(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240509BHJP
H04R 1/06 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
H04R1/06 320
(21)【出願番号】P 2020141713
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 佑樹
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-309001(JP,A)
【文献】特開昭59-090487(JP,A)
【文献】登録実用新案第3163099(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
H04R 1/00-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者で利用するカラオケ装置と、表示手段を有し、少なくとも前記複数の利用者の人数と同じ数のマイクと、を含むカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
利用者からの利用者識別情報の入力に基づいて、当該利用者に対応する利用者情報を取得する取得部と、
複数の前記マイクの中から、取得した前記利用者情報を送信する一のマイクを決定する決定部と、
決定した前記一のマイクに対して取得した前記利用者情報を送信する送信処理部と、
を有し、
前記マイクは、
受信した前記利用者情報を表示手段に表示させる表示制御部を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記表示制御部は、受信した前記利用者情報を前記表示手段に表示させた後、表示開始情報を前記カラオケ装置に送信し、
前記カラオケ装置は、
前記一のマイクから表示開始情報を受信した場合、前記利用者に対して当該一のマイクの使用を促すための報知を行う報知部を有することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記マイクは、
当該マイクを充電するための充電装置との接続が遮断されたことを検出した場合、使用開始情報を前記カラオケ装置に送信する検出部を有し、
前記取得部は、前記一のマイクから前記使用開始情報を受信するまで、送信された前記利用者情報に対応する利用者以外の他の利用者の利用者情報の取得を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ歌唱を頻繁に行う者や、高い歌唱スキルを持つ者の中には、カラオケ店舗を利用する際に自らが所有する専用のマイク(以下、「マイマイク」)を持参する者もいる。
【0003】
このようなマイマイクに関する技術が知られている。たとえば、特許文献1には、所有者の声質に合わせて周波数特性を設定可能なマイクロホンが開示されている。また、特許文献2には、熱心なカラオケ愛好者が個人所有する特注品のワイヤレスマイクをカラオケ店に持参して使用する際のチャンネル設定に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-135310号公報
【文献】特開2011-133645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、感染症対策等の観点から、カラオケ店舗においても利用者毎に別々の消毒済みのマイクを貸与し、マイマイクのように使用させることが好ましい。
【0006】
しかしながら、従来のカラオケ店舗において貸与されるマイクは、いずれも類似のマイクであるため、区別がつき難い。よって、ある利用者が使用済みのマイクを、他の利用者が使用してしまう可能性(すなわち、マイクを誤用する可能性)があった。
【0007】
本発明の目的は、利用者間におけるマイクの誤用を抑制することが可能なカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、複数の利用者で利用するカラオケ装置と、表示手段を有し、少なくとも前記複数の利用者の人数と同じ数のマイクと、を含むカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、利用者からの利用者識別情報の入力に基づいて、当該利用者に対応する利用者情報を取得する取得部と、複数の前記マイクの中から、取得した前記利用者情報を送信する一のマイクを決定する決定部と、決定した前記一のマイクに対して取得した前記利用者情報を送信する送信処理部と、を有し、前記マイクは、受信した前記利用者情報を表示手段に表示させる表示制御部を有するカラオケシステムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者間におけるマイクの誤用を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図6】第2実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【
