(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】フロントローダ及び作業車
(51)【国際特許分類】
B62D 21/18 20060101AFI20240509BHJP
E02F 3/34 20060101ALI20240509BHJP
B62D 49/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B62D21/18 C
E02F3/34
B62D49/00 B
(21)【出願番号】P 2021038227
(22)【出願日】2021-03-10
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 槙
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0107080(US,A1)
【文献】特開2016-008478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/18
E02F 3/34
B62D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームと、
車体に取り付けられるメインフレームと、
前記メインフレームに対して着脱可能であって前記ブームを支持するサブフレームと、
を具備し、
前記サブフレームは、
前記メインフレームと係合可能に形成された第一係合部と、
前記第一係合部と異なる位置で前記メインフレームと係合可能に形成された第二係合部と、
を具備し、
前記第一係合部及び前記第二係合部はともに、前記サブフレームの少なくとも一部を構成するように一体的に形成された一体部材に形成され
、
前記サブフレームは、
前記ブームを支持する一対の板状部材を具備し、
前記一対の板状部材は、
前記一体部材を嵌合可能に形成された嵌合部を具備し、
前記一体部材は、
前記嵌合部に嵌合された状態で前記一対の板状部材に固定され、
前記嵌合部は、
前記一対の板状部材を貫通するように形成されている、
フロントローダ。
【請求項2】
ブームと、
車体に取り付けられるメインフレームと、
前記メインフレームに対して着脱可能であって前記ブームを支持するサブフレームと、
を具備し、
前記サブフレームは、
前記メインフレームと係合可能に形成された第一係合部と、
前記第一係合部と異なる位置で前記メインフレームと係合可能に形成された第二係合部と、
を具備し、
前記第一係合部及び前記第二係合部はともに、前記サブフレームの少なくとも一部を構成するように一体的に形成された一体部材に形成され、
前記サブフレームは、
前記ブームを支持する一対の板状部材を具備し、
前記一対の板状部材は、
前記一体部材を嵌合可能に形成された嵌合部を具備し、
前記一体部材は、
前記嵌合部に嵌合された状態で前記一対の板状部材に固定され、
前記嵌合部は、
前記一対の板状部材の端面の一部が切り欠かれるように形成されている、
フロントローダ。
【請求項3】
前記第二係合部は、
前記メインフレームと前記サブフレームとを固定するための固定ピンが挿通されるサブフレーム側挿通孔である、
請求項1又は請求項2に記載のフロントローダ。
【請求項4】
前記サブフレームと前記メインフレームとを固定する際に、前記第一係合部が前記メインフレームと係合した状態で、前記第二係合部が前記メインフレームと係合可能な所定の位置に前記サブフレームを案内する案内部を具備する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のフロントローダ。
【請求項5】
前記案内部は、
前記サブフレームに設けられ、一方向に突出するように形成された凸状部と、
前記メインフレームに設けられ、前記一方向と反対の他方向に窪むように形成され前記凸状部に当接可能な凹状部と、
を具備する、
請求項4に記載のフロントローダ。
【請求項6】
前記一体部材は、
互いに間隔をおいて設けられた一対の側面部を有し、前記一対の側面部の間に前記メインフレームの少なくとも一部を収容するように形成され、
前記凸状部は、
前記一対の側面部から前記一方向に突出するように形成される、
請求項5に記載のフロントローダ。
【請求項7】
前記案内部は、
前記サブフレームに設けられ、平面状に形成されたサブフレーム側平面部と、
前記メインフレームに設けられ、平面状に形成され前記サブフレーム側平面部に当接可能なメインフレーム側平面部と、
を具備する、
請求項4に記載のフロントローダ。
【請求項8】
前記一体部材は、
鋳造又は鍛造により成形された部材である、
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のフロントローダ。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のフロントローダを備える作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業車両に装着されるフロントローダ及び作業車の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車両に装着されるフロントローダの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、土砂の積込み等を行うためのフロントローダを備えたトラクタが記載されている。当該フロントローダは、取付板等を介して車体に取り付けられたメインフレーム(下方ブラケット)と、メインフレームに着脱可能であってブームを支持するサブフレーム(上方ブラケット)とを備えている。サブフレームは、複数の箇所でメインフレームと係合することで、当該メインフレームに固定されている。
