(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】コンテンツ出力装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240509BHJP
G06Q 30/0283 20230101ALI20240509BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
G06Q30/0283 492
(21)【出願番号】P 2020141714
(22)【出願日】2020-08-25
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 達也
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182590(JP,A)
【文献】特開2003-288093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G06Q 30/0283
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所有する携帯端末と通信可能なコンテンツ出力装置であって、
前記コンテンツ出力装置の利用料を記憶する料金記憶部と、
前記コンテンツ出力装置と携帯端末とのペアリング及びペアリングの解除を行うペアリング処理部と、
ペアリングされた携帯端末から出力される音声信号を取得する取得部と、
演奏手段を制御し、取得した音声信号に基づく音声を放音手段から放音させる音響制御部と、
携帯端末とのペアリングを解除する場合、当該携帯端末と前記コンテンツ出力装置とがペアリングされていた接続時間、及び記憶されている前記利用料に基づいて、当該携帯端末を所有する利用者に請求する使用料金を決定する決定部と、
決定した前記使用料金の決済を前記携帯端末に要求する決済要求部と、
を有するコンテンツ出力装置。
【請求項2】
前記取得部は、ペアリングされた前記携帯端末から出力される映像信号を取得し、
取得した前記映像信号に基づく映像を表示手段に表示させる映像制御部を有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ出力装置。
【請求項3】
前記携帯端末から取得する音声信号は、カラオケ歌唱を行うためのカラオケ演奏音信号であり、
前記音響制御部は、前記演奏手段を制御し、集音手段から入力された歌唱音声信号及び前記携帯端末から取得したカラオケ演奏音信号を混合した音声信号に基づく音声を放音手段から放音させることを特徴とする請求項1または2記載のコンテンツ出力装置。
【請求項4】
前記料金記憶部は、カラオケ歌唱に対応する歌唱利用料を記憶し、
前記音響制御部は、集音手段から歌唱音声信号が入力されている時間である歌唱時間を計時し、
前記決定部は、歌唱時間及び歌唱利用料に基づいて使用料金を増額することを特徴とする請求項3記載のコンテンツ出力装置。
【請求項5】
前記ペアリング処理部は、前記コンテンツ出力装置と携帯端末とのペアリングを行った場合、前記使用料金に関する情報を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のコンテンツ出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ店舗では、カラオケ装置と接続された再生装置(たとえば、DVD/BDプレーヤ)が備えられたカラオケルームが増加している。カラオケルームの利用者は、カラオケ歌唱を行う以外に、DVDやBDに収録された映像作品をカラオケ装置の大画面を利用して鑑賞することができる。
【0003】
一方、スマートフォン等の携帯端末は、通信速度や機器の性能が向上している。また携帯端末に対して、音楽や映像作品など(以下、「コンテンツ」)を配信するサービスを提供する業者も増加している。その結果、個人が所有する携帯端末でコンテンツを再生することが一般的となっている。特に定額制(サブスクリプション方式)の配信サービスを契約している利用者は、視聴できるコンテンツを最大限に活用したいと考える。
【0004】
そこで、個人が所有する携帯端末で再生するコンテンツを、大音量、大画面で視聴するための音響映像設備(以下、「コンテンツ出力装置」)を提供するサービスが検討されている。
【0005】
