(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】発電機クーラ性能監視装置
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20240509BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H02P9/00 B
G05B23/02 301Z
(21)【出願番号】P 2023045626
(22)【出願日】2023-03-22
【審査請求日】2023-03-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「2020年度~2022年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/石炭火力の負荷変動対応技術開発/タービン発電設備次世代保守技術開発」」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加幡 安雄
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真史
(72)【発明者】
【氏名】郡司 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 広唯
(72)【発明者】
【氏名】安藤 耕治
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-112294(JP,A)
【文献】特開2022-112186(JP,A)
【文献】特開2023-001969(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125130(WO,A1)
【文献】特開2005-320588(JP,A)
【文献】特開2017-226197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 9/00
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機について計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの発電機クーラの冷却管の汚れ度に関する過去汚れ度関連情報と、前記過去汚れ度関連情報に基づいて算出された将来における前記冷却管の将来汚れ度に関する情報を示す将来汚れ度関連情報とを、表示部に表示させる表示情報を生成する画像データ生成部を備え
、
前記表示情報は、入力されるデータ選択条件にもとづき生成され、前記データ選択条件は、前記発電機の出力幅、前記発電機クーラのガス温度の幅、前記発電機クーラの冷却水温度の幅のいずれかを含むことを特徴とする発電機クーラ性能監視装置。
【請求項2】
前記画像データ生成部は、
前記過去汚れ度関連情報および前記将来汚れ度関連情報の双方を時系列で前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の発電機クーラ性能監視装置。
【請求項3】
前記過去汚れ度関連情報は、所定の数またはこれらを含む所定の時間幅における前記過去汚れ度関連情報の平均値として用いられることを特徴とする請求項1に記載の発電機クーラ性能監視装置。
【請求項4】
前記データ選択条件は、前記所定の数または前記所定の時間
幅をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の発電機クーラ性能監視装置。
【請求項5】
前記将来汚れ度関連情報は、現在までの所定の期間における前記過去汚れ度関連情報の最大上昇率に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の発電機クーラ性能監視装置。
【請求項6】
前記画像データ生成部は、前記将来汚れ度関連情報に基づいて算出された、
前記発電機クーラの清掃を実施することが推奨される清掃推奨時期を前記表示部に表示させる前記表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の発電機クーラ性能監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発電機クーラ性能監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所の発電機は、その運転中に、固定子および回転子の鉄心においてヒステリシス損および渦電流損からなる鉄損、および固定子および回転子の巻線において銅損等の損失が生ずる。発電機の機内には、たとえば水素ガス等の冷却用ガスが充填されており、発電機の運転中は、冷却用ガスが機内を循環して機内の冷却を行う。また、固定子コイル中に冷却水を流し、固定子コイルを直接に冷却する場合もある。
【0003】
冷却用ガスは、発電機クーラにおいて冷却水との熱交換により冷却される。すなわち、鉄損および銅損などの機内で発生した熱は、冷却用ガスにより除去され、発電機クーラにおいて冷却水側に移行する。冷却水側に移行した熱は、さらに、最終ヒートシンクに移行する。最終ヒートシンクとしては、たとえば、最終クーラにおける海水あるいは河川水、あるいは、冷却塔における大気などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発電機ガスクーラにおいては、使用する冷却水の水質状況により冷却管内壁に汚れが堆積し、また、冷却管のフィンに汚れが付着することにより、冷却用ガスと冷却水間の熱抵抗(汚れ係数という)が増加する。これが主な要因となって、クーラの熱交換性能が低下する。あるいは、単純な伝熱面の汚れだけではなく、冷却管の腐食、あるいは、冷却管を通しての冷却水への水素ガスの混入が生じた場合も、クーラの熱交換性能の低下となる。この結果、冷却ガスの温度上昇や、冷却水量の増加を引き起こし、最終的には、冷却ガスあるいは冷却水の温度高で運転停止に至ることになる。
【0006】
一方、汚れ度を回復するためには、発電機を停止し、発電機クーラを開放して、冷却管の内外面を清掃する必要がある。このため、汚れ度を回復するためには、然るべき期間が必要であり、また定検コストの増大を招くことから、適切な時期を選択する必要があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの発電機クーラの冷却管汚れ度および将来の冷却管汚れ度の予測を時系列で認識することができる発電機クーラ性能監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置は、発電機について計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの発電機クーラの冷却管の汚れ度に関する過去汚れ度関連情報と、前記過去汚れ度関連情報に基づいて算出された将来における前記冷却管の将来汚れ度に関する情報を示す将来汚れ度関連情報とを、表示部に表示させる表示情報を生成する画像データ生成部を備え、前記表示情報は、入力されるデータ選択条件にもとづき生成され、前記データ選択条件は、前記発電機の出力幅、前記発電機クーラのガス温度の幅、前記発電機クーラの冷却水温度の幅のいずれかを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の対象とする発電機の構成例を示す概念的な縦断面図である。
【
図2】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の損失・機内ガス状態量演算部による演算ステップの詳細な流れを示す第1のフロー図である。
