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  • 特許-トリガー式液体噴出器用のレバーカバー 図1
  • 特許-トリガー式液体噴出器用のレバーカバー 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器用のレバーカバー
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/40 20060101AFI20240509BHJP
   B65D 47/34 20060101ALN20240509BHJP
【FI】
B65D47/40 100
B65D47/34 200
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021012628
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116458
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-240982(JP,A)
【文献】実開平01-021764(JP,U)
【文献】特開2014-233679(JP,A)
【文献】米国特許第05482186(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/40
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体(100)に収容されている内容液を噴出孔(35)が設けられたノズル(30)に向けて圧送するポンプ(10)と、該ポンプ(10)を駆動させる操作レバー(51)と、を有するトリガー式液体噴出器用のレバーカバーであって、
少なくとも上端に開口部(6)を備えると共に下端部(7)が閉塞された筒状の嵌合部(2)と、該嵌合部(2)の上端前面に一体に連設されると共に前記嵌合部(2)内に連通する受皿部(3)とを有して形成され、前記操作レバー(51)に装着した初期状態において、前記受皿部(3)が前記ノズル(30)の真下の位置に対向配置されるようにしたことを特徴とするトリガー式液体噴出器用のレバーカバー。
【請求項2】
受皿部(3)と嵌合部(2)との内部とを繋ぐ流路部(4)を備えると共に、該流路部(4)が前記受皿部(3)よりも下方の位置にある傾斜姿勢を有して形成されている請求項1記載のトリガー式液体噴出器用のレバーカバー。
【請求項3】
嵌合部(2)の下端部(7)に液溜め部(S)が設けられている請求項1又は2記載のトリガー式液体噴出器用のレバーカバー。
【請求項4】
嵌合部(2)の前面(2A)の内側に嵌合凸部(5)を設けることにより、嵌合部(2)の前面(2A)と操作レバー(51)の前面(51A)とが対向する部分に液溜め部(S)に連通する案内流路(9)が設けられている請求項3記載のトリガー式液体噴出器用のレバーカバー。
【請求項5】
開口(6)の上端に、一対の係止部(8)が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトリガー式液体噴出器用のレバーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーの操作によりポンプを作動させて容器体に収容されている内容液をノズルから噴出するトリガー式液体噴出器用のレバーカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
容器体の口部に装着される噴出器本体に、液体を送り出すポンプと、ポンプを作動させる操作レバーと、ポンプに液体を圧送する送出流路と、送出流路の出口端である送出口に設けられたノズルと、を備えるトリガー式液体噴出器が知られている。ノズルは、三角形や四角形等の断面形状を有する筒状の外周壁の内側に噴出孔を備えており、ポンプにより送出流路を経て送出口にまで圧送されてきた液体を噴出孔から外部に向けて噴出する。また、ノズルは、例えば外周壁への回転操作により、噴出孔の開閉状態を切り替え可能に構成されている。
このようなトリガー式液体噴出器では、指先で操作レバーを操作するとポンプが作動し、液体が容器体からノズルに圧送され、噴出孔から霧状、泡状、直噴射状等にして噴出させることが可能となっている(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-213495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記トリガー式液体噴出器では、操作レバーが噴出孔を有するノズルの真下の位置に設けられていることから、噴出孔から液漏れした内容液がノズルから垂れ落ちて操作レバーに付着し、使用者の手指等を汚してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、ノズルから液垂れした内容液が操作レバーに付着することを防止したトリガー式液体噴出器用のレバーカバーを創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
