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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20240509BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240509BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20240509BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20240509BHJP
【FI】
H04L67/02
G06F3/01 510
G06F16/9035
G06Q30/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020050260
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021149696
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】五味 秀仁
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0197789(US,A1)
【文献】国際公開第2019/009163(WO,A1)
【文献】特開2019-212039(JP,A)
【文献】国際公開第2015/122108(WO,A1)
【文献】特表2017-528834(JP,A)
【文献】特開2009-200784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06F 3/01
G06F 16/9035
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する取得部と、
前記検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する生成部と、
前記変更情報を利用者に提供する提供部と
を有し、
前記生成部は、
前記所定の検知装置の利用者に関する情報に基づいて、前記検知情報に基づくコンテキストが当該利用者に対して不適切であると推定される場合に、前記検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する
ことを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記所定の対象に関する検知結果の表示態様を変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記所定の対象に関する検知結果を前記検知情報から削除した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記所定の対象に関する検知結果を、当該所定の対象とは異なる対象を示す情報に変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが前記所定の条件を満たす場合は、当該対象に関する検知結果を変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが前記所定の検知装置の利用者に応じた条件を満たす場合は、前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の提供装置。
【請求項7】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の提供装置。
【請求項8】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが前記所定の設定者により設定された広告に関する条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の提供装置。
【請求項9】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが前記所定の設定者により設定されたエリアに関する条件を満たす場合は、前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の提供装置。
【請求項10】
前記生成部は、
前記所定の対象のコンテキストが前記所定の設定者により設定された期間に関する条件を満たす場合は、前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項7から9のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項11】
前記生成部は、
前記所定の対象が、前記所定の設定者により設定された条件を満たすコンテキストを有する広告である場合は、前記広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告を示す情報に変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項7から10のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項12】
前記生成部は、
前記広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告であって、前記所定の設定者により提供される広告を示す情報に変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項11に記載の提供装置。
【請求項13】
前記生成部は、
前記所定の検知装置に対する広告配信に関して入札を行った広告主のうち、入札結果に応じて決定される広告主により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が前記検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した前記変更情報を生成する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の提供装置。
【請求項14】
前記取得部は、
前記検知情報として、利用者の視界に含まれる対象を撮影した画像を取得し、
前記生成部は、
前記画像に所定の対象の像が含まれる場合は、当該像を変更した画像を前記変更情報として生成し、
前記提供部は、
前記利用者が装着する表示装置であって、当該利用者の視野内に画像を表示させる表示装置に、前記変更情報とした画像を表示対象として提供する
ことを特徴とする請求項1から13のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する提供方法であって、
所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する取得工程と、