たとえば、特許文献1には、顧客が端末機で有無線インターネット網等に連結されたサーバに接続する段階と;顧客が検索によって音楽またはマルチメディアデータを選択する段階と;顧客が選択した音楽及びマルチメディアデータを出力する機器を指定する段階と;前記出力機器を介して音楽またはマルチメディアデータを出力する段階と;顧客と関連事業者間の課金精算を行う段階とを含む技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツをコンテンツ出力装置で視聴した場合に、利用者に対して当該コンテンツ出力装置の使用料金を請求することが可能なコンテンツ出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、利用者が所有する携帯端末と通信可能なコンテンツ出力装置であって、前記コンテンツ出力装置の利用料を記憶する料金記憶部と、前記コンテンツ出力装置と携帯端末とのペアリング及びペアリングの解除を行うペアリング処理部と、ペアリングされた携帯端末から出力される音声信号を取得する取得部と、演奏手段を制御し、取得した音声信号に基づく音声を放音手段から放音させる音響制御部と、携帯端末とのペアリングを解除する場合、当該携帯端末と前記コンテンツ出力装置とがペアリングされていた接続時間、及び記憶されている前記利用料に基づいて、当該携帯端末を所有する利用者に請求する使用料金を決定する決定部と、決定した前記使用料金の決済を前記携帯端末に要求する決済要求部と、を有するコンテンツ出力装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツをコンテンツ出力装置で視聴した場合に、利用者に対して当該コンテンツ出力装置の使用料金を請求することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図2】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図3】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図3を参照して、本実施形態に係るコンテンツ出力装置について説明する。本実施形態では、コンテンツ出力装置としてカラオケ装置Kを例に説明する。
【0012】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ店舗の部屋Rに設置されている。利用者は、カラオケ装置Kを利用するものである。
【0013】
携帯端末は、利用者が所有するスマートフォン等である。
図1に示すように、携帯端末Mは利用者Uが所有している。本実施形態における携帯端末には、カラオケ装置Kに対して各種操作入力を行うための専用アプリケーションソフトウェア(以下、「カラオケアプリ」)がインストールされている。
【0014】
また、本実施形態における携帯端末は、所望の音楽や映像を再生するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「コンテンツアプリ」)がインストールされている。コンテンツアプリは、たとえば利用者が個人的に契約しているコンテンツ配信サービスを利用するためのものである。利用者は、携帯端末でコンテンツアプリを起動させ、好みの音楽や映像を選択する。コンテンツ配信サービスのサーバ装置(図示なし)は、選択された音楽や映像に対応する信号をストリーミング方式で携帯端末に送信する。利用者は、携帯端端末で音楽や映像を楽しむことができる。なお、コンテンツアプリは、携帯端末に予めダウンロードした音楽や映像を再生するためのものであってもよい。
【0015】
図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0016】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。スピーカ20は、「放音手段」の一例である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像を画面に表示するための構成である。表示装置30は、「表示手段」の一例である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。マイク40は、「集音手段」の一例である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0017】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0018】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。
【0019】
本実施形態において、記憶手段10aの記憶領域の一部は、料金記憶部100として機能する。料金記憶部100はカラオケ装置Kをコンテンツ出力装置として使用した場合の利用料を記憶する。利用料は、カラオケ装置Kが設置されている部屋の広さや設備等に応じて、複数の設定があってもよい。
【0020】
具体的に、利用料は、たとえば「5円/分」、「10円/分」のように予め一の金額が設定されていてもよいし、或いは「10時~17時までは5円/分、17時以降は10円/分」のように時間帯や利用人数等によって複数の利用料が設定されていてもよい。