【0004】
このようなフロントローダ(サブフレーム)は、不要時には車体(メインフレーム)から取り外され、また必要時には車体に装着される。サブフレームをメインフレームに確実に装着できるようにするためには、複数の係合部間の寸法のばらつきを吸収するために、サブフレームの係合部とメインフレームの係合部とのクリアランスをある程度大きくする必要がある。しかしながら、当該クリアランスを大きくすると、当該係合部にがたつきが生じるおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、車体への着脱容易性を維持しつつ、メインフレームとサブフレームとの係合部に発生するがたつきを低減することができるフロントローダ及び作業車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、ブームと、車体に取り付けられるメインフレームと、前記メインフレームに対して着脱可能であって前記ブームを支持するサブフレームと、を具備し、前記サブフレームは、前記メインフレームと係合可能に形成された第一係合部と、前記第一係合部と異なる位置で前記メインフレームと係合可能に形成された第二係合部と、を具備し、前記第一係合部及び前記第二係合部はともに、前記サブフレームの少なくとも一部を構成するように一体的に形成された一体部材に形成され、前記サブフレームは、前記ブームを支持する一対の板状部材を具備し、前記一対の板状部材は、前記一体部材を嵌合可能に形成された嵌合部を具備し、前記一体部材は、前記嵌合部に嵌合された状態で前記一対の板状部材に固定され、前記嵌合部は、前記一対の板状部材を貫通するように形成されているものである。
請求項2においては、ブームと、車体に取り付けられるメインフレームと、前記メインフレームに対して着脱可能であって前記ブームを支持するサブフレームと、を具備し、前記サブフレームは、前記メインフレームと係合可能に形成された第一係合部と、前記第一係合部と異なる位置で前記メインフレームと係合可能に形成された第二係合部と、を具備し、前記第一係合部及び前記第二係合部はともに、前記サブフレームの少なくとも一部を構成するように一体的に形成された一体部材に形成され、前記サブフレームは、前記ブームを支持する一対の板状部材を具備し、前記一対の板状部材は、記一体部材を嵌合可能に形成された嵌合部を具備し、前記一体部材は、前記嵌合部に嵌合された状態で前記一対の板状部材に固定され、前記嵌合部は、前記一対の板状部材の端面の一部が切り欠かれるように形成されているものである。
【0009】
請求項3においては、前記第二係合部は、前記メインフレームと前記サブフレームとを固定するための固定ピンが挿通されるサブフレーム側挿通孔であるものである。
【0010】
請求項4においては、前記サブフレームと前記メインフレームとを固定する際に、前記第一係合部が前記メインフレームと係合した状態で、前記第二係合部が前記メインフレームと係合可能な所定の位置に前記サブフレームを案内する案内部を具備するものである。
【0011】
請求項5においては、前記案内部は、前記サブフレームに設けられ、一方向に突出するように形成された凸状部と、前記メインフレームに設けられ、前記一方向と反対の他方向に窪むように形成され前記凸状部に当接可能な凹状部と、を具備するものである。
【0012】
請求項6においては、前記一体部材は、互いに間隔をおいて設けられた一対の側面部を有し、前記一対の側面部の間に前記メインフレームの少なくとも一部を収容するように形成され、前記凸状部は、前記一対の側面部から前記一方向に突出するように形成されるものである。
【0013】
請求項7においては、前記案内部は、前記サブフレームに設けられ、平面状に形成されたサブフレーム側平面部と、前記メインフレームに設けられ、平面状に形成され前記サブフレーム側平面部に当接可能なメインフレーム側平面部と、を具備するものである。
【0017】
請求項8においては、前記一体部材は、鋳造又は鍛造により成形された部材である。
【0018】
請求項9においては、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のフロントローダを備える作業車である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、車体への着脱容易性を維持しつつ、メインフレームとサブフレームとの係合部に発生するがたつきを低減することができる。また、一体部材をサブフレームの一対の板状部材に強固に固定することができる。また、簡易な構成で一体部材を板状部材に取り付けることができる。
請求項2においては、車体への着脱容易性を維持しつつ、メインフレームとサブフレームとの係合部に発生するがたつきを低減することができる。また、一体部材をサブフレームの一対の板状部材に強固に固定することができる。また、簡易な構成で一体部材を板状部材に取り付けることができる。
