(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/50 20140101AFI20240509BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240509BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240509BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240509BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A63F13/50
A63F13/65
A63F13/45
A63F13/54
G06F3/16 530
G06F3/16 620
(21)【出願番号】P 2020057860
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】田岡 次郎
【審査官】目黒 大地
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108429(JP,A)
【文献】特開2019-177090(JP,A)
【文献】特開2018-000623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置において実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記端末装置を、
前記端末装置を所有するユーザが所定の移動手段を利用して前記端末装置を移動させることによりゲームを進行可能とする手段と、
ユーザに対する情報を、
前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中以外の非特定モードにおいては前記端末装置が備える表示部を用いて報知する一方、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中の特定モードにおいては前
記表示部
を用いることなく当該表示部以外の出力部を用いて報知する手段と、して機能させる、プログラム。
【請求項2】
前記出力部は、音を出力する出力部であり、
前記報知する手段は、前記特定モードにおいて、ユーザに対する情報に応じた音を前記出力部から出力することにより報知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ユーザに対する情報は、前記ゲームの進捗状況を特定可能な情報を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲームを進行可能とする手段は、前記特定モード中の前記端末装置の移動に応じて権利を当該特定モード中において付与し、
前記プログラムは、前記端末装置を、
前記特定モードを終了したときに権利が付与されていることにより、前記ゲームにおけるユーザの有利度合いを当該権利に応じて高めることを可能とする手段と、して機能させる、請求項1~請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記報知する手段は、前記特定モード中において所定の地図上における前記端末装置の位置から所定範囲内に他のユーザが所有する端末装置が存在することに応じて音を出力する、請求項1~請求項4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の移動手段とは異なる移動手段に対応する所定モードが設けられており、
前記プログラムは、前記端末装置を、
ユーザからの入力を受け付けることにより前記特定モードおよび前記所定モードを含む複数種類のモードのうちのいずれかに移行する手段と、して機能させ、
前記報知する手段は、移行されているモード中においては当該モードの種類に応じた音を出力する、請求項1~請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記移行する手段は、前記特定モードに移行させるための入力を、前記特定モードでないときであって前記端末装置の位置が停滞状態であるときに受け付け可能とし、前記特定モードでないときであっても前記停滞状態でないときには受け付けない、請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ユーザが所持するスマートフォン等の端末装置の位置情報を利用したゲームが知られている。例えば、特許文献1には、プレーヤの位置情報に基づいてプレーヤの移動距離を判定し、その結果をゲームに反映することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の位置情報ゲームは、徒歩で移動することを想定しており、所定の入力操作を受け付けながらゲームを進行させるものである。しかしながら、車などの移動手段を利用して移動することによっても、すべての移動距離が反映されるものではないが、ゲームを行うことができてしまう。この場合、例えば、ユーザに対して運転しながらゲーム画面をわき見させてしまう、いわゆる、ながら運転を助長してしまう虞があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ユーザへの報知態様をユーザが利用する移動手段に適した態様に切り替えてユーザの安全性を向上させる、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、端末装置において実行されるプログラムであって、プログラムは、端末装置を、端末装置を所有するユーザが所定の移動手段を利用して端末装置を移動させることによりゲームを進行可能とする手段と、ユーザに対する情報を、所定の移動手段を利用して端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中の特定モードにおいては端末装置が備える表示部以外の出力部を用いて報知する手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザへの報知態様をユーザが利用する移動手段に適した態様に切り替えてユーザの安全性を向上させる
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】端末装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】(A)~(F)は位置情報ゲーム中において表示部に表示される表示画面の一例を示す図であり、(F)は位置情報ゲームで付与されたゲーム媒体が対戦ゲームにおいて奏する効果について示した一例を示す図である。
【
図5】位置情報ゲーム関連処理のフローチャートを説明するための図である。
【
図6】位置情報ゲーム関連処理のフローチャートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数の端末装置100と、サーバ200とを含む。各端末装置100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0011】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0012】
端末装置100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。端末装置(ユーザ端末ともいう)100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。端末装置100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、表示部15と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。端末装置100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、端末装置100は、表示部15に代えて、または、加えて、端末装置100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0013】
また、
図1に示すように、端末装置100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、端末装置100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値を端末装置100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値を端末装置100へ送信する。
【0014】
なお、端末装置100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0015】
端末装置100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、端末装置100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0016】
端末装置100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台の端末装置100でマルチプレイを実現することができる。また、各端末装置100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台の端末装置100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台の端末装置100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、端末装置100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数の端末装置100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数の端末装置100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0017】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、端末装置100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0018】
また、コントローラ1020は、端末装置100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、端末装置100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線により端末装置100とコントローラ1020とが結合している場合は、端末装置100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0019】
図1に示すように、端末装置100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、端末装置100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0020】
端末装置100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムを端末装置100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0021】
以上で説明したとおり、端末装置100は、該端末装置100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、表示部15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0022】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、端末装置100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、端末装置100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0023】