【0021】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50及び携帯端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0022】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0023】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、ペアリング処理部200、取得部300、音響制御部400、映像制御部500、決定部600、及び決済要求部700として機能する。
【0025】
(ペアリング処理部)
ペアリング処理部200は、カラオケ装置と携帯端末とのペアリング及びペアリングの解除を行う。
【0026】
ペアリングは、カラオケ装置と携帯端末とが接続され、通信可能となっている状態である。通信は、公衆回線を用いて行われてもよいし、近距離無線通信を用いて行われてもよい。
【0027】
たとえば、ペアリング処理部200は、リモコン装置50の表示画面にペアリング用の二次元コードを表示させる。ペアリング用の二次元コードには、ペアリングに必要な情報及び携帯端末から音声信号等を取得するために必要な情報が含まれている。カラオケアプリが起動されている携帯端末でペアリング用の二次元コードを読み取った場合、携帯端末は、カラオケ装置に対してペアリングの要求を行う。ペアリング処理部200は、当該要求に基づいて、カラオケ装置と携帯端末とをペアリングする。なお、ペアリングが完了した後、ペアリング処理部200は、計時を開始する。
【0028】
また、ペアリング処理部200は、リモコン装置50の表示画面にペアリング解除用の二次元コードを表示させる。ペアリング解除用の二次元コードには、ペアリング解除に必要な情報が含まれている。カラオケアプリが起動されている携帯端末でペアリング解除用の二次元コードを読み取った場合、携帯端末は、カラオケ装置に対してペアリング解除の要求を行う。ペアリング処理部200は、当該要求に基づいて、カラオケ装置と携帯端末とのペアリングを解除する。なお、ペアリング解除の要求を受けた場合、ペアリング処理部200は、計時を終了する。一方、ペアリングの解除は、携帯端末Mから使用料金の決済が完了した旨の通知(詳細は後述)を受信した後に行われる。
【0029】
(取得部)
取得部300は、ペアリングされた携帯端末から出力される音声信号を取得する。また、取得部300は、ペアリングされた携帯端末から出力される映像信号を取得する。
【0030】
音声信号及び映像信号の取得は、公知の手法(たとえば、Miracast(登録商標))により行うことができる。
【0031】
たとえば、携帯端末Mとカラオケ装置Kがペアリングされた後、利用者Uは、携帯端末Mにおいてコンテンツアプリを起動し、映像作品Wの視聴を開始したとする。この場合、携帯端末Mは、コンテンツ配信サービスのサーバ装置からストリーミング形式で配信される映像作品Wの音声信号及び映像信号をカラオケ装置Kに送信する。映像作品Wは、コンテンツの一例である。
【0032】
取得部300は、映像作品Wの音声信号を取得し、音響制御部400に出力する。また、取得部300は、映像作品Wの映像信号を取得し、映像制御部500に出力する。なお、取得部300は、有線(たとえばHDMI(登録商標)ケーブル等を利用したミラーリング)により、音声信号及び映像信号を取得してもよい。
【0033】
(音響制御部)
音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、取得した音声信号に基づく音声を放音手段から放音させる。
【0034】
上述の通り、映像作品Wの音声信号が出力された場合、音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、当該音声信号に基づく音声をスピーカ20から放音させる。
【0035】
(映像制御部)
映像制御部500は、取得した映像信号に基づく映像を表示手段に表示させる。
【0036】
上述の通り、映像作品Wの映像信号が出力された場合、映像制御部500は、当該映像信号に基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させる。
【0037】
(決定部)
決定部600は、携帯端末とのペアリングを解除する場合、接続時間、及び記憶されている利用料に基づいて、使用料金を決定する。
【0038】
接続時間は、携帯端末とコンテンツ出力装置とがペアリングされていた時間である。接続時間は、ペアリング処理部200により計時された時間に基づいて決定できる。使用料金は、予め設定された利用料と接続時間とによって決定される金額である。使用料金は、カラオケ装置Kの使用料として、携帯端末を所有する利用者に請求される。
