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特許7485553加飾フィルム製造方法および加飾フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】加飾フィルム製造方法および加飾フィルム
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/24 20060101AFI20240509BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240509BHJP
   B32B 3/28 20060101ALI20240509BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
B29C43/24
B32B27/00 E
B32B27/00 M
B32B3/28 A
B29L9:00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020107110
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022001421
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金子 麻由
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-202448(JP,A)
【文献】特開2018-149725(JP,A)
【文献】特開平07-224254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/24
B32B 27/00
B32B 3/28
B29L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮層、基材層、粘着剤層、および剥離ライナー積層方向に沿って積層される積層体を、前記表皮層から前記剥離ライナーに向かって押圧することによって、
前記表皮層に凹凸形状を形成するとともに、当該凹凸形状に対応させて、前記基材層、前記粘着剤層、および前記剥離ライナーを変形させる、加飾フィルム製造方法。
【請求項2】
長尺な前記積層体を、互いに対向する一対のローラの間に続けて供給し、前記ローラによって、前記押圧を連続的に行う、請求項1に記載の加飾フィルム製造方法。
【請求項3】
枚葉紙状の前記積層体ごとに、前記押圧を行う、請求項1に記載の加飾フィルム製造方法。
【請求項4】
前記凹凸形状の反転した凹凸形状を表面に有する工程紙を用い、当該工程紙の前記表面を前記表皮層に押し付けて前記押圧を行う、請求項1~請求項3のうちのいずれか1つに記載の加飾フィルム製造方法。
【請求項5】
表皮層、基材層、粘着剤層、および剥離ライナー、積層方向に沿ってこの順序で積層され
前記表皮層が凹凸形状を有するとともに、前記基材層、前記粘着剤層、および前記剥離ライナーが、前記凹凸形状に対応して凹凸形状を有する、加飾フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加飾フィルム製造方法および加飾フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1で開示されているように、自動車等への意匠性付与を目的として、加飾フィルムが用いられている。特許文献1の加飾フィルムは、シボ模様を形作る凹凸形状を有する表皮層と、基材層等の他の層とを積層した積層構造を有しており、粘着剤層を介して被着体に貼付される。
【0003】
その際、加飾フィルムと被着体との間に介在する空気に起因するふくれが防止されることが好ましく、特許文献1の加飾フィルムに、例えば特許文献2に開示されているような凹凸形状を有する剥離ライナーを適用すれば、剥離ライナーの凹凸形状が粘着剤層に転写され、空気を逃がす凹部が粘着剤層に形成される。従って、このような形態によれば、ふくれを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-202448号公報
【文献】特開2006-70273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような形態の加飾フィルムを作製するにあたり、凹凸形状を有する表皮層および剥離ライナーのそれぞれを形成し、その後、それらと他の層とを積層するとなると、凹凸形状を有する表皮層および剥離ライナーを、予め別々に形成しておかなければならず、手間がかかる。
【0006】
本発明は、そのような課題に鑑みてなされ、生産性を向上できる加飾フィルム製造方法および加飾フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の加飾フィルム製造方法は、表皮層、基材層、粘着剤層、および剥離ライナー積層方向に沿って積層される積層体を、前記表皮層から前記剥離ライナーに向かって押圧することによって、前記表皮層に凹凸形状を形成するとともに、当該凹凸形状に対応させて、前記基材層、前記粘着剤層、および前記剥離ライナーを変形させる。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の加飾フィルムは、表皮層、基材層、粘着剤層、および剥離ライナー、積層方向に沿ってこの順序で積層され、前記表皮層が凹凸形状を有するとともに、前記基材層、前記粘着剤層、および前記剥離ライナーが、前記凹凸形状に対応して凹凸形状を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を有する発明によれば、凹凸形状を有する表皮層および剥離ライナーが同時に形成されるため、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の加飾フィルムの側面図である。