あるいは、操作部が表示部15で構成される場合、端末装置100は、表示部15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、端末装置100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0024】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、端末装置100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0025】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを端末装置100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、端末装置100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数の端末装置100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、端末装置100とサーバ200との間または複数の端末装置100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0028】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0029】
通信IF13は、端末装置100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0030】
入出力IF14は、端末装置100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、また端末装置100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、端末装置100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0031】
端末装置100の表示部15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0032】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0033】
図示していないが、端末装置100は、該端末装置100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。端末装置100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力から端末装置100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、端末装置100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、端末装置100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、端末装置100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0034】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0035】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0036】
ここで、端末装置100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、端末装置100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、端末装置100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0037】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、端末装置100の近傍の物体1010(ユーザの手など)と端末装置100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手が端末装置100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手が端末装置100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、端末装置100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0038】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手を端末装置100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。端末装置100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、表示部15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、端末装置100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、端末装置100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、端末装置100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0039】
<ゲームシステム1の機能的構成>
(サーバ200の機能的構成)
図2は、サーバ200の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200は、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを、各端末装置100に提供する機能を有する。サーバ200は、各端末装置100からゲームに関するデータを収集し管理する機能を有する。サーバ200は、複数の端末装置100間の同期処理を行う機能を有する。
【0040】
なお、本実施形態では、サーバ200は事前に登録されたゲームのアカウントで各ユーザおよび端末装置100を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置100またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に従って、ユーザのアカウントの登録に必要な情報をサーバ200に送信すればよい。そして、サーバ200は、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存すればよい。
【0041】
端末装置100がいずれかのアカウントを用いてゲームシステム1のネットワーク2にログインすると、サーバ200はログインした端末装置100を認識する。なお、ログインの方法およびログインに係る処理については特に限定しない。サーバ200および端末装置100は、従来知られたログインの方法およびログインに係る各種処理を行えばよい。
【0042】
サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0043】
記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。記憶部220はゲームプログラム221と、ゲーム情報222と、ユーザ情報223とを格納している。
【0044】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、ゲームプログラム221が実行されるときに参照されるデータである。
【0045】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ200側で実行するゲームプログラムに加えて、端末装置100に送信し端末装置100側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含んでいてもよい。もしくは、記憶部220は、サーバ200側で実行するゲームプログラム221と、端末装置側で実行するプログラムとの両方を格納していてもよい。
【0046】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば各種ゲーム空間を規定するための情報を含み得る。「ゲーム空間」とは、ユーザが操作可能な操作キャラクタのオブジェクトが配置される空間である。ゲーム情報222は、ゲーム空間内に配置される木・岩・建物等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置、大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含み得る。ゲーム情報222は、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値を含み得る。ゲーム情報222はクエストに係る情報を含み得る。ゲーム情報222は、ゲーム空間内において行われる抽選の当選確率に関する情報を含み得る。クエストとは、達成条件が設定されたゲーム内のイベントである。クエスト毎に、達成条件が設定されていてもよい。なお、クエストには達成条件に加え失敗条件が設定されていてもよい。また、以下では、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」と呼称する場合がある。
【0047】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウント毎に管理される情報である。ユーザ情報223は例えば、操作可能なキャラクタ(以下、操作キャラクタと称する)に関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含み得る。ここで、保有資産の例としては、例えばゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品などが挙げられる。
【0048】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、ゲームプログラム221を実行することにより、送受信部211、データ管理部213、およびサーバ処理部212として機能する。
【0049】
送受信部211は各種データを送受信する。例えば、送受信部211は、端末装置100からの各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期の要求および同期のためのデータ等を受信し、サーバ処理部212に送る。例えば、送受信部211は、サーバ処理部212からの指示に従って、端末装置100に各種データおよびプログラムを送信する。
【0050】
本実施形態において「マルチプレイ機能」とは、複数のアカウントにおけるゲームの進行を同期させた状態でゲームを進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ200および端末装置100は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが複数存在する場合には、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を行う。
【0051】
サーバ処理部212は、ゲーム進行に係る各種判定処理を行う。サーバ処理部212は、ゲームを提供するために必要な演算処理を行う。サーバ処理部212は、端末装置100からの要求等に応じて、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行する。
【0052】
例えば、サーバ処理部212は、データ管理部213にゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新、または削除を指示する。例えば、サーバ処理部212は送受信部211に各種データまたはプログラムの送信を指示する。例えば、サーバ処理部212は、送受信部211を介し端末装置100からマルチプレイ機能に対応するための同期の要求および同期のためのデータを受け取ると、同期処理部214にマルチプレイ機能に対応するための同期処理を行うよう指示する。
【0053】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。例えば、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指示に応じてゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新、または削除する。
【0054】
例えば、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指示に従って、ゲーム情報222およびユーザ情報223の少なくとも一方を記憶部220から読み出し、送受信部211を介し端末装置100に送信する。
【0055】
例えば、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指示に従って、ゲームプログラム221のうち、端末装置100側で実行する分のプログラムを記憶部220から読み出し、送受信部211を介し端末装置100に送信する。