【0039】
たとえば、携帯端末Mからペアリング解除の要求を受けた場合、ペアリング処理部200は、ペアリング開始から計時した合計時間(たとえば100分)を決定部600に出力する。決定部600は、出力された合計時間(100分)を接続時間として決定する。一方、料金記憶部100は「5円/分」の利用料を記憶しているとする。
【0040】
この場合、決定部600は、使用料金として500円(=5円×100分)を決定する。決定部600は、決定した使用料金を決済要求部700に出力する。
【0041】
(決済要求部)
決済要求部700は、決定した使用料金の決済を携帯端末に要求する。
【0042】
上記例において、決済要求部700は、決定部600により決定された使用料金500円の決済を行うための決済情報を携帯端末Mに送信することで、決済の要求を行う。携帯端末Mは、予め登録してある方法(たとえば契約している通信会社を介したモバイル決済)により、使用料金500円の決済を行う。決済が完了した後、携帯端末Mは、カラオケ装置Kに対して決済完了の通知を行う。当該通知を受信した場合、ペアリング処理部200は、携帯端末Mとカラオケ装置Kとのペアリングを解除する。
【0043】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、
図3を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。
図3は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において、料金記憶部100は、カラオケ装置Kの利用料を記憶しているとする。また、携帯端末Mを所有する利用者Uがカラオケ装置Kを利用するとする。
【0044】
ペアリング処理部200は、リモコン装置50の表示画面にペアリング用の二次元コードを表示させる。カラオケ装置Kを利用する利用者Uは、カラオケアプリを起動した携帯端末Mで、リモコン装置50の表示画面に表示されたペアリング用の二次元コードを読み取る。携帯端末Mは、カラオケ装置に対してペアリングの要求を行う。
【0045】
ペアリング処理部200は、当該要求に基づいて、カラオケ装置Kと携帯端末Mとのペアリングを行う(携帯端末とのペアリング。ステップ10)。その後、ペアリング処理部200は、計時を開始する(計時開始。ステップ11)。
【0046】
利用者Uは、携帯端末Mでコンテンツアプリを起動した後、映像作品Wを視聴する。携帯端末Mは、映像作品Wの音声信号及び映像信号をカラオケ装置Kに送信する。
【0047】
取得部300は、ペアリングされた携帯端末Mから出力される音声信号及び映像信号を取得する(携帯端末から出力された音声信号及び映像信号を取得。ステップ12)。
【0048】
音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、ステップ12で取得した音声信号に基づく音声をスピーカ20から放音させる。また、映像制御部500は、ステップ12で取得した映像信号に基づく映像を表示装置30の表示画面に表示させる(音声を放音及び映像を表示。ステップ13)。
【0049】
映像作品Wの視聴が終了した後、カラオケ装置Kを利用する利用者Uは、カラオケアプリを起動した携帯端末Mで、ペアリング処理部200がリモコン装置50の表示画面に表示させたペアリング解除用の二次元コードを読み取る。携帯端末Mは、カラオケ装置に対してペアリング解除の要求を行う。
【0050】
ペアリング処理部200は、当該要求に基づいて計時を終了する(計時終了。ステップ14)。
【0051】
決定部600は、ペアリング処理部200で計時された時間に基づく接続時間、及び料金記憶部100に記憶されている利用料に基づいて、携帯端末Mを所有する利用者Uに請求する使用料金を決定する(使用料金を決定。ステップ15)。
【0052】
決済要求部700は、ステップ15で決定した使用料金の決済を携帯端末Mに要求する(携帯端末に対して使用料金の決済を要求。ステップ16)。
【0053】
携帯端末Mから決済完了の通知があった場合(ステップ17でYの場合)、ペアリング処理部200は、カラオケ装置Kと携帯端末Mとのペアリングの解除を行う(携帯端末とのペアリングを解除。ステップ18)。
【0054】
なお、本実施形態では、音声及び映像を含む映像作品Wを視聴する例について述べたが、音声のみを含むコンテンツを聴取することも可能である。この場合、映像制御部500は必須の構成ではない。また、本実施形態に係るコンテンツ出力装置は、少なくとも料金記憶部100、ペアリング処理部200、取得部300、音響制御部400、決定部600、決済要求部700の機能を備えていればよく、カラオケ装置に限られない。この場合、音響制御部400が制御する演奏手段10dはミキサ及びアンプを含んでいればよく、音源を含む必要はない。
