(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】小型時計ムーブメント用の調速装置
(51)【国際特許分類】
G04B 15/06 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
G04B15/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019185598
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルポ, ファビアノ
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-058247(JP,A)
【文献】国際公開第2017/109004(WO,A1)
【文献】特表2015-518965(JP,A)
【文献】特開2013-033037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 15/06,15/08
G04B 15/14
G04B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-第1軸(A1)周りに旋回される共振器(10)の慣性要素(11)であって、前記慣性要素は、前記第1軸に中心を取り直径Dを有する第1円筒内に内接され、前記共振器(10)は第1慣性Iを有する、慣性要素(11)と、
-ガンギ車(3)を含み、第2軸(A3)周りに旋回される脱進モバイル(30)であって、前記脱進モバイルは、前記第2軸に中心を取り直径D3を有する第2円筒内に内接され、第2慣性I3を有する、脱進モバイル(30)と、
・第1阻止レバー要素(2a)を含む第1阻止レバーモバイル(20a)であって、前記第1阻止レバーモバイルは、第3軸(A2a)周りに旋回され、前記第3軸に中心を取り直径D2aを有する第3円筒内に内接され、第3慣性I2aを有する、第1阻止レバーモバイル(20a)と、
・第2阻止レバー要素(2b)を含む第2阻止レバーモバイル(20b)であって、前記第2阻止レバーモバイルは、第4軸(A2b)周りに旋回され、前記第4軸に中心を取り直径D2bを有する第4円筒内に内接され、第4慣性I2bを有する、第2阻止レバーモバイル(20b)と、
-を含む阻止部材(2)と、
を含む、小型時計ムーブメント(300)用の調速装置(200)であって、
前記第1及び第2阻止レバーモバイルは、互い
に協働するように配置され、前記脱進モバイルの及び前記第1及び第2阻止レバーモバイルの軸(A3、A2a、A2b)は、前記第1軸(A1)に中心を取り、直径D’を有する円筒内に包含され、ここでD’<D、またはD’≦0.9×D、またはD’≦0.85×Dである、
調速装置(200)。
【請求項2】
前記調速装置は、
D2a<0.4×D、またはD2a≦0.35×D、またはD2a≦0.3×D、及びまたは
D2b<0.35×D、またはD2a≦0.3×D、またはD2a≦0.25×D、及びまたは
D3<0.4×D、またはD3≦0.35×D、またはD3≦0.3×D
である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記調速装置は、
D2b×I2b≦D2a×I2a
である、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記調速装置は、
D
5×f/l>20.10
-2m
3kg
-1s
-1であり、ここでfは前記共振器の周波数
である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記調速装置は、
D2b<D2a、及びまたは
D2b’<D3、及びまたは
D2a’<D3であり、
ここで
D2a’は、前記第1阻止レバーモバイル(20a)の阻止表面(22a)がその上に載置される円筒の直径であり、
D2b’は、前記第2阻止レバーモバイル(20b)の阻止表面(22b)がその上に載置される円筒の直径である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記調速装置は、
7mm≦D≦11mm
である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、
-前記慣性要素上に、それぞれ前記第1阻止レバーモバイル上に、円の伸開線の輪郭を有する円筒の部分を含む側面を有する歯(11a)またはピン(11a)と、
-前記第1阻止レバーモバイル上に、それぞれ前記慣性要素上に、円の伸開線の輪郭を有する円筒の部分を含む側面を有するフォーク(23a)と、
を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1阻止レバーモバイ