【
図4】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の損失・機内ガス状態量演算部による演算ステップの詳細な流れを示す第2のフロー図である。
【
図5】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のクーラ特性演算部による演算ステップの詳細な流れを示すフロー図である。
【
図6】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の方法における算出対象状態量特定用の算出対象状態量特定用画面132aの例を示す第1の図である。
【
図7】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の方法における算出対象状態量特定用の算出対象状態量特定用画面132aの例を示す第2の図である。
【
図8】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の方法における算出対象状態量特定用の算出対象状態量特定用画面132aの例を示す第3の図である。
【
図9】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置による処理の流れを示すフロー図である。
【
図10】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のHMIに表示させる初期操作画像の例を示す画面図である。
【
図11】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のHMIに表示させる最新実績画像の例を示す画面図である。
【
図12】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のHMIに表示させる第1の検証結果画像の例を示す画面図である。
【
図13】実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のHMIに表示させる第2の検証結果画像の例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重畳する説明は省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100の対象とする発電機10の構成例を示す概念的な縦断面図である。
【0012】
発電機10は、回転子11、回転子11に取り付けられたファン12、コレクタ13、固定子14、軸受15、発電機クーラ16、およびフレーム17を有する。
【0013】
回転子11は、回転軸方向に延びて軸方向の両側を軸受15に回転可能に支持されたロータシャフト11a、ロータシャフト11aの径方向外側に取り付けられた回転子鉄心11b、および回転子鉄心11bに巻回された界磁巻線11cを有する。なお、ロータシャフト11aと回転子鉄心11bが、一体に製造されていてもよい。ロータシャフト11aの端部には、界磁巻線11cに直流電流を供給するために、静止側のブラシ13bに対向するようにコレクタ13が相ごとに取り付けられている。なお、図示しないが、励磁機の回転部分と回転整流子がロータシャフト11aに取り付けられ、励磁機の回転部分の径方向外側に、これに対向するように励磁機の静止部分が配されるブラシレス方式の場合であってもよい。
【0014】
固定子14は、回転子鉄心11bの径方向の外側にギャップを介して配された円筒状の固定子鉄心14aと、固定子鉄心14aに巻回された固定子巻線である電機子巻線14bを有する。
【0015】
フレーム17は、固定子14、コレクタ13および回転子鉄心11b等を収納する。フレーム17内では、回転子鉄心11bおよび固定子鉄心14a等における鉄損、界磁巻線11cおよび電機子巻線14b等における銅損により、熱が発生する。各発熱部からの熱を除去するために、フレーム17内はたとえば水素ガス等の冷却用ガスが密封されている。また、冷却用ガスをフレーム内で循環させるために、ファン12がロータシャフト11aには取り付けられロータシャフト11aとともに回転し、循環ヘッドを確保している。なお、
図1では、冷却用ガスの機内(フレーム17内)の循環のための詳細な構成については、図示を省略している。
【0016】
また、冷却用ガスから熱を除去するために、冷却用ガスの循環流路に、発電機クーラ16が設けられている。
図1では、発電機クーラ16がフレーム17内にある場合を例にとって示しているが、フレーム17の外側にあってもよい。また、
図1では一台のみクーラを図示しているが、複数台の発電機クーラを設置してもよい。発電機クーラ16は、ケーシング16b内にフィン付き冷却管16aが配され、ケーシング16b内の冷却管16aの外側を通過する冷却用ガスと、冷却管16a内を通過する冷却水との間の熱交換を行い、冷却用ガスを冷却する。
【0017】
発電機10に係る各状態量は、図示しないそれぞれの検出器により測定され、これらの信号は、たとえばDCS(Distributed Ccontrol System)などのプラント内制御装置5に取り込まれる。なお、測定される状態量は、発電プラントごとに異なる場合がある。
【0018】
発電機クーラ性能監視装置100は、発電機クーラ性能監視に必要な情報を、プラント内制御装置5から取得するとともに、その他の必要な情報を外部入力として受け入れる。
【0019】
図2は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100の構成を示すブロック図である。
【0020】
発電機クーラ性能監視装置100は、入力部110、演算部120、画像データ生成部130、記憶部140、判定制御部150、およびヒューマンマシンインタフェース(HMI)160を備える。発電機クーラ性能監視装置100は、例えば、計算機システムであるが、それぞれの装置の集合であってもよい。
【0021】
入力部110は、DCS等のプラント内制御装置5を経由しての発電機10の各状態値、ならびに、工場試験データおよび設計値などの事前取得データを受け入れ、取得する。なお、各状態値は、検出器で検出された信号はアナログ信号であっても、プラント内制御装置5内でディジタル信号に変換されたディジタル値である。事前取得データもディジタル値であるとする。また、これらの値がアナログ値であった場合は、図示しないAD変換器でディジタル信号に変換されるものとする。また、事前取得データには、たとえば対象とする発電機の製造メーカが異なり工場試験データおよび設計値が入手できない場合に、他のプラント等を参考に算出した推定値を含んでもよい。
【0022】
状態値には、発電機10の電力値を含むものとする。ここで、電力値は、有効電力(MW)および無効電力(MVar)の両者、あるいは皮相電力(MVA)であるものとする。有効電力(MW)と無効電力(MVar)の和、あるいは皮相電力(MVA)は電機子巻線14bの電流値に、すなわち熱的負荷に対応する。なお、有効電力(MW)と無効電力(MVar)の両者がない場合は、有効電力(MW)のみでもよい。以下では、これらを総称して電力値PGENと呼ぶものとする。
【0023】
演算部120は、運転実績に基づいての発電機クーラ16の伝熱性能の指標である冷却管16a内外面の汚れ度ζの算出に至るまでの演算、汚れ度ζの予測演算、および演算の検証を行う。演算部120は、算出対象状態量特定部121、平均値等演算部122、算出対象状態量演算部123、損失・機内ガス状態量演算部124、クーラ特性演算部125、予測演算部126、清掃推奨時期導出部127、および検証演算部128を有する。
【0024】