図8】第3実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1から
図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0012】
==カラオケシステム==
カラオケシステム1は、カラオケ店舗の部屋R内に設置される。カラオケシステム1は、カラオケ装置K、及びマイクを含む。
【0013】
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置Kは、複数の利用者で利用可能となっている。
【0014】
マイクは、利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ装置Kに送信するための構成である。マイクは、一のカラオケ装置に対し、少なくとも当該一のカラオケ装置を利用可能な利用者の人数と同じ数だけ設けられている。
【0015】
図1では、カラオケ装置Kに対し、消毒済みの5つのマイクM1~マイクM5が設けられている。すなわち、部屋Rのカラオケ装置Kは、最大で5名まで利用可能となっている。各マイクは、表示手段50c(詳細は後述)を有する。
【0016】
また、カラオケ店舗の部屋R内には充電装置が設けられている。充電装置はマイクを充電するためのものである。カラオケ装置Kが使用されていない状態において、マイクは充電装置に接続されている。
図1では、部屋R内にマイクM1~マイクM5に対する充電装置BC1~充電装置BC5が設けられている。
【0017】
==カラオケ装置==
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、及びリモコン装置40を備える。
【0018】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイクM1~マイクM5を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。リモコン装置40は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0019】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0020】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0021】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すデータであって、利用者によるカラオケ歌唱を採点するためのデータである。
【0022】
また、記憶手段10aは、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、楽曲のカラオケ演奏に合わせて当該楽曲の歌詞に対応する歌詞テロップを表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、及び楽曲の属性情報を記憶する。
【0023】
更に、記憶手段10aは、個々のマイクを識別するためのマイク識別情報を記憶している。マイク識別情報は、マイクIDのような各マイクに固有の情報である。本実施形態において、記憶手段10aは、マイクM1~マイクM5それぞれのマイクID「***M1」~マイクID「***M5」を記憶している。
【0024】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、マイクM1~マイクM5、及びリモコン装置40との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置40が入力手段10cとして機能してもよい。
【0025】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイクM1~マイクM5を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0026】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0027】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、決定部200、及び送信処理部300として機能する。
【0028】
(取得部)
取得部100は、利用者からの利用者識別情報の入力に基づいて、当該利用者に対応する利用者情報を取得する。利用者識別情報の入力は、たとえば利用者のカラオケシステム1に対するログイン操作の中で行われる。
【0029】
利用者識別情報は、カラオケ装置Kを利用する利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。利用者情報は、利用者の名前やニックネーム等、各利用者に関する情報である。本実施形態において、記憶手段10aは、予め利用者識別情報及び利用者情報を紐付けて記憶している。