ルは、シリコン製である及びまたはその板上に切欠(24a)を含む、及びまたは前記第2阻止レバーモバイ
ルは、シリコン製である及びまたはその板上に切欠を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ガンギ車は、2本または3本または4本の歯を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記歯(11a)または前記ピン(11a)、前記第1及び第2阻止レバー要素及び前記ガンギ車は、同一高さにまたは同一平面(P)に配置される、
請求項
7、または、請求項7を引用する請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
てん輪及びひげぜんまいタイプの共振器を含み、前記慣性要素はてん輪である、
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ムーブメント(300)の時方輪列(50)と前記脱進モバイルとの間に配置された中間モバイル(40)を含み、前記中間モバイル(40)は
、脱進機のパルス段階中に前記阻止部材へ第1力を伝達し、前記脱進機の解放の段階中に前記阻止部材へ第2力を伝達するよう構成される歯車(4)を含み、前記第1力は前記第2力よりも大きい、
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を含む、小型時計モジュール(67)であって、前記第1及び第2阻止レバーモバイル及び前記脱進モバイルは、第1ムーブメントブランク(6
)と、第2ムーブメントブランク(7
)と
の間で旋回される、小型時計モジュール(67)。
【請求項14】
請求項13に記載の小型時計モジュール及びまたは請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を含む、小型時計ムーブメント(300)。
【請求項15】
請求項14に記載の小型時計ムーブメント(300)及びまたは請求項13に記載の小型時計モジュール(67)及びまたは請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を含む、時計(400
)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型時計ムーブメント用の調速装置に関する。本発明はまた、当該装置を含む小型時計モジュールに関する。本発明は更に、当該装置またはモジュールを含む小型時計ムーブメントに関する。本発明は最後に、当該装置またはモジュールまたはムーブメントを含む時計に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式ムーブメントの大多数は、てん輪及びひげぜんまいタイプの共振器と、共振器と協働するスイスレバー脱進機とを含む調速機を有する。てん輪とひげぜんまいが、ムーブメントの時間基準を構成する。他方で、脱進機は、2つの主たる機能、すなわち共振器の振動を維持することと振動を計測すること、を発揮する。
【0003】
これら部品は、主要な機能を保証するものであり、このためあらゆる不具合を回避するためにこれら部品を設計することが必要である。
【0004】
従来の調速装置の場合、高効率のてん輪とひげぜんまいが、振動を持するために必要なエネルギーを最小化する一方で、典型的にはムーブメントの水平位置では320程度の高い品質係数を提示するような、最大化された調速力を、発揮することが知られている。一方で、例えば非特許文献1及び非特許文献2で説明されるように、所定の慣性に対して、大きな直径且つ低質量のてん輪が、最高の効率を示すことが知られている。
【0005】
更に、共振器は、小型時計の、特に腕時計のムーブメント(例えば、20mmから35mmの間の直径を示すムーブメント)の寸法と互換性のある、容認可能な寸法でなければならない。てん輪とひげぜんまいタイプの共振器は、典型的には、7mmから12mmの間の直径のてん輪を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2013/182243号
【文献】国際公開第2017/109004号
【非特許文献】
【0007】
【文献】「Influence of balance wheel geometry on the chronometric efficiency of the watch」、Pierre Chopard著、Proceedings of the International Conference on Chronometry、1969年発行
