IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図1
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図2
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図3
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図4
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図5A
  • 特許-無煙タバコ用小袋 図5B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】無煙タバコ用小袋
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20240509BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/16
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021041038
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2017529638の分割
【原出願日】2015-12-03
(65)【公開番号】P2021097704
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】14/561,736
(32)【優先日】2014-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール・スチュアート・チャップマン
(72)【発明者】
【氏名】デイビット・トロイ・ターフラー
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-122237(JP,A)
【文献】特開2011-000004(JP,A)
【文献】特表2013-532490(JP,A)
【文献】特表2014-519324(JP,A)
【文献】特表2017-536129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 13/00
A24B 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に空洞を画定するように形成された、透水性布製小袋と、
前記透水性布製小袋の前記空洞内に含有された組成物であって、繊維質植物材料と、口腔条件下で前記組成物から放出可能である風味成分とを少なくとも含む組成物と、
アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ホルムアルデヒド、ニコチン、ニコチン由来のニトロソアミンケトン(NNK)、N-ニトロソノルニコチン(NNN)、その誘導体、その分解生成物、その前駆体、及びそれらの組み合わせの1つ以上の、ユーザの口内への放出を防ぐ放出改質剤と
を備える、袋状製品であって、
袋状製品は、風味成分が、口腔条件下で組成物からユーザの口内に放出されるように構成される、袋状製品。
【請求項2】
透水性布製小袋が、繊維の不織ウェブから形成される、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項3】
透水性布製小袋が、天然繊維を備える、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項4】
透水性布製小袋が、合成繊維を備える、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項5】
透水性布製小袋が、セルロース系繊維を備える、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項6】
透水性布製小袋が、熱融着可能なバインダー繊維を備える、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項7】
透水性布製小袋が、2つ以上の層で構成される、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項8】
2つ以上の層が互いに接着している、請求項7に記載の袋状製品。
【請求項9】
2つ以上の層がそれぞれ異なる性質を示す、請求項7に記載の袋状製品。
【請求項10】
透水性布製小袋内に存在する1つ以上のカプセルを含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項11】
1つ以上のカプセルが、そこに含有される成分を放出できるように粉砕可能である、請求項10に記載の袋状製品。
【請求項12】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の吸着剤を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項13】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の吸収剤を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項14】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の分子インプリントポリマー(MIPS)を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項15】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の非分子インプリントポリマー(NIPS)を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項16】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の植物を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項17】
前記1つ以上の剤が、1つ以上の抗酸化物質を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項18】
繊維質植物材料が、タバコ抽出物を含有するように処理される、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項19】
組成物がタバコを含む、請求項1に記載の袋状製品。
【請求項20】
組成物がタバコ誘導体を含む、請求項1に記載の袋状製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコから作製もしくは由来するか、さもなければタバコを組み込み、ヒトの消費を意図した製品に関する。より具体的には、本開示は、無煙タバコと組み合わせて経口使用に好適な袋状製品を形成し得るフリースに関する。
【背景技術】
【0002】
経口用を意図した様々な製品は、透湿性小袋またはサシェを用いている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyらに対する米国特許公開第2011/0303511号、及びDugginsらに対する同第2013/0206150号に記載される背景技術に参照される、代表的な無煙タバコ製品、ならびに様々な無煙タバコ配合物、成分、及び加工方法の種類を参照のこと。使用中、そのような小袋またはサシェは、ユーザの口の中に挿入され、これらの小袋またはサシェ内に含有された水溶性の構成成分が、唾液との相互作用の結果として放出される。
【0003】
一般的に「スヌース」と称される製品は、例えば、封止された小袋内に組み込まれた挽いたタバコ材料を含んでいる。代表的な種類のスヌース製品は、欧州、特にスウェーデンで、Swedish Match AB(例えば、General、Ettan、Goteborgs Rape、及びGrovsnus等のブランド名で)、Fiedler&Lundgren AB(例えば、Lucky Strike、Granit、Krekt、及びMocca等のブランド名で)、JTI Sweden AB(例えば、Gustavus等のブランド名で)、及びRocker Production AB(例えば、Rocker等のブランド名で)等の企業によって、またはこれらを通じて製造されている。他の種類のスヌース製品は、Philip Morris USA,Inc.(例えば、Marlboro Snus等のブランド名で)、U.S.Smokeless Tobacco Company(例えば、SKOAL Snus等のブランド名で)、及びR.J.Reynolds Tobacco Company(例えば、CAMEL Snus等のブランド名で)等の企業を通じて、米国で市販されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Bryzgalovらによる1N1800 Life Cycle Assessment、Comparative Life Cycle Assessment of General Loose and Portion Snus(2005)も参照のこと。
【0004】
様々な種類のスヌース製品、ならびにこれらの製品に対する構成成分及びこれらの製品に関連する構成成分を加工する方法が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Schleefらに対する米国特許第8,067,046号、及びHolton,Jr.らに対する同7,861,728号;Lundinらに対する米国特許公開第2004/0118422号;Torrenceらに対する同第2008/0202536号;Muaらに対する同第2009/0025738号;Geeらに対する同第2011/0180087号;Zhuangらに対する同第2010/0218779号;Robinsonらに対する同第2010/0294291号;Zimmermannに対する同第2010/0300465号;Dubeらに対する同第2011/0061666号;Williamsらに対する同第2011/0303232号;Molaらに対する同第2012/0067362号;Kawataらに対する同第2012/0085360号;Sebastianらに対する同第2012/0103353号及びKobalらに対する同第2012/0247492号;ならびにAtchleyらに対する国際特許公開第WO05/063060号及びOnnoに対する同第WO08/56135号を参照のこと。加えて、スヌースの製造に関連する一定の品質基準は、いわゆるGothiaTek基準としてまとめられている。さらに、スヌース型の製品の製造に有用な様々な手段及び方法が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lindenに対する米国特許第4,607,479号及びNielsenに対する同第4,631,899号;ならびにWintersonらに対する米国特許公開第2008/0156338号;Brinkleyらに対する同第2010/0018539号;Boldriniに対する同第2010/0059069号;Boldriniに対する同第2010/0071711号;Boldriniに対する同第2010/0101189号;Boldriniに対する同第2010/0101588号;Boldriniに対する同第2010/0199601号;Fallonに対する同第2010/0200005号;Grussらに対する同第2010/0252056号;Gunterらに対する同第2011/0284016号;Grussらに対する同第2011/0239591号;Brinkleyらに対する同第2011/0303511号;Novak IIIらに対する同第2012/0055493号及びHanssonらに対する同第2012/0103349号;ならびにWintersonらに対する国際特許公開第WO2008/081341号及びCecilらに対する同第WO2008/146160号を参照のこと。さらに、スヌース製品は、Merz Verpackungmaschinen GmBH製のSB51-1/T、SBL50及びSB53-2/Tとして市販されているもの等の機械を用いて製造され得る。
【0005】
タバコ代用品(または、タバコ及びタバコ代用品の組み合わせ)を含有する小袋またはサシェを用いた一定の種類の製品がまた、提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Kjerstadに対する米国特許第5,167,244号及びWintersonらに対する同第7,950,399号;ならびにHanssonらに対する米国特許公開第2005/0061339号;Essenらに対する同第2011/0041860号及びBeesonらに対する同第2011/0247640号を参照のこと。
【0006】
ニコチン置換療法(NRT)型の製品(例えば、Niconovum ABを通じてZONNIC(登録商標)の商品名で流通されている医薬製品)に対して使用されるもの等、ニコチンを含有する小袋またはサシェを用いた一定の種類の製品が使用されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Rayらに対する米国特許第4,907,605号;Axelssonらに対する米国特許公開第2009/0293895号及びBrinkleyらに対する同第2011/0268809号;ならびにAxelssonらに対する国際特許公開第WO2010/031552号及びNilssonに対する同第WO2012/134380号に記載される小袋材料及びニコチン含有配合物の種類も参照のこと。
【0007】
タバコは、無煙タバコ組成物内でそこから放出するのがより望ましい、またはより望ましくない場合がある多数の構成物質を含むことが知られている。使用中にそこから放出し得る一定の構成物質の量を改変するように構成される無煙タバコ製品を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許公開第2011/0303511号明細書
