(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240509BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20240509BHJP
B66B 3/00 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G09F19/00 Z
B66B3/00 G
(21)【出願番号】P 2019227669
(22)【出願日】2019-12-17
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】木村 和嵩
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-504193(JP,A)
【文献】特開2008-174319(JP,A)
【文献】特開2019-191780(JP,A)
【文献】特開2016-150809(JP,A)
【文献】特開平11-146391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09F 19/00
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信することと、が前記サーバによって実行される。
【請求項2】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、前記第1広告情報と、広告に関する情報である第2広告情報とを前記第2端末に送信することと、が前記サーバによって実行される。
【請求項3】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、(i)広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信し、(ii)前記第1広告情報と前記第2広告情報とを前記第2端末に送信することと、が前記サーバによって実行される。
【請求項4】
請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1端末から送信された、前記第1広告情報に関する商品、またはサービスが前記第1端末のユーザによって購入されたことを示す購入情報を前記通信部によって
受信することと、
前記購入情報に基づいて、前記商品、または前記サービスの購入に基づく特典情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することとが前記サーバによって実行される。
【請求項5】
請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1端末のユーザが購入した商品、またはサービスに基づく第3広告情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することが前記サーバによって実行される。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1情報に基づく前記第1広告情報が前記サーバに記憶されていない場合、前記第1広告情報とは異なる第4広告情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することが前記サーバによって実行される。
【請求項7】
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
第5広告情報を前記通信部によって前記
第1端末に送信することと、
前記第1端末に表示された前記第5広告に対する前記第1端末のユーザの入力に基づいて
前記第1端末から送信された、前記第5広告に基づく、前記第1端末のユーザが前記エレベータから降りる階に関する第3情報を
、前記通信部によって
受信することとが前記サーバによって実行される。
【請求項8】
請求項
7に記載のプログラムであって、
前記第5広告に対する前記第1端末のユーザの入力に基づいて、前記第5広告に関するクーポンの情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することが前記サーバによって実行される。
【請求項9】
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記エレベータが下降する場合、前記エレベータを設置する店舗によって選択された、前記第1広告情報とは異なる第6広告情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することが前記サーバによって実行される。
【請求項10】
請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1情報に基づき、前記第1端末のユーザが前記エレベータから降りる階に止まる予定の前記エレベータの場所に関する場所情報を前記通信部によって
前記第1端末に送信することが前記サーバによって実行される。
【請求項11】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバの情報処理方法であって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信することと、を含む。
【請求項12】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバの情報処理方法であって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、前記第1広告情報と、広告に関する情報である第2広告情報とを前記第2端末に送信することと、を含む。
【請求項13】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバの情報処理方法であって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から前記サーバの通信部によって受信することと、
前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記通信部によって前記第1端末に送信することと、
前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から前記通信部によって受信することと、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定することと、
前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、(i)広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信し、(ii)前記第1広告情報と前記第2広告情報とを前記第2端末に送信することと、を含む。
【請求項14】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から受信し、前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記第1端末に送信し、前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から受信する通信部と、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定する制御部と、を備え、
前記通信部は、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信する。
【請求項15】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から受信し、前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記第1端末に送信し、前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から受信する通信部と、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定する制御部と、を備え、
前記通信部は、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、前記第1広告情報と、広告に関する情報である第2広告情報とを前記第2端末に送信する。
【請求項16】
第1端末及び第2端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバであって、
前記第1端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を前記第1端末から受信し、前記第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を前記第1端末に送信し、前記第2端末のユーザが搭乗したエレベータの識別情報を含む、前記第2端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第2情報を前記第2端末から受信する通信部と、
前記第1情報と、前記第2情報とに基づいて、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことを特定する制御部と、を備え、
前記通信部は、前記第1端末のユーザが搭乗しているエレベータに、前記第2端末のユーザが搭乗したことに基づいて、(i)広告に関する情報である第2広告情報を前記第1端末に送信し、(ii)前記第1広告情報と前記第2広告情報とを前記第2端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末に実行されるプログラム、端末の表示方法、端末、サーバに実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータは、エレベータに設けられたハードキーにより行先の階を指定する。特許文献1には、ユーザの端末からエレベータの行先の階を指定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によると、広告に関する情報を記憶するサーバと通信する端末に実行されるプログラムであって、第1端末から送信された、第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を端末の通信部によってサーバから受信することと、第1広告情報に基づく広告である第1広告を端末の表示領域に表示することとが端末に実行される。
また、本発明の第二の態様によると、広告に関する情報を記憶するサーバと通信する端末の情報処理方法であって、第1端末から送信された、第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を端末の通信部によってサーバから受信することと、第1広告情報に基づく広告である第1広告を端末の表示領域に表示することとを含む。
また、本発明の第三の態様によると、広告に関する情報を記憶するサーバと通信する端末であって、第1端末から送信された、第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報をサーバから受信する通信部と、第1広告情報に基づく広告である第1広告を表示する表示部とを含む。
また、本発明の第四の態様によると、広告に関する情報を記憶するサーバと通信する端末であって、メモリからプログラムを読み出し、プログラムに基づいて処理を実行するプロセッサーを含み、プロセッサーは、第1端末から送信された、第1端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を端末の通信部によってサーバから受信することと、第1広告情報に基づく広告である第1広告を端末の表示領域に表示することとを実行する。
また、本発明の第五の態様によると、端末と通信し、広告に関する情報を記憶するサーバの情報処理方法であって、端末のユーザがエレベータから降りる階に関する第1情報を端末からサーバの通信部によって受信することと、情報に基づき、広告に関する情報である第1広告情報を通信部によって端末にから送信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】通信システムの構成例を示し、端末及びサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る通信システムの概要を説明する概要図であって、(a)は、端末を用いてエレベータが停止する階数を指定する様子を示す図であり、(b)は、端末に広告を表示する様子を示す図である。
【
図3】広告管理情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【
図4】エレベータ管理情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【