【0021】
請求項3においては、固定ピンを挿通することによりメインフレームとサブフレームとを固定することができるので、フロントローダを車体に容易に装着することができる。
【0022】
請求項4においては、フロントローダを車体に装着する際の作業性をより向上させることができる。
【0023】
請求項5においては、簡易な構成で所定の位置にサブフレームを案内することができる。
【0024】
請求項6においては、サブフレームの加工を容易とすることができる。
【0025】
請求項7においては、簡易な構成で所定の位置にサブフレームを案内することができる。
【0029】
請求項8においては、一体部材を成形するコストの低減を図ることができる。
【0030】
請求項9においては、フロントローダを車体に装着する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るフロントローダが装着されたトラクタの全体的な構成を示した側面図。
【
図2】機体フレーム等に取り付けられたフロントローダを示した側面図。
【
図3】メインフレーム及びサブフレームを示した側面図。
【
図4】メインフレーム及びサブフレームを示した分解前方斜視図。
【
図5】メインフレーム及びサブフレームを示した前方斜視図。
【
図6】メインフレーム及びサブフレームを示した後方斜視図。
【
図7】メインフレーム及びサブフレームを示した拡大側面図。
【
図11】フロントローダ装着時において、メインフレームをサブフレームに近接させている状態を示した右側面図。
【
図12】フロントローダ装着時において、メインフレームの案内面がサブフレームのピンに当接した状態を示した右側面図。
【
図13】フロントローダ装着時において、サブフレームのピンがメインフレームのフックに嵌まり込んだ状態を示した右側面図。
【
図14】フロントローダ装着時において、固定ピンを挿通可能な状態のサブフレーム及びメインフレームを示した右側面図。
【
図15】別例において、メインフレームをサブフレームに近接させている状態を示した右側面図。
【
図16】別例において、サブフレームのピンがメインフレームのフックに嵌まり込む直前の状態を示した右側面図。
【
図17】第二実施形態に係るサブフレームを示した後方斜視図。
【
図18】第二実施形態に係るサブフレームを示した分解後方斜視図。
【
図19】第二実施形態に係るメインフレーム及びサブフレームを示した分解側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0033】
まず、
図1及び
図2を用いて本発明の第一実施形態に係るフロントローダ20を備えたトラクタの車体1の全体構成について説明する。
【0034】
トラクタは、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、前輪5、後輪6、ボンネット7、SCR8、マフラ9、キャビン10、ステアリングホイール11及びフロントローダ20を具備する。
【0035】
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて車体1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。当該エンジン3の後部には、トランスミッションケース4が固定される。機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪5に支持される。トランスミッションケース4の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪6に支持される。エンジン3はボンネット7に覆われる。
【0036】
ボンネット7の右側方には、エンジン3の排気ガスを浄化するためのSCR(Selective Catalytic Reduction)8が配置される。SCR8の上部には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ9が配置される。当該SCR8及びマフラ9は、トランスミッションケース4に固定される。
【0037】
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪5に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪6に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪5及び後輪6が回転駆動され、トラクタは走行することができる。
【0038】
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。当該居住空間には、前輪5の切れ角を調節するためのステアリングホイール11、種々の操作具(不図示)、及び運転者が着座するための座席(不図示)等が配置される。
【0039】
車体1の前部には、フロントローダ20が装着される。フロントローダ20は、主として左右一対のメインフレーム100、左右一対のサブフレーム200、左右一対のブーム300及びバケット400を具備する。
【0040】
