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特許7485572スティック型製品の帯状保護部材および帯状保護部材付きスティック型製品。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】スティック型製品の帯状保護部材および帯状保護部材付きスティック型製品。
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240509BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G06K19/077 156
G06K19/077 164
H01R13/52 302Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020144344
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039361
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川久保 優
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-110342(JP,A)
【文献】特開2005-137498(JP,A)
【文献】特開2001-307040(JP,A)
【文献】特開2003-110679(JP,A)
【文献】登録実用新案第3063744(JP,U)
【文献】登録実用新案第3140113(JP,U)
【文献】国際公開第2016/125847(WO,A1)
【文献】特開2005-249869(JP,A)
【文献】レザーカバーUSBメモリ USBFM-EX,スリーアールSP,日本,スリーアールソリューション株式会社,2020年08月09日,https://web.archive.org/web/20200809175515/https://www.3rsp.jp/products/usbfm-ex
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/077
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック型製品に取り付け可能な係止部と、
前記係止部に取り付けられ、前記スティック型製品を内包可能な長さの帯状保護シートと、
前記帯状保護シートの少なくとも一部に設けられた係合部と、を含み、
前記係合部は、前記帯状保護シートの一面側の全体に設けられた第1の面ファスナー部と、前記帯状保護シートの前記一面側の裏面側に設けられた第2の面ファスナー部と、からなり、
前記第1の面ファスナー部は、前記スティック型製品を巻回して前記第2の面ファスナー部と係合した場合に、前記第1の面ファスナー部の起毛が前記スティック型製品のコネクタ部を封止可能であり、かつ、
前記第1の面ファスナー部の起毛により前記スティック型製品の落下時の保護が可能である、スティック型製品の帯状保護部材。
【請求項2】
前記スティック型製品は、スティック型USBメモリ、スティック型パーソナルコンピュータ(PC)、スティック型ストレージまたはスティック型無線ドングルの少なくとも1つを含む、請求項1記載のスティック型製品の帯状保護部材。
【請求項3】
前記帯状保護シートには、少なくとも一面側に、意匠が施された、請求項1または2に記載のスティック型製品の帯状保護部材。
【請求項4】
前記帯状保護シートには、前記スティック型製品の端子カバーが取り付けられた、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスティック型製品の帯状保護部材。
【請求項5】
前記第1の面ファスナー部は、
前記スティック型製品を内包しないよう、前記第2の面ファスナー部と係合した場合に、
壁面に設けられた第2の係合部と係合可能である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスティック型製品の帯状保護部材。
【請求項6】
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の前記スティック型製品の帯状保護部材と、
前記スティック型製品と、を含、帯状保護部材付きスティック型製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティック型製品の帯状保護部材および帯状保護部材付きスティック型製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USBメモリ等のスティック型製品が販売されている。例えば、特許文献1(特開2018-152213号公報)には、携帯端末に取り付けることで、外部接続端子やプラグを確実に保護することができるプラグ保護構造について開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のプラグ保護構造は、携帯端末に対して着脱可能な帯状の保護部材を備え、前記保護部材によって携帯端末の外部接続端子に取り付けたプラグを保護可能なプラグ保護構造であって、前記保護部材は、境界において屈折可能な複数の区画からなり、中空角筒状に折り畳むことでプラグを覆って保護可能である。