【文献】「Construction horlogere(小型時計デザイン)」、PPUR、2011年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術から既知の装置を改善するための、小型時計ムーブメント用の調速装置を提供することである。特に、本発明は、信頼性、時計的正確性、及びエネルギー損失に関して、また小型化に関して、機能が最適化された調速装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様によれば、本発明にかかる調速装置は、請求項1で定義される。
【0010】
装置の異なる実施形態は、請求項2から12で定義される。
【0011】
本発明の第1態様によれば、本発明にかかる小型時計モジュールは、請求項13で定義される。
【0012】
本発明の第1態様によれば、本発明にかかる小型時計ムーブメントは、請求項14で定義される。
【0013】
本発明の第1態様によれば、本発明にかかる時計は、請求項15で定義される。
【0014】
本発明の第2態様によれば、装置は以下の定義で定義される。
【0015】
1.-第1軸(A1)周りに旋回される共振器(10)の慣性要素(11)であって、慣性要素は、第1軸に中心を取り直径Dを有する第1円筒内に内接され、共振器(10)は第1慣性Iを有する、慣性要素(11)と、
-ガンギ車(3)を含み、第2軸(A3)周りに旋回される脱進モバイル(30)であって、ガンギ車は、第2軸に中心を取り直径D3を有する第2円筒内に内接され、第2慣性I3を有する、脱進モバイル(30)と、
・第1阻止レバー要素(2a)を含む第1阻止レバーモバイル(20a)であって、第1阻止レバーモバイルは、第3軸(A2a)周りに旋回され、第3軸に中心を取り直径D2aを有する第3円筒内に内接され、第3慣性I2aを有する、第1阻止レバーモバイル(20a)と、
・第2阻止レバー要素(2b)を含む第2阻止レバーモバイル(20b)であって、第2阻止レバーモバイルは、第4軸(A2b)周りに旋回され、第4軸に中心を取り直径D2bを有する第4円筒内に内接され、第4慣性I2bを有する、第2阻止レバーモバイル(20b)と、
-を含む阻止部材2と、
を含む、小型時計ムーブメント(300)用の調速装置(200)であって、
第1及び第2阻止レバーモバイルは、互いに、特に伝達装置により協働するように配置され、調速装置は、
D2a×I2a<4.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦3.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦2.10-4×D×I、及びまたは
D2b×I2b<10-4×D×I、またはD2b×I2b≦9.10-5×D×I、またはD2b×I2b≦8.10-5×D×I、及びまたは
D3×I3<7.10-5×D×I、またはD3×I3≦6.10-5×D×I、または
D3×I3≦5.10-5×D×I
である、小型時計ムーブメント(300)用の調速装置(200)。
【0016】
2.脱進モバイルの及び第1及び第2阻止レバーモバイルの軸(A3、A2a、A2b)は、第1軸(A1)に中心を取り、直径D’を有する円筒内に包含され、ここでD’<D、またはD’≦0.9×D、またはD’≦0.85×Dである、定義1に記載の装置。
【0017】
3. 調速装置は、
D2a<0.4×D、またはD2a≦0.35×D、またはD2a≦0.3×D、及びまたは
D2b<0.35×D、またはD2a≦0.3×D、またはD2a≦0.25×D、及びまたは
D3<0.4×D、またはD3≦0.35×D、またはD3≦0.3×D
である、定義1または2に記載の装置。
【0018】
4.調速装置は、
D2b×I2b≦D2a×I2a
である、定義1から3のいずれか一つに記載の装置。
【0019】
5.調速装置は、
D5×f/l>20.10-2m3kg-1s-1であり、ここでfは共振器の周波数であり、周波数は好ましくは4Hz以上である、定義1から4のいずれか一つに記載の装置。
【0020】
6.調速装置は、
D2b<D2a、及びまたは
D2b’<D3、及びまたは
D2a’<D3、であり、
ここで、
D2a’は、第1阻止レバーモバイル(20a)の阻止表面(22a)がその上に載置される円筒の直径であり、
D2b’は、第2阻止レバーモバイル(20b)の阻止表面(22b)がその上に載置される円筒の直径である、定義1から5のいずれか一つに記載の装置。
【0021】
7.調速装置は、
7mm≦D≦11mm
である、定義1から6のいずれか一つに記載の装置。
【0022】
8.装置は、
慣性要素上に、それぞれ第1阻止レバーモバイル上に、円の伸開線の輪郭を有する円筒の部分を含む側面を有する歯(11a)またはピン(11a)と、
第1阻止レバーモバイル上に、それぞれ慣性要素上に、円の伸開線の輪郭を有する円筒の部分を含む側面を有するフォーク(23a)と、
を含む、定義1から7のいずれか一つに記載の装置。
【0023】