【文献】米国特許公開第2013/0206150号明細書
【文献】米国特許第8,067,046号明細書
【文献】米国特許第7,861,728号明細書
【文献】米国特許公開第2004/0118422号明細書
【文献】米国特許公開第2008/0202536号明細書
【文献】米国特許公開第2009/0025738号明細書
【文献】米国特許公開第2011/0180087号明細書
【文献】米国特許公開第2010/0218779号明細書
【文献】米国特許公開第2010/0294291号明細書
【文献】米国特許公開第2010/0300465号明細書
【文献】米国特許公開第2011/0061666号明細書
【文献】米国特許公開第2011/0303232号明細書
【文献】米国特許公開第2012/0067362号明細書
【文献】米国特許公開第2012/0085360号明細書
【文献】米国特許公開第2012/0103353号明細書
【文献】米国特許公開第2012/0247492号明細書
【文献】国際特許公開第2005/063060号
【文献】国際特許公開第2008/56135号
【文献】米国特許第4,607,479号明細書
【文献】米国特許第第4,631,899号明細書
【文献】米国特許公開第2008/0156338号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0018539号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0059069号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0071711号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0101189号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0101588号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0199601号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0200005号明細書
【文献】米国特許公開第第2010/0252056号明細書
【文献】米国特許公開第第2011/0284016号明細書
【文献】米国特許公開第第2011/0239591号明細書
【文献】米国特許公開第第2012/0055493号明細書
【文献】米国特許公開第第2012/0103349号明細書
【文献】国際特許公開第2008/081341号
【文献】国際特許公開第2008/146160号
【文献】米国特許第5,167,244号明細書
【文献】米国特許第第7,950,399号明細書
【文献】米国特許公開第2005/0061339号明細書
【文献】米国特許公開第第2011/0041860号明細書
【文献】米国特許公開第第2011/0247640号明細書
【文献】米国特許第4,907,605号明細書
【文献】米国特許公開第2009/0293895号明細書
【文献】米国特許公開第第2011/0268809号明細書
【文献】国際特許公開第2010/031552号
【文献】国際特許公開第2012/134380号
【非特許文献】
【0009】
【文献】Bryzgalovらによる1N1800 Life Cycle Assessment、Comparative Life Cycle Assessment of General Loose and Portion Snus(2005)
【発明の概要】
【0010】
本発明は、組成物の1つ以上の構成成分の経口送達のための製品に関する。より具体的には、組成物は、小袋の形態でフリース(すなわち、透水性布)内に保持され得、組成物のうちの1つ以上の構成成分の送達は、フリースからの1つ以上の構成成分の放出を部分的に、または実質的に完全に防ぐように改質され得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、本開示は、袋状製品に関する。具体的には、袋状製品は、その中に空洞を画定するように形成された透水性布製小袋を備え得る。組成物は、透水性布製小袋の空洞内に含有され得、また、組成物は、口腔条件下で組成物から放出され、透水性布製小袋を通して移動することが可能である1つ以上の放出性構成成分を含み得る。放出改質剤がまた、空洞内に含まれる場合があり、さもなければ透水性布と組み合わされ得、また、放出改質剤は、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つと反応し、それによって透水性布製小袋からのその放出を改質するように適合され得る。
【0012】
様々な実施形態において、袋状製品を、1つ以上の特定の要素、特徴、または機能によって定義することができる。具体的には、袋状製品を、任意の組み合わせでの下記の説明のうちの1つ以上によって定義することができる。
【0013】
布製小袋は、繊維の不織ウェブから形成され得る。
【0014】
布は、天然繊維を備え得る。
【0015】
布は、合成繊維を備え得る。
【0016】
布は、セルロース系繊維を備え得る。
【0017】
布は、熱融着可能なバインダー繊維を備え得る。
【0018】
放出改質剤は、布の一部を形成し得る。
【0019】
透水性布製小袋は、放出改質剤を注入され得る。
【0020】
放出改質剤は、透水性布製小袋の少なくとも一部分によって吸着され、または吸収され得る。
【0021】
透水性布製小袋は、濾材を備え得る。
【0022】
放出改質剤は、透水性布製小袋の空洞内に含有された組成物と混合され得る。
【0023】
放出改質剤は、透水性布製小袋からの結合構成部分の少なくとも一部分の放出を実質的に防ぐように、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つと結合するように適合され得る。
【0024】
放出改質剤は、封入形態にあり得る。
【0025】
放出改質剤は、透水性布製小袋からのその放出前、または放出中に、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つを化学的に、または物理的に改質するように適合され得る。
【0026】
放出改質剤は、アセトアルデヒド、砒素、ベンゾ[a]ピレン、カドミウム、クロトンアルデヒド、ホルムアルデヒド、ニコチン、ニコチン由来のニトロソアミンケトン(NNK)、N-ニトロソノルニコチン(NNN)、その誘導体、その分解生成物、その前駆体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分と反応するように適合され得る。
【0027】
放出改質剤は、吸着剤、吸収剤、分子インプリントポリマー(MIPS)、非分子インプリントポリマー(NIPS)、植物、抗酸化物質、キレート剤、シクロデキストリン類、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0028】
透水性布製小袋の空洞内の組成物は、粒子状タバコ材料、ニコチン、ニコチン及び/または香味剤を含有するように処理された粒子状非タバコ材料、ならびにタバコ抽出物を含有するように処理された繊維質植物材料のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0029】
本発明は、これらに限定されない以下の実施形態を含む。
【0030】
実施形態1:袋状製品であって、その中に空洞を画定するように形成された透水性布製小袋と、透水性布製小袋の空洞内に含有された組成物であって、口腔条件下で組成物から放出され、かつ透水性布製小袋を通して移動することが可能である1つ以上の放出性構成成分を含む、組成物と、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つと反応し、それによって透水性布製小袋からのその放出を改質するように適合された放出改質剤と、を備える、袋状製品。
【0031】
実施形態2:布製小袋が、繊維の不織ウェブから形成される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0032】
実施形態3:布が、天然繊維を備える、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0033】
実施形態4:布が、合成繊維を備える、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0034】
実施形態5:布が、セルロース系繊維を備える、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0035】
実施形態6:布が、熱融着可能なバインダー繊維を備える、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0036】
実施形態7:放出改質剤が、布の一部を形成する、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0037】
実施形態8:透水性布製小袋が、放出改質剤を注入される、先行または後続の実施形態の袋状製品。
【0038】
実施形態9:放出改質剤が、透水性布製小袋の少なくとも一部分によって吸着され、または吸収される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0039】
実施形態10:透水性布製小袋が、濾材を備える、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0040】
実施形態11:放出改質剤が、透水性布製小袋の空洞内に含有された組成物と混合される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0041】
実施形態12:放出改質剤が、透水性布製小袋からの結合構成成分の少なくとも一部分の放出を防ぐように、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つと結合するように適合される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0042】
実施形態13:放出改質剤が、封入形態にある、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0043】
実施形態14:放出改質剤が、透水性布製小袋からのその放出前に、または放出中に、組成物内の1つ以上の放出性構成成分のうちの少なくとも1つを化学的に、または物理的に改質するように適合される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0044】
実施形態15:放出改質剤が、アセトアルデヒド、砒素、ベンゾ[a]ピレン、カドミウム、クロトンアルデヒド、ホルムアルデヒド、ニコチン、ニコチン由来のニトロソアミンケトン(NNK)、N-ニトロソノルニコチン(NNN)、その誘導体、その分解生成物、その前駆体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分と反応するように適合される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0045】
実施形態16:放出改質剤が、吸着剤、吸収剤、分子インプリントポリマー(MIPS)、非分子インプリントポリマー(NIPS)、植物、抗酸化物質、キレート剤、シクロデキストリン類、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0046】
実施形態17:透水性布製小袋の空洞内の組成物が、粒子状タバコ材料、ニコチン、ニコチン及び/または香味剤を含有するように処理された粒子状非タバコ材料、及びタバコ抽出物を含有するように処理された繊維質植物材料のうちの少なくとも1つを含む、先行または後続の実施形態のいずれか1つに記載の袋状製品。
【0047】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の詳細な説明を、以下に簡潔に記載される付随の図面と一緒に読むことから、明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が、本明細書の特定の実施形態の説明で明示的に組み合わされているか否かに関係なく、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ以上の任意の組み合わせと、本開示に記載される、任意の2つ、3つ、4つ以上の特徴または要素の組み合わせとを含む。本開示は、文脈が明らかに指示しない限り、本開示の種々の態様及び実施形態のいずれかにおいて開示される本発明のいずれの分離可能な特徴または要素も、組み合わせ可能であると意図されると見なされるべきであるように、全体的に読まれることが意図される。
【0048】
以上本発明を概括的に説明したが、これより必ずしも縮尺比で描画されていない付随の図面に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有する透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
図2】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有し、かつ放出改質剤を含む、透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
図3】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有し、かつ粒子状形態での放出改質剤を含む、透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
図4】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有し、かつ個々のフリース容器内に放出改質剤を含む、透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