【0004】
特許文献2(特開2004-221048号公報)には、USB端子が確実に保護できて端子保護部材を紛失する恐れがなく、しかも小型化が可能な携帯型記憶装置について開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の記憶装置は、記憶部と、記憶部に連結されたUSB端子と、記憶部を被覆する保護部材とを備えて構成される記憶装置において、保護部材に分離不能に取り付けられた端子保護部材によりUSB端子が露出可能に被覆されたものである。
【0006】
特許文献3(実用新案登録第3122999号公報)には、複数のUSBフラッシュメモリをケース本体内に入れ、安全・安心して持ち運びできるUSBフラッシュメモリ用携帯ケースについて開示されている。
特許文献3に記載のUSBフラッシュメモリ用携帯ケースは、開閉自在な蓋を設けてなるケース本体内に、USBフラッシュメモリを着脱自在に取り付けるための取付部を設けてなるものである。
【0007】
特許文献4(実用新案登録第3098803号公報)には、小型記憶装置を邪魔にならずに携行でき、時計としての機能を有して利便性に優れる小型記憶装置を収容した腕時計について開示されている。
特許文献4記載の小型記憶装置を収容した腕時計は、U S B コネクタ、タイミング制御回路、電源部及びメモリモジュールを有する携帯用小型記憶装置を、両端に設けた引通し部に時計バンドを装着した本体部の一端に形成した開口部に挿入するとともに他端に軸着した蓋により着脱自由に装着し、且つ、前記携帯用小型記憶装置または本体部の何れかに少なくとも一つの時刻表示部を設けたものである。
【0008】
特許文献5(実用新案登録第3110924号公報)には、USBコネクタを本体部に対してスライド可能に、かつ、収容可能に取り付けることによって、簡単な操作で、使用する際にはUSBコネクタを本体部から突出させ、不使用の際にはUSBコネクタを本体部内に収
容させるUSBメモリ装置について開示されている。
特許文献5記載のUSBメモリ装置は、( a ) 本体部と、該本体部に対して移動可能な可動部とを有するUSBメモリ装置であって、( b ) 前記可動部は、USBコネクタを備え、該USBコネクタが前記本体部から突出する位置と前記USBコネクタが前記本体部内に収容される位置との間で移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2018-152213号公報
【文献】特開2004-221048号公報
【文献】実用新案登録第3122999号公報
【文献】実用新案登録第3098803号公報
【文献】実用新案登録第3110924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1記載のプラグ保護構造は、帯状の保護部材によってコネクタ部分を覆って保護する技術である。しかしながら、この技術は、コネクタのオスとメスとが接続された状態での保護しかできないという問題点がある。そのため、コネクタ同士が接続されていない状態の場合、コネクタ部の端子部分を保護することができないという問題が生じる。
また、特許文献2記載の記憶装置は、端子帯状保護部材によってUSB端子部分を覆い隠すことはできる。しかしながら、スティック型製品の大きさの違いを柔軟に吸収することができないという問題が生じる。
また、特許文献3記載のUSBフラッシュメモリ用携帯ケースは、USBフラッシュメモリ自体と分離可能なため、紛失のおそれがあるという問題が生じる。
また、特許文献4記載の小型記憶装置を収容した腕時計は、腕につける必要があるとともに、コネクタ部に隙間が必要となり、粉塵混入のおそれと、USBメモリの筐体に傷がつくおそれがある。
最後に、特許文献5記載のUSBメモリ装置は、スライドタイプであるため、コネクタ部に粉塵混入のおそれがある。
【0011】
従来、USBメモリ等は、持ち運びする場合、端子カバーによりUSBメモリのコネクタ部を保護していた。しかし、端子カバーは、分離可能な状態が多く、持ち運びの際に、紛失するという問題があった。また、スライド方式によりコネクタ部をUSBメモリの筐体内部に収納する技術もある。
しかしながら、USBメモリのコネクタ端子部が露出しているため、埃塵の混入問題が生じる。さらに、ユーザがUSBメモリを誤って落下させた場合、筐体部分に傷がつく場合もあった。
さらに、近年においては、テレビなどの録画用ストレージとしてスティック型製品を用いる場合、非接続時にテレビ画面の側面または背面へ取付けできないという問題が生じている。
【0012】