図2】剥離ライナーを剥がした加飾フィルムの側面図である。
図3】加飾フィルムへと加工される積層体を示す側面図である。
図4】第1実施形態の加飾フィルム製造方法を示す図である。
図5】第2実施形態の加飾フィルム製造方法で用いられる物品を示す図である。
図6】第2実施形態の加飾フィルム製造方法を示す図である。
図7】第3実施形態の加飾フィルム製造方法を示す図である。
図8】第4実施形態の加飾フィルム製造方法で用いられる物品を示す図である。
図9】第4実施形態の加飾フィルム製造方法を示す図である。
図10】実施形態と異なる加飾フィルムの他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示すように、第1実施形態の加飾フィルム100は、表皮層110、装飾層120(基材層)、粘着剤層130、および剥離ライナー140を、積層方向にこの順序で有する。表皮層110は凹凸形状111を有しており、また、装飾層120、粘着剤層130、および剥離ライナー140も、凹凸形状111に対応して凹凸形状を有する。
【0013】
表皮層110の凹凸形状111は、加飾フィルム100の表面に意匠性を付与しており、何らかの模様を形作っている。凹凸形状111が形作る模様は、例えば、天然皮革を模したシボ模様であるが、これに限定されず、例えば、布目、石目、砂目、木目、万線、ヘアライン等であってもよく、また、文字、記号、幾何学図形、図柄等であってもよい。また、凹凸形状111が形作る模様は、規則的でも不規則であってもよい。
【0014】
表皮層110は、光透過性を有しており、表皮層110を通じて装飾層120を視認可能である。装飾層120が視認可能であれば、表皮層110が可視光領域においてどの程度の透過率を有するかは、特に限定されない。
【0015】
表皮層110の形成材料は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の樹脂であるが、これに限定されず、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等の他の樹脂であってもよい。表皮層110の厚みは、例えば5μm~100μmであるが、これに限定されない。
【0016】
装飾層120は、例えば色や模様等を含んでおり、それらによって意匠性を発揮する。装飾層120を形成する材料は、例えば、塩化ビニル(PVC)樹脂、アクリル樹脂等であるが、これらに限定されない。装飾層120の厚みは、例えば50μm~400μmであるが、これに限定されない。
【0017】
粘着剤層130は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤によって形成されるが、粘着剤層130の形成材料は、それらに限定されない。粘着剤層130の厚みは、例えば20μm~80μmであるが、これに限定されない。
【0018】
剥離ライナー140は、粘着剤層130に対し、剥離可能に配置されている。剥離ライナー140は、例えば、フィルム基材または紙基材の表面に剥離剤層が設けられた構成を有するが、どのような構成を有するかは、特に限定されない。剥離ライナー140の厚みは、例えば30μm~100μmであるが、これに限定されない。
【0019】
図2に示すように、加飾フィルム100は、剥離ライナー140を剥がして使用され、粘着剤層130を介して被着体に貼付される。粘着剤層130のうち、剥離ライナー140側の面は、剥離ライナー140の凹凸形状が反転した形状を有し、凹部150が形成される。
【0020】
被着体に加飾フィルム100が貼付される際、被着体と加飾フィルム100との間に介在する空気を凹部150が逃がすため、加飾フィルム100のふくれが抑制される。加飾フィルム100は、例えば自動車等の車両の内外装を加飾するのに用いられるが、加飾対象である被着体は、特に限定されず、例えば家電製品や雑貨品等であってもよい。
【0021】
次に、加飾フィルム製造方法について述べる。
【0022】
図3に示すように、実施形態の加飾フィルム製造方法では、平らなシート状の積層体500に凹凸をつけることによって、加飾フィルム100が作製される。積層体500は、加飾フィルム100と形状が異なるが、加飾フィルム100と同じ材質の層が積層された構成を有しており、表皮層110、装飾層120、粘着剤層130、および剥離ライナー140を積層方向にこの順序で有する。これら各層は、加飾フィルム100と異なり平らな形状を有する。
【0023】
図4に示すように、本実施形態では、互いに対向する一対のローラR1、R2によって積層体500に凹凸がつけられ、加飾フィルム100が作製される。具体的に、ローラR1、R2が、積層体500を、それを構成している各層の積層方向から押圧し、これによって、表皮層110に凹凸形状111を形成するとともに、凹凸形状111に対応させて、装飾層120、粘着剤層130、および剥離ライナー140を変形させ、加飾フィルム100が作製される。
【0024】