ここで、汚れ度ζとは、冷却管16aの内側表面の汚れがないとして算出した発電機クーラ16の交換熱量PCOOLを、発電機クーラ16で除去される熱(ガスクーラ入熱量PLOSS)で除して得られた比であると定義する。両者の値が等しい場合、汚れ度ζは1となる。また、冷却管16aの内側表面の汚れがある場合は、冷却管16aの内側表面の汚れ度ζは1より大きな値となる。以下では、汚れ度ζを「冷却管16aの内側表面の汚れ度ζ」と表記するが、ここで定義した汚れ度ζは、単純な伝熱面の汚れだけではなく、冷却管の腐食、あるいは、冷却管を通しての冷却水への水素ガスの混入による熱交換性能の低下を含む総合的な指標である。
【0025】
算出対象状態量特定部121は、汚れ度ζの算出に至る標準的な演算に必要な状態値の中で、プラント内制御装置5を経由して入力部110が受け入れる状態値に含まれていない状態量、すなわち算出対象状態量を確認、特定する。
【0026】
平均値等演算部122は、入力部110が受け入れた各状態値の平均処理を行う。具体的には、入力部110が受け入れた各状態値の時間的な平均を行い、時間平均値を算出する。時間的な平均は、所定の平均処理数Nの状態値またはこれらを含む所定の時間幅である平均時間幅Δtの移動平均を算出してもよいし、あるいは、所定の平均処理数Nまたは所定の平均時間幅Δtごとに区切ったそれぞれの平均値を算出してもよい。
【0027】
所定の平均処理数Nまたは所定の平均時間幅Δt(以下では「所定の平均処理数N」と総称する)は、後述するように、HMI160が初期条件の外部入力として受け入れる。また、平均値等演算部122は、所定の平均処理数Nについて、発電機クーラ16のクーラ入口ガス温度TIからクーラ出口ガス温度TOを減じたガス温度幅ΔTg、クーラ出口冷却水温度Twoutからクーラ入出口冷却水温度Twinを減じた冷却水温度幅ΔTwを算出する。
【0028】
算出対象状態量演算部123は、算出対象状態量を算出する。詳細は、後に、
図6ないし
図8を参照しながら説明する。
【0029】
損失・機内ガス状態量演算部124は、入力部110で受け入れたあるいは算出対象状態量演算部123で算出した状態量ならびに事前取得データに基づいて、状態量機内の発熱源となる各損失、機内ガスの状態量を算出する。
【0030】
クーラ特性演算部125は、発電機クーラ16関連の状態量および事前取得データに基づいて、発電機クーラ16の等価熱通過率Kmおよび熱交換量PCOOLを算出し、さらに冷却管16a内外面の汚れ度ζを算出する。
【0031】
予測演算部126は、冷却管汚れ度算出値記憶部144に収納された汚れ度ζの情報に基づいて、現在よりのちの(将来の)冷却管16aの汚れ度ζを算出する。具体的には、予測演算部126は、まず、現在に至る所定の期間(例えば12か月)の有効データから汚れ度ζの上昇率(汚れ度ζ/月)を毎日算出する。この結果は、冷却管汚れ度算出値記憶部144に収納される。次に、予測演算部126は、冷却管汚れ度算出値記憶部144に収納された所定の期間(例えば12か月)における最大上昇率を導出し、この最大上昇率で上昇する汚れ度ζの将来の値を算出する。冷却管汚れ度表示用データ生成部133は、この将来の性能劣化予測線をHMI160に表示させる画像データを生成する。
【0032】
清掃推奨時期導出部127は、予測演算部126により導出された性能劣化予測線から、汚れ度閾値ζthに到達する時点を算出する。汚れ度ζの今後の増加見通しと、内蔵する清掃推奨レベルζRの値に基づいて、清掃推奨時期を導出する。また、清掃推奨時期導出部127は、清掃推奨時期が、現時点から見て所定期間tC以内か否かを判定する。ここで、所定期間tCは、HMI160が、初期条件等の一部として受け入れる。所定期間の場合は、清掃推奨時期導出部127は、冷却管汚れ度表示用データ生成部133に、清掃推奨時期が、現時点から見て所定期間tC以内であることを出力する。冷却管汚れ度表示用データ生成部133は、HMI160にその旨の情報を表示させる画像データを生成する。
【0033】
検証演算部128は、発電機クーラ16の冷却管16a内外面の汚れ度ζの算出までの演算の検証を行う。そのために、主要なパラメータについての測定値と演算結果とを比較する。この結果に基づいて、演算モデルを調整することができる。
【0034】
画像データ生成部130は、HMI160に表示させる画像用の画像データを作成する。画像データ生成部130は、初期操作画像データ生成部131、算出対象状態量特定用画面データ生成部132、冷却管汚れ度表示用データ生成部133、および検証結果表示用データ生成部134を有する。
【0035】
初期操作画像データ生成部131は、HMI160に表示させる状態量取得ケース特定用画像および表示条件設定用画像などのための初期操作画像データを作成する。
【0036】
算出対象状態量特定用画面データ生成部132は、HMI160に表示させる算出対象状態量を特定するための画面データを作成する。
【0037】
冷却管汚れ度表示用データ生成部133は、HMI160に表示させる発電機クーラ16の冷却管16a内外面の汚れ度ζの時間変化を表示する画像用のデータを作成する。
【0038】
検証結果表示用データ生成部134は、検証演算部128で行った発電機クーラ16の冷却管16a内外面の汚れ度ζの算出までの演算の検証結果として、主要なパラメータについての測定値と演算結果とを示す画像のための画像データを作成する。
【0039】
記憶部140は、測定値記憶部141、事前取得データ記憶部142、状態量算出値記憶部143、冷却管汚れ度算出値記憶部144、表示用パラメータ記憶部145、検証演算結果記憶部146を有する。
【0040】
測定値記憶部141は、入力部110で受け入れた各測定値である各状態値を受け入れた時刻および電力値とセットで収納、記憶する。さらに、測定値記憶部141は、平均値等演算部122により算出されたこれら各状態値の時間平均値を収納、記憶する。
【0041】
事前取得データ記憶部142は、入力部110が受け入れた工場試験データおよび設計値などの事前取得データを収納、記憶する。
【0042】
状態量算出値記憶部143は、算出対象状態量演算部123が算出した算出対象状態量を収納、記憶する。
【0043】
冷却管汚れ度算出値記憶部144は、クーラ特性演算部125が算出した冷却管汚れ度ζを含む演算結果を収納、記憶する。ここで、冷却管汚れ度ζとは、発電機クーラ16の冷却管16aのフィンも含めた内外面の汚れの指標である。
【0044】
表示用パラメータ記憶部145は、HMI160が外部入力として受け入れた表示用パラメータを収納、記憶する。
【0045】
検証演算結果記憶部146は、検証演算部128による演算結果および対応するパラメータの測定値を収納、記憶する。
【0046】
判定制御部150は、発電機クーラ性能監視装置100による処理の進行を制御するとともに、進行上で必要な判定を行う。
【0047】
ヒューマンマシンインタフェース(HMI)160は、画像データ生成部130により生成された発電機クーラ性能監視装置100による監視に必要な画像を表示する表示部を有するとともに、画像表示を含めた監視上のパラメータを外部から受け入れる。
【0048】
ここで、まず、演算部120による冷却管16a内外面の汚れ度ζ算出までの演算の詳細を、
図3ないし
図5を引用しながら説明する。この内容は、後に、
図9を引用しながら説明する発電機クーラ性能監視方法の手順における演算部120による演算ステップS100に対応する。演算部120による演算ステップS100は、損失・機内ガス状態量演算部124による演算ステップS110、損失・機内ガス状態量演算部による演算ステップS120、およびクーラ特性演算部125による演算ステップS130を有する。