容器体に収容されている内容液を噴出孔が設けられたノズルに向けて圧送するポンプと、該ポンプを駆動させる操作レバーと、を有するトリガー式液体噴出器用のレバーカバーであって、
少なくとも上端に開口部を備えると共に下端部が閉塞された筒状の嵌合部と、該嵌合部の上端前面に一体に連設されると共に嵌合部内に連通する受皿部とを有して形成され、操作レバーに装着した初期状態において、受皿部がノズルの真下の位置に対向配置されるようにしたことを特徴とする、と云うものである。
本発明の主たる手段では、ノズルから液垂れした内容物を、ノズルの真下に配置した受皿部で受けて回収することができるため、内容液の操作レバーへの付着を防止できる。
【0007】
また本発明の他の手段は、本発明の主たる手段に、受皿部と嵌合部の内部とを繋ぐ流路部を備えると共に、流路部が受皿部よりも下方の位置にある傾斜姿勢を有して形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、受皿部が受けた内容液を、傾斜状の流路部を通じて嵌合部の内部に回収することができる。
【0008】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、嵌合部の下端部に液溜め部が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、受皿部が受けた内容液を、レバーカバー内で溜めることができる。
【0009】
また本発明の他の手段は、上記手段に、嵌合部の前面の内側に嵌合凸部を設けることにより、嵌合部の前面と操作レバーの前面とが対向する部分に液溜め部に連通する案内流路が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、受皿部が受けた内容液を、液溜め部に確実に案内することができる。
【0010】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、開口の上端に、一対の係止部が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、操作レバーへのレバーカバーの取り付け及びその取り外しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、トリガー式液体噴出器のノズルから液垂れした内容液を、その真下に配置した受皿部で受けて回収することができるため、液垂れした内容液が使用者の手指等に付着して汚してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態として、トリガー式液体噴出器のレバーカバーを示す斜視図である。
図2図1のレバーカバーの縦断面を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例として、レバーカバーを備えたトリガー式液体噴出器の一部を断面として示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態として、トリガー式液体噴出器のレバーカバーを示す斜視図、図2はレバーカバーの縦断面を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、本発明のレバーカバー1は、後述するトリガー式液体噴出器Aの操作レバー51に装着される嵌合部2と、ノズルから液垂れした内容液を受けて回収する受皿部3と、受皿部3と嵌合部2の内部とを繋ぐ溝状の流路部4とを有して形成されている。また嵌合部2の内面の中央には、長手方向に沿う凸リブからなり、操作レバー51の前面51Aに当接可能な嵌合凸部5が突設されている。嵌合凸部5は、少なくとも1つ設けてあればよく、複数形成してもよい。
【0014】
嵌合部2は、上端に操作レバー51が挿入される開口部6を備えると共に下端部7が閉塞された角筒状の部材であり、開口6から下端部7に向かうにしたがって徐々に細くなる形状を有して形成されている。尚、開口6の両側には、上方に延出する一対の係止部8が延設されている。
受皿部3と流路部4とは、嵌合部2の上端側の前面2Aに一体形成されており、共に上端側が開放された形状を有して形成されている。流路部4の基端は嵌合部2の内部に続いており、受皿部3と嵌合部2の内部とは溝状の流路部4を介して連通されている。