9.第1阻止レバーモバイル(20a)、特に第1阻止レバー要素(2a)は、シリコン製である、及びまたはその板上に切欠(24a)を含む、及びまたは第2阻止レバーモバイル(20b)、特に第2阻止レバー要素(2b)は、シリコン製である、及びまたはその板上に切欠を含む、定義1から8のいずれか一つに記載の装置。
【0024】
10.ガンギ車は、2本または3本または4本の歯を含む、及びまたはてん輪及びひげぜんまいタイプの共振器を含み、慣性要素はてん輪である、定義1から9のいずれか一つに記載の装置。
【0025】
11.歯(11a)またはピン(11a)、第1及び第2阻止レバー要素及びガンギ車は、同一高さにまたは同一平面(P)に配置される、定義1から10のいずれか一つに記載の装置。
【0026】
12.ムーブメント(300)の時方輪列(50)と脱進モバイルとの間に配置された中間モバイル(40)を含み、中間モバイル(40)は、脱進機のパルス段階中に阻止部材へ第1力を伝達し、脱進機の解放の段階中に阻止部材へ第2力を伝達するよう構成される歯車(4)を含み、第1力は第2力よりも大きい、定義1から11のいずれか一つに記載の装置。
【0027】
本発明の第2態様によれば、小型時計モジュールは、以下の定義で定義される。
【0028】
13.定義1から12のいずれか一つに記載の装置を含む、小型時計モジュール(67)であって、第1及び第2阻止レバーモバイル及び脱進モバイルは、第1ムーブメントブランク(6)、特に受(6)と、第2ムーブメントブランク(7)、特に受(7)との間で旋回される、小型時計モジュール(67)。
【0029】
本発明の第2態様によれば、小型時計ムーブメントは、以下の定義で定義される。
【0030】
14.定義13に記載の小型時計モジュール、及びまたは定義1から12のいずれか一つに記載の装置を含む、小型時計ムーブメント(300)。
【0031】
本発明の第2態様によれば、時計は、以下の定義で定義される。
【0032】
15.定義14に記載の小型時計ムーブメント(300)、及びまたは定義13に記載の小型時計モジュール(67)、及びまたは定義1から12のいずれか一つに記載の装置を含む、時計(400)、特に腕時計。
【0033】
技術的または論理的に不適合である場合を除き、第1及び第2態様の特徴の全ての組み合わせが予想される。
【0034】
添付の図面は、本発明にかかる時計の一実施形態を例示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2】
図2は、時計の実施形態にかかる調速装置の一部の詳細図である。
【
図3】
図3は、時計の実施形態にかかる調速装置の、
図2の面III-IIIにかかる、断面図である。
【
図4】
図4は、時計の実施形態に変形例の概略図である。
【
図5】
図5は、時計の調速装置の実施形態の、部分的な立体分解の斜視図である。
【
図6】
図6は、時計の調速装置の実施形態の、部分的な立体分解の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
時計400の実施形態を、
図1から6を参照して以下に説明する。時計は、例えば小型時計であり、特に腕時計である。時計は、小型時計ムーブメント300を含む。小型時計ムーブメントは、機械式ムーブメント、特に自動式ムーブメントであってもよい。
【0037】
ムーブメントは、小型時計モジュール67を含んでもよい。
【0038】
ムーブメント300または小型時計モジュール67は、調速装置200を含む。
【0039】
調速装置200は、共振器10と脱進機100とを含む。
【0040】
特に、調速装置200は、
- 第1軸A1周りに旋回される共振器10の慣性要素11であって、慣性要素は第1軸に中心を取り直径Dを有する第1円筒内に内接され、共振器10は第1慣性Iを有する、慣性要素11と、
- ガンギ車3を含み、第2軸A3周りに旋回される脱進モバイル30であって、脱進モバイルは、第2軸に中心を取り直径D3を有する第2円筒内に内接され、第2慣性I3を有する、脱進モバイル30と、
・ 第1阻止レバー要素2aを含む第1阻止レバーモバイル20aであって、第1阻止レバーモバイルは、第3軸A2a周りに旋回され、第3軸に中心を取り直径D2aを有する第3円筒内に内接され、第3慣性I2aを有する、第1阻止レバーモバイル20aと、
・ 第2阻止レバー要素2bを含む第2阻止レバーモバイル20bであって、第2阻止レバーモバイルは、第4軸A2b周りに旋回され、第4軸に中心を取り直径D2bを有する第4円筒内に内接され、第4慣性I2bを有する、第2阻止レバーモバイル20bと、
- を含む阻止部材2と、
を含み、第1及び第2阻止レバーモバイル、特に第1及び第2阻止レバー要素は、互いに、特に伝達装置により、協働するように配置され、調速装置は、