図5】通信システムにおける各装置のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図5に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】
図5に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】
図5に関連するエレベータ制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】通信システムにおける各装置のやり取りの他の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】通信システムにおける各装置のやり取りの他の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】サーバの他の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】広告特典情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【
図13】通信システムにおける各装置の、ユーザに特典情報を送信するやり取りを示すシーケンス図である。
【
図14】
図13に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図15】端末における特典情報の表示例を示す画面図である。
【
図16】
図13に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図17】レジスタを介してサーバに商品の購入情報を送信する場合の各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図18】端末とサーバ間で更なる広告情報のやり取りを行う例を示したシーケンス図である。
【
図19】(a)は、最初の広告を表示した表示例を示す画面図であり、(b)は、次の広告を表示した表示例を示す画面図である。
【
図20】エレベータ外から階数を指定する場合の各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図21】
図20に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図22】
図20に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図23】(a)、(b)は、ユーザが搭乗するエレベータを指示する表示例を示す画面図である。
【
図24】ユーザが搭乗するエレベータを誤認した場合の各装置のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図25】
図24に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図26】端末で表示された広告に対する入力があった場合に装置間でなされるやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図27】
図26に関連する端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図28】
図26に関連するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図29】(a)~(c)は、ユーザが端末に表示された広告情報に対する入力を行った際の表示例を示す画面図である。
【
図30】エレベータの移動方向に応じた広告を特定するサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図31】ユーザが指定した階よりも前に降りた場合のサーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
【0007】
本開示に係る端末による送信または受信に係る状況を確認できる表示方法等を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
<システム構成>
【0009】
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す。
図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C)とが接続される。サーバ10は、ネットワーク30を介してユーザが所有する端末20に、端末20間でのメッセージの送受信を実現するサービスを提供する。なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。
【0010】
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上のサーバ10とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、端末20がサーバ10に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0011】
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク30は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0012】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されてもよい。
【0013】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、端末20について説明する。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0014】
サーバ10は、端末20に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、限定でなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。サーバ10と端末20とを区別する必要がない場合は、サーバ10と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0015】
<ハードウェア(HW)構成>
【0016】
図1を用いて、通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0017】
(1)端末のHW構成
【0018】
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F22(インタフェース)、入出力部23、表示部24、位置情報取得部25を備える。端末20のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、端末20のHW構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、端末20は、マイク232、カメラ234、位置情報取得部25等、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0019】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。また、通信I/F22を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F22が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0020】
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0021】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定でなく例として、タッチパネル231、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ234(動画像を介した操作入力)、マイク232(音声による操作入力)を含む。
【0022】
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定でなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ233(音声出力)、レンズ(限定でなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
【0023】
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0024】
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0025】
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0026】
制御部21は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
【0027】
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定でなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。また、記憶部28は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0028】
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0029】
マイク232は、音声データの入力に利用される。スピーカ233は、音声データの出力に利用される。カメラ234は、動画像データの取得に利用される。
【0030】
(2)サーバのHW構成
【0031】
サーバ10は、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、表示部13を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、サーバ10のHWは、サーバ10のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、サーバ10のHWは、表示部13を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0032】
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0033】
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
【0034】
記憶部15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。また、記憶部15は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0035】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20に送信する。また、通信I/F14は、端末20から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。また、通信I/F14を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F14が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0036】
入出力部12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部12は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力部12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力部12、限定でなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入出力部12は、これらに限定されない。
【0037】
表示部13は、代表的にはモニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、表示部13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお、これらの表示部13は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、表示部13は、これらに限定されない。
【0038】
サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0039】
