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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240509BHJP
   H10B 41/70 20230101ALI20240509BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240509BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240509BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240509BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H10B12/00 671Z
H10B12/00 661
H10B41/70
H01L29/78 371
H01L29/78 612C
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020535328
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(86)【国際出願番号】 IB2019056433
(87)【国際公開番号】W WO2020031015
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】P 2018150387
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018150595
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 達也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 清
(72)【発明者】
【氏名】熱海 知昭
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-216203(JP,A)
【文献】特開2018-073453(JP,A)
【文献】特開平11-306765(JP,A)
【文献】特開2008-078645(JP,A)
【文献】特開2017-120937(JP,A)
【文献】特開2017-162538(JP,A)
【文献】特開2016-213468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H10B 41/70
H01L 21/336
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する複数の第1配線と、
複数の酸化物層と、
第1記憶素子群と、第2記憶素子群と、第1領域と、を有し、
前記複数の第1配線は、前記第1記憶素子群と重なる領域と、前記第2記憶素子群と重なる領域と、前記第1領域と重なる領域と、を有し、
前記複数の第1配線は105nm以下の高さを有し、
前記複数の酸化物層の一は、前記第1配線の一の側面に沿って延在する領域を有し、
前記第1記憶素子群と前記第2記憶素子群は、複数の記憶素子を有し、
前記複数の記憶素子のそれぞれは、第1トランジスタと、容量素子と、を有し、
前記複数の記憶素子のそれぞれにおいて、
前記第1トランジスタのゲートは、前記複数の第1配線の一と電気的に接続され、
前記第1トランジスタの半導体層は、前記複数の酸化物層の一と接する領域を有し、
前記複数の記憶素子において、第1記憶素子が有する前記第1トランジスタのゲートから、前記第1方向に設けられ、かつ前記第1記憶素子の隣に配置される第2記憶素子が有する前記第1トランジスタのゲートまでの距離は2.5μm以下であり、
前記第1記憶素子群の端部に配置された前記第1トランジスタのゲートから、前記第1領域を介して、前記第2記憶素子群の端部に配置された前記第1トランジスタのゲートまでの距離は3.5μm以下であり、
前記第1領域は、複数の第2トランジスタを有し、
前記複数の第2トランジスタのそれぞれにおいて、
ゲート電極が前記複数の第1配線の一と電気的に接続され、
ソース電極およびドレイン電極の一方または双方が第4配線と電気的に接続され、
前記第4配線に高電源電位を供給する機能を有する記憶装置。
【請求項2】
請求項1において、
第2方向に延在する複数の第2配線を有し、
前記複数の記憶素子のそれぞれにおいて、
前記第1トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方は、前記複数の第2配線の一つと電気的に接続される記憶装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数の記憶素子のそれぞれにおいて、
前記第1トランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は、前記容量素子と電気的に接続される記憶装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記複数の酸化物層の一は、絶縁層を介して前記第1配線の一と重なる領域を有する記憶装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記酸化物層は、インジウムおよび亜鉛の一方または双方を含む記憶装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
前記半導体層は、インジウムおよび亜鉛の一方または双方を含む記憶装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
第1方向に延在する複数の第3配線を有し、
前記複数の第3配線の一つは、前記複数の第1配線の一つと互いに重なる領域を有する記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一形態は、記憶装置、半導体装置またはこれらを用いた電子機器に関する。
【0002】
ただし、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されるものではない。本明細書等で開示する発明の一態様は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本明細書等で開示する発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置および電子機器などは、半導体装置を有する場合がある。また、表示装置、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置および電子機器などを、半導体装置ということもできる。
【背景技術】
【0004】
トランジスタに適用可能な半導体薄膜として、シリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。酸化物半導体としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛などの一元系金属の酸化物のみでなく、多元系金属の酸化物も知られている。多元系金属の酸化物の中でも、特に、In-Ga-Zn酸化物(以下、IGZOとも呼ぶ。)に関する研究が盛んに行われている。
【0005】
IGZOに関する研究により、酸化物半導体において、単結晶でも非晶質でもない、CAAC(c-axis aligned crystalline)構造およびnc(nanocrystalline)構造が見出された(非特許文献1乃至非特許文献3参照。)。非特許文献1および非特許文献2では、CAAC構造を有する酸化物半導体を用いてトランジスタを作製する技術も開示されている。さらに、CAAC構造およびnc構造よりも結晶性の低い酸化物半導体でさえも、微小な結晶を有することが、非特許文献4および非特許文献5に示されている。
【0006】
さらに、IGZOを活性層として用いたトランジスタは極めて低いオフ電流を持ち(非特許文献6参照。)、その特性を利用したLSIおよびディスプレイが報告されている(非特許文献7および非特許文献8参照。)。
【0007】
また、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(以下、「OSトランジスタ」とも呼ぶ。)を利用した様々な半導体装置が提案されている。
【0008】
特許文献1には、OSトランジスタを記憶装置のメモリセル(記憶素子)に用いる例が開示されている。OSトランジスタは、オフ状態でソースとドレインの間に流れる電流(「オフ電流」ともいう。)が非常に少ないので、記憶素子に用いられる保持容量を小さくする、または無くすことができる。保持容量を小さくする、または無くすことで、集積度の高い記憶装置を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2012-256400号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】S.Yamazaki et al.,“SID Symposium Digest of Technical Papers”,2012,volume 43,issue 1,p.183-186
【文献】S.Yamazaki et al.,“Japanese Journal of Applied Physics”,2014,volume 53,Number 4S,p.04ED18-1-04ED18-10
【文献】S.Ito et al.,“The Proceedings of AM-FPD’13 Digest of Technical Papers”,2013,p.151-154
【文献】S.Yamazaki et al.,“ECS Journal of Solid State Science and Technology”,2014,volume 3,issue 9,p.Q3012-Q3022
【文献】S.Yamazaki,“ECS Transactions”,2014,volume 64,issue 10,p.155-164
【文献】K.Kato et al.,“Japanese Journal of Applied Physics”,2012,volume 51,p.021201-1-021201-7
【文献】S.Matsuda et al.,“2015 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers”,2015,p.T216-T217
【文献】S.Amano et al.,“SID Symposium Digest of Technical Papers”,2010,volume 41,issue 1,p.626-629
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一形態は、新規な記憶装置または半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、信頼性の高い記憶装置または半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、集積密度が高い記憶装置または半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、動作速度が速い記憶装置または半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一形態は、消費電力が低減された記憶装置または半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0012】
なお、上記複数の課題の記載は、互いの課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はない。また、列記した以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から自ずと明らかとなるものであり、これらの課題も、本発明の一形態の課題となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、第1方向に延在する複数の第1配線と、複数の記憶素子群と、第1配線の側面に沿って延在する酸化物層と、を有する記憶装置であって、記憶素子群はそれぞれ複数の記憶素子を有し、それぞれの記憶素子はトランジスタと容量素子を有する。トランジスタのゲート電極は第1配線と電気的に接続する。酸化物層は、トランジスタの半導体層と接する領域を有する。記憶素子群の端部に配置された記憶素子が有するトランジスタのゲート電極から、隣接する記憶素子群の端部に配置された記憶素子が有するトランジスタのゲート電極までの最短距離が3.5μm以下の記憶装置である。
【0014】
または、本発明の一態様は、第1方向に延在する複数の第1配線と、複数の酸化物層と、第1記憶素子群と、第2記憶素子群と、を有し、複数の第1配線は、第1記憶素子群と重なる領域と、第2記憶素子群と重なる領域と、を有し、複数の酸化物層の一は、第1配線の一の側面に沿って延在する領域を有し、第1記憶素子群と第2記憶素子群は、複数の記憶素子を有し、複数の記憶素子のそれぞれは、トランジスタと、容量素子と、を有し、複数の記憶素子のそれぞれにおいて、トランジスタのゲート電極は、複数の第1配線の一と電気的に接続され、トランジスタの半導体層は、複数の酸化物層の一と接する領域を有し、第1記憶素子群の端部に配置された記憶素子が有するトランジスタのゲート電極から、第2記憶素子群の端部に配置された記憶素子が有するトランジスタのゲート電極までの最短距離が3.5μm以下である記憶装置である。
【0015】
上記最短距離は2.3μm以下であってもよい。また、上記本発明の一態様において、第2方向に延在する複数の第2配線を有し、トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方が複数の第2配線の一つと電気的に接続されてもよい。この場合、トランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方は容量素子と電気的に接続される。
【0016】
なお、酸化物層は絶縁層を介して第1配線と重なる領域を有してもよい。酸化物層は、インジウムおよび亜鉛の一方または双方を含む場合がある。トランジスタの半導体層は、インジウムおよび亜鉛の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0017】
また、上記一態様において、第1方向に延在する複数の第3配線を設けてもよい。複数の第3配線の一つは、複数の第1配線の一つと互いに重なる領域を有することが好ましい。
【0018】
また、本発明の別の一態様は、第1方向に延在する複数の第1配線と、複数の酸化物層と、第1記憶素子群と、第2記憶素子群と、第1領域と、を有し、複数の第1配線は、第1記憶素子群と重なる領域と、第2記憶素子群と重なる領域と、第1領域と重なる領域と、を有し、複数の酸化物層の一は、第1配線の一の側面に沿って延在する領域を有し、第1記憶素子群と第2記憶素子群は、複数の記憶素子を有し、複数の記憶素子のそれぞれは、第1トランジスタと、容量素子と、を有し、複数の記憶素子のそれぞれにおいて、第1トランジスタのゲートは、複数の第1配線の一と電気的に接続され、第1トランジスタの半導体層は、複数の酸化物層の一と接する領域を有し、第1領域は、複数の第2トランジスタを有し、複数の第2トランジスタのそれぞれにおいて、ゲート電極が複数の第1配線の一と電気的に接続され、ソース電極およびドレイン電極の一方または双方が第4配線と電気的に接続され、第4配線に高電源電位を供給する機能を有する記憶装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一形態により、新規な記憶装置または半導体装置を提供することができる。または、本発明の一形態により、信頼性の高い記憶装置または半導体装置を提供することができる。または、本発明の一形態により、集積密度が高い記憶装置または半導体装置を提供することができる。または、本発明の一形態により、動作速度が速い記憶装置または半導体装置を提供することができる。または、本発明の一形態により、消費電力が低減された記憶装置または半導体装置を提供することができる。
【0020】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は記憶装置の構成例を説明する図である。
図2Aおよび図2Bは記憶ブロックの構成例を説明する図である。
図3はセルアレイの一部を拡大した図である。
図4Aおよび図4Bはメモリセルの回路構成例を説明する図である。
図5A乃至図5Cは隣接する2つのトランジスタの構造例を説明する図である。
図6Aおよび図6Bはメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図7Aおよび図7Bはメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図8はメモリセルへの情報の書き込み動作を説明するタイミングチャートである。
図9Aおよび図9Bはメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図10はメモリセルへの情報の書き込み動作を説明するタイミングチャートである。
図11A乃至図11Cはメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図12はメモリセルへの情報の書き込み動作を説明するタイミングチャートである。
図13Aおよび図13Bは隣接サブセルアレイ間の距離とノードNDの保持電位の関係を説明する図である。
図14Aおよび図14Bはダミーメモリセルの回路構成例を説明する図である。
図15Aおよび図15Bはダミーメモリセルの回路構成例を説明する図である。
図16Aおよび図16BはメモリセルのピッチとノードNDの保持電位の関係を説明する図である。
図17Aおよび図17Bはワード線の高さとノードNDの保持電位の関係を説明する図である。
図18Aおよび図18Bはメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図19はメモリセルへの情報の書き込み動作を説明する図である。
図20はメモリセルへの情報の書き込み動作を説明するタイミングチャートである。
図21Aおよび図21Bは情報の保持時間と容量素子の漏れ電流の関係を説明する図である。
図22は記憶装置の断面図である。
図23は記憶装置の断面図である。
図24は記憶装置の断面図である。
図25A乃至図25Cはトランジスタの一例を説明する図である。
図26A乃至図26Cはトランジスタの一例を説明する図である。
図27Aおよび図27Bは電子部品を説明する図である。
図28は電子機器を説明する図である。
図29A乃至図29Eは電子機器を説明する図である。
図30A乃至図30Cは電子機器を説明する図である。
図31A乃至図31Cは電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0023】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0024】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0025】
なお、本明細書中において、高電源電位をHレベル(「VDD」または「H電位」ともいう。)、低電源電位をLレベル(「VSS」または「L電位」ともいう。)と呼ぶ場合がある。