【0055】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、利用者が所有する携帯端末と通信できる。カラオケ装置Kは、カラオケ装置Kの利用料を記憶する料金記憶部100と、カラオケ装置Kと携帯端末とのペアリング及びペアリングの解除を行うペアリング処理部200と、ペアリングされた携帯端末から出力される音声信号を取得する取得部300と、演奏手段10dを制御し、取得した音声信号に基づく音声をスピーカ20から放音させる音響制御部400と、携帯端末とのペアリングを解除する場合、当該携帯端末とカラオケ装置Kとがペアリングされていた接続時間、及び記憶されている利用料に基づいて、当該携帯端末を所有する利用者に請求する使用料金を決定する決定部600と、決定した使用料金の決済を携帯端末に要求する決済要求部700と、を有する。
【0056】
このようなカラオケ装置Kによれば、利用者が所有する携帯端末をカラオケ装置Kとペアリングすることにより、当該携帯端末で再生するコンテンツを大音量で聴取することが可能となる。また、携帯端末とのペアリングを解除する場合、カラオケ装置Kは、携帯端末に対してカラオケ装置Kの使用料金の決済を要求することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、利用者が所有する携帯端末で再生するコンテンツをコンテンツ出力装置で視聴した場合に、利用者に対して当該コンテンツ出力装置の使用料金を請求することができる。
【0057】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kに係る取得部300は、ペアリングされた携帯端末から出力される映像信号を取得する。カラオケ装置Kは、取得した映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させる映像制御部500を有する。このようなカラオケ装置Kによれば、利用者が所有する携帯端末をカラオケ装置Kとペアリングすることにより、当該携帯端末で再生するコンテンツを大画面で見ることが可能となる。
【0058】
なお、決定部600は、映像作品を視聴する場合に使用料金を増額してもよい。たとえば、料金記憶部100は、利用料の他に映像作品の視聴に対応する映像利用料を記憶する。映像制御部500は、映像信号が入力されている時間である映像時間を計時する。決定部600は、映像時間及び映像利用料に基づいて使用料金を増額する。
【0059】
より具体的には、記憶部100が利用料「5円/分」及び映像利用料「2円/分」を記憶しているとする。ここで、決定部600が接続時間100分を決定し、映像制御部500が映像時間60分を計時したとする。この場合、決定部600は、使用料金として620円(=5円×100分+2円×60分)を決定する。このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ装置Kの利用態様に応じて細かく対応することができる。
【0060】
<変形例1>
利用者は、コンテンツとしてカラオケ歌唱用の楽曲を選曲することができる。
【0061】
この場合、取得部300は、ペアリングされた携帯端末から出力される音声信号として、カラオケ歌唱を行うためのカラオケ演奏音信号を取得する。また、取得部300は、ペアリングされた携帯端末から出力される映像信号として、カラオケ演奏に伴う歌詞テロップ及び背景映像の信号を取得する。
【0062】
たとえば、携帯端末Mとカラオケ装置Kがペアリングされた後、利用者Uは、携帯端末Mにおいてコンテンツアプリを起動し、カラオケ歌唱用の楽曲Xを選曲したとする。この場合、携帯端末Mは、コンテンツ配信サービスのサーバ装置からストリーミング形式で配信される楽曲Xのカラオケ演奏音信号と、楽曲Xの歌詞テロップ及び背景映像の信号とをカラオケ装置Kに送信する。楽曲Xは、コンテンツの一例である。
【0063】
取得部300は、楽曲Xのカラオケ演奏音信号を取得し、音響制御部400に出力する。また、取得部300は、楽曲Xの歌詞テロップ及び背景映像の信号を取得し、映像制御部500に出力する。
【0064】
音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、集音手段から入力された歌唱音声信号及び携帯端末から取得したカラオケ演奏音信号を混合した音声信号に基づく音声を放音手段から放音させる。
【0065】