【0049】
図3は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の損失・機内ガス状態量演算部124による演算ステップS110の詳細な流れを示す第1のフロー図である。
【0050】
まず、入力部110が、工場試験データまたは設計値等の事前取得データとして、20℃における電機子巻線抵抗値RA20、基準値としての鉄損PCL0、基準値としての漂遊負荷損PSCCL0、基準値としての風損W0、基準値としての基準ガス密度ρ0を外部入力として受け入れ、取得する(ステップS111)。
【0051】
次に、入力部110が、電機子巻線14bに印加される電圧である端子電圧VA、電機子14bに流れる電流である電機子電流IA、電機子巻線14bの温度である電機子巻線温度TA、界磁巻線11cに印加される電圧である界磁電圧VF、および界磁巻線11cを流れる電流である界磁電流IFのそれぞれの測定値を、プラント内制御装置5から受け入れ、取得する(ステップS112)。
【0052】
次に、損失・機内ガス状態量演算部124は、以下の演算を行い、最終的に鉄損、銅損および漂遊損の合計値である電気損PELECを算出する。
【0053】
(1)端子電圧VAのn次関数として鉄損PCLを算出する。ここで、鉄損PCLは、工場試験値または設計値からあらかじめ端子電圧のたとえば4次関数などのn次関数として求めておき、測定した端子電圧VAの値から鉄損PCLの値を算出する(ステップS113)。
【0054】
(2)工場試験または設計値から求めた定格時の漂遊負荷損PSCCLの値を電機子電流IAの2乗比で補正して算出する(ステップS114)。
【0055】
(3)電機子巻線抵抗RAの電機子巻線温度TAへの依存性を取得しておき、電機子巻線温度TAから電機子巻線抵抗RAを算出する(ステップS115)。次に、電機子巻線抵抗RAおよび電機子電流IAから電機子銅損PAを算出する(ステップS116)。
【0056】
(4)界磁電圧VFおよび界磁電流IFから界磁銅損PFを算出する(ステップS117)。
【0057】
(5)ステップS113ないしステップS117で算出した鉄損PCL、漂遊負荷損PSCCL、電機子銅損PA、および界磁銅損PFの合計値として、電気損PELECを算出する(ステップS118)。
【0058】
図4は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の損失・機内ガス状態量演算部による演算ステップS120の詳細な流れを示す第2のフロー図である。
【0059】
まず、入力部110が、発電機クーラ16のケーシング16bのそれぞれ入口および出口のガス温度であるクーラ入口ガス温度TIおよびクーラ出口ガス温度TO、フレーム17内の水素等の冷却用ガスの圧力である機内圧力Pg、ならびに、冷却用ガスの純度であるガス純度Xを、受け入れる(ステップS121)。
【0060】
次に、損失・機内ガス状態量演算部124は、クーラ入口ガス温度TIおよびクーラ出口ガス温度TOから、機内ガス温度Tgを算出する(ステップS122)。
【0061】
次に、損失・機内ガス状態量演算部124は、機内ガス温度Tg、機内圧力Pg、およびガス純度Xから、機内ガスモル質量Mg、機内ガス密度ρg、および風損Wを算出する(ステップS123)。
【0062】
図5は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100のクーラ特性演算部125による演算ステップS130の詳細な流れを示すフロー図である。
【0063】
まず、入力部110が、工場試験データまたは設計値等の事前取得データとして、基準値としての機内ガス風量Q0、および設計値としての熱交換器補正係数Fを外部入力として受け入れ、取得する(ステップS131)。
【0064】
次に、入力部110が、発電機クーラ16のケーシング16bのそれぞれ入口および出口のガス温度であるクーラ入口ガス温度TgIおよびクーラ出口ガス温度TgO、発電機クーラ16の冷却管16aのそれぞれ入口および出口の冷却水温度であるクーラ入口冷却水温度TWinおよびクーラ出口冷却水温度TWout、ファンヘッドH、および発電機クーラ16の冷却管16aを流れる冷却水の流量である冷却水流量Qwのそれぞれの測定値を、プラント内制御装置5から受け入れ、取得する(ステップS133)。
【0065】
次に、クーラ特性演算部125は、以下の演算を行い、最終的に発電機クーラ16の冷却管16aの内外面の汚れ度ζを算出する。
【0066】
(1)クーラ入口ガス温度TgI、クーラ出口ガス温度TgO、クーラ入口冷却水温度TWinおよびクーラ出口冷却水温度TWoutから、対数平均温度差ΔTmを算出する(ステップS134)。
【0067】
(2)ファンヘッドHから機内の冷却用ガスの流量である機内ガス流量Qgを算出する(ステップS134)。次に、機内ガス流量Qgから発電機クーラ16の冷却管16aの外側を流れる冷却用ガスの速度を算出し、これに基づいて冷却管16aの外側表面の熱伝達率であるガス熱伝達率αgを算出する(ステップS135)。
【0068】
(3)冷却水流量Qwから発電機クーラ16の冷却管16a内を流れる冷却水の速度を算出し、これに基づいて冷却管16aの内側表面の熱伝達率である冷却水熱伝達率αwを算出する(ステップS136)。
【0069】
(4)ステップS134ないしステップS136の結果および事前取得データとして読み込んだ熱交換器補正係数Fを用いて、発電機クーラ16の等価熱通過率Kmおよび発電機クーラ16の交換熱量PCOOLを算出する(ステップS137)。ここで、等価熱通過率Kmおよび交換熱量PCOOLは、それぞれ次の式(1)および式(2)のように表される。
Km=1/〔(1/ag)+(r1/KTUBE)+(r2/aw)〕 ・・・(1)
ここで、KTUBEは管・フィン等価熱通過率設計値(W/(m2K))、agは冷却ガス熱伝達率(W/(m2K))、awは冷却水熱伝達率(W/(m2K))、r1は冷却管伝熱面積補正係数、r2は冷却管内面伝熱面積補正係数である。
【0070】
PCOOL=Km・F・ΔTm ・・・(2)
ここで、Fは補正係数(m2)であり、F=1あるいは発電機クーラの型、寸法等により経験的に値を設定してもよい。
【0071】
つぎに、冷却管16aの内側表面の汚れ度ζを算出する(ステップS137)。
【0072】
まず、ガスクーラ入熱量PLOSS(W)を次の式(3)により算出する。
PLOSS=PELEC+W ・・・(3)
ここで、PELECはステップS118で算出された電気損PELECであり、WはステップS123で算出された風損Wである。
【0073】
冷却管16aの内側表面の汚れ度ζは、次の式(4)により得られる。
ζ=PCOOL/PLOSS ・・・(4)
【0074】
すなわち、冷却管16aの内側表面の汚れがないとして式(2)で算出した発電機クーラ16の交換熱量PCOOLに対して、発電機クーラ16で除去される熱(ガスクーラ入熱量PLOSS)が等しい場合は、汚れ度ζは1となる。一方、冷却管16aの内側表面の汚れがある場合は、上述の式(4)により算出される冷却管16aの内側表面の汚れ度ζは1より大きな値となる。
【0075】
なお、測定誤差や、交換熱量P
COOLの算出式の補正係数Fの誤差など測定誤差以外の誤差も存在する。したがって、理論的には、汚れのない状態では汚れ度ζは1となるが、現実には、算出された汚れ度ζが1ではなく、たとえば1以下の場合もある。後に示す
図11では、クーラBの清掃後の汚れ度ζの表示が1を下回っている場合の例を示している。
【0076】
なお、ここでは、汚れ度ζを式(3)および式(4)により算出する場合を例にとって示したが、これに限定されず、他の推定方法を用いてもよい。