【0026】
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書などでは、明示する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
【0027】
また、本明細書は、以下の実施の形態を適宜組み合わせることが可能である。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0028】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物と総称する場合がある。
【0029】
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、エンハンスメント型(ノーマリーオフ型)のnチャネル型電界効果トランジスタとする。よって、そのしきい値電圧(「Vth」ともいう。)は、0Vより大きいものとする。
【0030】
(実施の形態1)
実施の形態では、本発明の一態様の記憶装置について説明する。
【0031】
《記憶装置100》
図1は、本発明の一態様である記憶装置100の構成例を示すブロック図である。
【0032】
記憶装置100は、入出力回路111(IO Circuit)、制御回路112(Controller)、I2Cレシーバ113(I2C Receiver)、設定レジスタ114(Setting Register)、LVDS回路115(転送回路LVDS_rx)、LVDS回路116(転送回路LVDS_tx)、デコーダ117(Decoder)、記憶ブロックアレイ210(Memory Block Array)、および負電圧生成回路218を有する。
【0033】
また、制御回路112は、レジスタ118(Reg_r)、およびレジスタ119(Reg_w)を有する。また、記憶ブロックアレイ210は、n個(nは1以上の整数。)の記憶ブロック211(Memory Block)を有する。本明細書等では、1個目の記憶ブロック211を記憶ブロック211_1と示し、i個目(iは1以上n以下の整数。)の記憶ブロック211を記憶ブロック211_iと示している。
【0034】
入出力回路111は、外部機器と信号の受け渡しを行なう機能を有する。記憶装置100の動作条件などは、設定レジスタ114に記憶されている設定パラメータにより決定される。設定パラメータは、入出力回路111およびI2Cレシーバ113を介して設定レジスタ114に書き込まれる。なお、目的または用途などに応じてI2Cレシーバ113は省略してもよい。
【0035】
設定パラメータの一例として、リフレッシュ動作の実行間隔や回路動作の動作タイミングなどの指定情報などがある。制御回路112は設定パラメータおよび外部からのコマンド信号を処理して記憶装置100の動作モードを決定する機能を有する。制御回路112は、色々な制御信号を生成して、記憶装置100全体の動作を制御する機能を有する。
【0036】
また、外部から入出力回路111を介して制御回路112に、リセット信号res、アドレス信号ADDR[16:0]、行アドレス識別信号RAS(Row Address Strobe)、列アドレス識別信号CAS(Column Address Strobe)、書き込み制御信号WE(Write Enable)、データ読み出し用クロック信号clk_r、書き込みデータWDATA[7:0]などが供給される。データ読み出し用クロック信号clk_rは、LVDS回路115を介して制御回路112に供給される。
【0037】
また、制御回路112から入出力回路111に、データ書き込み用クロック信号clk_w、読み出しデータRDATA[7:0]が供給される。データ書き込み用クロック信号clk_wは、LVDS回路116を介して入出力回路111に供給される。LVDS回路115およびLVDS回路116は、LVDS(Low voltage differential signaling)規格で動作する転送回路である。なお、目的または用途などに応じて、LVDS回路115およびLVDS回路116の一方または双方を省略してもよい。
【0038】
書き込みデータWDATA[7:0]は、データ書き込み用クロック信号clk_wに同期して転送され、制御回路112内のレジスタ119に保持される。制御回路112はレジスタ119に保持されているデータを記憶ブロックアレイ210に供給する機能を有する。
【0039】
また、記憶ブロックアレイ210から読み出されたデータは、読み出しデータRDATA[7:0]として制御回路112内のレジスタ118に保持される。制御回路112は、読み出しデータRDATA[7:0]をデータ読み出し用クロック信号clk_rに同期して入出力回路111に転送する機能を有する。
【0040】
また、制御回路112は、列アドレス信号C_ADDR[6:0]、列選択イネーブル信号CSEL_EN、データラッチ信号DLAT、グローバル書き込み許可信号GW_EN、グローバル読み出し許可信号GR_EN、グローバルセンスアンプ許可信号GSA_EN、グローバルイコライズ許可信号GEQ_ENB、ローカルセンスアンプ許可信号LSA_EN、ローカルイコライズ許可信号LEQ_ENB、およびワード線アドレス選択信号WL_ADDR[7:0]などを出力する機能を有する。
【0041】
列アドレス信号C_ADDRおよび列選択イネーブル信号CSEL_ENはデコーダ117に供給される。
【0042】
《記憶ブロック》
図2Aは記憶ブロック211_iの構成例を示すブロック図である。図2Bは、記憶ブロック211_iに含まれる、ローカルセンスアンプアレイ214(Local Sense Amplifier Array)およびセルアレイ221(Cell Array)の構成例を示す斜視ブロック図である。また、図2Bなどに、X方向、Y方向、およびZ方向を示す矢印を付している。X方向、Y方向、およびZ方向は、それぞれが互いに直交する方向である。
【0043】
記憶ブロック211_iは、ワード線ドライバ212(WL Driver)、ローカルセンスアンプドライバ213(LSA Driver)、ローカルセンスアンプアレイ214、グローバルセンスアンプ215(Global SA)、読み出し書き込みセレクタ216(R/W Selector)、およびセルアレイ221を有する。
【0044】
データラッチ信号DLAT、グローバル書き込み許可信号GW_EN、およびグローバル読み出し許可信号GR_ENは、読み出し書き込みセレクタ216に供給される。グローバルセンスアンプ許可信号GSA_ENおよびグローバルイコライズ許可信号GEQ_ENBは、グローバルセンスアンプ215に供給される。ローカルセンスアンプ許可信号LSA_ENおよびローカルイコライズ許可信号LEQ_ENBはローカルセンスアンプアレイ214に供給される。ワード線アドレス選択信号WL_ADDR[7:0]は、ワード線ドライバ212に供給される。
【0045】
ローカルセンスアンプアレイ214は、f行g列(fおよびgは、共に1以上の整数)のマトリクス状に配置された複数のセンスアンプ127(Sense Amplifier)を有する。本明細書などでは、1行1列目のセンスアンプ127をセンスアンプ127[1,1]と示す。また、k行h列目(kは1以上f以下の整数。hは1以上g以下の整数。)のセンスアンプ127をセンスアンプ127[k,h]と示す。
【0046】
セルアレイ221はローカルセンスアンプアレイ214の上方に重ねて設けられている。セルアレイ221をローカルセンスアンプアレイ214の上方に重ねて設けることで、ビット線の配線長を短くすることが出来る。
【0047】
セルアレイ221は、p行q列(pおよびqは、共に1以上の整数)のマトリクス状に配置された複数のメモリセル10を有する。本明細書などでは、1行1列目のメモリセル10をメモリセル10[1,1]と示す。また、j行t列目(jは1以上p以下の整数。tは1以上q以下の整数。)のメモリセル10をメモリセル10[j,t]と示す。メモリセル10は記憶素子として機能する。
【0048】
また、セルアレイ221は、X方向(行方向)に延在する複数本のワード線WLおよび配線BGLと、Y方向(列方向)に延在する複数本のビット線BLと、Y方向(列方向)に延在する複数本のビット線BLBと、を有する(図2Bに図示せず。)。なお、本明細書などでは、例えば、j本目(jは1以上p以下の整数。)のワード線WLをワード線WL[j]と示す。
【0049】
1つのメモリセル10は、X方向(行方向)に延在するワード線WLのうち、いずれか1つと電気的に接続される。また、1つのメモリセル10は、X方向(行方向)に延在する配線BGLのうち、いずれか1つと電気的に接続される。また、1つのメモリセル10は、ビット線BLまたはビット線BLBのうち、いずれか1つと電気的に接続される。
【0050】
セルアレイ221は、複数のサブセルアレイ223で構成されている。図2Bでは、セルアレイ221が4つのサブセルアレイ223で構成されている例を示している。図2Bでは、4つのサブセルアレイ223を、サブセルアレイ223_1乃至サブセルアレイ223_4と示している。
【0051】
複数のサブセルアレイ223は、それぞれが複数のメモリセル10で構成されている。よって、サブセルアレイを記憶素子群と言う事もできる。
【0052】
サブセルアレイ223_1とサブセルアレイ223_2の間、サブセルアレイ223_2とサブセルアレイ223_3の間、および、サブセルアレイ223_3とサブセルアレイ223_4の間に、それぞれ隣接領域226を有する。図3は、図2Bに示す領域225の拡大図を示す。領域225は、サブセルアレイ223_2の一部と、サブセルアレイ223_3の一部と、両者と隣接する隣接領域226の一部と、を含む領域である。
【0053】
隣接領域226は、ワード線WLを上層または下層の配線と電気的に接続するための領域である。例えば、ワード線WLよりも上層にワード線WLと並走する配線を設けて、ワード線WLと当該配線を隣接領域226で電気的に接続することで、実質的にワード線WLの配線抵抗を小さくすることができる。
【0054】
図4Aに、ワード線WL[j]と電気的に接続する、メモリセル10[j,t-1]、メモリセル10[j,t]、メモリセル10[j,t+1]の回路構成例を示す。メモリセル10は、トランジスタM1と、保持容量Csと、を有する。保持容量Csは保持容量として機能する。図4Aでは、トランジスタM1としてバックゲートを有するトランジスタ(4端子型のトランジスタ。「4端子素子」ともいう。)を例示している。
【0055】
トランジスタM1のソースまたはドレインの一方は、保持容量Csの一方の電極と電気的に接続され、トランジスタM1のソースまたはドレインの他方は、ビット線BL(またはビット線BLB)と電気的に接続され、トランジスタM1のゲートは、ワード線WLと電気的に接続され、トランジスタM1のバックゲートは、配線BGLと電気的に接続されている。保持容量Csの他方の電極は、配線CALと電気的に接続されている。トランジスタM1のソースまたはドレインの一方と、保持容量Csの一方の電極が電気的に接続される節点をノードNDという。
【0056】
実際のトランジスタにおいて、ゲートとバックゲートは、半導体層のチャネル形成領域を介して互いに重なるように設けられる。ゲートとバックゲートは、どちらもゲートとして機能できる。よって、一方を「バックゲート」という場合、他方を「ゲート」または「フロントゲート」という場合がある。また、一方を「第1ゲート」、他方を「第2ゲート」という場合がある。
【0057】
バックゲートは、ゲートと同電位としてもよいし、接地電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲートの電位をゲートと連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0058】
バックゲートを設けることで、更には、ゲートとバックゲートを同電位とすることで、半導体層においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタのオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0059】
したがって、トランジスタを占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタにすることができる。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0060】
配線BGLは、トランジスタM1のバックゲートに電位を印加するための配線として機能する。配線BGLに任意の電位を印加することによって、トランジスタM1のしきい値電圧を増減することができる。
【0061】
データの書き込みおよび読み出しは、ワード線WLに高レベル電位(例えば、3.3V)を印加し、トランジスタM1を導通状態にし、ビット線BLとノードNDを電気的に接続することによって行われる。データの書き込み終了後は、ワード線WLに低レベル電位を印加し、トランジスタM1を非導通状態にする。低レベル電位は、例えば、基準電位または負電位とすればよい。本明細書などにおいて、負電位とは基準電位よりも低い電位のことをいう。よって、基準電位を0Vとした場合、負電位は0Vよりも低い電位である。また、「負電位が大きい」または「大きい負電位」とは、基準電位と負電位の電位差が大きいという意味である。また、「負電位が小さい」または「小さい負電位」とは、基準電位と負電位の電位差が小さいという意味である。
【0062】
配線CALは、保持容量Csの他方の電極に所定の電位を印加するための配線として機能する。配線CALには、固定電位を印加するのが好ましい。
【0063】
本実施の形態に示すメモリセル10は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)型の記憶素子である。
【0064】
本明細書などでは、メモリセル10[j,t]に含まれるトランジスタM1を、トランジスタM1[j,t]と示す場合がある。また、本明細書などでは、メモリセル10[j,t]に含まれる保持容量Csを、保持容量Cs[j,t]と示す場合がある。また、図4Aに示した回路図は、図4Bのように示すことができる。
【0065】
トランジスタM1のチャネルが形成される半導体層には、金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いることが好ましい。本明細書などでは、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を含むトランジスタを「OSトランジスタ」ともいう。
【0066】
例えば、酸化物半導体として、インジウム、元素M(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)、亜鉛のいずれか一つを有する金属酸化物を用いることができる。特に、酸化物半導体は、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む金属酸化物であることが好ましい。
【0067】
OSトランジスタは、オフ電流が極めて少ないという特性を有している。トランジスタM1としてOSトランジスタを用いることによって、トランジスタM1のリーク電流(漏れ電流)を非常に低くすることができる。つまり、書き込んだデータをトランジスタM1によって長時間保持することができる。よって、記憶素子のリフレッシュの頻度を少なくすることができる。また、記憶素子のリフレッシュ動作を不要にすることができる。また、リーク電流が非常に低いため、多値データ、またはアナログデータを保持する記憶素子の実現を容易とすることができる。
【0068】
本明細書などでは、OSトランジスタを用いたDRAMを、DOSRAM(Dynamic Oxide Semiconductor Random Access Memory)という。
【0069】
トランジスタM1[j,t]とトランジスタM1[j,t+1]の構造例を図5Aおよび図5Bに示す。図5AはトランジスタM1[j,t]およびトランジスタM1[j,t+1]の斜視図であり、図5Bは上面図である。なお、図面を分かりやすくするため、構成要素の一部を省略している。
【0070】
トランジスタM1[j,t]は、酸化物層261(酸化物層261a、酸化物層261b、および酸化物層261c)を有する。酸化物層261は、半導体層として機能する。また、酸化物層261bの上に導電層342(導電層342aおよび導電層342b)が設けられている。導電層342aおよび導電層342bの一方はソース電極として機能し、他方はドレイン電極として機能する。
【0071】
また、導電層342aおよび導電層342bの間に導電層360、絶縁層349、および酸化物層261cが設けられている。絶縁層349は、導電層360の側面と重なる領域と、導電層360の底面と重なる領域と、を有する。また、酸化物層261cは、絶縁層349を介して導電層360の側面と重なる領域と、絶縁層349を介して導電層360の底面と重なる領域と、を有する。また、酸化物層261cは、酸化物層261bと接する領域を有する。
【0072】
また、導電層360のうち、酸化物層261cと重なる領域がゲート電極として機能する。
【0073】
また、酸化物層261aの下に絶縁層366が設けられ、絶縁層366の下に絶縁層365が設けられている。また、絶縁層365の下に導電層305が設けられている。導電層305は導電層360と重なる位置に設けられている。導電層305は、配線BGL[j]として機能する。また、導電層305は、トランジスタM1[j,t]のバックゲート電極として機能する。導電層305に負電圧を供給することで、トランジスタM1のVthを大きくし、トランジスタM1のノーマリーオン化を抑制することができる。
【0074】
導電層360は、ワード線WL[j]として機能する。また、導電層360は、トランジスタM1[j,t]のゲート電極として機能する。絶縁層349は、トランジスタM1[j,t]のゲート絶縁層として機能する。トランジスタM1[j,t+1]はトランジスタM1[j,t]と同様の構造を有する。よって、導電層360は、トランジスタM1[j,t+1]のゲート電極として機能する。また、絶縁層349は、トランジスタM1[j,t+1]のゲート絶縁層として機能する。なお、トランジスタ構造については追って詳細に説明する。
【0075】
<寄生トランジスタTrp、寄生容量Cp>
上記構造では、酸化物層261cが絶縁層349を介してワード線WL[j]と重なり、かつ、酸化物層261cは、トランジスタM1[j,t]の酸化物層261bとトランジスタM1[j,t+1]の酸化物層261bに接している。このため、トランジスタM1[j,t]とトランジスタM1[j,t+1]の間に、寄生トランジスタTrpが生じる場合がある。寄生トランジスタTrpが生じると、トランジスタM1[j,t]の酸化物層261bとトランジスタM1[j,t+1]の酸化物層261bが電気的に接続されるため、ワード線WL[j]に沿ってリークパス(current path)が生じ易い(図5B参照。)。
【0076】
また、寄生トランジスタTrpが生じると、ワード線WL[j]を一方の電極、酸化物層261cを他方の電極(寄生ノードNDp)とする寄生容量Cpが生じる。寄生容量Cpは、寄生トランジスタTrpのゲート容量に相当する(図5A参照。)。
【0077】
図5Cは、メモリセル10[j,t]、メモリセル10[j,t+1]、寄生トランジスタTrp、および寄生容量Cpを示す回路図である。なお、本実施の形態では、配線BGL[j]に常に負電圧が供給されているものとする。よって、以降の回路図などでは、図面をわかりやすくするために配線BGL[j]の記載を省略する場合がある。例えば、図5Cでは、配線BGLの記載を省略している。