【0056】
同期処理部214は、サーバ処理部212の指示に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を行う。同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置100から受信する何らかの情報を、他の端末装置100に送信することで端末装置間の同期を行う。同期処理部214はサーバ200から複数の端末装置100に何らかの情報を送信する場合も、各端末装置100に同期して情報を送信する。なお、同期処理部214は、同期のタイミングや同期すべき情報等をサーバ処理部212から受信すればよい。これにより、例えばある端末装置100において行われた入力操作によって引き起こされるゲーム内の作用が、他の端末装置100において同期されて示される。
【0057】
制御部210は、図示していないが、その他の構成として例えば、距離判定部、付与判定部、および、ゲーム媒体付与部などを含む。距離判定部は、端末装置100の現実世界における移動距離を判定する。例えば、距離判定部は、端末装置100の位置情報に基づいて端末装置100の現実世界における移動距離を判定(特定)する機能を有する。判定(特定)した移動距離は、送受信部211を介し端末装置100に送信する。また、距離判定部は、端末装置100の移動速度を判定(特定)する機能を有していてもよい。なお、移動距離および移動速度の判定は、端末装置100側で実行してもよい。
【0058】
付与判定部は、端末装置100からのゲーム進行処理部111による処理情報に基づいて、ユーザにゲーム媒体を獲得する権利を付与するか否かを判定する機能を有する。例えば、端末装置100から送信されたゲーム進行処理部111により判定処理された情報に基づいて、付与判定部は、権利をユーザに付与するか否かを判定する。
【0059】
ゲーム媒体付与部は、端末装置100の現実世界における移動距離に応じてゲーム媒体をユーザに付与する機能を有する。送受信部211は、ユーザに付与可能なゲーム媒体に関する情報を端末装置100に送信する機能を有する。ゲーム媒体付与部は、端末装置100の現実世界における移動距離や付与判定部が権利をユーザに付与すると判定した場合などに基づいて、ゲーム媒体をユーザに付与可能とする機能を有する。
【0060】
(端末装置100の機能的構成)
図3は、端末装置100の機能的構成を示すブロック図である。端末装置100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。端末装置100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0061】
通信IF13は、端末装置100に備えられたGPS(Global Positioning System)センサや、無線ネットワークシステムなどからの情報を利用して、特定した現実世界の位置情報をサーバ200に送信する。
【0062】
記憶部120は、ゲームプログラム121と、ゲーム情報122と、ユーザ情報123とを格納する。ゲームプログラム121は、端末装置100側で実行するゲームプログラムである。ゲーム情報122は、制御部110がゲームプログラム121を実行する際に参照するデータであって、サーバ200のゲーム情報222と同様の情報を含んでいる。ユーザ情報123は、端末装置100のユーザのアカウントに関するデータであって、サーバ200のユーザ情報223と同様の情報を含んでいる。
【0063】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲーム情報122に記憶された、ゲーム空間を規定するための情報を参照してゲーム空間を規定する。制御部110は、各種データを送受信する。例えば、制御部110はサーバ200から各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を受信する。例えば、制御部110は、ゲーム情報122またはユーザ情報123の一部または全部や、マルチプレイ機能に対応するための同期の要求をサーバ200に送信する。
【0064】
制御部110は、ゲームプログラム121の記述に応じて、ゲーム進行処理部111、入力操作受付部112、カメラ配置制御部113、表示制御部114、およびオブジェクト制御部115として機能する。
【0065】
入力操作受付部112は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。入力操作受付部112は、表示部15およびその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
【0066】
例えば、入力操作受付部112は、入力部151に対する入力操作がなされた場合、入力位置の座標および操作の種類を検知する。例えば、入力操作受付部112は、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を検知する。入力操作受付部112は、連続して検知されていた入力が途切れると、表示部15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0067】
ゲーム進行処理部111は、ゲームの進行に係る各種処理を行う。例えば、ゲーム進行処理部111は、入力操作受付部112が受け付けた入力操作の入力位置の座標と操作の種類とから示されるユーザの指示内容を解釈する。例えば、ゲーム進行処理部111は、ゲーム情報122またはユーザ情報123の追加、更新、または削除を行う。例えば、ゲーム進行処理部111は、ゲームの進行に係る各種判定処理を行う。
【0068】
カメラ配置制御部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。カメラ配置制御部113は、仮想カメラのゲーム空間内での位置および向きを規定することにより、仮想カメラをゲーム空間に仮想的に配置する。さらに、カメラ配置制御部113は、仮想カメラで規定される視野領域および当該視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を作成するよう、表示制御部114に指示する。
【0069】
なお、カメラ配置制御部113は、仮想カメラの位置および向きを、ゲーム空間毎に適宜決定してよい。例えば、カメラ配置制御部113は特定のオブジェクトの位置や向きを基準として、当該オブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に写るように、当該オブジェクトから一定の方向、距離、および角度で仮想カメラを配置してもよい。特定のオブジェクトとは、例えば端末装置100で操作キャラクタのオブジェクトであってもよいし、ノンプレイヤキャラクタ等他のキャラクタを示す動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石などを示す静的なオブジェクトであってもよい。ここで、ゲーム空間における動的なオブジェクトには、ゲームプログラム121および221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタなど)とユーザによる操作に基づいて動作する操作キャラクタとが含まれる。
【0070】
表示制御部114は、表示部152に画像を表示させる。例えば、表示制御部114は、ゲーム空間のうち、カメラ配置制御部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、当該領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部152に表示させる。さらに、表示制御部114は、このような画像に、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(user interface)に係るオブジェクトを重畳して描画してもよい。
【0071】
オブジェクト制御部115は、ゲーム情報122に含まれる、オブジェクトの設定情報に基づきゲーム空間にオブジェクトを配置する。オブジェクト制御部115は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。例えば、オブジェクト制御部115は、オブジェクトのゲーム空間内での位置、向き、形状、色等を変更したり、オブジェクトに所定の一連の動作を行わせたりする。
【0072】
なお、ゲームシステム1は、端末装置100が備える機能の少なくとも一部をサーバ200が備えるように構成されていてもよい。ゲームシステム1は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を端末装置100が備えるように構成されていてもよい。さらに、端末装置100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該ハードウェアにゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラム121および221を実行するコンピュータは、端末装置100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよい。
【0073】
<ゲーム概要>
本実施形態に係るゲームシステム1が実行するゲーム(以下、本ゲーム)は、位置情報ゲームと、位置情報ゲームとは異なる他のゲーム(例えば対戦ゲームなど)とを含む。本ゲームは、位置情報ゲームによる報酬として付与されたゲーム媒体等を、位置情報ゲームや他のゲームにおいて使用することにより、本ゲームにおけるユーザの有利度合いを高めるものである。
【0074】
本実施形態の位置情報ゲームにおいては、端末装置を所有するユーザは、近距離、長距離を問わず移動距離に応じてゲーム媒体を獲得することができる。しかし、位置情報ゲームでは、ユーザが徒歩では到達までに相当な時間を要するために躊躇するような長距離の移動を達成することにより、近距離の移動を達成させたときに比べてユーザの有利度合い(ゲーム内価値)の高いゲーム媒体をユーザに付与可能である。これにより、ゲーム進行のために長距離移動することに対するユーザのモチベーションを向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態の位置情報ゲームでは、移動手段に応じたモードが複数種類設けられており、車などユーザ自身が運転を行う移動手段を利用して位置情報ゲームを進行させるための特定モードも設けられている。ユーザの操作に応じて特定モードが設定されているときには、車などで移動した場合であっても、当該移動による移動距離がすべてゲーム結果に反映される。また、特定モードを設定しているときには、ユーザの操作を要することなくゲームを進行可能とする構成を採用している。さらに、特定モードを設定しているときには、ゲームの進行等に応じてユーザに対して報知すべき情報を表示部以外の出力部(具体的には、スピーカ)を用いて報知する構成を採用している。これにより、本ゲームにおける特定モード中においては、ユーザがゲーム画面を確認する必要がない。その結果、車などの移動手段を利用して位置情報ゲームを行う場合であっても、わき見を防止でき安全性を低下させてしまうことを防止できる。所定の移動手段を利用して長距離移動する場合であっても、ユーザ自身が運転を行う車などを利用する特定モードを設定して位置情報ゲームを進行させたときには、車以外の移動手段を利用する他のモードを設定して位置情報ゲームを進行させたときよりも、ユーザにとって有利度合いの高いゲーム媒体(例えば、希少度の高いキャラクタ、オブジェクト又はアイテム、その他に依頼書など)などが付与される。そのため、特定モードを設定して位置情報ゲームを進行することに対するユーザのモチベーションを向上させることができる。
【0076】
「所定の移動手段」とは、乗物であって、例えば、ユーザ自身が運転を行う自転車、車の他、電車、飛行機、船等が挙げられるが、人の歩行速度より速い速度で移動できるものであれば、特にこれに限定されるものではない。「有利度合いを高める」とは、上記したゲーム媒体以外に、ゲーム内仮想通貨や、飛行船や、気球といった特別なゲーム内移動手段の取得、キャラクタやオブジェクトのレベルを上げる経験値などのゲーム媒体の付与や、特殊なステージやイベントへ進む(プレイ可能にする)ための条件を満たすなど、当該ゲームの進行を有利にすることができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0077】