図5A】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有し、かつカプセル化された放出改質剤を含む、透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
図5B】本開示の実施形態に従った、その中に組成物を有し、かつ放出改質剤を包囲する複数のカプセルを含む、透水性布製小袋から形成された袋状製品の図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明はこれより、以降さらに完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきでなく、むしろこれらの実施態様は、本開示が徹底的かつ完全に、また当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように、提供される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈が明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0051】
本開示の様々な実施形態に従って、ユーザの口に挿入するように構成される袋状製品が、提供されている。袋状製品は、外側要素としての透水性布製小袋と、内側要素としての1つ以上の放出性構成成分を含む組成物とを備え得る。透水性布製小袋は、特に、組成物が位置し得る空洞を画定し得る。小袋内に位置付けられる組成物は、透水性布製小袋を通して移動することができる1つ以上の放出性構成成分を含有する任意の組成物であり得る。非制限的な例となる組成には、茶またはコーヒー材料(例えば、醸造または浸漬用に適合された飲料用小袋との関連で)もしくは経口用に適合された組成物(例えば、スヌースまたはニコチン置換療法の製品等のタバコ由来製品)が含まれる。ある特定の実施形態において、小袋の空洞内の組成物は、粒子状タバコ材料、ニコチン、ニコチン及び/または香味剤を含有するように処理された粒子状非タバコ材料(例えば、微結晶セルロース)、及びタバコ抽出物を含有するように処理された繊維質植物材料(例えば、ビートパルプ繊維)のうちの少なくとも1つを含み得る。経口用に適合された組成物との特定の関連において、組成物内の放出性構成成分は、口腔条件下で組成物から放出される構成成分であり得る。
【0052】
口腔条件は、ユーザの口内の物品の存在と関連する1つ以上の特徴(任意の組み合わせで)を包含し得る。例えば、口腔条件は、ヒトの口内に一般的に見られる温度、湿度、及びpH、ならびにせん断力、圧縮力、及び噛んでいる間の歯によって加えられ得る他の機械的な力の任意の組み合わせを含み得る。口腔条件は、特に、唾液との接触に関連し得る。例えば、口内の唾液は、構成成分が透水性布製小袋を通してユーザの口内へと潜在的に移動するように組成物から解放されるように、放出性構成成分を少なくとも部分的に可溶化し得る。口腔条件は、フリース(すなわち、透水性布)を通した移動を含めて、溶媒を介した自由な移動のために組成物から移動させるように、放出性構成成分が溶媒内で可溶化される条件を含み得る。そのため、いくつかの実施形態において、口腔条件は、袋状製品が任意の水性溶媒と接触する総称と見なされ得る。
【0053】
袋状製品100の例となる実施形態が、図1に示され、経口用に適合された組成物115を含有する小袋の形態での透水性布120を備え得る。本明細書に図示されている透水性布製小袋の配向、大きさ、及び種類、ならびに経口用に適合された組成物の種類及び性質は、その制限として解釈されない。
【0054】
様々な実施形態において、透湿性包みまたは小袋は、組成物の使用のための容器として作用し得る。図1に示されている実施形態における透水性布製小袋120等の、そのような包みまたは小袋の組成物/構成は、本明細書で述べたように異なり得る。例えば、本開示に従って使用するのに好適であり得る、無煙タバコ製品の製造用に使用される種類の好適な包み、小袋、または容器は、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、及びTreAnkrare等の商品名で市販されている。本明細書に記載される袋状製品の様々な実施形態と同様の形状及び形態の小袋型の製品は、ZONNIC(Niconovum ABを通じて流通されている)として市販されている。さらに、袋状製品の様々な実施形態と略同様の形状及び形態の小袋型の製品は、本明細書に記載されるような袋状製品を製造するために使用され得る、賦形剤の成分及び加工条件を使用して製造された、参照により本明細書に組み込まれる、Axelssonらに対する国際特許第WO2007/104573号の実施例1における嗅ぎタバコ入れの組成物E~Jとして記載されている。
【0055】
本開示の様々な実施形態において、経口用に適合された組成物を収容するための小袋として有用な透水性布は、不織ウェブを備え得る。使用中、ユーザは、経口用に適合された組成物を含有する1つの袋状製品をヒト被検者/ユーザの口内に置くことができる。口腔条件、特に唾液との接触により、組成物の1つ以上の構成成分(すなわち、「放出性構成成分」)が組成物から放出される。放出性構成成分は、好ましくは、透水性布製小袋を通してユーザの口内へと移動することができる。小袋は、好ましくは、飲み込まれない。小袋は、小袋を実質的に引き裂き、さもなければ小袋を貫通し、組成物が口内に流出することを可能にするように、噛みを被り得るが、好ましくは、噛みつぶされない。ユーザは、風味及び満足感を与えられ、製品のいずれの部分も吐き出す必要がない。ユーザによる使用/享受に好適な時間の経過後(例えば、約10分~約60分、一般的には約15分~約45分)、放出性構成成分の実質的な量が、ヒト被検者によって摂取され得、小袋は、廃棄するためにヒト被検者の口から取り除かれ得る。
【0056】
小袋は、特に唾液と接触するとき、その中に含有された組成物からの放出性構成成分の移動を可能にするように、ヒトの口内で使用するのに好適であり、かつ十分な透湿性、液体透過性、及び/または透水性を有する任意の材料から形成され得る。本明細書で使用される場合、「透水性」という用語は、唾液透過性を特に含む。
【0057】
小袋材料は、茶袋の構成のために使用されるメッシュ状の種類の材料と同様の特徴を有すると見なされ得る種類からなり得る。経口用に適合された緩く配置された組成物の構成成分は、小袋を通してユーザの口内へと(または、例えば、袋状製品が茶袋等であり得る実施形態において、袋状製品が配置され得る流体等、周囲の環境へと)容易に拡散する。袋状製品に好適な布材料は、通常の使用条件下で、有意な量の組成物の放出性構成成分が、小袋がその物理的完全性の損失を被る時間より前に、小袋を通して浸透するように設計され、かつ製造され得る。所望により、風味成分、分解補助剤、及び他の所望の構成成分が、小袋材料内に組み込まれ、またはこれに適用され得る。
【0058】
様々な種類の小袋材料及び小袋製造技術を、下により詳細に論じる。小袋を形成する透水性布は、概して、粉末状、粒状、細断された、またはバルク固形形態にあり得る組成物を、特に乾燥状態で含有するのに好適である。透水性布はまた、好ましくは、口腔条件下で組成物を含有すると同時に、組成物の放出性構成成分(すなわち、可溶化された構成成分)のそこを通した移動を可能にする。いくつかの実施形態において、透水性布は、一定の粒子径を超えて固体を保持するように適合されると同時に、唾液ならびに組成物の可溶化された構成成分内に消散され得る所定の大きさ未満の粒子がそこを通して移動することを可能にする、基本構造を有し得る。
【0059】
本明細書に記載される袋状製品は、タバコ含有組成物及び/またはニコチン含有医薬組成物である、経口用に適合された組成物を特に含み得る。すなわち、経口用に適合された組成物は、スヌース型の製品の製造のために一般的に使用される種類(例えば、「一部分」とも時に称される封止された透湿性小袋)等、小袋または袋等の容器内に含有され得る。
【0060】
本開示の一定の経口製品は、ニコチアナ種の植物のある特定の形態を組み込み、最も好ましくは、これらの組成物または製品は、ある特定の形態のタバコを組み込む。ニコチアナ種からの植物の選択は、異なる場合があり、具体的には、タバコまたは複数のタバコの種類は、異なり得る。用いられ得るタバコには、黄色種またはバージニア(例えば、K326)、バーレー、サンキュア―ド(例えば、Katerini、Prelip、Komotini、Xanthi、及びYambolタバコを含む、インディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ)、メリーランド、ダーク、ダークファイアード、ダークエアーキュアード(例えば、Passanda、Cubano、Jatin、及びBezukiタバコ)、ライトエアーキュアード(例えば、North Wisconsin及びGalpaoタバコ)、インディアンエアーキュア―ド、レッドロシアン及びルスティカタバコ、ならびに様々な他の貴重なまたは名産のタバコが含まれる。本発明における使用に好適なニコチアナ種の種類についてのさらなる情報は、参照により本明細書に組み込まれる、Dubeらに対する米国特許出願公開第2012/0192880号で見ることができる。
【0061】
本発明に従って使用されるニコチアナ種の植物の一部分または複数の部分は、異なり得る。例えば、植物の事実上すべて(例えば、全体的な植物)を収穫することができ、そのため用いることができる。あるいは、植物の様々な部分または片を収穫し、または収穫後にさらに使用するために分離することができる。例えば、葉、茎、柄、根、葉身、花、種、及び様々な部分及びそれらの組み合わせを、さらなる使用または処理のために分離することができる。したがって、本発明の植物材料は、ニコチアナ種の全体的な植物または植物の任意の一部分を含み得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Coleman,IIIらに対する米国特許出願公開第2011/0174323号及びDubeらに対する同第2012/0192880号に記載されるタバコ植物の部分を参照のこと。
【0062】
タバコ材料は、冷凍、凍結、乾燥(例えば、凍結乾燥または噴霧乾燥)、照射、黄変、加熱、調理(例えば、焙煎、揚げ、または煮沸)、発酵、漂白等の様々な処理プロセスを被り得、さもなければ後で使用するための保管または処理を被り得る。例となる加工技術は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyらに対する米国特許出願公開第2009/0025739号及びColeman,IIIらに対する同第2011/0174323号に記載されている。
【0063】
ニコチアナ種の植物の収穫部分または複数の部分を、物理的に加工することができる。ある特定の実施形態において、タバコ材料は、粒子として記載され得る形態(すなわち、細断され、挽かれ、粒子または粉末形態)で使用される。タバコ材料が細かく分割され、または粉末型の形態で提供される様式は、異なり得る。好ましくは、植物の部分または片は、製粉、粉挽き等の機械及び技術を用いて、粒子形態に粉砕され、挽かれ、または粉末化される。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミル等の機械を用いて、製粉または粉挽き中、比較的乾燥した形態にある。
【0064】
ある特定の実施形態において、タバコ組成物または製品に用いられるタバコ材料の少なくとも一部分は、抽出物の形態を有し得る。タバコ抽出物は、蒸留水または水道水等の水性特性を有する溶媒を用いてタバコを抽出することによって得られ得る。そのため、水性タバコ抽出物は、水でタバコを抽出させることによって提供され得、その結果、非水溶性パルプ材料が水性溶媒、及びその中に溶解され、かつ消散された水溶性及び分散性タバコ構成成分から分離される。タバコ抽出技術及びタバコ抽出加工技術は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Holton,Jrに対する米国特許公開第2013/0312774号に記載されている。
【0065】
ある特定の実施形態において、本発明の袋状製品は、ニコチン性化合物を含み得る。様々なニコチン性化合物及びそれらを投与するための方法が、参照により本明細書に組み込まれる、Borschkeに対する米国特許公開第2011/0274628号に記載されている。本明細書で使用される場合、「ニコチン性化合物」または「ニコチンの源」とは、植物材料から未結合の自然に生じる、または合成のニコチン性化合物を指すことが多く、これは、化合物が少なくとも部分的に精製され、タバコの葉等の植物構造内に含有されないことを意味している。最も好ましくは、ニコチンは、自然に生じ、ニコチアナ種(例えば、タバコ)からの抽出物として得られる。ニコチンは、エナンチオマー形態のS(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、またはS(-)-ニコチンとR(+)-ニコチンとの混合物を有し得る。最も好ましくは、ニコチンは、S(-)-ニコチンの形態(例えば、事実上すべてのS(-)-ニコチンである形態)にあり、または、主にもしくは大部分がS(-)-ニコチンから構成されるラセミ混合物(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチン及び約5重量部のR(+)-ニコチンから構成される混合物)である。最も好ましくは、ニコチンは、事実上純粋な形態で、または本質的に純粋な形態で用いられる。用いられる高度に好適なニコチンは、約95重量パーセントを超える、より好ましくは約98重量パーセントを超える、最も好ましくは約99重量パーセントを超える純度を有する。
【0066】