【0078】
また、図5Cでは、寄生トランジスタTrpを2つに分けて示している。また、図5Cでは、寄生トランジスタTrp、および寄生容量Cpを破線で示している。
【0079】
寄生トランジスタTrpの電界効果移動度は、トランジスタM1の電界効果移動度よりも著しく小さい。このため、メモリセル10へのデータ書き込み速度が速い場合(動作周波数が高い場合)は前述したリークパスの影響は軽微である。一方で、メモリセル10へのデータ書き込み速度が遅い場合(動作周波数が低い場合、例えば、動作周波数が10MHz以下の場合)はリークパスの影響が顕著になり、メモリセル10へのデータ書き込みが不十分となる場合がある。
【0080】
<メモリセル10への情報書き込み動作>
続いて、動作周波数が低い場合の、メモリセル10[j,t]への情報の書き込み動作について説明する。図6Aは、メモリセル10[j,t-1]、メモリセル10[j,t]、メモリセル10[j,t+1]、寄生トランジスタTrp、および寄生容量Cpを示す回路図である。メモリセル10[j,t-1]およびメモリセル10[j,t]はサブセルアレイ223_2に含まれるメモリセルであり、メモリセル10[j,t+1]はサブセルアレイ223_3に含まれるメモリセルである。
【0081】
図6Aでは、メモリセル10[j,t-1]とメモリセル10[j,t]の間に生じる寄生トランジスタ、寄生容量、寄生ノードを、それぞれ、寄生トランジスタTrpA、寄生容量CpA、寄生ノードNDpAと示している。また、メモリセル10[j,t]とメモリセル10[j,t+1]の間に生じる寄生トランジスタ、寄生容量、寄生ノードを、それぞれ、寄生トランジスタTrpB、寄生容量CpB、寄生ノードNDpBと示している。
【0082】
本実施の形態において、メモリセル10に書き込む情報のうち、”0”に相当する電位を0V以上0.6V未満とし、”1”に相当する電位を0.6V以上1.2V以下とする。また、保持容量Csを3.5fF、寄生容量CpAを1.0fF、寄生容量CpBを3.0fFとする。また、トランジスタM1をオン状態(導通状態)とするためにワード線WLに供給する電位WLHを3.3Vとし、オフ状態(非通状態)とするためにワード線WLに供給する電位WLLを0Vとする。また、寄生トランジスタTrpA、および寄生トランジスタTrpBのVthを1.5Vとする。
【0083】
図6B図7A図7B、および図8を用いて、メモリセル10[j,t-1]に”0”、メモリセル10[j,t]に”1”、メモリセル10[j,t+1]に”0”が書き込まれる場合について説明する。図8は情報の書き込み動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図面等において、図面を見やすくするため、符号の記載を省略する場合がある。図6B図7A、および図7Bにおいて省略された符号は、図6Aなどを参酌すれば理解できる。また、変動のあった電位を黒線で囲んで示している。
【0084】
まず、期間T11において、ビット線BL[t-1]およびビット線BL[t+1]に0Vが供給され、ビット線BL[t]に1.2Vが供給される。また、ワード線WL[j]に電位WLH(3.3V)が供給される。すると、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]がオン状態となり、ノードND[j,t-1]およびノードND[j,t+1]に0Vが書き込まれ、ノードND[j,t]に1.2Vが書き込まれる(図6B図8参照。)。
【0085】
前述したように、寄生トランジスタTrpの電界効果移動度はトランジスタM1の電界効果移動度よりも著しく小さい。期間T11直前の寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.5Vであった場合、ワード線WL[j]の電位が0Vから3.3Vに変化した直後では電荷の移動が追いつかず、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、-1.5V+3.3V=1.8Vになる。その後、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位はどちらも0.6Vになる。
【0086】
次に、期間T12において、ワード線WL[j]に電位WLL(0V)を供給し、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]をオフ状態とする。図7Aは、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]がオフ状態となった直後の状態(期間T12開始直後の状態)を示している。前述したように、寄生トランジスタTrpの電界効果移動度は、トランジスタM1の電界効果移動度よりも著しく小さい。このため、ワード線WL[j]の電位が3.3Vから0Vに変化した直後では電荷の移動が追いつかず、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、0.6V-3.3V=-2.7Vになる。
【0087】
ワード線WL[j]の電位が0Vで、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-2.7Vであるということは、寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBのゲートに2.7Vが印加されている状態である。よって、寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBはオン状態となる。
【0088】
寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBがオン状態であると、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]、寄生ノードNDpA、および寄生ノードNDpB間で電荷の移動(電荷の再分配)が生じる。電荷の移動は、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.5Vになるまで続く。
【0089】
電荷移動終了後のノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]の電位は、保持容量Csと、寄生容量CpAおよび寄生容量CpBの静電容量で決定される。本回路構成では、電荷移動終了後のノードND[j,t-1]およびノードND[j,t+1]の電位が0Vよりも低くなり、ノードND[j,t]の電位が0.51Vになる(図7B図8参照。)。
【0090】
データ読み出し時にノードNDの電位が0Vよりも低い場合、メモリセル10に記憶されているデータは”0”として認識される。また、データ読み出し時にノードNDの電位が0.51Vである場合も、メモリセル10に記憶されているデータは”0”として認識される。すなわち、メモリセル10[j,t-1]およびメモリセル10[j,t+1]にはデータが正常に書き込まれているが、メモリセル10[j,t]にはデータが正常に書き込まれていないことになる。
【0091】
言い換えると、データ読み出し時において、メモリセル10[j,t-1]およびメモリセル10[j,t+1]に書き込まれたデータ”0”は”0”として読み出しできるが、メモリセル10[j,t]に書き込まれたデータ”1”が”0”として読み出されてしまう。
【0092】
続いて、図9A図9B、および図10を用いて、メモリセル10[j,t-1]、メモリセル10[j,t]、およびメモリセル10[j,t+1]に”1”が書き込まれる場合について説明する。なお、図6B図7A、および図7Bと同様に、図9Aおよび図9Bにおいて省略された符号は、図6Aなどを参酌すれば理解できる。図10は情報の書き込み動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0093】
まず、期間T21において、ビット線BL[t-1]、ビット線BL[t]、およびビット線BL[t+1]に1.2Vが供給され、ワード線WL[j]に3.3Vが供給される。すると、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]がオン状態となり、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、およびノードND[j,t+1]に1.2Vが書き込まれる(図9A図10参照。)。
【0094】
前述したように、期間T21直前の寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.5Vであった場合、ワード線WL[j]の電位が0Vから3.3Vに変化した直後では寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、1.8Vになる。その後、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位はどちらも1.2Vになる。
【0095】
次に、期間T22において、ワード線WL[j]に0Vを供給し、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]をオフ状態とする。前述したように、ワード線WL[j]の電位が3.3Vから0Vに変化した直後では、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、1.2V-3.3V=-2.1Vになる。
【0096】
次に、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.5Vになるまで、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]、寄生ノードNDpA、および寄生ノードNDpB間で電荷の移動(電荷の再分配)が生じる。
【0097】
電荷移動終了後のノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]の電位は、保持容量Csと、寄生容量CpAおよび寄生容量CpBの静電容量で決定される。本回路構成では、ノードND[j,t]の電位が0.85Vになる(図9B図10参照。)。また、電荷移動終了後のノードND[j,t-1]の電位は、ノードND[j,t-2]の影響を受けて0.86V以上(図12参照。)1.2V未満になる。また、電荷移動終了後のノードND[j,t+1]の電位は、ノードND[j,t+2]の影響を受けて0.86V以上1.2V未満になる。
【0098】
このように、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]の電位は全て0.6V以上である。よって、データ”1”として書き込まれたデータは、データ”1”として正常に読み出すことができる。
【0099】
続いて、サブセルアレイ223内での同様の書き込み動作について説明する。図11Aは、メモリセル10[j,t-3]、メモリセル10[j,t-2]、メモリセル10[j,t-1]、寄生トランジスタTrpA、および寄生容量CpAを示す回路図である。メモリセル10[j,t-3]、メモリセル10[j,t-2]、およびメモリセル10[j,t-1]はサブセルアレイ223_2に含まれるメモリセルである。
【0100】
また、メモリセル10[j,t-3]とメモリセル10[j,t-2]の間に生じる寄生容量CpAの静電容量と、メモリセル10[j,t-2]とメモリセル10[j,t-1]の間に生じる寄生容量CpAの静電容量を、どちらも1.0fFとする。
【0101】
図11B図11C、および図12を用いて、メモリセル10[j,t-3]に”0”、メモリセル10[j,t-2]に”1”、メモリセル10[j,t-1]に”0”を書き込む場合について説明する。なお、図面等において、図面を見やすくするため、符号の記載を省略する場合がある。図11Bおよび図11Cにおいて省略された符号は、図11Aなどを参酌すれば理解できる。図12は情報の書き込み動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0102】
まず、期間T31において、ビット線BL[t-3]およびビット線BL[t-1]に0Vが供給され、ビット線BL[t-2]に1.2Vが供給される。また、ワード線WL[j]に3.3Vが供給される。すると、トランジスタM1[j,t-3]、トランジスタM1[j,t-2]、およびトランジスタM1[j,t-1]がオン状態となり、ノードND[j,t-3]およびノードND[j,t-1]に0Vが書き込まれ、ノードND[j,t-2]に1.2Vが書き込まれる(図11B図12参照。)。
【0103】
期間T11の記載で説明したように、期間T31直前の寄生ノードNDpAの電位が-1.5Vであった場合、ワード線WL[j]の電位が0Vから3.3Vに変化した直後では、寄生ノードNDpAの電位は、-1.5V+3.3V=1.8Vになる。その後、図11Bに示すように、2つの寄生ノードNDpAの電位は、どちらも0.6Vになる。
【0104】
次に、期間T32において、ワード線WL[j]に0Vを供給し、トランジスタM1[j,t-3]、トランジスタM1[j,t-2]、およびトランジスタM1[j,t-1]をオフ状態とする。前述したように、ワード線WL[j]に0Vを供給した直後(期間T32開始直後)の寄生ノードNDpAの電位は-2.7Vとなる。その後、電荷の再分配により寄生ノードNDpAの電位は-1.5Vになる。
【0105】
本回路構成では、メモリセル10[j,t-3]とメモリセル10[j,t-2]の間に生じる寄生容量CpAの静電容量と、メモリセル10[j,t-2]とメモリセル10[j,t-1]の間に生じる寄生容量CpAの静電容量は、どちらも1.0fFである。よって、本回路構成では、電荷移動終了後のノードND[j,t-3]およびノードND[j,t-1]の電位が0Vよりも低くなり、ノードND[j,t-2]の電位が0.86Vになる(図11C図12参照。)。
【0106】
前述した通り、データ読み出し時にノードNDの電位が0Vよりも低い場合、メモリセル10に記憶されているデータは”0”として認識される。また、データ読み出し時にノードNDの電位が0.86Vである場合は、メモリセル10に記憶されているデータは”1”として認識される。
【0107】
よって、メモリセル10[j,t-3]、メモリセル10[j,t-2]およびメモリセル10[j,t-1]に書き込まれるデータは、正常に書き込まれることがわかる。
【0108】
このように、サブセルアレイ223の端部に配置されたメモリセル10は、隣接する隣接領域226に生じる寄生容量の影響により、書き込みエラーが生じやすい。すなわち、隣接領域226の寄生容量を低減することで、書き込みエラーの発生を抑えることができる。
【0109】
隣接するメモリセル10間でワード線WLに付随して生じる寄生容量は、隣接するメモリセル10間のワード線WLの長さに比例して変化する。よって、当該寄生容量は、隣接するメモリセル10間のワード線WLの長さを短くすることで低減できる。
【0110】
図13Aに示すように、サブセルアレイ内にあるメモリセル10[j,t-1]が有するトランジスタM1[j,t-1]のゲート電極から、同じサブセルアレイ内にあるメモリセル10[j,t]が有するトランジスタM1[j,t]のゲート電極までのワード線WL[j]の長さを距離DAとする。
【0111】
また、サブセルアレイの端部に配置されたメモリセル10[j,t]が有するトランジスタM1[j,t]のゲート電極から、隣接するサブセルアレイの端部に配置されたメモリセル10[j,t+1]が有するトランジスタM1[j,t+1]のゲート電極までのワード線WL[j]の長さを距離DBとする。距離DBは、隣接するサブセルアレイ間の最短距離と言う事もできる。
【0112】
また、一般に、セルアレイ内において、メモリセル10を構成するトランジスタおよび容量素子、ならびに、メモリセル10に接続する配線などは、一定周期で配置される。よって、距離DAは、サブセルアレイ内で隣接するビット線BL[t-1]からビット線BL[t]までの最短距離と言うこともできる。同様に、距離DBは、サブセルアレイの端部に配置されたビット線BL[t]から、隣接するサブセルアレイの端部に配置されたビット線BL[t+1]までの最短距離と言うこともできる。
【0113】
寄生容量CpAは距離DAに比例し、寄生容量CpBは距離DBに比例する。図13Bは、上記情報の書き込み動作を行なう場合の、距離DBとノードND[j,t]の保持電位の関係を算出したグラフである。図13Bに示すグラフは、保持容量Csの静電容量を3.5fF、寄生容量CpAの静電容量を1.0fF、距離DAを1.4μmとして算出した。
【0114】
前述したとおり、ノードND[j,t]に”1”を書き込み、ノードND[j,t]から”1”を読み出す場合、ノードND[j,t]の保持電位を0.6V以上にする必要がある。図13Bより、”1”が書き込まれたノードND[j,t]の保持電位を0.6V以上にするためには、距離DBを3.5μm以下にする必要があることがわかる。
【0115】
また、記憶装置100の動作をより安定させるために、”1”が書き込まれたノードND[j,t]の保持電位を0.75V以上とすることが好ましい。図13Bより、ノードND[j,t]の保持電位を0.75V以上にするためには、距離DBを2.3μm以下にする必要があることがわかる。
【0116】
また、距離DBは距離DAの1倍以上3.5倍以下が好ましく、1倍以上2.3倍以下がより好ましい。
【0117】
距離DBを距離DAに近づけることで、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。距離DBを距離DAに近づけることで、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0118】
また、図14Aに示すように、隣接領域226にダミーメモリセル10dを設けてもよい。ダミーメモリセル10dは、トランジスタM1dおよび保持容量Csdを有する。トランジスタM1dのソースまたはドレインの一方は、ノードNDdを介して保持容量Csdの一方の電極と電気的に接続される。保持容量Csdの他方の電極は、配線CALと電気的に接続される。トランジスタM1dのゲートは、ワード線WL[j]と電気的に接続される。トランジスタM1dのソースまたはドレインの他方にVDD(本実施の形態では1.2V)が供給される。
【0119】
隣接領域226にダミーメモリセル10dを1つ設けることで、寄生容量CpBを寄生容量CpB1と寄生容量CpB2に分けることができる。隣接領域226と重なる領域のワード線WL[j]において、ワード線WL[j]の中央にダミーメモリセル10dを1つ設けることで、寄生容量CpBを半分にすることができる。同様に、寄生トランジスタTrpBを寄生トランジスタTrpB1と寄生トランジスタTrpB2に分けることができる。また、寄生ノードNDpBを寄生ノードNDpB1と寄生ノードNDpB2に分けることができる。
【0120】
また、図14Bに示すように、隣接領域226にダミーメモリセル10dを複数設けてもよい。また、図15Aに示すように、ダミーメモリセル10dに保持容量Csdを設けず、ノードNDdをフローティング状態としてもよい。また、図15Bに示すように、ダミーメモリセル10dに保持容量Csdを設けず、トランジスタM1dのソースおよびドレインにVDDを供給してもよい。
【0121】