一方、位置情報ゲーム以外の他のゲームの一例としては、対戦ゲームなどが挙げられる。対戦ゲームとしては、例えば、ユーザによって操作される操作キャラクタ(以下プレイヤキャラクタ(player character:PC))と、ゲームプログラムに従って動作するノンプレイヤキャラクタとを仮想空間に登場させ、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタとの対戦を行わせるとともに、プレイヤキャラクタを成長させてゲームストーリーを進行させるゲームである。なお、対戦相手は、ノンプレイヤキャラクタに限らず、他のユーザによって操作されるプレイヤキャラクタであってもよい。
【0078】
位置情報ゲームおよび対戦ゲームなどの他のゲームは、各々、種類が異なるゲームである。しかし、位置情報ゲームにおいて付与されたゲーム媒体(例えば、希少度の高いキャラクタ、オブジェクト又はアイテム、その他に依頼書など)は、位置情報ゲームのみならず、他のゲームの一例である対戦ゲームを有利にするために用いることや新たなイベントに参加できるといった効果を有する。対戦ゲームを有利にするとは、例えば、希少度の高いオブジェクト(キャラクタや武具等)を用いて対戦ゲームを可能にすることにより、対戦を有利に展開できることなどが挙げられる。新たなイベントに参加できるとは、例えば、依頼書を使用することにより、特別なクエストに参加でき、該クエストにおいて新たな敵と対戦するためのゲームが開始可能となるなどが挙げられる。
【0079】
このため、例えば、位置情報ゲームにおいて徒歩により移動してゲーム媒体等の報酬を獲得→対戦ゲームにおいてゲーム進行を有利に進められる→再び徒歩による移動といったゲームサイクルに加えて、安全性を担保しつつも、位置情報ゲームにおいて所定の移動手段を利用して長距離移動することにより希少度の高いゲーム媒体などを獲得→対戦ゲームにおいて獲得したオブジェクトを戦闘に参加させることによりゲーム進行を有利に進められる→位置情報ゲームにおいて再び所定の移動手段を利用してさらに長距離移動することによりオブジェクトが成長→対戦ゲームにおいてさらにゲーム進行を有利に進められる…といった新たなゲームサイクルをユーザに提供することができる。以下に、位置情報ゲームおよび対戦ゲーム各々について詳細に説明する。
【0080】
(位置情報ゲーム)
まず、位置情報ゲームについて説明する。
図4(A)は、ユーザの入力操作により位置情報ゲームが開始されたときの表示部15の一例を示す図である。位置情報ゲームが開始されると、端末装置100は、位置登録システムや端末装置100のGPSモジュールなどからの情報を利用して、端末装置100の現在位置情報(例えば、住所情報、緯度経度情報など)を特定し、当該現在位置情報に基づいて、端末装置100(所有するユーザ)の現実空間における現在位置周辺の地図を表示する。地図を表示するに際しては、例えば、現在位置情報をサーバ200に送信することにより、当該現在位置の周辺の地図データの転送を要求する。サーバ200は、地図データを提供する他のサービス提供装置(サーバ)からネットワークを介して端末装置100の周辺の地図データを取得し、端末装置100の周辺の地図データを端末装置100に送信する。端末装置100は、当該地図データに基づく地図画像を表示部15に表示する。
【0081】
また、端末装置100を所有するユーザの位置を示す第1オブジェクト300とユーザ周辺の特定範囲(表示部15に表示可能となる範囲)の地図画像とが表示部15に表示されている。さらに、特定範囲内の建物や道路、路線などの地図情報も表示部15に表示されている。
【0082】
また、位置情報ゲームが開始されると、移動手段を選択するためのモード選択UI(User Interface)が表示部15の下方領域において表示される。モード選択UIには、移動手段として、飛行機、車、電車、および船のアイコンが例示されている。ユーザは、表示されたアイコンのいずれかをタッチ操作することによって位置情報ゲームの進行に利用する移動手段を選択する。なお、モード選択UIでは、移動手段の選択を容易にするため、移動手段を乗物のアイコンで表示しているが、表示方法は、特にこれに限られない。例えば、移動手段は、当該移動手段の名称を示す文字で表示されていてもよい。
図4(A)において、いずれかの移動手段が選択された場合、当該移動手段に対応するモードに移行(設定)される。モードが設定された後においては、当該モードに応じたBGM(Background Music)が端末装置100から出力される。BGMは、モードに応じて設定されているが、ユーザの操作により出力されるBGMを変更できるようにしてもよい。ユーザがいずれの移動手段(アイコン)も選択せずに所定時間経過した場合あるいは実際に移動を開始した場合(端末装置100の移動が判定された場合)などにおいては、後述するように徒歩モードに移行される。所定時間経過した場合あるいは実際に移動を開始した場合に徒歩モードへ移行される旨については、モード選択UIにおいてメッセージ表示されるようにしてもよい。
【0083】
図4(B)は、移動手段として車が選択された場合の表示部15の一例を示す図である。移動手段として車が選択されると、ドライブモード(以下、特定モードともいう)に移行される。ドライブモードに移行すると、表示部15に表示されていたユーザの第1オブジェクト300は、車を模した第2オブジェクト301に変更される。第2オブジェクト301としては、例えば、本ゲームの対戦ゲーム内で使用される乗物などを第2オブジェクト301として表示部15に表示してもよい。
【0084】
また、表示部15の画面左下領域においては、現在実行中のモードを示すアイコン310(
図4(B)では、車)と、画面右下領域においては、現在のモード(
図4(B)ではドライブモード)を解除するアイコン311とが表示されている。ユーザは、アイコン310により、実行中のモード(
図4(B)では、ドライブモード)を視覚で確認することができる。また、ユーザは、アイコン310を入力操作することにより、モード(移動手段)を選択し直せるようにしてもよい。また、ユーザは、アイコン311を入力操作することにより実行中のモード(
図4(B)では、ドライブモード)を中断あるいは終了させることができる。モードを中断あるいは終了する操作については、
図4(F)において説明する。
【0085】
また、ドライブモード中においては、ユーザに対して報知すべき情報を、表示部15における画像を用いた報知から、スピーカからの音による報知に切り替えられる。すなわち、端末装置100からのゲーム進行処理に伴ってゲームの進行に応じてユーザに報知すべき情報は、ドライブモード中においては、表示部15の表示ではなく、スピーカからの音によってユーザに報知される。表示部15には、第2オブジェクト301と当該オブジェクトの位置に応じた地図画像が表示されるものの、ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報についてはスピーカからの音により報知される。
【0086】
ゲームの進行等に応じて報知すべき情報とは、例えば、ドライブモード中の移動距離に応じて権利が付与されたことや、所定範囲内に配置されているアイテムを回収すること、他のユーザとすれ違ったこと、ランドマークが所定の範囲内に位置することなどが挙げられる。このため、ユーザは、ドライブモード中においては端末装置100の表示画面を確認する必要がなくなり、スピーカからの音によりゲームの進行情報を知ることができる。その結果、車などの移動手段による移動であってもわき見を防止し、移動中におけるユーザの安全性が向上する。なお、車以外の移動手段(電車等、ユーザ自身が運転しない移動手段)に対応するモード中においては、ユーザに対して報知すべき情報を、スピーカからの音による報知のみならず、表示部15における画像(報知すべき情報に対応する画像)を用いて報知される。
【0087】
図4(B)では、ドライブモード中における表示部15の表示例として、表示部15に第2オブジェクト301や地図画像などの画像のみを表示し、ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報に対応する画像を表示しない例を示している。なお、第2オブジェクト301や地図画像などの画像は、ゲームの進行に応じて表示される画像であるが、ユーザにとって必ずしも必要な情報(ゲーム進行情報)ではないため、ユーザに対して報知すべき情報ではない。しかし、ドライブモード中における表示部15には、ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報に対応する画像を表示しないものであればこれに限るものではない。ドライブモード中の表示部15には、第2オブジェクト301や地図画像などの画像についても表示しないものであってもよく、この場合には、例えば、ゲームの進行にかかわらない特定画像(所定の静止画像、動画像など)や、ゲームで予め用意されている待ち受け画像や、アイコン301の画像、ユーザが所有する画像などを表示してもよく、何らの画像をも表示しない(黒画面等)ものであってもよい。なお、ドライブモード中における表示部15には、アイコン311については必ず表示されるものであってもよく、タッチパネルへのタッチ操作により当該アイコン311が表示されるものであってもよい。
【0088】
また、表示部15に表示される特定範囲内に、本ゲームをプレイ中の他の端末装置が存在するときは、
図4(B)に示されるように、当該他の端末装置に対応する位置(当該端末装置の位置、あるいは当該端末装置の位置から所定範囲(20m)内の任意の位置)に第3オブジェクト302が表示される。第3オブジェクト302は、第2オブジェクト301と同様に本ゲーム内で使用される乗物などを表示してもよい。なお、第3オブジェクト302は、ゲームの進行に応じて表示される画像であるが、ユーザにとって必ずしも必要な情報(ゲーム進行情報)ではないため、ユーザに対して報知すべき情報ではない。しかし、後述するようにドライブモード中においては、第3オブジェクト302のような情報についても表示部15において表示しないようにしてもよい。
【0089】
図4(C)は、ドライブモード中において端末装置100を所有するユーザが移動したときの表示部15の一例を示す図である。端末装置100は、位置情報ゲーム中においては、現在の位置情報をサーバ200に対して随時送信し、端末装置100の周辺の地図データを取得し、第2オブジェクト301の背景となる地図画像を更新表示する。これにより、ユーザが移動すると、当該移動に応じて背景となる地図画像が更新される。ユーザが移動することにより、他のユーザが特定範囲よりも狭い所定範囲(例えば50m)内に位置すると(例えば、
図4(C))、端末装置100のスピーカから「Hey」という音声が出力される。これにより、他のユーザに対応する第3オブジェクト302とすれ違う際には、表示部15を視認せずとも、当該他のユーザから挨拶されたかのような疑似体験をユーザに提供でき、ゲームの興趣を向上させることができる。
【0090】
図4(D)は、ドライブモード中に所定の条件が成立したことにより、ゲーム媒体を獲得する権利がユーザに付与されたときの表示部15の一例を示す図である。ドライブモード中においては、所定の条件が成立して権利が付与された情報(ゲーム進行情報の一例)を、表示部15において表示(報知)することなく、スピーカから音を出力することによりユーザに報知する。所定の条件としては、例えば、ドライブモード中における移動距離が所定距離に到達することにより成立する。所定条件が成立したときには、例えば「ドライブモードで10kmを到達しました。マテリアルを取得。」といった音声がスピーカから出力される。また、予め定められているランドマークが所定の範囲内(例えば、半径50m以内)に位置するときには、例えば「ランドマークに到達しました!」といった音声がスピーカから出力される。このように、ゲーム進行情報を特定可能となる音がスピーカから出力されることによりユーザに報知される。一方、表示部15には、
図4(D)に示すように、第2オブジェクト301や地図画像などが表示されるに過ぎないため、ユーザが表示部15を見る動機を生じさせることがない。
【0091】
なお、所定の条件としては、例示したものに限らず、所定の移動手段を利用して移動している時間が所定時間に到達することや、特定の場所(位置)を通過すること、地図上にランダムに配置されているゲーム媒体の付近を移動することにより当該ゲーム媒体を拾得したこと、地図上にランダムに配置されているノンプレイヤキャラクタの付近を移動することにより当該ノンプレイヤキャラクタと戦闘してノンプレイヤキャラクタを何体か倒すことなどによって成立するものであってもよい。
【0092】
図4(E)は、ドライブモードを終了したときの表示部15の一例を示す図である。ユーザは、アイコン311に対する入力操作により、現在のモードを解除して位置情報ゲームを終了することができる。モードが終了すると、