前記検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する生成工程と、
前記変更情報を利用者に提供する提供工程と
を含み、
前記生成工程は、
前記所定の検知装置の利用者に関する情報に基づいて、前記検知情報に基づくコンテキストが当該利用者に対して不適切であると推定される場合に、前記検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する
ことを特徴とする提供方法。
【請求項16】
所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する取得手順と、
前記検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する生成手順と、
前記変更情報を利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ
前記生成手順は、
前記所定の検知装置の利用者に関する情報に基づいて、前記検知情報に基づくコンテキストが当該利用者に対して不適切であると推定される場合に、前記検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する
ことを特徴とする提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及および配信技術の向上により、インターネットを介して多様なコンテンツの閲覧が可能になっている。このようなコンテンツの一例として、拡張現実(AR:Augmented Reality)と呼ばれる技術が知られている。このようなARの技術においては、例えば、携帯端末装置によって撮影されている風景映像に広告を表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-159357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、適切な情報を利用者に提供しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した技術では、ユーザー情報や携帯端末装置の周辺環境情報に基づいて選択した広告を、風景映像内の所定の広告表示領域に表示しているに過ぎず、携帯端末装置に表示される風景映像に対して適切な情報を利用者に提供しているとは言えない場合がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な情報を利用者に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提供装置は、所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する取得部と、前記検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する生成部と、前記変更情報を利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、適切な情報を利用者に提供することできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るポリシ情報データベースの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理を説明する。図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、図1では、本願に係る提供装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る提供システム1は、情報提供装置10と、端末装置101と、端末装置102(以下、端末装置101及び端末装置102を「端末装置100」と総称する場合がある)とを含む。情報提供装置10及び端末装置100は、ネットワークN(例えば、図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図1に示した提供システム1には、複数台の情報提供装置10及び複数台の端末装置100が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報提供装置10は、提供処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、広告の入稿と、広告の提供の条件である各種コンテキストを示すポリシ情報の設定とを広告主から受け付け、ポリシ情報に基づいて対応する広告を利用者に提供する。なお、以下の説明において、ポリシ情報が示すコンテキストとは、広告を表示させる対象(言い換えると、広告枠)のコンテキスト(例えば、対象の位置や、対象が表示しているコンテンツの内容など)や、広告主が広告を閲覧させたい利用者のコンテキスト(例えば、位置情報や、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性など)などを示す。
【0014】
図1に示す端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置100は、利用者が装着する眼鏡型や耳装着型のウェアラブルデバイスであり、各種のセンサ(例えば、画像センサ(カメラ)や、音センサ(マイク)、GPS(Global Positioning System)センサ)により検知した検知情報を、自装置が有する出力部(例えば、ディスプレイやスピーカ)から出力する。また、端末装置100は、情報提供装置10から配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより出力する。なお、図1に示す例では、端末装置100が、利用者の視線の先(言い換えると、利用者の視界)を撮影するカメラを有する眼鏡型のウェアラブルデバイスであり、撮影した画像(動画像)をリアルタイムに利用者の視野内に表示するものとする。
【0015】
以下、図1を用いて、情報提供装置10が行う提供処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置101が利用者U1により利用され、端末装置102が利用者U2により利用される例を示す。また、以下の説明では、端末装置101を利用者U1と同一視し、端末装置102を利用者U2と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を端末装置101と読み替え、利用者U2を端末装置102と読み替えることもできる。
【0016】
また、以下の説明において、街中に設置されたデジタルサイネージOD1に店舗#Aに関する広告(以下、「広告#A」と記載する場合がある)が表示されているものとする。また、以下の説明において、情報提供装置10は、店舗#Bの管理者から、店舗#Bに関する広告(以下、「広告#B」と記載する場合がある)の入稿と、広告#Bのポリシ情報の設定とを受け付けたものとする。