本開示の各実施形態においては、端末20および/または、サーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
【0040】
なお、端末20の制御部21、および/または、サーバ10の制御部11は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0041】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(限定ではなく、例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムPを記憶可能である。また、プログラムPは、本開示の各実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の各実施形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムPとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0042】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、またはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0043】
サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
【0044】
また、本開示のプログラムPDDは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよいし、されなくてもよい。サーバ10および/または端末20は、限定でなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0045】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0046】
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0047】
端末20における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0048】
サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
【0049】
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0050】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0051】
<エレベータ制御装置40のHW構成>
エレベータ制御装置40は、通信I/F411と、エレベータ制御部412と、エレベータ駆動部413と、ビーコン発信部414と、を備える。エレベータ制御装置40は、1つの建築物に対して1つ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。また、エレベータ制御装置40は、1つのエレベータに対してその1つのエレベータを制御するために設けられてもよいし、複数のエレベータに対して複数のエレベータ各々を制御するために設けられてもよい。また、エレベータ制御装置40は、複数の建築物のエレベータを制御するものであってもよい。
【0052】
通信I/F411は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F411は、ネットワーク30を介して、サーバ10との通信を実行する機能を有する。通信I/F411は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10に送信する。また、通信I/F411は、サーバ10から送信された各種データを受信し、エレベータ制御部412に伝達する。また、通信I/F411を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F411が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0053】
エレベータ制御部412は、通信I/F411を介してサーバ10から指定された階数をエレベータ駆動部413に指示する。また、図示していないが、エレベータ制御部412は、エレベータに設けられている階数を指定する入力キー(ハードキーであってもよいし、ソフトキーであってもよい)に対するユーザの入力を受けて、指定された階数をエレベータ駆動部413に指示する。
【0054】
エレベータ駆動部413は、エレベータ制御部412により指示された階に停止するようにエレベータを駆動する。
【0055】
ビーコン発信部414は、定期的(限定ではなく一例として、1秒ごと)に、備えられているエレベータを識別する識別情報であるエレベータIDを含むビーコン信号を発信する。エレベータIDは、ビーコン発信部414を特定可能なビーコンIDを代替としてもよい。ビーコン発信部414は、ビーコン信号は、ビーコン発信部414の存在を周辺の他の機器(ペリフェラルと呼称することもある)に通知するための信号であり、限定ではなく一例として、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))の通信規格で定義されるビーコン信号を用いることとしてよいが、これに限定するものではない。ビーコン信号は、他の機器と通信接続を確立することなく送信することができる信号である。ビーコン信号の到達距離は、信号の発信強度により定めることができ、信号強度が強いほど遠距離までビーコン信号を到達させることができる。本実施形態においては、ビーコン発信部414は、対応するエレベータ内に到達し、エレベータ外には届かない程度の信号強度でビーコン信号を発信する
【0056】
なお、
図1では、ビーコン発信部414をエレベータ制御装置40に設ける構成を示しているが、ビーコン発信部414は、エレベータ制御装置40外部に設けられてよく、エレベータ毎に、設けられる。そして、ビーコン発信部414は、それぞれのエレベータ内に存在するユーザの端末に届く範囲でビーコン信号を発信する。
図1に示す例は、エレベータ制御装置40が、エレベータごとに設けられる例を示している。
【0057】
<実施形態1>
本実施形態に係る通信システム1では、
図2(a)に示すように、ユーザが自身の端末20を用いて、ビルなどの建築物に備えられたエレベータの行先の階数を指定する。すると、通信システム1は、ユーザが乗っている(あるいは乗ろうとしている)エレベータを特定する。そして、特定したエレベータが指定された階に停止するようにエレベータを制御する。また、それとともに、通信システム1は、ユーザの端末20に行先となる階に関連する広告を送信する。すると、端末20は、
図2(b)に示すように、行先となる階に関連する広告を表示する。
【0058】
ユーザは、エレベータの待ち時間や、エレベータに乗って、所望の階に到達するまでの間に自身の端末20を用いて、通信システム1に係るサーバ10により提供するメッセージングサービスを介して他のユーザとやり取りしているメッセージの内容を確認することがある。このような場合には、ユーザが自身の端末20の表示画面を確認していることから、ユーザの目に各種の情報を届けやすいという実情がある。そこで、本実施形態では、そのようなタイミングにおいて、ユーザの興味をより引きやすい情報として、ユーザの行先に関する広告情報を提供することで、より効果的な宣伝を行う。
【0059】
なお、メッセージングサービスとは、上述したサーバ10が提供するメッセージングサービスでは、端末20同士でメッセージングアプリケーションを介して、トークルーム上でメッセージのやり取りを行うことができる。トークルームとは、限定ではなく一例として、サーバ10が提供するメッセージングサービスにおいて、メッセージングサービスを利用するユーザ同士によって、送受信されたコンテンツをユーザの端末に表示可能にするユーザインターフェースである。トークルームは、チャットルームと呼称されてもよい。また、トークルーム上でやり取りされるコンテンツは、ユーザが自身の端末20を利用して入力した文字情報(収支内容に係る情報のテキストデータ)、写真やスタンプなどを含む画像情報(例えば、レシートの写真)、音声ファイル、動画ファイル、データファイルなど各種のファイル情報、広告情報を含むが、これらに限定するものではない。
【0060】
また、広告とは、企業、団体、個人など、それぞれが提供する商品やサービスあるいは、それぞれ自身についての情報を、伝播させるための情報そのもの、あるいは情報を伝播させるために利用する広告が掲載された媒体そのもののことをいってもよいし、そうでなくてもよい。本実施形態においては、広告は、ユーザが訪問しようとしている建築物の階に関連する情報であって、ユーザの端末20の表示部24に表示することが可能な情報である。
以下、詳細に説明する。
【0061】
(1)ユーザの端末の機能構成
端末20の制御部21は、メッセージ処理部211と、表示処理部212と、エレベータ指示部213と、を備える。
【0062】
メッセージ処理部211は、サーバ10が提供するメッセージングサービスから提供されるメッセージングアプリケーションに従って、ユーザからの入力および/または通信I/F12が受信したメッセージを含むコンテンツの入力を受け付けて、表示処理部212に表示するように指示する。なお、ユーザからの入力を受け付けた場合には、その受け付けた入力内容を通信I/F22にサーバ10に宛てて送信するように指示する。また、ここでメッセージ処理部211が処理する対象として、トークルームに対してユーザが入力したテキストメッセージに限らず、写真やスタンプなどを含む画像情報、音声ファイル、動画ファイル、データファイルなどを含んでよい。
【0063】
表示処理部212は、サーバ10が提供するメッセージングサービスから提供されるメッセージングアプリケーションに従って、ユーザからの入力および/または通信I/F12が受信したメッセージを含むコンテンツの入力を受け付けて、表示部24の表示領域に表示するように指示する。なお、ユーザからの入力を受け付けた場合には、その受け付けた入力内容を通信I/F22にサーバ10に宛てて送信するように指示する。表示処理部212は、例えば、サーバ10から提供される広告であって、エレベータに搭乗するユーザの行先の階に関連する広告を表示する。
【0064】
エレベータ指示部213は、通信I/F22が受信したビーコン信号が示すエレベータの識別情報であるエレベータIDを記憶部28に記憶する。エレベータ指示部213は、ユーザからの入出力部23に対する入力により指定された階数を示す階数情報を受信すると、通信I/F22を介して、階数情報と記憶部28に記憶されているエレベータIDとを指示情報として、サーバ10に送信する。
以上が、端末20の機能構成である。
【0065】
(2)サーバ10の機能構成
サーバ10の制御部11は、メッセージ処理部111と、指示部112と、広告処理部114とを備える。
【0066】
メッセージ処理部111は、各ユーザ間のやり取りを行うためのトークルームを管理する機能を備える。メッセージ処理部111は、サーバ10が提供するメッセージングサービスの提供を受ける端末間のコンテンツを含むコンテンツのやり取りを中継する。即ち、あるユーザからトークルームへのコンテンツが送信された場合に、そのトークルームを特定し、トークルームに属する他のユーザにコンテンツを送信する。
【0067】
指示部112は、通信I/F14を介して、端末20からの指示情報を受信すると、指示情報で示されるエレベータIDがどの建築物に設置されているエレベータであるかを特定する。そして、特定した建築物のエレベータ制御装置40に対して、指示情報で指定されている階数に停止するための階数情報を、通信I/F14を介して送信する。
【0068】
広告処理部114は、通信I/F14を介して、端末20からの指示情報を受信すると、指示情報で示されるエレベータIDがどの建築物に設置されているエレベータであるかを特定する。そして、広告処理部114は、特定した建築物の、指示情報で指定されている階数に対応付けられた広告情報を取得する。広告処理部114が取得する広告情報はサーバ10の記憶部15に記憶されているものを用いてもよいし、ネットワーク(クラウド)上に存在するものを用いてもよい。
【0069】
以上が、サーバ10の機能構成である。
【0070】
<データ>
図3は、サーバ10の記憶部15に記憶される情報であって、広告管理情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図3に示すような広告管理情報300を保持することにより、サーバ10は、ユーザの端末20に送信する広告を特定することができる。
図3に示すように、広告管理情報は、ビルID301と、ビル名302と、階数303と、広告ID304と、属性情報305とが対応付けられた情報である。
【0071】
