型真空掃除機1のためのホルダ49とを含む。
図5において、手持ち型真空掃除機1は、真空掃除機2のホルダ49に取り付けられている。この位置にあるとき、手持ち型真空掃除機1の空気入口は、床ノズル47に流体連結されている。
【0057】
図5で参照されるように、手持ち型真空掃除機1がホルダ49に取り付けられたとき、手持ち型真空掃除機1の空気出口5は、2つの管部45間に位置付けられる。このようにして、手持ち型真空掃除機1の空気出口5を通して流れる空気の流れ抵抗をより小さくすることを可能にしながら、空気出口5を通して流れる空気による、真空掃除機2の使用者に対する悪影響が少なくなる。
【0058】
上記は、様々な例示的実施形態の説明であり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるべきである。当業者は、例示的実施形態が修正され得、例示的実施形態のそれぞれの特徴が、本明細書に記載された実施形態以外の実施形態を作成するために、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を逸脱することなく組み合わされ得ることを理解するであろう。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「含んでいる」又は「含む」は、非限定的なものであり、1つ又は複数の説明された特徴、要素、ステップ、構成要素又は機能を含むが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素、機能又はその群の存在又は付加を排除するものではない。