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特許7485613タバコ産業製品部材およびタバコ産業製品部材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】タバコ産業製品部材およびタバコ産業製品部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/06 20060101AFI20240509BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240509BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A24D3/06
A24D1/02
A24D3/04
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020559493
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 GB2019051145
(87)【国際公開番号】W WO2019207302
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】1806610.0
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヘスフォード、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】バートン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キング、イアン
(72)【発明者】
【氏名】パテル、サチン
(72)【発明者】
【氏名】ウィールド、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】クレメンツ、ジェレミー
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】鈴木 充
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品部材であって、この部材は
キャビティを囲む壁と、
キャビティに配された複数の添加剤カプセルと、
キャビティに配され、使用時にユーザーによってタバコ産業製品部材の壁に外力を加えた際に添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された複数の粒子とを含み、前記粒子は少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含み、前記部材は、20~100個の添加剤カプセルを含み、添加剤カプセルは0.8~1.2mmの直径を有し、前記粒子は、1.4~2mmの粒径を有するタバコ産業製品部材。
【請求項2】
粒子は可塑剤を含むことを特徴とする請求項1記載のタバコ産業製品部材。
【請求項3】
粒子は高分子材料、好ましくはプラスチックを含むことを特徴とする請求項1または2記載のタバコ産業製品部材。
【請求項4】
粒子はセルロースアセテートを含むことを特徴とする請求項1または2記載のタバコ産業製品部材。
【請求項5】
粒子はセルロースアセテートチップを含むことを特徴とする請求項4記載のタバコ産業製品部材。
【請求項6】
粒子は添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された1つ以上の表面形成を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項7】
粒子は少なくとも50m/g未満、好ましくは30、20、10、5または3m/g未満の平均表面積を有することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項8】
粒子はR-スケールで少なくとも25、および好ましくはR-スケールで少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100のロックウェル硬さを有する材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項9】
粒子は95%超、好ましくは96%超、97%超、98%超または99%超のボールパン硬度を有することを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項10】
添加剤カプセルは約1mmの直径を有することを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項11】
40~80個の添加剤カプセルを含むことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項12】
添加剤カプセルは3N~5N、好ましくは3.5N~4.5Nの平均破裂強度を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項13】
キャビティの長さは4~12mm、好ましくは6~10mmであることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項14】
キャビティを含むろ過材の本体を含み、好ましくは本体はろ過材からなる第1および第2セクションを含み、キャビティはこれら第1および第2セクションの間に配置されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項15】