ビルID301は、エレベータが設置されている建築物を一意に特定することが可能な建築物の識別情報である。ビルID301があることによりサーバ10は、ユーザがどのビルのエレベータに乗っているか(あるいは乗ろうとしているか)を特定することができる。
【0072】
ビル名302は、対応するビルID301で示されるビルの名称を示す情報である。なお、ビル名302は、登録されていなくともよい。
【0073】
階数303は、対応する建築物のいずれかの階を示す情報であって、後述する広告ID304で示される広告が関連する階を示す情報である。
【0074】
広告ID304は、対応するビルID301の階数303で示される階に関連する広告を一意に特定することが可能な広告の識別情報である。なお、広告ID304は、識別情報ではなく、広告そのものの実データであってもよい。また、広告ID304が識別情報である場合に、対応する広告の実データは、記憶部15に記憶されているものを取得することとしてもよいし、ネットワーク30上(クラウド上)に記憶されているものを取得することとしてもよい。
【0075】
属性情報305は、対応する広告ID304で示される広告の特徴を示す情報である。ここでいう属性は、広告の特徴に代えて、当該広告を発する企業ないし団体ないし人物の特徴を示す情報であってもよい。
【0076】
なお、広告管理情報300は、その他の情報が対応付けられていてもよい。例えば、広告ID304で示される広告を発行している企業ないし団体ないし人物を特定可能な情報が対応付けられていてもよい。
【0077】
サーバ10は、ユーザの端末20から受信した階数とビーコンIDとから、ビルと階を特定し、対応する広告を特定することができる。
【0078】
図4は、サーバ10の記憶部15に記憶されるエレベータ管理情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。エレベータ管理情報400を保持することにより、サーバ10は、ユーザの端末20により指定されているエレベータがどのビルに備えられているのかを特定することができる。
【0079】
エレベータ管理情報400は、エレベータID401と、ビルID402とが対応付けられた情報である。
【0080】
エレベータID401は、各建築物に設けられている各エレベータを一意に特定することができるエレベータの識別情報である。
【0081】
ビルID402は、対応するエレベータID401で示されるエレベータが設置されている建築物を一意に特定することができる建築物の識別情報である。
【0082】
サーバ10は、端末20からエレベータIDを通知されることにより、端末20のユーザが搭乗しているエレベータがどの建築物に設置されているかを特定することができる。
【0083】
<動作>
ここから、通信システム1および通信システム1に関連する各装置の動作について説明する。
図4は、通信システム1に係る各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。
【0084】
図5に示すように、まず、端末20は、ユーザが搭乗しているエレベータに備えられたビーコン発信部414から、発信されたビーコン信号を受信する(ステップS501)。ビーコン信号には、ビーコンを発信したビーコン発信部414、即ち、ユーザが登場しているエレベータを一意に特定可能な識別情報としてのエレベータIDを含む。
【0085】
端末20は、ビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号に含まれるエレベータIDを抽出する。端末20は、ユーザからエレベータの行先としての階数の指定を受け付ける(ステップS502)。そして、端末20は、抽出したエレベータIDと、端末20の端末IDと、受け付けた階数と、端末20のユーザIDとを、サーバ10に送信する(ステップS503)。
【0086】
サーバ10は、端末20から受信したエレベータIDとから、ユーザが搭乗しているエレベータとそのエレベータが設置されているビルを特定する(ステップS504)。サーバ10は、特定したビルの特定したエレベータを制御するエレベータ制御装置40のエレベータ制御部412に送信する(ステップS505)。
【0087】
エレベータ制御部412は、指定されたエレベータが指定された階に停止するように制御を実行する(ステップS506)。
【0088】
エレベータ制御部412に階数を通知する一方で、サーバ10は、特定したビルの指定された階に対応する広告を特定する。そして、特定した広告を、端末20に送信する(ステップS507)。
【0089】
端末20は、サーバ10から受信した広告を、表示部24に表示する(ステップS508)。このようにして、通信システム1において、端末20は、ユーザが行こうとしている階に関連する広告を表示することができる。以下、
図5に示すやり取りを実現すための各装置の動作について説明する。
【0090】
図6は、
図5に示すやり取りを実現するためのユーザの端末20の動作を示すフローチャートである。
【0091】
端末20の通信I/F22は、エレベータに備えられているビーコン発信部414からビーコン信号を受信したか否かを判定する(ステップS601)。通信I/F22は、ビーコン信号を受信していた場合に(ステップS601のYES)、通信I/F22は、ビーコン信号を制御部22のエレベータ指示部213に送信する。エレベータ指示部213は、ビーコン信号に含まれるエレベータIDを抽出し、記憶部28に記憶する(ステップS602)。なお、ここでは、端末20は、ビーコン信号に含まれるエレベータID(ビーコンID)を抽出することとしているが、端末20は、エレベータIDを抽出することなく受信したビーコン信号をそのままサーバ10に送信するように構成されてもよい。ビーコン信号を受信していない場合には(ステップS601のNO)、ステップS603の処理に移行する。
【0092】
その後に、端末20のエレベータ指示部213は、入出力部23を介して、ユーザからエレベータが停止する階数の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS603)。階数の指定を受け付けた場合には(ステップS603のYES)、エレベータ指示部213は、受け付けた階数を、記憶しているエレベータIDと、端末20を保持するユーザを示す通信システム1上で一意となるユーザIDとを、通信I/F22を介してサーバ10に送信する(ステップS604)。階数の指定を受け付けていない場合には(ステップS603のNO)、処理を終了する。
【0093】
階数を指定する情報をサーバ10に送信すると、通信I/F22は、サーバ10から指定した階数に関する広告情報を受信する(ステップS605)。通信I/F22は、広告情報を制御部22に送信する。制御部22の表示処理部212は、受信した広告情報を表示部24に表示させて(ステップS606)、処理を終了する。このとき、制御部22は、サーバ10に対して、広告情報を表示したことを示す情報を、通信I/F14を介して、送信することとしてもよいし、送信しなくてもよい。
以上が端末20の動作である。
【0094】
図7は、
図5に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作を示すフローチャートである。
【0095】
図7に示すように、サーバ10の通信I/F14は、端末20から、エレベータIDと、階数を示す情報と、ユーザIDとを受信する(ステップS701)。通信I/F14は、受信したエレベータIDと、階数を示す情報と、ユーザIDとを制御部11に送信する。なお、ここでは、エレベータIDと、階数を示す情報とを、纏めて受信するように記載しているが、エレベータIDと、階数を示す情報とは、それぞれどのユーザの端末20から送信されたのかがわかれば(ユーザIDが対応づいていれば)、個別に受信することとしてもよい。
【0096】
制御部11は、受信したエレベータIDから、エレベータ管理情報400を参照して、エレベータIDで示されるエレベータが設置されている建築物(ビル)のビルIDを特定する(ステップS702)。
【0097】
制御部11の指示部113は、特定されたビルIDで示されるビルのエレベータを制御するエレベータ制御装置40に、エレベータを指定するためのエレベータIDと、停止する階数を指定する階数情報とを送信する(ステップS703)。
【0098】
また、制御部11の広告処理部114は、特定したビルの、指定されている階数に対応する広告を、広告管理情報300を参照して特定する(ステップS704)。このとき、広告処理部114は、特定したビルの指定されている階数に対応する広告として、複数の広告が対応づけられている場合には、対応付けられている全ての広告を特定することとしてもよいが、その一部を特定することとしてもよい。一部を特定する場合には、ステップS701で受信したユーザIDで示されるユーザの興味を引く可能性の高い広告を特定することとしてもよいし、そうでなくともよい。ユーザの興味を引く可能性の高い広告とは、限定ではなく一例として、ユーザの属性に一部又は全てが、広告の属性に合致する広告のことであってよいし、そうでなくてもよい。サーバ10は、サーバ10が提供するサービスの一環として、ユーザの特徴を示すユーザ属性情報を保持していてもよく、広告処理部114は、そのユーザ属性情報と、広告管理情報300の属性情報305で示される属性情報と、その一部またはすべてが合致する広告を特定することとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、ユーザ属性情報は、これまでにユーザが訪問したことのある店舗や場所の情報を含んでよく、その場合に、広告処理部114は、ユーザがこれまでに訪問したことのある店舗や場所に関連する広告を特定することとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、ユーザ属性情報は、これまでにユーザが購入したことのある商品やサービスの情報を含んでよく、その場合に、広告処理部114は、ユーザがこれまでに購入したことのある商品やサービスに類似する広告を特定することとしてもよいし、そうでなくてよい。また、逆に広告処理部114は、ユーザがこれまでに興味を持ったことない、即ち、ユーザ属性情報に合致しない属性を有する広告を特定することとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、広告処理部114は、ユーザ属性情報とは関係なく広告を特定することとしてもよく、限定ではなく一例として、ステップS701で受信したエレベータIDで示されるエレベータが停止することになっている階数を、対応するビルのエレベータ制御装置40から取得し、取得した停止することになっている階数に対応する広告を特定することとしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0099】
広告処理部114は、特定した広告を、ユーザIDで示されるユーザの端末20に、通信I/F14を介して送信し(ステップS705)、処理を終了する。
【0100】
なお、
図7において、ステップS703の処理と、ステップS704とS705の処理とは、処理順序が逆であってもよい。即ち、
図7に示すステップS702~S705については、S704、S705、S703の順に処理を実行してもよい。
【0101】
図8は、
図5に示すやり取りを実現するためのエレベータ制御装置40の動作を示すフローチャートである。
【0102】
エレベータ制御装置40の通信I/F411は、サーバ10から、エレベータIDと、階数情報とを受信する(ステップS801)。通信I/F411は、受信したエレベータIDと、階数情報とを、エレベータ制御部412に送信する。
【0103】
エレベータ制御部412は、受信したエレベータIDに対応するエレベータを特定する。そして、特定したエレベータが、階数情報で指定される階に停止するように、エレベータ駆動部413を制御する。エレベータ駆動部413は、エレベータ制御部412により指定された階に停止するようにエレベータを駆動する(ステップS802)。
【0104】
なお、エレベータ制御装置40に対応するエレベータが1台の場合には、エレベータIDは不要となる。
【0105】
<実施形態1変形例1>
上記実施形態1においては端末20からエレベータの行先の階数を指定する例を説明しているが、エレベータは、エレベータに備えられているハードキーによっても行先となる階数の指定を受け付けることができる。
図8には示していないが、エレベータ制御装置40は、エレベータに設けられている階数を指定するハードキー(タッチパネル等により実現されるソフトキーであってもよい)に対するユーザからの操作によって、階数の指定を受け付けてもよい。この場合には、エレベータ制御部412は、押下されたハードキーにより示される階数の情報を受け付け、受け付けた情報に対応するエレベータが停止するように、エレベータ駆動部413を制御する。
【0106】
具体的には、