【0017】
まず、端末装置101は、各種のセンサを用いて現実世界を検知する(ステップS1)。例えば、端末装置101は、デジタルサイネージOD1を含む画像(以下、「画像#1」と記載する場合がある)を、カメラを用いて撮影する。
【0018】
続いて、端末装置101は、センサを用いて検知した情報を示す検知情報を情報提供装置10に提供する(ステップS2)。例えば、端末装置101は、画像#1と、自装置が保持する利用者U1に関する情報(例えば、利用者U1を識別する識別子や、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性)とを検知情報#1として情報提供装置10に提供する。
【0019】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。ここで、図1の例において、広告#Bのポリシ情報が、広告を表示させる対象のコンテキストとして「店舗#Aに関する広告の表示」を示し、広告#Bを閲覧させたい利用者のコンテキストとして「10代の女性」を示すものとする。この場合、情報提供装置10は、任意の画像認識技術を用いて画像#1に店舗#Aに関する広告が含まれるか否かを判定すると共に、利用者U1に関する情報(若しくは、利用者U1に関する情報に基づいて情報提供装置10が収集した情報)に基づいて利用者U1が「10代の女性」であるか否かを判定する。なお、図1の例において、情報提供装置10は、利用者U1が「10代の女性」ではないと判定し、検知情報#1に基づくコンテキストが広告#Bのポリシ情報が示す条件を満たさないと判定したものとする。
【0020】
続いて、情報提供装置10は、AR画像を端末装置101に提供する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、画像#1と同一の内容を示すAR画像(画像AR1)を端末装置101に提供する。
【0021】
続いて、端末装置101は、検知した情報をそのまま表示する(ステップS5)。例えば、端末装置101は、画像#1と同一の内容を示す画像AR1を利用者U1に対して表示する。
【0022】
続いて、端末装置102は、端末装置101と同様に各種のセンサを用いて現実世界を検知する(ステップS6)。例えば、端末装置102は、デジタルサイネージOD1を含む画像(以下、「画像#2」と記載する場合がある)を、カメラを用いて撮影する。
【0023】
続いて、端末装置102は、センサを用いて検知した情報を示す検知情報を情報提供装置10に提供する(ステップS7)。例えば、端末装置102は、画像#2と、自装置が保持する利用者U2に関する情報(例えば、利用者U2を識別する識別子や、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性)とを検知情報#2として情報提供装置10に提供する。
【0024】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、任意の画像認識技術を用いて画像#2に店舗#Aに関する広告が含まれるか否かを判定すると共に、利用者U2に関する情報(若しくは、利用者U2に関する情報に基づいて情報提供装置10が収集した情報)に基づいて利用者U2が「10代の女性」であるか否かを判定する。なお、図1の例において、情報提供装置10は、画像#2に広告#Aが含まれ、且つ、利用者U2が「10代の女性」と判定し、検知情報#2に基づくコンテキストが広告#Bのポリシ情報が示す条件を満たすと判定したものとする。
【0025】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、対象を変更することでコンテキストを変更したAR画像を変更情報として生成する(ステップS9)。例えば、情報提供装置10は、画像#2に含まれるデジタルサイネージOD1が表示する広告#Aを広告#Bに変更することで、画像#2が示すコンテキスト(言い換えると、検知情報#2から構築される検知世界(センスドリアリティ))を変更したAR画像(画像AR2)を生成する。
【0026】
続いて、情報提供装置10は、AR画像を端末装置102に提供する(ステップS10)。例えば、情報提供装置10は、生成した画像AR2を端末装置102に提供する。
【0027】
続いて、端末装置102は、AR画像を表示する(ステップS11)。例えば、端末装置102は、画像AR2を利用者U2に対して表示する。
【0028】
なお、広告主により設定されるポリシ情報が示す条件は、図1の例で示したもの以外にも種々の条件が設定されてもよい。そこで、以下では、図1の例で示したものとは異なるポリシ情報が広告#Bに対して設定された場合の実施形態について説明する。
【0029】
以下の説明において、店舗#A(実店舗)の管理者は、店舗#Aの近傍に設置されたデジタルサイネージOD2、並びに、店舗#B(実店舗)の近傍に設置されたデジタルサイネージOD3において、広告#Aの表示を行っているものとする。
【0030】
まず、端末装置101は、各種のセンサを用いて現実世界を検知する。例えば、端末装置101は、店舗#Aと、店舗#Aの店先に設置されたデジタルサイネージOD2とを含む画像(以下、「画像#3」と記載する場合がある)を、カメラを用いて撮影する。
【0031】
続いて、端末装置101は、センサを用いて検知した情報を示す検知情報を情報提供装置10に提供する。例えば、端末装置101は、画像#3と、画像#3の撮影位置を示す位置情報とを検知情報#3として情報提供装置10に提供する。
【0032】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たすか否かを判定する。ここで、本説明において、広告#Bのポリシ情報が、広告を表示させる対象のコンテキストとして「店舗#Bから所定の範囲内(例えば、10メートル以内)で撮影された店舗#Aに関する広告」を示すものとする。この場合、情報提供装置10は、任意の画像認識技術を用いて画像#3に店舗#Aに関する広告が含まれるか否かを判定すると共に、画像#3の撮影位置が、店舗#Bから所定の範囲内であるか否かを判定する。なお、本説明において、情報提供装置10は、画像#3の撮影位置が店舗#Bから所定の範囲外と判定し、検知情報#3に基づくコンテキストが広告#Bのポリシ情報が示す条件を満たさないと判定したものとする。
【0033】
続いて、情報提供装置10は、AR画像を端末装置101に提供する。例えば、情報提供装置10は、画像#3と同一の内容を示すAR画像(画像AR3)を端末装置101に提供する。
【0034】
続いて、端末装置101は、検知した情報をそのまま表示する。例えば、端末装置100は、画像#3と同一の内容を示す画像AR3を利用者U1に対して表示する。
【0035】