本発明の主な目的は、スティック型製品のコネクタ部を保護することができるとともに、持ち運びの場合に紛失しないスティック型製品の帯状保護部材および帯状保護部材付きスティック型製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)
一局面に従うスティック型製品の帯状保護部材は、スティック型製品に取り付け可能な係止部と、係止部に取り付けられ、スティック型製品を内包可能な長さの帯状保護シートと、帯状保護シートの少なくとも一部に設けられた係合部と、を含むものである。
【0014】
この場合、スティック型製品を帯状保護部材の帯状保護シートにより内包することができる。その結果、スティック型製品のコネクタ部を確実に保護することができる。すなわち、スティック型製品の筐体から、コネクタ部をスライドまたは回動させるタイプと異なり、コネクタ部を密接に封止することができる。また、帯状保護シートに設けられた係合部により、帯状保護シートを係合させてスティック型製品を内包させることで、スティック型製品から帯状保護部材の離間を防止することができる。すなわち、誤ってスティック型製品を落下させても筐体への傷付着を抑止することができる。
また、スティック型製品を使用する場合においても、帯状保護部材を取り付けた状態で使用できる。
また、帯状保護部材は、幅がスティック型製品の幅以上であることが好ましく、長さが、コネクタ部を覆って保護することが可能な長さであることが好ましい。
【0015】
(2)
第2の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材は、一局面にかかるスティック型製品の帯状保護部材において、スティック型製品は、スティック型USBメモリ、スティック型パーソナルコンピュータ(PC)、スティック型ストレージまたはスティック型無線ドングルの少なくとも1つを含んでもよい。
【0016】
この場合、スティック型製品は、スティック型USBメモリ、スティック型パーソナルコンピュータ(PC)、スティック型ストレージまたはスティック型無線ドングルのいずれかであるため、スティック型パーソナルコンピュータ(PC)、スティック型ストレージまたはスティック型無線ドングルのコネクタ部を保護するとともに、筐体への傷付着を抑止することができる。
【0017】
(3)
第3の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材は、一局面または第2の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材において、係合部は、面ファスナー部、磁石、ボタンおよびボタンホール、凹凸嵌合部材の少なくとも1つから形成されてもよい。
【0018】
この場合、係合部は、面ファスナー部、磁石、ボタンおよびボタンホール、凹凸嵌合部材の少なくとも1つから形成されるので、スティック型製品を確実に内包することができる。
また、スティック型製品を落下させた場合であっても、帯状保護部材がスティック型製品から離間することを防止することができる。
【0019】
(4)
第4の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材は、一局面または第2の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材において、係合部は、第1の面ファスナー部および第2の面ファスナー部からなり、帯状保護シートの一面側の少なくとも一部に第1の面ファスナー部が配置され、一面側の裏面側に、第1の面ファスナー部と係合可能な第2の面ファスナー部が配置されてもよい。
【0020】
この場合、第1の面ファスナー部および第2の面ファスナー部により帯状保護シートを確実に係合させることができるとともに、第1の面ファスナー部および第2の面ファスナー部の厚みにより誤ってスティック型製品を落下させた場合でも、傷付着を抑止することができる。
【0021】
(5)
第5の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材は、一局面から第4の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材において、帯状保護シートには、少なくとも一面側に、意匠が施されてもよい。
【0022】
この場合、スティック型製品の帯状保護部材である帯状保護シートに意匠を施すことができるので、趣味趣向に応じた帯状保護部材を提供することができる。例えば、アニメ―ション柄、伝統柄、伝統工芸柄、アニメーションキャラクター図柄、デザイン性を有する絵等、任意のデザインを施すことができる。
【0023】
(6)
第6の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材は、一局面から第5の発明にかかるスティック型製品の帯状保護部材において、帯状保護シートには、スティック型製品の端子カバーが取り付けられてもよい。
【0024】
この場合、帯状保護部材にスティック型製品のコネクタ部の端子カバーが設けられているので、端子カバーを紛失することを防止できる。