メインフレーム100は、車体1(機体フレーム2及びトランスミッションケース4)の左右にそれぞれ固定される。サブフレーム200は、各メインフレーム100の上部に着脱可能に支持される。ブーム300は、各サブフレーム200に回動可能に支持される。ブーム300は、メインフレーム100の上部から前下方に向けて延びるように配置される。バケット400は、ブーム300の前端部に回動可能に連結される。ブーム300はブームシリンダ300aを伸縮させることで、サブフレーム200に対して回動させることができる。バケット400はバケットシリンダ400aを伸縮させることで、ブーム300に対して回動させることができる。このように、ブーム300及びバケット400を適宜回動させながら土砂の運搬作業等を行うことができる。
【0041】
次に、
図2から
図7及び
図10を用いて、メインフレーム100の詳細な構成について説明する。以下においては、サブフレーム200がメインフレーム100に取り付けられた状態を基準として説明を行う。なお、以下においては、メインフレーム100に取り付けられた状態のサブフレーム200の位置を、サブフレーム200の「取付位置」という。また、
図5から
図7においては、サブフレーム200の右側の板状部材210及び左右の板状部材210同士を接続する部材の図示を省略している。
【0042】
なお、左右一対のメインフレーム100は、互いに左右対称に形成されるものであって、
図2から
図7及び
図10においては、左右一対のメインフレーム100のうち右側のメインフレーム100を図示している。以下においては、特に断りのない限り、右側のメインフレーム100について説明を行い、左側のメインフレーム100については説明を省略する。
【0043】
図2に示すメインフレーム100は、サブフレーム200を支持するものである。詳細は後述するが、メインフレーム100は、後述するサブフレーム200を下方から支持すると共に、固定ピン500等によってサブフレーム200に固定される。メインフレーム100は、主として固定フレーム110及び支持フレーム120を具備する。
【0044】
図2に示す固定フレーム110は、車体1に固定される部分である。固定フレーム110は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。固定フレーム110は、長手方向を前後方向に向けて設けられる。固定フレーム110は、ボルト等によって機体フレーム2に固定される。
【0045】
図2から
図7及び
図10に示す支持フレーム120は、サブフレーム200を支持する部分である。支持フレーム120は、その下部がボルト等によって固定フレーム110の右面(車体左右方向外側の面)に固定され、当該下部から略上方に延びるように形成される。支持フレーム120は、フック121、案内面122、メインフレーム側挿通孔123及び凹状部124を具備する。
【0046】
図3、
図4及び
図7に示すフック121は、後述するサブフレーム200(より詳細には、ピン230)と係合する部分である。フック121は、支持フレーム120の上下中途部に形成される。フック121は、側面視において、上方が開放された側面視略U字状に形成される。フック121の内側の面は、略円弧状に形成される。
【0047】
図3から
図7に示す案内面122は、後述するサブフレーム200をメインフレーム100に装着するときに、サブフレーム200(より詳細には、ピン230)を取付位置に案内するためのものである。案内面122は、フック121の前方に形成される。案内面122は、その後端がフック121と接続され、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる前下がりの斜面状に形成される。
【0048】
図4及び
図10に示すメインフレーム側挿通孔123は、固定ピン500が挿通される部分である。メインフレーム側挿通孔123は、支持フレーム120を左右に貫通するように形成される。メインフレーム側挿通孔123は、フック121よりも上方に形成される。また、メインフレーム側挿通孔123は、フック121よりも後方に形成される。
【0049】
図3、
図4、
図7及び
図10に示す凹状部124は、後述するサブフレーム200をメインフレーム100に装着するときに、サブフレーム200(より詳細には、上部挿通孔224)を取付位置に案内するためのものである。凹状部124は、メインフレーム側挿通孔123の後方に形成される。凹状部124は、メインフレーム側挿通孔123が形成された面より車体左右方向外側に突出した部分に形成される。凹状部124は、側面視円弧状に後方に窪むように形成される。凹状部124は、メインフレーム側挿通孔123と同心円弧状に形成される。
【0050】
次に、
図3から
図10を用いて、サブフレーム200の詳細な構成について説明する。なお、左右一対のサブフレーム200は、互いに左右対称に形成されるものであって、
図3から
図10においては、左右一対のサブフレーム200のうち右側のサブフレーム200を図示している。以下においては、特に断りのない限り、右側のサブフレーム200について説明を行い、左側のサブフレーム200については説明を省略する。
【0051】
図3から
図8及び
図10に示すサブフレーム200は、メインフレーム100とブーム300との間に設けられる部分である。サブフレーム200は、その上部において、ブーム300を回動可能に支持する(