【0077】
以上が、ステップS100(ステップS110ないしステップS130)における演算部120による汚れ度ζの算出までの演算の詳細である。
【0078】
次に、プラント内制御装置5を経由しての実測データを得ることができない場合の、測定値に代わる推定値の算出について説明する。プラントによっては、
図3ないし
図5に示すプラント内制御装置5を経由しての実測データを得ることができない場合があることから、算出対象状態量を特定し、測定値に代わる推定値を算出する必要がある。
【0079】
図6ないし
図8は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置の方法における算出対象状態量特定用の算出対象状態量特定用画面132aの例を示す第1ないし第3の図である。ここでは、1つの図で表示しきれないため、便宜上、3つの図に分けて示している。ただし、画面表示は、1つの図で示されてよい。
【0080】
図6ないし
図8で示すフローは、算出対象状態量特定部121による判定、特定、算出方法決定のためのフローであり、判定に従って、算出方法が決定されることになる。ここれに基づいて、算出対象状態量演算部123が、特定された算出対象の状態量を算出する。
【0081】
この際、このフローの進行には、流れに従って到達するそれぞれの判定項目が、「YES」か「NO」かを入力する必要がある。
図6ないし
図8で示すフローは、算出対象状態量特定用画面データ生成部132がHMI160に表示させる算出対象状態量特定用の算出対象状態量特定用画面132aである。なお、
図6ないし
図8における符号は、説明のためのものであり、画面に表示されない。
【0082】
すなわち、
図6ないし
図8で示すフロー中の判定ステップは、外部入力の内容によってYES、NOが決定される。この外部入力に基づいて、算出対象状態量特定部121は、フローを特定し、算出対象の状態量およびその算出方法を決定する。
【0083】
なお、画像については、
図6ないし
図8に示す流れを示した流れ図において、到達する判定ステップの表示部分に「YES」「NO」の選択肢が表示され、いずれかを選択可能とするような画像でもよい。また、実質的に、同様の情報を入力できるのであれば、
図6ないし
図8に示すようなフロー図ではなく、たとえば、リスト方式で測定値があるものを選択するような方式の画像でもよい。
【0084】
図6ないし
図8で示すように、フローは、以下の流れとなっている。
【0085】
まず、算出対象状態量特定部121は、ファンヘッド測定値の有無を判定する(ステップS141)。ここで、算出対象状態量特定部121が判定するとは、上述のように、HMI160が受け入れる外部入力に基づくものであることを意味するものとする。以下においても同様である。
【0086】
算出対象状態量特定部121が、ファンヘッド測定値が有りと判定(ステップS141 YES)した場合は、算出対象状態量特定部121は、ファンヘッドから風量および風損を計算すると決定する(ステップS142)。また、算出対象状態量特定部121が、ファンヘッド測定値が無いと判定(ステップS141 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121は、カロリー法で風量および風損を計算すると決定する(ステップS143)。
【0087】
次に、算出対象状態量特定部121が、冷却水流量測定値の有無を判定する(ステップS144)。算出対象状態量特定部121が、冷却水流量測定値が有りと判定(ステップS145 YES)した場合は、算出対象状態量特定部121が、冷却水温度測定値の有無を判定する(ステップS145)。算出対象状態量特定部121が、冷却水温度測定値が有りと判定(ステップS145 YES)した場合は、
図5に示すステップ130の冷却管16aの汚れ度ζ等の算出を行う。
【0088】
算出対象状態量特定部121が、冷却水温度測定値が無いと判定(ステップS145 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値の有無を判定する(ステップS147)。
【0089】
算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が有りと判定(ステップS147 YES)した場合は、算出対象状態量特定部121は、カロリー法で冷却水出口温度を計算すると決定する(ステップS148)。
【0090】
算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が無いと判定(ステップS147 NO)した場合は、
図7に示すように、まず、算出対象状態量特定部121は、却水出口温度測定値の有無を判定する(ステップS157)。算出対象状態量特定部121が、却水出口温度測定値が有りと判定した(ステップS157 YES)場合は、カロリー法で冷却水入口温度を計算すると決定する(ステップS149)。
【0091】
ステップS157において、算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が無いと判定(ステップS157 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121は、冷却水温度推定情報の有無を判定する(ステップS158)。算出対象状態量特定部121が、冷却水温度推定情報が有りと判定した(ステップS158 YES)場合は、カロリー法で冷却水温度を計算すると決定する(ステップS159)。算出対象状態量特定部121が、冷却水温度推定情報が無いと判定した(ステップS158 NO)場合は、ガス入口・出口温度表示のみとする(ステップS156)。
【0092】
ステップS144で、算出対象状態量特定部121が、冷却水流量測定値が無いと判定(ステップS144 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121が、冷却水温度測定値の有無を判定する(ステップS150)。
【0093】
算出対象状態量特定部121が、冷却水温度測定値が有りと判定(ステップS150 YES)した場合は、算出対象状態量特定部121は、カロリー法で冷却水流量を計算すると決定する(ステップS151)。この後、ステップS130の汚れ度等の算出を行う。
【0094】
また、算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が無いと判定(ステップS150 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121は、冷却水入口温度測定値の有無を判定する(ステップS152)。
【0095】
算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が有りと判定(ステップS152 YES)した場合は、算出対象状態量特定部121は、冷却水流量を推定するための情報の有無を判定する(ステップS154)。ここで、冷却水流量を推定するための情報は、たとえば、冷却水温度調節弁(図示しない)の開度である。また、算出対象状態量特定部121が、冷却水入口温度測定値が無いと判定(ステップS152 NO)した場合は、算出対象状態量特定部121は、冷却水出口温度測定値の有無を判定する(ステップS153)。算出対象状態量特定部121が、冷却水出口温度測定値が有りと判定(ステップS153 YES)した場合は、同様に、算出対象状態量特定部121は、冷却水流量を推定するための情報値の有無を判定する(ステップS154)。
【0096】