【0030】
たとえば、利用者は、カラオケシステム1を初めて利用する際、リモコン装置40を操作して氏名やニックネーム等の登録を行う。カラオケシステム1は、登録された情報を利用者情報とし、任意の利用者識別情報を紐付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0031】
ここで、以下の説明においては、
図1に示したカラオケシステム1を3名の利用者U1~利用者U3で利用するとする。また、利用者U1の利用者ID「***U1」と利用者情報UI1「研一」とが紐付けられており、利用者U2の利用者ID「***U2」と利用者情報UI2「わじー」とが紐付けられており、利用者U3の利用者ID「***U3」と利用者情報UI3「ノブ」とが紐付けられているとする。
【0032】
カラオケ装置Kの利用にあたり、利用者U1がリモコン装置40を操作し、自己の利用者ID「***U1」の入力を行ったとする。この場合、取得部100は、記憶手段10aから利用者ID「***U1」に紐付けられた利用者情報UI1「研一」を取得する。取得部100は、取得した利用者情報UI1「研一」を決定部200に出力する。
【0033】
同様に、利用者U2がリモコン装置40を操作し、自己の利用者ID「***U2」の入力を行ったとする。この場合、取得部100は、記憶手段10aから利用者ID「***U2」に紐付けられた利用者情報UI2「わじー」を取得する。取得部100は、取得した利用者情報UI2を決定部200に出力する。また、利用者U3がリモコン装置40を操作し、自己の利用者ID「***U3」の入力を行ったとする。この場合、取得部100は、記憶手段10aから利用者ID「***U3」に紐付けられた利用者情報UI3「ノブ」を取得する。取得部100は、取得した利用者情報UI3を決定部200に出力する。
【0034】
なお、カラオケシステム1と通信可能に接続されているサーバ装置(図示なし)が、利用者識別情報及び利用者情報を記憶していてもよい。この場合、取得部100は、利用者により入力された利用者識別情報をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、受信した利用者識別情報に紐付けられている利用者情報を読み出し、カラオケシステム1に送信する。取得部100は、受信した利用者情報を、利用者識別情報を入力した利用者のものとして取得する。
【0035】
(決定部)
決定部200は、複数のマイクの中から、取得した利用者情報を送信する一のマイクを決定する。
【0036】
一のマイクは、複数のマイクのうち、未だ利用者が決定されていないマイク(すなわち利用者が割り当てられていないマイク)である。利用者の決定は、マイク識別情報と利用者識別情報とを紐付けることにより行われる。決定部200は、決定したマイクのマイク識別情報と、取得した利用者情報に対応する利用者識別情報とを紐付け、記憶手段10aに記憶させる。決定部200は、マイクを決定する際に記憶手段10aを参照することにより、未だ利用者が決定されていないマイクを特定することができる。
【0037】
ここで、上述の通り、取得部100から利用者情報UI1「研一」が出力されたとする。決定部200は、記憶手段10aを参照し、未だ利用者が決定されていないマイクを特定する。この段階では、いずれのマイクも利用者が決定されていない。
【0038】
この場合、決定部200は、利用情報UI1「研一」を送信するマイクとして、マイクM1~マイクM5の中から一のマイク(たとえばマイクM1)を決定する。決定部200は、マイクM1のマイクID「***M1」を利用者U1の利用者ID「***U1」と紐付け、記憶手段10aに一時的に記憶させる。そして、決定部200は、決定したマイクM1のマイクID「***M1」及び利用者情報UI1「研一」を送信処理部300に出力する。
【0039】
その後、取得部100から利用者情報UI2「わじー」が出力されたとする。決定部200は、記憶手段10aを参照し、未だ利用者が決定されていないマイクを特定する。この段階では、マイクM1について利用者が決定されている。
【0040】
この場合、決定部200は、利用情報UI2「わじー」を送信するマイクとして、マイクM1を除くマイクM2~マイクM5の中から一のマイク(たとえばマイクM2)を決定する。決定部200は、マイクM2のマイクID「***M2」を利用者U2の利用者ID「***U2」と紐付け、記憶手段10aに一時的に記憶させる。そして、決定部200は、決定したマイクM2のマイクID「***M2」及び利用者情報UI2「わじー」を送信処理部300に出力する。
【0041】
その後、取得部100から利用者情報UI3「ノブ」が出力されたとする。決定部200は、記憶手段10aを参照し、未だ利用者が決定されていないマイクを特定する。この段階では、マイクM1及びマイクM2について利用者が決定されている。
【0042】