キャビティを囲むプラグラッパーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項16】
プラグラッパーは不浸透性のコーティングを含むことを特徴とする請求項15記載のタバコ産業製品部材。
【請求項17】
プラグラッパーは、少なくとも60gsmの坪量を有することを特徴とする請求項15または16記載のタバコ産業製品部材。
【請求項18】
プラグラッパーは、少なくとも35マイクロメートルの厚さを有することを特徴とする請求項15乃至17いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項19】
ユーザーに外力をタバコ産業製品部材のどこに加えるべきかを示すように構成された表示部を含む外面をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載のタバコ産業製品部材。
【請求項20】
請求項1乃至19いずれか1項記載のタバコ産業製品部材を含むタバコ産業製品。
【請求項21】
粒子密度が少なくとも1g/ccである材料を含む複数の粒子を供することと、
複数の添加剤カプセルを供することと、
粒子と添加剤カプセルをキャビティに配置することとを含むタバコ産業製品部材の製造方法であって
前記部材は、20~100個の添加剤カプセルを含み、添加剤カプセルは0.8~1.2mmの直径を有し、前記粒子は、1.4~2mmの粒径を有するタバコ産業製品部材の製造方法。
【請求項22】
粒子はセルロースアセテートを含むことを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
粒子は可塑剤を含むことを特徴とする請求項21または22記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はタバコ産業製品部材およびこれを含むタバコ産業製品に関する。また本開示はタバコ産業製品部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風味剤を含むカプセルを紙巻きタバコに設けることが当業界では知られている。使用中、ユーザーはカプセルを壊して紙巻きタバコを流れる煙に風味剤を放出させることができる。従って、ユーザーは選択的に煙に風味を加えることができる。
【発明の概要】
【0003】
キャビティを囲む壁と、キャビティに配された複数の添加剤カプセルと、キャビティに配され、使用時にユーザーによってタバコ産業製品部材の壁に外力を加えた際に添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された複数の粒子とを含み、前記粒子は少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含むがタバコ産業製品部材が提供される。
【0004】
粒子は可塑剤を含んでもよい。1つの実施態様では可塑剤はトリアセチンを含む。
【0005】
1つの実施態様では粒子は高分子材料、好ましくはプラスチックを含む。
【0006】
1つの実施態様では粒子はセルロースアセテートを含む。1つの実施態様では粒子はセルロースアセテートチップを含む。
【0007】
1つの実施態様では粒子は添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された1つ以上の表面形成を含む。
【0008】
一部の実施態様では粒子は、選択的にASTM D785に従って測定されたR-スケールで少なくとも25のロックウェル硬さを有する材料から形成される。好ましくは粒子は、ASTM D785に従って測定されたR-スケールで少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100のロックウェル硬さを有する材料から形成される。
【0009】
1つの実施態様では粒子は、少なくとも50m/g未満、好ましくは30、20、10、5または3m/g未満の平均表面積を有する。表面積はASTM D1993-18(多点BET窒素吸着による析出したシリカ表面の標準試験法、ASTM International、West Conshohocken, PA, 2018)に従って測定してもよい。粒子密度は材料の孔を含むが粒子間の空隙を除く粒子からなる材料の密度を言う(「嵩密度」になる)。
【0010】
粒子の表面積が小さくなるほど、粒子はより堅固になることが分かっており、これは粒子の孔が少なくなることによる。タバコ産業製品部材の壁に外力を加えた際に添加剤カプセルを壊しやすくすることに役立つ。またより堅固な粒子は、移送中にカプセルが壊れにくくすることに役立つ。さらに表面積が小さいということは、添加剤カプセルが破裂した際、粒子が吸着する添加剤が少なくなることを意味し、より多くの添加剤をユーザーに送出できることを意味することが分かっている。
【0011】
少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含む粒子は、粒子をより堅固にし、使用時の添加剤カプセルの破壊を促し、そして移送時の粒子の破壊を妨げることに役立つ。一部の実施態様では粒子は、少なくとも1.1g/ccまたは少なくとも1.2g/ccの粒子密度を有する材料を含み、粒子の粒子密度を大きくすることは粒子の頑健性を上げることに役立つ。
【0012】
1つの実施態様では粒子は、5g/cc未満および好ましくは2g/cc未満または1.5g/cc未満の粒子密度を有する材料を含む。粒子の粒子密度が小さくなるとタバコ産業製品部材が軽くなり、従って移送しやすくなる。
【0013】
一部の実施態様では粒子の粒子密度は、1~2g/ccまたは1.1~2g/ccまたは1.1~1.5g/ccである。
【0014】
1つの実施態様では添加剤カプセルは、0.6~1.4mmの直径、好ましくは約1mmの直径を有する。