算出対象状態量特定部121が、冷却水出口温度測定値が有りと判定(ステップS154 YES)した場合は、冷却水流量・温度計算を行う(ステップS155)。この後、ステップS130の汚れ度等の算出を行う。
【0097】
ステップS153において、算出対象状態量特定部121が、冷却水出口温度測定値が無いと判定(ステップS153 NO)した場合、
図8に示すように、算出対象状態量特定部121は、冷却水温度推定情報の有無を判定する(ステップS160)。ステップS160において、冷却水温度推定情報が有りと判定した(ステップS160 YES)場合は、算出対象状態量演算部123が、ガス入口またはガス出口温度の推定計算を行い(ステップS161)、次に、前述のステップS154の判定に移行する。また、ステップS160において、冷却水温度推定情報が無いと判定した(ステップS160 NO)場合は、ガス入口・出口温度表示のみとする(ステップS156)。
【0098】
ステップS154において、算出対象状態量特定部121が、冷却水流量測定値が無いと判定(ステップS154 NO)した場合には、ステップS130の汚れ度ζ等の算出に移行せずに、HMI160で、例えばガス入口温度・カス出口温度を表示するのみとする(ステップS156)。この場合、HMI160で、汚れ度ζの算出に必要な情報が不足している旨の警告を表示してもよい。
【0099】
以上のように、算出対象状態量特定部121による算出対象状態量の特定、算出方法の決定の結果に基づいて、算出対象状態量演算部123が算出対象の状態量を算出する。
たとえば、
図6のステップS141の判定で、プラント内制御装置5から取得できる運転データ中にファンヘッドHがないと判定された(ステップS141 NO)場合は、たとえば、次の式(5)を用いて、冷却用ガスの風量Qgを算出する。
Qg=P
LOSS/〔(C
Pg・ρg)(T
gin-T
gout)〕 ・・・(5)
ここで、P
LOSSはガスクーラ入熱量(W)、C
Pgはガス比熱(J/kg・K)、ρgはガス密度(kg/m
3)、T
ginはクーラ入口ガス温度(℃)、T
goutはクーラ出口ガス温度(℃)である。
【0100】
図9は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置による処理の流れを示すフロー図である。
【0101】
発電機クーラ性能監視装置による処理の流れは、大別して、発電機クーラ性能監視装置100による発電機の性能算出までのデータ処理のステップS10と、発電機クーラ性能監視装置100による発電機クーラ性能監視のための表示に関わるステップS20からなる。
【0102】
まず、発電機クーラ性能監視装置100による発電機の性能算出までのデータ処理の流れについて説明する。
【0103】
入力部110が、プラント内制御装置5を経由しての発電機10の各状態値および事前取得データを受け入れ、取得する(ステップS11)。
【0104】
次に、算出対象状態量の算出を行う(ステップS12)。すなわち、後述するステップS20のステップS25で得られた算出対象状態量の特定の結果に基づいて、前述の
図6に基づくフローに従って、算出対象状態量を算出する。
【0105】
次に、演算部120による冷却管汚れ度ζの算出までの演算を行う(ステップS100)。詳細は、
図3ないし
図5を引用しての前述の内容による。
【0106】
次に、
図9に示すように、記憶部140が、演算結果を収納、記憶する(ステップS13)。詳細には、冷却管汚れ度算出値記憶部144が、ステップS100で算出された汚れ度ζ、およびこれに至る各ステップで得られた各演算結果を収納、記憶する。
【0107】
次に、汚れ度ζ等の平均値を算出する(ステップS14)。具体的には、平均値等演算部122が、冷却管汚れ度算出値記憶部144に記憶された汚れ度ζ等の演算結果の所定の数N個の移動平均値を算出する。なお、所定の数Nについては、後述する初期条件等の受け入れステップS23で外部から受け入れる。
【0108】
次に、予測演算部126が、汚れ度ζの予測演算を行う(ステップS15)。すなわち、冷却管汚れ度算出値記憶部144に収納された汚れ度ζの情報に基づいて、将来の汚れ度ζおよび過去の所定期間における最大上昇率での汚れ度ζの将来値を算出する。
【0109】
次に、清掃推奨時期導出部127が、清掃推奨時期を導出し、所定期間tC以内か否かを判定する(ステップS17)。ここで、所定期間tCは、定期点検等における当該清掃の予算の確保、定期点検時の工程の調整、作業場所の調整、人員の確保の準備など、事前に行う必要がある事項を行うに必要な期間にもとづいて設定された期間である。なお、さらに余裕をとってもよい。所定期間tCは、HMI160が、初期条件等の一部として受け入れる。
【0110】
清掃推奨時期導出部127が、清掃推奨時期が所定期間tC以内と判定した(ステップS17 YES)場合は、その旨の情報を、冷却管汚れ度表示用データ生成部133に出力する。清掃推奨時期導出部127が、清掃推奨時期が所定期間tC以内と判定しなかった(ステップS17 NO)場合はステップS11に戻る。
【0111】
また、ステップS16の後に、ステップS17と並行して、あるいは、ステップS18と前後して、判定制御部150が、HMI160に検証結果の表示要求が入力されたか否かを判定する(ステップS18)。判定制御部150が、検証結果の表示要求が入力されていないと判定(ステップS18 NO)した場合は、ステップS11に戻る。
【0112】
判定制御部150が、検証結果の表示要求が入力されたと判定(ステップS18 YES)した場合は、検証演算部128が検証演算を行うとともに(ステップS19)、ステップS11に戻る。
【0113】
以上が、発電機クーラ性能監視装置100による発電機の性能算出までのデータ処理のステップS10の流れである。
【0114】
次に、発電機クーラ性能監視装置100による発電機クーラ性能監視のための表示に関わるステップS20の詳細について以下に説明する。
【0115】
まず、画像データ生成部130の初期操作画像データ生成部131が、HMI160に表示させる初期操作用の画像データを生成する(ステップS21)。具体的には、初期操作画像データ生成部131が、HMI160に表示させる表示条件設定用および状態量取得ケース特定用の初期操作画像データを生成する。これに基づいて、HMI160が、初期操作画像を表示する(ステップS22)。
【0116】
図10は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100のHMI160に表示させる初期操作画像135の例を示す画面図である。以下では、アイコンの表示の場合を例にとって説明するが、同様の動作を実行できれば、ハード的なボタン等であってもよい。
【0117】
初期操作画像135には、演算条件に係るもの、データセンタ機条件に係るもの、および表示条件に係るものが表示されている。
【0118】
初期操作画像135上の演算条件として、「平均値算出対象数」のアイコン135aが表示されている。「平均値算出対象数」のアイコンをクリックすると、プルダウンにより、「時間幅」か「回数」の選択肢が表示される。「回数」を選択すると平均処理数Nを直接入力可能である。「時間幅」を選択すると、たとえば10分等の入力が可能となる。平均値等演算部122は、時間間隔Δtから平均処理数Nを算出する。
【0119】
初期操作画像135上のデータ選択条件として、「電力値の範囲」のアイコン135b、「ガス温度の幅」のアイコン135cおよび「冷却水温度の幅」のアイコン135dが表示されている。
【0120】