隣接領域226にダミーメモリセル10dを設けることにより、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。隣接領域226にダミーメモリセル10dを設けることにより、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0122】
図16Aに示すように、距離DAは、マトリクス状に配置されたメモリセル10のピッチ(配列周期)と見ることができる。
【0123】
図16Bは、保持容量Csの静電容量を3.5fFとした時の、距離DAとノードND[j,t-2]の保持電位の関係を算出したグラフである。図16Bより、”1”が書き込まれたノードND[j,t-2]の保持電位を0.6V以上にするためには、距離DAを2.5μm以下にする必要があることがわかる。また、”1”が書き込まれたノードND[j,t-2]の保持電位を0.75V以上にするためには、距離DAを1.8μm以下にする必要があることがわかる。
【0124】
言い換えると、”1”が書き込まれたノードND[j,t-2]の保持電位を0.6V以上にするためには、マトリクス状に配置されたメモリセル10のピッチを2.5μm以下にする必要がある。また、”1”が書き込まれたノードND[j,t-2]の保持電位を0.75V以上にするためには、マトリクス状に配置されたメモリセル10のピッチを1.8μm以下にする必要がある。
【0125】
マトリクス状に配置されたメモリセル10のピッチを2.5μm以下、好ましくは1.8μm以下にすることで、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。マトリクス状に配置されたメモリセル10のピッチを2.5μm以下、好ましくは1.8μm以下にすることで、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0126】
図17Aは、図5Bに一点鎖線で示したY1-Y2部位の断面図である。寄生容量CpAと寄生容量CpBの静電容量は、ワード線WL[j]と酸化物層261cが重なる面積に比例する。配線BGL[j]に負電圧が供給されている場合は、ワード線WL[j]の底面と重なる酸化物層261cにはキャリアが生じにくくなる。よって、距離DAおよび距離DBが一定の場合、図5Bに示すワード線WL[j]の高さHを小さくすることで、寄生容量CpAおよび寄生容量CpBの静電容量を小さくすることができる。
【0127】
図17Bは、上記情報の書き込み動作を行う場合の、ワード線WL[j]の高さHとノードND[j,t]の保持電位の関係を示すグラフである。図17Bに示すグラフは、保持容量Csの静電容量を3.5fF、高さHが120nmのときの寄生容量CpAの静電容量を1.0fF、高さHが120nmのときの寄生容量CpBの静電容量を3.0fF、距離DAを1.4μm、距離DBを4.2μmとして算出した。
【0128】
図17Bより、”1”が書き込まれたノードND[j,t]の保持電位を0.6V以上にするためには、高さHを105nm以下にする必要があることがわかる。また、”1”が書き込まれたノードND[j,t]の保持電位を0.75V以上にするためには、高さHを79nm以下にする必要があることがわかる。
【0129】
ワード線WL[j]の高さHを小さく(低く)することで、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。ワード線WL[j]の高さHを小さくすることで、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0130】
また、寄生トランジスタTrpのVthを大きくすることで、ノードNDおよび寄生ノードNDp間の電荷移動量を低減することができる。よって、ノードNDの保持電位低下を軽減することができる。
【0131】
例えば、酸化物層261cに電子親和力の小さい材料を用いることで、寄生トランジスタTrpのVthを大きくすることができる。この場合、酸化物層261cの電子親和力が酸化物層261bの電子親和力より小さいことが好ましい。酸化物層261cの電子親和力を酸化物層261bの電子親和力より小さくすることで、寄生トランジスタTrpのVthをトランジスタM1のVthよりも大きくすることができる。
【0132】
例えば、酸化物層261bとしてIn-M-Zn酸化物(元素Mは、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)を用いる場合、酸化物層261cに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物層261bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。または、酸化物層261cに用いる金属酸化物として、M-Zn酸化物またはM酸化物を用いることが好ましい。
【0133】
寄生トランジスタTrpのVthを大きくすることで、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。よって、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0134】
また、ワード線WLに供給する電位WLHおよび電位WLLの電位差は変えずに、電位WLHおよび電位WLLを下げてもよい。記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。
【0135】
保持容量Csを3.5fF、寄生容量CpAを1.0fF、寄生容量CpBを3.0fF、電位WLHを3.0V、電位WLLを-0.3Vにした場合の、メモリセル10[j,t]への情報の書き込み動作について説明する。図18A図18B図19、および図20を用いて、メモリセル10[j,t-1]に”0”、メモリセル10[j,t]に”1”、メモリセル10[j,t+1]に”0”が書き込まれる場合について説明する。図20は情報の書き込み動作を説明するためのタイミングチャートである。図18A図18B、および図19は、図6Aに相当する回路図である。図面を見やすくするため、図18A図18B、および図19において符号の記載を省略する場合がある。図18A図18B、および図19において省略された符号は、図6Aなどを参酌すれば理解できる。
【0136】
まず、期間T41において、ビット線BL[t-1]およびビット線BL[t+1]に0Vが供給され、ビット線BL[t]に1.2Vが供給される。また、ワード線WL[j]に電位WLH(3.0V)が供給される。すると、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]がオン状態となり、ノードND[j,t-1]およびノードND[j,t+1]に0Vが書き込まれ、ノードND[j,t]に1.2Vが書き込まれる。
【0137】
期間T41直前の寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.8Vであった場合、ワード線WL[j]の電位が-0.3Vから3.0Vに変化した直後では寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、1.5Vになる。その後、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位はどちらも0.6Vになる。(図18A図20参照。)。
【0138】
次に、期間T42において、ワード線WL[j]に電位WLL(-0.3V)を供給し、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]をオフ状態とする。図18Bは、トランジスタM1[j,t-1]、トランジスタM1[j,t]、およびトランジスタM1[j,t+1]がオフ状態となった直後の状態(期間T42開始直後の状態)を示している。前述したように、ワード線WL[j]の電位が3.0Vから-0.3Vに変化した直後では電荷の移動が追いつかず、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位は、0.6V-3.3V=-2.7Vになる。
【0139】
ワード線WL[j]の電位が-0.3Vで、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-2.7Vであるということは、寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBのゲートに2.4Vが印加されている状態である。よって、寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBはオン状態となる。
【0140】
寄生トランジスタTrpAおよび寄生トランジスタTrpBがオン状態であると、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]、寄生ノードNDpA、および寄生ノードNDpB間で電荷の移動(電荷の再分配)が生じる。ワード線WL[j]の電位が-0.3Vであるため、電荷の移動は、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpBの電位が-1.8Vになるまで続く。
【0141】
電荷移動終了後のノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]の電位は、保持容量Csと、寄生容量CpAおよび寄生容量CpBの静電容量で決定される。本回路構成では、電荷移動終了後のノードND[j,t-1]およびノードND[j,t+1]の電位が0Vよりも低くなり、ノードND[j,t]の電位が0.69Vになる(図19図20参照。)。
【0142】
ノードND[j,t]の電位は0.6V以上であるため、ノードND[j,t]に書き込まれた情報は”1”として読み出すことができる。よって、電位WLHおよび電位WLLを下げることで、メモリセル10にデータを正常に書き込むことができる。
【0143】
電位WLHおよび電位WLLを下げることで、寄生ノードNDpAおよび寄生ノードNDpB間を移動する電荷量が減り、ノードND[j,t-1]、ノードND[j,t]、ノードND[j,t+1]の電位低下を少なくすることができる。
【0144】
電位WLHおよび電位WLLを下げることで、記憶装置100の書き込みエラーを低減することができる。電位WLHおよび電位WLLを下げることで、記憶装置100の信頼性を高めることができる。
【0145】
電位WLHおよび電位WLLをさらに下げることで、記憶装置100の書き込みエラーをさらに低減することができる。例えば、電位WLHを2.8V、電位WLLを-0.5Vとすると、データ”1”が書き込まれたノードND[j,t]の電位を0.8Vとすることができる。
【0146】
一方で、トランジスタM1を確実にオン状態とするためには、電位WLHを、ビット線BLに供給される電位にトランジスタM1のVthを加えた電位以上にする必要がある。例えば、トランジスタM1のVthが0.5Vである場合、本実施の形態では、データ”1”を1.2Vとしているので、電位WLHを1.7V以上にする必要がある。
【0147】
また、電位WLHおよび電位WLLの電位差を小さくすることで、電位WLHおよび電位WLLを下げた場合と同等の効果を得ることができる。
【0148】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0149】
(実施の形態2)
本実施の形態では、メモリセル10に書き込まれた情報の保持時間と、保持容量Csの漏れ電流(リーク電流)の関係について説明する。
【0150】
図21Aにメモリセル10の回路構成例を示す。メモリセル10は、トランジスタM1と、保持容量Csと、を有する。
【0151】
トランジスタM1のソースまたはドレインの一方は、保持容量Csの一方の電極と電気的に接続され、トランジスタM1のソースまたはドレインの他方は、ビット線BLの一方と電気的に接続され、トランジスタM1のゲートは、ワード線WLと電気的に接続されている。トランジスタM1のソースまたはドレインの一方と、保持容量Csの一方の電極が電気的に接続される節点をノードNDという。
【0152】
配線CALは、保持容量Csの他方の電極に所定の電位を印加するための配線として機能する。配線CALには、固定電位(例えば、0V)を印加するのが好ましい。
【0153】
データの書き込みは、ワード線WLに高レベル電位を印加してトランジスタM1を導通状態にし、ビット線BLとノードNDを電気的に接続することによって行われる。データの書き込み終了後は、ワード線WLに低レベル電位(例えば、0Vまたは負電位)を印加し、トランジスタM1を非導通状態にする。メモリセル10に書き込まれたデータは、ノードNDに電荷として保持される。
【0154】
上記実施の形態で説明したように、トランジスタM1としてOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて少ないという特性を有している。トランジスタM1としてOSトランジスタを用いることによって、トランジスタM1のリーク電流を非常に低くすることができる。よって、ノードNDに書き込まれたデータを長期間保持することができる。
【0155】
また、ノードNDに書き込まれたデータを長期間保持するためには、保持容量Csの一方の電極から他方の電極に流れるリーク電流(「CsI_leak」ともいう。)の低減も重要である。
【0156】
図21Bは、保持容量Csの容量値が35fF、3.5fF、または0.35fFそれぞれの場合について、ノードNDに書き込まれたデータの保持時間とCsI_leakの関係を示すグラフである。なお、本実施の形態では、ノードNDの電位が0.2V低下するまでの時間を保持時間とする。
【0157】
図21Bより、例えば、保持容量Csの容量値が3.5fFである場合、保持時間を1分とするためには、CsI_leakを1.2×10-17A以下にする必要があることがわかる。同様に、保持時間を1時間とするためには、CsI_leakを1.9×10-19A以下にする必要があることがわかる。同様に、保持時間を1日とするためには、CsI_leakを8.1×10-21A以下にする必要があることがわかる。同様に、保持時間を1年とするためには、CsI_leakを2.2×10-23A以下にする必要があることがわかる。
【0158】
また、保持容量Csの容量値を10倍にすることで、CsI_leakの許容電流を10倍にすることができる。例えば、保持容量Csの容量値が35fFである場合、保持時間を1時間とするためには、CsI_leakが1.9×10-18A以下であればよい。
【0159】
また、保持容量Csの容量値を0.1倍にすると、CsI_leakの許容電流も0.1倍にする必要がある。例えば、保持容量Csの容量値が0.35fFである場合、保持時間を1時間とするためには、CsI_leakを1.9×10-20A以下にする必要がある。
【0160】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0161】
(実施の形態3)
上記実施の形態で説明した、入出力回路111、制御回路112、I2Cレシーバ113、設定レジスタ114、LVDS回路115、LVDS回路116、デコーダ117、記憶ブロックアレイ210、負電圧生成回路218、ワード線ドライバ212、ローカルセンスアンプドライバ213、センスアンプ127、グローバルセンスアンプ215、読み出し書き込みセレクタ216などには、高い電流駆動能力および/または高速動作が求められる場合がある。この場合、これらの回路を構成するトランジスタにSiトランジスタを用いることが好ましい。また、メモリセル10を構成するトランジスタには、OSトランジスタを用いることが好ましい。
【0162】
OSトランジスタとSiトランジスタは積層して設けることができる。よって、Siトランジスタを含む集積回路上にOSトランジスタを含む集積回路を設けることが出来る。各種回路を積層して設けることで、記憶装置100の小型化を実現できる。言い換えると、記憶装置100の占有面積を小さくすることができる。
【0163】
例えば、記憶装置100として、センスアンプ127を含む集積回路上に、メモリセル10を含む集積回路を設けてもよい。各種回路を積層して設けることで、記憶装置100の小型化を実現できる。よって、記憶装置100を含む半導体装置の小型化を実現できる。言い換えると、記憶装置100の占有面積を小さくすることができる。よって、記憶装置100を含む半導体装置の占有面積を小さくすることができる。
【0164】
《記憶装置の構造例》
図22に、記憶装置100の一部の断面を示す。図22に示す記憶装置100は、基板231上に、ローカルセンスアンプアレイ214、セルアレイ221を積層している。なお、セルアレイ221以外の回路は、ローカルセンスアンプアレイ214と同様に基板231上に設けられる。図22では、基板231として単結晶半導体基板(例えば、単結晶シリコン基板)を用いる場合を示している。ローカルセンスアンプアレイ214に含まれるトランジスタは、ソース、ドレイン、およびチャネルが、基板231の一部に形成される。また、セルアレイ221には薄膜トランジスタ(例えば、OSトランジスタ)が含まれる。
【0165】
<ローカルセンスアンプアレイ214>
図22において、ローカルセンスアンプアレイ214は、基板231上にトランジスタ233a、トランジスタ233b、およびトランジスタ233cを有する。図22では、トランジスタ233a、トランジスタ233b、およびトランジスタ233cのチャネル長方向の断面を示している。
【0166】
前述した通り、トランジスタ233a、トランジスタ233b、およびトランジスタ233cのチャネルは、基板231の一部に形成される。集積回路に高速動作が求められる場合は、基板231として単結晶半導体基板を用いることが好ましい。
【0167】
トランジスタ233a、トランジスタ233b、およびトランジスタ233cは、素子分離層232によって他のトランジスタと電気的に分離される。素子分離層の形成は、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法や、STI(Shallow Trench Isolation)法などを用いることができる。
【0168】
また、トランジスタ233a、トランジスタ233b、およびトランジスタ233c上に絶縁層234、絶縁層235、絶縁層237が設けられ、絶縁層237中に電極238が埋設されている。電極238はコンタクトプラグ236を介してトランジスタ233aのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。
【0169】
また、電極238および絶縁層237の上に、絶縁層239、絶縁層240、および絶縁層241が設けられ、絶縁層239、絶縁層240、および絶縁層241の中に電極242が埋設されている。電極242は、電極238と電気的に接続される。
【0170】
また、電極242および絶縁層241の上に、絶縁層243、および絶縁層244が設けられ、絶縁層243、および絶縁層244の中に電極245が埋設されている。電極245は、電極242と電気的に接続される。
【0171】
また、電極245および絶縁層244の上に、絶縁層246および絶縁層247が設けられ、絶縁層246および絶縁層247の中に電極249が埋設されている。電極249は、電極245と電気的に接続される。
【0172】
また、電極249および絶縁層247の上に、絶縁層248および絶縁層250が設けられ、絶縁層248および絶縁層250の中に電極251が埋設されている。電極251は、電極249と電気的に接続される。