【0015】
1つの実施態様では粒子は、1~2.4mmの粒径、好ましくは1.4~2mmの粒径を有する。
【0016】
一部の実施態様では粒子は、ほぼ円筒状である。粒子は、材料をロッド状にしたものから押し出しし、個々にほぼ円筒状の粒子に切断されたものでもよい。
【0017】
一部の実施態様では粒子は、95%超、好ましくは96%超、97%超、98%超または99%超のボールパン硬度を有する。一部の実施態様では粒子のボールパン硬度は、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%より高い。粒子のボールパン硬度は、ASTM D3802-16(活性炭のボールパン硬度の標準試験法、ASTM International、 West Conshohocken、PA、2016)に記載のボールパン硬度試験を使用して測定することができる。この試験は活性炭の硬度の試験について説明されている。しかしながら、これは粒状材の硬度の測定にも適している。粒子のボールパン硬度を上げることで粒子はより堅固になり、従って使用時に添加剤カプセルを壊れやすくする上で効果的であり、そしてまた粒子が移送時に壊れにくくなる。
【0018】
タバコ産業製品部材は、20~100個の添加剤カプセル、40~80個の添加剤カプセルを含んでもよい。
【0019】
一部の実施態様では添加剤カプセルは、平均破裂強度が3N~5N、好ましくは3.5N~4.5Nである。一部の実施態様では添加剤カプセルの平均破裂強度は約4Nである。破裂強度(破砕強度)は、個々の添加剤カプセルを破裂させるのに必要とされる力である。
【0020】
1つの実施態様ではキャビティの長さは、4~12mm、好ましくは6~10mmである。
【0021】
1つの実施態様ではタバコ産業製品部材は、キャビティを含むろ過材からなる本体を含み、好ましくはその本体はろ過材からなる第1および第2セクションを含み、キャビティはこれら第1および第2セクションの間に配置される。
【0022】
タバコ産業製品部材は、キャビティを囲むプラグラッパーをさらに含んでもよい。プラグラッパーは不浸透性のコーティング、例えば添加剤カプセルの添加剤に対して不浸透性のコーティングを含んでもよい。一部の実施態様ではプラグラッパーは、少なくとも60gsmの坪量を有する。一部の実施態様ではプラグラッパーは少なくとも35マイクロメートルの厚さを有する。
【0023】
1つの実施態様では1つ以上の添加剤カプセルは外方シェルと内方コアとを含む。内方コアは流体コアであってもよい。流体コアは液体コアであってもよい。外方シェルは中実の外方シェルであってもよい。外方シェルはアルギン酸塩を含んでもよい。
【0024】
1つの実施態様ではタバコ産業製品部材はユーザーに外部の力をタバコ産業製品部材のどこに加えるべきかを示すように構成された表示部を含む外面をさらに含む。
【0025】
一部の実施態様ではタバコ産業製品部材は、喫煙品部材、例えばフィルターを含む。
【0026】
本開示によるタバコ産業製品部材を含むタバコ産業製品も提供される。
【0027】
一部の実施態様ではタバコ産業製品は喫煙品を含む。
【0028】
キャビティを囲む壁と、キャビティに配された複数の添加剤カプセルと、キャビティに配され、使用時にユーザーによってタバコ産業製品部材の壁に外力を加えた際に添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された複数の粒子とを含むタバコ産業製品部材も提供される。一部の実施態様では粒子はセルロースアセテート粒子である。タバコ産業製品部材は、粒子が少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含むといった特徴を任意に含む上述の特徴のいずれかを含んでもよいが、必須ではない。
【0029】
複数の粒子を供することと、複数の添加剤カプセルを供することと、粒子と添加剤カプセルをキャビティ内に配置することとを含むタバコ産業製品部材の製造方法も提供される。タバコ産業製品部材は上述の特徴のいずれかを含んでもよい。粒子は少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含むが、この特徴は必須ではない。
【0030】
図面を参照しながらあくまで例示として本発明の実施態様をここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】1つの実施態様のタバコ産業製品の斜視図である。
図2】タバコ産業製品のチッピング紙およびプラグラッパーの一部が例示のために省略されている図1のタバコ産業製品の斜視図である。
図3図1のタバコ産業製品の略式側部断面図である。
図4図1のタバコ産業製品の添加剤カプセルの側部断面図である。
図5図1のタバコ産業製品のセルロースアセテート粒子の斜視図である。
図6図1のタバコ産業製品のプラグラッパーの斜視図である。
図7】タバコ産業製品の製造方法の実施態様を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで図1~6を参照すると、タバコ産業製品1の実施態様が示されている。本実施態様ではタバコ産業製品1は喫煙品1である。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)ではタバコ産業製品は喫煙品1以外の構成のものである。
【0033】
喫煙品1は、タバコロッド2とタバコ産業製品部材3とを含む。
【0034】
外方ラッパー4は喫煙品部材3およびタバコロッド2の一部を囲む。外方ラッパー4はタバコロッド2を喫煙品部材3に取り付けるチッピング紙4を含む。タバコロッド2はロッドラッパー6に囲まれた喫煙材からなるカラム5を含む。