図4(E)に示すように、アイコン311が非表示となり、移動した結果に基づく報酬、すなわちユーザに付与されるゲーム媒体などが表示部15に表示される。付与されるゲーム媒体は、モードの種類、移動距離、当該モード中に付与された権利などに応じて決定される。所定の移動手段を利用した場合、時間当たりの移動距離は、徒歩で移動する場合に比べて長くなる。その結果、単位時間当りにユーザに付与されるゲーム媒体の価値は、所定の移動手段を利用しない場合に比べて高くなる。また、所定の移動手段を利用した場合であっても、ドライブモードを設定した場合には、その他のモードを設定した場合よりもユーザの有利度合いの高いゲーム媒体などが付与される。モードが終了してゲーム媒体が付与されることにより、当該ゲーム媒体がユーザに付与されて利用等が可能となる。
【0093】
図4(F)は、付与されたゲーム媒体名、およびそのゲーム媒体がゲームにおいて奏する効果の例を説明するための表である。例えば、マテリアルは、プレイヤキャラクタが装備する武具などを強化する効果がある。ユーザは、武器などを強化することによりノンプレイヤキャラクタを倒しやすくなり、ゲームを有利に進めることができる。また、依頼書は、例えばゲームの進行とは関わりのない特別なクエストに参加できる効果がある。ユーザは、このクエストに参加することにより、戦闘に参加できるオブジェクトや特別な武器の入手、あるいは新たなノンプレイヤキャラクタと遭遇できる。さらに、入手したオブジェクトを成長させる効果がある。オブジェクトとしては、ドラゴンや蛇などの人間以外のものであってもよいし、ロボットや人の姿をしたものでもよい。このオブジェクトは成長することにより、攻撃力などのステータスの増加、あるいは新たな技を習得する。その結果、プレイヤキャラクタは、オブジェクトを戦闘に参加させることによりノンプレイヤキャラクタとの戦闘などにおいて有利に進めることができる。なお、ゲーム媒体として、マテリアルや依頼書等について例示したが、例えば、ゲーム内仮想通貨や経験値などであってもよく、また、モード中の移動距離を割り増し(例えば、2倍など)にするようなアイテムでもよく、位置情報ゲームや他のゲーム(例えば対戦ゲーム)においてゲーム進行を有利にすることができるものであれば特にこれらに限定されるものではない。
【0094】
(対戦ゲーム)
次に、他のゲームの一例である対戦ゲームについて説明する。対戦ゲームには、上述のように、プレイヤキャラクタとノンプレイヤキャラクタとの対戦を行わせるゲームである。対戦ゲームは、例えば、プレイヤキャラクタが、ノンプレイヤキャラクタを倒すことによって、ゲームを進行させるものであってもよい。ユーザは、ノンプレイヤキャラクタを倒すために、プレイヤキャラクタを強化する。プレイヤキャラクタの強化は、例えば、プレイヤキャラクタのレベルを上げる、キャラクタプレイヤが装備する武器や防具などを強化する、あるいは、プレイヤキャラクタとともに対戦に参加するオブジェクトを入手することによって実行される。
【0095】
また、プレイヤキャラクタが装備する武器等は、ゲーム内で入手できるアイテム(マテリアルなど)によって強化できるようにしてもよい。また、強化に使用する素材の特性に応じて武器等の特性が変化してもよい。例えば、強化に使用される素材が火属性を持っている場合、強化された武器に火属性が付与されるという場合が挙げられる。
【0096】
また、対戦ゲームには、複数のクエスト(ステージ)が用意されており、ユーザは、各クエストに関連付けられている要件を満たすことにより、当該クエストをクリアすることができる。要件としては、例えば、出現するノンプレイヤキャラクタをすべて倒すこと、出現するノンプレイヤキャラクタのうちボスキャラクタを倒すこと、所定位置に到達することなどにより成立するものが挙げられる。クエストは、例えば、ゲームの進行によって実行されてもよいし、依頼書等を入手することによって対応する特別なクエストが実行されてもよい。また、クエストは、他のユーザと協力してクリアすることができるようにしてもよい。
【0097】
また、プレイヤキャラクタとともにノンプレイヤキャラクタと戦ってくれるオブジェクトが存在してもよい。このオブジェクトは、プレイヤキャラクタと同様に操作できるものであってもよいし、戦闘において攻撃にのみ参加できるものであってもよい。このオブジェクトは、プレイヤキャラクタと同条件で成長してもよいし、プレイヤキャラクとは別の条件を満たすことにより成長するようにしてもよい。このオブジェクトは、ゲームの進行によって入手できるようにしてもよいし、依頼書によって入手できるようにしてもよい。
【0098】
上述のマテリアルや依頼書等の入手、オブジェクトの入手・成長は、位置情報ゲームにおいてユーザが所定の移動手段を利用することにより取得可能となるものがあってもよく、また、所定の移動手段を利用するモードのうちドライブモードを設定した場合にのみ取得可能となるものであってもよい。
【0099】
(位置情報ゲーム関連処理)
図5は、端末装置100で実行される位置情報ゲーム関連処理の一例を示すフローチャートである。位置情報ゲーム関連処理は、位置情報ゲーム中において端末装置100により実行されるが、これに限らず、一部の処理はサーバ200において実行し、処理結果を端末装置100に送信するようにしてもよい。
【0100】
位置情報ゲームが開始されると、ステップS01においては、端末装置100が取得した位置情報などに基づいて表示部15に地図画像、端末装置100の位置などを表示する。表示部15には、ユーザの端末装置100の位置に第1オブジェクト300が表示され、ユーザ周辺の特定範囲の地図画像が表示される(
図4(A)参照)。このとき、特定範囲の地図画像には、周辺の建物、道路または路線などの一般的な地図情報も表示される。また、ステップS02においては、利用する移動手段を選択させるためのモード選択UIを表示部15の下方領域に表示する(
図4(A)参照)。表示された移動手段をタッチ操作して選択することなどにより、当該移動手段に対応するモードへ移行させる。
【0101】
ステップS03においては、ドライブモードが選択されたか否かを判定する。ドライブモードは、ユーザが移動手段として、車を選択した場合のモードである。ドライブモードが選択されたと判定された場合は、ステップS04に進む。一方、ドライブモードが選択されたと判定されなかった場合は、ステップS30に進む。
【0102】
ステップS04においては、端末装置100の位置が停滞状態であるか否かを判定する。ゲーム進行処理部111は、所定期間内の端末装置100の移動距離などに基づいて端末装置100の位置が停滞状態にあるか否かを判定する。「停滞状態」とは、ユーザが、所定の場所に留まって移動していない蓋然性が高い状態をいう。停滞状態は、例えば、端末装置100に備えられたGPSセンサからの情報に基づいて、端末装置100が動いていないと判定される状態のみならず、動いていると判定される場合であっても当該動いている範囲が所定範囲内であってユーザ自体は移動しておらず当該ユーザの身振り手振りの範囲で動いているとみなされる状態をも含む。停滞状態の判定は、例えば、端末装置100の位置がドライブモードの選択があったと判定されたときの位置とその所定期間(例えば、0.5秒、1秒等)前の位置との距離が所定の距離以下であるかによって判定される。所定の距離以下であった場合、端末装置100は停滞状態であると判定され、所定の距離を超えた場合、端末装置100に位置は停滞状態ではないと判定される。「所定の距離」とは、例えば、所定期間内における端末装置100の位置の移動距離が0~1m範囲(ユーザの身振り手振りの範囲)の距離をいう。
【0103】
ステップS04において端末装置100の位置が停滞状態であると判定されなかったときには、ユーザからの入力操作を有効に受け付けず、ステップS05に進みユーザに注意を喚起して、再びステップS03へ移行する。注意を喚起する方法としては、表示部15に注意内容(例えば「止まって選択してください!」といったメッセージ)を表示してもよいし、注意を喚起する音(「止まって選択してください!」といった音声含む)を出力してもよい。これにより、停滞状態ではないときには、ドライブモードに移行させず、止まって再度の操作を促すことができる。
【0104】
一方、端末装置100の位置が停滞状態であると判定されたときには、ステップS06に進む。ステップS06においては、ドライブモードに移行する。このように、S03およびS04の処理を経てドライブモードに移行させることにより、例えば、すでに車などを利用して移動しながらドライブモードへ移行させるための入力操作が行われたとしても、ドライブモードに移行されず当該入力操作が無駄になるため、移動しながらのドライブモードに移行開始させるための入力操作を抑止・防止できる。なお、後述するように、車などのユーザ自身が運転する移動手段以外の移動手段(電車・飛行機等)に対応するモードについて選択するための操作が行われたときには、後述するようにステップS04に対応する処理が行われないため、移動中であっても選択されたモードに移行可能となる。
【0105】
ステップS07においては、ユーザに対して報知すべき情報を、表示部15を用いて報知する態様からスピーカ(音)を用いて報知する態様に切り替える。また、ドライブモード中においては、後述するように、ユーザからの入力操作を要することなく、端末装置100を移動させることのみによってゲームを進行させることができる。このため、ドライブモード中においては、ユーザが表示部15を見ることなく、ゲームの進行を聴覚によって認識することができる。
【0106】
表示部15には、
図4(B)等で示したように、所定の画像として現在位置を特定可能な地図画像が表示される。しかし、ドライブモード中においては、ユーザへの報知態様がステップS07において音のみを用いた報知態様に切り替えられて、ゲームの進行・結果などに影響する情報が表示部15に表示されることはない。このため、ユーザがドライブモード中に表示部15に対して注意を向けることを低減でき、ユーザの安全性を向上させることができる。
【0107】
ステップS08においては、端末装置100のスピーカからドライブモードに対応する効果音を出力させる。効果音としては、例えば、BGMが挙げられる。ユーザは、ドライブモードに対応したBGMを聞くことにより、表示部15を見ることなく、運転による移動を楽しむことができる。
【0108】
ステップS09においては、端末装置100から取得された位置情報に基づいてドライブモード中における現在位置を特定可能な地図画像を表示部15に表示する。ドライブモード中においては、
図4(B)で示したように、ユーザが有する端末装置100の現在位置に応じた地図画像に重畳させて第2オブジェクト301が表示される。また、ドライブモード中においては、特定範囲内に他のユーザが所有する端末装置が存在するときに、当該他のユーザが所有する端末装置に対応する位置に第3オブジェクト302が表示される(
図4(B)参照)。なお、ステップS09の処理は、ユーザが所有する端末装置100および他の端末装置の位置に応じて繰り返し実行されて、表示部15の表示状態が更新される。
【0109】
ステップS10においては、端末装置100の位置から端末装置100の移動距離を特定する。サーバ200の距離判定部は、端末装置100から逐次送信される端末装置100の位置情報から、現実世界における端末装置100の移動距離を判定する。判定された結果は、サーバ200の送受信部211から端末装置100の通信IF13に送られる。ステップS10においては、受信した情報に基づいて端末装置100の移動距離を特定する。
【0110】
ステップS11においては、所定の情報出力契機が成立したか否かを判定する。所定の情報出力契機とは、例えば、所定距離(例えば2km)を走行することにより所定の条件を満たすときや、所定範囲内(例えば半径2km)に特定のユーザ(例えばフレンド登録したユーザ)やランドマークが存在するときなどが挙げられる。所定の情報出力契機が成立したと判定されたときには、ステップS12へ進む。一方、所定の情報出力契機が成立したと判定されなかったときには、ステップS13へ進む。
【0111】
ステップS12においては、ゲームの進行に応じた音声(成立した情報出力契機に応じた音声)をスピーカから出力する。情報出力契機に応じた音声としては、例えば、所定距離走行で所定の条件を満たす場合には「あと2kmで権利獲得するよ」といった音声や、所定範囲内にランドマークが存在する場合には「南東方向にランドマークAがあるよ!」といった音声などが出力される。
【0112】
ステップS13においては、所定の条件(ドライブモード中において権利を付与するための条件)が成立したか否かを判定する。権利を付与するための条件とは、例えば、ドライブモード中の移動距離が10kmに到達する毎に成立する条件や、地図上に予め配置されているアイテムの近くを通過することに成立する条件などである。権利を付与するための条件が成立していると判定されたときには、ステップS14に進む。一方、権利を付与する条件が成立していると判定されなかったときには、ステップS15に進む。
【0113】