【0173】
<セルアレイ221>
セルアレイ221は、ローカルセンスアンプアレイ214上に設けられる。図22において、セルアレイ221は、トランジスタ200、および容量素子220を有する。図22では、トランジスタ200のチャネル長方向の断面を示している。また、トランジスタ200は、バックゲートを有するトランジスタである。
【0174】
例えば、トランジスタ200はトランジスタM1に相当し、容量素子220は保持容量Csに相当する。
【0175】
トランジスタ200の半導体層に、金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いることが好ましい。すなわち、トランジスタ200にOSトランジスタを用いることが好ましい。
【0176】
トランジスタ200は、絶縁層361上に設けられている。また、絶縁層361上に絶縁層362が設けられている。トランジスタ200のバックゲートは、絶縁層362中に埋設されている。絶縁層362上に、絶縁層371および絶縁層380が設けられている。トランジスタ200のゲートは、絶縁層380中に埋設されている。
【0177】
また、絶縁層380上に絶縁層374および絶縁層381が設けられている。また、絶縁層361、絶縁層362、絶縁層365、絶縁層366、絶縁層371、絶縁層380、絶縁層374、および絶縁層381中に電極355が埋設されている。電極355は、電極251と電気的に接続される。電極355は、コンタクトプラグとして機能できる。
【0178】
また、絶縁層381上に電極152が設けられている。電極152は電極355と電気的に接続される。また、絶縁層381および電極152上に、絶縁層272、絶縁層273、絶縁層130が設けられている。
【0179】
容量素子220は、絶縁層272および絶縁層273に形成された開口中に配置された電極110と、電極110および絶縁層273上の絶縁層130と、絶縁層130上の電極120と、を有する。絶縁層272および絶縁層273に形成された開口の中に、電極110の少なくとも一部、絶縁層130の少なくとも一部、および電極120の少なくとも一部が配置される。
【0180】
電極110は容量素子220の下部電極として機能し、電極120は容量素子220の上部電極として機能し、絶縁層130は、容量素子220の誘電体として機能する。容量素子220は、絶縁層272および絶縁層273の開口において、底面だけでなく、側面においても上部電極と下部電極とが誘電体を挟んで対向する構成となっており、単位面積当たりの静電容量を大きくすることができる。よって、当該開口を深くするほど、容量素子220の静電容量を大きくすることができる。このように容量素子220の単位面積当たりの静電容量を大きくすることにより、半導体装置の微細化または高集積化を推し進めることができる。
【0181】
絶縁層272および絶縁層273に形成された開口を上面から見た形状は、四角形としてもよいし、四角形以外の多角形状としてもよいし、多角形状において角部を湾曲させた形状としてもよいし、楕円を含む円形状としてもよい。
【0182】
また、絶縁層130および電極120上に、絶縁層274および絶縁層154を有する。また、絶縁層272、絶縁層273、絶縁層130、絶縁層274、および絶縁層154中に電極271が埋設されている。電極271は、電極152と電気的に接続される。電極271は、コンタクトプラグとして機能できる。また、絶縁層154上に電極153が設けられている。電極153は電極271と電気的に接続される。
【0183】
また、絶縁層154および電極153上に、絶縁層156が設けられている。
【0184】
[変形例1]
図23に記憶装置100の変形例である記憶装置100Aを示す。記憶装置100Aは、ローカルセンスアンプアレイ214Aとセルアレイ221を重ねて設けている。ローカルセンスアンプアレイ214Aは、ローカルセンスアンプアレイ214に含まれるトランジスタ233aおよびトランジスタ233bなどのトランジスタにOSトランジスタを用いている。記憶装置100に含まれるトランジスタを全てOSトランジスタとすることで、記憶装置100を単極性の集積回路にすることができる。
【0185】
[変形例2]
図24に記憶装置100Aの変形例である記憶装置100Bを示す。記憶装置100Bに含まれるトランジスタを全てOSトランジスタとする場合は、ローカルセンスアンプアレイ214Aとセルアレイ221を基板231上に同一工程で作製することができる。よって、半導体装置の生産性を高めることができる。また、半導体装置の生産コストを低減することができる。
【0186】
また、基板231にシリコン基板などの熱伝導率の高い基板を用いると、絶縁性基板などを用いた場合よりも半導体装置の冷却効率を高めることができる。よって、半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0187】
《構成材料について》
<基板>
基板として用いる材料に大きな制限はない。例えば、絶縁体基板、半導体基板、または導電体基板を用いればよい。
【0188】
絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。
【0189】
また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどを材料とした半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板などを用いてもよい。
【0190】
前述したように、集積回路に高速動作が求められる場合は、基板として単結晶半導体基板を用いることが好ましい。
【0191】
導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。半導体基板上に歪トランジスタやFIN型トランジスタなどの半導体素子が設けられたものなどを用いることもできる。すなわち、基板は、単なる支持基板に限らず、他のトランジスタなどのデバイスが形成された基板であってもよい。
【0192】
<絶縁層>
絶縁層に用いる材料としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物などがある。
【0193】
例えば、トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁層の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁層として機能する絶縁層に、high-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながらトランジスタ動作時の低電圧化が可能となる。一方、層間絶縁層として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁層の機能に応じて、材料を選択するとよい。
【0194】
また、比誘電率の高い絶縁物としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物、またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
【0195】
また、比誘電率が低い絶縁物としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、または樹脂などがある。
【0196】
また、トランジスタとしてOSトランジスタを用いる場合は、当該トランジスタを水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層(絶縁層361および絶縁層374など)で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム、またはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素などの不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムチタン、窒化チタン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの金属窒化物を用いることができる。
【0197】
また、ゲート絶縁層として機能する絶縁層は、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する絶縁体であることが好ましい。例えば、加熱により脱離する酸素を含む領域を有する酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを半導体層260と接する構造とすることで、半導体層260が有する酸素欠損を補償することができる。
【0198】
なお、本明細書等において、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。また、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいう。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。
【0199】
また、半導体層として金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いる場合は、半導体層中の水素濃度の増加を防ぐために、絶縁層中の水素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁層中の水素濃度を、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下とする。特に、半導体層と接する絶縁層の水素濃度を低減することが好ましい。
【0200】
また、半導体層として金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いる場合は、半導体層中の窒素濃度の増加を防ぐために、絶縁層中の窒素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁層中の窒素濃度を、SIMSにおいて5×1019atoms/cm以下、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
【0201】
また、絶縁層の少なくとも半導体層と接する領域は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、電子スピン共鳴法(ESR:Electron Spin Resonance)で観察されるシグナルが少ない方が好ましい。例えば、上述のシグナルとしては、g値が2.001に観察されるE’センターが挙げられる。なお、E’センターは、シリコンのダングリングボンドに起因する。例えば、絶縁層として、酸化シリコン層または酸化窒化シリコン層を用いる場合、E’センター起因のスピン密度が、3×1017spins/cm以下、好ましくは5×1016spins/cm以下である酸化シリコン層または酸化窒化シリコン層を用いればよい。
【0202】
また、上述のシグナル以外に二酸化窒素(NO)に起因するシグナルが観察される場合がある。当該シグナルは、Nの核スピンにより3つのシグナルに分裂しており、それぞれのg値が2.037以上2.039以下(第1のシグナルとする)、g値が2.001以上2.003以下(第2のシグナルとする)、およびg値が1.964以上1.966以下(第3のシグナルとする)に観察される。
【0203】
例えば、絶縁層として、二酸化窒素(NO)に起因するシグナルのスピン密度が、1×1017spins/cm以上1×1018spins/cm未満である絶縁層を用いると好適である。
【0204】
なお、二酸化窒素(NO)を含む窒素酸化物(NO)は、絶縁層中に準位を形成する。当該準位は、酸化物半導体層のエネルギーギャップ内に位置する。そのため、窒素酸化物(NO)が、絶縁層と酸化物半導体層の界面に拡散すると、当該準位が絶縁層側において電子をトラップする場合がある。この結果、トラップされた電子が、絶縁層と酸化物半導体層の界面近傍に留まるため、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。したがって、絶縁層および絶縁層として窒素酸化物の含有量が少ない膜を用いると、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することができる。
【0205】
窒素酸化物(NO)の放出量が少ない絶縁層としては、例えば、酸化窒化シリコン層を用いることができる。当該酸化窒化シリコン層は、昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)において、窒素酸化物(NO)の放出量よりアンモニアの放出量が多い膜であり、代表的にはアンモニアの放出量が1×1018個/cm以上5×1019個/cm以下である。なお、上記のアンモニアの放出量は、TDSにおける加熱処理の温度が50℃以上650℃以下、または50℃以上550℃以下の範囲での総量である。
【0206】
窒素酸化物(NO)は、加熱処理においてアンモニアおよび酸素と反応するため、アンモニアの放出量が多い絶縁層を用いることで窒素酸化物(NO)が低減される。
【0207】
また、酸化物半導体層に接する絶縁層のうち少なくとも1つは、加熱により酸素が放出される絶縁層を用いて形成することが好ましい。具体的には、絶縁層の表面温度が100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下の加熱処理で行われるTDSにて、酸素原子に換算した酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、1.0×1019atoms/cm以上、または1.0×1020atoms/cm以上である絶縁層を用いることが好ましい。なお、本明細書などにおいて、加熱により放出される酸素を「過剰酸素」ともいう。
【0208】
また、過剰酸素を含む絶縁層は、絶縁層に酸素を添加する処理を行って形成することもできる。酸素を添加する処理は、酸化性雰囲気下における熱処理やプラズマ処理などで行なうことができる。または、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法などを用いて酸素を添加してもよい。酸素を添加する処理に用いるガスとしては、16もしくは18などの酸素ガス、亜酸化窒素ガス、またはオゾンガスなどの、酸素を含むガスが挙げられる。なお、本明細書では酸素を添加する処理を「酸素ドープ処理」ともいう。酸素ドープ処理は、基板を加熱して行なってもよい。
【0209】
また、絶縁層として、ポリイミド、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ系樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
【0210】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi-O-Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0211】
絶縁層の形成方法は、特に限定されない。なお、絶縁層に用いる材料によっては焼成工程が必要な場合がある。この場合、絶縁層の焼成工程と他の熱処理工程を兼ねることで、効率よくトランジスタを作製することが可能となる。
【0212】
絶縁層の形成方法は、特に限定されない。なお、絶縁層に用いる材料によっては焼成工程が必要な場合がある。この場合、絶縁層の焼成工程と他の熱処理工程を兼ねることで、効率よくトランジスタを作製することが可能となる。
【0213】
<導電層>
導電層としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンなどから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。
【0214】
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
【0215】
なお、半導体層として金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いる場合は、ゲート電極として機能する導電層には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
【0216】
特に、ゲート電極として機能する導電層として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁体などから混入する水素を捕獲することができる場合がある。
【0217】
なお、コンタクトプラグなどに用いる導電性材料としては、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋め込み性の高い導電性材料を用いればよい。また、埋め込み性の高い導電性材料と、チタン層、窒化チタン層、窒化タンタル層などのバリア層(拡散防止層)を組み合わせて用いてもよい。
【0218】
<半導体層>
半導体層として、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶半導体、または非晶質半導体などを、単体でまたは組み合わせて用いることができる。半導体材料としては、例えば、シリコンや、ゲルマニウムなどを用いることができる。また、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体や、有機半導体などを用いることができる。
【0219】
また、半導体層として有機物半導体を用いる場合は、芳香環をもつ低分子有機材料やπ電子共役系導電性高分子などを用いることができる。例えば、ルブレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレンジイミド、テトラシアノキノジメタン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレンなどを用いることができる。
【0220】
なお、半導体層を積層してもよい。半導体層を積層する場合は、それぞれ異なる結晶状態を有する半導体を用いてもよいし、それぞれ異なる半導体材料を用いてもよい。
【0221】
また、金属酸化物の一種である酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、半導体層に酸化物半導体を用いると、オフ電流が極めて少ないトランジスタを実現することができる。具体的には、ソースとドレイン間の電圧が3.5V、室温(代表的には25℃)下において、チャネル幅1μm当たりのオフ電流を1×10-20A未満、1×10-22A未満、あるいは1×10-24A未満とすることができる。すなわち、オンオフ比を20桁以上とすることもできる。また、半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(OSトランジスタ)は、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高い。よって、信頼性の良好なトランジスタを提供できる。また、出力電圧が大きく高耐圧なトランジスタを提供できる。また、信頼性の良好な記憶装置などを提供できる。また、出力電圧が大きく高耐圧な記憶装置を提供することができる。
【0222】