ニコチン性化合物は、遊離塩基形態、塩形態で、複合体として、または溶媒和物として含まれ得る。例えば、参照として本明細書に組み込まれる、Hanssonに対する米国特許公開第2004/0191322号における遊離塩基形態でのニコチンの議論を参照のこと。ニコチン性化合物の少なくとも一部分は、ニコチンの樹脂複合体の形態で用いられることができ、ニコチンは、ニコチンポラクリレックス等のイオン交換樹脂において結合される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lichtneckertらに対する米国特許第3,901,248号を参照のこと。ニコチンの少なくとも一部分は、塩の形態で用いられ得る。ニコチンの塩は、参照により本明細書に組み込まれる、Coxらに対する米国特許第2,033,909号及びLawsonらに対する同第4,830,028号、ならびにPerfetti,Beitrage Tabakforschung Int.,12:43-54(1983)に記載される成分及び技術の種類を用いて提供され得る。また、参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyらに対する米国特許公開第2011/0268809号を参照のこと。さらに、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.等の製造元を通じて市販されている。
【0067】
ニコチン含有製品またはタバコ含有製品の製造に特に有用な代表的な種類の賦形剤または他の追加の成分には、充填剤または活性成分用担体(例えば、ポリカルボフィルカルシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、ビートパルプ繊維、二酸化珪素、または炭酸カルシウム)、増粘剤、皮膜形成剤、及び結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アカシア、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、及びゼラチン)、緩衝剤、及びpH制御剤(例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、重炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物)、粘着防止剤(例えば、タルク)、流動促進剤(例えば、コロイダルシリカ)、天然または人工甘味料(例えば、サッカリン、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、イソマルト、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、及びスクロース)、保湿剤(例えば、グリセリン)、保存剤、及び抗酸化物質(例えば、安息香酸ナトリウム、及びアスコルビン酸パルミテート)、界面活性剤(例えばポリソルベート80)、天然または人工風味(例えば、ミント、シナモン、チェリー、または他の果実風味)、染料、または顔料(例えば、二酸化チタンまたはD&Cイエロー10番)、及び潤滑剤または加工助剤(例えば、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウム)が含まれる。一定の種類のニコチン含有製品またはタバコ含有製品はまた、許容可能な外側塗料を提供することができる成分から構成される外側塗料を有し得る(例えば、外側塗料は、カルナバワックス、及び医薬的に許容可能な形態のセラック、艶出し組成物、及び表面研磨剤等の成分から構成され得る)。本明細書で記載される製品に使用される接着剤、塗料、着色剤、及び他の成分は、概して、安全、非毒性で摂取可能な、さもなければ経口に好適なものとして認識され得る。
【0068】
様々な組み合わせの材料が、透水性布製小袋によって画定された空洞内に含有される組成物を形成する際に使用され得る。したがって、組成物は、風味構成成分等、ユーザによってユーザの口へと放出されることを所望される多数の放出性構成成分を含み得る。しかしながら、いくつかの組成物は、口腔条件下で口内へと放出されることを、部分的に、実質的に完全に、または完全に防ぐことを所望される放出性構成成分を含み得る。換言すると、一定の構成成分は口腔条件下で組成物から放出され得るが、そのような構成成分のうちの1つ以上の放出を改質することが望ましい場合がある。
【0069】
様々な実施形態において、袋状製品はまた、放出改質剤を含み得る。具体的には、放出改質剤は、透水性布製小袋内に位置付けられ、それによって透水性布製小袋からのその放出を改質する組成物内の放出性構成成分のうちの少なくとも1つと反応するように適合される材料であり得る。
【0070】
例示的実施形態において、袋状製品200が図2に示され、経口用に適合された組成物215を含有する小袋の形態での透水性布220を備え得る。袋状製品200は、例えば、粒子状の活性炭、または本明細書に記載されるような任意のさらなる材料であり得る、放出改質剤225をさらに含む。
【0071】
本開示に従った有用な放出改質剤は、様々な様式で放出性構成成分の放出を改質するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、放出改質剤は、組成物内の放出性構成成分と結合するように適合され得る。そのような実施形態において、放出改質剤は、放出改質剤が口腔条件下で袋状製品から実質的に解離されない(すなわち、小袋から口への放出が実質的にない)ように、様式内で透水性布製小袋と関連付けられ得る。放出改質剤と透水性布製小袋との間の例となる関連付けは、下にさらに記載される。放出改質剤は透水性布製小袋から解離することを実質的に防ぐため、放出改質剤によって結合された放出性構成成分は、同様に、透水性布製小袋から流出することを実質的に防ぐ。そのような結合によって、放出改質剤は、透水性布製小袋からの放出性構成成分(すなわち、結合構成成分)の少なくとも一部分の放出を防ぐ。
【0072】
結合剤である放出改質剤は、放出性構成成分の重量当たり最大100%まで透水性布製小袋内に含有される組成物の塊から放出され得る任意の割合の放出性構成成分を結合させるように構成され得る。例えば、放出改質結合剤は、口腔条件下で組成物から放出される放出性構成成分の重量当たり、約1%~約99.9%、約10%~約99.5%、または約25%~約99%を結合するように構成され得る。したがって、放出改質結合剤は、所望の結合を達成する程度に十分な塊で袋状製品内に含まれ得る。
【0073】
放出改質結合剤により達成された結合は、1つ以上の機構によるものであり得る。例えば、放出改質結合剤は、放出性構成成分を物理的に結合させるように構成され得、放出改質結合剤は、放出性構成成分と共有結合的に結合するように構成され得、放出改質剤は、放出性構成成分とイオンで結合するように構成され得、放出改質剤は、放出性構成成分によるさらなる結合(例えば、水素結合及びファン・デル・ワールズ力)を被るように構成され得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、放出改質剤は、透水性布製小袋からのその放出前、または放出中に、組成物内の放出性構成成分を化学的に、または物理的に改質するように適合され得る。したがって、放出性構成成分は、最終的に透水性布製小袋を通して移動しない材料が、ある程度、最初に放出した放出性構成成分とはある程度異なるように、調整され得る。例えば、放出改質剤は、口内へと放出される放出性構成成分の少なくとも一部分が、透水性布製小袋内の組成物から最初に放出される放出性構成成分に対して酸化形態または還元形態にあるように、酸化剤、または放出性構成成分を酸化し、または還元する還元剤であり得る。さらなる非制限的な例として、放出改質剤は、分解剤として構成される場合があり、放出性構成成分を少なくとも部分的に分解し得る。また別の非制限的な例として、放出改質剤は、放出性構成成分の開裂を促進する結合切断剤として構成され得る。別の非制限的な例として、放出改質剤は、放出性構成成分の誘導体を形成するために放出性構成成分と反応する誘導体化剤として構成され得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、複数の放出性構成成分の放出が改質され得るように、放出改質剤の組み合わせが使用される場合がある。複数の放出改質剤は、異なる放出性構成成分(例えば、放出性構成成分の放出を改質する放出改質剤A及び放出性構成成分の放出を改質する放出改質剤B)の放出を個々に改質し得る。非制限的な例として、複数の別合材を使用して、複数の放出性構成成分を結合させ、したがってその放出を改質することができる。
【0076】
複数の放出改質剤を組み合わせて使用して、同じ放出性構成成分の放出を改質し得る。例えば、第1の放出改質剤を適合させて、放出性構成成分を化学的に、または物理的に改質し得、第2の放出改質剤を適合させて、改質放出性構成成分(例えば、放出性構成成分X’を、そのうちの1つまたは両方が放出改質剤B’によって結合され得る、改質放出性構成成分Z’及びZ’’へと変換する放出改質剤A’)を表す1つ以上の材料を結合させ得る。
【0077】
放出改質剤は、様々な様式で袋状製品へと組み込まれる場合がある。いくつかの実施形態において、放出改質剤は、透水性布の少なくとも一部を形成し得る。例えば、透水性布は、複数の繊維から形成され得、放出改質剤は、繊維の少なくとも一部分に付着され得る(例えば、共有結合的に、イオンで、等)。別の非制限的な例として、繊維の少なくとも一部分は、放出改質剤である材料(例えば、ポリマー材料)から形成され得る。また別の非制限的な例として、透水性布製小袋には、放出改質剤が注入され得る。別の非制限的な例において、放出改質剤は、透水性布製小袋の少なくとも一部分によって吸着され、または吸収され得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、放出改質剤は、粉末または粒子状形態にあり得る。粒子状の放出改質剤は、透水性布に接着し得、さもなければ付着し得る。例えば、図2では、放出改質剤225は、透水性布220に接着した粒子状の活性炭の層であり得る。粒子状の放出改質剤は、透水性布製小袋の空洞に含有された組成物と関連付けられ得る。例えば、図3の袋状製品300に見られるように、粒子状の放出改質剤325は、透水性布320内の組成物315と混合される場合がある。
【0079】
透水性布は、口腔条件下で放出性構成成分がそれを通して移動することを可能にする程度に十分大きくサイズ決めされた多孔性を示し得る。好ましくは、粒子状の放出改質剤は、粒子が布を通過することを実質的に防ぐように、サイズ決めされる。いくつかの実施形態において、放出改質剤の粒子は、透水性小袋の内側に含まれ得る個々の小袋に提供され得る。例えば、図4の袋状製品400に見られるように、粒子状の放出改質剤425は、封じ込めフリース430内に含有され得、組成物415と共に透水性布420内に位置付けられ得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、放出改質剤は、封入形態にあり得る。カプセルは、所望の条件下で放出改質剤の消散を可能にするように構成される材料から形成されるカプセル壁を備え得る。例えば、カプセルは、口腔条件下で溶解され、さもなければ分解するように構成される材料を含み得る。好ましくは、カプセルは、透水性布製小袋内の組成物からの放出性構成成分の放出を改質するように、十分迅速に放出改質剤を消散させるように構成される。別の非制限的な例として、カプセル壁は、せん断力(例えば、噛み)によって破壊され、さもなければ分解するように構成される材料を含み得る。好適なカプセル化材料は、マイクロカプセルに関連して本明細書に記載され得るが、そのような専門用語は、カプセルの大きさの制限と見なされることを意図していない。
【0081】
好適なマイクロカプセルの圧潰強度は、有意な程度の早期の、または望ましくない破損がなく、通常の取り扱い及び保管を可能にするのに十分な強度であり得る。保管中の好適な完全性、及び使用時に破裂し、さもなければ破壊する能力の両方を保持するカプセルの提供は、カプセルの大きさ及び種類等の要因に応じて実験によって決定され得、かつ設計選択事項である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Thomasらに対する米国特許公開第2007/0068540号を参照のこと。
【0082】
例となるカプセルは、ワックス、ゼラチン、シクロデキストリン、またはアルギン酸等の材料を組み込む外側シェルと、いくつかの実施形態において粒子状であり得、または水性または非水性液体(例えば、水またはアルコールもしくは油等の有機液体内の少なくとも1つの放出改質剤の溶液または分散体、または水とアルコールまたはグリセリン等の混和性液体との混合物)であり得る放出改質剤を組み込む内側ペイロードとを含み得る。したがって、例えば、複数のそのようなカプセルが、その中に保持されるように組成物と共に小袋内に組み込まれ得、製品の使用中、カプセルの圧潰または他の破壊により、カプセルがその中に含有された添加剤を放出することが可能になり得る。
【0083】
本発明の袋状製品に使用されるカプセルは、均一または異なる大きさ、重量、及び形状であり得る。代表的なカプセルは、略球状の形状であり得る。しかしながら、好適なカプセルは、略直線状、長方形、楕円形、または卵形等の他の種類の形状を有し得る。例となるマイクロカプセルは、約1~40ミクロン、または約1ミクロン~約20ミクロンの範囲の直径を有するマイクロカプセル等、約100ミクロン未満の直径を有し得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、より大きいカプセルを利用する場合がある。例えば、小袋製品に利用されるカプセルは、直径約0.5mm~約5mm、または約0.6mm~約3mmの大きさを有し得る。
【0085】
袋状製品に組み込まれるカプセルの数は、カプセルの大きさ、ペイロード内の添加剤の特性または性質、小袋内の組成物の所望の属性、及びその所望の放出改質等の要因に応じて異なり得る。いくつかの実施形態において、1つのみのカプセルを含む場合がある。例えば、図5Aの袋状製品500に見られるように、その中に提供された放出改質剤(見えない)を有するカプセル540が、組成物515と共に透水性布520内に位置付けられ得る。したがって、単一のカプセル540は、比較的大きい大きさであり得る。他の実施形態において、複数のカプセルを含む場合がある。例えば、図5Bの袋状製品500’に見られるように、その中に提供された同じまたは異なる放出改質剤(見えない)を各々有する複数のカプセル540’が、組成物515’と共に透水性布520’内に位置付けられ得る。したがって、複数のカプセル540’は、比較的小さい大きさであり得る。具体的には、マイクロカプセルが使用され得る。袋状製品内に組み込まれるカプセルの数は、例えば、約5個を超える可能性があり、約10個を超える可能性があり、約20個を超える可能性があり、約40個を超える可能性があり、かつ約100個を超える可能性さえある。ある特定の実施形態において、カプセル/マイクロカプセルの数は、約500個より大きい可能性があり、約1000個より大きい可能性さえある。