ステップS14においては、権利をユーザに付与するとともに付与された旨をユーザに知らせる効果音が出力される(
図4(D)での説明参照)。ドライブモード中に権利が付与されることにより、当該ドライブモードが終了したときに当該権利に応じたゲーム媒体がユーザに付与されて、ユーザが利用可能(あるいはゲームにおいて効果を奏すること)となる。効果音は、端末装置100のスピーカから出力される。効果音としては、例えば「ドライブモード開始から10kmに到達しました。マテリアルを取得。」といった音声や、単に「権利をGETしました」「アイテムを回収しました」といった音声などが出力されて、ユーザに権利が付与されたことを知らせるものである。
【0114】
ステップS15においては、端末装置100からの位置情報に基づいて他のユーザ(当該他のユーザの端末装置)が特定範囲よりも狭い所定範囲内に位置するか否かを判定する。所定範囲内に他のユーザが位置すると判定されたときは、ステップS16に進む。一方、所定範囲内に他のユーザが位置すると判定されなかったときには、ステップS17に進む。
【0115】
ステップS16においては、端末装置100のスピーカから所定音を出力する。所定音としては、例えば、「Hey」といった挨拶に相当する音声を出力することが挙げられる(
図4(D)参照)。
【0116】
ステップS17においては、端末装置100からの位置情報に基づいて所定のランドマークが所定の範囲内(例えば、半径50m以内)に位置するか否かを判定する。所定のランドマークが位置すると判定されたときは、ステップS18に進む。一方、所定のランドマークが位置すると判定されなかったときは、ステップS19に進む。
【0117】
ステップS18においては、ランドマークフラグを設定し、効果音を出力する。端末装置100のスピーカからは、ランドマークが所定の範囲内に位置する旨を特定可能な音声が出力されてユーザに報知される。例えば、「ランドマークAに到達しました!ご当地アイテムの〇〇ゲット!」という音声が出力される。ランドマークフラグは、移動中に近くを通過したランドマークを特定するための情報であり、後述するようにドライブモード終了時において当該ランドマークフラグに基づいて当該ランドマークに対応するゲーム媒体がユーザに付与される。ステップS19においては、ユーザからの入力操作によってドライブモード終了操作があったか否かを判定する。ドライブモード終了操作があったと判定されたときには、ステップS20に進む。一方、ドライブモード終了操作があったと判定されなかったときには、ステップS09に戻る。
【0118】
ステップS20においては、ステップS04と同様に、端末装置100の位置が停滞状態であるか否かを判定する。ステップS20において端末装置100の位置が停滞状態であると判定されなかったときには、ユーザからの入力操作を有効に受け付けず、ステップS21に進みユーザに注意を喚起して、再びステップS09へ移行する。注意を喚起する方法としては、表示部15に注意内容(例えば「止まって選択してください!」といったメッセージ)を表示してもよいし、注意を喚起する音(「止まって選択してください!」といった音声含む)を出力してもよい。これにより、停滞状態ではないときには、ドライブモードを終了させず、止まって再度の操作を促すことができる。一方、端末装置100の位置が停滞状態であると判定されたときには、ステップS22進む。
【0119】
ステップS22においては、ドライブモードを終了する。このように、S19およびS20の処理を経てドライブモードを終了させることにより、例えば、車などを利用して移動している最中に獲得したゲーム媒体などを確認するためにドライブモードを終了させるための入力操作が行われたとしても終了させず当該入力操作が無駄になるため、移動しながらの終了させるための入力操作を抑止・防止できる。なお、後述するように、車などのユーザ自身が運転する移動手段以外の移動手段(電車・飛行機等)に対応するモード中において終了操作が行われたときには、後述するようにステップS20に対応する処理が行われないため、移動中であっても選択されたモードを終了可能となる。
また、ステップS22においては、ドライブモードの終了に伴って、ユーザに対して報知すべき情報を、スピーカ(音)のみを用いて報知する態様から表示部15を用いた報知態様に切り替える。
【0120】
ステップS23においては、移動結果に基づいてゲーム媒体などをユーザに付与する。付与されるゲーム媒体は、ドライブモード中の移動距離、ドライブモード中に付与された権利などに基づいてユーザに付与される。ドライブモード中に付与された権利には、ドライブモード中に所定距離を移動することにより成立する権利、配置されているアイテムを回収することにより成立する権利、所定のランドマークの近くを通過することにより成立する権利などがある。これらの権利に基づいて、ゲーム媒体が付与される。付与される権利は、例えば、ランドマークに関連した特別なもの(例えば、ご当地アイテム)であってもよく、選択中のモードがドライブモード中のときには、さらに特別な権利を付与してもよい。このようにすることで、ドライブモードを利用して移動しようとするユーザの意欲が向上する。なお、当該権利は、ドライブモードが終了したときに権利に応じたゲーム媒体をユーザに付与して、ユーザが利用可能(あるいはゲームにおいて効果を奏すること)にするための媒体である。
【0121】
ユーザには、ドライブモード終了時には、ドライブモードに対応したゲーム内価値の高いゲーム媒体が付与されてもよい。このゲーム内価値の高いゲーム媒体としては、ドライブモードでしか得られないゲーム媒体、例えば、特別なオブジェクトや特別な依頼書のようなものであってもよい。本実施形態では、移動距離が同じ場合、ドライブモードで移動する場合が、付与されるゲーム媒体のゲーム内価値は他のモードなどに比べて最も高くなる。すなわち、ドライブモードで移動した場合が、有利度合いを最も高めることができる。
本実施形態では、基本的に移動距離が長いほどゲーム内価値の高いゲーム媒体が付与される。なお、付与されるゲーム媒体は、移動距離が同じでもドライブモード、その他のモード、徒歩モードなどのモードの種類に応じて付与されるゲーム媒体が異なる。また、その他のモードにおいても移動手段の種類に応じて付与されるゲーム媒体が異なってもよい。
【0122】
また、ステップS23においては、終了したドライブモード中に付与された権利等に基づいて報酬が付与されるものに限らず、これに加えて、当該ドライブモード中における総移動距離に応じて報酬が付与される。例えば、ゲーム内で利用できるゲーム内通貨が総移動距離に応じた分量だけ付与されるものや、移動距離に応じて有利度合いが異なるように段階的に定められているゲーム媒体のうちから総移動距離に応じたゲーム媒体が付与されるものなどであってもよい。この場合においても、付与される報酬の有利度合いは、総移動距離が長い程、高くなるように定められているが、総移動距離が同じでも、ドライブモード>その他の移動手段(電車等)に対応するモード>徒歩モードとなるように定められているものであってもよい。
【0123】
また、ステップS23においては、表示部15に特定画像を表示する(
図4(E)参照)。特定画像には、例えば、ドライブモード中の移動距離や移動中に付与された権利およびドライブモードに応じて付与されるゲーム媒体などの情報が表示される。
【0124】
以上においては、ドライブモードが設定されてから終了するまでの処理内容について説明したが、ドライブモードが選択されなかった場合の処理内容について以下に説明する。ステップS03に戻り、ドライブモードが選択されたと判定されなかったときには、ステップS30において、ドライブモード以外のその他のモードが選択されたか否かを判定する。その他のモードとは、飛行機や、電車、船に対応するモードである。その他のいずれかのモードが選択されたと判定されたときは、ステップS31に進む。
【0125】
ステップS31においては、ユーザが選択した移動手段に対応するモードに移行する。このように、ドライブモード以外のその他のモードが選択されたときには、ステップS04に対応する処理が行われないため、移動中であっても選択されたモードに移行可能となる。また、端末装置100のスピーカから選択されたモードに対応する効果音が出力される。効果音としては、例えば、BGMが挙げられる。ユーザは、選択されたモードに対応したBGMを聞くことにより、移動を楽しむことができる。なお、表示部15においては、端末装置100が取得した位置情報から特定範囲の地図が表示され、当該地図上に、端末装置100の位置を示すアイコンが重畳される。
【0126】
ステップS32においては、端末装置100の進路が移動手段の進路に合致しているか否かを判定する。端末装置100の位置情報から、端末装置100の進路が特定され、端末装置100の進路が選択された移動手段の進路と合致するかが判定される。例えば、移動手段として、電車が選択されているときには、地図に含まれる線路に沿って移動しているか否かが判定され、移動手段として、船が選択されているときには、地図に含まれる海上を移動しているか否かが判定される。端末装置100の進路が移動手段の進路に合致していると判定されたときには、ステップS34に進む。一方、端末装置100の進路が移動手段の進路に合致していると判定されなかったときには、ステップS33に進み、ユーザにモード強制解除の通知画面を一定時間(例えば10秒間等)表示する。モード強制解除の通知画面には、モードを強制解除する内容(例えば、電車に対応するモード中において進路が線路上に合致しないときには「線路上を移動していません!初めからやり直してください。」といったように選択中のモードに対応する移動手段と進路が一致せず初めからやり直しとなる旨のメッセージが表示される。また、モード強制解除の通知は、音声や警告音でも実行され得るものであってもよい。モード強制解除の通知がされると、ステップS01に戻り、位置情報ゲームの開始状態(初期状態)となる。
モード強制解除の通知画面においては、ユーザの操作を受け付ける表示などを行うことなく(ユーザからの操作を要することなく)、強制的にステップS01に戻り位置情報ゲームの開始状態(初期状態)となる。なお、モード強制解除の通知画面が表示された後においては、位置情報ゲームの開始状態に戻るものに限らず、位置情報ゲームが開始される前の状態(例えば他のゲーム(対戦ゲーム等)を選択可能なメイン選択画面など)に戻るものであってもよい。これにより、ユーザに対して最初からプレイするゲームを選択させることができ、位置情報ゲームを継続してプレイしなければならないといった強制感を緩和できる。また、モード強制解除の通知画面においては、ユーザの意思を問う選択肢(例えば、「ゲームを終了しますか?「Yes」、「No」」といった選択肢)を表示させ、選択した選択肢に応じてステップS01等に移行させるか位置情報ゲームを再開させるかが行われるものであってもよい。
ステップS34においては、端末装置100の位置から端末装置100の移動距離を特定する。移動距離を特定する方法はステップS10と同様である。
【0127】
ステップS35においては、モードに応じたゲーム処理を実行する。モードに応じたゲーム処理は、例えば、選択されたモード中に権利付与のための条件が成立したとき、他のユーザが所定範囲内に位置するとき又はランドマークが所定の範囲内に位置するときなどに、ユーザに権利を付与、あるいは、その旨をユーザに報知する処理である。当該ゲーム処理では、ゲームの進行等に応じてユーザに対して報知すべき情報が、表示部15による画像およびスピーカによる音を用いてユーザに報知される。また、ドライブモード以外のモードでのゲーム進行は、ユーザからの入力操作によって進行可能である。例えば、ドライブモード以外のモードでは、権利を付与する条件が成立した場合に、「権利をゲットしますか?YES」といった問い合わせメッセージアイコンが表示され、「YES」のアイコンをタッチ操作することにより当該権利がユーザに付与され、所定時間以内にタッチ操作がなかった場合には当該権利が付与されない。このため、ドライブモード以外のモードでは、権利を獲得するための操作を受け付けながらゲームを進行することになる。移動手段として、電車を選択した場合、ユーザは、座席に座ってゲーム進行のための入力操作をすることができる。なお、ドライブモード以外のモードであっても、ユーザからの入力を要することなく(自動的に)ゲームを進行させるものであってもよい。
【0128】
ステップS36においては、ユーザからのモード終了の入力操作があったか否かを判定する。ユーザからのモード終了の入力操作があったと判定されたときには、ステップS44に進み後述するようにモードを終了する。このように、ドライブモード以外のその他のモードの終了操作がされたときには、ステップS20に対応する処理が行われないため、移動中であっても選択中のモードを終了可能となる。一方、ユーザからのモード終了の入力操作があったと判定されなかったときには、ステップS32に戻る。なお、ドライブモード以外のモードでは、ユーザ自身が運転するものではないため、ステップS30、S36等で説明したとおり、停滞状態(移動中)であるか否かにかかわらず、モード移行、モード解除が可能である。