この場合、決定部200は、利用情報UI3「ノブ」を送信するマイクとして、マイクM1及びマイクM2を除くマイクM3~マイクM5の中から一のマイク(たとえばマイクM3)を決定する。決定部200は、マイクM3のマイクID「***M3」を利用者U3の利用者ID「***U3」と紐付け、記憶手段10aに一時的に記憶させる。そして、決定部200は、決定したマイクM3のマイクID「***M3」及び利用者情報UI3「ノブ」を送信処理部300に出力する。
【0043】
なお、カラオケ装置Kの利用を終了する場合、利用者は、リモコン装置40を操作し、自己の利用者識別情報の入力を行う。この場合、決定部200は、当該利用者識別情報、及び当該利用者識別情報に紐付けられているマイク識別情報を記憶手段10aから削除する。
【0044】
たとえば、カラオケ装置Kを利用している利用者U1が途中で退室するとする。この場合、利用者U1は、リモコン装置40を操作し、自己の利用者ID「***U1」の入力を行う。決定部200は、利用者ID「***U1」、及び利用者ID「***U1」に紐付けられているマイクID「***M1」を記憶手段10aから削除する。
【0045】
(送信処理部)
送信処理部300は、決定した一のマイクに対して取得した利用者情報を送信する。
【0046】
上述の通り、決定部200からマイクM1のマイクID「***M1」及び利用者情報UI1「研一」が出力されたとする。この場合、送信処理部300は、マイクID「***M1」に基づいて、部屋Rに設置されているマイクM1に対し、利用者情報UI1「研一」を送信する。
【0047】
同様に、決定部200からマイクM2のマイクID「***M2」及び利用者情報UI2「わじー」が出力されたとする。この場合、送信処理部300は、マイクID「***M2」に基づいて、部屋Rに設置されているマイクM2に対し、利用者情報UI2「わじー」を送信する。また、決定部200からマイクM3のマイクID「***M3」及び利用者情報UI3「ノブ」が出力されたとする。この場合、送信処理部300は、マイクID「***M3」に基づいて、部屋Rに設置されているマイクM3に対し、利用者情報UI3「ノブ」を送信する。
【0048】
==マイク==
図1に示したマイクM1~マイクM5はいずれも同じ構成であるため、以下マイクM1について説明を行う。
図3に示すように、マイクM1は、記憶手段50a、通信手段50b、表示手段50c、及び制御手段50dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。通常、マイクは主電源をオフにして充電装置に接続されるため、記憶手段50a、通信手段50b、表示手段50c、及び制御手段50dは主電源とは別の電源(ボタン電池など)で動作する。
【0049】
[記憶手段・通信手段・表示手段]
記憶手段50aは、カラオケ装置Kから受信したデータを一時的に記憶する記憶装置である。通信手段50bは、カラオケ装置Kとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段50cは、受信した利用者情報を表示するためのディスプレイである。
【0050】
[制御手段]
制御手段50dは、マイクM1における各種の制御を行う。制御手段50dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0051】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段50dは、表示制御部400として機能する。
【0052】
(表示制御部)
表示制御部400は、受信した利用者情報を表示手段50cに表示させる。
【0053】
上述の通り、送信処理部300からマイクM1に対し、利用者情報UI1「研一」が送信されたとする。この場合、表示制御部400は、受信した利用者情報UI1「研一」を表示手段50cに表示させる。利用者U1は、利用者情報UI1「研一」が表示されたマイクM1を自身に割り当てられたマイクとして手に取ることができる。また、他の利用者(利用者U2及び利用者U3)は、表示手段50cに表示された利用者情報UI1「研一」を確認することにより、マイクM1が利用者U1に割り当てられたマイクであることを認識できる。表示制御部400は、利用者U1がカラオケ装置Kの利用を終了するまで、表示手段50cに利用者情報UI1「研一」を表示させる。
【0054】
なお、送信処理部300からマイクM2に対し、利用者情報UI2「わじー」が送信されたとする。この場合、マイクM2の表示制御部400は、受信した利用者情報UI2「わじー」をマイクM2の表示手段50cに表示させる。利用者U2は、利用者情報UI2「わじー」が表示されたマイクM2を自身に割り当てられたマイクとして手に取ることができる。また、送信処理部300からマイクM3に対し、利用者情報UI3「ノブ」が送信されたとする。この場合、マイクM3の表示制御部400は、受信した利用者情報UI3「ノブ」をマイクM3の表示手段50cに表示させる。利用者U3は、利用者情報UI3「ノブ」が表示されたマイクM3を自身に割り当てられたマイクとして手に取ることができる。