尚、受皿部3の幅寸法は、後述するノズルから垂れ落ちる内容液を確実に回収できるようにするため、ノズルの幅寸法と同じか、それよりも広い構成が好ましい。
【0015】
図3は本発明の一実施例として、レバーカバーを備えたトリガー式液体噴出器の一部を断面として示す側面図である。
レバーカバーが装着されるトリガー式液体噴出器Aの構成について簡単に説明する。
尚、本実施形態では、容器体100の中心軸線を中心軸O1とし、この中心軸O1に沿って容器体100側を下側、その反対の装着キャップ110側を上側という。また、中心軸O1に沿った方向を上下方向又は鉛直方向といい、上下方向に直交し且つ紙面と平行を成なす一方向を前後方向といい、上下方向及び前後方向の双方向に直交する方向を左右方向という。
【0016】
図3に示すトリガー式液体噴出器Aは、例えば、洗浄剤、殺虫剤や消毒剤等の薬剤、化粧料等の内容液を収容する容器体100の口部101に対して装着キャップ110を介して取り付けて使用されるものであり、合成樹脂材料により形成されている。
【0017】
トリガー式液体噴出器Aは、容器体100内に収容されている内容液を吸い上げ、前方(図示左方向、以下同様)に噴出させるポンプ10と、内容液を噴出する噴出孔35が形成されたノズル30と、ポンプ10を駆動させるトリガー機構50を構成する操作レバー51と、主としてポンプ10で吸い上げた内容液をノズル30に送る噴出器本体60を覆う本体カバー40と、有して構成されている。
【0018】
噴出器本体60の詳細な説明は省略するが、ポンプ10の作用を受け、主に上下方向に沿って形成されて容器体100内に向けて垂下設されたパイプ120を介して内容液を吸い上げる吸い上げ筒部(図示せず)と、吸い上げ筒部から水平に延出される射出筒部61と、後述するガイド部材20とを有して構成されている。射出筒部61の内側には、内容液をノズル30に送出するための送出流路62が設けられている。
【0019】
ポンプ10は、筒状のシリンダ11と、このシリンダ11内を往復移動可能に設けられたプランジャ12とを有して構成されている。噴出器本体60では、ポンプ10が駆動され、シリンダ11内が加圧されると、射出筒部61と吸い上げ筒部との間が連通されると同時に吸い上げ筒部とパイプ120との連通が遮断される。またシリンダ11内が減圧されると、射出筒部61と吸い上げ筒部との間の連通が遮断されると同時に吸い上げ筒部とパイプ120と間が連通される。尚、射出筒部61と吸い上げ筒部との間の連通及びその遮断と、並びに吸い上げ筒部とパイプ120との間の連通及びその遮断は、夫々に設けられた公知の逆止弁により行われる。
【0020】
本体カバー40の前方の位置には、射出筒部61の前端部に組み付けられたガイド部材20が設けられている。ガイド部材20には、射出筒部61の前端部に対向配置されるガイド隔壁21から前方に向かって同軸状に延びる被装着筒部22及びガイド軸部23が一体に形成され、ガイド軸部23と被装着筒部22とが径方向に対向する筒状の環状空間24が設けられている。またガイド部材20にはガイド隔壁21から後方に向かって延びると共に射出筒部61に嵌合する嵌合筒部26が一体に形成されている。更にガイド隔壁21には、射出筒部61内の送出流路62と環状空間24との間を連通する連通孔25が設けられている。
【0021】
ノズル30は外周壁32を備え、外周壁32の内側には隔壁33が設けられている。外周壁32は断面略三角形の筒状となっており、ノズル30の外殻を構成している。隔壁33は外周壁32の中心軸O2に対して垂直な板状の部材で形成されており、被装着筒部22の開口端を覆っている。隔壁33には円筒状の装着筒34が一体に連設されている。装着筒34は被装着筒部22の外周を覆うと共に、その内周面に設けられた凸部が被装着筒部22の外周面に設けられた環状溝にアンダーカット係合することにより、ノズル30は被装着筒部22に対して回転可能に装着されている。
【0022】
隔壁33には中心軸O2に沿って貫通する噴出孔35が設けられている。噴出孔35は送出流路62を形成する射出筒部61よりも断面積が小さい小孔で形成されており、射出筒部61内に圧送されてきた内容液を外部に向けて噴出させることが可能となっている。
【0023】
隔壁33の被装着筒部22の側(図示右側)を向く内側面には噴出孔35と同軸で且つ円筒状に形成された閉塞筒部36が一体に設けられ、閉塞筒部36が被装着筒部22の内周面に摺動可能に嵌合することで、被装着筒部22の開口端が隔壁33により液密に閉塞されている。また、隔壁33の内側面には閉塞筒部36とその中心軸O2を一致させ、且つその内側に位置する切替え筒部37が一体に設けられている。切替え筒部37はガイド軸部23の外側に摺動可能に嵌合している。閉塞筒部36及び切替え筒部37は、それぞれ被装着筒部22及びガイド軸部23に対して相対回転可能である。