D2a×I2a<4.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦3.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦2.10-4×D×I、及びまたは、
D2b×I2b<10-4×D×I、またはD2b×I2b≦9.10-5×D×I、またはD2b×I2b≦8.10-5×D×I、及びまたは
D3×I3<7.10-5×D×I、またはD3×I3≦6.10-5×D×I、またはD3×I3≦5.10-5×D×I、
及びまたは
脱進モバイルの及び第1及び第2阻止レバーモバイルの軸(A3、A2a、A2b)は、第1軸(A1)に中心を取り、直径D’を有する円筒内に包含され、ここでD’<D、またはD’≦0.9×D、またはD’≦0.85×D、
である。
【0041】
有利には、第1阻止レバーモバイル20a、具体的には第1阻止レバー要素2aは、第1歯列21aを含み、第2阻止レバーモバイル20b、具体的には第2阻止レバー要素2bは、第2歯列21bを含む。これら2つの歯列は、協働して第1及び第2阻止レバーモバイルのメッシュ噛み合いを達成するために、配置される。
【0042】
脱進モバイル30は、典型的には、真31と、ガンギ車3と、ガンギカナ32とを含んでもよい。この場合、ガンギ車3及びまたはガンギカナ32は、真31に取付けられてもよく真31と一体成形されてもよい。
【0043】
第1阻止レバーモバイル20aは、典型的には、第1阻止レバー要素2aが取付けられる真21aを含んでもよい。ダーツも当該モバイルの一部であってもよい。
【0044】
第2阻止レバーモバイル20bは、典型的には、第2阻止レバー要素2bが取付けられる真21bを含んでもよい。
【0045】
第1阻止レバーモバイル、具体的には第1阻止レバー要素は、てんぷモバイルと、特にてんぷモバイル上に実装された歯11aまたはピン11aと協働するように配置されたフォーク23aを含む。代替的に、歯またはピンは、第1阻止レバーモバイル上に、具体的には第1阻止レバー要素上に実装されてもよく、フォークはてん輪上に実装されてもよい。このため、てん輪とひげぜんまいのパルスは、第1阻止レバーモバイルとてん輪との関与または協働により、具体的にはフォーク23aとピン11aとの接触による協働により、実施される。
【0046】
特許権者が実施した研究によれば、ガンギ車の歯の数は、脱進装置100の適切な機能に適切な保証を請け負うように、最小化することができることが明らかになった。このため、ガンギ車3の歯3aの数は、好ましくは2から4の間である。ガンギ車3の歯3aの数は、好ましくは3に等しい。
【0047】
更に、ガンギ車3の直径D3の最小値は、幾何学的に決定されてもよい。ガンギ車の歯は、ここでは、ガンギ車のトルクを伝達する第1機能と、ガンギ車を阻止する第2機能とを保証するために設けられる。ガンギ車によるトルクの伝達の第1機能は、脱進装置のパルス段階中に、すなわちガンギ車3が阻止部材2へ、てん輪11のピン11aと協働する第1阻止レバーモバイル20aのフォーク23aを用いて、共振器10を振動させ振動を維持するように、トルクを伝達するときに、発生する。パルス段階中、ガンギ車3の歯3aの先端が、阻止レバーモバイル20a、20bの、具体的には第1及び第2阻止レバー要素の、それぞれのパルス表面23a、23bの、一方または他方と協働する。ガンギ車の阻止の第2機能は、脱進装置の静止位置中に発生する。当該位置において、ガンギ車の歯3aの遠位端は、阻止部材2のモバイル20a、20bの阻止表面22a、22bと当接する。好ましくは、阻止部材の当該阻止表面は、ガンギ車の衝撃または反発の場合に保証するように、凹型である。更に好ましくは、阻止部材2の当該阻止表面22a、22bは、120°から170°の間からなる角度γに対する2つの側面で形成される。
【0048】
ガンギ車と第1及び第2阻止レバーモバイルは、ガンギ車が、具体的にはその歯が、第1及び第2阻止レバーモバイルと協働するように配置される。具体的には、ガンギ車と第1及び第2阻止レバーモバイルは、ガンギ車の歯が、第1及び第2阻止レバーモバイルの、具体的には第1及び第2阻止レバー要素の特定の表面22a、22b、23a、23bとの接触により作用するように配置される。
【0049】
静止時には、ガンギ車3の歯3aの先端は、阻止レバーモバイル20a、20bの、具体的には第1及び第2阻止レバー要素の、それぞれの阻止表面22a、22bの一方または他方と協働する。パルス中は、ガンギ車3の歯3aの先端は、阻止レバーモバイル20a、20bの、具体的には第1及び第2阻止レバー要素の、それぞれのパルス表面23a、23bの一方または他方と協働する。
【0050】
当該脱進装置の動作原理は、特許文献1に開示される。当該文献が示すように、フォーク23aの角度コースを制限する戻り止めピンなくして、脱進装置100の静止段階における脱進装置の第1及び第2阻止レバーモバイルとガンギ車の位置決めの正確性を最適化するように、表面22a、22bは好ましくは凹型表面である。