【0055】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、
図4を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図4は、カラオケシステム1の動作例を示すフローチャートである。カラオケシステム1は、カラオケ装置Kと、カラオケ装置Kを利用する利用者の人数と同じ数のマイクと、を含む。なお、以下では、一の利用者についての処理について説明するが、カラオケシステム1は、複数の利用者それぞれに対して同様の処理を行うことができる。
【0056】
取得部100は、利用者からの利用者識別情報の入力に基づいて、当該利用者に対応する利用者情報を取得する(利用者情報を取得。ステップ10)。
【0057】
決定部200は、複数のマイクの中から、ステップ10で取得した利用者情報を送信する一のマイクを決定する(一のマイクを決定。ステップ11)。
【0058】
送信処理部300は、ステップ11で決定した一のマイクに対して、ステップ10で取得した利用者情報を送信する(一のマイクに対して利用者情報を送信。ステップ12)。
【0059】
一のマイクの表示制御部400は、受信した利用者情報を表示手段に表示させる(利用者情報を表示。ステップ13)。
【0060】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数の利用者で利用するカラオケ装置Kと、表示手段50cを有し、少なくとも複数の利用者の人数と同じ数のマイクM1~マイクM5と、を含む。カラオケ装置Kは、利用者からの利用者識別情報の入力に基づいて、当該利用者に対応する利用者情報を取得する取得部100と、複数のマイクM1~マイクM5の中から、取得した利用者情報を送信する一のマイクを決定する決定部200と、決定した一のマイクに対して取得した利用者情報を送信する送信処理部300と、を有する。マイクM1~マイクM5それぞれは、受信した利用者情報を表示手段50cに表示させる表示制御部400を有する。
【0061】
このようなカラオケシステム1によれば、カラオケ装置Kを利用する利用者それぞれに対して一のマイクを割り当てることができる。また、割り当てられた一のマイクには、利用者情報が表示されるため、各利用者は自分に割り当てられたマイクを容易に認識することができる。従って、ある利用者に対して割り当てられたマイクを、他の利用者が間違って使用する可能性が低い。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、利用者間におけるマイクの誤用を抑制することができる。
【0062】
<第2実施形態>
次に、
図5及び
図6を参照して、第2実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。本実施形態では、利用者に対して決定されたマイクの使用を促すための報知ができる構成について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0063】
==マイク==
(表示制御部)
本実施形態に係る表示制御部400は、受信した利用者情報を表示手段50cに表示させた後、表示開始情報をカラオケ装置Kに送信する。表示開始情報は、表示手段50cに利用者情報を表示させたことを示すものである。
【0064】
たとえば、第1実施形態の例において、マイクM1の表示制御部400は、受信した利用者情報UI1「研一」をマイクM1の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM1のマイクID「***M1」を送信する。
【0065】
同様に、マイクM2の表示制御部400は、受信した利用者情報UI2「わじー」をマイクM2の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM2のマイクID「***M2」を送信する。また、マイクM3の表示制御部400は、受信した利用者情報UI3「ノブ」をマイクM3の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM3のマイクID「***M3」を送信する。
【0066】
==カラオケ装置==
図5に示すように、本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、決定部200、送信処理部300、及び報知部500として機能する。
【0067】
(報知部)
報知部500は、一のマイクから表示開始情報を受信した場合、利用者に対して当該一のマイクの使用を促すための報知を行う。報知は様々な方法で行うことができる。たとえば、報知部500は、一のマイクの使用を促すメッセージを表示装置30に表示させたり、当該メッセージを音声としてスピーカ20から放音させることができる。
【0068】
上述の通り、マイクM1の表示制御部400が、受信した利用者情報UI1「研一」をマイクM1の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM1のマイクID「***M1」を送信したとする。