図9に示すシーケンス図のように、通信システム1に係る各装置は、処理を実行する。
図9に示すように、エレベータ41は、備え付けのハードキーを介して登場しているユーザから停止する階の指定を受け付ける(ステップS901)。エレベータ41は、受け付けた階数を示す情報を、エレベータIDとともに、エレベータ制御装置40およびサーバ10に送信する(ステップS902)。
【0107】
階数を示す情報を受信すると、エレベータ制御装置40のエレベータ制御部412は、指定された階にエレベータ41が停止するようにエレベータ駆動部413を制御する(ステップS903)。
【0108】
一方で、端末20は、サーバ10に対して、自身の位置情報を定期的に送信する(ステップS904)。
【0109】
サーバ10は、端末20から位置情報を受信すると、その位置情報を、端末20のユーザIDに対応付けて記憶部15に記憶する(ステップS905)。
【0110】
階数を示す情報をエレベータ41から受信すると、サーバ10は、対応する建築物を特定する(ステップS906)。また、サーバ10は、対応するエレベータ内に存在するユーザを、端末20から受信している位置情報と、エレベータ41の位置とに基づいて特定する(ステップS907)。なお、エレベータ内の端末20の特定は、上述したビーコン信号の対応付けによって実現することとしてもよいし、そうでなくてもよい。そして、サーバ10は、特定したビルの指定された階の広告を特定して、エレベータ内に存在する端末20に、送信する(ステップS908)。
【0111】
端末20は、サーバ10から広告を受信すると、受信した広告を表示する(ステップS909)。このように、端末20からの階数の指定ではなく、エレベータ41に備えられたハードキーによる階の指定によっても、端末20に階に関連する広告を表示することができる。
【0112】
なお、
図9では、エレベータ41からサーバ10に直接階の情報を送信する構成としているが、これは、エレベータ制御装置40がエレベータ41から受信したものを、サーバ10に転送する態様とすることとしてもよいし、そうでなくてもよい。本実施形態1変形例1は、上記実施形態1とで、端末20からエレベータの行先となる階数を指定するのか、エレベータ本体から階数を指定するのかという点において相違する。そして、この場合に、実施形態1においては、端末20は、自端末で指定した階数の広告情報を受信して表示することになるのに対し、本実施形態1変形例1においては、エレベータの行先となる階全ての広告情報が、エレベータ内に存在する全ての端末20に対して、送信され表示されることになる。
【0113】
なお、サーバ10は、エレベータの入力キーで階数を指定された場合に特定される各階の広告情報を、エレベータ内のユーザの端末20に全て送信することとしてもよいし、それらに対して、所定の条件に従ってフィルタリングをかけてから送信することとしてもよい。所定の条件は、各端末20のユーザに対して適すると推定可能な絞り込みができるような条件であればよく、限定ではなく一例として、ユーザの属性(年齢、性別、嗜好)により絞り込みを行ってもよいし、ユーザがその建築物への訪問が初回でない場合には以前に訪問した階の広告情報に絞り込んでもよい。限定ではなく一例として、ユーザが男性の場合には、婦人用品を販売する階の広告情報は送信しないように構成してもよいし、しなくてもよい。
【0114】
<実施形態1変形例2>
上記実施形態1では、サーバ10は、ユーザの端末20から指定された階数の広告情報を端末20に送信する例を示し、上記実施形態1変形例1では、エレベータに備えられた入力キーで指定された階数の広告情報をエレベータ内の端末20に送信する例を示した。本実施形態1変形例2では、端末20が指定した階の広告情報ではなく(端末20が指定した広告情報も送信してもよい)、端末20とは異なる端末であって、同じエレベータ内に存在する端末から指定された階の広告情報を、サーバ10が端末20に送信する例を説明する。
【0115】
図10は、実施形態1変形例2に係る各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【0116】
図10に示すように、ビーコン発信部414は、エレベータ内に存在する端末に向けてビーコン信号を発信する(ステップS1001)。ここで、エレベータ内には、端末20aと端末20bとが存在したとする。
【0117】
端末20aは、ビーコン信号を受信する。そして、端末20aは、エレベータの行先となる階数の指定を、ユーザから受け付ける(ステップS1002)。そして、端末20aは、受信したビーコン信号のエレベータIDと、階数の情報を、ユーザIDとをサーバ10に送信する(ステップ1003)。
【0118】
同様に、端末20bは、ビーコン信号を受信する。そして、端末20bは、エレベータの行先となる階数の指定を、ユーザから受け付ける(ステップS1004)。そして、端末20bは、受信したビーコン信号のエレベータIDと、階数の情報を、ユーザIDとをサーバ10に送信する(ステップ1005)。
【0119】
サーバ10は、端末20a、20bそれぞれから、受信した情報に基づき、双方が同じエレベータに搭乗していることを特定し(ステップS1006)、その特定したエレベータが、端末20aが指定した階数と、端末20bとが指定した階数と、に止まるようにエレベータ制御部512に指示する(ステップS1007)。
【0120】
そして、サーバ10は、端末20a、20bそれぞれに対して、端末20aが指定した階の広告情報と、端末20bが指定した階の広告情報と、を送信する(ステップS1008)。端末20a、20bそれぞれは、受信した広告情報を表示する。なお、
図10に示すシーケンス図では、サーバ10は、端末20aと端末20bとにまとめて、それぞれが指定した階の広告情報を送信する構成を示したが、エレベータに先に、端末20bのユーザBが先に搭乗している状態で、後から、端末20aのユーザAが同じエレベータに搭乗することも考えられる。この場合に、サーバ10は、端末20aに対しては、端末20aが指定した階の広告情報の他、同じエレベータ内に存在する他の端末20bによって指定された階の広告情報を併せて送信する。一方で、搭乗済みの端末20bに対しては、端末20bが指定した階の広告情報を既に送信済みである場合には、サーバ10は、端末20aが指定した階の広告情報のみを送信するように構成してもよいし、そうしなくてもよい。
【0121】
<実施形態1変形例3>
図5、
図9、
図10に示すやり取りにおいては、ユーザが停止する予定の階について、広告情報がある(対応付けられている)ことを前提としているが、広告情報がない場合も考えられる。そのような場合のサーバ10の処理について
図11を用いて説明する。
図11は、サーバ10の動作例を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、
図7に示すフローチャートとステップS704の前に、ステップS1101の処理が挿入されていること、並びに、ステップS1102の処理を実行する点において相違し、その他の処理については共通する。そのため、ここでは、ステップS1101、S1102の処理について説明し、他の処理については説明を省略する。
【0122】
ステップS1101において、広告処理部114は、特定したビルの階数情報で示される階に、広告情報が対応付けられているか否かを判定する(ステップS1101)。対応付けられている場合には(ステップS1101のYES)、ステップS704の処理に移行する。
【0123】
特定したビルの階数情報で示される階に、広告情報が対応付けられていない場合には(ステップS1101のNO)、広告処理部114は、特定したビルの階数情報で示される階と異なる階の広告情報を特定する。ここで、異なる階の広告情報は、上述したように、ユーザの属性情報と合致する他の階の広告情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、異なる階の広告情報は、ユーザが搭乗しているエレベータが停止する他の階に対応付けられている広告情報であってもよいし、そうでなくてもよい。また、広告処理部114は、ユーザが搭乗しているエレベータが設けられている建築物に関連する広告情報を特定して、ユーザの端末20に送信することが望ましいが、ユーザが搭乗しているエレベータが設けられている建築物に関連しない広告情報を特定することとしてもよい。
【0124】
このように、広告処理部114は、ユーザが指定した階に対応付けられた広告情報とは異なる広告情報、つまり、ユーザが指定した階と異なる階の広告情報を特定することとしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0125】
<実施形態1の効果>
上記実施形態1に示すように、端末20からエレベータの行先の階を指定する。サーバ10は、端末20から受け付けた階を、エレベータを制御する制御部に送信する。その一方で、サーバ10は、端末20のユーザが指定した行先の階に関連する広告を特定し、端末20に送信する。そして、端末20は、受信した広告を表示する。
これにより、ユーザはこれから訪問しようとしている場所で販売されている商品やサービス、イベント等についての情報を先んじて入手することができるので、ユーザは行先の階での目的を絞ったり、あるいは、新たな目的を見つけたりすることができる。また、広告を発行する側としても、販売する商品やサービスに対してユーザの興味をひく可能性を向上させることができる。
【0126】
また、端末20は、
図2(a)に示すように、行先となる階を指定するためのUIを表示することができ、端末20は、ユーザから指定された階の情報をサーバ10に送信することとしてもよい。
これによって、ユーザは、エレベータの行先を指定することができる。
【0127】
また、サーバ10は、端末20から通知されたユーザの行先を示す階数に対応する広告情報がない場合には、別の広告情報を送信することとしてもよい。そして、端末20は、その広告情報を表示することとしてもよい。
これによって、端末20は、ユーザが広告を見る可能性の高い状況での、宣伝を行う機会を逸することなく広告を提示することができる。
【0128】
また、端末20は、エレベータごとに設けられるビーコン発信部414から発信されたビーコン信号を受信し、そのビーコン信号で定まるエレベータIDを、サーバ10に送信する。サーバ10は受信したエレベータIDに基づいて、ユーザが搭乗しているエレベータがどの建築物のどのエレベータかを特定する。
これによって、端末20は、ユーザからビルやエレベータに関する情報の入力を受け付けることなく、搭乗しているエレベータがどのエレベータであるかをサーバ10に通知することができる。また、サーバ10も、エレベータIDとビルIDとを対応付けたエレベータ管理情報400を保持していることにより、ユーザがいる建築物とエレベータを特定することができる。
【0129】
<実施形態2>
通信システム1では、サーバ10が端末20に送信した広告情報に基づいて、ユーザが商品又はサービスの購入を行った場合に、ユーザに対して、何らかの特典情報を送信することとしてもよい。ここでいう特典情報とは、ユーザにとって何らかの得になるものであればどのようなものであってもよく、限定ではなく一例として、商品又はサービスを購入した店舗において利用できる割引券であったり、何らかの商品又はサービスとの交換が可能な引き換え券であったり、商品又はサービスの購入の補助とすることができるポイントであったり、商品又はサービスを購入した店舗とは関係なく通信システム1において、他のサービスの利用や商品の購入にあてることができるポイントであったり、電子マネーなどであったりしてもよい。なお、ここに示した特典情報の例は一例であり、その他の態様であってもよい。
【0130】
図12は、本実施形態を実現するためにサーバ10が保持、若しくは、サーバ10がアクセス可能な、広告特典情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0131】
図12に示すように広告特典情報1200は、広告ID1201と、特典ID1202とが、対応付けられた情報である。
【0132】
広告ID1201は、サーバ10が管理する広告を他の広告から一意に識別するための広告の識別情報である。広告IDは、商品を示す情報である商品IDにより代替することもできる。
【0133】
特典ID1202は、対応する広告ID1201で示される商品をユーザが購入するとともに、商品をユーザが購入する前に、そのユーザの端末20に関連する広告を送信していた場合に送信する特典を一意に識別可能な識別情報である。特典の内容としては、互いに異なる商品又はサービスに対して、同じ特典が対応付けられてもよい。また、ここでは、特典情報を識別する識別情報を対応付ける態様としているが、特典情報そのものが対応付けられていてもよい。
【0134】
広告特典情報を保持していることにより、サーバ10は、広告IDからユーザの端末20に送信する特典情報を特定することができる。
【0135】