【0035】
本実施態様ではタバコ産業製品部材3は喫煙品フィルター3の形体の喫煙品部材3を含む。喫煙品部材3はろ過材からなる本体4とキャビティ8とを含む。本体7はろ過材からなる第1および第2セクション9、10を含む。本実施態様では第1および第2セクション9、10は、ろ過材、例えばセルロースアセテートからなる第1および第2プラグ9、10を含む。第1および第2プラグ9、10は、ほぼ円筒形状であってもよいが、当業者は他の形状のプラグ9、10も可能であることを認識するはずである。
【0036】
第1および第2プラグ9、10は、キャビティ8が第1および第2プラグ9、10の間に設けられるように喫煙品1の軸方向に間隔を空けて位置する。第2プラグ10はタバコロッド2の下流に位置する。第1プラグ9は、第2プラグ10に対してキャビティの別の側で第2プラグ10の下流に位置する。
【0037】
キャビティ8は4~12mmの長さ(図3の矢印「X」で示す)を有し、好ましくは6~10mmの長さを有する。しかしながら、他の実施態様ではキャビティ8は異なる長さを有する。
【0038】
喫煙品部材3のキャビティ8は、複数の添加剤カプセル11および複数の粒子12を含む。本実施態様では粒子12はセルロースアセテート(CA)粒子12である。従って、本体7を流れる気体はキャビティ8を通過し、添加剤カプセル11と接触する。添加剤カプセル11は、以下により詳しく説明するように気体流中に添加剤を選択的に同伴させるように構成されている。
【0039】
複数の添加剤カプセル11の1つの断面を図4に示す。各添加剤カプセル11は外方シェル13と内方コア14とを含む。
【0040】
各添加剤カプセル11のシェル13は室温で固体であってもよい。シェル13はアルギン酸塩を含む、アルギン酸塩からなるまたはアルギン酸塩から実質的になる。しかしながら、これとは別の実施態様ではシェル13は異なる材料から形成されることを認識すべきである。例えば、シェル13はゼラチン、カラギーナンまたはペクチンを含む、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンからなるまたゼラチン、カラギーナンまたはペクチンから実質的になる。シェル14はアルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上を含む、アルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上からなるまたはアルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上から実質的になる。
【0041】
各添加剤カプセル11の内方コア14は、添加剤が気体に晒された際にキャビティ8を流れる気体に風味を付与するように構成された添加剤、例えば風味剤を含む、このような風味剤からなるまたはこのような風味剤から実質的になる。しかしながら、他の実施態様では添加剤はこれとは別にまたは加えて湿潤剤などの異なる種類の添加剤を含んでもよいことを認識すべきである。本実施態様では内方コア14は液体である。しかしながら、他の実施態様(図示せず)では内方コア14は固体、例えば粉末を含んでもよい。
【0042】
各添加剤カプセル11のシェル13はコア14の添加剤に対して不浸透性または実質的に不浸透性であってもよい。従って、シェル13は、最初はコア14の添加剤が添加剤カプセル11から逃げて、キャビティ8を流れる気体流に同伴されないようにする。ユーザーが気体に添加剤を同伴させること、例えば添加剤が風味剤である実施態様では気体に風味付けすることを望んだ際に添加剤カプセル11のシェル13を破裂させ、添加剤が気体に同伴されるようにする。
【0043】
一部の実施態様では(図示せず)添加剤カプセル11はキャリアー材をさらに含む。キャリアー材は、例えば、ゼラチンを含んでもよい。
【0044】
セルロースアセテート粒子12は、可塑剤、例えばトリアセチンによって硬化されたセルロースアセテートを含む。可塑剤は、ユーザーが喫煙品部材3に力を加えて添加剤カプセル11を壊そうとする際にセルロースアセテート粒子12が壊れないようにすることに役立つ。さらに可塑剤により添加剤カプセル11の硬度を高めることによって添加剤カプセル11を壊れやすくすることに役立つ。これとは別にまたは加えてセルロースアセテートは、異なる可塑剤、例えばジアセチン、クエン酸トリエチルまたはPEGによって硬化させてもよいことを認識すべきである。
【0045】
セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で15~40%の範囲で、好ましくは、セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で20~35%の可塑剤を含んでもよい。セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で少なくとも15%の、好ましくはセルロースアセテート粒子12の重量で少なくとも20%の可塑剤を含んでもよい。セルロースアセテート粒子12はセルロースアセテート粒子12の重量で40%未満、好ましくはセルロースアセテート粒子12の重量で35%未満の可塑剤を含んでもよい。
【0046】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、ASTM D785の手順Aに従って測定されるR-スケールで少なくとも25のロックウェル硬さを有する材料から製造してもよい。好ましくは粒子12は、R-スケールで30超、40超、50超、60超、70超、80超、90超または100超のロックウェル硬さを有する材料から製造してもよい。 粒子12のロックウェル硬さが高いとユーザーが喫煙品部材3に力を加えて添加剤カプセルを壊す際に粒子12が壊れるのを妨げ、添加剤カプセル11を壊れやすくすることに役立つことが分かっている。