ローラR1は、凹凸形状111が反転した凹凸形状R10を外周面に有しており、ローラR2は、ローラR1に比べて平滑な円弧状の外周面を有している。積層体500は、表皮層110側がローラR1側に向き、剥離ライナー140側がローラR2側に向けられて、ローラR1、R2の間に供給される。
【0025】
ローラR1、R2のうちの少なくとも一方は、例えばヒータ等の熱源を内部に有しており、積層体500に熱を加えて軟化させつつ押圧する。ローラR1、R2は、好ましくは金属製であるが、それらの材質は特に限定されない。
【0026】
積層体500は長尺で、ローラR1、R2の間に続けて供給され、ローラR1、R2による積層体500の押圧が連続的に行われる。積層体500は、例えばロール・ツー・ロール方式によって搬送される。
【0027】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0028】
本実施形態では、凹凸形状111を有する表皮層110が形成されると同時に、それに対応して凹凸形状を有する剥離ライナー140が形成されるため、それらを別々に形成する手間を省け、生産性を向上できる。
【0029】
また、本実施形態では、長尺な積層体500がローラR1、R2の間に続けて供給され、ローラR1、R2が、積層体500を連続的に押圧して加飾フィルム100へと加工する。このため、加飾フィルム100の生産性を上げられる。
【0030】
<第2実施形態>
図5に示すように、第2実施形態の加飾フィルム製造方法では、枚葉紙状の積層体500Aが用いられる。積層体500Aは、第1実施形態の積層体500と異なる形状を有するが、同積層体と同じ材質の層が積層された構成を有しており、表皮層110、装飾層120、粘着剤層130、および剥離ライナー140を積層方向にこの順序で有する。
【0031】
積層体500Aは、相対的に近接離隔する上型P1および下型P2の間に配置される。上型P1は、下型P2と対向する面に凹凸形状P10を有する。下型P2において上型P1と対向する面は、上型P1の凹凸形状P10の設けられた面に比べて平滑な平面である。積層体500Aは、表皮層110側が上型P1側に向き、剥離ライナー140側が下型P2側に向けられて、上型P1および下型P2の間に配置される。
【0032】
図6に示すように、上型P1および下型P2は、互いに近接し、積層体500Aを、それを構成している各層の積層方向から押圧する。これによって、加飾フィルム100Aが作製される。上型P1および下型P2の少なくとも一方は、例えばヒータ等の熱源を内部に有しており、積層体500Aに熱を加えて軟化させつつ押圧する。
【0033】
加飾フィルム100Aは、第1実施形態の長尺な加飾フィルム100と異なり、枚葉紙状であるが、積層されている各層の材質、およびそれら各層の凹凸形状は、第1実施形態と同様である。
【0034】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様、表皮層110および剥離ライナー140に同時に凹凸がつけられるため、それらを別々に形成する手間を省け、生産性を向上できる。
【0035】
また、本実施形態のように、枚葉紙状の積層体500Aを用いれば、必要な分だけ加飾フィルム100Aを作製可能なため、在庫を抑制できる。
【0036】
<第3実施形態>
図7に示すように、第3実施形態の加飾フィルム製造方法は、表面に凹凸形状1001を有する工程紙1000が用いられる点で、第1実施形態と異なる。
【0037】
工程紙1000は、上質紙、中質紙、グラシン紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙等の紙基材の表面に、凹凸形状1001が形成された構成を有するが、これに限定されない。工程紙1000は、例えば、良好な耐熱性を有する樹脂フィルムの表面に、凹凸形状1001が形成された構成を有してもよい。また、工程紙1000は、凹凸形状1001の形成されている面に、剥離剤層を有してもよい。工程紙1000の厚みは、例えば5μm~300μmであるが、これに限定されない。
【0038】
凹凸形状1001は、加飾フィルム100に形成される凹凸形状111が反転した形状であり、例えばエンボス加工によって形成されるが、どのようにして形成されるかは、特に限定されない。例えば、平滑な基材の表面に、凸部を別途取り付けることによって、凹凸形状1001を形成してもよい。
【0039】
工程紙1000は、第1実施形態と同様の積層体500とともに、ローラR3、R4の間に供給される。ローラR3、R4は、両者とも工程紙1000の凹凸形状1001が設けられた面よりも平滑な円弧状の外周面を有している。ローラR3、R4は、好ましくは金属製であるが、それらの材質は特に限定されない。
【0040】
工程紙1000および積層体500は、工程紙1000の凹凸形状1001と、積層体500の表皮層110とが向かい合うようにして、ローラR3、R4の間に供給される。工程紙1000および積層体500は、ローラR3、R4の間を通過する際、ローラR3、R4によって厚み方向から押圧され、工程紙1000の凹凸形状1001を有する表面が、積層体500の表皮層110に押し付けられる。これにともない、表皮層110に凹凸形状111が形成されるとともに、凹凸形状111に対応して、装飾層120、粘着剤層130、および剥離ライナー140が変形し、加飾フィルム100が作製される。
【0041】