図13は、端末20がサーバ10から送信された広告を表示した後の実施例を示す図であり、端末20とサーバ10との間のやり取りを示すシーケンス図である。つまり、
図13は、
図4や
図9に示すシーケンスの後の処理を示している。
【0136】
端末20は、受信した広告を表示する(ステップS407、S909)。端末20のユーザは、表示された広告に興味をもった場合に、広告に関連する商品を購入する(ステップS1301)。商品の購入は、限定ではなく一例として、表示された広告に対応する階にユーザがエレベータから降りて店舗での実際の購入により実現されてもよいし、そうでなくてもよい。商品の購入は、限定ではなく一例として、表示された広告をタッチ操作することにより転送されるECサイトでその商品を購入するものであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0137】
端末20は、購入した商品に関する購入情報をサーバ10に送信する(ステップS1302)。端末20は、購入情報として、ユーザから購入した商品に関する情報を手入力により受け付けてもよいし、そうでなくてもよい。また、端末20は、ユーザが購入した商品そのものを撮像した写真を、購入情報として受け付けてもよいし、そうでなくてもよい。また、端末20は、ユーザが商品を購入した際に受領したレシートや領収書の写真を、購入情報として受け付けてもよいし、そうでなくてよい。また、端末20は、ECサイトを介して商品を購入した場合には、その購入履歴情報を、購入情報として受け付けてもよいし、そうでなくてよい。また、ECサイトとサーバ10とが互いに連動するように通信システム1が構成されている場合に、端末20からではなく、ECサイトからサーバ10に購入情報が送信されてもよいし、そうでなくてもよい。
【0138】
サーバ10は、端末20から購入情報を受信すると、購入情報で示される商品の特典情報を特定する(ステップS1303)。そして、サーバ10は、特定した特典情報を、購入情報を送信した端末20に、送信する(ステップS1304)。
【0139】
端末20は、受信した特典情報を表示する(ステップS1305)。このように、端末20は、サーバ10から受信した広告情報で示される広告に関連する商品を購入したことに伴う特典情報を表示することができる。
【0140】
図13に示すやり取りを実現するための、端末20とサーバ10のそれぞれの動作を、
図14及び
図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0141】
図14は、
図13に示すやり取りを実現するための端末20の動作を示すフローチャートである。
図14に示すように、端末20は、商品(又はサービス)の購入情報を受け付けたかどうかを判定する(ステップS1401)。商品の購入情報を受け付けている場合には(ステップS1401のYES)、端末20の制御部21は、通信I/F22を介して、サーバ10に商品の購入情報を、端末20のユーザIDとともに送信する(ステップS1402)。なお、このときに、商品の購入情報とともに、既にサーバ10から受信している広告であって、購入した商品の広告情報、もしくは、その広告情報を特定可能な広告情報の識別情報を併せてサーバ10に送信することとしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0142】
商品の購入情報を受け付けていない場合には(ステップS1401のNO)、端末20の制御部21は、通信I/F22を介して、サーバ10から特典情報を受信しているか否かを判定する(ステップS1403)。特典情報を受信している場合には(ステップS1403のYES)、制御部21の表示処理部212は、表示部24に、受信した特典情報を表示させて(ステップS1404)処理を終了する。特典情報を受信していない場合にも(ステップS1403のNO)、処理を終了する。
【0143】
限定ではなく一例として、
図15に、端末20の表示部24に表示する画面図の例を示す。
図15(a)は、端末20が、広告情報1501を表示部24に表示した例を示している。これは、ユーザが端末20を用いて、行先として、6階を指定した場合に、端末20の表示部24に表示される広告情報1501の一例を示す画面図である。この広告を見たユーザが広告情報1501に関連する商品を購入する。そして、ユーザは自身の端末20を用いて、サーバ10に商品を購入したことを示す購入情報を送信する。すると、サーバ10は、購入情報に応じた特典情報を端末20に送信し、端末20は、
図15(b)に示すように、サーバ10が送信した広告情報に関連する商品を購入したことに伴う特典情報1502を表示する。これによって、端末20のユーザは、特典を受けられることを認識する。
【0144】
図16は、
図13に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作を示すフローチャートである。
図16に示すように、サーバ10の通信I/F14は、購入情報を受信する(ステップS1601)。購入情報は、端末20から送信される場合もあれば、ECサイトから送信される場合もあれば、店舗のレジスタ等に通信機能がある場合に、そのレジスタから送信されてもよい。また、購入情報は、少なくとも購入した商品を特定可能な情報と、商品を購入したユーザを特定可能な情報とを含む。通信I/F14は、購入情報を受信すると、制御部11に送信する。
【0145】
制御部11は、購入情報を送信した端末20に対して、広告情報を送信しているか否かを判定する(ステップS1602)。即ち、制御部11は、購入情報を受信すると、購入情報に含まれる購入された商品の情報と、ユーザIDとから、そのユーザIDで示されるユーザの端末20に、対応する商品の広告を送信しているかを、動作ログから判定する。広告を送信していない場合には(ステップS1602のNO)、処理を終了する。
【0146】
購入情報を送信してきた端末20に対して、関連する広告情報を送信していた場合には(ステップS1602のYES)、制御部11は、購入情報で示される商品に対応する特典情報を特定する(ステップS1603)。
【0147】
制御部11は、購入情報で示される商品を購入したユーザを特定する(ステップS1604)。即ち、購入情報に含まれるユーザIDを抽出する。そして、制御部11は、特定した特典情報を、特定したユーザの端末20に対して、通信I/F14を介して、送信する(ステップS1605)。
【0148】
なお、ステップS1602における判定において、更なる条件として、制御部11は、購入情報を受信した(若しくは端末20が送信した)時間から、過去に遡って所定時間内に関連する広告情報を送信していたか否かを判定することとしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0149】
図17は、
図13に示すシーケンス図での各装置間のやり取りの中で、購入情報を、端末20ではなく、ユーザが商品を購入した場所に設けられているレジスタが、サーバ10に送信する例を示している。
図17において、ステップS901までの処理は、
図9、
図13に示す処理と同様であるので説明を省略する。
【0150】
図17に示すように、端末20は、商品の購入時にユーザIDを示すユーザ情報を、レジスタ50に送信する(ステップS1702)。
【0151】
レジスタ50は、ユーザ情報を受信すると、受信したユーザIDと、ユーザが購入した商品に関する購入情報と、を対応付けてサーバ10に送信する(ステップS1703)。
【0152】
サーバ10は、レジスタ50から受信した購入情報に対応する商品の特典情報を特定する(ステップS1704)。そして、サーバ10は、レジスタ50から受信したユーザIDで示されるユーザの端末20に、特定した特典情報を送信する(ステップS1705)。
【0153】
端末20は、サーバ10から受信した特典情報を表示する(ステップS1305)。
【0154】
なお、ここでは、詳細には説明していないが、レジスタ50は、端末20やサーバ10と通信を実行することができるレジスタであれば、どのようなものであってもよく、端末20やサーバ10と通信を実行する通信部と、端末20から購入情報を受信した場合に、その購入情報と端末20のユーザを示すユーザIDとをサーバ10に送信する制御部とを備えるほかは、通常のレジスタと同様の構成であってよい。また、端末20については、ユーザ情報をレジスタ50に送信する以外の処理は変わらないので、詳細なフローチャートを用いての動作説明は省略する。同様に、サーバ10についても購入情報を送信するのが端末20かレジスタ50かの差異しかないので、フローチャートを用いての説明を省略する。
【0155】
図18は、
図13に示すシーケンス図において特典情報に代えて、更に、購入した商品に関連する別の広告情報を送信する例を示すシーケンス図である。サーバ10は、
図18に示すように、特典情報ではなく、購入した商品に関連する広告情報であって、送信済みの広告情報とは異なる広告情報を送信するように構成されていてもよいし、そうでなくてもよい。以下、
図18に示すシーケンス図を用いて、通信システム1に係る各装置間のやり取りを説明する。
【0156】
図18に示すシーケンス図では、
図13に示したステップS1302までの処理は共通するので説明を省略する。
【0157】
サーバ10は、端末20から購入情報を受信すると、購入情報に対応する商品に対応付けられた他の広告情報を特定する(ステップS1803)。ここでいう他の広告情報とは、ステップS507で特定した広告情報と異なる広告情報のことである。サーバ10は、特定した商品に関する異なる広告情報を、端末20に送信する(ステップS1804)。
【0158】
端末20は、受信した異なる広告情報を表示する(ステップS1805)。
【0159】
なお、
図18に示した異なる広告情報を送信する態様は、
図17に示す特典情報の送信に代えて実行することとしてもよいし、両方の処理が実行されてもよい。
【0160】
図19は、
図18に示すやり取りを実行した場合の端末20における表示例を示す図である。
図19(a)は、ユーザが指定した階に関する広告情報1901を表示した表示例を示す図である。これに対して、
図19(b)は、ユーザが指定した階に関する広告情報を見て、その広告情報に関する商品を購入した場合に、更に、その商品に関する別の広告情報1902を表示した例を示している。このように、端末20は、更なる、広告情報を表示することもできる。
【0161】
<実施形態2の効果>
上記実施形態2に示すように、ユーザは、サーバ10から受信した広告情報に関連する商品やサービスを購入したことを示す購入情報を、端末20を用いてサーバ10に送信する。サーバ10は、受信した購入情報で示される商品が、端末20に送信したことがある広告情報に関連する商品であるか否かを判定し、関連する商品であった場合に、何らかの特典情報を端末20に送信する。そして、端末20は受信した特典情報を表示する。
これにより、端末20は、ユーザの、端末20が表示した広告情報に関連する商品やサービスに対する購入意欲を向上させることができる。
【0162】
また、サーバ10は、端末20から購入情報を受信したことを受けて、端末20に更に広告情報を送信することとしてよく、端末20は受信した新たな広告情報を表示することとしてよい。
これにより、端末20は、ユーザに対して更なる購買促進を促すことができる。
【0163】
<実施形態3>
上記実施形態1、2においては、ユーザがエレベータに搭乗していることを想定した処理を説明した。本実施形態3においては、ユーザがエレベータに搭乗する前に、行先を指定する場合の処理を説明する。このような場合に、通信システム1では、サーバ10は、エレベータに指示を出しつつ、端末20のユーザが搭乗するエレベータかどれかを指定する。
【0164】
図20に示すシーケンス図は、ユーザが、エレベータに搭乗する前に、エレベータの行先を操作する例を示している。
【0165】
図20に示すように、端末20は、ユーザからの指定を受け付けて、ユーザが訪問する予定の建築物を示すビル情報、訪問する予定の階数と、自端末の位置情報とをサーバ10に送信する(ステップS2001)。このとき、端末20は、端末20のユーザを示すユーザIDとともに送信する。
【0166】
サーバ10は、受信した情報のうち、ビル情報に基づいて、ユーザが訪問しようとしている建築物を特定する(ステップS2002)。ここで、建築物を特定する目的は、その実際の位置を特定する為と、ユーザの端末20に送信する広告を特定する為である。
【0167】
サーバ10は、建築物を特定し、ユーザから指定された階数と広告管理情報300とを用いて、端末20に送信する広告を特定する(ステップS2003)。
【0168】
端末20は、定期的に、自機の位置を示す位置情報を送信する(ステップS2004)。
【0169】