【0047】
1つの実施態様では粒子は、少なくとも50m/g未満、好ましくは30、20、10、5または3m/g未満の平均表面積を有する。表面積はASTM D1993-18(多点BET窒素吸着による析出したシリカ表面の標準試験法、ASTM International、West Conshohocken, PA, 2018)に従って測定してもよい。粒子密度は材料の孔を含むが粒子間の空隙を除く粒子からなる材料の密度を言う(「嵩密度」になる)。
【0048】
粒子の表面積が小さくなるほど、粒子はより堅固になることが分かっており、これは粒子の孔が少なくなることによる。タバコ産業製品部材の壁に外力を加えた際に添加剤カプセルを壊しやすくすることに役立つ。またより堅固な粒子は、移送中にカプセルが壊れにくくすることに役立つ。さらに表面積が小さいということは添加剤カプセルが破裂した際粒子が吸着する添加剤が少なくなることを意味し、より多くの添加剤をユーザーに送出できることを意味することが分かっている。
【0049】
少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含む粒子は、粒子をより堅固にし、使用時の添加剤カプセルの破壊を促し、そして移送時の粒子の破壊を妨げることに役立つ。一部の実施態様では粒子は少なくとも1.1g/ccまたは少なくとも1.2g/ccの粒子密度を有する材料を含み、粒子の粒子密度を大きくすることは粒子の頑健性を上げることに役立つ。
【0050】
1つの実施態様では粒子は5g/cc未満および好ましくは2g/cc未満または1.5g/cc未満の粒子密度を有する材料を含む。粒子の粒子密度が小さくなるとタバコ産業製品部材が軽くなり、従って移送しやすくなる。
【0051】
一部の実施態様では粒子の粒子密度は、1~2g/ccまたは1.1~2g/ccまたは1.1~1.5g/ccである。
【0052】
一部の実施態様では粒子はほぼ円筒状である。粒子は材料をロッド状にしたものから押し出しし、個々にほぼ円筒状の粒子に切断したものであってもよい。
【0053】
一部の実施態様では粒子は95%超、好ましくは96%超、97%超、98%超または99%超のボールパン硬度を有する。一部の実施態様では粒子のボールパン硬度は99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%より高い。粒子のボールパン硬度は、ASTM D3802-16(活性炭のボールパン硬度の標準試験法、ASTM International、 West Conshohocken、PA、2016)に記載のボールパン硬度試験を使用して測定することができる。この試験は活性炭の硬度の試験について説明されている。しかしながら、これは粒状材の硬度の測定にも適している。粒子のボールパン硬度を上げることで粒子はより堅固になり、従って使用時に添加剤カプセルを壊れやすくするのにより効果的であり、そしてまた粒子が移送時に壊れにくくなる。
【0054】
セルロースアセテート粒子12は、ユーザーが喫煙品部材3に力を加えた際に添加剤カプセルを壊れやすくするように構成された1つ以上の表面形成を含んでもよい。例えば、表面形成は添加剤カプセル11のシェルを切断または穴開けしやすくまたは添加剤カプセル11を粉砕しやすくする。本実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、それぞれ1つ以上の縁部15Aおよび/または1つ以上の角15Bを含む。縁部15Aおよび角15Bは、例えばセルロースアセテート粒子12を形成するためにセルロースアセテートの部分を切断または砕いて形成してもよい。縁部15Aと角15Bは添加剤カプセル11のシェル13を切断および破裂しやすくする。縁部15Aは角度が付けられた縁部であってもよい。別の実施態様(図示せず)ではセルロースアセテート粒子12は縁部15Aおよび/または角15Bを全く含まなくてもよく、例えば球体であってもよい。本実施態様ではセルロースアセテート粒子12はセルロースアセテートチップ12を含む。
【0055】
喫煙品部材3は、喫煙品部材3を通過する気体流に導入される添加剤の量をユーザーが調節できるようにする。最初は各添加剤粒子11のシェル13は完全な状態であり、従って、コア14から添加剤が気体流に導入されない。ユーザーが添加剤を導入したいと思ったとき、ユーザーは喫煙品部材3に外力を加え、添加剤カプセル11のシェルを破裂させる。1つの例ではユーザーは指の間で喫煙品部材3を強く保持し、喫煙品部材を指の間で転がす。これによりセルロースアセテート粒子12が添加剤カプセル11のシェル13を破裂させ、コア14の添加剤がシェルと通って放出され、気体流に入る。喫煙品部材3をユーザーの指の間で多く転がすと、破裂する添加剤カプセル11の数が多くなり、従って、気体流内に放出される添加剤が多くなるので有利である。従って、ユーザーは喫煙品部材3が指の間で転がす時間を調整することで気体流に加えられる添加剤の量を調整することができる。セルロースアセテートは、例えば紙巻きタバコフィルターのろ過材としてタバコ産業に製造される部材に既に使用されている入手容易な材料である。従って、セルロースアセテート粒子12を含む喫煙品部材3の研磨材は、喫煙品部材3の製造を単純化する。
【0056】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、ASTM D1238によるメルトフローが0.2~6g/10分の範囲にある材料から製造してもよい。一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12はメルトフローが0.25~5.5g/10分の範囲内または0.5~4g/10分の範囲内にある材料から製造してもよい。一部の実施態様ではメルトフローは5.5g/10分未満である。