【0069】
この場合、報知部500は、記憶手段10aを参照し、マイクM1のマイクID「***M1」に紐付けられている利用者U1の利用者ID「***U1」を特定する。報知部500は、記憶手段10aを参照し、特定した利用者ID「***U1」に紐付けられた利用者情報UI1「研一」を取得する。報知部500は、取得した利用者情報UI1「研一」及びマイクID「***M1」に基づいて、表示装置30に「研一さん、マイクM1をお取りください」というメッセージを表示させる。
【0070】
同様に、マイクM2の表示制御部400が、受信した利用者情報UI2「わじー」をマイクM2の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM2のマイクID「***M2」を送信したとする。この場合、報知部500は、記憶手段10aを参照し、マイクM2のマイクID「***M2」に紐付けられている利用者U2の利用者ID「***U2」を特定する。報知部500は、記憶手段10aを参照し、特定した利用者ID「***U2」に紐付けられた利用者情報UI2「わじー」を取得する。報知部500は、取得した利用者情報UI2「わじー」及びマイクID「***M2」に基づいて、表示装置30に「わじーさん、マイクM2をお取りください」というメッセージを表示させる。
【0071】
また、マイクM3の表示制御部400が、受信した利用者情報UI3「ノブ」をマイクM3の表示手段50cに表示させた後、カラオケ装置Kに対して表示開始情報及びマイクM3のマイクID「***M3」を送信したとする。この場合、報知部500は、記憶手段10aを参照し、マイクM3のマイクID「***M3」に紐付けられている利用者U3の利用者ID「***U3」を特定する。報知部500は、記憶手段10aを参照し、特定した利用者ID「***U3」に紐付けられた利用者情報UI3「ノブ」を取得する。報知部500は、取得した利用者情報UI3「ノブ」及びマイクID「***M3」に基づいて、表示装置30に「ノブさん、マイクM3をお取りください」というメッセージを表示させる。
【0072】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、
図6を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図6は、カラオケシステム1の動作例を示すフローチャートである。カラオケシステム1は、カラオケ装置Kと、カラオケ装置Kを利用する利用者の人数と同じ数のマイクと、を含む。なお、以下では、一の利用者についての処理について説明するが、カラオケシステム1は、複数の利用者それぞれに対して同様の処理を行うことができる。
【0073】
ステップ20からステップ23の処理は、第1実施形態のステップ10からステップ13の処理と同様である。
【0074】
受信した利用者情報を表示手段に表示させた後、一のマイクの表示制御部400は、表示開始情報をカラオケ装置Kに送信する(表示開始情報を送信。ステップ24)。
【0075】
カラオケ装置Kの報知部500は、一のマイクから表示開始情報を受信した場合、利用者に対して当該一のマイクの使用を促すための報知を行う(一のマイクの使用を促すための報知。ステップ25)。
【0076】
以上から明らかなように、本実施形態に係るマイクの表示制御部400は、受信した利用者情報を表示手段50cに表示させた後、表示開始情報をカラオケ装置Kに送信する。また、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、一のマイクから表示開始情報を受信した場合、利用者に対して当該一のマイクの使用を促すための報知を行う報知部500を有する。
【0077】
このようなカラオケシステム1によれば、利用者は、自分に割り当てられたマイクをより確実に認識することができる。
【0078】
<第3実施形態>
次に、
図7及び
図8を参照して、第3実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。本実施形態では、一の利用者が割り当てられたマイクを手に取るまでは、他の利用者に対してマイクの割り当てを行わない構成について述べる。第1実施形態または第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0079】
==マイク==
図7に示すように、本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段50dは、表示制御部400及び検出部600として機能する。
【0080】
(検出部)
検出部600は、マイクM1を充電するための充電装置BC1との接続が遮断されたことを検出した場合、使用開始情報をカラオケ装置Kに送信する。使用開始情報は、マイクと充電装置との接続が遮断されたこと(すなわち、利用者がマイクを手にしたこと)とを示すものである。
【0081】