サーバ10は、端末20から受信した位置情報が、特定した建築物の位置から所定範囲内に存在することを確認する(ステップS2005)。すると、サーバ10は、特定したビルのエレベータ制御部に階数を送信する(ステップS2006)。このとき、サーバ10は、どのエレベータかを指定することとしてもよいし、図示していないが、エレベータを指定しない場合には、エレベータ制御部412からどのエレベータを動作させるのかを示す情報として制御対象のエレベータを示すエレベータIDを受信することとしてよい。エレベータ制御部412は、指定された階に指定されたエレベータが停止するようにエレベータの制御を実行する(ステップS2007)。
【0170】
サーバ10は、特定したビルの指定された階の広告情報を、ユーザが搭乗する予定のエレベータの情報と共に、端末20に送信する(ステップS2008)。
【0171】
端末20は、ユーザが搭乗する予定のエレベータの情報を表示するとともに、広告情報を表示する(ステップS2009)。なお、エレベータの情報の表示は、エレベータの搭乗前になされるが、広告情報の表示は、エレベータの搭乗前であってもよいし、搭乗後であってもよい。なお、ステップS2004、S2005の処理は必須の処理ではなく、ユーザの端末20の位置に関係なく、端末20からエレベータの階数の指定がされた場合に、
図20の処理を実行することとしてもよい。また、あるいは、ステップS2001で受信した位置情報が制御対象のエレベータの位置から所定距離以上離れていた場合に、ステップS2004、S2005の処理を経てからステップS2006以降の処理を実行するように構成されてもよい。
【0172】
図21は、
図20に示すやり取りを実現するための端末20の動作例を示すフローチャートである。
【0173】
図21に示すように、端末20は、入出力部23を介して、ユーザから訪問予定のビル情報の入力を受け付ける(ステップS2101)。また、そのビルの何階を訪問するつもりなのかを示す階数の指定も併せて受け付ける(ステップS2102)。入出力部23は、受け付けた入力内容を制御部21に送信する。
【0174】
端末20の位置情報取得部25は、端末20の現在位置を示す経緯度情報を取得し、制御部21に送信する(ステップS2103)。
【0175】
端末20の制御部21(エレベータ指示部213)は、受け付けたビル情報と階数、取得した位置情報と、端末20のユーザを示すユーザIDとを、通信I/F22を介して、サーバ10に送信する(ステップS2104)。
【0176】
制御部21は、広告情報と、エレベータ情報とを、サーバ10から受信しているか否かを判定する(ステップS2105)。広告情報とエレベータ情報とを受信していない場合には(ステップS2105のNO)、制御部21は、位置情報取得部25が再度取得した新たな位置情報を、通信I/F22を介して、サーバ10に送信し(ステップS2106)、ステップS2105の処理に戻る。
【0177】
広告情報とエレベータ情報とを受信している場合には(ステップS2105のYES)、搭乗するエレベータを示す情報と、広告とを、表示部24に表示して(ステップS2107)、処理を終了する。なお、前述した通り、広告の表示タイミングは、ユーザがエレベータに搭乗した後であってもよい。ユーザがエレベータに搭乗したかどうかは、限定ではなく一例としてエレベータに設けられているビーコン発信部414から発信されたビーコン信号を受信したことにより検出することができる。
【0178】
図22は、
図20に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0179】
図22に示すように、サーバ10の通信I/F14は、端末20からユーザが訪問する予定の建築物を示すビル情報と、その建築物で最初に訪問する予定の階数と、ユーザIDと、位置情報とを受信する(ステップS2201)。通信I/F14は、受信した各情報を、制御部11に送信する。制御部11は、ビル情報に基づいて、ユーザが訪問しようとしている建築物を特定する。
【0180】
サーバ10の制御部11は、ユーザの端末20の位置情報が、ビル情報で示されるビルのエレベータから所定距離内に存在するか否かを判定する(ステップS2202)。制御部11は、端末20から送信された位置情報と、ビル情報に基づいて特定した建築物の位置とに基づいて、当該判定を実行する。端末20が、所定距離内に存在しない場合には(ステップS2202のNO)、新たな位置情報を、端末20から受信し(ステップS2203)、ステップS2202の処理に戻る。
【0181】
制御部11は、端末20がエレベータから所定距離内に存在すると判定した場合に(ステップS2202のYES)、特定したビルのエレベータ制御部412に、指定されている階数の情報を、通信I/F14を介して、送信する(ステップS2204)。このとき、制御部11は、ユーザが搭乗するエレベータを指定するエレベータIDとともに送信することとしてもよいし、送信しなくてもよい。
【0182】
制御部11の広告処理部114は、端末20から送信された階数に対応する広告を、広告管理情報300を用いて特定する(ステップS2205)。
【0183】
そして、広告処理部114は、特定した広告を、ユーザが搭乗するエレベータを示す情報とともに、ユーザの端末20に送信して(ステップS2206)、処理を終了する。エレベータを示す情報は、サーバ10が指定したエレベータIDを利用する場合もあれば、
図22には図示していないが、サーバ10が階数を指定した後にエレベータ制御部412から受信したエレベータIDを利用する場合もある。
【0184】
なお、
図22において、ステップS2205の処理は、ステップS2201の後の、ステップS2202の前やステップS2204の前に実行することとしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0185】
図23は、端末20の表示部24に表示されるエレベータの情報の表示例を示している。
【0186】
図23に示すように、端末20の表示部24には、ユーザの訪問先のビルのエレベータが複数ある場合に、ユーザにどのエレベータに搭乗するのかを指定する情報を表示してもよい。
図23に示す例では、端末20に図示により、ユーザに搭乗するエレベータがどれかを示す例を示している。
図23(a)は、図示によりユーザが搭乗すべきエレベータを示した例を示している。なお、
図23(a)に示す例では、矢印2300により、ユーザが搭乗すべきエレベータを指定した例を示しているが、これはその限りではなく、限定ではなく一例として、色分けにより、他のエレベータと区別可能に表示する態様で実現することとしてもよい。また、あるいは、エレベータに番号を付与し、ユーザにその番号がわかるようにしておいて、
図23(b)に示すように、「3番のエレベータにご搭乗ください」というように通知することとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、その他の例としては、限定ではなく一例として、エレベータが、3基ある場合に、「一番右のエレベータにご搭乗ください」とテキストにより通知することとしてもよいし、そうでなくてもよい。なお、これは、表示による通知である必要はなく、音声による通知であってもよい。
【0187】
ところで、このような態様の場合、ユーザが搭乗すべきエレベータを間違える場合がある。そのような場合にも、ユーザが所望の階に行けるように、制御を行う例を説明する。
【0188】
図24に示すシーケンス図は、ユーザが搭乗すべきエレベータを間違えた場合に、行われる各装置間のやり取りの例を示す図である。
【0189】
図24に示すように、ユーザの端末20は、搭乗するエレベータの情報と広告情報とを表示する(ステップS2009)。しかし、ここで、ユーザは、表示されたエレベータとは異なる別のエレベータに搭乗したとする。
【0190】
ユーザが搭乗したエレベータに設けられたビーコン発信部414は、定期的にビーコン信号を発信する(ステップS2401)。
【0191】
ユーザの端末20は、搭乗したエレベータに設けられているビーコン発信部414から発信されたビーコン信号を受信すると、そのビーコン信号に含まれるエレベータIDと、端末20のユーザを示すユーザIDとを、サーバ10に送信する(ステップS2402)。
【0192】
サーバ10は、端末20から受信したエレベータIDが、そのユーザの端末20に搭乗を指示したエレベータであるかを確認する(ステップS2403)。ここでは、サーバ10は、ユーザが異なるエレベータに搭乗したことを確認したとする。
【0193】
すると、サーバ10は、ユーザが搭乗しているエレベータが対応するエレベータ制御部412に、端末20のユーザが指定した階数の情報を送信する(ステップS2404)。
【0194】
これを受けて、エレベータ制御部412は、受信した階数に停止するようにエレベータを制御する(ステップS2405)。
【0195】
なお、サーバ10は、ユーザが元々搭乗する予定であったエレベータに対して指示していた階数への停止を取り下げる指示を、その元々搭乗する予定であったエレベータに対応するエレベータ制御部412に送信してもよいし、しなくてもよい。
【0196】
また、ステップS2404において、サーバ10が指示するエレベータが既にその階に停止することが決まっていることを認識している(エレベータ制御部412から停止階の情報を獲得している)場合には、サーバ10は、エレベータ制御部412に対する指示を出さないこととしてもよい。
【0197】
なお、ここでは、ユーザが搭乗したエレベータを間違えた場合に、エレベータの方を制御する例を示したが、これは、サーバ10がユーザの端末20に搭乗しているエレベータが異なることを示す情報を通知するだけにとどめることとしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0198】
図25は、
図24に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。なお、
図25に示す処理は、ユーザが搭乗するエレベータの情報を端末20に送信し、かつ、エレベータに階数を指定した後に実行される処理を示している。また、端末20の動作については、単にビーコン信号を受信して、そのビーコン信号で示されるエレベータIDをサーバ10に送信するだけであるので、説明を省略する。
【0199】
図25に示すように、サーバ10の制御部11は、通信I/F14を介して、端末20からのエレベータIDとユーザIDとを含む信号を受信しているか否かを判断する(ステップS2501)。端末20からエレベータIDを受信していない場合には(ステップS2502のNO)、待機する。
【0200】
端末20からエレベータIDを受信している場合には(ステップS2501のYES)、受信したエレベータIDが、
図20のステップS2008において、端末20に対して搭乗を指示したエレベータであるか、即ち、搭乗を指示したエレベータのエレベータIDに一致するか否かを判定する(ステップS2502)。一致する場合には(ステップS2502のYES)、そのまま処理を終了する。
【0201】
一方で、受信したエレベータIDが、ユーザに搭乗を指示したエレベータのエレベータIDと一致しない場合には(ステップS2502のNO)、サーバ10の指示部113は、端末のユーザが指定した回数を示す階数情報を、ステップS2501において受信したエレベータIDで示されるエレベータを制御するエレベータ制御部412に、通信I/F14を介して送信し(ステップS2503)、処理を終了する。
【0202】
このように、通信システム1では、ユーザが搭乗すべきエレベータを間違えたとしても、ユーザが行きたい行先に停止するようにエレベータを制御することができる。
【0203】
<実施形態3の効果>
上記実施形態3に示すように、ユーザがエレベータに搭乗していない状態で止まりたい階数を指定した場合に、サーバ10は、端末20に対して、ユーザが搭乗するエレベータを指定する情報を送信する。そして、端末20は、搭乗するエレベータを示す情報を表示する。
これによって、ユーザは外からエレベータに対して行きたい階を指定することができるとともに、その階に止まるエレベータに搭乗することができる。
【0204】
また、端末20は、ユーザが搭乗したエレベータに搭載されているビーコン発信部414から発信されたビーコン信号を受信し、そのビーコン信号に含まれるエレベータIDをサーバ10に送信する。サーバ10は、受信したエレベータIDを確認することで、ユーザが指定したエレベータに搭乗しているかを確認することができる。そして、ユーザが間違ったエレベータに搭乗していることが確認できた場合には、ユーザが現在搭乗しているエレベータに対して、ユーザが止まりたい階に停止するように指示する。
これによって、仮にユーザが搭乗したエレベータが誤っていたとしてもユーザは目的の階に行くことができる。
【0205】
<変形例1>
図26に示すシーケンス図は、端末20に表示された広告情報を見たユーザが、その内容に興味を持った場合に、その広告情報に対するタッチ操作を行った場合のやり取りを示している。
【0206】
サーバ10は、端末20に広告情報を送信し、端末20は、受信した広告情報を表示する。
【0207】