【0025】
(7)
他の局面に係る帯状保護部材付きスティック型製品は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のスティック型製品の帯状保護部材と、スティック型製品と、を含み、帯状保護シートの端部には、被係止部が形成され、スティック型製品の端部には、被係止部と係合可能な係止部が固定されるものである。
【0026】
この場合、スティック型製品と、帯状保護部材とが、係止部および被係止部により係り止めさせることができる。その結果、容易に、スティック型製品のコネクタ部を保護することができる。
【0027】
(8)
第8の発明にかかる帯状保護部材付きスティック型製品は、他の局面に係る帯状保護部材付きスティック型製品において、係止部には、穴部または孔部が形成され、被係止部には、穴部または孔部に嵌合する突起部が形成されてもよい。
【0028】
この場合、被係止部には、穴部または孔部に嵌合する突起部が形成されているので、スティック型製品から帯状保護部材が離間することを防止できる。
【0029】
(9)
第9の発明にかかる帯状保護部材付きスティック型製品は、他の局面または第8の発明に係る帯状保護部材付きスティック型製品において、帯状保護部材付きスティック型製品が接続される機器に取り付けられた第2の係合部と係合部が係合されてもよい。
【0030】
この場合、テレビ画面またはモニター画面等の機器に第2の係合部を取り付けることで、帯状保護部材付きスティック型製品を係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】スティック型製品および帯状保護部材の一例を示す模式図である。
図2】スティック型製品を帯状保護部材で内包した状態を示す模式図である。
図3】スティック型製品および帯状保護部材の他の例を示す模式図である。
図4】スティック型製品および帯状保護部材の他の例を示す模式図である。
図5】帯状保護部材をスティック型製品に取り付ける他の例を示す模式図である。
図6】帯状保護部材の係合部の他の例を示す模式図である。
図7】帯状保護部材の係合部の他の例を示す模式図である。
図8】帯状保護部材およびスティック型製品の他の例を示す模式図である。
図9】帯状保護部材およびスティック型製品の他の例を示す模式図である。
図10】帯状保護部材およびスティック型製品の他の例を示す模式図である。
図11】帯状保護部材およびスティック型製品の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
【0033】
(一実施形態)
図1は、本実施形態にかかるスティック型製品500および帯状保護部材100の一例を示す模式図であり、図1(a)および図1(b)は、スティック型製品500の大きさが異なる例をそれぞれ示したものである。
図2は、図1のスティック型製品500を帯状保護部材100で内包した状態を示す模式図であり、図2(a)は図1の帯状保護部材100を示し、図2(b)は、図1の帯状保護部材100の他の例を示し、図2(c)は、図1の帯状保護部材100のさらに他の例を示す。
【0034】
(スティック型製品500の説明)
図1または図2に示したスティック型製品500は、スティック型USB、スティック型パーソナルコンピュータ(PC)、スティック型ストレージまたはスティック型無線ドングル等のスティック型製品500であり、コネクタ部を少なくとも1つ有する製品である。すなわち、コネクタ部が、2個、3個、または任意の数あってもよい。
なお、本実施の形態においては、図1および図2に示すように、スティック型製品500の本体部の長さが、一方向に延在するタイプの物を図示しているが、これに限定されず、スティック型製品500は、立方体または直方体であってもよく、その製品タイプごとに種々の任意の幅、任意の長さ、任意の高さを有していてもよく、任意に選択されるものである。
【0035】
(帯状保護部材100)
図1および図2に示すように、スティック型製品500の帯状保護部材100は、スティック型製品500の一端側の係止部520に取り付けられる。図1および図2において、帯状保護部材100は、スティック型製品500のコネクタ部510の逆側の端部に取り付けられる。
図1および図2に示すように、スティック型製品の帯状保護部材100の帯状保護シート105は、面ファスナー部(マジックテープ(登録商標))110と、面ファスナー部110に係合可能な面ファスナー部120と、を有する。
また、例えば、図2(a)の矢印の位置にて面ファスナー部110の係合部115と面ファスナー部120の係合部125とが係合する。すなわち、係止部520の上側に接続される面ファスナー部120の上の面に係合部125があり、当該面ファスナー部120の係合部125が面ファスナー部110の内側の係合部115と接合される。なお、本実施の形態においては、係止部520は、面ファスナー部110と同様の素材または任意の接着部材などであってもよい。
【0036】