【0024】
ガイド軸部23の前方の側壁面には中心軸O2に沿う方向に延びる一対の接続流路23aが中心軸O2を中心として対称に設けられている。一方、切替え筒部37の内周面には、その先端からガイド軸部23の接続流路23aに重複する位置にまで中心軸O2に沿う方向に延びる一対の接続流路37aが中心軸O2を中心として対称に設けられている。また隔壁33とガイド軸部23とが対向する空間にはスピン溝(室)27が形成されている。
【0025】
そして、ノズル30が図3に示す開位置にあるときには、切替え筒部37の接続流路37aと、ガイド軸部23の接続流路23aと、噴出孔35の内面側に設けたスピン溝(室)27とが連通し、これによりノズル30は噴出孔35が送出流路62に連通されて内容液を噴出可能な開状態とされる。
【0026】
一方、詳細は図示しないが、ノズル30が開位置から中心軸O2回りに120度回転させた閉位置にすると、ガイド軸部23の接続流路23aと切替え筒部37の接続流路37aとが周方向にずれて非連通状態となり、ノズル30は噴出孔35が送出流路62に対して遮断されて内容液を噴出できない閉状態とされる。このように、ノズル30を回転させて閉位置又は開位置に設定することにより、噴出孔35の開閉状態を切り替えることができるように構成されている。
【0027】
したがって、トリガー式液体噴出器Aの不使用時には、ノズル30を閉状態とすることで、誤操作等による液体の噴出を防止した状態で保管しておくことが可能となっている。
【0028】
トリガー機構50は、操作レバー51と、操作レバー51を前方に付勢する付勢部材52とを有して形成されている。操作レバー51は、ノズル30の下端近傍の位置に本体カバー40の下端から下方に延出された側面視略ノ字形状の部材である。
【0029】
操作レバー51は枢軸53を介して噴出器本体60に回動可能に支持されており、その中間部位においてプランジャ12の先端にピン部材13によって回動可能に連結されている。また、操作レバー51には、一端が噴出器本体60に固定保持された付勢部材52が係止されており、この付勢部材52により、操作レバー51が手動で操作されたときに、操作レバー51を図3に実線で示す初期状態に復帰させる方向(図3中においては時計回り方向)に付勢することが可能となっている。付勢部材52は、例えば湾曲形状に形成された板ばねで構成とされているが、上記した機能を有するものであれば、他の構成であってもよい。
【0030】
そして、操作レバー51を実線で示す初期状態から後方に指で引いて二点鎖線に示す噴出状態にすると、プランジャ12が駆動されてシリンダ11内を加圧させることができ、また操作レバー51から指を離すと、付勢部材52が復帰し、操作レバー51が噴出状態から元の初期状態に戻され、シリンダ11内を減圧させることが可能となっている。
【0031】
図3に示すように、レバーカバー1は、操作レバー51を嵌合部2内に外挿させることにより取り付けられる。この装着状態では、操作レバー51の下端と嵌合部2の下端部7とが対向する空間部分に、内容液を溜める液溜め部Sが形成される。また嵌合部2の前面2Aの内側に設けられた嵌合凸部5が操作レバー51の前面51Aに当接すると、レバーカバー1の前面2Aの内側と操作レバー51の前面51Aとが対向する部分に空間が形成され、この空間は液溜め部Sに連通する案内流路9を形成している。
【0032】
更に、一対の係止部8の先端が、例えばプランジャ12の前端に着脱自在に係止する構成であり、操作レバー51へのレバーカバー1の取り付け及びその取り外しを容易に行うことが可能となっている。特に受皿部3側を下方に下げる操作を行うと、一対の係止部8が反時計回り方向に回動して係止が解除されるため、嵌合部2を操作レバー51から容易に取り外すことが可能である。
【0033】
そして、レバーカバー1を操作レバー51に装着した初期状態では、受皿部3がノズル30の真下の位置に対向配置され、またレバーカバー1は流路部4が受皿部3よりも下方の位置にある傾斜姿勢に設定される。
【0034】