【0086】
無煙タバコ製品内に含有されるカプセルの総重量は異なり得るが、一般的に約10mgより大きく、約20mgより大きいことも多く、約30mgより大きい可能性がある。カプセルの総重量は、一般的に約200mg未満であり、約100mg未満であることも多く、約50mg未満である可能性がある。
【0087】
カプセルは、当該技術分野で知られている任意のカプセル化技術を用いて形成することができる。例えば、マイクロカプセルは、溶媒蒸発、溶媒抽出、有機相分離、界面重合、単純かつ複雑な液滴形成、インサイチュ重合、リポゾームカプセル化、及びナノカプセル化等の様々な化学的カプセル化技術のいずれかを使用して形成され得る。あるいは、吹付塗装、パン塗装、流動床塗装、環状噴流型塗装、回転盤噴霧、吹付冷却、吹付乾燥、吹付冷却、固定ノズル共押出、遠心ヘッド共押出、または浸漬ノズル共押出等のカプセル化の物理的な方法を使用することができる。
【0088】
用いられるカプセル化の方法とは関係なく、カプセルの形成に使用される外側壁またはシェルの材料及び溶媒は、異なり得る。壁またはシェルの材料として一般的に使用される材料の種類には、タンパク質、多糖類、デンプン、ワックス、脂質、天然及び合成ポリマー、ならびに樹脂が含まれる。マイクロカプセルを形成するために使用されるマイクロカプセル化プロセスにおいて使用される例となる材料には、ゼラチン、アカシア(アラビアゴム)、ポリビニルアセテート、アルギン酸カリウム、イナゴマメガム、クエン酸カリウム、カラギナン、ポリメタリン酸カリウム、クエン酸、トリポリリン酸カリウム、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン、精製パラフィンワックス、エチルセルロース、漂白セラック、改質食物デンプン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、クエン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フェロシアン化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、メチルセルロース、トリメタリン酸ナトリウム、メチルエチルセルロース、トリポリリン酸ナトリウム、マイクロクリスタリンワックス、タンニン酸、石油ワックス、テルペン系樹脂、トラガント、ポリエチレン、キサンタンガム、及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0089】
マイクロカプセルは市販されており、例となる種類のマイクロカプセル技術は、Gutcho、Microcapsules and Microencapsulation Techniques(1976);Gutcho、Microcapsules and Other Capsules Advances Since 1975(1979);Kondo、Microcapsule Processing and Technology(1979);Iwamotoら、AAPS Pharm.Sci.Tech.2002 3(3):article 25;McGlumphyらに対する米国特許第3,550,598号;Tatenoらに対する同第4,889,144号;Cherukuriらに対する同第5,004,595号;Bonnerに対する同第5,690,990号;Wamplerらに対する同第5,759,599号;Soperらに対する同第6,039,901号;Soperらに対する同第6,045,835号;Lewに対する同第6,056,992号;Soperらに対する同第6,106,875号Takadaらに対する同第6,117,455号;DeRoosらに対する同第6,325,859号;DeRoosらに対する同第6,482,433号;Dennenに対する同第6,612,429号;及びBouwmeestersらに対する同第6,929,814号;Karlesらに対する米国特許出願公開第2006/0174901号;Bessoらに対する同第2007/0095357号;ならびにHoltonらに対する国際特許第WO2007/037962号に記載されており、その各々が、参照により本明細書に組み込まれる。好適な種類のマイクロカプセルは、オハイオ州デイトンのMicrotek Laboratories等の製造元を通じて市販されている。例となる種類の市販されているマイクロカプセル化技術には、スイス国バーニアに本社があるGivaudanを通じて市販されているULTRASEAL(商標)及びPERMASEAL(商標)の商品名で販売されているものが含まれる。
【0090】
代表的な種類のカプセルは、Yosha! Enterprises,Inc.を通じた「Momints」及びThe Hershey Companyを通じた「Ice Breakers Liquid Ice」として市販されている種類からなる。代表的な種類のカプセルはまた、Cadbury Adams USA.を通じて「Cinnaburst」の商品名で販売されているガムの種類等、チューイングガムに組み込まれている。代表的な種類のカプセル及びその構成成分はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Waterburyに対する米国特許第3,339,558号;Irby,Jr.らに対する同第3,390,686号;Dockに対する同第3,685,521号;Brooksらに対する同第3,916,914号;Tatenoらに対する同第4,889,144号;MacAdamらに対する同第6,631,722号及びDealに対する同第7,115,085号;Dubeらに対する米国特許公開第2004/0261807号;Dubeらに対する同第2006/0272663号;Luanらに対する同第2006/01330961号;Mishraらに対する同第2006/0144412号;Karlesらに対する同第2007/0012327号;及びThomasらに対する同第2007/0068540号;Kimに対する国際特許第WO03/009711号;Hartmannらに対する同第WO2006/136197号;Maneらに対する同第WO2006/136199号、同第WO2007/010407号;及び同第WO2007/060543号、ならびにR.J.Reynolds Tobacco Companyを通じて「Camel Lights with Menthol Boost」の商品名で販売されているフィルタシガレット内に記載されている。参照により本明細書に組み込まれる、Takeiらに対する米国特許5,223,185号;Takeiに対する同第5,387,093号;Suzukiらに対する同第5,882,680号;Nakamuraらに対する同第6,719,933号及びFonkweらに対する同第6,949,256号;ならびにSchoenhardらに対する米国特許出願公開第2004/0224020号;Maneらに対する同第2005/0123601号;Bednarzらに対する同第2005/0196437号;及びScottらに対する同第2005/0249676号に記載されるカプセル及びその構成成分の種類も参照のこと。カプセルは、着色される場合があり、滑らかまたは粗い表面を与えられ、剛性または柔軟なシェルを有し、脆いまたは耐久性のあるシェルを有し、もしくは他の所望の特徴または特性を有し得る。
【0091】
本明細書で定義されるような放出性構成成分と反応する任意の材料が、放出改質剤として使用される場合がある。好ましくは、放出改質剤は、ヒトの経口用に安全かつ/またはヒトの摂取用に安全と思われる材料から形成される。
【0092】
いくつかの実施形態において、放出改質剤は、袋状製品に含まれる組成物内に存在し得、かつ組成物から放出可能であり得る、一定の要素、分子、化合物等とのその反応性に関連して定義され得る。そのような反応性は、結合(例えば、吸収、吸着、共有結合)または特定の化学反応に関連し得る。非制限的な例として、放出改質剤は、下記のアセトアルデヒド、砒素、ベンゾ[a]ピレン(BaP)、カドミウム、クロトンアルデヒド、ホルムアルデヒド、ニコチン、ニコチン由来のニトロソアミンケトン(NNK)、N-ニトロソノルニコチン(NNN)、他のタバコ特異的ニトロソアミン、その誘導体、その分解生成物、その前駆体等のうちの1つ以上と反応するように適合される任意の材料であり得る。放出改質剤はさらに、口腔条件下でタバコから放出可能な化合物と反応するように適合される任意の材料であり得る。タバコ内に存在する例となる化合物については、例えば、Rodgman and Perfetti,The Chemical Components of Tobacco and Tobacco Smoke,CRC Press(2008)を参照のこと。様々な条件下でタバコから放出可能であり得る分子のさらなる例には、下記の1-アミノナフタレン、2-アミノナフタレン、3-アミノビフェニル、4-アミノビフェニル、メチルエチルケトン、アセトン、アクロレイン、ブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、カテコール、ハイドロキノン、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、フェニル、レゾルシノール、アンモニア、シアン化水素、一酸化窒素、一酸化炭素、アクリロニトリル、1,3-ブタジエン、ベンゼン、イソプレン、トルエン、スチレン、ピリジン、キシリン、鉛、水銀、ニッケル、セレン、N’-ニトロソアナバシン(NAB)、N’-ニトロソアナタビン(NAT)、及びタールが含まれる。無煙タバコ内に存在すると述べられたさらなる化合物については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、International Agency for Research on Cancer.Smokeless Tobacco and Some Tobacco-Specific N-Nitrosamines.Lyon,France:World Health Organization International Agency for Research on Cancer,IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans,Volume 89(2007)を参照のこと。
【0093】
放出改質剤はまた、不利益なことに、農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、または殺鼠剤)、肥料、またはその残留物等、タバコ種子の一部分、例えばタバコ種子油内に存在し得る化合物と反応するように適合される任意の材料である場合がある。放出改質を対象とし得る例となる農薬には、これらに限定されないが、エチオン、パラチオン、ダイアジノン、メチルパラチオン、チオダン、ブロモプロピレート、ピリミホスメチル、フェンチオン、プロクロラズ、マラチオン、クロルピリホス、及びイマザリルが含まれる。
【0094】
放出改質剤は、その反応性、組成物、物理構造等のうちの1つ以上に基づいて特徴付けられ得る。いくつかの実施形態において、放出改質剤は、下記の吸着剤、吸収剤、分子インプリントポリマー(MIPS)、非分子インプリントポリマー(NIPS)、植物、抗酸化物質、キレート剤、シクロデキストリン類、及びそれらの組み合わせのうちのいずれかを含み得る。
【0095】
吸収剤は、湿潤を被り、放出性構成成分をその構造へと引き込むように適合された任意の材料を含み得る。吸収剤は、特に、繊維材料を含む多孔体であり得、液体(例えば、放出性構成成分を含む唾液)がその構造へと吸湿するように特異的に適合され得る。
【0096】
吸着剤は、放出性構成成分がその表面に接着する(すなわち、表面吸着を被る)ように適合された任意の材料を含み得る。好適な吸着剤は、物理吸着及び/または化学吸着を示し得る。放出改質剤として使用するのに好適であり得る吸着剤の非制限的な例には、活性炭、活性アルミナ、モレキュラーシーブス(炭素モレキュラーシーブス、及びゼオライト、例えばアルミノケイ酸を含む)クレイ、シリカ、ゲル、イオン交換樹脂、及び重炭酸ナトリウムが含まれる。
【0097】
活性炭は、特に有用であり得、好ましくは、例えば、約80重量パーセントを超える、より好ましくは、約90重量パーセントを超える炭素含有量を有する、主に炭素からなる。好適な炭素質材料は、瀝青炭、タバコ材料、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、ヤシ殻、アーモンドの殻、ブドウ種子、クルミの殻、マカダミアの殻、カポック繊維、木綿繊維、コットンリンター等を炭素化または熱分解することによって提供される。アーモンドの殻、ブドウ種子、クルミの殻、及びマカダミアナッツの殻由来の炭素は、ココナッツの殻と比較して、一定の化合物のより大きい気相除去を提供すると考えられている。好適な炭素質材料の例は、PCB及びGRC-11としてCalgon Corp.を通じて市販されている活性ココナッツ外皮系炭素、S-Sorb,BPL,CRC-11F,FCA及びSGLとしてCalgon Corp.を通じて市販されている木炭系炭素、WV-B,SA-20及びBSA-20としてWestvacoを通じて市販されている木材系炭素、HMC,ASC/GR-1及びSC II,ならびにWitco Carbon第637番としてCalgon Corp.を通じて市販されている炭素質材料である。他の炭素質材料は、Whiteらに対する米国特許第4,771,795号及びClearmanらに対する同第5,027,837号;ならびに欧州特許出願第236,922号;同第419,733号及び同第419,981号に記載されており、上述の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