図2参照)。サブフレーム200は、板状部材210、取付部材220及びピン230を具備する。
【0052】
図3から
図8及び
図10に示す板状部材210は、サブフレーム200の右部及び左部を構成する部分である。板状部材210は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。板状部材210は、長手方向を上下方向に向けて配置される。板状部材210は、左右に一対設けられ、適宜の部材によって互いに接続される。板状部材210には、貫通孔211が形成される。
【0053】
図8に示す貫通孔211は、板状部材210を左右方向に貫通するように形成される。貫通孔211は、左右一対の板状部材210それぞれに形成される。貫通孔211は、後述する取付部材220を嵌合可能な形状に形成される。
【0054】
図3から
図10に示す取付部材220は、サブフレーム200をメインフレーム100に取り付けるためのものである。取付部材220は、鋳造又は鍛造により一体的に成形される。取付部材220は、開放側を略後方に向けた平面視略U字状に形成される。取付部材220は、長手方向を略上下方向に向けて配置される。より詳細には、取付部材220は、上端が下端よりも後方に位置するように傾いた状態で配置される。取付部材220は、側面部221、連結部222、下部挿通孔223及び上部挿通孔224を具備する。
【0055】
図5から
図10に示す側面部221は、取付部材220の右部及び左部を構成する部分である。側面部221は、左右に一対設けられる。左右一対の側面部221は、その間にメインフレーム100の支持フレーム120の上部を収容するように形成される。側面部221には、凸状部221aが形成される。
【0056】
図6から
図10に示す凸状部221aは、側面部221から後方に突出する部分である。凸状部221aは、側面部221の上部の後面を構成すると共に、側面視において上部挿通孔224と同心の円弧状に形成される。凸状部221aの外径は、メインフレーム100の凹状部124の内径と概ね同じ大きさに形成される。凸状部221aは、凹状部124に嵌まり込むように形成される。
【0057】
図5から
図10に示す連結部222は、左右一対の側面部221同士を連結する部分である。連結部222は、左右一対の側面部221の間に設けられ、当該側面部221の前端同士を連結するように形成される。
【0058】
図4から
図9に示す下部挿通孔223は、後述するピン230が挿通される部分である。下部挿通孔223は、取付部材220(側面部221)の下部を左右に貫通するように形成される。下部挿通孔223は、フック121と対応する位置(側面視においてフック121と概ね同じ位置)に形成される。
【0059】
図5から
図10に示す上部挿通孔224は、固定ピン500が挿通される部分である。上部挿通孔224は、取付部材220(側面部221)の上部を左右に貫通するように形成される。上部挿通孔224は、メインフレーム側挿通孔123と対応する位置(側面視においてメインフレーム側挿通孔123と概ね同じ位置)に形成される。上部挿通孔224は、下部挿通孔223の上後方に形成される。
【0060】
このように形成された取付部材220は、側面部221が貫通孔211に嵌合された状態で板状部材210に溶接等で固定される(
図8参照)。これにより、取付部材220は、側面部221の一部が左右一対の板状部材210の外側(板状部材210よりも右方及び左方)に露出するように設けられる。
【0061】
図3から
図9に示すピン230は、メインフレーム100のフック121と係合する部分である。ピン230は、円柱状に形成され、軸線を左右方向に向けて配置される。ピン230は、下部挿通孔223に挿通された状態で取付部材220に固定される。ピン230の外径は、フック121の内径と略同じ大きさに形成される。ピン230は、フック121に嵌まり込むように形成される。
【0062】
このように形成されたメインフレーム100及びサブフレーム200は、ピン230がフック121と係合した状態で、上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123に固定ピン500が挿通される。固定ピン500には、サブフレーム200の外側において抜け止め500aが挿通されている(
図4等参照)。抜け止め500aは、サブフレーム200と適宜係合することによって、当該固定ピン500が上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123から抜け落ちるのを防止することができる。
【0063】
このようにして、サブフレーム200がメインフレーム100に固定され、ひいてはフロントローダ20が車体1に装着される。
【0064】
次に、
図11から
図14を用いて、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1に装着する方法について説明する。なお、
図11から
図13においては、左右一対のメインフレーム100及びサブフレーム200のうち、右側のメインフレーム100及びサブフレーム200を示している。
【0065】
まず、
図11に示すように、サブフレーム200の姿勢を、取付状態(
図3参照)よりも上端を前方に傾けた状態(前傾状態)とする。この状態で車体1を前進させ、メインフレーム100をサブフレーム200に近接させる。