【0129】
ステップS37においては、モード未選択のまま所定時間経過した後であって、端末装置100の位置情報からユーザが徒歩の平均速度で移動中か否かを判定する。モード未選択のまま所定時間経過した後であって、ユーザが徒歩の平均的な移動速度の範囲(例えば、時速1km~時速8kmなど)内となる速度(以下、徒歩の平均速度ともいう)で移動中と判定されたときは、ステップS38に進む。一方、所定時間経過していないか、または、ユーザが徒歩の平均速度で移動中であると判定されなかったときには、ステップS02に戻り、モード選択が再度促される。なお、モード選択UIには、徒歩モードに対応するアイコンが表示されておらず(
図4(A)参照)、所定時間経過か実際の移動が開始されたときに徒歩モードが設定される例を示しているが、これに限らず、モード選択UIに徒歩モードに対応するアイコンを含めて表示し、ユーザからの入力操作に応じて徒歩モードが選択されるようにしてもよい。
【0130】
ステップS38においては、徒歩モードに移行し、端末装置100のスピーカから徒歩モードに対応する効果音が出力される。効果音としては、例えば、BGMが挙げられる。ユーザは、選択されたモードに対応したBGMを聞くことにより、移動を楽しむことができる。
【0131】
ステップS39においては、端末装置100の位置情報から、徒歩モード中のユーザの平均速度が徒歩の平均速度よりも速い閾値となる所定速度以上(例えば、時速10km)であるか否かを判定する。ステップS39において徒歩モード中のユーザの平均速度が徒歩の平均速度よりも速い所定速度以上であると判定されなかったときには、ステップS41に進む。ステップS41においては、端末装置100の位置から端末装置100の移動距離を特定する。移動距離を特定する方法はステップS10と同様である。ステップS42においては、徒歩モードに応じたゲーム処理を実行する。ゲーム処理の内容は、ステップS35と同様である。
【0132】
一方、徒歩モード中の平均速度が所定速度以上であると判定されたときには、ステップS40に進みユーザに注意を喚起して、ステップS43へ移行する。注意を喚起する方法としては、表示部15に注意内容(例えば「徒歩で移動してください!」といったメッセージ)を表示してもよいし、注意を喚起する音(「徒歩で移動してください!」といった音声含む)を出力してもよい。なお、徒歩モード中の平均速度が所定速度以上であると判定されている間の移動は、ステップS43へ移行される結果、ステップS41、S42等の処理が行われないため、徒歩での移動として加算されず、徒歩モードに応じたゲーム処理も行われない。
【0133】
ステップS43においては、ユーザからの徒歩モード終了の入力操作があったか否かを判定する。ユーザからの徒歩モード終了の入力操作があったと判定されたときには、ステップS44に進む。一方、ユーザからの徒歩モード終了の入力操作があったと判定されなかったときには、ステップS39に戻る。
【0134】
ステップS44においては、ユーザからのモード終了の入力操作を受け付けてモードを終了する。ステップS45においては、モード中に付与されたゲーム媒体をユーザに付与する。付与されるゲーム媒体は、選択されたモード中の移動距離、選択されたモード中に付与された権利などに基づいてユーザに付与される。徒歩モードによる移動は、他のモード(移動手段に対応するモード)による移動に比べて、時間当たりの移動距離は短くなる。その結果、徒歩モードによる移動によって付与されるゲーム媒体のゲーム内価値は、他のモードによる移動によって付与されるゲーム媒体よりも低い。本実施形態では、移動距離が同じ場合、移動手段に対応するモードで移動した方が徒歩モードで移動した場合よりも、付与されるゲーム媒体のゲーム内価値が高くなる。すなわち、移動手段に対応するモードで移動した方が、徒歩モードで移動した場合に比べて有利度合いを高めることができる。また、移動手段に対応するモードの中でも、ドライブモードで移動した方が、ドライブモード以外の他の移動手段に対応するモードで移動した場合に比べて有利度合いを高めることができる。その結果、同じ移動距離でも有利度合いは、ドライブモードが最も高く、次に、その他のモードが高く、徒歩モードが最も低くなる。
【0135】
なお、ステップS45においても、終了したモード中に付与された権利等に基づいて報酬が付与されるものに限らず、これに加えて、当該モード中における総移動距離に応じて報酬が付与される。この場合においても、前述したとおり、付与される報酬の有利度合いは、総移動距離が長い程、高くなるように定められているが、総移動距離が同じでも、ドライブモード>その他の移動手段(電車等)に対応するモード>徒歩モードとなるように定められているものであってもよい。
【0136】
また、ステップS45においては、表示部15に特定画像を表示する。特定画像には、例えば、選択されたモード中の移動距離や移動中に付与された権利および選択されたモードに応じて付与されるゲーム媒体などの情報が表示される(
図4(E)参照)。
【0137】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、位置情報ゲーム開始時においてモード選択UI内の車アイコンをタッチ操作することにより、
図5のステップS06で示すように特定モードであるドライブモードに移行する。ドライブモード中においては、
図5のステップS06~S18などで説明したとおり、ユーザからの入力操作を要することなくゲームを進行可能(権利を獲得可能等)となる。また、このようなドライブモード中においては、移動手段として車を利用した移動であってもステップS10で移動距離を特定し、ステップS24で示すように当該ドライブモードを終了したときに移動距離に応じてゲームにおけるユーザの有利度合いを高めるためのゲーム媒体等が付与される。これにより、車などの移動手段による移動であってもわき見を防止しつつ移動距離をゲーム結果に反映できる。
【0138】
また、本実施形態によれば、
図5のステップS04で示すように、端末装置の位置が停滞状態にあると判定されることにより、ドライブモードへ移行する入力操作を有効に受け付ける。
図5のステップS03~S06で説明したとおり、ドライブモードへ移行するには、ユーザからの入力操作と入力操作受付時に端末装置の位置が停滞状態にあることとを要する。これら2つの要件を満たすことにより、ドライブモードへ移行可能となる。また、ドライブモード中においては、
図5のステップS20で示すように、端末装置の位置が停滞状態にあると判定されることにより、ドライブモードを終了する入力操作を有効に受け付ける。
図5のステップS19~S22で説明したとおり、ドライブモードを終了するには、ユーザからの入力操作と入力操作受付時に端末装置の位置が停滞状態にあることとを要する。これら2つの要件を満たすことにより、ドライブモードを終了することができる。これにより、車などで移動している最中に、表示部15をわき見してドライブモードに移行するための入力操作やドライブモードを終了するための入力操作が行われることを未然に防止できる。
【0139】
本実施形態によれば、
図5のステップS07で示すように、表示部15による報知から、音声を用いた報知に切り替える。ドライブモード中には、ステップS13、S14、S17、S18などで説明したとおり、ユーザからの入力を要することなく、ドライブモード中の端末装置100の移動に応じて権利等がドライブモード中において付与される。ステップS23において示すように、ドライブモードを終了したときには、ドライブモード中に付与された権利に対応するゲーム媒体が付与され、ゲームにおけるユーザの有利度合いが高まる。これにより、ユーザはドライブモード中においては運転に集中でき、ドライブモード終了後において報酬が付与されてゲームにおける有利度合いが高まることに期待感を抱かせることができる。
【0140】
また、本実施形態によれば、ドライブモード中において権利をユーザに付与するときに、ステップS14、S18、
図4(D)などで示すように、表示部15の表示を変化させることなく音を出力することによって、権利等が付与されたことをユーザに報知する。これにより、ユーザは、表示部15に注意を向けることなく、ゲームの進行を認識できる。
【0141】
本実施形態によれば、ステップS15、S16で示すように、ユーザからの入力操作を要することなく、ドライブモード中において所定の地図上における端末装置100の位置から所定範囲内に他のユーザが所有する端末装置が存在することに応じて音でユーザに報知する。これにより、ユーザは、表示部15に注意を向けることなく、他のユーザが近くにいることを認識できる。
【0142】
本実施形態によれば、ドライブモード中においては、ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報がスピーカからの音で報知され、表示部15にはステップS09において、地図画像などゲームの進行や結果に直接的に影響のない画像が表示される。これにより、ユーザが表示部15に注意を向けることを低減できる。
【0143】
本実施形態によれば、ステップS23で示すように、ドライブモード中の端末装置100の移動距離が長い程、ユーザにとって有利とする度合いが高まる。これにより、ユーザは、車に対応するドライブモードを利用して、移動しようとする意欲が向上する。
【0144】
また、本実施形態によれば、移動手段によるモードは、ユーザが利用し得る移動手段の種類に応じて複数設けられており、移行するステップは、複数のモードのうちのいずれかに移行する。また、端末装置の移動距離が同じであっても、ステップS23、S45において説明したように、移行されていたモードの種類に応じて高める有利度合いが異なる。これにより、ユーザは、有利度合いが高い移動手段に対応するモードを利用して長距離を移動しようとする意欲が向上する。
【0145】
本実施形態によれば、ステップS03やS30で示すように、利用する移動手段を選択することにより当該移動手段に対応するモードに移行する。これにより、モード選択をわかりやすくユーザに認識させることができる。
【0146】
本実施形態によれば、ステップS08やS31に示すように、移動手段を利用するモード中においては当該モードに応じたBGMを出力する。これにより、ユーザは、対応する音楽を聴くことにより移動手段を利用した移動をより楽しむことができる。
【0147】
本実施形態によれば、ステップS09で示すように、所定の地図画像のうち端末装置100の位置に応じた特定範囲の地図画像とともに端末装置100の位置にユーザに対応する第2オブジェクト301を表示部15に表示し、当該特定範囲内に他のユーザが所有する端末装置が存在する場合には当該端末装置に応じた位置に他のユーザに対応する第3オブジェクト302を表示する。これにより、ユーザは、他のユーザが付近に存在することが認識可能となる。
【0148】
本実施形態によれば、ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報が、ドライブモード以外のモード中においては、スピーカのみならず表示部15を用いて画像により報知され得る一方で、ドライブモード中においては、ステップS07に示すように、スピーカを用いて音により報知される。ゲームの進行等に応じてユーザに報知すべき情報は、ステップS12、S14、S18などで示すように、ゲームの進捗状況を特定可能な情報を含む。その結果、ユーザの利用する移動手段に適した報知態様に切り替えることができ、ユーザ自身が運転するドライブモード中においても表示部15を見ることなくゲームを進行させつつ進捗状況を認識でき、移動中のユーザの安全性を向上させることができる。
【0149】
<変形例>
以上説明した実施形態の変形例などを以下に列挙する。
【0150】
(1) 上記実施形態における
図5のステップS02においてユーザの入力操作に応じて移動手段が選択され、選択された移動手段に応じたモードへ移行する例について説明した。しかし、位置情報ゲームを開始してから所定期間(例えば、30分)内における端末装置100の移動距離から平均的な移動速度を算出して、当該移動速度に相当する移動手段の種類(例えば、移動速度が40km/時間である場合には車、500km/時間である場合には飛行機など)を推定し、当該移動手段に応じたモードに自動的に移行させるようにしてもよい。また、ユーザの入力操作等に基づいて複数種類のモードのうちのいずれかに移行された後においても、当該モード中の所定期間(例えば、直近30分)内における端末装置100の移動距離から平均的な移動速度を算出して、当該移動速度が、現在のモードに対応する移動手段の平均的な移動速度の範囲内(例えば、車であれば平均的な移動速度の範囲が30~60km/時間、飛行機であれば400km~900km/時間等)であるか否かを判定し、当該平均的な移動速度の範囲内ではないときに、当該平均的な移動速度を範囲内とする移動手段の種類に応じたモードに切り替えるようにしてもよい。これにより、実際の移動速度に応じた移動手段に対応するモードに移行させることができ、ユーザによる不正等によって実際の移動手段とは異なるモードにより位置情報ゲームがプレイされて報酬が付与されてしまうことを防止できる。