分子インプリントポリマー(MIP)は、特定の標的分子または標的分子の種類に対する高い結合能力及び選択可能性を示すポリマー材料である。MIPは、1つ以上の標的分子を選択的に結合させるように操作される空洞を備える。非選択的な相互作用のみを示す大部分の分離粒子とは違い、MIPは、特定の標的分子または構造的に関連する標的分子の種類に対して立体的に、かつ/または化学的に相補的である選択的認知部位を有する。MIPについての一般的な議論は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Cormackら、J.Chrom.B.804:173-182(2004);Dombに対する米国特許第5,630,978号;及びYilmazらに対する米国特許出願公開第2004/0157209号、Sellergrenらに対する同第2005/0189291号、ならびにYilmazらに対する同第2010/0113724号に提供されている。MIPは、様々な化合物の混合物からの選択的な除去に対して研究されている。例えば、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる、Pertsovichに対する米国特許出願公開第2010/0239726号;Sellergrenらに対する同第2008/0038832号;及びPetcuらに対する同第2004/0096979号は、それぞれ、混合物からサフロール、ニトロ含有化合物、及びフェノールを除去する方法を記載している。
【0099】
MIPは、一般的に、その周りにポリマーが形成される3次元輪郭を提供する「テンプレート」分子の存在下で、官能性モノマー及び架橋剤を共重合させることによって調製される。官能性モノマーは、テンプレート分子の周りで組織化し、次に、架橋剤及び他の官能性モノマーによる重合によって所定位置へと固着される。テンプレート分子は、標的分子、または標的分子を模倣した構造類似体であり得る。テンプレート分子は、単量体単位で官能基の組織化、続いてポリマーの調製を配向し、テンプレート分子は、MIPから除去され、標的化合物の特異的結合に対して設計された空洞を提供する。
【0100】
ポリマー合成の任意の方法を使用して、MIP及びNIPを生成し得る。例えば、カチオンまたはアニオン重合を使用し得る。フリーラジカル重合は、MIP及びNIPの調製に対して最も一般的に使用される方法である。フリーラジカル重合の調製には、一般的に、テンプレート分子に加えて、1つ以上のモノマー、1つ以上の架橋剤、1つ以上の開始剤、及び任意選択的に、1つ以上の溶媒が必要とされる。モノマー、架橋剤、開始剤、溶媒、テンプレート分子、ならびにMIP及びNIPの形成に有用な調製方法の例は、参照により本明細書に組み込まれる、Pertsovichに対する米国特許第7,985,818号、及びByrdらに対する米国特許公開第2012/0291793号に記載されている。MIP及び/またはNIPは、例えば、MIP及び/またはNIPから形成された繊維を使用することによって、またはMIP及び/またはNIPを繊維に付着させることによって等、小袋を形成するために使用される透水性布の少なくとも一部分を形成し得る。
【0101】
植物材料(「植物」)とは、植物材料または処理済みの植物材料(例えば、熱処理、発酵、または材料の化学的性質を改質することができる他の処理プロセスを被る植物材料)からの抽出または単離等、その自然な形態での植物材料、及び天然の植物材料由来の植物材料を含む、任意の植物材料を指す。本開示の目的のために、植物には、これに限定されないが、持続的な木質組織を発現せず、それらの医薬または知覚特徴(例えば、茶または薬草)に対して価値があることが多い種子生成植物を指す、「薬草材料」が含まれる。植物材料の参照は、タバコ材料を含むことを意図していない(すなわち、任意のニコチアナ種を含まない)。植物材料は、限定することなく、その混合物を含む、本明細書に記載される化合物または源のうちのいずれかを含み得る。本種類の一定の植物材料は、栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学物質」もしくは「機能性食品」と称されることもある。
【0102】
好適な植物は、抗酸化物質の特徴を特に示し得、そのような植物は、特に好適な、かつ抗酸化物質の特徴を示す非植物材料であり得る。その多くが抗酸化物質の特徴と関連付けられる、例となる植物材料には、限定することなく、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナト-種子、杏仁油、バジル、ビーバーム、野生のヤグルマハッカ、ブラックペッパー、ブルーベリー、ボラージ種子油、キランソウ、カカオ、ショウブの根、キャットニップ、カツアーバ、トウガラシ、チャーガ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモ皮、ブドウ種子、朝鮮人参、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、ノコギリヤシ、緑茶、黒茶、ブラックコホッシュ、赤唐辛子、カモミール、クローブ、ココアパウダー、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ガーリック、マツヨイグサ、ナツシロギク、ジンジャー、ヒドラスチス、サンザシ、ハイビスカスの花、甘葛、カバ、ラベンダー、リコリス、マジョラム、オオアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、ビートの根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ハッカ油、ペパーミント、ムラサキツユクサ、ルイボス(赤または緑)、ローズヒップ、ローズマリー、サルビア、クラリーセージ、サイボリー、スペアミント、スピルリナ、アカニレの樹皮、ソルガムブラン高タンニン種、ソルガム粒高タンニン種、ウルシブラン、ヒレハリソウの葉及び根、クコの実、ゴツゴラ、タイム、ターメリック、ウバウルシ、バレリアン、自然薯の根、ウィンターグリーン、ヤーコンの根、イエロードック、マテ茶、ヤーバサンタ、バコパモンニエラ、アシュワガンダ、及びオオアザミが含まれる。
【0103】
植物材料は、下記の群:ミネラル、アスコルビン酸等のビタミン、イソフラボン、植物ステロール、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール、植物フェノール、トコフェロール、ユビキシン、ベンゾジオキソール、カロテノイド等、一定の生物活性作用を提供することで知られる様々な種類由来の化合物を含むことが多い。植物から得られる抗酸化物質は、下記の群、モノテルペノイドフェノール;チモール、カルバコール、メントール等のアルコール;p-シメン;カルノシン酸、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノール等のジテルペンフェノール;コーヒー酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸、p-クマル酸、レスベラトロール、クルクミン、オイゲノール、桂皮アルデヒド等のヒドロキシ桂皮型化合物;没食子酸、プロトカテク酸、没食子酸プロピル等のヒドロキシ安息香酸及び誘導体;スコポレチン、クマリン等の2-ベンゾピロン;ケルセチン、ゲニステイン、ナリンゲニン、ディオスミン、ルチン等の4-ベンゾピロン;アスパラチン、ノトファギン等のジヒドロカルコン;エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のフラバノール;アントシアン及びアントシアニジン;ウルソール酸、オレアノール酸、ベツリン酸、ベツロン酸等のトリテルペン;α,β,γ,δ-トコフェロール等のトコフェロール;トコトリエノール;β-カロチン、ルテイン等のカロテノイド;ユビキノン、CoQ10;アスコルビン酸パルミテート;ミリスチシン、ピペリン、サフロール等のベンゾジオキソール;及びガンボージ酸、ジンゲロール等の他の化合物等に分類され得る。
【0104】
植物材料に見られる例となる化合物には、これらに限定されないが、プロピレングリコール、乳酸、グリコール酸、アラニン、樟脳、ピルビン酸、アスパラチン、ボルネオール、メントール、リン酸、グリセリン、プロリン、コハク酸、チモール、グリセリン酸、2-ブテンジオン酸、3-ヒドロキシグルタル酸、リンゴ酸、5-オキソプロリン(ピログルタミン酸)、アスパラギン酸、トリヒドロキシブタン酸、グルタミン、アスパラギン、レボグルコサン、キシリトール、リビトール、2-ケト-L-グルコミン酸、果糖、カフェイン、クエン酸、グルコサミン、ネオフィタジエン、アルトロース、キナ酸、キシルロース、グルコース、イノシトール、2-アミノ-2-デキシグリコース、グルシトール、アスコルビン酸、グルコース、没食子酸、グルコン酸、ガラクタル酸、ヘキサデカン酸、3,4-ジヒドロキシフェニル-2-ヒドロキシプロピオン酸、グルクロン酸、ミオイノシトール、コーヒー酸、トリプトファン、リノレン酸、オクタデカン酸、ガラクチュロン酸、ロズマリシン、カルノシン酸、メリビオース、カルノソール、フィトステロール、スクロース、ロスマノール、2,5-デオキシフルクトサジン、2,6-デオキシフルクトサジン、フルクトサミン、マルチトール、エピカテキン、ノトファギン、オリエンチン、カテキン、エピガロカテキン、クマロイルキナ酸、トコフェロール、クロロゲン酸、スティグマステロール、ロスマリン酸、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、グリデリニン、エピカテキンガレート、カテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、ソラネソール等が含まれる。さらなる例となる化合物については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Santhoshら、Phytomedicine,12(2005)216-220を参照のこと。
【0105】
植物材料は、本発明の袋状製品において様々な形態で使用され得る。例となる形態には、細断された、または粒子状の(例えば、粒状または粉末として特徴付けられる形態での製粉または挽かれた製品)形態での植物材料が含まれる。例となる形態にはまた、固形形態(例えば、凍結乾燥、または噴霧乾燥)で任意選択的に使用され得る、油、水性抽出物、またはアルコール(例えば、エタノール)抽出物等の形態での植物材料の単離された構成成分が含まれる。非制限的な実施形態において、油、水性抽出物等は、透水性布に注入され得、かつ/またはカプセル化され得る。本開示に従って有用であり得る植物由来の抗酸化物質を含む植物は、2013年11月5日に出願された、米国特許出願第14/072,318号にさらに記載され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
キレート剤は、基質とキレート錯体を形成するように適合されるリガンドであると理解される。キレート剤は、金属種に対する放出改質剤として特に有用であり得る。キレート剤の非制限的な例には、ジメルカプロールまたは英国抗ルイサイト(BAL);サクシマーまたはジメルカプトコハク酸(DMSA);ユニチオールまたは2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸(DMPS);D-ペニシラミン(DPA);N-アセチル-D-ペニシラミン(NAPA);エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(CaNa(2)EDTA);カルシウム三ナトリウムまたは亜鉛三ナトリウムジエチレントリアミン五酢酸(CaNa(3)DTPA,ZnNa(3)DTPA);デフェロキサミン(DFO);デフェリプロン;トリエチレンテトラミンまたはトリエンチン、N-アセチルシステイン(NAC);プルシアンブルー(PB);及びその誘導体が含まれる。
【0107】
シクロデキストリン類は、多数の(例えば、5以上)のα―D-グルコピラノシド単位から構成される環状オリゴ糖であると理解されている。非制限的な例には、α―シクロデキストリン(6単位)、β-シクロデキストリン(7単位)、及びγ-シクロデキストリン(8単位)が含まれる。シクロデキストリン類は、親水性の内側に疎水性の外側を提供し得、したがって様々な複合体を形成するために有用な材料を作製する。
【0108】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される透水性布製小袋は、濾材を備えるものとして特徴付けることができる。具体的には、濾材は、使用の特定の条件下で、混合物、溶液、または懸濁液の1つ以上の構成成分に透過可能であり、残りの構成成分に透過不能である、任意の材料を含み得る。非制限的な例として、透水性布を形成する不織ウェブは、その多孔性、ウェブの形成に使用される繊維、及び/またはウェブに対する添加剤(例えば、その形成中にウェブに加えられたフィルタ材料)の性質によって、濾材であるように形成され得る。いくつかの実施形態において、特定の形態における放出改質剤(例えば、吸収剤、吸着剤、MIP、NIP等)は、小袋から引き出された唾液と組み合わされた放出性構成成分が、放出改質剤との反応を介して1つ以上の放出特徴において改質され得るように、口腔条件下で、粒子状物質が、透水性布の内側を実質的に塗装し、または少なくとも部分的に塗装するように、袋状製品に含まれ得る。さらなる実施形態において、透水性布は、口腔条件下で、注入された材料が、さもなければ、透水性布を通過し得る放出性構成成分の放出を改質する機能を果たすように、組成物(例えば、側物または他の抗酸化物質)を注入され得る。これらの非制限的な例、ならびに本開示に鑑みて想定され得るさらなる実施形態において、透水性布は、1つ以上の放出性構成成分を実質的に濾過する機能を果たし得、すなわち、1つ以上の放出性構成成分は、透水性布に透過不能であり、他の材料(例えば、唾液、及び任意選択的に、組成物からのある特定の放出性構成成分)は、透水性布に透過可能である。例えば、口腔条件下で、第1、第2、及び第3の放出性構成成分は、唾液を含む溶液を形成することによって等、透水性布製小袋の空洞内の組成物から放出され得、唾液、第1の放出性構成成分、及び第2の放出性構成成分は、透水性布に透過可能であり得、第3の放出性構成成分は、放出改質剤の存在、及び/またはさもなければ濾材としての透水性布の性質に起因して、透水性布に透過不能であり得る。