続いて、端末装置101は、継続して各種のセンサを用いて現実世界を検知する。例えば、端末装置101は、利用者U1の移動に応じて、店舗#Bと、店舗#Bの店先に設置されたデジタルサイネージOD3とを含む画像(以下、「画像#4」と記載する場合がある)を、カメラを用いて撮影する。
【0036】
続いて、端末装置101は、センサを用いて検知した情報を示す検知情報を情報提供装置10に提供する。例えば、端末装置101は、画像#4と、画像#4の撮影位置を示す位置情報とを検知情報#4として情報提供装置10に提供する。
【0037】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、任意の画像認識技術を用いて画像#4に店舗#Aに関する広告が含まれるか否かを判定すると共に、画像#4の撮影位置が、店舗#Bから所定の範囲内であるか否かを判定する。なお、本説明において、情報提供装置10は、画像#4に広告#Aが含まれ、且つ、画像#4の撮影位置が店舗#Bから所定の範囲内と判定し、検知情報#4に基づくコンテキストが広告#Bのポリシ情報が示す条件を満たすと判定したものとする。
【0038】
続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、対象を変更することでコンテキストを変更したAR画像を変更情報として生成する。例えば、情報提供装置10は、画像#4に含まれるデジタルサイネージOD3が表示する広告#Aを広告#Bに変更することで、画像#4が示すコンテキストを変更したAR画像(画像AR4)を生成する。
【0039】
続いて、情報提供装置10は、AR画像を端末装置101に提供する。例えば、情報提供装置10は、生成した画像AR4を端末装置101に提供する。
【0040】
続いて、端末装置101は、AR画像を表示する。例えば、端末装置101は、画像AR4を利用者U1に対して表示する。
【0041】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、広告主が設定した条件を、端末装置100が撮影した検知情報に基づくコンテキストが満たす場合、当該検知情報に含まれる所定の対象に替えて広告主の広告を端末装置100に表示させる。これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、現実世界で表示内容が固定されている広告であっても、拡張現実においては、広告主が設定した条件に基づいて任意に表示内容を変更し、利用者に提供することができる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、広告主のポリシに対応した適切な情報を利用者に提供することできる。
【0042】
また、実施形態に係る情報提供装置10は、各種のセンサが検知した現実世界(リアリティ)の情報を検知情報として取得し、取得した検知情報から検知世界(センスドリアリティ)を構築する。そして、情報提供装置10は、検知世界に含まれる各種の対象(現実世界における対象と対応)のうち、所定の条件を満たす対象を消去、変更、若しくは、認識の容易性を低下させた減少世界(ディミニッシュドリアリティ)を各種の提供手段により利用者に提供する。この結果、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者が認知したくない、若しくは、利用者に認知させたくない情報を利用者の認知対象から除外することができる。
【0043】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、図2を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0044】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0045】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2に示すように、記憶部30は、ポリシ情報データベース31を有する。
【0046】
(ポリシ情報データベース31について)
ポリシ情報データベース31は、広告主から受け付けたポリシ情報を記憶する。ここで、図3を用いて、ポリシ情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係るポリシ情報データベースの一例を示す図である。図3の例において、ポリシ情報データベース31は、「ポリシID」、「コンテキスト条件」といった項目を有する。
【0047】
「ポリシID」は、ポリシ情報を識別するための識別情報を示す。「コンテキスト条件」は、広告の提供の条件である各種コンテキストを示し、「変更内容」、「対象条件」、「位置条件」、「時間条件」、「利用者条件」といった項目を有する。「変更内容」は、条件を満たす検知情報に対して行う変更処理の内容を示す。「対象条件」は、広告主が変更処理を行うことを希望する対象を示す。「位置条件」は、広告主が変更処理を行うことを希望する位置(エリア)を示す。「時間条件」は、広告主が変更処理を行うことを希望する時間(期間)を示す。「利用者条件」は、広告主が広告の提供対象とする利用者を示す。
【0048】
すなわち、図3では、ポリシID「P1」によって識別されるポリシ情報のコンテキスト条件が、変更内容「削除」、対象条件「店舗#Aの広告」、位置条件「店舗#Bから10メートル以内」、時間条件「10時~17時」、利用者条件「20代男性」である例を示す。
【0049】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図2に示すように、取得部41と、生成部42と、提供部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0050】
(取得部41について)
取得部41は、所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部41は、利用者U1が利用する端末装置100が、各種のセンサを用いて検知した情報に基づく検知情報を取得する。
【0051】
また、取得部41は、検知情報として、利用者の視界に含まれる対象を撮影した画像を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、利用者の視線の先を撮影するカメラにより撮影した画像を、端末装置100から取得する。
【0052】
(生成部42について)
生成部42は、検知情報に所定の対象に関する検知結果が含まれる場合は、当該検知情報のうち当該所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。すなわち、生成部42は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、公序良俗に反する対象に関する検知結果が含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。