【0051】
この理由から、戻り止めピンは不必要である。更に、当該脱進装置は、完璧に対称的な機能を示し、突入の調整や戻り止めピンの位置決めに左右されない。
【0052】
このため、脱進装置の効率を最適化するように、ピン11aとフォーク23aの形状を最適化することで、このような利点から恩恵を受けることがまだ可能である。このためには、ピンとフォークの側面は、それぞれ、ディレクタが円の伸開線である、円筒の部分を含んでもよい。このような構造は、てん輪のリフト角の等時性効率への影響を最小化することにより、非常に効果的な効率のレベルを達成する。
【0053】
このように、脱進装置の効率のレベルが高いことで、てん輪のリフト角度の増加を可能にできる。また、てん輪とひげぜんまいの軸A1と、第1阻止レバーモバイル2aの軸A2aとの間の隙間を減少させることが可能になり、このため第1阻止レバーモバイル2aの全直径D2aを減少させることが可能になる。
【0054】
更に、その動作精度を考慮したダーツなしの第1阻止レバーモバイル20aも同様に可能である。第1阻止レバーモバイル20aの慣性I2aを減少させることも同様に可能である。慣性は、第1モバイルまたは第1阻止レバー要素を製造するために、具体的には例えばシリコンなど、低密度の素材を賢明に選択することにより、また第1阻止レバー要素2aの板に実施された1または複数の切欠き24aにより、最小化することができる。
【0055】
同様に、第2阻止レバーモバイル20bの全直径D2bと慣性I2bを最小化することも可能である。有利には、全直径D2bは、直径D2b’の高さに実質的に配置された阻止表面22bを有する歯列21bの頭部直径D2b’と実質的に等しくてもよい。加えて、第2阻止レバーモバイル20bの慣性I2bは、第2モバイルまたは第2阻止レバー要素を製造するために、具体的には例えばシリコンなど、低密度の素材を賢明に選択することにより、また図示しない第2阻止レバー要素2bの平面に実施された1または複数の切欠きにより、最小化することができる。
【0056】
好ましくは、第1及び第2モバイル20a、20bの歯列21a、21bのピッチ円直径D2a*, D2b*は、これら2つのモバイル間の慣性の差を最小限にするために、等しい。
【0057】
阻止レバーモバイルの定義に基づき、全直径D3と慣性I3が最小化された、脱進機3用の脱進モバイル30を設計することができる。
【0058】
好ましくは、脱進モバイルと第1及び第2阻止レバーモバイルの軸A3、A2a、A2bは、第1軸A1に中心を取り、直径D’を有する円筒内に包含され、ここでD’< D、またはD’≦0.9×D、またはD’≦0.85×Dである。
【0059】
更に好ましくは、調速装置は、
D2a<0.4×D、またはD2a≦0.35×D、またはD2a≦0.3×D、及びまたは
D2b<0.35×D、またはD2a≦0.3×D、またはD2a≦0.25×D、及びまたは
D3<0.4×D、またはD3≦0.35×D、またはD3≦0.3×D
である。
【0060】
好ましくは、調速装置は、
D2b×I2b≦D2a×I2a
である。
【0061】
より具体的には、調速装置は、
D2b<D2a
である。
【0062】
好ましくは、調速装置は、
D5×f/l>20.10-2m3kg-1s-1であり、ここでfは共振器の周波数であり、周波数は好ましくは4Hz以上である。
【0063】
特許権者の行った研究により、ガンギ車の挙動の最適化は、脱進モバイル30と第1及び第2阻止レバーモバイル20a、20bの間の歯車列を増大させることが明らかになった。この結果、歯3aの遠位端と協働するために設けられた阻止表面22a、22bが、それぞれの軸A2a、A2bに関して有利には実質的に直径D2a’、D2b’の高さで配置可能と仮定すると、好ましくは以下の条件が観察される。
D2b’<D3、及びまたは
D2a’<D3、
ここで、
D2a’は、軸A2aに対する、第1阻止レバーモバイル20aの阻止表面22aがその上に載置される円筒の直径であり、
D2b’は、軸A2bに対する、第2阻止レバーモバイル20bの阻止表面22bがその上に載置される円筒の直径である。
【0064】
調速装置は、好ましくは、7mm≦D≦11mmである。
このような条件は、(てん輪の軸から見て)てん輪とひげぜんまいの下に第1及び第2阻止レバーモバイルと脱進モバイル30を収容することにより、第1及び第2阻止レバーモバイルと脱進モバイル30の平面で占有する空間を最小化するという追加の利点を有する。当該条件は、全直径D*が18mmから35mmの間であるムーブメントにとって有利であり、特に全直径D*が18mmから22mmの間である「レディース」サイズのムーブメントにとって有利である。