上述の通り、楽曲Xのカラオケ演奏音信号が出力された場合、音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、当該カラオケ演奏音信号に基づくカラオケ演奏音をスピーカ20から放音させる。また、映像制御部500は、カラオケ演奏音に合わせて、楽曲Xの歌詞テロップ及び背景映像の信号に基づく歌詞テロップ及び背景映像を表示装置30の表示画面に表示させる。利用者Uは、歌詞テロップを参照しながら、マイク40を用いてカラオケ演奏音に合わせてカラオケ歌唱を行う。
【0066】
音響制御部400は、演奏手段10dを制御し、マイク40から入力された歌唱音声に基づく歌唱音声信号と、カラオケ演奏音信号を混合した音声信号を生成させ、当該音声信号に基づく音声をスピーカ20から放音させる。なお、音響制御部400は、入力された歌唱音声に基づく歌唱音声信号に対してエコー等のエフェクトを付与してもよい。
【0067】
このようなコンテンツ出力装置によれば、利用者は、携帯端末で再生するコンテンツを用いてカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0068】
なお、決定部600は、カラオケ歌唱を行う場合に使用料金を増額してもよい。たとえば、料金記憶部100は、利用料の他にカラオケ歌唱に対応する歌唱利用料を記憶する。音響制御部400は、集音手段から歌唱音声信号が入力されている時間である歌唱時間を計時する。決定部600は、歌唱時間及び歌唱利用料に基づいて使用料金を増額する。
【0069】
より具体的には、記憶部100が利用料「5円/分」及び歌唱利用料「4円/分」を記憶しているとする。ここで、決定部600が接続時間100分を決定し、音響制御部400が歌唱時間60分を計時したとする。この場合、決定部600は、使用料金として740円(=5円×100分+4円×60分)を決定する。このようなコンテンツ出力装置によれば、コンテンツ出力装置の利用態様に応じて細かく対応することができる。
【0070】
また、コンテンツ出力装置は、カラオケ歌唱において用いられた歌唱技法に応じて使用料金を減額する機能を有していてもよい。この場合、料金記憶部100は、利用料の他にカラオケ歌唱に対応するボーナスポイントを記憶する。音響制御部400は、集音手段から歌唱音声信号が入力されている時間である歌唱時間を計時する。また、音響制御部400は、歌唱音声信号を公知の技術により分析して歌唱技法を検出する。歌唱技法とは、ビブラート、こぶし、しゃくりなどである。決定部600は、検出された歌唱技法が所定条件(たとえば歌唱技法の使用回数が一定以上や、歌唱技法の質が一定レベル以上)を満たす場合に、歌唱時間及びボーナスポイントに基づいて使用料金を減額する。
【0071】
より具体的には、記憶部100が利用料「5円/分」及びボーナスポイント「3円/分」を記憶しているとする。ここで、決定部600が接続時間100分を決定し、音響制御部400が歌唱時間60分を計時し、歌唱音声信号から検出された歌唱技法が所定条件を満たしたとする。この場合、決定部600は、使用料金として320円(=5円×100分-3円×60分)を決定する。
【0072】
さらに、カラオケ歌唱を行う場合の使用料金の減額は、カラオケ歌唱を行う場合の増額と組合せてもよい。より具体的には、記憶部100が利用料「5円/分」、歌唱利用料「4円/分」及びボーナスポイント「3円/分」を記憶しているとする。ここで、決定部600が接続時間100分を決定し、音響制御部400が歌唱時間60分を計時し、歌唱音声信号から検出された歌唱技法が所定条件を満たしたとする。この場合、決定部600は、使用料金として560円(=5円×100分+4円×60円-3円×60分)を決定する。このようなコンテンツ出力装置によれば、コンテンツ出力装置の利用態様に応じて細かく対応することができるとともに、利用者の興趣を高めることができる。
【0073】
<変形例2>
また、ペアリング処理部200は、コンテンツ出力装置と携帯端末とのペアリングを行った場合、使用料金に関する情報を表示手段に表示させることができる。
【0074】
上記実施形態で説明したように、ペアリング処理部200は、カラオケ装置Kと携帯端末Mとをペアリングしたとする。この場合、ペアリング処理部200は、料金記憶部100に記憶されている利用料(たとえば「5円/分」)に基づいて、「使用料金は30分で150円です」といった情報を表示装置30やリモコン装置50の表示画面に表示させる。このようなコンテンツ出力装置によれば、利用者は利用前に使用料金を把握できるため、安心して装置を利用することができる。
【0075】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
100 料金記憶部
200 ペアリング処理部
300 取得部
400 音響制御部
500 映像制御部
600 決定部
700 決済要求部
K カラオケ装置
M 携帯端末