【0053】
また、生成部42は、所定の対象に関する検知結果の表示態様を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、検知情報として画像が取得された場合、所定の対象をモザイク加工した画像や、所定の対象の輪郭のみを表示する画像などを変更情報として生成する。すなわち、生成部42は、所定の対象を曖昧化させた変更情報を生成する。なお、生成部42は、所定の対象を強調表示させた変更情報を生成してもよい。
【0054】
また、生成部42は、所定の対象に関する検知結果を検知情報から削除した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、検知情報として画像が取得された場合、対象を削除した画像を変更情報として生成する。
【0055】
また、生成部42は、所定の対象に関する検知結果を、当該所定の対象とは異なる対象を示す情報に変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、所定の対象を、当該所定の対象とは異なる対象に関するコンテンツに変更した変更情報を生成する。
【0056】
また、生成部42は、所定の設定者により設定された条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、ポリシ情報データベース31を参照し、広告主が設定したポリシ情報が示す条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該対象に関する検知結果を当該ポリシ情報が示す変更内容に基づいて変更した変更情報を生成する。
【0057】
また、生成部42は、所定の設定者により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された広告に関する条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、端末装置100から取得された画像に店舗#Aに関する広告が含まれる場合は、当該画像のうち当該広告を変更した変更情報を生成する。
【0058】
また、生成部42は、所定の設定者により設定されたエリアにおいて取得された検知情報に広告に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定されたエリアに関する条件を満たす場合は、変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、ポリシ情報の位置条件が示すエリアにおいて端末装置100から取得された検知情報に、当該ポリシ情報の対象条件が示す対象に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成する。具体的な例を挙げると、図1の例において、生成部42は、端末装置100から取得された画像に広告#Aが含まれ、且つ、当該画像の撮影位置が店舗#Bから所定の範囲内と判定し、当該画像に広告#Bのポリシ情報が示す条件を満たす対象が検知されていると判定した場合は、変更情報を生成する。
【0059】
また、生成部42は、所定の設定者により設定された期間において取得された検知情報に広告に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された期間に関する条件を満たす場合は、変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、ポリシ情報の時間条件が示す期間において端末装置100から取得された検知情報に、当該ポリシ情報の対象条件が示す対象に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成する。
【0060】
なお、生成部42は、所定の利用者の検知装置により取得された検知情報に、所定の設定者により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、ポリシ情報の利用者条件に対応する利用者の端末装置100から取得された検知情報に、当該ポリシ情報の対象条件が示す対象に関する検知結果が含まれる場合は、変更情報を生成する。
【0061】
また、生成部42は、広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告を示す情報に変更した変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象が、所定の設定者により設定された条件を満たすコンテキストを有する広告である場合は、広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告を示す情報に変更した変更情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、画像#2に含まれる広告#Aを、広告#Aとは異なる広告に変更した画像AR2を生成する。
【0062】
また、生成部42は、広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告であって、所定の設定者により提供される広告を示す情報に変更した変更情報を生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、画像#2に含まれる広告#Aを、ポリシ情報を設定した店舗#Bの管理者により提供される広告#Bに変更した画像AR2を生成する。
【0063】
また、生成部42は、所定の検知装置に対する広告配信に関して入札を行った広告主のうち、入札結果に応じて決定される広告主により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、端末装置100に対する広告配信に関して入札を行った広告主のうち、最も高い金額で入札を行った広告主が設定したポリシ情報に基づいて、検知情報に含まれる広告に関する検知結果を変更し、変更情報を生成する。言い換えると、生成部42は、複数の広告主がそれぞれ設定した条件を満たす広告に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、複数の広告主のうち、端末装置100に対する広告配信に関して最も高い金額で入札を行った広告主が設定した条件(ポリシ情報)に基づいて、当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。
【0064】
また、生成部42は、画像に所定の対象の像が含まれる場合は、当該像を変更した画像を変更情報として生成してもよい。例えば、図1の例において、生成部42は、端末装置100から取得された画像に広告#Aが含まれる場合は、広告#Aを変更したAR画像を生成する。
【0065】