「電力値の範囲」のアイコン135bを選択すると、MVA単位とMW単位で、(xx)~(yy)の入力窓が表示される。この(xx)および(yy)として、それぞれ最小値と最大値を入力して、電力の幅を指定することができる。すなわち、電力が低い場合は、汚れ度ζの導出の際の精度が悪くなるので、低出力領域を排除するという趣旨である。
【0121】
「ガス温度の幅」のアイコン135cを選択すると、℃単位で、「(xx)~(yy)」の入力窓が表示される。この(xx)および(yy)として、それぞれ最小値と最大値を入力して、ガス温度幅を指定することができる。また、「冷却水温度の幅」のアイコン135dを選択すると、℃単位で、(xx)~(yy)の入力窓が表示される。この(xx)および(yy)として、それぞれ最小値と最大値を入力して、冷却材温度幅を指定することができる。ガス温度および冷却水の幅が大きすぎる場合は、汚れ度ζの導出の際の精度が悪くなるので、触れ幅が大きなデータを排除するという趣旨である。
【0122】
初期操作画像135上の表示条件として、「表示対象の発電機クーラ」のアイコン135f、および「表示対象期間」のアイコン135gが表示されている。
【0123】
「表示対象の発電機クーラ」のアイコン135fを選択すると、プルダウンで、たとえば、A号機、B号機、C号機、D号機と選択対象の名称および選択欄が表示される。ここで、いずれか、あるいは、複数の表示対象を選択することができる。
【0124】
「表示対象期間」のアイコン135gを選択するとプルダウンで月単位、年単位の選択肢が表示される。いずれかを選択すると入力窓が表示される。例えば、5年を入力すると、後に引用する
図11に示すように、時間軸上で、現在を中心にして、過去の5年間の実績および今後の5年間の予測が表示される。
【0125】
「汚れ度閾値」のアイコン135hを選択すると、入力窓が表示され、汚れ度閾値の入力が可能となる。ここで、汚れ度閾値とは、演算部120が導出した汚れ度ζがこの閾値に到達するときは、発電機クーラ16を開放し冷却管16aの清掃が必要である旨を推奨する汚れ度ζのレベルである。
【0126】
「汚れ度閾値」のアイコン135hを選択すると、入力窓が表示され、汚れ度閾値ζthの入力が可能となる。ここで、汚れ度閾値ζthとは、演算部120が導出した汚れ度ζがこの汚れ度閾値ζthに到達するときは、発電機クーラ16を開放し冷却管16aの清掃が必要である旨を推奨する汚れ度ζのレベルである。なお、ここでは、汚れ度閾値ζthを外部入力とする場合を示したが、たとえば、清掃推奨時期導出部127あるいは記憶部140に固定値として収納されていてもよい。
【0127】
プラントの定期点検時に発電機を分解した場合、例えば、冷却水系統あるいは最終の放熱先など発電機クーラ16以外の設備の条件の変化により、汚れ度閾値ζthを変える必要が生ずることがある。この場合、発電機クーラ16の清掃時期をクーラ汚れ度の絶対値によって設定する方法、清掃後にある期間の汚れ度を基準値として、この基準値からの相対値(たとえば1.8倍など)によって設定する方法などを採用してもよい。
【0128】
「清掃推奨情報」のアイコン135jは、後述する最新実績画像133a(
図11)での表示に関するものである。「清掃推奨情報」のアイコン135jを選択すると、所定期間t
Cとしてたとえば運転サイクル数の入力窓が、たとえば「()運転サイクル」のように表示される。ここで、たとえば、4運転サイクルと入力した場合は、演算部120が導出した汚れ度ζが汚れ度閾値を超える時点の、4運転サイクル前の時点から、最新実績画像133aに清掃推奨時期が表示されることになる。
【0129】
なお、
図10に示した初期操作画像135は例示であって、実質的に同様の入力が可能であれば、他の形式の画像でもよい。また、初期操作画像135の中の項目のうち、他の画像内に設けると操作性が増すなどの場合は、他の画像内に移してもよいし、あるいは、両方に設けて、いずれでも入力可能としてもよい。
【0130】
また、表示条件以外は、発電機クーラ性能監視装置100の設計者用のみとする、さらには表示条件の一部も設計者用のみとするなど、発電機クーラ性能監視装置100の設計者用と発電機クーラ性能監視装置100を用いる監視員等のユーザとで、初期操作画像135を異なるものとしてもよい。このような場合は、
図10に示した初期操作画像135は、設計者用の初期操作画像として用いられるものとなる。
【0131】
次に、HMI160は、初期操作画像135に基づいて、操作、入力された初期条件等を受け入れる(ステップS23)。
【0132】
初期条件等が受け入れられた後に、算出対象状態量特定用画面データ生成部132が、HMI160に表示させる算出対象状態量を特定するための画面データを作成する。
【0133】
次に、算出対象状態量特定用画面データ生成部132が算出対象状態量特定用画面データを生成し(ステップS24)、HMI160が、これに基づいて算出対象状態量特定用画面132aを表示する(ステップS25)。次に、HMI160が、判定入力を受け入れて(ステップS26)、算出対象状態量特定部121が、
図6に示した流れに従って算出対象状態量を特定し、測定値に代わる推定値を算出する方法を決定する(ステップS27)。これに基づいて、算出対象状態量演算部123がその算出を実行する(ステップS12)という流れとなる。
【0134】
次に、
図9に示す流れにおいて、ステップS14の汚れ度ζ等の平均値算出およびステップS15の汚れ度ζの予測演算の結果に基づいて、冷却管汚れ度表示用データ生成部133が、HMI160に表示させる冷却管汚れ度表示用の画像データを生成する(ステップS28)。
【0135】
図11は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置のHMI160に表示させる最新実績画像133aの例を示す画面図である。ここで示す最新実績画像133aは、発電所の技術関係員、保守関係員あるいは運転員等の監視者のための表示画像の例である。
【0136】
最新実績画像133aは、冷却管汚れ度ζの時間変化のグラフ、発電機クーラの選択候補、およびグラフの時間軸の表示幅の選択候補の3つの要素を有する。
【0137】
第1の要素は、冷却管汚れ度ζの時間変化のグラフであり、最新実績画像133aの中央に配されている。グラフの横軸は時間、縦軸は冷却管汚れ度ζである。
【0138】
第2の要素は、表示対象とする発電機クーラ16の選択候補の表示であり、
図11の例ではグラフの下側に配されている。
図11の例では、A号機からD号機までの4基がある場合を示している。「CoolerA」から「CoolerD」の選択表示により、グラフに表示したい対象の発電機クーラ16を選択可能となっている、なお、選択したい発電機クーラ16の記号を入力する方式でもよい。
【0139】
第3の要素は、グラフの時間軸の表示幅の選択候補の表示であり、
図11の例では、グラフの上側に配されている。
図11の例では、「1month」、「6month」、「1year」、「5year」および「10year」の選択表示により、1ヶ月、6ヶ月、1年、5年および10年のいずれかを選択することができる。
【0140】
第1の要素のグラフは、横軸の中央が現在を示しており、中央より左側が過去の実績、中央より右側が今後の予測の表示期間となっている。たとえば、「10year」が選択されれば、10年前から現在までが左半分に、現在から10年後までが右半分に表示される、なお、「現在」の時点を横軸の中央に配することに限定はされず、横軸における「現在」の位置を任意に設定できることでもよい。
【0141】