結晶性Siトランジスタは、OSトランジスタよりも比較的高い移動度を得やすい。一方で、結晶性Siトランジスタは、OSトランジスタのように極めて少ないオフ電流の実現が困難である。よって、半導体層に用いる半導体材料は、目的や用途に応じて適宜使い分けることが肝要である。例えば、目的や用途に応じて、OSトランジスタと結晶性Siトランジスタなどを組み合わせて用いてもよい。
【0223】
半導体層として酸化物半導体層を用いる場合は、酸化物半導体層をスパッタリング法で形成することが好ましい。酸化物半導体層は、スパッタリング法で形成すると酸化物半導体層の密度を高められるため、好適である。スパッタリング法で酸化物半導体層を形成する場合、スパッタリングガスには、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、または、希ガスおよび酸素の混合ガスを用いればよい。また、スパッタリングガスの高純度化も必要である。例えば、スパッタリングガスとして用いる酸素ガスや希ガスは、露点が-60℃以下、好ましくは-100℃以下にまで高純度化したガスを用いる。高純度化されたスパッタリングガスを用いて成膜することで、酸化物半導体層に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
【0224】
また、スパッタリング法で酸化物半導体層を形成する場合、スパッタリング装置が有する成膜室内の水分を可能な限り除去することが好ましい。例えば、クライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて、成膜室内を高真空(5×10-7Paから1×10-4Pa程度まで)に排気することが好ましい。特に、スパッタリング装置の待機時における、成膜室内のHOに相当するガス分子(m/z=18に相当するガス分子)の分圧を1×10-4Pa以下とすることが好ましく、5×10-5Pa以下とすることがより好ましい。
【0225】
<金属酸化物>
金属酸化物に含まれる元素の組成を変化させることにより、導電体、半導体、絶縁体を作り分けることができる。導電体物性を有する金属酸化物を「導電性酸化物」という場合がある。半導体物性を有する金属酸化物を「酸化物半導体」という場合がある。絶縁体物性を有する金属酸化物を「絶縁性酸化物」という場合がある。
【0226】
金属酸化物の一種である酸化物半導体は、インジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0227】
ここで、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有する場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素として、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
【0228】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
【0229】
[金属酸化物の構造]
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、および非晶質酸化物半導体などがある。
【0230】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0231】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
【0232】
また、CAAC-OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0233】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0234】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0235】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、In-Ga-Zn酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0236】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OSおよびCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0237】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0238】
[金属酸化物を有するトランジスタ]
続いて、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合について説明する。
【0239】
なお、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
【0240】
また、トランジスタには、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア密度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。例えば、金属酸化物は、キャリア密度が8×1011cm-3未満、好ましくは1×1011cm-3未満、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上とすればよい。
【0241】
また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
【0242】
また、金属酸化物のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い金属酸化物をチャネル形成領域に有するトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
【0243】
したがって、トランジスタの電気特性を安定にするためには、金属酸化物中の不純物濃度を低減することが有効である。また、金属酸化物中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
【0244】
[不純物]
ここで、金属酸化物中における各不純物の影響について説明する。
【0245】
また、金属酸化物にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。したがって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
【0246】
また、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。金属酸化物中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。さらに、当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
【0247】
このため、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0248】
トランジスタの半導体に用いる金属酸化物として、結晶性の高い薄膜を用いることが好ましい。該薄膜を用いることで、トランジスタの安定性または信頼性を向上させることができる。該薄膜として、例えば、単結晶金属酸化物の薄膜または多結晶金属酸化物の薄膜が挙げられる。しかしながら、単結晶金属酸化物の薄膜または多結晶金属酸化物の薄膜を基板上に形成するには、高温またはレーザー加熱の工程が必要とされる。よって、製造工程のコストが増加し、さらに、スループットも低下してしまう。
【0249】
2009年に、CAAC構造を有するIn-Ga-Zn酸化物(CAAC-IGZOと呼ぶ。)が発見されたことが、非特許文献1および非特許文献2で報告されている。ここでは、CAAC-IGZOは、c軸配向性を有する、結晶粒界が明確に確認されない、低温で基板上に形成可能である、ことが報告されている。さらに、CAAC-IGZOを用いたトランジスタは、優れた電気特性および信頼性を有することが報告されている。
【0250】
また、2013年には、nc構造を有するIn-Ga-Zn酸化物(nc-IGZOと呼ぶ。)が発見された(非特許文献3参照。)。ここでは、nc-IGZOは、微小な領域(例えば、1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有し、異なる該領域間で結晶方位に規則性が見られないことが報告されている。
【0251】
非特許文献4および非特許文献5では、上記のCAAC-IGZO、nc-IGZO、および結晶性の低いIGZOのそれぞれの薄膜に対する電子線の照射による平均結晶サイズの推移が示されている。結晶性の低いIGZOの薄膜において、電子線が照射される前でさえ、1nm程度の結晶性IGZOが観察されている。よって、ここでは、IGZOにおいて、完全な非晶質構造(completely amorphous structure)の存在を確認できなかった、と報告されている。さらに、結晶性の低いIGZOの薄膜と比べて、CAAC-IGZOの薄膜およびnc-IGZOの薄膜は電子線照射に対する安定性が高いことが示されている。よって、トランジスタの半導体として、CAAC-IGZOの薄膜またはnc-IGZOの薄膜を用いることが好ましい。
【0252】
金属酸化物を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さい、具体的には、トランジスタのチャネル幅1μmあたりのオフ電流がyA/μm(10-24A/μm)オーダである、ことが非特許文献6に示されている。例えば、金属酸化物を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されている(非特許文献7参照。)。
【0253】
また、金属酸化物を用いたトランジスタのリーク電流が低いという特性を利用した、該トランジスタの表示装置への応用が報告されている(非特許文献8参照。)。表示装置では、表示される画像が1秒間に数十回切り換っている。1秒間あたりの画像の切り換え回数はリフレッシュレートと呼ばれている。また、リフレッシュレートを駆動周波数と呼ぶこともある。このような人の目で知覚が困難である高速の画面の切り換えが、目の疲労の原因として考えられている。そこで、表示装置のリフレッシュレートを低下させて、画像の書き換え回数を減らすことが提案されている。また、リフレッシュレートを低下させた駆動により、表示装置の消費電力を低減することが可能である。このような駆動方法を、アイドリング・ストップ(IDS)駆動と呼ぶ。
【0254】
CAAC構造およびnc構造の発見は、CAAC構造またはnc構造を有する金属酸化物を用いたトランジスタの電気特性および信頼性の向上、ならびに、製造工程のコスト低下およびスループットの向上に貢献している。また、該トランジスタのリーク電流が低いという特性を利用した、該トランジスタの表示装置およびLSIへの応用研究が進められている。
【0255】
<成膜方法について>
絶縁層を形成するための絶縁性材料、導電層を形成するための導電性材料、または半導体層を形成するための半導体材料は、スパッタリング法、スピンコート法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(熱CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、PECVD(Plasma Enhanced CVD)法、高密度プラズマCVD(High density plasma CVD)法、LPCVD(low pressure CVD)法、APCVD(atmospheric pressure CVD)法等を含む)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、または、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、または、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ディップ法、スプレー塗布法、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)を用いて形成することができる。
【0256】
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。MOCVD法、ALD法、または熱CVD法などの、成膜時にプラズマを用いない成膜方法を用いると、被形成面にダメージが生じにくい。例えば、記憶装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、記憶装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない成膜方法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、記憶装置の歩留まりを高くすることができる。また、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
【0257】
また、ALD法は、原子の性質である自己制御性を利用し、一層ずつ原子を堆積することができるので、極薄の成膜が可能、アスペクト比の高い構造への成膜が可能、ピンホールなどの欠陥の少ない成膜が可能、被覆性に優れた成膜が可能、低温での成膜が可能、などの効果がある。また、ALD法には、プラズマを利用するPEALD(Plasma Enhanced ALD)法も含まれる。プラズマを利用することで、より低温での成膜が可能となり好ましい場合がある。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などの不純物を含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素などの不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
【0258】
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
【0259】
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、記憶装置の生産性を高めることができる場合がある。
【0260】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0261】
(実施の形態4)
本実施の形態では、トランジスタ200に用いることができる、トランジスタ200Aおよびトランジスタ200Bの構成例について、図面を用いて説明する。
【0262】
《トランジスタの構造例1》
図25A図25Bおよび図25Cを用いてトランジスタ200Aの構造例を説明する。図25Aはトランジスタ200Aの上面図である。図25Bは、図25Aに一点鎖線で示すL1-L2部位の断面図である。図25Cは、図25Aに一点鎖線で示すW1-W2部位の断面図である。なお、図25Aの上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
【0263】
図25A図25Bおよび図25Cでは、トランジスタ200Aと、層間絶縁層として機能する絶縁層361、絶縁層362、絶縁層365、絶縁層366、絶縁層371、絶縁層380、絶縁層374、および絶縁層381を示している。また、トランジスタ200Aと電気的に接続し、コンタクトプラグとして機能する導電層340(導電層340a、および導電層340b)を示している。なお、コンタクトプラグとして機能する導電層340の側面に接して絶縁層341(絶縁層341a、および絶縁層341b)が設けられる。
【0264】
層間絶縁層としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba,Sr)TiO(BST)などの絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
【0265】
トランジスタ200Aは、第1のゲート電極として機能する導電層360(導電層360a、および導電層360b)と、第2のゲート電極として機能する導電層305と、第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁層349と、第2のゲート絶縁層として機能する絶縁層365および絶縁層366と、チャネルが形成される領域を有する半導体層260(半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260c)と、ソースまたはドレインの一方として機能する導電層342aと、ソースまたはドレインの他方として機能する導電層342bと、絶縁層371とを有する。
【0266】
なお、半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260cは、それぞれ、図5Aおよび図5Bに示した酸化物層261a、酸化物層261b、および酸化物層261cに相当する。よって、例えば、酸化物層261cを半導体層260cと読み換えることができる。また、酸化物層261cの一部が半導体層260cとして機能すると考えることもできる。また、酸化物層261cの一部に半導体層260cが含まれていると考えることもできる。
【0267】
導電層305は、絶縁層362に埋め込まれるように配置され、絶縁層365は、絶縁層362および導電層305の上に配置されている。絶縁層366は絶縁層365の上に配置されている。また、半導体層260は絶縁層366の上に配置されている。絶縁層349は半導体層260の上に配置され、導電層360(導電層360a、および導電層360b)は絶縁層349上に配置されている。
【0268】
導電層342aおよび導電層342bは、半導体層260bの上面の一部と接して配置され、絶縁層371は、絶縁層366の上面の一部、半導体層260aの側面、半導体層260bの側面、導電層342aの側面、導電層342aの上面、導電層342bの側面、および導電層342bの上面に接して配置されている。
【0269】
絶縁層341は、絶縁層380、絶縁層374、絶縁層381に形成された開口の側壁に接して設けられ、その側面に接して導電層340の第1の導電体が設けられ、さらに内側に導電層340の第2の導電体が設けられている。ここで、導電層340の上面の高さと、絶縁層381の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200Aでは、導電層340の第1の導電体および導電層340の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層340を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。構造体が積層構造を有する場合、形成順に序数を付与し、区別する場合がある。
【0270】
半導体層260は、絶縁層366の上に配置された半導体層260aと、半導体層260aの上に配置された半導体層260bと、半導体層260bの上に配置され、少なくとも一部が半導体層260bの上面に接する半導体層260cと、を有することが好ましい。半導体層260bの下に半導体層260aを有することで、半導体層260aよりも下方に形成された構造物から、半導体層260bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、半導体層260b上に半導体層260cを有することで、半導体層260cよりも上方に形成された構造物から、半導体層260bへの不純物の拡散を抑制することができる。