【0057】
1つの典型的な実施態様ではセルロースアセテート粒子12はトリアセチン28%とセルロースアセテート72%とを含み、材料は414mg/3分(1.38g/10分)のメルトフローを有する。別の典型的な実施態様ではセルロースアセテート粒子12はトリアセチン25%とセルロースアセテート75%とを含み、材料は266mg/3分(0.89g/10分)のメルトフローを有する。
【0058】
チッピング紙4は添加剤を放出するために喫煙品部材3に外力を加えるべき箇所をユーザーに視覚的に示す1つ以上の表示部19を含む。例えば、表示部19は添加剤を放出するために喫煙品部材3のどこを指の間で保持し、転がすかを示してもよい。表示部19は、例えばチッピング紙4に印刷してもよいまたはチッピング紙に貼り付けられたラベルを含んでもよい。表示部19はキャビティ8と重なってもよい。
【0059】
喫煙品部材3はキャビティ8と第1および第2プラグ9、10の少なくとも一部を囲むプラグラッパー16をさらに含む。本実施態様ではプラグラッパー16は、第1および第2プラグ9、10の両方の全長を囲む。
【0060】
キャビティ8に重なるプラグラッパー16とチッピング紙4の部分は喫煙品部材3の壁を形成する。壁はキャビティ8を囲む。壁はキャビティ8内に添加剤カプセル11とセルロースアセテート粒子12を保持する。壁は、使用時にユーザーが外力を加えて壁が半径方向内方に変形させて添加剤カプセル11が壊れるように変形可能である。上述の例ではユーザーは指の間で壁を把持し、喫煙品部材を転がしてセルロースアセテート粒子12が添加剤カプセル11のシェル13を破裂させてカプセルから添加剤を放出するようになっている。プラグラッパー16が省略される実施態様では壁はチッピング紙4を含んでもよい。チッピング紙4が省略される実施態様では壁はプラグラッパー16を含んでもよい。一部の実施態様では壁は、チッピング紙4および/またはプラグラッパー16に加えてさらなるシート材(図示せず)を含む。
【0061】
プラグラッパー16は紙の層17と密封層18とを含む。密封層18は添加剤カプセル11の添加剤に対して不浸透性または実質的に不浸透性である。従って、添加剤カプセル11が壊されて気体流に添加剤を同伴させる際に密封層18は添加剤がプラグラッパー16を介して染み出るのを防ぐ。これは喫煙品1が通常喫煙品部材3の領域でユーザーの指の間で保持され、従って、密封層18が添加剤がユーザーの指と接触するのを妨げることに役立つので有利である。
【0062】
本実施態様では密封層18は、紙の層17の上に供されるコーティング18の形体である。例えば、コーティング18はエチルセルロースを含んでもよい。別の実施態様(図示せず)では密封層18は、例えば接着剤によって紙の層17に接着させたプラスチックシートまたはホイルなどの材料の層を含む。一部の実施態様では密封層18は、はつ油剤である。
【0063】
1つの実施態様では密封層18は、紙の層17が密封層18とチッピング紙4の間に配置されるように紙の層17に内面に設けられる。これとは別に密封層18は、密封層18が紙の層17とチッピング紙4との間に配置されるように紙の層17の外面に設けられる。
【0064】
1つの実施態様では密封層18は紙の層17の内面全体および/または外面全体に亘って設けられる。しかしながら、別の実施態様では密封層18は紙の層17の内面の一部および/または外面の一部にだけ、例えばキャビティ8を囲む紙の層17の部分にだけ設けられる。
【0065】
喫煙品部材3がユーザーの指の間で転がされると、壁は、添加剤カプセル11とセルロースアセテート12が擦り合わされるように半径方向内方に変形する。プラグラッパー16は、添加剤を放出するために喫煙品部材3を転がしている間、喫煙品部材3の構造的完全性を維持することに役立つように喫煙品部材3を構造的に支持するように構成されている。一部の実施態様ではプラグラッパー16は、少なくとも60gsm、好ましくは少なくとも80gsmの坪量を有する。この坪量によりプラグラッパー16の剛性が高められ、喫煙品部材3を転がす際の喫煙品部材3の構造的完全性を維持することに役立つ。一部の実施態様ではプラグラッパー16の坪量は60~110gsmの範囲内であり、好ましくは80~110gsmの範囲内である。プラグラッパー16の坪量は60~100gsmの範囲内または80~100gsmの範囲内であってもよい。
【0066】
1つの実施態様ではプラグラッパー16の剛性は、少なくとも35マイクロメートル、好ましくは少なくとも50、60、70、80、90または100マイクロメートルの厚さを有する紙から紙の層17を製造することによって得られる。一部の実施態様では紙の層17は、35~137マイクロメートルの範囲の厚さを有する。プラグラッパー16の剛性は、ユーザーが添加剤を放出するために喫煙品部材3を転がし終えた際に壁が元の形状に戻りやすくする。
【0067】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.6mmの直径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.8mmの直径、好ましくは少なくとも1mmの直径を有する。
【0068】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、1.4mm未満の直径を有する。好ましくは添加剤カプセル11は、1.2mm未満の直径、好ましくは約1mmの直径を有する。