これに対して、端末20は、ユーザから、表示した広告情報に対する入力を受け付ける(ステップS2601)。ここで、表示した広告情報に対する入力とは、限定ではなく一例として、広告情報に対するタッチ入力であってよいし、そうでなくてもよい。端末20は、表示している広告に対する入力があった場合には、入力の対象となっている広告情報を示す広告IDを、サーバ10に送信する(ステップS2602)。
【0208】
サーバ10は、広告IDを受信すると、その広告IDに対応するビルの階数を、広告管理情報300を参照して特定する(ステップS2603)。そして、指示部113は、特定した階数を示す階数情報を、通信I/F14を介して、ユーザが搭乗しているエレベータのエレベータ制御部412に送信する(ステップS2604)。
【0209】
エレベータ制御部412は、受信した階数情報で示される階数に対応するエレベータが停止するように制御を実行する(ステップS2605)。
【0210】
図27は、
図26に示すやり取りを実現するための端末20の動作例を示すフローチャートである。
【0211】
端末20の表示処理部212は、サーバ10から受信した広告情報で示される広告を、表示部24に表示する(ステップS2701)。
【0212】
表示された広告を見たユーザは、その広告で示される商品やサービスに興味を持った場合に、表示されている広告に対して、例えば、タッチ入力を行う。入出力部23は、ユーザから受け付けた入力を制御部21に送信する(ステップS2702)。
【0213】
制御部21は、入出力部23に対する入力位置と、表示処理部212が表示している画像の位置とに基づいて、ユーザがどの広告情報に対して入力を行ったのかを特定する(ステップS2703)。
【0214】
制御部21は、特定した広告情報の広告IDを、通信I/F22を介してサーバ10に送信する(ステップS2704)。
【0215】
なお、
図27には示していないが、端末20は、ユーザからの広告に対するタッチ入力に対して、広告を発行している企業等のホームページ等に案内したり、更なる詳細な広告情報をサーバ10から取得して表示したりするようにしてもよいし、そうしなくてもよい。また、端末20は、広告に対するタッチ入力に対して、タッチした広告に関連する特典情報、限定ではなく一例として、その商品やサービスを購入する際に料金が割り引かれるクーポン情報等を表示することとしてもよいし、しなくてもよい。
【0216】
図28は、
図26に示すやり取りを実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0217】
図28に示すように、サーバ10の通信I/F14は、端末20から広告IDを受信する(ステップS2801)。通信I/F14は、受信した広告IDを制御部11に送信する。
【0218】
制御部11は、端末20から広告IDを受信すると、広告管理情報300を参照して、その広告が、建築物の中のどの階の広告であるかを特定する。即ち、広告IDが対応する回数を特定する(ステップS2802)。
【0219】
そして、指示部113は、特定した階数を示す階数情報をユーザが搭乗しているエレベータを制御するエレベータ制御部412に、通信I/F14を介して、送信する(ステップS2803)。これにより、ユーザが興味を持った商品やサービス等を購入可能な階に案内することができる。
【0220】
図29は、端末20の表示部24の表示領域に表示される画面図の例である。
図29(a)は、表示された広告情報2900に対して、ユーザが興味を覚えてタッチする様子を示す図である。すると、端末20は、
図29(b)に示すように、広告情報に対応する階に行くかどうかを問い合わせるUI2910を表示してもよい。UI2910には、問合せの内容に対して肯定するためのボタン2911と、否定するためのボタン2912とが含まれてよい。この処理は、ステップS2602とS2603との間に実行することとしてもよいし、しなくてもよい。ここでは、ユーザが広告に関連する商品が販売されている階に行くことを決定し、ボタン2911にタッチする様子を示している。すると、
図29(c)に示すように、端末20は、広告に関連する階に行くこと、元々の行先を取り消すことを表示する(UI2920参照)こととしてよい。なお、
図29には、広告に対応する階に行くかどうかを問い合わせるUIを表示する例を示したが、これはその限りではなく、広告に対応する商品やサービスに関する詳細な広告を表示するようにしてもよいし、広告に対応する商品やサービスを提供する事業者のウェブサイト等にアクセスするように制御されてもよい。また、
図29(c)では、元々の行先として指定している階に対する指定の取り消しを行うことを示したが、サーバ10は、この指定を取り消さなくともよい。サーバ10は、ユーザが行先として指定していた階を、他のユーザが指定している場合や、ユーザが指定した階の広告を他のユーザが閲覧している場合などには、端末20のユーザが指定した階とは別の階で降りたとしても取り消さないように制御を行うこととしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0221】
<変形例1の効果>
上記変形例1に示すように、端末20は、表示した広告情報に対する入力を検出した場合に、その広告に関する情報をサーバ10に送信する。すると、サーバ10は、ユーザがその広告に関する商品やサービスに対する興味があると想定し、その広告が対応する階にエレベータが止まるように、エレベータ制御部412に指示を出す。
これによって、ユーザが現在興味があると推定される商品やサービスのある階に、ユーザからの更なる階の指定などの入力を受けることなく、ユーザを案内することができる。
【0222】
また、端末20は、ユーザがタッチした広告に関するクーポン情報を表示することとしてもよい。
これにより、ユーザに対して、ユーザにとって関心のある可能性がある商品やサービスの購入意欲を向上させることができる。
【0223】
<変形例2>
本変形例2では、端末20に対して、端末20のユーザにより指定された階とは関連のない広告情報を送信する場合のやり取りの例を示している。即ち、ユーザがエレベータに搭乗し、その搭乗しているエレベータの移動方向(上昇、下降)に応じた広告情報を、ユーザの端末20が表示する例を説明する。
図30は、このような制御を実現するためのサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0224】
図30に示すように、サーバ10の制御部11は、エレベータ制御部412から現在のエレベータが居る階の情報を取得する(ステップS3001)。
【0225】
また、制御部11は、エレベータの進行方向(移動方向)の情報も取得する。そして、エレベータの進行方向が上昇方向であるか否かを判定する(ステップS3002)。なお、この判定は、エレベータの進行方向が下降方向であるか否かの判定であってもよく、その場合には、下降方向である場合には以下に示すステップ3005の処理を実行し、下降方向でない場合にはステップS3003の処理を実行すればよい。
【0226】
エレベータの進行方向が上昇方向である場合には(ステップS3002のYES)、広告処理部114は、ステップS3001で取得した現在の階数よりも上の階の広告を広告管理情報300から特定する(ステップS3003)。一方、エレベータの進行方向が上昇方向でない場合、即ち、下降方向である場合には(ステップS3002のNO)、広告処理部114は、ステップS3001で取得した現在の階数よりも下の階の広告を広告管理情報から特定する(ステップS3005)。
【0227】
そして、広告処理部114は、特定した広告をエレベータに搭乗している端末20に、通信I/F14を介して、送信し(ステップS3004)、処理を終了する。
【0228】
なお、
図30に示す例では、単純に、進行方向の階の広告を特定する例を示したが、エレベータの進行方向に応じた広告の特定方法は、これに限定するものではない。限定ではなく一例として、上昇時には、端末20は、ユーザの目的の階に関する広告情報を表示し、下降時には、端末20は、その建築物の店舗がユーザに行かせたい階の広告であったり、下降途中の任意の階の広告を表示するように構成されてもよい。また、限定ではなく一例として、ユーザの端末20から階の指定がない場合であっても、エレベータの進行方向に応じた広告を表示することとしてよいし、そうしなくてもよい。
【0229】
<変形例2の効果>
上記変形例2に示すように、サーバ10は、エレベータの進行方向の階に関連する広告情報を端末20に送信して、端末20にその広告情報を表示させる。
したがって、ユーザの移動先となり得る階の広告をユーザに見せることで、対応する階に興味を持たせて、立ち寄らせることができる可能性を向上させることができる。
【0230】
<変形例3>
本変形例3では、ユーザが自身で指定した階にエレベータが到達するまでにエレベータから降りた場合の処理について説明する。
【0231】
図31は、サーバ10の動作例を示すフローチャートである。端末20は、ビーコン信号を受信している場合に、定期的(所在確認が可能な時間間隔として、限定ではなく一例として、0.5秒毎)にサーバ10に受信しているビーコン信号に基づくエレベータIDを送信する。
【0232】
サーバ10の制御部11は、エレベータがユーザの指定した階に到達したか否かを判定する(ステップS3101)。この判定は、例えば、エレベータ制御部412から、エレベータが存在する階の情報を取得することで実現することができる。エレベータがユーザの指定した階に到達していた場合には(ステップS3101のYES)、処理を終了する。
【0233】
エレベータが、ユーザの指定した階に到達していない場合には(ステップS3101のNO)、制御部11は、ユーザの端末20から、エレベータIDを受信しているか否かを判定する(ステップS3102)。この判定は、例えば、ユーザからユーザが搭乗していたエレベータのエレベータIDを受信しなくなってから、所定時間(限定ではなく一例として、2秒)が経過したかどうかにより判定することができる。エレベータIDを受信していた場合には(ステップS3102のYES)、ステップS3101の処理に戻る。
【0234】
ユーザの端末からエレベータIDを受信していない場合には(ステップS3102のNO)、制御部11は、ユーザが既にエレベータから降りたものと判断し、エレベータ制御部412に対して、ユーザが元々降りる予定であった階への停止を取り下げる指示を送信して(ステップS3103)、処理を終了する。
【0235】
<変形例3の効果>
サーバ10は、ユーザが指定した階に到達するまでに、ユーザの端末からエレベータIDを受信しなくなった場合には、ユーザがエレベータから降りたものとして、ユーザが下りる予定であった階への停止を取り下げる指示をエレベータ制御部412に送信する。
これによって、誰も降りる予定のない階にエレベータが止まるという無駄を省くことができる。
【0236】
<補足>
サーバ10は、更に、広告情報と、広告情報を配信する配信者とを対応付けた情報を保持し、ユーザの端末20に、広告情報を送信した場合に、その広告情報に対応する配信者に対して、課金を行う課金部を備えてもよい。また、その場合に、課金部は、送信した広告情報の数に応じた課金を行ってもよいし、そうでなくてもよい。また、課金部は、送信した広告情報の数に応じて課金額を変動させてもよいし、そうでなくてもよい。
【0237】
また、所定の時間範囲内(例えば、30秒以内)で、ユーザの端末20が複数の異なるビーコン発信部414からビーコン信号を受信した場合には、それらの中から一つのビーコン信号のエレベータIDを選択してサーバ10に送信することとしてもよいし、そうでなくてもよい。限定ではなく一例として、端末20は、複数のビーコン信号のうち、受信強度が最も高かったビーコン信号のエレベータIDを選択してサーバ10に送信することとしてよいし、そうしなくてもよい。
【0238】
また、端末20の通信I/F22は、複数の通信部から構成されてよく、限定ではなく一例として、ビーコン発信部414から発信されたビーコン信号を受信する第1通信部と、第1通信部が受信したビーコン信号に含まれるエレベータIDをサーバ10に送信する第2通信部とから構成されてもよい。そして、このとき、第1通信部及び第2通信部は、それぞれ同じ通信規格に従って通信を行ってもよいし、異なる通信規格に従って通信を行ってもよい。異なる通信規格に従って通信を行う場合には、複数の通信規格に対応することができる端末20を提供することができる。
【符号の説明】
【0239】
1 通信システム
10 サーバ
11 制御部
111 メッセージ処理部
113 指示部
114 広告処理部
12 入出力部
13 表示部
14 通信I/F(通信部)
15 記憶部
20 端末
21 制御部
211 メッセージ処理部
212 表示処理部
213 エレベータ指示部
22 通信I/F
23 入出力部
231 タッチパネル
232 マイク
233 スピーカ
234 カメラ
24 表示部(ディスプレイ)
25 位置情報取得部
28 記憶部
30 ネットワーク