【0271】
トランジスタ200Aは、半導体層260に、金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いることが好ましい。
【0272】
チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流(オフ電流)が少ない。よって、消費電力が低減された半導体装置を実現できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて形成できるため、高集積型の半導体装置の実現が容易となる。
【0273】
例えば、半導体層260として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、元素Mは、ガリウム、イットリウム、または錫を用いるとよい。また、半導体層260として、In-M酸化物、In-Zn酸化物、またはM-Zn酸化物を用いてもよい。
【0274】
なお、半導体層260として酸化物半導体を用いる場合は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物による積層構造を有することが好ましい。具体的には、半導体層260aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、半導体層260bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、半導体層260aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、半導体層260bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、半導体層260bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、半導体層260aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、半導体層260cは、半導体層260aまたは半導体層260bに用いることができる金属酸化物を用いることができる。
【0275】
半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260cは、結晶性を有することが好ましく、特に、CAAC-OSを用いることが好ましい。CAAC-OS等の結晶性を有する酸化物は、不純物や欠陥(酸素欠損等)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極またはドレイン電極による、半導体層260bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。これにより、熱処理を行っても、半導体層260bから酸素が引き抜かれることを低減できるので、トランジスタ200Aは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
【0276】
なお、半導体層260aおよび半導体層260cの一方または双方を省略してもよい。半導体層260を半導体層260bの単層としてもよい。半導体層260を半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260cの積層とする場合は、半導体層260aおよび半導体層260cの伝導帯下端のエネルギーが、半導体層260bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、半導体層260aおよび半導体層260cの電子親和力が、半導体層260bの電子親和力より小さいことが好ましい。この場合、半導体層260cは、半導体層260aに用いることができる金属酸化物を用いることが好ましい。具体的には、半導体層260cに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、半導体層260bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、半導体層260cに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、半導体層260bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、半導体層260bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、半導体層260cに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
【0277】
ここで、半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、半導体層260a、半導体層260b、および半導体層260cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、半導体層260aと半導体層260bとの界面、および半導体層260bと半導体層260cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
【0278】
具体的には、半導体層260aと半導体層260b、半導体層260bと半導体層260cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする。)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、半導体層260bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、半導体層260aおよび半導体層260cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウム等を用いてもよい。また、半導体層260cを積層構造としてもよい。例えば、In-Ga-Zn酸化物と、当該In-Ga-Zn酸化物上のGa-Zn酸化物との積層構造、またはIn-Ga-Zn酸化物と、当該In-Ga-Zn酸化物上の酸化ガリウムとの積層構造を用いることができる。別言すると、In-Ga-Zn酸化物と、Inを含まない酸化物との積層構造を、半導体層260cとして用いてもよい。
【0279】
具体的には、半導体層260aとして、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、または1:1:0.5[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、半導体層260bとして、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]、または3:1:2[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、半導体層260cとして、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]、Ga:Zn=2:1[原子数比]、またはGa:Zn=2:5[原子数比]の金属酸化物を用いればよい。また、半導体層260cを積層構造とする場合の具体例としては、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]と、Ga:Zn=2:1[原子数比]との積層構造、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]と、Ga:Zn=2:5[原子数比]との積層構造、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]と、酸化ガリウムとの積層構造等が挙げられる。
【0280】
このとき、キャリアの主たる経路は半導体層260bとなる。半導体層260a、半導体層260cを上述の構成とすることで、半導体層260aと半導体層260bとの界面、および半導体層260bと半導体層260cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ200Aは高いオン電流、および高い周波数特性を得ることができる。なお、半導体層260cを積層構造とした場合、上述の半導体層260bと、半導体層260cとの界面における欠陥準位密度を低くする効果に加え、半導体層260cが有する構成元素が、絶縁層349側に拡散するのを抑制することが期待される。より具体的には、半導体層260cを積層構造とし、積層構造の上方にInを含まない酸化物を位置させるため、絶縁層349側に拡散しうるInを抑制することができる。絶縁層349は、ゲート絶縁体として機能するため、Inが拡散した場合、トランジスタの特性不良となる。したがって、半導体層260cを積層構造とすることで、信頼性の高い記憶装置を提供することが可能となる。
【0281】
半導体層260は、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、半導体層260のチャネル形成領域となる金属酸化物としては、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。このようなトランジスタを用いることで、低消費電力の記憶装置を提供できる。
【0282】
トランジスタ200Aでは、第1のゲート(トップゲートともいう。)電極として機能する導電層360が、絶縁層380などに形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電層360をこのように形成することにより、導電層342aと導電層342bとの間の領域に、導電層360を位置合わせすることなく確実に配置することができる。
【0283】
導電層360は、導電層360aと、導電層360aの上に配置された導電層360bと、を有することが好ましい。例えば、導電層360aは、導電層360bの底面および側面を包むように配置されることが好ましい。また、図25Bに示すように、導電層360の上面は、絶縁層349の上面および酸化物260cの上面と略一致している。
【0284】
導電層305は、第2のゲート(ボトムゲートともいう。)電極として機能する場合がある。その場合、導電層305に印加する電位を、導電層360に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ200Aのしきい値電圧(Vth)を制御することができる。特に、導電層305に負の電位を印加することにより、トランジスタ200AのVthを0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電層305に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電層360に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
【0285】
また、例えば、導電層305と導電層360を半導体層260のチャネル形成領域を介して重畳して設けることで、導電層305、および導電層360に電圧を印加した場合、導電層360から生じる電界と、導電層305から生じる電界と、がつながり、半導体層260のチャネル形成領域を覆うことができる。
【0286】
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電層360の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電層305の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書などにおいて、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
【0287】
絶縁層365、および絶縁層371は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁層365、および絶縁層371は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁層365、および絶縁層371は、それぞれ絶縁層366よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁層365、および絶縁層371は、それぞれ絶縁層349よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁層365、および絶縁層371は、それぞれ絶縁層380よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
【0288】
なお、本明細書などにおいて、水素または酸素の拡散を抑制する機能を有する膜を、水素または酸素が透過しにくい膜、水素または酸素の透過性が低い膜、水素または酸素に対してバリア性を有する膜、水素または酸素に対するバリア膜などと呼ぶ場合がある。また、バリア膜に導電性を有する場合、当該バリア膜を導電性バリア膜と呼ぶことがある。
【0289】
また、図25Bに示すように、絶縁層371は、導電層342aおよび導電層342bの上面と、導電層342aと導電層342bとが互いに向かい合う側面以外の、導電層342aおよび導電層342bの側面と、半導体層260aおよび半導体層260bの側面と、絶縁層366の上面の一部と、に接することが好ましい。これにより、絶縁層380は、絶縁層371によって、絶縁層366、半導体層260a、および半導体層260bと離隔される。したがって、絶縁層380などに含まれる水素などの不純物が、絶縁層366、半導体層260a、および半導体層260bへ混入するのを抑制することができる。
【0290】
また、図25Bに示すように、トランジスタ200Aは、絶縁層374が、導電層360、絶縁層349、および半導体層260cのそれぞれの上面と接する構造となっている。このような構造とすることで、絶縁層381などに含まれる水素などの不純物が、絶縁層349へ混入することを抑えることができる。したがって、トランジスタの電気特性およびトランジスタの信頼性への悪影響を抑制することができる。
【0291】
上記構造を有することで、オン電流が大きいトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さいトランジスタを提供することができる。または、電気特性の変動を抑制し、安定した電気特性を有すると共に、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。
【0292】
《トランジスタの構造例2》
図26A図26Bおよび図26Cを用いてトランジスタ200Bの構造例を説明する。図26Aはトランジスタ200Bの上面図である。図26Bは、図26Aに一点鎖線で示すL1-L2部位の断面図である。図26Cは、図26Aに一点鎖線で示すW1-W2部位の断面図である。なお、図26Aの上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
【0293】
トランジスタ200Bはトランジスタ200Aの変形例である。よって、説明の繰り返しを防ぐため、主にトランジスタ200Aと異なる点について説明する。
【0294】
第1のゲート電極として機能する導電層360は、導電層360a、および導電層360a上の導電層360bを有する。導電層360aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0295】
導電層360aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電層360bの材料選択性を向上することができる。つまり、導電層360aを有することで、導電層360bの酸化が抑制され、導電率が低下することを防止することができる。
【0296】
また、導電層360の上面および側面、絶縁層349の側面、および半導体層260cの側面を覆うように、絶縁層371を設けることが好ましい。なお、絶縁層371は、水または水素などの不純物、および酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。また、他にも、例えば、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムまたは酸化タンタルなどの金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコンなどを用いることができる。
【0297】
絶縁層371を設けることで、導電層360の酸化を抑制することができる。また、絶縁層371を有することで、絶縁層380が有する水、および水素などの不純物がトランジスタ200Bへ拡散することを抑制することができる。
【0298】
トランジスタ200Bは、導電層342aの一部と導電層342bの一部に導電層360が重なるため、トランジスタ200Aよりも寄生容量が大きくなりやすい。よって、トランジスタ200Aに比べて動作周波数が低くなる傾向がある。しかしながら、絶縁層380などに開口を設けて導電層360や絶縁層349などを埋めこむ工程が不要であるため、トランジスタ200Aと比較して生産性が高い。
【0299】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0300】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置を適用できる電子部品および電子機器について説明する。
【0301】
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置は、様々な電子機器に搭載することができる。特に、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置は、電子機器に内蔵されるメモリとして用いることができる。電子機器の例としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0302】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナおよび二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0303】
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0304】
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0305】
《電子部品》
記憶装置100が組み込まれた電子部品の例を、図27A図27Bに示す。
【0306】
図27Aに電子部品700および電子部品700が実装された基板(実装基板704)の斜視図を示す。図27Aに示す電子部品700はIC半導体装置であり、リードおよび回路部を有する。電子部品700は、例えばプリント基板702に実装される。このようなIC半導体装置が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで実装基板704が完成する。
【0307】
電子部品700の回路部として、上記実施の形態に示した記憶装置100が設けられている。図27Aでは、電子部品700のパッケージにQFP(Quad Flat Package)を適用しているが、パッケージの態様はこれに限定されない。
【0308】