【0151】
(2) 上記実施形態においては、目的地を設定せず移動距離などに応じてゲーム媒体などの報酬を付与する例について説明した。しかし、目的地を設定して、当該目的地に到達することにより当該目的地に応じた報酬(例えば、ゲーム媒体、目的地に応じたご当地アイテム等)をユーザに付与するようにしてもよい。これにより、目的地にたどり着くまでの移動に応じて付与されるゲーム媒体などの報酬(ステップS23、S45で付与される報酬など)に加えて、当該目的地に到着した際には、当該目的地に応じた報酬を別途獲得することができるため、目的地を設定して当該目的地に到達することへのモチベーションを高めることができる。
【0152】
(3) 上記実施形態においては、車を利用した移動は、ユーザが自ら車を運転して移動する場合を想定した例について説明した。しかし、車を利用した移動は、ユーザが自ら運転する場合(自家用車など)と、ユーザ自身が運転しない場合(バス、タクシーなど)について各々に対応したモードを設けてもよい。例えば、ユーザ自身が運転しない場合は、ドライブモードとは別のモード(例えば、乗り合いモード等)として選択できるようにしてもよい。なお、乗り合いモードにおいては、電車などに対応するモードと同様に、ステップS31~S36、S44、S45と同じ処理を行うようにしてもよい。
【0153】
(4) 上記実施形態においては、特定モードとして車に対応するドライブモードを例示した。しかし、電車、船、飛行機などに対応するモードを特定モードに含めてもよい。つまり、電車、船、飛行機などが選択されたモード中においても、ドライブモードと同様に、ステップS03~S23に対応する処理を行うようにしてもよい。
【0154】
(5) 上記実施例においては、ステップS32において、その他のモードにおける端末装置100の進路が、移動手段(モード)の進路に合致しているか否かを判定する例について説明した。しかし、ドライブモードにおいても、端末装置100の進路が移動手段の進路(道路)に合致しているか否かを判定してもよい。なお、進路が合致していると判定されなかったときは、進路(例えば、線路:電車、海:船など)に合致したモードへ移行するようにしてもよく、徒歩モードに移行してもよく、再度モードを選択させるためにステップS01に移行してもよい。
【0155】
(6) 上記実施形態においては、アイコン311に対して入力操作すること(ドライブモード中は停滞状態であることが前提となる)により、付与される報酬などを含む特定画像を表示して位置情報ゲームを終了する例について説明した。しかし、アイコン311を入力操作すること(ドライブモード中は停滞状態であることが前提となる)により、現時点までの移動に応じて付与される報酬などを含む特定画像を表示するとともに、終了アイコンと、再開アイコン(例えば選択していたモードに対応するアイコン、ドライブモードであった場合には車のアイコン)とを表示し、終了アイコンに対して入力操作すること(ドライブモード中であった場合は停滞状態であることが前提となる)により位置情報ゲームを終了する一方、再開アイコンに対して入力操作すること(ドライブモード中であった場合は停滞状態であることが前提となる)により位置情報ゲームを再開(移動距離等についても継続して特定)して以降において継続可能とするようにしてもよい。これにより、特定画像を確認した後、位置情報ゲームを継続して行うか終了するかをユーザの意思で決定でき、利便性を向上させることができる。なお、アイコン311を入力操作することにより、現時点までの移動に応じて付与される報酬などを含む特定画像を表示した際に、
図4(A)に示すモード選択UIを表示し、モード選択UIに対するタッチ操作によって移動手段(モード)を変更(再選択)して位置情報ゲームを再開するようにしてもよい。これによって、移動手段を途中で変更しつつ位置情報ゲームを継続することができる。
【0156】
(7) 上記実施形態においては、ドライブモード中においては、アイコン311を入力操作するまでモードが変更されない例について説明した。しかし、ドライブモード中の所定期間(開始から30分、あるいは直近30分等)内においてステップS10で示すように、特定された端末装置100の移動距離からドライブモード中の平均的な移動速度を算出し、その移動速度がドライブモードに予め定められている移動速度の範囲内ではないときに、当該平均的な移動速度を範囲内とする移動手段の種類に応じたモードに移行するようにしてもよく、再度モードを選択させるためにステップS02に移行してもよい。
【0157】
(8) 上記実施形態におけるドライブモード中においては、
図4(B)および
図4(C)において他のユーザが所有する端末装置が存在する場合に、当該端末装置に対応する位置に第3オブジェクト302を表示する例について説明した。しかし、ドライブモード中においては、他のユーザが所有する端末装置が存在する場合であっても第3オブジェクト302を表示部15に表示せず、その旨を特定可能な音のみをスピーカから出力するようにしてもよい。さらに、音を聞いたユーザが車を停止させて端末装置100を停滞状態とすることを条件として、第3オブジェクト302を表示部15に表示するようにしてもよい。これにより、安全性を担保しつつ他のユーザの位置を認識可能となる。
【0158】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0159】
(付記1):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、入力部、出力部、および表示部を備える端末装置において実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが所有する端末装置の位置を移動させることにより進行するゲームを含み、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、前記端末装置を所有するユーザが所定の移動手段を利用して前記端末装置を移動させることにより前記ゲームを進行可能とするステップ(ステップS07~S18)と、ユーザに対する情報を、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中以外の非特定モードにおいては前記表示部を用いて報知する一方、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中の特定モードにおいては前記表示部以外の出力部を用いて報知するステップ(ステップS11~S18)を実行させる。
【0160】
(付記2):
(付記1)において、前記出力部は、音を出力する出力部であり、前記報知するステップ(ステップS11~S18)は、前記特定モードにおいて、ユーザに対する情報に応じた音を前記出力部から出力することにより報知する。
【0161】
(付記3):
(付記2)において、前記ユーザに対する情報は、前記ゲームの進捗状況を特定可能な情報を含む(ステップS12)。
【0162】
(付記4):
(付記1)から(付記3)のいずれかにおいて、前記ゲームを進行可能とするステップ(ステップS07)は、前記特定モード中の前記端末装置の移動に応じて権利を当該特定モード中において付与し(ステップS14)、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、前記特定モードを終了したときに権利が付与されていることにより、前記ゲームにおけるユーザの有利度合いを当該権利に応じて高めることを可能とするステップ(ステップS23)を実行させる。
【0163】
(付記5):
(付記1)から(付記4)のいずれかにおいて、前記報知するステップ(ステップS11~S18)は、前記特定モード中において所定の地図上における前記端末装置の位置から所定範囲内に他のユーザが所有する端末装置が存在することに応じて音を出力する(ステップS16)。
【0164】
(付記6):
(付記1)から(付記5)のいずれかにおいて、前記所定の移動手段とは異なる移動手段に対応する所定モードが設けられており、前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、ユーザからの入力を受け付けることにより前記特定モードおよび前記所定モードを含む複数種類のモードのうちのいずれかに移行するステップ(ステップS03)を実行させ、前記報知するステップ(ステップS08)は、移行されているモード中においては当該モードの種類に応じた音を出力する(ステップS08、S31、S37)。
【0165】
(付記7):
(付記6)において、前記移行するステップ(ステップS03)は、前記特定モードに移行させるための入力を、前記特定モードでないときであって前記端末装置の位置が停滞状態であるときに受け付け可能とし、前記特定モードでないときであっても前記停滞状態でないときには受け付けない(ステップS04)。
【0166】
(付記8):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、プロセッサ、メモリ、入力部、出力部、および表示部を備える端末装置において実行されるゲーム方法であって、前記ゲーム方法に基づくゲームは、ユーザが所有する端末装置の位置を移動させることにより進行するゲームを含み、前記ゲーム方法は、前記端末装置が前記端末装置を所有するユーザが所定の移動手段を利用して前記端末装置を移動させることにより前記ゲームを進行可能とするステップ(ステップS07~S18)と、ユーザに対する情報を、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中以外の非特定モードにおいては前記表示部を用いて報知する一方、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中の特定モードにおいては前記表示部以外の出力部を用いて報知するステップ(ステップS11~S18)とを備える。
【0167】
(付記9):
本開示に示す一実施形態のある局面によれば、端末装置であって、ゲームプログラムを記憶する記憶部と、前記ゲームプログラムを実行することにより、前記端末装置の動作を制御する制御部とを備え、前記ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが所有する端末装置の位置を移動させることにより進行するゲームを含み、前記制御部は、前記端末装置を所有するユーザが所定の移動手段を利用して前記端末装置を移動させることにより前記ゲームを進行可能とするステップ(ステップS07~S18)と、ユーザに対する情報を、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中以外の非特定モードにおいては前記表示部を用いて報知する一方、前記所定の移動手段を利用して前記端末装置の位置を移動させることにより進行するゲーム中の特定モードにおいては前記表示部以外の出力部を用いて報知するステップ(ステップS11~S18)とを備える。
【0168】
〔ソフトウェアによる実現例〕
端末装置100およびサーバ200の各々における制御は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0169】
後者の場合、端末装置100およびサーバ200は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0170】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0171】
1 ゲームシステム、 2 ネットワーク、 10,20 プロセッサ、 11,21 メモリ、 12,22 ストレージ、 15 表示部、 151 入力部、 152 表示部、 17 カメラ、 18 測距センサ、 1010 物体、 1020 コントローラ、 1030 記憶媒体、 100 端末装置、 200 サーバ、 120,220 記憶部、 121,221 ゲームプログラム、 122,222 ゲーム情報、 123,223 ユーザ情報、 110,210 制御部、 111 ゲーム進行処理部、 112 入力操作受付部、 113 カメラ配置制御部、 114 表示制御部、 115 オブジェクト制御部、 211 送受信部、 212 サーバ処理部、 213 データ管理部、 214 同期処理部、 300 第1オブジェクト、 301 第2オブジェクト、 302 第3オブジェクト、 310 実行中のモードを示すアイコン、 311 モードを終了するアイコン