ここで、広告以外にも、利用者に提供したくない各種情報を変更したいといった要望が考えられる。したがって、生成部42は、所定の条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、検知情報が取得された位置に対応する条件を満たす対象に関する検知結果が含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。具体的な例を挙げると、生成部42は、検知情報が取得された位置において、当該位置に対応する自治体が定めた制度や条例などに反する対象に関する検知結果が含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。
【0066】
また、生成部42は、所定の検知装置の利用者に応じた条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、変更情報を生成してもよい。すなわち、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の検知装置の利用者に応じた条件を満たす場合は、変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、端末装置100の利用者のデモグラフィック属性や、サイコグラフィック属性に応じた条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、変更情報を生成する。具体的な例を挙げると、生成部42は、利用者の苦手なものや嫌いなものを示す対象(例えば、アレルギーの対象や、各種恐怖症の対象など)に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、変更情報を生成する。また、生成部42は、利用者の年齢に基づいて不適切と推定される対象(例えば、利用者の年齢より上の年齢のレイティングが設定されたコンテンツ(映画等)や、青少年保護育成条例に違反する対象など)に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、変更情報を生成する。
【0067】
(提供部43について)
提供部43は、変更情報を利用者に提供する。例えば、提供部43は、検知情報に含まれる検知結果を変更した変更情報を、当該検知情報に替えて利用者に提供する。
【0068】
また、提供部43は、利用者が装着する表示装置であって、当該利用者の視野内に画像を表示させる表示装置に、変更情報とした画像を表示対象として提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、利用者が装着する眼鏡型のウェアラブルデバイスである端末装置100にAR画像を提供する。
【0069】
〔3.提供処理のフロー〕
図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図4に示すように、情報提供装置10は、検知装置が検知した検知情報を取得する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。所定の条件を満たす場合(ステップS102;Yes)、情報提供装置10は、所定の条件を満たす対象を変更した変更情報を生成する(ステップS103)。続いて、情報提供装置10は、生成した変更情報を、検知装置を利用する利用者に提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0071】
一方、所定の条件を満たさない場合(ステップS102;No)、情報提供装置10は、検知情報をそのまま利用者に提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0072】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0073】
〔4-1.変更の対象について〕
上述の実施形態において、生成部42が、所定の設定者により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成する例を示したが、生成部42の機能はこのような例に限定されない。例えば、生成部42は、設定された条件を満たす広告と所定の関連性を有する情報が検知情報に含まれる場合に、当該検知情報のうち当該情報を変更した変更情報を生成してもよい。具体的な例を挙げると、生成部42は、検知情報のうち、所定の設定者により設定された条件を満たす広告が示す情報(例えば、商品名や、商品画像など)や、当該広告と同一の広告主により提供される情報、当該広告主の名称などを変更した変更情報を生成する。
【0074】
〔4-2.変更の対象が表示される媒体について〕
上述の実施形態において、生成部42が、検知情報のうち、デジタルサイネージに表示された広告(デジタルコンテンツ)を変更した変更情報を生成する例を示したが、生成部42の機能はこのような例に限定されず、各種の媒体に表示された各種の情報を変更し、変更情報を生成してもよい。例えば、生成部42は、看板や、のぼり旗、建築物、移動体(車両等)などの各種の媒体に表示された情報を変更し、変更情報を生成してもよい。
【0075】
〔4-3.検知情報について〕
上述の実施形態において、生成部42が、端末装置100により検知された画像に所定の対象に関する検知結果が含まれる場合は、当該画像のうち当該所定の対象に関する検知結果を変更した画像を変更情報として生成する例を示したが、生成部42の機能はこのような例に限定されない。例えば、生成部42は、端末装置100により検知された検知情報に含まれる音声を変更し、変更情報を生成してもよい。具体的な例を挙げると、生成部42は、広告主により設定された条件を満たす音声(例えば、他の広告主の広告に関する音声)に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該音声に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。より具体的な例を挙げると、生成部42は、対象の音声の低減(ノイズキャンセリング)を行った変更情報や、対象の音声に替えて広告主により設定された音声を合成した変更情報などを生成する。
【0076】
〔4-4.変更情報について〕
上述の実施形態において、生成部42が、広告主により設定された条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する例を示したが、生成部42の機能はこのような例に限定されない。例えば、生成部42は、広告主により設定された条件を満たす対象に関する検知結果が検知情報に含まれる場合であっても、当該検知結果を変更しなくともよい。具体的な例を挙げると、端末装置100により検知された検知情報に含まれる広告の広告主(以下、「広告主#1」と記載する場合がある)と、当該広告の変更を希望する広告主(以下、「広告主#2」と記載する場合がある)とが、端末装置100に対する広告配信に関して入札を行い、広告主#1の入札額の方が高い場合、生成部42は、変更情報を生成しない。すなわち、端末装置100には、検知した情報がそのまま表示される。一方、広告主#2の入札額の方が高い場合、生成部42は、広告主#2が設定したポリシ情報に基づいて、検知情報のうち広告主#1の広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。