また、図2(b)に示すように、面ファスナー部120と面ファスナー部110とが連設されて一枚のシート状に形成されていてもよい。この場合、図2(b)の矢印の位置にて面ファスナー部110の係合部115と面ファスナー部120の係合部125とが係合する。
【0037】
なお、図1および図2においては、帯状保護シート105は面ファスナー部110および面ファスナー部120からなることとしているが、これに限定されず、他の任意の布、繊維、フィルム、樹脂シートからなる帯状保護シート105の両側の一部または全体にそれぞれ、面ファスナー部110および面ファスナー部120を取り付けても良い。
ここで、面ファスナー部110および面ファスナー部120の各係合部は、面ファスナー部110および面ファスナー部120の一方が、フック状に起毛されたものであり、面ファスナー部110および面ファスナー部120の一方と逆側が、ループ状に密集して起毛されたものであってもよい。
また、図2(c)に示すように、面ファスナー部110および面ファスナー部120の一方または両方が、フック状およびループ状に起毛された両方の性能を有する面ファスナー部101から形成されたものであってもよい。
【0038】
また、面ファスナー部110および面ファスナー部120の少なくとも一方または両方に、デザイン、図または絵が施されている。本実施の形態においては、図示しないが、デザイン性の高い模様、アニメキャラクタの絵、伝統工芸的な模様、その他任意のデザインが装飾されていることが好ましい。また、面ファスナー部110および面ファスナー部120の形状自体が、主に帯状であっても、一部において、キャラクターデザインの形状、その他任意の形状を有してもよい。
【0039】
なお、図1および図2に示すように、スティック型製品500を内包する帯状保護部材100は、コネクタ部510を確実に封止することができる。特に、コネクタ部510の端子カバー550の代わりとして、面ファスナー部110および面ファスナー部120の起毛によりコネクタ部510を封止することができる。また、スティック型製品500の大きさが異なる場合であっても、帯状保護シート105の長さをスティック型製品500の全周よりも長めに設計し、面ファスナー部110および面ファスナー部120の係合部分の範囲を増加することで容易に対応することができる。
【0040】
さらに、面ファスナー部110および面ファスナー部120の厚みを増加し、結果として帯状保護シート105の厚みを増加させることで、耐衝撃性向上することができる。
特に面ファスナー部110および面ファスナー部120を用いることで起毛の効果で耐衝撃性を向上させることができる。
【0041】
図3および図4は、図1および図2に示したスティック型製品500および帯状保護部材100の他の例を示す模式図である。
【0042】
図3に示すように、スティック型製品500の一面の少なくとも一部に、面ファスナー部120が設けられている。その結果、スティック型製品500の外周を、面ファスナー部110および面ファスナー部120備えた帯状保護部材100で、包むことができる。
【0043】
次に、図4に示すように、テレビ画面またはパソコンモニター等の壁面または背面に、面ファスナー部610を設ける。ここで、面ファスナー部610は、面ファスナー部110と同様の素材または接着部材であることが好ましい。
そして、スティック型製品500に帯状保護部材100を取り付けるが、この場合、帯状保護部材100をスティック型製品500の外周を巻回させるのではなく、スティック型製品500の外側で巻回させることで、帯状保護部材100の面ファスナー部120が、テレビ画面またはパソコンモニター等の壁面または背面に、設けられた面ファスナー部610と係合する。その結果、スティック型製品500の紛失を防止することができる。
【0044】
図5は、帯状保護部材100をスティック型製品500に取り付ける他の例を示す模式図である。
【0045】
図5に示すように、スティック型製品500の端部に、係止部520および係止孔部530を設けてもよい。この場合、帯状保護部材100に、面ファスナー部110および面ファスナー部120の端部に、被係止部130を設けても良い。
【0046】
この場合、係止孔部530内に帯状保護部材100を図中の矢印方向へ挿入し、被係止部130を係止部520と嵌合させることで、固定させることができる。
【0047】
図6および図7は、図5に示した帯状保護部材100の被係止部130の他の例を示す模式図である。
【0048】
図6に示すように、帯状保護部材100は、面ファスナー部110および面ファスナー部120の少なくとも一方または両方に、孔150が設けられている。
【0049】
また、図6に示すように、被係止部130は、主に第1被係止部131および第2被係止部132からなる。第1被係止部131および第2被係止部132は、両者半円筒形状からなる。また、第1被係止部には、突起部133が設けられている。
さらに、第1被係止部131には、凸部135が設けられており、第2被係止部132には、穴部136が設けられている。穴部136は、凸部135に嵌合可能な形状からなる。