【0066】
そうすると、
図12に示すように、ピン230が案内面122に当接する。さらに車体1を前進させると、サブフレーム200は、案内面122に沿って移動することで、メインフレーム100に対して上後方に相対移動する。
【0067】
さらに車体1を前進させると、サブフレーム200は案内面122に沿ってさらに上後方に相対移動し、
図13に示すように、ピン230がフック121に嵌まり込む(係合する)。
【0068】
そして、油圧装置等により、サブフレーム200の上部を後方へ押圧する。これにより、
図14に示すように、サブフレーム200は、ピン230の軸線を中心として右側面視反時計回りに回動する。サブフレーム200が所定の角度だけ回動した時点で、取付部材220の凸状部221aが支持フレーム120の凹状部124に当接する(
図7参照)。そして、凸状部221aの外周面が凹状部124の内周面に対して摺動することにより、上部挿通孔224がメインフレーム側挿通孔123と側面視で概ね同じ位置に案内される。これにより、上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123に固定ピン500を挿通することができ、ひいてはサブフレーム200をメインフレーム100に固定することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態においては、ピン230が挿通(固定)される下部挿通孔223、及び固定ピン500が挿通される上部挿通孔224はともに、鋳造又は鍛造により一体的に成形された取付部材220に形成される。このように一体的に形成された取付部材220に対して下部挿通孔223及び上部挿通孔224を形成するため、下部挿通孔223と上部挿通孔224との間の距離(ピッチ)や、下部挿通孔223及び上部挿通孔224の平行度を向上させることができる。特に、一体部材である取付部材220をクランプし直すことなく(一度のクランプで)、下部挿通孔223及び上部挿通孔224を一度に形成することができるので、前記距離や前記平行度等の寸法精度をより向上させることができる。
【0070】
このように下部挿通孔223と上部挿通孔224の寸法精度を向上させることができるので、上部挿通孔224又はメインフレーム側挿通孔123の内径を過度に大きくしなくても、ピン230がフック121に係合した状態で上部挿通孔224とメインフレーム側挿通孔123の位置を精度良く合わせることができる。このため、上部挿通孔224の内径(固定ピン500とのクリアランス)を過度に大きく確保しなくても、固定ピン500を上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123に挿通することが可能となり、メインフレーム100に対するサブフレーム200の着脱容易性を維持することができる。
【0071】
また、上部挿通孔224又はメインフレーム側挿通孔123の内径と固定ピン500の外径との差を比較的小さくできるので、メインフレームとサブフレームとの固定部分(固定ピン500と上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123との間)のがたつきを抑制することができる。そして、がたつきが抑制されることにより、フロントローダ20の耐久性を向上させることができる。
【0072】
以下、
図15及び
図16等を用いて、フロントローダ20を車体1に装着する方法の別例について説明する。なお、この別例では、取り外された状態のフロントローダ20(サブフレーム200)のピン230は、フック121よりも高い位置に配置されているものとする。
【0073】
別例においては、
図15に示すように、まず車体1を前進させ、メインフレーム100をサブフレーム200に近接させる。
【0074】
そうすると、
図16に示すように、メインフレーム100は、ピン230がメインフレーム100のフック121の略上方に位置する所まで、サブフレーム200に対して相対移動する。この状態で油圧装置を作動させることにより、サブフレーム200を略下方へ移動させる。具体的には、油圧装置により、フロントローダ20のバケット400をダンプさせて地面に押し当てることで、フロントローダ20の姿勢を変更し、フロントローダ20の後部(サブフレーム200)を略下方へ押し下げる。これにより、ピン230をフック121に係合させることができる(
図13参照)。その後のサブフレーム200の動作は前述の動作と同様である。これにより、サブフレーム200を取付位置(
図14参照)に案内することができる。
【0075】
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20は、
ブーム300と、
車体1に取り付けられるメインフレーム100と、
前記メインフレーム100に対して着脱可能であって前記ブーム300を支持するサブフレーム200と、
を具備し、
前記サブフレーム200は、
(ピン230を介して)前記メインフレーム100(のフック121)と係合可能に形成された下部挿通孔223(第一係合部)と、
(固定ピン500を介して)前記下部挿通孔223と異なる位置で前記メインフレーム100(のメインフレーム側挿通孔123)と係合可能に形成された上部挿通孔224(第二係合部)と、