【0065】
歯11aまたはピン11a、第1及び第2阻止レバー要素2a、2b及びガンギ車3は、
図3に示すように、好ましくは、同じ高さにまたは同一平面Pに配置される。このため、要素11a、2a、2b、3は、同一の平面P内で協働してもよい、すなわち軸A1、A2a、A2b、A3に垂直または実質的に垂直で、かつ
- ピンとフォーク、
- 第1阻止レバーモバイル、具体的には第1阻止レバー要素と、第2阻止レバーモバイル、具体的には第2阻止レバー要素、
- 第1阻止レバーモバイル、具体的には第1阻止レバー要素と、ガンギ車、
- 第2阻止レバーモバイル、具体的には第2阻止レバー要素と、ガンギ車、
との間の接触区域を通過する平面Pが存在する。
【0066】
このような構成は、平面状でありそのため製造が簡便化された部品パーツ11a、2a、2b、2cを実装しつつ、調速装置の厚みを最小化するために、特に脱進装置の厚みを最小化するために、用いられる。
【0067】
このため、このような構成はムーブメントの平面内の空間を開放するために用いられる。このような構成は、特に、
図4に示すような、ムーブメント300の時方輪列50と、特に駆動部品5と、脱進装置100との間の接点を構成する、中間モバイル40を旋回させるように、空間を開放するために用いられる。当該中間モバイル40は、有利には、歯車4を含み、当該歯車4は、脱進装置のパルス段階中に第1力を伝達し、脱進装置の解放の段階中に第2力を伝達するように構成されてもよく、ここで第1力は、阻止部材2の第2力よりも十分に大きい。モバイル40の回転軸A4は、直径D’を有する円筒C内に包含されてもされなくてもよい。
【0068】
有利には、モジュール67は、第1ムーブメントブランク6、特に受6と、第2ムーブメントブランク7、特に受7を、含む。更に有利には、第1及び第2阻止レバーモバイルと脱進モバイルとは、第1ムーブメントブランク6と第2ムーブメントブランク7の間で旋回される。例えば、第2ムーブメントブランク7は、平面状である。第1及び第2ムーブメントブランクは、もちろん、軸受、特に軸受石といった、旋回手段を含んでもよい。
【0069】
このため、
図4に示す実施形態では、3つのモバイル20a、20b、及び30は、2つのムーブメントブランク6、7を用いて旋回され、モバイル40は、ムーブメントの時方輪列を少なくとも部分的に旋回させる輪列受8を用いて旋回される。
【0070】
第1及び第2ムーブメントブランク6、7と、少なくともモバイル20a、20b、30は、好ましくは、
図5及び6に示すように、ムーブメント300の板9へ付着可能なモジュール67を構成する。このため、少なくともモバイル20a、20b、30は、ムーブメントの他のパーツとは独立して組付けられることができる。このような解決策は、モバイル20a、20b、30が、異なるムーブメントを備えるよう設計された脱進装置を、少なくとも部分的に実施することを意図する場合に特に有利である。このようにモジュール67は、ムーブメントの部品パーツの最終組み立てに先だって、組み立てられ、検査され、潤滑油を注されることができる。当該解決策は、要素2a、2b、3が、シリコンなど脆弱な材料製であるときに特に有利である。
図4は、モバイル20a、20b、30を統一するこのようなモジュールを示し、モバイル40は、
図4で模式的に示される8の歯車列受により旋回される。
【0071】
代替的に、小型時計ムーブメント300は、その上で第1及び第2阻止レバーモバイル及び脱進モバイルが直接旋回される、板を含む。特に、これら異なるモバイルは、板と受との間で旋回されてもよい。
【0072】
様々な変形実施形態において、共振器は、てん輪とひげぜんまいタイプであってもよい、すなわちてん輪11及びひげぜんまい12を含んでもよい。慣性要素がてん輪である場合、直径Dは、てん輪外縁の外周の直径であってもよい。当該外縁が、例えば、調節手段といった突起を示す場合は、関連する直径Dは、同一の共振器慣性Iと、同一の外縁断面を有するが、外縁に突起を含まない仮想てん輪であって、同一の空力摩擦値を発生する仮想てん輪を検討することで得られる、同等の外径となる。
【0073】
様々な変形実施形態において、共振器は、代替的に、共振器の旋回装置の役割を果たすことができる柔軟なブレードにより振動が維持される慣性要素を含む一枚岩構造を含んでもよい。この場合、直径Dは、慣性要素の外径に関連する。慣性要素が、例えば調節方法など、その外周の高さで突起を示す場合、関連する直径Dは、同一の共振器慣性Iと(相似により得られる)基準慣性要素と同等な慣性要素の形状を有するが、外縁に突起を含まない仮想慣性要素であって、同一の空力摩擦値を発生する仮想慣性要素を検討することで得られる、同等の外径となる。
【0074】
様々な変形実施形態において、脱進機は、間接パルス脱進機、特に二重間接パルス脱進機であってもよい、及びまたは接線方向に駆動されてもよい。