【0050】
図6に示すように、帯状保護部材100の孔150内に、凸部135が挿入され、穴部136に挿入されることにより、帯状保護部材100に被係止部130が固定される。
次に図7に示すように、スティック型製品500には、一対の係止部520が形成されている。一対の係止部520は、図6で示した被係止部130を内包可能な形状である。なお、一対の係止部520は、弾性を有する素材からなることが好ましい。
また、一対の係止部520の一部には、被係止部130に設けられた突起部133に相当する位置に穴部523が設けられている。
【0051】
この場合、図7に示すように、帯状保護部材100を挟持した被係止部130が、スティック型製品500の一対の係止部520内に係り止めされる。さらに、一対の係止部520内に設けられた穴部523に、突起部133が入り込み、固定される。
なお、被係止部130をスティック型製品500の一対の係止部520を使用して充分に固定可能な場合は、穴部523と突起部133とは必須ではない。
【0052】
図8は、図3に示した帯状保護部材100およびスティック型製品500の他の例を示す模式図である。
図8に示すように、スティック型製品500は、複数のコネクタ部510を有していてもよい。また、図8に示すように、帯状保護部材100にコネクタ部510の端子カバー550を接着部160により接着してもよい。
また、図8に示すように、帯状保護部材100は、面ファスナー部ではなく、磁力(磁石)を有するシート素材121および磁力(磁石)を有するシート素材111、または磁力に引き付けられるシート素材111からなってもよい。また、スティック型製品500に係止部521を設ける。係止部521は、磁力(磁石)を有するシート素材111と同様の素材または接着部材からなる。
なお、図示していないが、シート素材111およびシート素材121の代わりに、または加えて、凹凸形状、ボタン形状、レゴ形状等の、任意の嵌合形状をシート素材111およびシート素材121の各係合部として設けても良い。
【0053】
最後に、図9図10図11は、図7に示した帯状保護部材100およびスティック型製品500の他の例を示す模式図である。
図9図10および図11は、帯状保護シート105の一部に面ファスナー部110および面ファスナー部120を設けた例である。
図9に示すように、帯状保護部材100をスティック型製品500の外周を巻回するように使用することもできる。また、図10および図11に示すように、帯状保護部材100をスティック型製品500の外側でリング状を形成することで、壁等に設けられたフック等に引っ掛けて収納等することができる。
【0054】
以上のように、スティック型製品500を帯状保護部材100の帯状保護シート105により内包することができる。その結果、スティック型製品500のコネクタ部510を確実に保護することができる。すなわち、スティック型製品500の筐体から、コネクタ部510をスライドまたは回動させるタイプと異なり、コネクタ部510を密接に封止することができる。また、帯状保護部材100の帯状保護シート105に設けられた面ファスナー部110および面ファスナー部120により、帯状保護部材100を係合させてスティック型製品500を内包させることで、スティック型製品500からの離間を防止することができる。すなわち、誤ってスティック型製品500を落下させても傷を防止することができる。
【0055】
本発明においては、スティック型製品500が「スティック型製品」に相当し、係止部520、521が「係止部」に相当し、帯状保護部材100が「帯状保護部材」に相当し、帯状保護シート105が「帯状保護シート」に相当し、面ファスナー部110が「第1の面ファスナー部」に相当し、面ファスナー部120が「第2の面ファスナー部」に相当し、面ファスナー部110および120、磁力(磁石)を有するシート素材111および121が「係合部」に相当し、端子カバー550が「端子カバー」に相当し、被係止部130が「被係止部」に相当し、穴部523が「穴部または孔部」に相当し、突起部133が「突起部」に相当し、面ファスナー部610が「第2の係合部」に相当する。
【0056】
本発明にかかるいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲または要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
100 帯状保護部材
105 帯状保護シート
110 面ファスナー部
101 面ファスナー部
111 磁力(磁石)を有する帯状保護シート
115 係合部
120 面ファスナー部
121 磁力(磁石)を有する帯状保護シート
125 係合部
130 被係止部
133 突起部
500 スティック型製品
510 コネクタ部
520 係止部
521 係止部
550 端子カバー
523 穴部
610 面ファスナー部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11