たとえば、第1実施形態の例において、利用者情報UI1「研一」が表示されたマイクM1を利用者U1が手に取ったとする。なお、以下の説明においては、利用者U1以外の他の利用者は、自己の利用者IDの入力を行っていないものとする。
【0082】
この場合、マイクM1は、充電装置BC1から外される。検出部600は、マイクM1と充電装置BC1との接続が遮断されたことを検出する。検出部600は、使用開始情報をマイクM1のマイクID「***M1」と紐付けてカラオケ装置Kに送信する。
【0083】
==カラオケ装置==
(取得部)
本実施形態に係る取得部100は、一のマイクから使用開始情報を受信するまで、他の利用者の利用者情報の取得を行わない。他の利用者は、送信された利用者情報に対応する利用者以外の利用者である。
【0084】
上述の例において、利用者情報UI1「研一」が表示されたマイクM1を利用者U1が手に取る前に、利用者U2が自己の利用者ID「***U2」の入力を行ったとする。この場合、未だマイクM1からは使用開始情報が送信されていない。
【0085】
従って、取得部100は、記憶手段10aから利用者ID「***U2」に紐付けられた利用者情報UI2「わじー」を取得する処理を実行しない。
【0086】
その後、マイクM1の検出部600から、使用開始情報を受信した場合、取得部100は、記憶手段10aから利用者ID「***U2」に紐付けられた利用者情報UI2「わじー」を取得する処理を開始する。なお、利用者情報UI1「研一」が表示されたマイクM1を利用者U1が手に取る前に、利用者U3が自己の利用者ID「***U3」の入力を行った場合も同様である。
【0087】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、
図8を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図8は、カラオケシステム1の動作例を示すフローチャートである。カラオケシステム1は、カラオケ装置Kと、カラオケ装置Kを利用する利用者の人数と同じ数のマイクと、を含む。
【0088】
ステップ30からステップ33の処理は、第1実施形態のステップ10からステップ13の処理と同様である。
【0089】
ここで、他の利用者がリモコン装置40を介して利用者識別情報を入力したとする(他の利用者が利用者識別情報を入力。ステップ34)。一方、この時点では一のマイクから使用開始情報を受信していない。
【0090】
この場合、取得部100は、他の利用者の利用者情報の取得を行わない(他の利用者の利用者情報の取得を行わない。ステップ35)。
【0091】
その後、マイクを充電するための充電装置との接続が遮断されたことを検出した場合、マイクの検出部600は、使用開始情報をカラオケ装置Kに送信する(使用開始情報を送信。ステップ36)。
【0092】
この場合、取得部100は、他の利用者の利用者情報の取得を開始する(他の利用者の利用者情報の取得を開始。ステップ37)。
【0093】
以上から明らかなように、本実施形態に係るマイクは、当該マイクを充電するための充電装置との接続が遮断されたことを検出した場合、使用開始情報をカラオケ装置Kに送信する検出部600を有する。本実施形態に係る取得部100は、一のマイクから使用開始情報を受信するまで、送信された利用者情報に対応する利用者以外の他の利用者の利用者情報の取得を行わない。
【0094】
このようなカラオケシステム1によれば、ある利用者に対して割り当てられたマイクを当該ある利用者が手に取るまでは、他の利用者に対してマイクが割り当てられることはない。従って、ある利用者は、自分に割り当てられたマイクを確実に手に取ることができる。
【0095】
なお、本実施形態のカラオケシステム1において、第2実施形態で説明したような報知部500を設け、利用者に対してマイクの使用を促す報知を行ってもよい。この場合、それぞれの利用者に対して速やかにマイクの割り当てを行うことができる。
【0096】
また、カラオケ装置Kの利用を終了する利用者は、使用したマイクを充電装置に戻す。この場合、検出部600は、マイクと充電装置との接続が再開されたことを検出してもよい。検出部600は、マイクの使用を終了したことを示す使用終了情報に、当該マイクのマイク識別情報を紐付けてカラオケ装置Kに送信する。カラオケ装置Kは、当該使用終了情報に基づいて、マイク識別情報及び当該マイク識別情報に紐付けられている利用者識別情報を削除してもよい。また、検出部600は、使用終了情報を表示制御部400に出力してもよい。この場合、表示制御部400は、使用終了情報に基づいて、利用者情報の表示を終了させることができる。また、充電装置に公知のUVS消毒機能を持たせ、検出部600がマイクと充電装置との接続が再開されたことを検出した場合に、消毒機能をタイマー動作させることが望ましい。
【0097】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 カラオケシステム
100 取得部
200 決定部
300 送信処理部
400 表示制御部
500 報知部
600 検出部
K カラオケ装置
M1~M5 マイク