【0109】
本開示に従って有用な透水性布は、放出性構成成分が口内に放出され得るのに必要な透水性を提供し、また布によって画定された空洞の内側に固形組成物(例えば、粉末、粒子、細断された材料等)を保持するのに十分な構造を示す、任意の材料から構成され得る。布は、具体的には繊維から形成され得、より具体的には、繊維の不織ウェブから形成され得る。本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、織物の基本要素として定義される。繊維は、ロープまたは紐状の要素の形態にあることが多い。本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、繊維、フィラメント、連続フィラメント、短繊維等を含むことを意図している。「多構成成分の繊維」という用語は、2構成成分の繊維を含む、物理的または化学的性質が異なる2つ以上の構成成分を含む繊維を指す。具体的には、「多構成成分の繊維」という用語は、ドメインが消散され、ランダムであり、または非構造的である傾向がある混合物とは対照的に、離散的な構造のドメイン内に存在する2つ以上のポリマーから調製された短繊維及び連続繊維を含む。
【0110】
「不織」という用語は、繊維が不定またはランダムな配向で整列される、繊維材料、ウェブ、マット、バッツ、またはシーツを参照して本明細書において使用されている。不織繊維は、最初に、未結合繊維またはフィラメントとして提示されている。透水性布の製造中、繊維またはフィラメントは、共に結合され得る。繊維またはフィラメントが結合される様式は、異なり得、最終製品の所望の特徴に基づき部分的に選択される、熱、機械及び化学技術を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、熱融着可能なバインダー塗装が、透水性布に利用される場合がある。他の実施形態では、そのような塗装は、明示的に存在しない、または低減され得る。したがって、本発明のある特定の実施形態において、袋状製品は、熱融着可能なバインダー塗装を略含まないものとして記載され得る。例えば、袋状製品を形成するために使用される不織ウェブは、熱融着可能なバインダー塗装の約0.5重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.1重量%以下(不織ウェブの総重量当たり)を含み得る。いくつかの実施形態において、不織ウェブは、熱融着可能なバインダー塗装を完全に含まない。本明細書で使用される場合、「熱融着可能なバインダー塗装」とは、不織ウェブに適用され、加熱時に個々の小袋の継ぎ目を封止することができるアクリルポリマー組成物等の液体塗装材料を指す。
【0112】
いくつかの実施形態において、透水性布の形成に有用な繊維不織ウェブは、小袋の熱封止の機能を提供することができる熱可塑性ポリマーを含む複数の熱封止バインダー繊維を含み得る。本明細書で使用される場合、「バインダー繊維」は、バインダー繊維が不織ウェブに対する結合剤として作用し得るように、加熱時に軟化または溶解を被る目的のために使用され得る、任意の種類、大きさ、化学的性質等からなる繊維であり得る。熱封止バインダー繊維を含む不織ウェブは、2014年9月12日に出願された、米国特許出願第14/484,956号に記載され、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
様々な繊維を使用して、不織「フリース」小袋、すなわち、透水性布を形成し得る。例えば、セルロース系繊維(例えば、レーヨンまたはビスコース繊維として知られる再生セルロース)を使用し得る。ある特定の実施形態において、繊維は、短繊維であり得る。不織ウェブ内の各繊維は、1構成成分の繊維であり得るが、不織ウェブの形成において2構成成分の繊維を使用し得る。透水性布は、単一の繊維型から形成され得、または複数の繊維型から形成され得る。不織ウェブの形成に使用され得る繊維型のさらなる非制限的な例には、木材、木綿から作製された繊維、再生セルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース材料から作製された繊維、タンパク質繊維等が含まれる。また、参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらに対する米国特許公開第2014/0083438号及びRushforthらに対する同第2014/0026912号に記載される繊維型も参照のこと。
【0114】
再生セルロース繊維は、特に有益であり、一般的に、木材から非セルロース系化合物を抽出し、抽出された木材を苛性ソーダと、続いて二硫化炭素と接触させ、次に水酸化ナトリウムによって、粘性溶液を与えることによって調製される。本溶液は、続いて、紡糸口金を通して押し出されて再生成された繊維の粘性糸を生成する。再生セルロースの調製に対する例となる方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Leoniらに対する米国特許第4,237,274号;Baldiniらに対する同第4,268,666号;Baldiniらに対する同第4,252,766号;Ishidaらに対する同第4,388,256号;Yokogiらに対する同第4,535,028号;Laityに対する同第5,441,689号;Vosらに対する同第5,997,790号;Sumnichtに対する同第8,177,938号に提供されている。再生セルロースを作製する様式は、限定的なものではなく、例えば、レーヨン及びテンセルプロセスの両方を含み得る。Lenzing(オーストリア)、Cordenka(ドイツ)、Aditya Birla(インド)及びDaicel(日本)を含めて、再生セルロースの様々な供給業者が知られている、
【0115】
不織ウェブに使用される繊維は、異なり得、これらに限定されないが、円形、長方形、四角形、卵形、三角形、または多葉を含む、任意の種類の断面形状を有する繊維を含む。ある特定の実施形態において、繊維は、1つ以上の間隙空間を有し得、間隙空間は、例えば、円形、長方形、四角形、卵形、三角形、または多葉断面形状を有し得る。先に述べたように、繊維は、1構成成分(すなわち、繊維全体を通して組成物内で均一)、またはこれらに限定されないが、シース/コア構造を有する繊維、及び海島構造を有する繊維、ならびにサイドバイサイド、セグメントパイ、セグメントクロス、セグメントリボン、または先端多葉断面形状を有する繊維を含む、多構成成分の繊維型から選択され得る。
【0116】
不織ウェブの形成に有用な繊維の物理パラメータは、異なり得る。例えば、不織ウェブに使用される繊維は、異なる大きさ(例えば、長さ、dpf)及び波形特徴を有し得る。いくつかの実施形態において、不織ウェブに使用される繊維は、ナノ繊維、サブミクロン繊維、及び/またはミクロンサイズの繊維であり得る。ある特定の実施形態において、本明細書で有用な繊維は、約1.5dpf~約2.0dpf、または約1.6dpf~約1.90dpfを測定し得る。好適な実施形態において、各繊維は、短繊維であり得る。各繊維の長さは、例えば、約35mm~約60mm、または約38mm~約55mmを測定し得る。様々な実施形態において、各繊維は、約4~10波形/cm、または約5~8波形/cmを測定し得る。不織ウェブ内のすべての繊維が、不織ウェブ内の繊維の好ましい混合及び配向を確保するために、同様の繊維の大きさ及び波形属性を有することが有益である。
【0117】
不織ウェブの製造手段は、異なり得る。ウェブの形成は、当該技術分野で知られる任意の手段によって、達成され得る。ウェブの形成は、一般的に、表面への繊維(例えば、熱融着可能なバインダー繊維及び任意の追加の繊維)の堆積、続いて、機械の方向への繊維の整列/混合を包含する、カーディング工程を包含する。その後、不織ウェブは、一般的に、これらに限定されないが、熱融着または結合、機械交絡、化学接着、またはそれらの組み合わせを含む、ある特定の種類の結合/交絡を被る。ある実施形態において、不織ウェブは、カレンダー(平面または点結合を提供し得る)、スチームジェット結合、またはスルーエアオーブンを用いて、熱結合される。さらなる結合方法には、超音波結合及び圧着が含まれる。いくつかの実施形態において、針穿孔が利用され、針を使用して、繊維間に物理的交絡を提供する。ある実施形態において、ウェブは、流体力を用いて繊維を絡ませ、結合させるために使用されるプロセスである、水力交絡を用いて絡めとられる。
【0118】
例えば、ある特定の実施形態において、不織ウェブは、点結合によるフリースカーディングプロセスによって製造される。点結合(例えば、カレンダーを用いて)は、経口中にウェブを通して水溶性構成成分が移動するようにウェブ内の良好な多孔性を維持するために、不織ウェブの表面積の比較的小さい部分に限定されるべきである。ある特定の実施形態において、点結合は、約50%未満、約30%未満、または約20%未満(例えば、約1%~約50%、約5%~約40%、または約10%~約30%)等、不織ウェブ(または結果として生じる小袋)の表面積の約60%未満に限定される。点結合の利点は、多孔性、柔軟性、及び布強度を制御する能力である。
【0119】
他の実施形態において、不織ウェブは、水流交絡を被り得る。本明細書の不織布に適用されるような「水流交絡」または「スパンレース」という用語は、マニホールドまたはインジェクタと称されることが多い圧力容器に収容されたノズルジェットストリップにより一般的に発する、高速微細水ジェットのカーテンによる衝突を被るウェブを定義する。この水流交絡された布は、繊維の再配向、捻れ、折り返し、及び交絡によって特徴付けられ得る。例えば、繊維は、約10バール~約1000バールの範囲の水圧で、1つ以上の水流交絡マニホールドからの水圧を繊維が被ることによって水流交絡され得る。点結合と比較して、スパンレース技術は、ある特定の実施形態において、ウェブの多孔性に対する衝撃がより小さく、したがって、不織小袋材料を通した風味の移送を改善し得る。
【0120】
様々な実施形態において、不織ウェブは、加工中のウェブの伸長を低減するために、第2の結合方法を被り得る。ある特定の実施形態において、本発明の梳き、かつ水流交絡された不織ウェブは、袋包装機への高速加工中の有意な伸長を示し得る。不織ウェブの過度な伸長により、ウェブが加工中に縮む可能性があり、その結果、最終的な製品が適切にサイズ決めされない。そのため、例えば、伸長に起因する最終的な製品の任意の縮みを補償するために、より幅広いロールのフリースに適合するように処理機械を改質する必要があり得る。
【0121】
そのような伸長の問題を回避し、または少なくとも低減するために、様々な実施形態において、不織ウェブは、第1の結合(例えば、水流交絡)が完了した後に点結合され得る。第2の結合プロセスは、不織ウェブの引張強度を増し、かつ伸長特徴を低減し得る。具体的には、点結合プロセスは、離散的な点でウェブ(例えば、熱融着可能なバインダー繊維)を部分的に、または完全に溶融させることによって、不織ウェブを結合させ得る。例えば、いくつかの実施形態において、不織ウェブは、ウェブの最初の結合後に、超音波結合を被り得る。当該技術分野で知られる不織材料に対する任意の超音波結合システムを使用して、不織ウェブを超音波結合させることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Austに対する米国特許第8,096,339号及びWeilerに対する同第8,557,071号に記載される機器及び装置を参照のこと。いくつかの実施形態において、不織ウェブは、一般的に加熱される、型押し及び/または彫刻カレンダーロールを介した点結合を被り得る。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Schmidtに対する米国特許公開第2008/0249492号で論じられた非常に高いカレンダー圧力及び型押し技術の使用を組み込む、点結合方法を参照のこと。点結合プロセスは、一般的に、上に述べたような不織ウェブの表面積の約60%未満に限定される。
【0122】
ある特定の実施形態において、製品識別情報は、透水性布製小袋に含まれ得る。いくつかの実施形態において、製品識別情報は、製品ブランド、企業名、会社のロゴ、会社のブランド、マーケティングメッセージ、製品の強度、活性成分、製品の製造日、製品の賞味期限、製品の風味、製品の放出プロフィール、重量、製品コード(例えば、バッチコード)、他の製品識別マーク、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態において、不織ウェブの混合、交絡、及び結合に使用される加工技術はまた、繊維不織ウェブ材料に所望のテクスチャを与えることができる。例えば、点結合または水流交絡は、不織ウェブに所望のテクスチャ(例えば、所望の模様)を与えることができる。このテクスチャ加工された模様は、製品識別情報を含み得る。製品識別情報は、Reddickらに対する米国特許公開第2014/0255452号に記載されるもの等、さらなる様式で含まれる場合があり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0123】