【0077】
〔4-5.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0078】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0079】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0080】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、生成部42と、提供部43とを有する。取得部41は、所定の検知装置により検知された情報に基づく検知情報を取得する。また、取得部41は、検知情報として、利用者の視界に含まれる対象を撮影した画像を取得する。生成部42は、検知情報に基づくコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該検知情報のうち所定の対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、画像に所定の対象の像が含まれる場合は、当該像を変更した画像を変更情報として生成する。提供部43は、変更情報を利用者に提供する。また、提供部43は、利用者が装着する表示装置であって、当該利用者の視野内に画像を表示させる表示装置に、変更情報とした画像を表示対象として提供する。
【0081】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、現実世界で表示内容が固定されている広告であっても、拡張現実においては、広告主が設定した条件に基づいて任意に表示内容を変更し、利用者に提供することができるため、広告主のポリシに対応した適切な情報を利用者に提供することできる。
【0082】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、生成部42は、所定の対象に関する検知結果の表示態様を変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象に関する検知結果を検知情報から削除した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象に関する検知結果を、当該所定の対象とは異なる対象を示す情報に変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の条件を満たす場合は、当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象が、前記所定の設定者により設定された条件を満たすコンテキストを有する広告である場合は、広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告を示す情報に変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、広告に関する検知結果を、当該広告とは異なる広告であって、所定の設定者により提供される広告を示す情報に変更した変更情報を生成する。
【0083】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各種の態様で条件を満たす対象を変更し、利用者に提供することができるため、広告主のポリシに対応した適切な情報を利用者に提供することできる。
【0084】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の検知装置の利用者に応じた条件を満たす場合は、変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された広告に関する条件を満たす場合は、当該検知情報のうち当該対象に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定されたエリアに関する条件を満たす場合は、変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の対象のコンテキストが所定の設定者により設定された期間に関する条件を満たす場合は、変更情報を生成する。また、生成部42は、所定の検知装置に対する広告配信に関して入札を行った広告主のうち、入札結果に応じて決定される広告主により設定された条件を満たす広告に関する検知結果が検知情報に含まれる場合は、当該検知情報のうち当該広告に関する検知結果を変更した変更情報を生成する。
【0085】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各種の条件に応じた対象を特定し、変更した情報利用者に提供することができるため、広告主のポリシに対応した適切な情報を利用者に提供することできる。
【0086】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図5は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0087】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0088】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0089】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0090】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0091】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0092】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0093】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0094】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0095】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 ポリシ情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 生成部
43 提供部
100 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5