【0069】
添加剤カプセル11の直径が小さいほど各添加剤カプセル11を破裂させた際に気体流に導入される添加剤の量が少なくなることが分かっており、これによりユーザーの指の間で喫煙品部材3が転がされる時間の長さに基づいて、気体流に加えられる添加剤の量をより正確に調整することができる。
【0070】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲、好ましくは0.8~1.2mmの範囲の直径を有する。
【0071】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.6mmの粒径を有する。「粒径」なる用語は、ふるい分けによって測定された際の粒の大きさを言う。好ましくは添加剤カプセル11は、少なくとも0.8mmの粒径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセルは、1.4mm未満の粒径、好ましくは1.2mm未満の粒径を有する。1つの実施態様では添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲、好ましくは0.8mm~1.2mmの範囲の粒径を有する。好ましくは添加剤カプセル11は、約1mmの粒径を有する。
【0072】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも1.4mmの粒径を有する。「粒径」なる用語は、ふるい分けによって測定された際の粒の大きさを言う。少なくとも1mm、好ましくは1.4mmの粒径を有するセルロースアセテート粒子12は、添加剤カプセル11を破裂しやすくするのに特に効果的であることが分かっている。一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、少なくとも2.4mm未満、好ましくは2mm未満の粒径を有する。2.4mm未満、好ましくは2mm未満の粒径を有するセルロースアセテート粒子12は、添加剤カプセル11を破裂しやすくするのに特に効果的であることが分かっている。
【0073】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、1~2.4mmの範囲の粒径、好ましくは1.4~2mmの範囲の粒径を有する。一つのこのような実施態様において添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲、好ましくは0.8~1.2mmの範囲の直径/粒径を有する。添加剤カプセル11の大きさとセルロースアセテート粒子12の大きさのこの組み合わせは、添加剤カプセル11を破裂させるというセルロースアセテート粒子の効果を増大させるのに有利であることが分かっている。一つのこのような実施態様において喫煙品部材3は、20~100個、好ましくは40~80個のセルロースアセテート粒子12または50~70個のセルロースアセテート粒子12を含む。
【0074】
喫煙品部材3は喫煙品部材の吸い口端に空隙20を含んでもよい。図1~6に示した実施態様では喫煙品部材3は管状フィルター3であり、環状部分21が喫煙品部材3の吸い口端に設けられており、空隙20が環状部分21の中空の中央に設けられるようになっている。環状部分21は、例えばセルロースアセテートなどのろ過材を含んでもよい。
【0075】
環状部分21は第1プラグ9の下流に設けられ、チッピング紙4および/またはプラグラッパー16によって第1プラグに取り付けられている。別の実施態様では第1プラグ9は、空隙20が第1プラグ9に設けられるように環状部分を含む。さらに別の実施態様では(図示せず)喫煙品部材3はキャビティフィルター3である。チッピング紙4、プラグラッパー16または別のラッパー(図示せず)は、空隙20含む空間を形成するためにろ過材からなる第1プラグ9の吸い口端を越えて延びてもよく、環状部分21は省略される。
【0076】
1つの実施態様では第1および第2プラグ9、10は、それぞれ例えば、セルロースアセテートまたは活性炭などのろ過材の一部を含み、各部分はそれ自体のプラグラッパー(図示せず)に包まれる。第1および第2プラグ9、10は、次にキャビティ8も囲むプラグラッパー16に包まれる。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では第1および/または第2プラグ9、10の個々のプラグラッパーは省略されている。一部の実施態様(図示せず)ではプラグラッパー16は、第1および/または第2プラグ9、10を囲まず、選択的にキャビティ8だけを囲む。
【0077】
一部の別の実施態様(図示せず)では第1および/または第2プラグ9、10は、省略されている。例えば、第2プラグ10は、省略してキャビティ8が第1プラグ9とタバコロッド2の間に位置するようにしてもよい。
【0078】
上述の実施態様では各添加剤カプセル11は外方シェル13と内方コア14とを含む。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では外方シェル13が省略される。1つの実施態様では(図示せず)各添加剤カプセル11は添加剤を含む材料体を含み、シェルはこの材料体を囲まない。1つの実施態様では(図示せず)各添加剤カプセル11は、外力を喫煙品部材3に加えて添加剤をキャビティ8を流れる気体に同伴させる際に壊れて、例えば粉を形成する固体材料を含む。セルロースアセテート粒子12は添加剤カプセル11を壊して粉にすることに役立つ。
【0079】