図27Bに電子部品730の斜視図を示す。電子部品730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi-Chip Module)の一例である。電子部品730は、パッケージ基板732(プリント基板)上にインターポーザ731が設けられ、インターポーザ731上に半導体装置735、および複数の記憶装置100が設けられている。
【0309】
電子部品730では、記憶装置100を広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)として用いる例を示している。また、半導体装置735は、CPU、GPU、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を用いることができる。
【0310】
パッケージ基板732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
【0311】
インターポーザ731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ731は、インターポーザ731上に設けられた集積回路をパッケージ基板732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
【0312】
インターポーザ731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
【0313】
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を用いる必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
【0314】
また、シリコンインターポーザを用いたSiPやMCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
【0315】
また、電子部品730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品730では、記憶装置100と半導体装置735の高さを揃えることが好ましい。
【0316】
電子部品730を他の基板に実装するため、パッケージ基板732の底部に電極733を設けてもよい。図27Bでは、電極733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
【0317】
電子部品730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
【0318】
《電子機器》
次に、上記電子部品を備えた電子機器の例について図28乃至図31を用いて説明を行う。
【0319】
図28に示すロボット7100は、照度センサ、マイクロフォン、カメラ、スピーカ、ディスプレイ、各種センサ(赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなど)、および移動機構などを備える。電子部品730はプロセッサなどを有し、これら周辺機器を制御する機能を有する。例えば、電子部品700はセンサで取得されたデータを記憶する機能を有する。
【0320】
マイクロフォンは、使用者の音声および環境音などの音響信号を検知する機能を有する。また、スピーカは、音声および警告音などのオーディオ信号を発する機能を有する。ロボット7100は、マイクロフォンを介して入力された音響信号を解析し、必要なオーディオ信号をスピーカから発することができる。ロボット7100は、マイクロフォン、およびスピーカを用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
【0321】
カメラは、ロボット7100の周囲の画像を撮像する機能を有する。また、ロボット7100は、移動機構を用いて移動する機能を有する。ロボット7100は、カメラを用いて周囲の画像を撮像し、画像を解析して移動する際の障害物の有無などを察知することができる。
【0322】
飛行体7120は、プロペラ、カメラ、およびバッテリなどを有し、自律して飛行する機能を有する。電子部品730はこれら周辺機器を制御する機能を有する。
【0323】
例えば、カメラで撮影した画像データは、電子部品700に記憶される。電子部品730は、画像データを解析し、移動する際の障害物の有無などを察知することができる。また、電子部品730によってバッテリの蓄電容量の変化から、バッテリ残量を推定することができる。
【0324】
掃除ロボット7140は、上面に配置されたディスプレイ、側面に配置された複数のカメラ、ブラシ、操作ボタン、各種センサなどを有する。図示されていないが、掃除ロボット7140には、タイヤ、吸い込み口などが備えられている。掃除ロボット7140は自走し、ゴミを検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
【0325】
例えば、電子部品730は、カメラが撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシに絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシの回転を止めることができる。
【0326】
移動体の一例として自動車7160を示す。自動車7160は、エンジン、タイヤ、ブレーキ、操舵装置、カメラなどを有する。例えば、電子部品730は、ナビゲーション情報、速度、エンジンの状態、ギアの選択状態、ブレーキの使用頻度などのデータに基づいて、自動車7160の走行状態を最適化するための制御を行う。例えば、カメラで撮影した画像データは電子部品700に記憶される。
【0327】
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体に本発明の一態様のコンピュータを適用して、人工知能を利用したシステムを付与することができる。
【0328】
電子部品700および/または電子部品730は、TV装置7200(テレビジョン受像装置)、スマートフォン7210、PC7220(パーソナルコンピュータ)、PC7230、ゲーム機7240、ゲーム機7260等に組み込むことができる。
【0329】
例えば、TV装置7200に内蔵された電子部品730は画像エンジンとして機能させることができる。例えば、電子部品730は、ノイズ除去、解像度アップコンバージョンなどの画像処理を行う。
【0330】
スマートフォン7210は、携帯情報端末の一例である。スマートフォン7210は、マイクロフォン、カメラ、スピーカ、各種センサ、および表示部を有する。電子部品730によってこれら周辺機器が制御される。
【0331】
PC7220、PC7230はそれぞれノート型PC、据え置き型PCの例である。PC7230には、キーボード7232、およびモニタ装置7233が無線または有線により接続可能である。
【0332】
ゲーム機7240は携帯型ゲーム機の例である。ゲーム機7260は家庭用の据え置き型ゲーム機の例である。ゲーム機7260には、無線または有線でコントローラ7262が接続されている。コントローラ7262に、電子部品700および/または電子部品730を組み込むこともできる。
【0333】
本発明の一態様の記憶装置または半導体装置を適用するゲーム機はこれらに限定されない。本発明の一態様の記憶装置または半導体装置を用いるゲーム機としては、例えば、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
【0334】
本発明の一態様の記憶装置または半導体装置は、メモリカード(例えば、SDカード)、USBメモリ、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)等の各種のリムーバブル記憶装置に用いることができる。図29にリムーバブル記憶装置の幾つかの構成例を模式的に示す。本発明の一態様の記憶装置または半導体装置は、様々なストレージ装置、リムーバブルメモリに用いることができる。
【0335】
図29AはUSBメモリの模式図である。USBメモリ1100は、筐体1101、キャップ1102、USBコネクタ1103および基板1104を有する。基板1104は、筐体1101に収納されている。例えば、基板1104には、メモリチップ1105、コントローラチップ1106が取り付けられている。基板1104のメモリチップ1105などに本発明の一態様の記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
【0336】
図29BはSDカードの外観の模式図であり、図29Cは、SDカードの内部構造の模式図である。SDカード1110は、筐体1111、コネクタ1112および基板1113を有する。基板1113は筐体1111に収納されている。例えば、基板1113には、メモリチップ1114、コントローラチップ1115が取り付けられている。基板1113の裏面側にもメモリチップ1114を設けることで、SDカード1110の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板1113に設けてもよい。これによって、ホスト装置とSDカード1110間の無線通信によって、メモリチップ1114のデータの読み出し、書き込みが可能となる。基板1113のメモリチップ1114などに先の実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
【0337】
図29DはSSDの外観の模式図であり、図29Eは、SSDの内部構造の模式図である。SSD1150は、筐体1151、コネクタ1152および基板1153を有する。基板1153は筐体1151に収納されている。例えば、基板1153には、メモリチップ1154、メモリチップ1155、コントローラチップ1156が取り付けられている。メモリチップ1155はコントローラチップ1156のワークメモリであり、例えばDOSRAMチップを用いればよい。基板1153の裏面側にもメモリチップ1154を設けることで、SSD1150の容量を増やすことができる。基板1153のメモリチップ1154などに先の実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を組み込むことができる。
【0338】
図30Aに示す警報装置8100は、住宅用火災警報器であり、検出部と、半導体装置8101を有している。半導体装置8101に上述した電子部品700および/または電子部品730を用いることで、警報装置8100を省電力化できる。また、高温環境下においても安定した動作を実現できる。よって、警報装置8100の信頼性を高めることができる。
【0339】
図30Aに示すエアコンディショナーは、室内機8200および室外機8204を有する。室内機8200は、筐体8201、送風口8202、半導体装置8203などを有する。図30Aでは、半導体装置8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、半導体装置8203は室外機8204に設けられていてもよい。または、室内機8200と室外機8204の両方に、半導体装置8203が設けられていてもよい。半導体装置8203に上述した電子部品700および/または電子部品730を用いることで、エアコンディショナーを省電力化できる。また、高温環境下においても安定した動作を実現できる。よって、エアコンディショナーの信頼性を高めることができる。
【0340】
図30Aに示す電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、半導体装置8304などを有する。図30Aでは、半導体装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。半導体装置8304に電子部品700および/または電子部品730を用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300を省電力化できる。また、高温環境下においても安定した動作を実現できる。よって、電気冷凍冷蔵庫8300の信頼性を高めることができる。
【0341】
なお、本実施の形態では、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫およびエアコンディショナーについて説明した。本発明の一態様の記憶装置または半導体装置は、その他の電化製品に用いることもできる。その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電子オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、冷暖房器具(エアーコンディショナーを含む)、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
【0342】
図30B図30Cに電気自動車の一例を示す。電気自動車9700には、二次電池9701が搭載されている。二次電池9701の電力は、制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9702は、図示しない半導体装置などを有する処理装置9704によって制御される。制御回路9702や処理装置9704に、上述した電子部品700および/または電子部品730を用いることで、電気自動車9700を省電力化できる。また、高温環境下においても安定した動作を実現できる。よって、電気自動車9700の信頼性を高めることができる。
【0343】
駆動装置9703は、直流電動機もしくは交流電動機単体、または電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)などの入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9702は、処理装置9704の制御信号により、二次電池9701から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
【0344】
図31Aに示す計算機5400は、大型の計算機の例である。計算機5400には、ラック5410にラックマウント型の計算機5420が複数格納されている。
【0345】
計算機5420は、例えば、図31Bに示す斜視図の構成とすることができる。図31Bにおいて、計算機5420は、マザーボード5430を有し、マザーボードは、複数のスロット5431、複数の接続端子などを有する。スロット5431には、PCカード5421が挿されている。加えて、PCカード5421は、接続端子5423、接続端子5424、接続端子5425を有し、それぞれ、マザーボード5430に接続されている。
【0346】
図31Cに示すPCカード5421は、CPU、GPU、記憶装置などを備えた処理ボードの一例である。PCカード5421は、ボード5422を有する。また、ボード5422は、接続端子5423、接続端子5424、接続端子5425と、半導体装置5426と、半導体装置5427と、半導体装置5428と、接続端子5429と、を有する。なお、図31Cには、半導体装置5426、半導体装置5427、および半導体装置5428以外の半導体装置を図示しているが、それらの半導体装置については、以下に記載する半導体装置5426、半導体装置5427、および半導体装置5428の説明を参酌すればよい。
【0347】
接続端子5429は、マザーボード5430のスロット5431に挿すことができる形状を有しており、接続端子5429は、PCカード5421とマザーボード5430とを接続するためのインターフェースとして機能する。接続端子5429の規格としては、例えば、PCIeなどが挙げられる。
【0348】
接続端子5423、接続端子5424、接続端子5425は、例えば、PCカード5421に対して電力供給、信号入力などを行うためのインターフェースとすることができる。また、例えば、PCカード5421によって計算された信号の出力などを行うためのインターフェースとすることができる。接続端子5423、接続端子5424、接続端子5425のそれぞれの規格としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、SATA(Serial ATA)、SCSI(Small Computer System Interface)などが挙げられる。また、接続端子5423、接続端子5424、接続端子5425から映像信号を出力する場合、それぞれの規格としては、HDMI(登録商標)などが挙げられる。
【0349】
半導体装置5426は、信号の入出力を行う端子(図示しない。)を有しており、当該端子をボード5422が備えるソケット(図示しない。)に対して差し込むことで、半導体装置5426とボード5422を電気的に接続することができる。
【0350】
半導体装置5427は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5422が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5427とボード5422を電気的に接続することができる。半導体装置5427としては、例えば、FPGA、GPU、CPUなどが挙げられる。半導体装置5427として、電子部品730を用いることができる。
【0351】
半導体装置5428は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5422が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5428とボード5422を電気的に接続することができる。半導体装置5428としては、例えば、記憶装置などが挙げられる。半導体装置5428として、電子部品700を用いることができる。
【0352】
計算機5400は並列計算機としても機能できる。計算機5400を並列計算機として用いることで、例えば、人工知能の学習、および推論に必要な大規模の計算を行うことができる。
【0353】
上記の各種電子機器に、本発明の一態様の記憶装置または半導体装置を用いることにより、電子機器の小型化、高速化、または低消費電力化を図ることができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、およびモジュールへの影響を少なくすることができる。また、高温環境下においても安定した動作を実現できる。よって、電子機器の信頼性を高めることができる。
【0354】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0355】
10:メモリセル、100:記憶装置、110:電極、111:入出力回路、112:制御回路、113:Cレシーバ、114:設定レジスタ、115:LVDS回路、116:LVDS回路、117:デコーダ、118:レジスタ、119:レジスタ、120:電極、127:センスアンプ、130:絶縁層、152:電極、153:電極、154:絶縁層、156:絶縁層、200:トランジスタ、210:記憶ブロックアレイ、211:記憶ブロック、212:ワード線ドライバ、213:ローカルセンスアンプドライバ、214:ローカルセンスアンプアレイ、215:グローバルセンスアンプ、216:セレクタ、218:負電圧生成回路、220:容量素子、221:セルアレイ、223:サブセルアレイ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図28
図29A
図29B
図29C
図29D
図29E
図30A
図30B
図30C
図31A
図31B
図31C