工程紙1000および積層体500は、長尺な形状を有しており、ローラR3、R4の間に続けて供給され、ローラR3、R4による押圧が連続的に行われる。ローラR3、R4のうちの少なくとも一方は、例えばヒータ等の熱源を内部に有しており、積層体500に熱を加えて軟化させつつ押圧する。
【0042】
工程紙1000は、ローラR3、R4から加わる力や熱に対して凹凸形状1001を維持しうる強度と耐熱性を有する。工程紙1000の耐熱温度は、例えば150℃以上、好ましくは170℃以上であるが、これらに限定されない。工程紙1000および積層体500はそれぞれ、例えばロール・ツー・ロール方式によって搬送される。
【0043】
本実施形態では、積層体500に凹凸をつける加工手段として、工程紙1000が用いられるが、これは、第1実施形態のような外周面に凹凸形状が形成されたローラに比べ、比較的安価である。従って、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、製造コストを抑制できるという効果が得られる。
【0044】
また、第1実施形態のように外周面に凹凸形状が形成されたローラを用いる場合、加飾フィルム100に形成する凹凸形状111を変更するには、同ローラの変更が必要で、その際、製造装置からローラを外したり取り付けたりしなければならないが、その交換作業は大掛かりで手間がかかる。
【0045】
一方、本実施形態では、加飾フィルム100に形成する凹凸形状111を変更するには、工程紙1000を変えればよく、手間のかかるローラ交換は不要なため、生産性を向上できる。
【0046】
また、第1実施形態のように、ローラR1の表面に凹凸形状R10が形成される場合、それによって形作られる模様の一のパターンの周方向の寸法は、最大でもローラR1の円周の長さに等しく、その長さの範囲内に制限される。
【0047】
一方、本実施形態のように、連続する長尺な工程紙1000を用いれば、第1実施形態のローラR1のようにパターンの寸法が制限されないため、より長いパターンを採用できる。
【0048】
<第4実施形態>
図8に示すように、第4実施形態の加飾フィルム製造方法は、工程紙1000Aが用いられる点で、第2実施形態と異なる。また、本実施形態では、第2実施形態と異なる上型P3が用いられる。他の構成については、本実施形態は、第2実施形態と同様である。
【0049】
工程紙1000Aは、第3実施形態の工程紙1000と形状が異なり、枚葉紙状であるが、材質および表面に形成された凹凸形状1001は、第3実施形態の工程紙1000と同様である。
【0050】
上型P3は、下型P2に対向する面が、工程紙1000Aの凹凸形状1001の形成された面と比べて平滑である。他の構成については、上型P3は、第2実施形態の上型P1と同様である。
【0051】
図9に示すように、本実施形態では、上型P3および下型P2が、互いに近接し、工程紙1000Aおよび積層体500Aを押圧することによって、加飾フィルム100Aが作製される。作製される加飾フィルム100A自体は、第2実施形態と同様である。
【0052】
本実施形態では、工程紙1000Aが用いられるため、第2実施形態の効果に加え、第3実施形態と同様、製造コストを抑制できるという効果が得られる。
【0053】
第3実施形態では、連続する工程紙1000を用いて連続的に転写が行われるが、本実施形態では、枚葉紙状の工程紙1000Aおよび積層体500Aごとに、転写が行われる。これによって、求められる加飾フィルム100Aの品種に応じて工程紙1000Aを変えながら少量ずつ転写を行えるため、多品種少量生産に適する。
【0054】
また、凹凸形状の異なる加飾フィルム100Aを作製する際には、工程紙1000Aを変えればよく、手間のかかる上型P3の交換が不要であるため、生産性を向上できる。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。例えば、加飾フィルムや積層体は、図1図3で示された各層以外の他の層をさらに有してもよい。
【0056】
また、第3実施形態において、ローラR3の外周に工程紙1000を巻いた形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、加飾フィルムに形成される凹凸形状も上記実施形態に限定されず、加飾フィルムの意匠に応じて異なる。例えば、図10に示すように、上記実施形態と比べて幅広な凸部と狭い凹部とを有する凹凸形状111Bも、本発明に含まれる。
【0058】
図10に示す加飾フィルム100Bも、上記実施形態と同様の製造方法によって作製することが可能であり、この場合、製造過程で用いられるローラ、上型、工程紙の表面形状は、凹凸形状111Bが反転した形状である。
【0059】
また、上記実施形態や図10で示した例のように、幅が一定の凸部や凹部のみによって凹凸形状が形成される形態に限定されず、異なる幅を有する凸部や凹部によって凹凸形状が形成される形態も、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100、100A、100B 加飾フィルム、
110 表皮層、
111、111B 凹凸形状、
120 装飾層(基材層)、
130 粘着剤層、
140 剥離ライナー、
150 凹部、
500、500A 積層体、
1000、1000A 工程紙、
P1、P3 上型、
P2 下型、
R1、R2、R3、R4 ローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10