【0075】
有利な変形例において、脱進装置、または調速装置は、モジュール67上に設けられてもよく、モジュール67は、ムーブメントを構成するためにムーブメントに直接取り付けられてもよく、フレームワークに取付けられてもよい。
【0076】
本発明の第2態様によれば、調速装置の実施形態は、
- 第1軸A1周りで旋回する共振器10の慣性要素11であって、慣性要素は第1軸に中心を取り直径Dを有する第1円筒内に内接され、共振器10は第1慣性Iを有する、慣性要素11と、
- ガンギ車3を含み、第2軸A3周りに旋回する脱進モバイル30であって、脱進モバイルは、第2軸に中心を取り直径D3を有する第2円筒内に内接され、第2慣性I3を有する、脱進モバイル30と、
・ 第1阻止レバー要素2aを含む第1阻止レバーモバイル20aであって、第1阻止レバーモバイルは、第3軸A2a周りに旋回され、第3軸に中心を取り直径D2aを有する第3円筒内に内接され、第3慣性I2aを有する、第1阻止レバーモバイル20aと、
・ 第2阻止レバー要素2bを含む第2阻止レバーモバイル20bであって、第2阻止レバーモバイルは、第4軸A2b周りに旋回され、第4軸に中心を取り直径D2bを有する第4円筒内に内接され、第4慣性I2bを有する、第2阻止レバーモバイル20bと、
- を含む阻止部材2と、
を含み、
第1及び第2阻止レバーモバイル、特に第1及び第2阻止レバー要素は、互いに、特に伝達装置により、協働するように配置され、調速装置は、
D2a×I2a<4.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦3.10-4×D×I、またはD2a×I2a≦2.10-4×D×I、及びまたは
D2b×I2b<10-4×D×I、またはD2b×I2b≦9.10-5×D×I、またはD2b×I2b≦8.10-5×D×I、及びまたは
D3×I3<7.10-5×D×I、またはD3×I3≦6.10-5×D×I、または
D3×I3≦5.10-5×D×I
である。
【0077】
前述した解決策は、共振器の等時性にあたえる影響を最小限にする一方で、高いレベルの効率を示す、効率的な脱進装置を実装するため、有利である。脱進装置は、あらゆる使用条件の元で、特に衝撃の場合に、信頼性のある、故障のない機能の達成を可能にする。こうした目的に対応するため、接線方向に駆動される脱進装置は、少ないエネルギーしか必要とせず、歯車タイプの伝達の結果ガンギ車と阻止部材間の摩擦が最小化されるため、有利である。特許文献2で開示するように、当該脱進装置の解放に必要な力の強さは、同一の脱進装置をパルス運動させるために必要な力の強さよりも著しく小さく、その利点は、共振器の等時性に与える影響を著しく最小限にすることである。更に、当該脱進装置は、2つの阻止レバーモバイルに対して、第1モバイルへ一方向に角度的衝撃が作用する場合、後者は第2モバイルによりその変位が制限されるように、互いに運動学的に結合された2つの阻止レバーモバイルを含む、阻止部材を含む。この構造により、当該脱進装置は、全ての動作状況下で、特に衝撃の場合に、信頼性のある、故障のない機能を示す。このため、効率的なてん輪とひげぜんまいの効率を最適化するために、また等時性に与える影響を最小化するために、当該脱進装置に関する要素の慣性を最小化することも可能である。
【0078】
本明細書中で、「共振器の慣性」の表現は、共振器の可動要素の組立体の慣性を意味する、または共振器の可動要素の慣性の合計を意味する。てん輪及びひげぜんまいタイプの共振器の場合、可動要素の組立体は、特に、てん輪11、ひげぜんまい12、及び例えば天真といったモバイル旋回手段を含む。
【0079】
もちろん、本明細書中で、「要素の慣性」の表現は、要素の動作中の回転軸周りの慣性を意味する。第1慣性Iは、慣性要素11の第1軸周りの慣性である。第2慣性I3は、脱進モバイル30の第2軸A3周りの慣性である。第3慣性I2は、第1阻止レバーモバイル20aの第3軸A2a周りの慣性である。第4慣性I2bは、第2阻止レバーモバイル20bの第4軸A2b周りの慣性である。
【0080】
本明細書中、「モバイル」は、特に、軸周りに旋回される組立体を意味する。組立体は、一体構造でもよく、互いに付着されるまたははめ込み接続の複数のパーツで構成されてもよい。
【0081】
もちろん、本明細書中で、「軸に中心を取り直径Dを有する円筒内に内接される要素」の表現は、要素が円筒内に含まれるように、直径Dが軸に中心を取る最小の直径であることを意味する。
【符号の説明】
【0082】
2 阻止部材
2a 第1阻止レバー要素
2b 第2阻止レバー要素
3 ガンギ車
10 共振器
11 慣性要素
20a 第1阻止レバーモバイル
20b 第2阻止レバーモバイル
30 脱進モバイル
200 調速装置
300 小型時計ムーブメント