繊維ウェブは、異なる厚さ、多孔性、及び他のパラメータを有し得る。不織ウェブは、そこから形成された袋状製品の繊維の配向及び多孔性が外側透水性小袋内に包囲される経口用に適合された組成物を保持し得るが、消費者が組成物の風味を楽しむことも可能にするように、形成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、繊維ウェブは、約20gsm~約35gsm、または約25gsm~約30gsmの基本重量を有し得る。好適な実施形態において、繊維ウェブは、約28gsmの基本重量を有し得る。布の基本重量は、例えば、ASTM D3776/D3776M-09a(2013)(Standard Test Methods for Mass Per Unit Area (Weight)of Fabric)を用いて測定され得る。様々な実施形態において、繊維ウェブは、約0.1mm~約0.15mm(例えば、約0.11mm)の厚さを有し得る。繊維ウェブは、約70%~約80%、例えば、約78%の伸長を有し得る。いくつかの実施形態において、繊維ウェブは、約4lbs~約8lbs、例えば、約5.5lbsのピーク負荷を有し得る。繊維布の伸長及び破壊強度は、例えば、ASTM D5034-09(2013)(Standard Test Method for Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(Grab Test))を用いて測定し得る。様々な実施形態において、繊維ウェブは、約35~約40、例えば、約37の引張エネルギー吸収量(TEA)を有し得る。ある特定の実施形態において、繊維ウェブは、約10,000ml/分/cm2より大きい多孔性を有し得る。TEAは、例えば、見本の横面積当たりの引張負荷下で見本を破壊するように行われた作業として測定され得る。繊維布の多孔性または透過性は、例えば、ASTM D737-04(2012)(Standard Test method for Air Permeability of Textile Fabrics)を用いて測定することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、透水性布は、布の実質的に単一層ウェブである不織ウェブから作製され得る。いくつかの実施形態において、透水性布は、2つ以上の不織層で構成されている多層複合体であり得る。各不織層は、上に論じられるプロセスによって形成され得る。本開示に従って使用され得る多層構造は、参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月12日に出願された、米国特許出願第14/484,956号に記載されている。具体的には、多層ウェブは、親水性層及び疎水性層(互いに比較して)を含み得る。具体的には、外側層が親水性であり、具体的には、内側層が疎水性であり得る。そのため、疎水性層は、袋状製品の保管中に、組成物内の風味が水分の蒸発に起因して失われないように、経口用に適合された組成物内に任意の湿気を保持することができる。しかしながら、疎水性層内の毛細管は、使用時に風味が口腔内に放出されるように、ユーザの口へと湿気を逃がすことができる。本様式において、小袋材料は、エンドユーザによる製品の享受を有意に損なうことなく、保管安定性を改善することができる。2層は、接着剤または縫合を用いて2層を共に取り付けることによって等、当該技術分野で知られる任意の手段を用いて、多層複合不織材料へと形成され得る。テクスチャ材料の疎水性は、例えば、当該技術分野で知られているように、液滴とテクスチャ材料の表面との間の接触角度を測定することによって評価され得る。
【0125】
親水性層及び疎水性層は、同世の不織ウェブ組成物から構成され得る(例えば、両者は、PLA繊維等の熱融着可能なバインダー繊維とビスコース線維との混合から構成される)が、不織ウェブのうちの1つは、疎水性または親水性のいずれかを改善するように処理される。例えば、不織ウェブの層は、親水性を与えるように湿式化学溶液により処理され得る。そのようなあるプロセスにおいて、不織ウェブ層は、食品用界面活性剤を含有する水性アルコール溶液により処理される。界面活性剤は、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、またはスクロース脂肪酸エステル(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Iwasakiらに対する米国特許第7,498,281号を参照のこと)のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態において、フリース布層は、選択されたセルロース繊維を変更することによって、親水性または疎水性にさせることができる。例えば、圧倒的に疎水性のセルロース繊維が、オーストリアのLenzingを通じてTencel(登録商標)Biosoftとして、またドイツのKelheimを通じてOlea Fiberとして市販されている。様々な実施形態において、親水性層は、例えば、ドイツのKelheimを通じても市販されているカチオンまたはアニオンセルロース繊維を組み込むことができる。親水性層は、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ゼラチン、アルギン酸、スルホコハク酸、及びそれらの組み合わせ等の添加剤を含有することができる。例示された繊維のいずれも、いくつかの実施形態において、単一層の透水性布の形成に使用し得る。
【0126】
様々な製造機器及び方法を使用して、本明細書に記載される袋状製品を製造し得る。例えば、参照によって前に組み込まれる、Novak,IIIらに対する米国特許第2012/0055493号は、無煙タバコ製品の製造に使用される管へと形成される小袋材料を提供するための機器及びプロセスに関する。小袋材料の連続的な供給を供給するための機械を組み込む同様の機器(例えば、小袋材料から連続的な筒状部材を形成するための連続的な管形成ユニットに小袋材料を供給するように適合された小袋加工ユニット)を使用して、本明細書に記載される袋状製品を製造することができる。小袋材料のそのような連続的な管を形成するための代表的な機械は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Boldriniらに対する米国特許出願公開第2010/0101588号に記載されている。本機器は、連続的な管部材が細分化され、かつ離散的な小袋部分へと封止されたとき、各小袋部分が経口用に適合されたある分量の組成物を含むように、連続的な管部材に袋状の材料を供給するための機械をさらに含む。充填材を供給するための代表的な機械は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyに対する米国特許出願公開第2010/0018539号に開示されている。いくつかの例において、本機器は、連続的な筒状部材を個々の小袋部分へと細分化するための細分化ユニットを含む場合があり、いったん個々の小袋部分へと細分化されると、各小袋部分の端のうちの少なくとも1つを封止するための封止ユニットを含む場合もある。他の例において、連続的な筒状部材は、封止ユニットにより個々の小袋部分へと封止される場合があり、次にいったん個々の小袋部分が封止されると、連続的な筒状部材は、直列的に配置された小袋部分の封止端間に連続的な筒状部材を細分化する細分化ユニットによって、離散的な個々の小袋部分へと細分化され得る。また他の例において、連続的な筒状部材の個々の小袋部分の封止(密閉)は、密閉及び分割ユニットを用いて、その細区分と実質的に同時に生じ得る。
【0127】
経口小袋製品を製造するための例となる機器は、Novak,IIIらに対する米国特許公開第2012/0055493号の図1~5に図示されているが、本機器は一般的かつ説明的意味でのみ使用され、制限の目的ではない。下記の製造プロセス及び関連する機械は、下に記載されるプロセス順序に限定されないと理解すべきである。本発明の様々な実施形態において、米国特許公開第2012/0055493号に記載されるものと同様の機器が、巻き出しスピンドル組立体に第1のボビンを取外し可能に受容するように構成される場合があり、第1のボビンは、その上に巻き取られた小袋材料等の材料の連続的な長さを有する。第1のボビンが本機器と係合されるとき、小袋材料は、第1のボビンから、小袋材料の連続的な供給を、縦軸を画定する連続的な筒状部材へと形成するように構成される形成ユニットへと送られ得る。
【0128】
そのため、小袋材料が第1のボビンから巻き出されるとき、小袋材料は、さもなければ本明細書でダンサー組立体と称される、ローラ部材の配置の周りに配向され得る。形成ユニットは、第1のボビン及びダンサー組立体と協働して、小袋材料が、例えば駆動システムによって、第1のボビンから巻き出され、かつ形成ユニットへと供給されるとき、小袋材料をピンと張り、小袋材料に対する一定量の縦張力を維持するように構成され得る。当業者であれば、第1のボビンと形成ユニットとの間で、所望の経路に沿って小袋材料を配向するために、好適に整列された一連の任意の数の、例えば、アイドラローラ、ガイドポスト、エアバー、ターニングバー、ガイド、トラック、トンネル等によって、支持され、送られ、かつ/または誘導され得ることを理解するだろう。従来型の自動小袋製造機器によって使用される一般的なボビンは、長さが異なり得る小袋材料の連続的な帯を含有することが多い。そのため、本明細書に記載される装置は、そのような種類及び大きさのボビンを取り扱うように構成される場合がある。
【0129】
形成ユニットは、小袋材料の連続的な供給が、連続的な筒状部材へと形成され得るように、中空シャフトの周りに小袋材料を配向するように構成される1つ以上のローラ部材を含むことができる。形成ユニットは、縦方向に延在する継ぎ目を形成し、それによって縦方向に延在する連続的な筒状部材を形成するように、小袋材料の縦縁を封止し、固定し、さもなければ係合するように構成される封止装置を含み得る。様々な実施形態において、挿入ユニットは、経口用に適合されたある分量の組成物を、中空シャフトを通して連続的な筒状部材へと導入するように構成され得る。挿入ユニットは、中空シャフトと直接的に、または間接的に係合され得る。
【0130】
連続的な筒状部材の前縁または先端(縦方向に延在する継ぎ目とも称される)は、挿入ユニットによって挿入される経口用に適合されたある分量の組成物が先端の近位の連続的な筒状部材内に含有されるように、密閉/封止され得る。先端は、小袋部材部分の密閉された先端を形成するように、連続的な筒状部材の第1の部分を密閉/封止するように構成される密閉及び分割ユニットを介して密閉/封止され得る。密閉及び分割ユニットはまた、前の小袋部材部分の密閉された後縁または後端を形成するように構成され得る。この点において、密閉及び分割ユニットはまた、小袋部材部分の密閉された後端を形成するように、連続的な筒状部材の第2の部分を密閉するように構成され得る。この点において、密閉及び分割ユニットは、熱封止、または他の好適な封止機構によって、端を密閉することができる。
【0131】
上に論じられるように、バインダー塗装は、本発明の実施形態に必ずしも必要ではない。代わりに、小袋材料の不織ウェブに組み込まれる熱融着可能なバインダー繊維が、いったん経口用に適合された組成物が外側透水性小袋内に挿入されると、小袋を封止するための熱融着可能なバインダーとして作用し得る。
【0132】
Novak,IIIらに対する米国特許公開第2012/0055493号の図20~22に示されているように、密閉及び分割ユニットは、直列的に配置された小袋部材部分の密閉された後端と密閉された先端との間で、連続的な筒状部材の縦軸に沿って、各離散的な小袋部材部分が挿入ユニットによる経口組成物の一部分を含むような複数の離散的な小袋部材部分へと連続的な筒状部材を分割するように構成され得る。この点において、密閉及び分割ユニットは。連続的な筒状ユニットを離散的な小袋部材部分へと細断するための、刃、加熱ワイヤ、または他の切断器具を含み得る。例えば、密閉及び分割ユニットは、連続的な筒状部材を密閉し、かつ分割するように相互作用するように構成される第1及び第2のアーム部材を含むことができる。
【0133】
操作時に、経口用に適合されたある分量の組成物(すなわち、個々の小袋部材部分に好適な量)を、先端を密閉した後であるが後端を密閉する前に、挿入ユニットによって小袋部材部分に供給することができる。様々な実施形態において、ある分量の経口組成物を受容した後、離散的な個々の小袋部材部分は、個々の袋状製品を形成するように、後端を密閉し、かつ連続的な筒状部材から密閉された小袋部材部分を細断することによって、形成され得る。
【0134】
各小袋内に含有された材料の量は、異なり得る。より小さい実施形態において、各小袋内の材料の乾燥重量は、少なくとも約50mg~約150mgである。より大きい実施形態において、各小袋内の材料の乾燥重量は、好ましくは、約300mg~約500mgを超えない。いくつかの実施形態において、各小袋/容器は、参照により本明細書に組み込まれる、Holton,Jr.らに対する米国特許第7,861,728号により詳細に記載されるような、その中で処理された風味剤部材を有し得る。例えば、風味水の分散体または水溶性材料(例えば、口臭消臭の食用皮膜型の材料)の少なくとも1つの風味帯、片、またはシートが、少なくとも1つの小袋と共に、またはこれを含まない各小袋内で処理され得る。そのような帯またはシートは、小袋内に容易に組み込むために、折り畳まれ、または丸められ得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Scottらに対する米国特許第6,887,307号及びLeungらに対する同第6,923,981号;ならびにThe EFSA Journal(2004)85,1-32に記載される材料及び技術の種類を参照のこと。
【0135】
様々な実施形態において、不織ウェブは、高速袋包装機による問題を生成する程度に十分な粘性を有し得る。したがって、ある特定の実施形態において、テフロン(登録商標)塗装または同様の材料が、加工中の袋包装機に粘着する小袋材料と関連する任意の問題を低減し、かつ/または緩和するために、例えば、ローラ、切断機器、及び熱封止装置等の不織ウェブに接触する袋包装機の1つ以上の表面に適用され得る。
【0136】
本発明の多くの変更形態及び他の態様は、本発明が、前述の説明に示される教示の利益を有するのにふさわしいことが、当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明が、開示される特定の実施形態に限定されず、かつ、変更形態及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。本明細書で特定の用語が使用されるが、これらは、一般的かつ説明的意味でのみ使用され、制限の目的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B