図11では、発電機クーラ16のうちA号機とB号機が選択されている。それぞれの汚れ度ζの時間的な変化が、A号機は中抜きで丸いマーカとこれらを結ぶ実線で、B号機が中抜きで三角のマーカとこれらを結ぶ実線で表示されている。また、今後の予測の表示期間については、破線で表示されている。このように、表示する発電機クーラ16が複数の場合は、それぞれの冷却管汚れ度ζを
図11に示すようにマーカの種類で区別してもよいし、実線や破線等の線種で区別してもよい。あるいは、色で識別してもよい。
【0142】
グラフには、汚れ度閾値ζthを示す太い破線が表示されている。汚れ度閾値ζthを示す線は、太い破線に限定されず、色付きその他注意を喚起する形態で表示してよい。
【0143】
図11に示す例では、清掃を実施した実績が示されており、清掃後には、冷却管汚れ度ζが低い値に復帰するが、その値は、プラントの点検が終了して運転が開始され運転データ採取ができる時点で算出可能なので、清掃後のデータ表示開始時点は、清掃からその分の時間的な遅れがある。なお、清掃後は、汚れ度ζは清掃後の値となるため、清掃前の表示を消去してもよい。あるいは、汚れ度ζの上昇傾向を把握する参考として表示を残してもよい。
図11では、表示を残す場合の例を示している。
【0144】
先に説明したステップS17で、清掃推奨時期導出部127が、清掃推奨時期が所定期間tC以内と判定した(ステップS17 YES)場合は、その旨の情報を受けて、冷却管汚れ度表示用データ生成部133が、その旨の注意を喚起する情報を、HMI160に表示させる画像データを生成する(ステップS30)。HMI160は、この画像データに基づいて、表示する(ステップS31)。
【0145】
図11に示す例では、A号機は2029年の前に、B号機では2030年の前に、冷却管汚れ度ζが汚れ度閾値ζthに到達する予想の場合を例にとって示している。したがって、A号機は遅くとも2028年に、また、B号機は遅くとも2029年には、それぞれ、冷却管の清掃を行う必要がある。そのために、定期点検等における当該清掃の予算の確保、定期点検時の工程の調整、作業場所の調整、人員の確保の準備などを、事前に行う必要がある。このように、遅くとも清掃を実施すべき時点からこれらの準備期間分を前倒しした時点までに、注意を喚起するために、「清掃のための準備を開始する必要がある」旨の情報を画面に表示する。
【0146】
次に、
図9に示す流れにおいて、外部から検証結果表示要求があれば、HMI160がこれを外部入力として受け入れる(ステップS32)。
【0147】
判定制御部150は、常時、検証結果表示要求の有無を判定(ステップS18)しており、特に検証結果表示要求が無い(ステップS18 NO)場合は、ステップS11に戻るフローとなる。
【0148】
一方、ステップS32でHMI160が検証結果表示要求を外部入力として受け入れたときには、判定制御部150は、検証結果表示要求有り(ステップS18 YES)として、検証演算部128に検証演算を指令し、検証演算部128が検証演算を行う(ステップS19)。
【0149】
検証結果表示用データ生成部134は、検証演算部128による検証結果に基づいて、検証結果画像用データを作成し(ステップS33)、HMI160が検証結果画像を表示する(ステップS34)。以下に検証結果画像の2つの例を示す。
【0150】
図12は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100のHMI160に表示させる第1の検証結果画像134aの例を示す画面図である。
【0151】
第1の検証結果画像134aの横軸は時間であり、縦軸は冷却水流量〔L/min〕である。また、破線で示す曲線は、冷却水流量の予測値を示す。また、実線で示す曲線は、冷却水流量の測定値を示す。
図12に示す例では、冷却水流量の予測値は冷却水流量の測定値と良好な一致を示している。
【0152】
仮に冷却水流量の測定値が得られないプラントの場合に、演算部120で冷却水流量の値を推定する場合に、そのモデルが妥当であるか否かを確認、検証することは重要である。そのような場合に、例示しているプラントを用いて、
図12に示すような冷却水流量の予測値と測定値を比較して、モデルの妥当性を検証することができる。
【0153】
図13は、実施形態に係る発電機クーラ性能監視装置100のHMI160に表示させる第2の検証結果画像134bの例を示す画面図である。
【0154】
第2の検証結果画像134bの横軸は、冷却水温度調節弁開度〔%〕であり、縦軸は冷却水流量〔%〕である。実線で示す曲線は、冷却水温度調節弁(図示しない)の開度・Cv特性に基づいて算出した冷却水流量の算出値を示す。また、白抜きの丸印のマーカは、冷却水流量の予測値を示す。ここで、冷却水流量の予測値は、カロリー法により、すなわち系統の熱的バランスから算出した値である。
図13に示す例では、冷却水温度調節弁(図示しない)の開度・Cv特性に基づいて算出した冷却水流量は、カロリー法により算出した冷却水流量と良好な一致を示している。したがって、いずれかの方法の場合に必要な情報が不足する場合に、他の方法で算出しても適切な値が得られることになる。
【0155】
以上、
図12および
図13に例示した様に、検証演算部128により、指定した状態量について、検証結果を演算し、検証結果表示用データ生成部134が、表示用データを生成し、MHI160が表示することにより、検証結果を確認することができる。
【0156】
以上、説明した実施形態によれば、計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの発電機クーラの冷却管汚れ度および将来の冷却管汚れ度の予測を時系列で認識することができる発電機クーラ性能監視装置を提供することが可能となる。
【0157】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0158】
5…プラント内制御装置、10…発電機、11…回転子、11a…ロータシャフト、11b…回転子鉄心、11c…界磁巻線、12…ファン、13…コレクタ、13b…ブラシ、14…固定子、14a…固定子鉄心、14b…電機子巻線、15…軸受、16…発電機クーラ、16a…冷却管、16b…ケーシング、17…フレーム、100…発電機クーラ性能監視装置、110…入力部、120…演算部、121…算出対象状態量特性部、122…平均値等演算部、123…算出対象状態量演算部、124…損失・機内ガス状態量演算部、125…クーラ特性演算部、127…清掃推奨時期導出部、128…検証演算部、130…画像データ生成部、131…初期操作画像データ生成部、133…冷却管汚れ度表示用データ生成部、133a…最新実績画像、134…検証結果表示用データ生成部、134a…第1の検証結果画像、134b…第2の検証結果画像、135…初期操作画像、135a、135b、135c、135d、135f、135g、135h、135j…アイコン、140…記憶部、141…測定値記憶部、142…事前取得データ記憶部、143…状態量算出値記憶部、144…冷却管汚れ度算出値記憶部、145…表示用パラメータ記憶部、146…検証演算結果記憶部、150…判定制御部、160…ヒューマンマシンインタフェース(HMI)
【要約】
【課題】運転データに基づいて予測された過去から現在までの発電機クーラの冷却管汚れ度および将来の運転条件に基づいて予測された将来の冷却管汚れ度を時系列で認識可能とする。
【解決手段】実施形態によれば、発電機クーラ性能監視装置100は、発電機について計測された情報に基づいて算出された過去から現在までの発電機クーラの冷却管の汚れ度に関する過去汚れ度関連情報と、過去汚れ度関連情報に基づいて算出された将来における冷却管の将来汚れ度に関する情報を示す将来汚れ度関連情報とを、表示部に表示させる表示情報を生成する画像データ生成部130を備える。
【選択図】
図2