を具備し、
前記下部挿通孔223及び前記上部挿通孔224はともに、前記サブフレーム200の少なくとも一部を構成するように一体的に形成された取付部材220(一体部材)に形成されるものである。
【0076】
このように構成することにより、車体1への着脱容易性を維持しつつ、メインフレーム100とサブフレーム200との係合部に発生するがたつきを低減することができる。
具体的には、下部挿通孔223及び上部挿通孔224がともに一体的に形成された取付部材220に形成されることにより、下部挿通孔223と上部挿通孔224との間の相対的な位置寸法(両者の距離(ピッチ)や下部挿通孔223に対する上部挿通孔224の平行度等)の精度を向上させることができる。これにより、下部挿通孔223や上部挿通孔224のクリアランスを過度に確保しなくても、各係合部をメインフレーム100に適切に係合させることができるため、各係合部におけるがたつきを抑制することができ、ひいては耐久性を向上させることができる。
【0077】
また、前記第二係合部は、
前記メインフレーム100と前記サブフレーム200とを固定するための固定ピン500が挿通される上部挿通孔224であるものである。
【0078】
このように構成することにより、固定ピン500を挿通することによりメインフレーム100とサブフレーム200とを固定することができるので、フロントローダ20を車体1に容易に装着することができる。
【0079】
また、フロントローダ20は、
前記サブフレーム200と前記メインフレーム100とを固定する際に、前記下部挿通孔223(ピン230)が前記メインフレーム100のフック121と係合した状態で、前記上部挿通孔224が前記メインフレーム100のメインフレーム側挿通孔123と係合可能な取付位置(所定の位置)に前記サブフレーム200を案内する案内部(凹状部124及び凸状部221a)を具備するものである。
【0080】
このように構成することにより、フロントローダ20を車体1に装着する際の作業性をより向上させることができる。
具体的には、下部挿通孔223(に挿通されたピン230)でメインフレーム100に支持された状態で上部挿通孔224の位置を合わせることができるので、作業性を向上させることができる。
【0081】
また、前記案内部は、
前記サブフレーム200に設けられ、車体後方向(一方向)に突出するように形成された凸状部221aと、
前記メインフレーム100に設けられ、前記車体後方向と反対の車体前方向(他方向)に窪むように形成され前記凸状部221aに当接可能な凹状部124と、
を具備するものである。
【0082】
このように構成することにより、簡易な構成で取付位置にサブフレーム200を案内することができる。
【0083】
また、前記取付部材220は、
互いに間隔をおいて設けられた一対の側面部221を有し、前記一対の側面部221の間に前記メインフレーム100の少なくとも一部を収容するように形成され、
前記凸状部221aは、
前記一対の側面部221から前記車体後方向に突出するように形成されるものである。
【0084】
このように構成することにより、サブフレーム200の加工を容易とすることができる。
具体的には、一対の側面部221の内側に案内部を加工する必要がないので、サブフレーム200の加工のし易さを向上させることができる。
【0085】
また、前記サブフレーム200は、
前記ブーム300を支持する一対の板状部材210を具備し、
前記一対の板状部材210は、
前記取付部材220を嵌合可能に形成された貫通孔211(嵌合部)を具備し、
前記取付部材220は、
前記貫通孔211に嵌合された状態で前記一対の板状部材210に固定されているものである。
【0086】
このように構成することにより、取付部材220をサブフレーム200の一対の板状部材210に強固に固定することができる。
【0087】
また、前記貫通孔211は、
前記一対の板状部材210を貫通するように形成されているものである。
【0088】
このように構成することにより、簡易な構成で取付部材220を板状部材に取り付けることができる。
【0089】
また、前記取付部材220は、
鋳造又は鍛造により成形された部材である。
【0090】
このように構成することにより、取付部材220を成形するコストの低減を図ることができる。
【0091】
また、トラクタは、フロントローダ20を備えるものである。
【0092】
このように構成することにより、車体1への着脱容易性を維持しつつ、メインフレーム100とサブフレーム200との係合部に発生するがたつきを低減することができる。
【0093】
なお、本実施形態に係る取付部材220は、本発明に係る一体部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る凹状部124及び凸状部221aは、本発明に係る案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る下部挿通孔223は、本発明に係る第一係合部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上部挿通孔224は、本発明に係る第二係合部の実施の一形態である。
【0094】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0095】