トリガー式液体噴出器Aを使用する際には、ノズル30を摘まんで閉位置から開位置へと回動操作させ、噴出孔35が送出流路62に連通されて内容液を噴出可能な開状態に設定する。続いて、トリガー式液体噴出器Aを片手で保持した状態において、レバーカバー1の前面2Aに指(人指し指や中指等)を当接させながら後方に引いて操作レバー51を操作する。すると、操作レバー51が初期状態から噴出状態に向かって反時計回りに回動し、プランジャ12が移動してポンプ10が駆動され、シリンダ11内が加圧される。これにより、シリンダ11内の内容液が吸い上げ筒部内に導入され、図示しない逆止弁の作用により、射出筒部61と吸い上げ筒部との間が開弁して連通し、且つ吸い上げ筒部とパイプ120との間の連通が閉弁して遮断されるため、吸い上げ筒部から射出筒部61内に内容液が圧送供給される。すると、射出筒部61の内圧が上昇するので、射出筒部61の内容液を、送出流路62、連通孔25、環状空間24、接続流路37a、接続流路23a、スピン溝(室)27を通じて噴出孔35から前方に向けて噴出させることができる。
【0035】
この際、図3に示すように、レバーカバー1も操作レバー51と共に初期状態から噴出状態に回動するため、これに伴って受皿部3及び流路部4も実線に示す初期状態から破線で示す噴出状態に遷移することになる。
また操作レバー51から指を離すと、付勢部材52が復帰し、操作レバー51が噴出状態から元の初期状態に戻されるが、これに伴ってレバーカバー1の受皿部3及び流路部4も実線に示す初期状態に戻る。
尚、レバーカバー1を操作レバー51に装着した状態では、嵌合部2を有する分だけ実質的に操作レバー51の長さを下方に延ばすことができるため、操作レバー51の操作性を向上させることが可能である。
【0036】
ここで、ノズル30において液垂れが生じると、垂れた内容液はノズル30の前端側のノズル下端30aから下方に向かって垂れ落ちることになるが、ノズル下端30aの真下の位置に設けられている受皿部3が液垂れした内容液を受け止めて回収する。よって受皿部3の更に真下に設けられた操作レバー51に液垂れした内容液が垂れ落ち、手指などに付着することを防止することができる。
【0037】
また受皿部3に垂れ落ちた内容液は、傾斜姿勢にある受皿部3から流路部4内を流れて嵌合部2内に入り込み、案内流路9を通って液溜め部Sに至ることから、この液溜め部Sにおいて液垂れした内容液を溜めることができる。
そして、液溜め部Sに内容液がある程度溜まった後には、操作レバー51からレバーカバー1を取り外して内容液を処分することができ、処分後は再びレバーカバー1を操作レバー51に装着することにより上記同様に使用することが可能となる。
【0038】
このように本実施例では、レバーカバー1を操作レバー51に着脱自在に装着可能な構成としたことから、既存のトリガー式液体噴出器Aをそのまま使用することが可能である。
【0039】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0040】
例えば、レバーカバーを透明樹脂で形成してもよく、この構成では液溜め部に溜まった内容液の貯留量を容易に把握すること可能となる。
【0041】
また上記実施例では、流路部4の幅寸法を受皿部3よりも狭い幅寸法で形成した構成を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、受皿部3と流路部4とを同寸法で形成し、全体を受皿部3とする構成であってもよい。
【0042】
またレバーカバー1を装着するトリガー式液体噴出器Aは、上記実施例に限られるものはない。すなわち、操作レバー51を引くことでノズル30の噴出孔35から内容液が噴出するタイプのトリガー式液体噴出器であれば、ポンプ及びその他の内部の構成はどのようなものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、トリガー式液体噴出器の分野における用途展開を更に広い領域で図ることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 :レバーカバー
2 :嵌合部
2A :前面
3 :受皿部
4 :流路部
5 :嵌合凸部
6 :開口
7 :下端部
8 :係止部
9 :案内流路
10 :ポンプ
11 :シリンダ
12 :プランジャ
13 :ピン部材
20 :ガイド部材
21 :ガイド隔壁
22 :被装着筒部
23 :ガイド軸部
23a :接続流路
24 :環状空間
25 :連通孔
26 :嵌合筒部
27 :スピン溝(室)
30 :ノズル
30a :ノズル下端
32 :外周壁
33 :隔壁
34 :装着筒
35 :噴出孔
36 :閉塞筒部
37 :切替え筒部
37a :接続流路
40 :本体カバー
50 :トリガー機構
51 :操作レバー
51A :前面
52 :付勢部材
53 :枢軸
60 :噴出器本体
61 :射出筒部
62 :送出流路
100 :容器体
101 :口部
110 :装着キャップ
120 :パイプ
A :トリガー式液体噴出器
O1 :中心軸
O2 :中心軸
S :液溜め部
図1
図2
図3