一部の実施態様では喫煙品部材3は20~100個の添加剤カプセル11を含む。この数の添加剤カプセル11は、ユーザーが力を喫煙品部材3に加えた際に破裂する添加剤カプセル11の割合を最大にし、従って煙流に放出される添加剤の量が最大になることが分かっている。好ましくは添加剤カプセル11の数は40~80であり、これは破裂する添加剤カプセル11の割合をさらに多くすることが分かっている。1つの実施態様では喫煙品部材3は50~70個の添加剤カプセルを含み、約60個の添加剤カプセル11を含んでもよい。しかしながら、他の実施態様では喫煙品部材3はそれより多い添加剤カプセル11を含んでもよい。一部の実施態様では喫煙品部材3は20~100個、好ましくは40~80個または50~70個のセルロースアセテート粒子12を含む。一部の実施態様では喫煙品部材3は、60~140mgのセルロースアセテート粒子12、好ましくは80~120mgのセルロースアセテート粒子12を含む。1つの実施態様では喫煙品部材3は実質的に100mgのセルロースアセテート粒子12を含む。
【0080】
1つの実施態様による喫煙品部材3の製造方法の略式ブロック図を図7に示す。
【0081】
本発明の方法は、複数のセルロースアセテート粒子12を供する工程(工程S1)と、複数の添加剤カプセル11を供する工程(工程S2)と、セルロースアセテート粒子12および添加剤カプセル11をキャビティ8に配置する工程(工程S3)とを含む。
【0082】
本発明の方法は、キャビティが形成されるように間に間隔を空けて第1および第2プラグ9、10を供することをさらに含む。第1および第2プラグ9、10は、プラグラッパー16に設けてもよい。セルロースアセテート粒子12をキャビティ8に供する工程(S1)はプラグ9、10の間のプラグラッパー16にセルロースアセテート粒子12を配置することを含んでもよい。キャビティ8に添加剤カプセル11を供する工程(S2)はプラグ9、10の間でプラグラッパー16に添加剤カプセル11を配置することを含んでもよい。添加剤カプセル11とセルロースアセテート粒子12は、順番にまたは同時にキャビティ8に供してもよい。1つの実施態様ではセルロースアセテートチップ12と添加剤カプセル11は混ぜてもよく、次にプラグ9、10の間でプラグラッパー16上に注入してもよい。
【0083】
本発明の方法はキャビティ8を囲んでセルロースアセテート粒子12と添加剤カプセル11をキャビティ内に保持することをさらにを含んでもよい。キャビティ8を囲んでセルロースアセテートチップ12と添加剤カプセル11をキャビティ内に保持する工程は、プラグ9、10にプラグラッパー16を巻いてプラグラッパー16がキャビティ8を囲むようにすることを含んでもよい。喫煙品部材3は、次にチッピング紙4によってタバコロッド2に取り付けられ、喫煙品1を形成する。
【0084】
別の構成ではプラグラッパー16は第1および第2プラグ9、10の内の1つに巻かれ、プラグラッパー16が第1および第2プラグ9、10の内のその1つから張り出してキャビティ8を形成する。次にセルロースアセテートチップ12および添加剤カプセル11がキャビティ8内に注入され、第1および第2プラグ9、10のもう一方がプラグラッパー16内に挿入され、第1および第2プラグ9、10のそのもう一方がプラグラッパー16によって囲まれ、キャビティ8を囲む。
【0085】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は可塑化されたセルロースアセテートの押し出しで形成され、次にセルロースアセテート粒子12を形成するために押し出しされた可塑化されたセルロースアセテートを切断または粉砕する。しかしながら、別の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、例えば成型などの異なる方法で形成されることを認識すべきである。1つの実施態様では製造されるセルロースアセテート粒子12より大きい可塑化されたセルロースアセテートの一部が製造され、セルロースアセテート粒子12が可塑化されたセルロースアセテートのその部分からチップを切断することによって形成される。
【0086】
添加剤は風味剤を含んでもよい。本明細書中で使用する際の「風味」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形態であってもよい。
【0087】
一部の実施態様では粒子は研磨粒子である。
【0088】
上述の実施態様では粒子はセルロースアセテートを含む。しかしながら、別の実施態様では粒子は、異なる材料、例えばポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)またはアクリル(PMMA)を含んでもよい。
【0089】
本実施態様では喫煙品部材3は喫煙品用フィルター3の形体である。しかしながら、別の実施態様(図示せず)では喫煙品部材3は異なる形態であってもよいことを認識すべきである。例えば、喫煙品部材3は、フィルターを含まなくてもよい電子タバなどのエアロゾル発生装置の一部を含んでもよい。
【0090】
本明細書中で使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロおよびまた非燃焼加熱製品、タバコ加熱装置および電子タバコを含むエアロゾル発生装置などの他のニコチン送出製品などの喫煙可能な製品を含む。喫煙品には喫煙者に吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【0091】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた複合ウェブと喫煙品部材の製造方法を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
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図7