例えば、本実施形態においては、取付部材220は、鋳造又は鍛造により成形されることで一体的に形成されるものとしたが、複数の部材が集合して(溶接等により固定されて)形成されるものとは異なり、1つの材料から一体的に形成されるものであればよく、例えば切削により形成されるものであってもよい。
【0096】
また、本実施形態においては、下部挿通孔223(第一係合部)は、ピン230を介してメインフレーム100(のフック121)と係合している。また、上部挿通孔224(第二係合部)は、固定ピン500を介してメインフレーム100(のメインフレーム側挿通孔123)と係合している。このように、本発明に係る第一係合部及び第二係合部は、メインフレームに対して直接的に係合するものでなくてもよく、本実施形態のように間接的に係合するものであってもよい。また、サブフレーム200とメインフレーム100との係合の態様はこれに限定されるものではなく、任意の態様とすることができ、例えば2箇所とも固定ピン500で固定するものであってもよい。
【0097】
以下では、
図17から
図19を参照して、本発明の第二実施形態に係るフロントローダ20について説明する。なお、
図19においては、後述するサブフレーム側平面部225の位置及び形状を明確にするために、取付部材220を断面図で表している。
【0098】
第二実施形態に係るフロントローダ20が、第一実施形態に係るフロントローダ20と異なる主な点は、サブフレーム200(板状部材210)の貫通孔211に代えて切欠部212を具備する点、サブフレーム200(取付部材220)の凸状部221aに代えてサブフレーム側平面部225を具備する点、及びメインフレーム100(支持フレーム120)の凹状部124に代えてメインフレーム側平面部125を具備する点である。よって以下では、第二実施形態に係るフロントローダ20のうち第一実施形態に係るフロントローダ20と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0099】
図18に示す切欠部212は、板状部材210の後端の一部が切り欠かれるように形成される。切欠部212は、左右一対の板状部材210それぞれに形成される。切欠部212は、取付部材220を嵌合可能な形状に形成される。
【0100】
図18及び
図19に示すサブフレーム側平面部225は、連結部222の後面の上部に形成された部分である。サブフレーム側平面部225は、面を後下方に向けた平面状に形成される。サブフレーム側平面部225は、上部挿通孔224の略後方に形成される。
【0101】
図19に示すメインフレーム側平面部125は、支持フレーム120の前面の上部に形成された部分である。また、メインフレーム側平面部125は、サブフレーム200をメインフレーム100に装着するときに、サブフレーム200(より詳細には、ピン230)を取付位置に案内するためのものである。メインフレーム側平面部125は、メインフレーム側挿通孔123の前方に形成される。メインフレーム側平面部125は、面を前上方に向けた平面状に形成される。メインフレーム側平面部125は、サブフレーム側平面部225と略平行に形成される。
【0102】
第二実施形態に係るフロントローダ20において、フロントローダ20を車体1に装着する際には、ピン230がフック121に係合した状態で、サブフレーム200をピン230の軸線を中心として右側面視反時計回りに回動する。そうすると、サブフレーム200が所定の角度だけ回動した時点で、取付部材220のサブフレーム側平面部225がメインフレーム側平面部125に当接する。そして、サブフレーム側平面部225がメインフレーム側平面部125に対して摺動することにより、上部挿通孔224がメインフレーム側挿通孔123と側面視で概ね同じ位置に案内される。これにより、上部挿通孔224及びメインフレーム側挿通孔123に固定ピン500を挿通することができ、ひいてはサブフレーム200をメインフレーム100に固定することができる。
【0103】
以上の如く、第二実施形態において、前記案内部は、
前記サブフレーム200に設けられ、平面状に形成されたサブフレーム側平面部225と、
前記メインフレーム100に設けられ、平面状に形成され前記サブフレーム側平面部225に当接可能なメインフレーム側平面部125と、
を具備するものである。
【0104】
このように構成することにより、簡易な構成で取付位置(所定の位置)にサブフレーム200を案内することができる。
【0105】
また、前記一対の板状部材210は、
前記取付部材220を嵌合可能に形成された切欠部212(嵌合部)を具備し、
前記切欠部212は、
前記一対の板状部材210の端面の一部が切り欠かれるように形成されているものである。
【0106】
このように構成することにより、簡易な構成で取付部材220を板状部材210に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 車体
20 フロントローダ
100 メインフレーム
123 メインフレーム側挿通孔
124 凹状部
125 メインフレーム側平面部
200 サブフレーム
210 板状部材
212 切欠部
220 取付部材
221 側面部
221a 凸状部
223 下部挿通孔
224 上部挿通孔
225 サブフレーム側平面部
500 固定ピン